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夏の日の思い出~last summer~3

/夏の日の思い出~last summer~3

人×ポケですよ・・・  作 ピカピカ



<第6話 嘘?>
アノン自宅・・・



「なぁ、悪かったって・・・でも只忘れてただけで、お前に言わないでおこうなんてこれっぽっちも思ってなかったんだって・・・」
部屋でただひたすらリムに謝っているアノン。そのアノンを無視するかのように、リムは顔を膨らませて、そっぽを向いていた。
「機嫌直せよ・・・何で言わなかっただけでそんなに怒ってるんだよ・・・」
その言葉にピクッと反応して、リムはアノンの方を凄い形相で睨み付けた。(アノンは当然たじろぐ)
「言わなかっただけ・・・?それだけで私が怒ってるとでも思ってるの!?」
「えっ・・・何か他に俺怒らすような事した?」
まったく覚えがない・・・。一体リムが怒っている原因って何だ?
「いつの間にイナと会ったの?私が知らないところでイナと何話してたわけ?」
あっ・・・その事で怒ってたのか・・・。
「いや、ちょっと色々あってイナとばったり会ったもんだから、そこで話を・・・」
「どこで話してたの?お祭り以外のことで何か話したの?」
何でこんなに詮索するんだリムは・・・。俺は海に行っていたなんて事言ったらリムにどう言われるか分からなかったので、とりあえずごまかそうと考えた。
「いや、ここら辺を歩いている途中に会ったんだ。それに大した事は話していないよ(これは本当)」
「ふ~ん・・・イナと何かした・・?」
俺はギクッとした。言えるはずがない・・・まさかイナとキスしたなんて・・・(いや、無理やりやらされたも同然なのだが)
「な、何もしてねぇよ・・・」
「本当~~?」
リムは俺の顔を覗き込んできた。俺はリムを真っ直ぐ見据えて言った。
「本当だって・・・」
俺の顔をしばらく見ていたリムだったが、しばらくして顔を離した。
「じゃあ、信じる・・・」
俺はほっと胸を撫で下ろした。
「でも・・・まだ許さないよ・・・」
「ええぇぇぇぇ・・・・う~ん、じゃあどうしたら許してくれるんだよ?」
リムはしばらく考え込んでいたが、そのうち何か閃いたようにアノンの顔を見た。
「じゃあ、私のお願いを三つ聞いてくれること!!」
「はぁ・・・?何だよそれ・・・ラ〇プの魔人じゃねぇんだからさぁ・・・」
「聞いてくれないと許してあげないよ?」
そう言ってリムはまたそっぽを向いてしまう。俺は仕方ないとそれを聞くことにした。
「分かったよ・・・三つだな?聞いてやる・・・」
それを聞いたリムは再びこっちを見てアノンに向かって笑いを見せた。
「うん!!じゃあ許してあげる!!」
俺は少しため息をついた。一体どんな事を要求してくるんだろう・・・。そんな事を考えていると、リムがまた話しかけてきた。
「さっそく私のお願い聞いてくれる?」
「さ、さっそく!?いくら何でも早すぎないか!?」
そう言って慌てる俺に対し、リムは顔をうつむかせていた。
「聞いてくれないの・・?」
リムは少し残念そうにしていた。俺はまたひとつ小さなため息をついた。
「たくっ・・・分かったよ!!一つ目のお願いは何だ?」
リムは顔を上げて、尻尾をブンブン振っていた。
「じゃあね・・・・」
リムは言う前に顔を少し赤く染めた。



「キス・・・・・してほしい・・・」



「・・・・!!き、キスって・・・リム?」
突然の事に驚きを隠せない俺もリム同様顔を赤く染めていたと思う。
「それ・・・本当に言っているのか?リム・・・?」
リムは静かに頷く。俺は頭をポリポリと少し掻くと、リムの近くに行き、リムと目線が合うようにしゃがんだ。
「俺は今・・・お前の願いを聞き入れるラ〇プの魔人だ・・・それが主人の命とあらば、俺はそれに従う・・・」
自分でも何言っているのかと思うくらい恥ずかしいことを言った・・・。でも、リムはそんな事を気にせずに静かにまた頷いた。
「じゃ、じゃあ・・・・するぞ・・・目を・・閉じて・・・」
そう俺が言うとリムは素直に瞳を閉じた。俺もあまり見ないように目を閉じた。何故なら今、リムの顔をまじかで見たら襲ってしまいそうだったから・・・。
そして二人の唇は段々距離を近づけていく・・・。
心臓の鼓動がどんどん早くなっていく・・・



