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図を按じて驥を索む

/図を按じて驥を索む

Writer:&fervor


同性愛、3P、強姦気味の描写あり。

前書き 

図を按じて驥を索む:
理屈ばかりで、実際には役に立たない知識のこと。
父の書いた書物のみを頼って千里の馬を探した少年が、ヒキガエルを連れてきた故事成語から。

本編 

「なるほど、わからん」
 ただ一言、青年はそう呟いて天井を見上げる。白い壁紙を見つめながら、椅子の背もたれをキュコキュコと揺らす。
「過去問解くのはいいけど、答えが途中で終わってちゃ意味ないだろ」
 机に置いていた数枚の紙の束を掴み、宙でぷらぷらと揺らしてみる。当然そんなことをしたところで、答えが浮き出てくるわけではない。
そのまま暫くその紙を凝視し続ける彼であるが、どうやら彼の頭の中には答えが存在しないようだ。結局またしても背もたれにだらりと垂れる。
「ネットでもだめ、図譜でも駄目。友達からも解答は来ず、実物の記憶はもはや無い。いやーこりゃお手上げだなはっはっはっ馬鹿野郎」
 とりあえず笑ってみる彼。その目は明らかに笑っていない。寧ろ何か悟りを開いて新たな境地へと旅立っていそうなほど虚ろだ。
いわゆる「詰んだ」という状況の中、彼は必至に戦っている。落ちるわけにはいかない、落とすわけにはいかない試験が目の前に迫っているのだから。
「今更実物もっかい見せてくれる訳じゃなし、どうしようも……ん、実物?」
 思いついたように彼は椅子から立ち上がる。今の状況を打開できるような名案が思い浮かんだのだろうか、壁に掛けてあるバッグへと手を伸ばしている。
ごそごそと中身をかき回し、拾い上げたのは赤と白の球体。いわゆる普通のモンスターボールだ。二個のボールが取り出され、机の上に整然と並んだ。
「なんだよく考えたら別に生きてても良かったんだよ。標本のことばっか考えてたけど、少なくともこの問題は生体で分かりそうだし」
 机には広げられた本、先ほどの過去問、そしてモンスターボール。文章と僅かばかりの模式図が書かれた本には幾つものマーカーが引いてある。
どうやら彼はその本からも答えが得られずに困っていたらしい。ホッチキスで留められた過去問は、まだ結構な残りがあるようだ。
『ポケモンの生態と生殖について、次の文章の空欄を埋め、問いに答えよ。』と書かれたページで彼の書き込みは止まっている。その問題文を辿りつつ、彼は机の上の二つのボールに手を掛けた。
「出てきてくれ、イーヴ、シェリム」
 ポン、と小気味良い音と共に開いた二つのボール。それぞれから発せられた赤い光が二つポケモンの形となっていく。
そして現れたのは緑と白の細長い身体が一つと、翼を持った緑と赤の身体が一つ。片方はくるりと蜷局を巻いて、そしてもう一つは翼を軽く広げ、両足をスタッと降ろして机の脇に着地した。
「ご主人、どうかしました? 部屋の中で呼ぶなんて珍しいですけど」
「だよなー、俺達大きいから邪魔だ、って言ってたのヴェレットじゃないか」
 出てくるなり口々に喋り出す二匹。ヴェレット、と呼ばれた青年はその話を遮るかのように、びしっと部屋の隅の大きなベッドを指さした。
「悪いけどあそこで仰向けになって並んで寝てくれないか? 俺の試験勉強に付き合って欲しいんだ、頼むこの通り」
 そう言うと彼は素早く床に手足を付け、足を綺麗に折りたたんで頭を深々と床に下げる。お辞儀までして一体どうしたのかと困惑する二匹。
けれども並々ならぬ誠意と真剣さを見せられた以上、断る理由もない。互いに顔を見合わせた後、素直にベッドまで移動していく。
一人暮らしの部屋には些か大きなベッドだが、だからこそ彼らが寝転がってもなお壊れない。もちろん彼のこだわりの所為でこんなに大きなベッドがあるのであって、こんな事をする為では無いのだが。
