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吸血竜姫

/吸血竜姫

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作者:ユキザサ




「うーん、これは貧血の症状だねぇ」
「ひ、貧血?」
 かかりつけの携帯獣医から告げられた言葉に俺は少しだけ安堵していた。貧血も馬鹿に出来ないことは分かってはいるが、今朝方、起きだした時に目に映った具合が悪そうにふらつくパートナーの姿を見た時は何か重大な病気なのではないかと不安だった。今はモンスターボールに入るのを嫌がった彼女をどうにか病院まで連れて行き、診察してもらった結果を聴いている所である。
「オンバーンみたいなポケモンには偶に起きることなんだけどね、君のオンバーン若い個体みたいだし。大丈夫、薬ちゃんと飲ませればすぐに良くなるから」
「良かったな」
「クルルル……」
 俺が頭を優しく撫でるとそれに応える様に撫でるその手にオンバーンは頭を力なく擦りつけた。先ほど医者から打たれた薬が効き始めたのか、朝よりは幾分か具合は良さそうに見える。
「うん、だいぶ信頼されているみたいだね」
「まぁ、長い付き合いなので」
「それじゃここに長居させるのも悪いから、残りの説明をさっさとしてしまおうか」
 柔らかい笑みを浮かべながら、初老の医者は薬の成分が書かれている紙を青年の前に出すと、淡々と薬の説明を始めた。
「まずこっちがポケモン用。朝夕食後にちゃんと飲ませてあげて」
「はい」
「そしてこっちが君用。同じく朝夕食後に服用してね」
「あの、なんで俺まで?」
 ここはポケモンの病院である。それに加えて俺自身は別に貧血でも体調が悪い訳でもないため、何故自分用の薬が処方されるのか疑問だった。頭の中ではもしかして彼女の貧血の原因が俺にあるんじゃないかなどの考えがぐるぐると回ったが、続く医者の言葉でそれも杞憂に終わった。
「こういう貧血の症状が出てるとき、オンバーンやズバットみたいなポケモンだと吸血衝動が起きることがあるから、その対策。と言っても確実に防ぐようなものじゃなくて、感染症の予防と貧血症状の緩和くらいだからね」
「はぁ」
「まぁ一応の物だよ。君のオンバーン、ワクチンもきちんと受けているし。じゃあ、窓口で貰っていってね」
「ありがとうございました」
 青年が礼の言葉を告げると初老の医者は笑みを崩さずにひらりひらりと手を振りながら、お大事にと言葉を返した。青年が歩くのに合わせてオンバーンも若干ふらつきながらもついていく。時折そのふらつく体を青年が支えながら診療室を出ていく彼らを見て医者はクスリと小さく笑った。
「あれだけ仲が良かったら、もしかしたらもしかするかもね。まぁそうなった時はそうなった時だね」
 そう言うと医者は楽しそうにクルリとキャスター付きの椅子を回して次の患者を呼んだ。

「すぐに用意するから寝て待ってろ」
「クルル……」
 自分の声にこたえる様に一鳴きしてから、オンバーンはソファに乗り丸くなった。彼女の定位置になっているこのソファは俺が滅多に人を呼ぶこともないため、まだ比較的新しく小奇麗だが、もはや彼女専用の物になってしまっている。スゥスゥという寝息を立てたのを確認して、昼食の調理を始める。
「軽めにしておくか」
 食欲がなくても食べれるように軽めの物を作ろうと、冷蔵庫から色々取り出していく。こういった非常時にも家にいられるというのは在宅ワークの利点だろうか。もし、俺が外出でもしていたら、彼女はどうなっていたのだろうか。考えすぎかもしれないが、やはり長年のパートナーであるオンバーンには健康でいて欲しいから、看病が出来るのには感謝しよう。
「痛っ」
 考え事をしながら調理を行ったせいか、野菜を切っていた包丁で軽く自分の指も切ってしまった。一度洗い流してから押さえてみるとじんわりと血が流れていく。
「あっちゃー、救急箱何処おいてたっけ」