そして二人の唇はまた互いに、静かに重なり合った・・・。



(俺がしたら、これで二回目なのか・・・いや、あれは夢だったからカウントされないか・・・)←まだ勘違い中・・・。
まだ依然として目を閉じながら二人の唇は重なりあっている・・・。
二人は唇を離した。
「「・・・・・・・・・・・・」」
二人はしばらくの間黙っていたが、アノンが先に口を開く。
「これで満足した?」
リムは静かに頷いた。その反応を見て、アノンは笑って答えた。
「まったく・・・こんな事で願い使わなくてもいいのにな・・・」
「ふにゃ・・・?何で・・?」
リムは間抜けな声で聞き返す。
「したいって言えば・・・・いつでもしてやるのに・・・」
そう言ったアノンの顔は真っ赤になっていた。それを聞いたリムはクスッと笑った。
「そうだね・・・・あ~あ・・・・無駄にお願い使っちゃったなぁ・・・」
そう言ったリムを見てアノンは笑った。そしてリムも同じように笑った。そして笑い終えると今度はリムが先に口を開いた。



「じゃあ、ラ〇プの魔人さん?二つ目のお願い・・聞いてくれる?」
「またか・・?いいけど・・・何をお願いするんだ・・?」
リムは今度は顔は染めないで、軽々と話した。
「お祭り!!お祭りの時、一緒に手を繋いで・・・ずっと一緒に居てくれる?」
そう言ってリムは俺に笑いかけた。俺は少し恥ずかしかったけど首を縦に振って言った。
「仰せのままに」
こうして後四日後に控えたお祭りを楽しみに待つ事にした二人は眠りについた・・。



<第6話 嘘? 終>



<第7話 一緒>
時は進み、今日、いよいよお祭りの最初の日がやってくる。俺は毎年このお祭りを楽しみにしていた。やっぱりお祭りはいくつになっても楽しいものだと俺は思う。小さい頃はよくリムに振り回されていたが・・・(今もそうだけど)
そして今、時刻は3時。お祭りが始まるのは確か6時からだ。それまで、母さんとリムは何か準備をするらしい。一体何をしているのか気になってしょうがないのだが、母さんとリムは言うと、部屋に入ってこないでと強く俺に念を押してきた。
と、言うわけで・・・俺は只今、一階の居間で椅子に腰掛けている訳だ・・・。



暇・・・暇・・・暇・・・暇・・・



頭の思考回路は「暇」の一文字で埋め尽くされてしまっていた・・・。
「おいおい・・・部屋に入ってから一時間経ってるぞ・・・?本当に何してるんだか・・」
俺は軽いため息をつく。テレビを見てもお祭りの準備の中継ばっかで、何一つ面白い番組はやっていない。
「お祭りの中継なんか見るより、ここにいる人はいっその事お祭りに行くよな~・・・」
そんなこんなで只今の時刻4時30分・・・。リムと母さんが準備が終わったそうなので、俺を部屋に呼んだ。
俺は二階に上がると、部屋の前で母さんが待っていた。そして俺に耳打ちした。
「襲うんじゃないよ・・・」
「はぁ・・・?何だよそれ・・」
俺は訳が分からないまま、母さんに背中を押されて、部屋に入れられた。母さんがドアを閉める。
「たくっ・・・一体何だよ・・・」
俺が前を見ると、いつもとは違うリムの姿があった。
「・・・リム・・?」
リムは綺麗な浴衣を着ていた。俺はつい見とれてしまう。
「アノン・・・似合う、かな・・?」
俺はいつもとは違うリムの姿に見とれてしまっていて、言葉が出なかった。
「アノン?どうしたの?・・もしかして・・似合ってない?」
「えっ・・・?あぁぁっ・・・えぇっと・・・うん、似合ってる・・・」
俺は我に帰り、頭を掻く。
「本当!?良かった!!似合ってなかったらどうしようかと思っちゃった」
俺の言葉を聞いたからなのか、リムは本当に嬉しそうだった。嬉しさのあまり、リムは浴衣の袖をヒラヒラさせている。



まさか・・・襲うなって・・・リムの事・・?