「さてと、それじゃあこれから標本になっててくれ。いや別に腹ん中開く訳じゃないぞ? ただ観察させてくれればそれで良いから」
 ベッドの側までやってきた彼は、手に持った過去問をざっと眺める。一通りどこを見なければならないのか、そしてどんなことに注意すべきかを確認しているようだ。
もちろんまだ全く事情が飲み込めていない彼ら。見せろ、と言われても一体何が見たいのか当然分からない。お風呂で一緒なんだから別にいつでも見てるじゃないか、と片方が呟く。
「あーそりゃそうだけどさ、普段そんなに注意して見てる訳じゃないだろ? ほら、シェリムだって身体は自分で洗ってるし」
 まあそれはそうだけど、と尻尾をはたりと揺らすシェリム。ご自慢の翼をどうしようかと未だに位置取りに悩んでいる様子。大きな翼を広げれば、隣のイーヴの邪魔になる。
結局片方の翼をイーヴの下敷きにすることにして、イーヴに少し身体を浮かすように要求する。イーヴの長い身体はベッドからそれなりにはみ出しているが、こちらは半ば諦めムードだ。
「んー、やっぱ見比べていくっきゃないかな、それじゃイーヴから。あ、もうちょっと上に上がれるか?」
 分かりました、とさらに身体を引きずり上げるイーヴ。ベッドから落ちていた下半身もベッドに持ってくると、中々窮屈そうだ。それでも身体を曲げることで上手くベッドに全てを収める。
それじゃあ、とヴェレットはイーヴの身体に手を延ばす。背中側とはちがって薄緑のお腹側を、尾の側にむかってつうっとなぞっていく。くすぐったくて思わず笑いそうになるイーヴ。
そんなことは気にせずに、目的の部分まで手を滑らせていくヴェレット。彼は問題文と彼女の身体を交互に見つつ、そろそろかな、などと呟いている。
ちっとも止まらない手の動きと、その先にある部位にようやく何をされるか気づいたイーヴ。思わず飛ばしたマジカルリーフだが、当てる気は無かったようで、後ろのカレンダーに違うことなく命中した。
「ちょ、ちょっと何してるんですかご主人! っていうかこれから何を見る気ですかこの変態っ!」
「へ、変態ってあのな……仕方ないだろ分かんないんだから! 俺には無いんだし、お前だけが頼りなんだ、頼むっ」
 さっきの土下座はこういうことだったのか、と納得したイーヴ。それでもなお頭を下げてくるご主人相手に、暫く考え込んでしまう。別に変なことをするつもりは無いらしい。
とはいえ雌としてはこんな所を見られるのは恥ずかしいにもほどがある。けれど今ご主人はとても困っている様子。自分だけが頼り、と言われて悪い気もしない。
沈黙の時間、ただ頭を下げるヴェレットと目を瞑って考えるイーヴ。そして俺は一体どうすればいいんだろう、と戸惑っているシェリム。そして、イーヴはただ一言呟いた。
「……分かりました、いい、ですよ」
「本当か! ありがとうイーヴ! いやもう本当助かった……ありがとうありがとうああもうマジでありがとう」
 がばっ、とベッドの上のイーヴに抱きつくヴェレット。目を逸らして恥ずかしがっているものの、どうやらイーヴも満更ではない様子だ。
そんな様子を何やってるんだ、と横目で眺めるシェリム。俺はいつまでベッドで仰向けでいれば良いのやら、とため息をついている。
「それじゃ、シェリムはちょっと待っててくれよな。あとでお前にも用があるからさ」
 そういって、いよいよ手を伸ばしたのはイーヴの雌としての大事な部分。普段はなかなか目にすることのない一本の筋がそこにはしっかりと走っている。
それを躊躇うことなく両手で開き、中の構造を確認するヴェレット。横目で見ていたシェリムは思わずバッと反対を向く。どうやら彼はこういったことに余り耐性がないらしい。
そんなことに気づくはずもなく、ヴェレットは再び問題文を手に取る。もちろん割れ目は片手の指でぱっくりと開かれたまま。中のピンク色をした肉壁は外気に触れて震えている。
