一寸先も見えぬ闇の底が青く輝き、竜巻のような強い風が吹き荒る。つんざくような乙女の悲鳴が響き、
その乙女の周りに幾何学的な紋章が浮かびあがる。その光と風は強さをどんどん増してゆき、一条の光となって
乙女を包み込む。
悲鳴は更に増し、男は耳障りとばかりに耳を塞いだ。
「まったくもって、酷い儀式だな」
男はそうぼやくと、爪をその紋章につけ力を流し込む。
乙女の悲鳴はもはや声にならず、ただしゃがれた声が響くのみ。目はすでに白目を向いており、舌が力無く垂れている。
その光を失った双眸からはもはや何の意思も感じることが出来ない。
「ふむ・・・壊れてしまったか・・・。」
そんな心痛む状況を見ても男は、全く意に介さず、むしろ、好都合だなと軽く笑った。
「どうあがこうが、あのような役目を背をわねばならんのだ。」
「・・・それならば、今の内に壊れておいた方が楽だろう。」
男は、また軽く笑うと。
「・・・・許せ。」
周りは闇に沈んだ。
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ぬぅ・・・かなり文字数が少ないですが勘弁してくだせぇ(汗)
次話からどんどん展開してゆく予定なので・・・・。