俺は意味が分かった途端に、恥ずかしさで顔を紅潮させる。何てこと言うんだよ母さんは・・・。そして俺の様子に気づいたリムが顔を寄せて、俺に話しかけてくる。
「アノン?さっきから何か様子変だよ?顔も赤いし・・・大丈夫?」
「へ・・?あ、あぁぁ・・・全然大丈夫!!気にするなって!!」
俺は恥ずかしさをごまかすため、平気な素振りを見せる。
「そう?なら、いいんだけど・・・」
本当に心配性だな・・・こいつは・・・
「じゃあ、もう一足先に行っちゃおうか?お祭り・・・」
「まぁ・・・準備を見てる間に時間も過ぎるだろうしな・・・イナとラフとの待ち合わせ時間も始まる時間ちょっきりだし・・・行くか・・」
「うん!!行こう行こう!!ほら早く!!」
リムが俺の腕を引っ張って急かしてくる。
「お、おい!!あんまり引っ張るなって・・・」
「いいからいいから!!さぁ、レッツゴー!!」
お祭りの事になるとテンション高いな・・・リムは・・・
そんな事を考えているうちに俺とリムは母さんの許可を得て、外に出た。少し夕日が沈みかけていて、外は真っ暗な所と、少し明るいところの二つに別れていた。
俺とリムが二人で歩いていると、リムが俺の手を握ってきた。
「リム・・・?」
「私のお願い忘れたの?お祭りのある日は、手を繋いで、ずっと傍にいてくれること・・」
リムが少し顔を赤らめながら俺に言う。そして俺も願いの通り、手を繋ぎ返す。
「そうだったな・・・じゃあ、行こうか?」
「うん!!」
俺とリムは手を繋ぎながら二人でお祭りの場所まで歩いていった。学校と同じで、そう遠くはない距離だったからすぐに着いた。
時刻は5時・・・あと一時間あるな・・・。よし・・・
「リム?お祭りの最後には花火があるだろう?」
「え?・・・そういえばそうだね」
「じゃあさ、二人でこれから花火がよく見えるところを探さないか?待ち合わせにはまだ1時間あるし・・・」
俺がそう言うと、リムは嬉しそうな顔をした。その顔に俺はドキッとする。
「うん、いいよ!!探そう!!」
「じゃあ、探そうか!」
そう言って俺とリムは花火がよく見えそうな場所を探した。でも、この町の考えている事は皆同じなのか、すでに場所は殆ど取られてしまっていた。
「う~ん・・・どこも取られちゃってるね・・どうする?アノン・・」
「そうだな・・・近くに花火がよく見える場所・・・んっ・・?」
俺は辺りを見回して、ある場所を発見した。
「そうか・・・!!あそこがいいな!!」
俺が閃いても、リムは頭にクエスチョンマーク。
「えっ・・?どこどこ!?」
「リム!!学校だよ!!学校の屋上!!あそこの校舎は高いからよく見える筈だ!!」
俺がそう言うとリムもやっと分かったらしく頭には電球のマーク。
「それはいいかもね!!イナとラフにも教えなきゃ!!」
「そうだな!!集まったら教えるか!!」
「うん!!アノン、たまには良い事言うじゃん!!」
そう言ってリムは俺の少し前を走っていく。んっ・・・?たまには・・・って!!
「余計なお世話だ!!待て、おい!!リム!!」
「気づくのおそ~い(クスクス)」
そう言ってリムは浴衣を着ているのにも関わらず、器用に俺から走って逃げていく。
「笑い事じゃないぞ~!!リム~~!!」