「ふんふん、なるほどこっちがこの空欄に入る訳か、ってことはこれが内側にあって……あとはなんだ」
 再びイーヴの身体へと目を向けたヴェレット。片手で割れ目を開いたまま、さらにもう片方の手で各部の構造を確かめている、らしいのだが。
そういった経験など全くないイーヴにとっては、その刺激のそれぞれが堪らなくむず痒い。ぴく、ぴくと揺れる尻尾、不規則な呼吸は僅かな興奮の証。
お構いなしに各部の構造を確認してはその空欄をてきぱきと埋めていくヴェレット。実物と標本はまた違うもの、という意識は今のところ全くないらしい。
さらに膣の入り口に軽く指を入れ、内部が覗けないかとヴェレットは試行錯誤している。ふっ、ふっ、と必至に声を我慢するイーヴだが、涙目の顔からしても限界は近い。
そしてそんな声をすぐ間近に聞いているシェリムも堪ったものではない。雄として、もちろん気にならないわけがないのだが、流石に反応してしまっては不味い。
声だけでもそそるものがあるというのに。実物を覗こうと思えば少し顔を上げて目を動かせば良いだけ。これほどの条件を我慢して必死に別のことを考えるのもまた辛いもの。
「ひあっ、ぁ」
 聞こえてきた声に、思わず驚くシェリムとヴェレット。反射的に顔を動かした所為で、シェリムはとうとうその大事な部分をしっかりと目撃してしまうことに。
「あ、悪い。ごめんなイーヴ、くすぐったかったか。よし、それじゃちょっと交代って事で」
 しかしそこはどこか抜けているヴェレットのこと。それが喘ぎ声だったのは紛れもない事実のはずなのだが、どうやら本人は何も気づいていないようだ。
それなりにシェリムを待たせてしまった事にも気がついて、ようやくの交代となった。シェリムはふう、と大きく深呼吸して、さっき見た光景を忘れようと努力する。
まだスリットの中に綺麗に収まってはいるものの、ぴく、と反応したのは事実なようだ。というか、あれで反応しない雄などどこにいるのだろうか。
イーヴはぐったりと赤らめた顔ごとベッドに倒れ込んでいる。潤んだ瞳と僅かに湿った割れ目が、照明にテカっているのだが、それにはヴェレットも、そして完全に寝転がったシェリムも気づいていない。
「で、俺はどうすれば良いんだ? 尻尾か、それとも手足の付け根とか?」
 ヴェレットの言った『自分にはない』という言葉。その言葉から、シェリムはどうやら自分はまた別の箇所を見られるのだと勘違いしているらしい。
だが、彼にないのは何も雌の器官だけではない。ポケモンの雄、特にシェリムのようなポケモンだと、その特徴は非常に顕著だ。つるんとしたお腹には、何もぶら下がっていないのだから。
「いやいやさっきの流れからして分かるだろ? ……頼む、ほんっとに頼む」
 またしても深々と頭を下げるヴェレットに、シェリムはマジかよと呟いた。まさかそんなはずはないだろう、と思っていたことが現実になってしまうのだから。
しかし隣のイーヴも頑張っていたのだから、と正直断りづらいのは事実。ただ、やっぱりここはきっぱり言うべきだ、と改めてシェリムは抗議する。
「い、いや、でもだってお前も俺も雄じゃないか、自分の見てりゃ済むだろ!」
「いや、そうじゃなくて俺が見たいのはそのー、いわゆるスリットなんだ。雌の器官と比べてどうこう、ってのが知りたくってさ」
 ああ、なるほど、と一瞬納得してしまうシェリム。しかしここで納得してしまっては色々見られる羽目になってしまう。イーヴの前でそんなプレイはお断りである。
しかし、隣でイーヴも同じようなことをされていたのだ。自分だけ逃げてしまうのもそれはそれで少し後味が悪い。おまけに目の前のヴェレットもまだ頭を下げている。
「っああもう分かった分かったよ、いいさ、どうとでもなれっ!」