 ひとまず調理を中断して救急箱を探しに行く。棚に入っている救急箱を見つけ、取り出すために棚を開けようとすると下げていた切った指にねっとりとした生暖かい感触がした。見てみると先ほどまで眠っていたオンバーンが俺の指を丁寧に舐めていた。それも切った部分をとても丁寧に。
「あー、コラ。汚いから舐めるな」
 腕を強く引っ張って、オンバーンの口から手を離すと、どこか恨めしそうな顔を浮かべて、訴えてきたが、すぐに諦めてソファに戻った。オンバーンの唾液でどろどろになった左手を上にあげながら、消毒液と絆創膏を持って台所に戻り、唾液を落とすために水を流すと、小さな異変に気が付いた。
「あれ?血が止まんない」
 そもそも、そんな簡単に止まるものではないが、少し切っただけだと言うのに、それにしては血の流れ方が激しいような気がする。先ほどオンバーンに舐められた時に傷が広がったのかと考えたが、傷自体は広がってるようには見えない。とりあえず消毒してからガーゼと一緒に絆創膏を巻いて、俺は調理の続きを始めた。
 出来上がったおかゆを残さずにペロリと食べきってしまったオンバーンに薬を飲ませる。そのままで飲むのを渋ったため、子供騙しの好きな木の実に混ぜて食べさせたら簡単に飲み込んでくれた。そこらへんこいつは単純で助かる。今は再びソファの上で彼女は丸くなって眠っている。完全回復まで一歩手前といったくらいには元気に見えるその姿を見て安堵のため息をつきながら頭を撫でると小さくクルルと鳴いた。茶碗を片付けるために机の上を見ると置いてあるもう一つの薬袋が目に入った。
「そう言えば俺も飲んでおかないとな」
 薬袋の中から錠剤を取り出して、水と共に飲み入れる。すやすやと寝息を立てているオンバーンの横が開いていることを確認してから静かに腰をかけると少しだけ眠気が襲って来た。まぁ、急ぎの仕事もないしこのまま少し寝てしまおう。そう考えた俺はそのままその微睡に身を委ねた。
「…ス…ー、マスター」
「ん……?」
 どれほど眠っていただろうか、誰かの声がして目を覚ます。いや、これは現実ではない。目の前の言葉をしゃべらないはずのこいつが俺の上に笑顔を浮かべて抱きついている。ここ最近よくこういった夢を見る。それも最初の方はただお互いに話すだけで済んでいたが、最近はというと……
「マスター最近抵抗しなくなったよね?」
「どうせ抵抗しても無駄だからな」
「ふふっ、まぁそうだね!」
 そんな問答を続けていると、突然口が塞がれて甘い味が広がる。さっき薬を飲ませる時に使ったモモンの実の味だろうか。こんな夢を見始めるまではオンバーンの事をそういった目で見ることは無かったが、こんな夢を見続けると現実でも少し変な気分になる。現に昼間のオンバーンの姿には少しだけ、本当に少しだけそそるものがあったし、最近は下手な女性よりもこいつの方が良いかもしれないと思う始末である。一度溜まった物を吐き出した方が良いのかもしれない。
「でも、今日はいつもみたいにじゃなくて……」
 そう言うとオンバーンは翼を広げてその翼で俺を包み込んだ。期待していたわけではないが、来ると考えていた感覚ではなく、ほんのりと暖かい皮膜に包み込まれて夢の中だというのにまた瞼が重くなっていく。
「ふふ!おやすみマスター」
 その言葉でまた俺の目の前は真っ暗になった。

「ん……」
 目を覚ました俺の身体には先ほどの夢のような温かさが広がっていた。そして目の前には目を潤ませながら、俺の首筋をぺろぺろと舐めるオンバーンの姿。一瞬事態を全く呑み込めなかったが、何か危険な気がしてオンバーンを引き離す。先ほどの夢のせいもあって心臓の音が鳴りやまない。今は必死にその意識を隠すだけで精一杯だったがふと、医者の言葉を思い出した。吸血衝動、昼間の怪我を執拗に舐められたのも、血が流れ出るのが止まりにくかったことも今更理解した。
「俺の血なんて美味しくないと思うぞ?」
「クルル」