只今の時刻・・・5時50分・・・。
<第7話 一緒 終>



<第8話 言葉>
「はぁ・・・はぁ・・・」
結局、リムに追いつく事が出来なかった俺は呼吸を乱していた。リムの方も結構走ったせいか、疲れていた。
時刻は6時。俺とリムは待ち合わせの場所にいた。まだラフとイナは来ていないらしい。
「ふぅ・・・何とか間に合ったなぁ・・・」
やっと呼吸を整えた俺は、リムに言う。そしてリムも落ち着いたのか、俺の言葉に答える。
「うん。まだラフとイナは来てないみたいだね?」
「あぁ・・・まだかなぁ・・・あいつら・・」
俺とリムが待ち合わせ場所で数分待っていると、二つの影が近寄ってきた。暗くてよく分からなかった。
「あれ、ラフとイナかな?お~い!!」
リムが勢いよく手を振る。そしてそれに応えるように二つの影も手を振り返した。どうやらラフとイナらしい。
「悪い悪い・・・遅れちまった」
ラフはいつも通り、短パンにワイシャツ姿だった。打って変わって、イナのほうはと言うと、リムと同じくらい綺麗な浴衣を着ていた。それを見たリムはイナに近寄る。
「すご~い!!イナ、凄く綺麗だね!!その浴衣」
リムがそう言うとイナは笑って言い返した。
「ありがと、リム。あなたも充分綺麗だよ?アノンも見とれてたんじゃないの~?」
ギクッ・・・(汗)図星だ・・・何故イナは俺の気持ちが分かるんだろう・・。
「そんな事ないよ~?イナの方が凄く綺麗だって。アノンもそう思うでしょ?」
リムが唐突に俺にふってきた。答えに困る・・・この質問は・・・。リムとイナ(+ラフ)は俺をじーっと見ている。
悩みに悩んだ俺が出した結論は・・・




「さぁ、みんな集まった事だし、そろそろ行こうか!!」




はぐらかした・・・情けない・・・。
「「クスクス・・」」
俺が考えていた反応と違って、リムとイナは笑っていた。
「な、何がおかしいんだよ・・・?」
「だっていつもこういう時、アノンはどっちも傷つけたくないからって話をはぐらかすんだもん・・・」
リムに続けてイナも言う。
「まぁ、そこがアノンの良いところなんだけどね・・。それに逆に考えると、どっちも綺麗だって言いたかったんでしょ?」
はい、またまた図星ですよ・・・俺ってそんなに分かりやすいかなぁ・・・。
何かラフもさっきから口には出さないが、頷いてるし・・・(はっきり言ってラフには言われたくないんだが・・)
「い、いいから行くぞ!!花火まで後二時間しかないんだからな・・・それまで祭りを楽しもう!!」
俺は恥ずかしくて頭を2、3回掻いた後、リムの手を握って先を歩いた。リムはいきなり手を握られて歩いたものだから、少し躓いてしまった。その様子を見たイナはまだクスクス笑っていた。
「アノンは本当に分かりやすいんだから・・・じゃあ、私達も行こう?」
そうイナが言うとラフはイナを持ち上げた。そして、イナの足はラフの肩にかかり、肩車の体勢になった。
「ひゃあっ!?ラフ!?何するの!!」
突然のことに驚いて、足をじたばたさせていたイナだったが、ラフは笑って言った。
「お前4足歩行なんだからさ、歩いたら浴衣が汚れちまうだろ?誰かに踏まれたりしたら大変だから・・・。だから任しとけ!!」
イナはラフが心配してくれている事が嬉しくて、顔を少し紅潮させた。そしてラフの頭に手を乗せる。
「じゃあ・・・お願いね?しっかり支えてよ?」
「任しとけって!!お前もはしゃぎすぎて落ちたりするなよ?」
「分かってるわよ!!もう!!」
イナは少し膨れっ面になり、ラフはアノンたちを追いかけるように人ごみの中を走っていった。
時刻は6時30分。花火まで残り2時間。
<第8話 言葉 終>



リム「コメントしてくれたら嬉しいな・・・」
イナ「私のファンコールとかも受け付けてるよ~!!」
ラフ「誰もしないって・・・あっ・・すいません・・・(イナに睨まれて、防御力が下がった)」
リム「アノンも何か言わないの?読者さんにむけて、ほら!!」
アノン「んっ・・・?あぁ・・・えぇっと・・・読んでくれてありがとうございます・・・続きも是非読んでください・・・」
他の三人「固いなぁ・・・」



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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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