 さあこい、とばかりにカバーに覆われた目を閉じて、両手両足を広げるシェリム。ようやく気持ちも落ち着いたイーヴだが、今度は何となくそちらが気になる様子だ。
ありがとな、と呟いて、再び問題文とにらめっこするヴェレット。ふんふん、と納得しながら徐々に手をシェリムの方へと伸ばしていく。
特に躊躇もなく先ほどの割れ目と同じようにして、彼はぱっくりとスリットを開く。中には小さく収まった雄の突起と、それを包むピンク色の肉壁。
その辺りにある器官を指で弄りながら、ヴェレットはぶつぶつと問題文を朗読していく。もちろんその内容はシェリムにもイーヴにもちんぷんかんぷん。
それでもどうやら彼は納得しているらしい、と言うことだけは分かる。憖じ強く反発出来ないので、シェリムはされるがままで必死に耐えている。
別のことを考えて気を紛らわそうにも、たまに肉棒に直接触れる彼の手がどうしようもなくむず痒い。無意識の割に余りにも狙い過ぎなその刺激。
先ほどのイーヴの声がシェリムの中で蘇る。自分はそうなりたくないな、と思っていた彼だったが、そろそろそんな余裕も無くなってきたようで。
「ちょ、まだ終わんないのかよ!」
「分かった分かった、すぐ終わらせるから。後はこれだよなー、ちょっといいか?」
 何を、と言う間も無く肉棒をぎゅっと摘まれたシェリム。堪らず変な声を上げるのだが、ヴェレットは気にせず指をその突起に合わせて這わせる。
変な声に振り向いたイーヴが見たのは、僅かにスリットから顔を出していたシェリムの雄。どうやら気づかないうちに少しずつ大きくなっていたようだ。
顔を熱くしてふるふると震えるシェリム。気持ちとは裏腹に、どんどんと大きくなっていくそのピンク色の突起。ドラゴンのタイプを持つだけあって、中々に大きく見えるそれ。
「で、ここがこれで……なるほどなるほど。よし分かった、じゃあイーヴもこっち来てくれ、隣で見比べるから」
「え、なっ、そっ、ごしゅ、ご主人何馬鹿なこと言って」
 慌てるイーヴと半泣きにも見えるシェリム。恥ずかしいのはどちらも同じ。こんな生殺し状態で、互いの性器が見えるように並べ、と言われてさすがの二匹も動揺する。
しかしヴェレットはイーヴの身体をぐい、と引き寄せて隣に並べる。お互いの箇所を見比べつつ、こことここが同じで、などとまた一人ぶつぶつ呟いている。
二匹は互いに反対方向を向く、のだが、触られるのがどうしても気になってヴェレットの方を向いてしまう。そうなれば当然相手の身体も丸見えだ。
気にならないわけではない。イーヴもシェリムも、ヴェレットの方を向きながらちらちらと相手の身体を伺っている。雄が雌に、雌が雄に興味を持つのは自然なこと。
問題はそれを全く考えないヴェレットにある。とはいえ当の本人はそんな考えは毛頭持っていない。段々興奮してきた二匹を余所に、過去問を見てはなるほどね、と頷いている。
「んー、ま、大体こんなもんかな。大分埋まったし、生態と生殖なんて後は人間と大してかわんないだろ。入れて出してお終いってとこさ」
 さらっとこんなことを言ってのけるヴェレット。どうも彼は色恋沙汰だとかそういったことに疎いらしい。一度も恋なんてしたことがない、と言うだけはある。
性欲がないわけじゃないようなのだが、本人曰く「出すもんは出す、やりたいことはやる。それが生き物だ」ということらしい。
流石に今回のようなとんでも行為はイーヴもシェリムも予想していなかったが、ここまでされると逆に諦めもついてしまうもの。お互いの恥ずかしい部分ももう隠そうとはしていない。
「じゃ、お疲れさん。もう戻ってくれ、って、あの、イーヴ?」
「ここまで弄っておいて、それこそ何かの嫌がらせじゃないですか。終わらせませんよ」
 しゅるりと伸びた蔦が、机の方に振り返ったヴェレットの身体に巻き付いている。そのままどすん、と彼はベッドの上に落とされる。そこに覆い被さるようにして上から見下ろすシェリム。