 せめてもの、抵抗としてそう告げる。体調が完全ではないとはいえ上に乗っかられている時点で、俺はこいつを無理やり引きはがすにしても力に差がありすぎる。この言葉で諦めてくれるなら御の字だったが、こいつはぶんぶんと首を振りながら温かい飛膜で俺をさらに強く包み込んでくる。それだけなら良いが少しでも油断すると首筋に顔を近づけてくる。その行動に抵抗すると、あからさまに不機嫌そうに抗議の声を上げる。それでも、無理やりにでも噛んでこようとしない辺り俺の事を気遣ってくれているのか、こいつなりの優しさなのだろうか。
「さっきの夢みたいにお前と話せたら色々と楽なんだけどな」
「クルルル……」
「お、おいどうした……?」
 ただ単純にそう思ったから口にしていた。もちろん、こいつが喋られるなんて思ってない。あれは夢だからこそあり得ていた事で、現実のこいつは人間の言葉を喋らない。そう思っていると、突然オンバーンが俺の額に自分の額を付けてきた。何かあるのかと思ったその瞬間、頭の中に夢で聴いていたような綺麗な声色が直接響いた。
『こういう時は初めましてなのかな……?』
「なっ!?」
 驚いた俺はオンバーンとくっつけていた額を強くぶつけてしまった。お互い暫く頭を押さえていると、またいつもの聞きなれた鳴き声を上げるオンバーンが自分の翼で額を指していた。不安ながらももう一度額をつけると、今度は逃がさないためになのか、翼で俺を押さえつけた。
『驚かしちゃってごめんね?ボクテレパシー上手じゃないから、こうでもしないと上手くマスターと同調できないんだ……』
「テレパシーって、お前そんな事できたのか……」
 目の前で目を瞑りながら俺に思考を送るオンバーンの表情が少しだけ嬉しそうに緩んだが、それもすぐにまじめな物に変わった。テレパシーを送るという行為は俺が思っているよりも大変らしい。
『マスターにボクの気持ち伝えるにはこうするしかないから』
「……」
 このままオンバーンの話を聞いて良いのかは分からない。今までの関係が壊れてしまうかもしれない。それでも、ここでオンバーンを突き放してしまえば、それこそこいつとの関係が壊れてしまう。そんな事を考えている内に、オンバーンが次の言葉を切り出した。
『本当にマスターは優しいね』
「オンバーン?」
『今ボクはマスターと同調してるから少しだけマスターの考えてる事も分かるから』
「それじゃ、さっきの夢の事も筒抜けだったのか」
 隠そうと頑張っていた自分が馬鹿に見える。
『うん』
「軽蔑したか?」
『ううん、ボクもマスターが好きだから』
 えへへ、と少し照れたような声色でオンバーンは否定した。そしてその直後にオンバーンから伝えられた言葉は愛の告白だった。友愛とかそういった意味ではなく、異性としての愛を告げる告白。
「い、いつからだよ?」
『出会った時から気になっていたんだけど。でもその気持ちに気付いたのはマスターが一人暮らしするって言った時かな……?』
 確かにこいつとの出会いは子供の頃に肝試しで行った洞窟で偶々遭遇して、そのままこいつが俺にくっついて来たのが始まりだった。そして、実家を出てこっちに来るときの事も思い出してみると、元々最初からオンバーンも連れていくつもりだったが、何を勘違いしたのかこいつは自分も連れていけと言わんばかりに暴れた。それも、すぐに勘違いだと気付いて収まったが、あの時にこいつが泣いていたのも鮮明に思い出した。
『ボクにとっての一番の雄はいつだってマスターだったから』
「お前は俺なんかで良いのか?言ってて悲しくなるけど、俺は別にかっこいいって訳でもないし、お前みたいな翼もない。何よりお前との間に子供が出来るとも限らないぞ?」
『それでも、ボクはマスターと番になりたい』
 まっすぐに気持ちを伝えてくる。同調しているからなのか、こいつの思いも少しだけ俺に流れてくる。その思いが偽りじゃない事は嫌でも分かる。それに俺もこう思われている事に嫌悪感はないし、どちらかというと嬉しく感じていた。だが、そうなると湧き上がる疑問もある。
「お前の気持ちは分かったけど、血を吸いたいっていうのはなんでだよ」