ようやく何か良くないものを感じ取ったのか、ずる、ずるとベッドの上を後ずさる。いくら大きいとはいえ、ベッドの広さも知れたもの。壁にぺたんと背中を貼り付けて、なお迫り来る二匹に愛想笑いを浮かべる。
「こんなにしたのはヴェレットなんだし、責任とれよな? いつか言ってただろ、やりたいことはやる、って。だから俺も、イーヴもそうさせてもらうぜ」
 ぐっ、とシャツを捕まれたかと思えば、鋭い爪でびりりと引き裂かれる。続いて下の半ズボンも、下着と共にいとも簡単に引き裂かれてしまう。
いくらヴェレットとはいえ、ここまでされれば何をされるかそれなりの想像は付く。だが今回自分がやったことを思い返してみれば、余り強く断ることも出来ず。
「い、いや、その、悪かった、けどさ。俺、人間だし、イーヴはともかく、シェリムとは同性だし、勘弁……無理、か?」
 シェリムに遮られていた蛍光灯の明かりがヴェレットの目を貫く。眩しさに一瞬眩む視界、開放された、かと思えば下腹部にはイーヴが既に控えていて。
壁際に寄りかかっていたヴェレットの身体は、シェリムに引っ張られて再びベッドに寝転がる体勢。そして顔の部分には大きくそびえ立つシェリムの肉棒。
「とりあえず、私とシェリムの相手、してもらいますからね」
 股間の肉棒に何かが巻き付く感触。蔦がまだ縮こまったそれをくにくにと弄っている。逃げ出そうにも、この二匹のボールは遙か遠くの机の上。
いつもは直ぐ側にあったはずの机が、今はとてもとても遠くに感じられる。手を延ばすのはボールではなく、顔の前に差し出されたピンク色に滾る雄。
未経験の彼にとっては、自分以外の誰かが自分の肉棒を触るのも初めての刺激。相手はポケモンだ、と分かっていても、きっちり反応してしまうのは雄の悲しい性か。
そして目の前の雄も、きっと満足させてやらないと開放はしてくれない。興奮した獣たち相手だ、断れば無傷で済む保証もそんなに無い。
不満げに見つめてくるシェリムと顔を見合わせた後、仕方なしに彼はシェリムの雄に舌を這わせた。まさかこんなことやることになるなんて、思ってもみなかっただろう。
いつの間にか随分と大きくなった彼の雄に、イーヴは迷うことなく舌を這わせる。ぬるり、とした感触、そして何より熱い、溶けそうなほどの温もり。
「ひ、あぁ」
 それは悲鳴か、あるいは嬌声か。無意識に漏れたそんな声に、イーヴは満足げな様子。口全体でその肉棒を覆うようにして、わざわざくちゅくちゅと音を立てて舐っていく。
手を這わせ、かつ舌でさっき構造を確認していたはずの肉棒に奉仕するその様子が、シェリムには何だか滑稽で。ご主人も好き者だなあ、とわざとらしく笑ってみせる。
これが罰なのか、とヴェレットは先ほどの行いを反省していた。もちろん手を、舌を止める訳にはいかないのでそちらに集中を寄せてはいるのだが。
ただ、同時にこの手持ち達とこうして一緒に触れ合っていると、何かが満たされていくような気もしていた。ひょっとして、もう既に自分は彼らに恋、それに近い何かを感じていたのでは無いだろうか。
人付き合いも決して多い方では無い彼にとって、彼らは子どもの頃からの仲間で、家族で、あるいは友達以上の何かだったのだから。
「さて、そろそろ準備は良いみたいですね」
 イーヴの言葉で我に返ったヴェレット。でろでろに濡れた自身の雄、それは果たして彼女の唾液か、それとも自身が吐き出した先走りか。
既に濡れそぼっていた彼女の秘所が、彼の肉棒に宛がわれる。ぬちゅ、ぬちゅと数度表面をなぞったかと思えば、案外すんなりと雄は彼女の中へと収まっていく。
途中で何かがつかえるが、それも気にせずさらに身体を近づける彼女。その様子をシェリムも興味深く見つめている。それほど時間もかからず、あっという間に全てが包まれてしまった。
「意外と、辛くないものですね。ふふ、ご主人も惚けてるみたいですし」
 そんなこと、と否定しようとしたその顔に、今度は肉棒の先端が押しつけられる。舐められるだけでは満足いかなくなったのだろう、シェリムが胸の辺りに跨って雄を差し出している。
拒否しよう、と言う考えは何故か彼には浮かばなかった。迷うことなくその先端を口に含む。丁寧に出口を舐めれば、シェリムの先走りとおぼしき粘液が舌に纏わり付く。
不快ではない。シェリムが望むなら、応えるだけ。この感情は、やっぱり彼らが「好き」という事なんだろう、とヴェレットの心の中で何かが吹っ切れる。
「さっきは悪かったな。俺、なんだかんだでお前らのこと、たぶん、好き、なんだろうな。初めて思えるよ、一人で処理するより、よっぽど気持ちいいや」
 シェリムの雄から口を離して、先走りの纏わり付いた顔で、ヴェレットは何か嬉しそうに二匹に笑いかける。イーヴも、シェリムも、その顔は優しい笑顔だった。
ようやく動き出したイーヴの身体に合わせるように、ヴェレットもぎこちなく腰を動かす。しんどい、けれどそれ以上にイーヴの中が気持ちよくて。
雄を舐られながら、シェリムは目の前に来たイーヴと唇を重ねる。舌と舌を絡めて、三者三様に皆で繋がり合って、ただただ快感に溺れていく。
加速する腰の動き、震える身体。イーヴも、シェリムも、ヴェレットも、この激しい行為に早くも限界を迎えそうで。
「っあ、あぁ、うあああああああぁぁっ!!」
 イーヴから口を離したシェリムが、がくりと身体を揺らして咆える。雄から吹き出した白濁が口の中に溢れかえり、ヴェレットは雄から口を離す。
なおも吹き出す白濁が辺りに飛び散り、シェリムの目のカバーも、イーヴの緑の身体も、ヴェレットの顔も、白く濡らしていく。
「ふあ、あああああぁっ!!」
 その濃厚な雄の匂い、そして激しい肉棒の動きにイーヴも果てる。溢れる粘液がヴェレットの股間をどろりと流れ、肉棒を搾り取るように内壁が蠢く。
「あ、うあっ、あああああああぁぁっ」
 熱く、そして執拗なイーヴの秘所の攻撃に為す術もなく、ヴェレットもまた情けない声を上げて絶頂を迎える。大量の精液が割れ目から溢れ、イーヴとヴェレットの隙間に満ちていく。
びく、びくと揺れるそれぞれの身体。くたりとお互いに身体を預け合いながら、その絶頂に惚け、自然と笑みを浮かべている。
雌と雄の性の匂いが、一人暮らしの部屋を満たしていく。それはさながら媚薬のごとく、それぞれを新たなる行為に導いていく。
無言でヴェレットから離れたイーヴが、今度はシェリムの雄に秘所を宛がう。精液に濡れた秘所が、新たな子種を求めてひくひくと動いている。
シェリムももう遠慮することなく、雄をイーヴの中へと入れていく。と同時に、イーヴに寄りかかったヴェレットの雄を首を伸ばして咥え込む。
ヴェレットはイーヴに身体を寄せ。優しく摩りつつその口を重ねて舌と舌を這わせていく。溢れかえるシェリムの精液を、イーヴにも分け与えるかのように。
それぞれがそれぞれの匂いを、味を求めて悦楽を貪る。悦に溺れた笑みを浮かべて、性欲に犯された思考で本能のままに暴れ、悶え、狂う。
「ふっ、ぅあ、はぁっ、ん」
「ひっ、あ、ぁ、うっ」
「ぁう、くっ、は、ああぁ」
 あるいはこの快感が、この行為が愛だとか恋だとか、そして生殖とやらの本質なのかも知れない、と薄れ行く理性の中ヴェレットは考える。ポケモンも人も、元は同じだったのだから。
本で読んでも、勉強しても、何一つ理解できなかったその言葉の意味が、今なら少し分かる気がした。やはり、本物を、実物を見ないと理解なんて出来ないものだ。
ただの知識じゃない、経験に基づいた本当の意味での理解。これもある意味、その在り方の一つなんだろうな、とヴェレットはそう納得しながら。
さらなる勉強のために彼が手を伸ばしたのは、過去問でもなく、教科書ではなく。イーヴの秘所と、シェリムの肉棒だったのだ。