『えっと……言い辛いんだけど。今ボク発情期でね?』
「でも、お前今まではどうしてたんだよ」
『ボ、ボクだってこんなにマスターの事欲しくなるなんて初めてだよ!今までは一人でもなんとか収められたんだけど……』
 突如オンバーンの顔が熱くなる。自分でも無意識に言っていたらしい。
「まぁ、そこは分かったけども」
 肝心の答えがまだ提示されていない。それを明確にしてくれない事には俺もこの後の行動をどうするか決めかねる。そう思っていると、またもや曖昧な回答が返ってきた。
『ボクたちの種族はそういう行為する前に血が必要なんだと思う』
「思うっておい……」
『それに……』
「それに?」
『好きな人の血は吸いたいなって……』
 それが恐らくオンバーンの本心なのだろうと思うとなんだか脱力してしまった。俺だけこんな気持ちになっているのも癪だったので、大きな溜息を吐いてから額を強く押し付け返した。
「はぁ……根負けだよ、全く」
『良いの……?』
「まぁ、お前の本当の気持ちはちゃんと聞いたし、俺もお前の事好きなんだと思うし……っておい!」
 突如押し倒されて視界が暗転した俺の視界に映ったのは、嬉しそうに泣くオンバーンの姿だった。あぁ、俺も何だかんだ流されやすい性格だなと考えながら両腕でオンバーンを抱き寄せた。
「まぁ、血を吸うにしても少なくとも死なない程度で頼むぞ?」
「クルル!」
 一度ソファに座りなおしてから、ワイシャツのボタンを外して首元を晒す。漸く目の前のご馳走にありつけるからなのか、気づかぬうちにオンバーンはテレパシーの同調を止めていつも通りの泣き声で肯定の意味を伝えてきた。そしてこいつはそのまま俺の首筋に口を近づける。
「クルル……」
 まるで医者が注射を打つ前に行う消毒のように、目前の獲物にマーキングをしていくように丁寧に丁寧に俺の首元を舐めていく。ひんやりとした消毒液とは違い、舐められるたびにその場所が熱くなっていく。吸血種は吸血対象から血を吸いやすくするために血液を流しやすくするようにするために唾液を用いることをテレビでやっていたようなことを今更ながら思い出していた。あぁなるほど、昼間の指の出血はそう言う事か。そんな事を考えていると火照った首筋に小さく痛みが走った。
「ツッ」
 痛みの後に首筋がわずかに吸われる。痛みも最初の一噛みだけで後はゆっくりと時間が過ぎていく。時折、横の吸血竜の喉がゆっくりと動くのを横目に眺めながら、いつ終わるのかも分からないこの時間をただただ静かに目を瞑って過ごす。痛みはないが血が抜けていく倦怠感は少しずつ少しずつ強くなっていく。このまま思考を放棄して眠りにつけそうなくらいにはなぜか心地が良い。
「お、おいまだ終わんないのか……?」
 このままではこのなぜか心地が良い倦怠感に溺れてしまいそうで、静かに抗議の意思を告げる。直接体に触れているどころか、体内にまで干渉しているためなのか、先ほどよりも幾分か鮮明に脳内に声が届く。
『後一口……後一口だけ……』
 少しだけ目を潤ませながら、オンバーンはそう伝えてきた。この言葉を今まで彼女から聞いたわけではない。なんせテレパシーなんて便利な物を使えると知ったのは今日が初めてだ。ただ、このような表情で同じような仕草を見た事は何度かあった。渡した好物の木の実を全て食べきってしまった後に似たような表情をしていた。そして、その結果残りの木の実を渡した時は決まって、それがあり続ける限りこいつはこの表情を続けた。
「お前の後一口は、一口じゃすまないだろうが!」
『あっ!』
 無理やりにでも口を離させると、ムッとした表情を浮かべて抗議の表情を見せてきた。そんな顔されても、吸われてるこっちにだって限界がある。いまだにムッとしているオンバーンを軽く小突きながら、説教を始める。
「お前なぁ、このままお前に吸われ続けたら、俺やることやる前に干からびるぞ?」