 ――その結果、彼はめでたく再試験通告を受けることになるのだが、それはもう少し後のお話。

後書き 

あんまり隠す気も無かったのでいつも通りです。獣医さんっていいですよね。そっちに進めば良かったか……。
というわけで勉強目的で性器を眺める謎プレイなお話でした。いつの間にか襲われてましたけどそりゃ焦らされたらそうなりますよ(

タイトルに関しては按図索驥、を書き下して読むとこうなるらしいです。
実物見ないと分かんないものなんですよね。図譜も頼りにはなるんですが2Dじゃ限界あるんです。

>興奮することも特になく、平気で♂や♀の性器をぐちょぐちょとする姿を想像して何ともエロい感じでした。
>その後は思い切りイーヴとシュリムに"反撃"を食らってしまいますが、それに対して満更でもない主人公。先ほどまで弄ってたのになんかメロメロでも食らったんでしょうか(
>試験は落ちてしまったようですが、きっとポケモンの性知識は豊富にありそうですね。主にどこが感じるとかそんなものばかりにはなりそうですが(
>
>読んでてとても○○○○してきました。
>ごちそうさまですw (2012/09/17(月) 01:18)
そうですねー、淡々としてますが結構弄ってます。やられる方は堪ったものじゃないですねw
たぶんきっとヴェレットもやられてるうちに昂ぶってきたんでしょう。そういうもんですよ、タブンネ。
性知識があっても試験には通らない……現実って非常ですねー。

>面白かったです! (2012/09/17(月) 05:10)
久々にぶっ飛んだキャラを書いた気がしました。書いてて楽しかったですw

>変態選手権らしくて良かったと思います (2012/09/18(火) 17:10)
変態は誉め言葉だと思ってます。思っときます。いやでももっとエロい作品も他にry

>試験勉強を実物でやるという発想に加え、興奮した二匹を並べて観察するとかどう見ても変態です。本当に(ry
>なんだかんだで気を許してしまう彼らの仲の良さが表れた良い作品でした。 (2012/09/23(日) 00:56)
やっぱりトレーナーとポケモンは仲良くなくっちゃ、です。発想がぶっ飛んでますが変態選手権だから仕方ないね!

なんだかんだで四票入って三位タイだそうですよ。皆さんありがとうございました!

あ、めでたく再試験通告を受けるのは再来週の予定です(

コメント 

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 一体お前はどんな勉強をしているのだ!?と、突っ込みつつ最後までおエロく見られた作品でした。
    大義名分のために色々恥ずかしい思いをさせられるのは、いろんな葛藤が生まれて美味しいシチュですね。最終的に逆襲される王道の流れも、安心して読めました。
    ――リング 2012-09-24 (月) 20:48:07
  • 一体どんな学校に進学すればそんなエロティックな試験問題が出るんでしょうかw
    一つ残念だったのはタイトルになっている諺の読みがなかったことですかね…
    おバカな自分には読むことができませんでした。
    内容はとても面白かったです。
    ――COM 2012-09-25 (火) 00:03:11
  • 長らくお返事できなくてどうもすいません。

    >>リングさん
    別にそういう意識があったわけでもないので怒るに怒れず、といった感じでしたが、その代償はそこそこ大きかったようです。
    でもこういうシチュエーションは嫌いじゃないです。変態選手権なら突っ走ってもいいのかな、と(

    >>COMさん
    こんなピンポイントな問題は絶対にないでしょうけど、たぶんポケモンのお医者さんともなればしっとかないといけないんじゃないでしょうかw
    タイトルは「ずをあんじてきをもとむ」です。意味は最初の通りです。自分も検索かけて初めてこの言葉知りましたが(

    お二方、コメントどうもありがとうございました。
    ――&fervor 2012-12-31 (月) 03:36:52
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Last-modified: 2012-09-23 (日) 00:00:00
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