 正直俺から言うのは恥ずかしかったが、俺としても折角気持ちを伝えあったのに、吸血されて「はいおしまい」はシャレにならないし、新聞の一面を飾りたくはない。そんな俺の言葉を聞いてオンバーンは今までのムッとしていた表情を一変させた。
『えへへ、マスターの血が美味しくて、つい夢中になっちゃった』
「お前なぁ……」
『じゃあ、今度はマスターの白い血も貰うね?』
 かわいらしく首を傾げながらそう告げるオンバーンの姿に少しドキッとして、自分が普通の人間ではなくなることに少しの不安となぜか少しの嬉しさを感じていた。だが、これからのこいつとの生活気を付けて生活をしないといつか本当に干からびさせられるかもしれない。色々な意味で……
「とりあえず場所変えるか」
 今の今までソファでしていたのを思い出し、せめてそういった事をするならベッドまで移動しようとオンバーンに提案するとこいつは翼を広げて俺を見つめてきた
『じゃあ抱っこして連れてって!』
「今の今まで血を吸われてた奴に頼むことか?」
『でも、マスター優しいからしてくれるでしょ?』
「はぁ……ほら」
『ん!』
 腕を広げてこっちに来るように促すと、オンバーンは嬉しそうにすぐに俺の首に翼を回した。それを確認して、俺も力を入れてオンバーンを抱え上げる。体勢的には所謂お姫様抱っこの形を取られた為俺の腰にかかる負担が大きい。これは、これからの事を考えて少し鍛えたほうが良いかもしれないな。
「重っ」
『あっ、酷い!ボクだって女の子なんだよ?』
「はいはい、そもそもなんでお前一人称『ボク』なんだよ」
『昔のマスターの真似してたら気に入っちゃった』
「さいでっか」
 リビングと寝室が近い事と、オンバーンが抱かれてる間はおとなしく俺にしがみついているだけなのが助かった。ベッドの前までたどり着き、少しだけ俺もこいつに一泡吹かせたいという気持ちがふつふつと湧き上がってきた。いまだにニコニコ俺に抱き着いているオンバーンを少し乱暴にベッドに押し倒す。こいつも先ほどまでの笑顔ではなく少し驚いた表情で押し倒している俺を見つめている。口を小さく開けているオンバーンに自分の口を合わせる。少しだけ組み敷いているオンバーンがビクリと体を震わせたが、すぐに俺の口の中に舌を滑り込ませてきた。それに応えるようにこちらもより激しく舌を絡ませる。先ほどの行為の残り香なのか少しだけ鉄の味がした。
『マスター……』
 テレパシーというものは思っているよりも便利らしい。口が塞がっていたとしても、同調さえできれば自分の意思を伝えられるのだろう。少しだけ悦に入った声色で声を飛ばしてくるオンバーンに少しだけずるさを感じて、より強く激しく口付けを続けた。いまだに一切の抵抗もせずに組み敷かれているオンバーンは先ほどと同じように時折ビクリと体を震わせるだけで、テレパシーを飛ばしてこない。長い口付けにもそろそろ飽きてきたので口を離すとお互いの唾液が合わさったものが線になりしばらくすると雫になってオンバーンの口元に落ちた。
「クルル……」
「随分おとなしくなったな」
 されるがまま俺からの行為を受け入れているオンバーンの胸が荒い呼吸と一緒に上下するのを見ながら、俺自身どんどんと内側に溜まる欲望が抑えきれなくなっていくのが分かる。今ですら下の蝙蝠姫の行動によってはすぐに枷が外れてしまう。
「クルル……」
 目を潤ませたまま、体をくねらせるオンバーンがまるで早く続きをしてくれと訴えかけてくるように小さく声を出した。本人に誘っている意思はないのかもしれないが、今の俺にはその行動ですら、こいつの身体を扇情的にする。もし、本当に続きを待っているとしたら待たせるのも悪いし、欲望に忠実にさっさと行動を起こすとしよう。
「クァ……!」
 片翼を押さえつけて、オンバーンの足の付け根にある縦割れを優しく開く。もう既にじんわりと水気を帯びているそれの中にある穴に指を入れていくと、入れた指を温かい肉の感触で包んでいく。少しだけ中を弄りまわすとオンバーンは苦しそうにくぐもった声を上げた。表情を見る限りは痛みを感じている訳ではなく、ただただ快感に震えているだけに見える。
「ク、ンゥ!」
 止めるつもりもなかったので、中に入れた指を少しずつ激しく動かしていくと、その動きと連動してオンバーンの足がピクピクと痙攣する。翼を押さえつけるのをやめて手持ち無沙汰になっていた左手で脇腹を撫で始めると侵入させている指はさらに強く締め付けられ、オンバーンの口から零れ出る喘ぎ声も大きくなっていく。
「びちょびちょだな。テレパシー送る余裕もないくらい気持ちいいのか?」
「ンッ、アッ、ンンッ!」
 加虐心に煽られて、オンバーンの雌穴を弄りながら耳元でそう囁いてから大きな耳に小さく息を吹きかける。敏感なのか耳を攻められた途端こいつは、一際大きな嬌声をあげて小さな水飛沫を上げた。ビクンと体を跳ねて開いた口から小さな嬌声が零れ続ける。入れたままだった指を抜くとオンバーンから溢れ出た液体でテラテラと濡れていた。オンバーンがベッドの上で呼吸を整えている間にはだけていたワイシャツと苦しくなりつつあるズボンを脱ぎ捨てて、俺はまだ呼吸を荒げているオンバーンに覆い被さった。
「俺ももう我慢できないから本番行っても良いか?」
「ク、ルル」
 オンバーンがコクリと頷いたことを確認してから、隆起した俺自身をオンバーンの縦割れに合わせる。今までの行為のおかげか俺の先端は苦も無くオンバーンに飲み込まれた。徐々に徐々に進めていくと、ある場所で侵入に小さな抵抗が加わった。
 今の今まで忘れていたが、夢の行為は所詮夢だという事だ。夢の中でこいつと一線を越えていたとしても、それは現実ではない。現実のこいつと俺が一線を越えるのは今日が初めてな訳だ。今までは流されるままだったこいつも少しだけ表情と体を強張らせた。
「どうする?やめるか?」
「クルル」
 我ながらずるい質問だなと思った。ここまで来て止めますなんてこいつが言い出すはずがない。それを理解しているからこそ、自分のために俺はこの言葉を投げかけた。返答はすぐに返って来る。首をフルフルと振って否定の意を示した後こいつは両の翼で俺を抱き寄せて口を合わせた。
『今なら怖くない』
「厳しかったらすぐ言えよ」
「ガッアァ!」
 幾分か余裕を取り戻したのかテレパシーでそう伝えてきた。触れ合う体からは今もなお小さな震えを感じたが、これ以上待たせることも待つことも出来ない。もう一度口を合わせて、俺は一思いにオンバーンの奥に自身を突き進めた。鈍い感触と音と一緒に合わさった口からも苦し気な声が漏れた。少しでも楽になればと思ってオンバーンの腹を上から撫でると、苦し気な呼吸が幾分か穏やかになった。またテレパシーは聞こえなくなったが表情から少しは察することが出来る。
「もう大丈夫か?」
「ゥル……」
「分かった」
 少しだけ密着させた体を離して、また離れたそれを押し込む。お互い快感を得るために意識をその場所に集中させて、俺は少しずつスピードを上げていく。受け入れているオンバーンもだんだんと痛みから繋がっている下腹部から来る快感に支配されていく。体全体でもっともっとと言ってくるように訴えかけてくるように俺を求めてくる。
「クァ、アッ、ハァッ!」
「クッ……!」
 俺自身も心地よい温度と感触で攻めてくるオンバーンの雌の部分によって強い快感を得る。打ち付けるたびに繋がった場所から飛び散る雫の音や体と体がぶつかる音のような淫靡な音が鳴り響く。組み敷かれているだけで受動的だったオンバーンも少しずつ自ら快感を得るために拙い動きで腰を動かしていることが分かる。知らない内にオンバーンの顔の横に置いていた俺の腕にこいつは翼を絡めさせていた。
どこか嬉しそうに俺を求めるオンバーンが腰を浮かせたタイミングで、俺もさらに深く押し込んでこいつの身体をさらに跳ねさせる。そうやってお互いにだんだんと余裕がなくなっていく。オンバーンを際限なく攻め続ける俺も実際はすぐにでも限界を迎えられる所まで昇り切っていた。
「くぅん、くぁ、あぁ!」
「もう、出す、ぞ……!」
 知らず知らずのうちにお互いに抱き寄せる形になっていた俺達がさらに強く抱きしめ合う。自分の意思で体を動かしている感覚はもう無く、今から止まれと言われても止まれない所まで来てしまっている。オンバーンがビクリと大きく跳ねて大きな嬌声をあげた姿を見て俺はオンバーンの中の奥深くまで己を進めて、湧き上がり切った欲望をオンバーンの中に吐き出した。
「んっ、ひっ、くぁぁぁ!」
「グッ……!」
 ドクドクという音が聞こえるぐらいの量をオンバーンの中に流しこんだ。お互いに最大級の快感の余韻を味わっている俺に抱き着いたまま離れないオンバーンと一緒にベッドに倒れこむ。汗で少ししっとりしている、オンバーンの首元の毛に顔をうずめると首にあたたかな飛膜の感触がした。顔を上げると涙で滲んだ瞳で嬉しそうに笑うオンバーンが口付けを求めてくる。まだ繋がったままだというのに俺たちは落ち着くまで口を合わせ続けた。
「ハァ、ハァ、ンㇺ」
「ん、今度は随分と激しいな」
 だが、こんな事をやっていると呼吸は落ち着いても体と心は落ち着いてはくれない。むしろオンバーンの中の何か変なスイッチを入れてしまったのか、オンバーンが下から俺の身体を押してくる。その意味を感じ取って俺はオンバーンの中に入れっぱなしだった自分を引き抜き、体を壁に寄りかからせる形で座った。引き抜いた直後は少し不機嫌な表情を浮かべたオンバーンだが、俺が寄りかかる形を取った瞬間に大好きな木の実を貰った時のような歓喜の表用を浮かべて、俺のモノに口を近づける。
「ハムッ、ンチュ、ンッ」
「クッ」
 夢の中でのこいつは軒並みこっちの方が行為としては多かった。行為を始める前の白い血なんて言う言葉を間に受けた俺も俺だが、牙が当たらない様に気を付けてくれているのかは分からないが、そういった心配が湧かない位には安心が出来る。先ほどまでとは違う温かさに腰が少し引ける。ちらりとこちらを見たオンバーンの頭を撫でると、嬉しそうに尻尾をぶんぶんと振って、攻めをより激しいものにしていき、しまいには大きく咥えこんだ。その刺激は連続で事に及んでいる俺には強すぎて、咥え込んでいたオンバーンの口に白い欲望を吐き出していた。
「ぐっ、ハァ」
「ングッ!ンッ……」
 吐き出されたその白濁液を一瞬驚いた表情を浮かべてからコクリと音を鳴らしながら、美味しそうにこいつは飲み込んだ。そうしてペロリと舌なめずりをしてから肩で息をする俺に跨ってきた。脳内にはもはや聞きなれた声色が響いていた。
『今度はボクが動くからマスターは休んでて!』
「休ませるなら普通に終わりで良いだろ」
『だってマスターのまだ大きいよ?』
「そ、それは生理現象だっての」
 そう良い訳をしてる間にも俺とオンバーンの距離はどんどんと縮んでいく。その距離がほぼゼロになる直前、肩にオンバーンの翼が乗せられる。そして俺のモノは先ほどぶりに再び温かい肉壺に飲み込まれる。出すものを出していたからか、それともオンバーンの腰を下ろす速さが早かったからなのか二回目の結合は容易に最奥まで侵入した。俺の両肩に翼を預けているこいつも幾分か余裕が出てきたのか、嬉しそうに自分の中に入っている俺を味わっているように見えた。
「くんっ、くっ、んっ!」
「ほんと、休めせては、させて、くれないんだな……!」
 そう思ったのもつかの間、オンバーンは動き始めた。最奥まで繋がったモノがギリギリまで引き抜かれる。この我儘な蝙蝠姫は俺を休ませる気など毛頭ないらしく、自分の快感を求めるために嬉しそうに体を跳ねさせ続ける。乱れる呼吸で笑みを浮かべながら俺を見つめてくる。また口付けかと思って近づけてくる顔に抵抗はしなかった。
「ッツ……!」
 口付けだと思って一切の抵抗をしなかった俺を襲ったのは首筋の鈍い痛みだった。ここに来ての吸血行為。ただでさえ疲弊していた体の力がまた少しずつじんわりと抜けていく。耳元で鳴り響く喉の音になぜか俺の身体が反応してしまう。今はオンバーンに入りきっている俺のモノが自分でも分かるくらいにビクリと反応する。こいつの唾液にはそういった効果でもあるのか、それとも気づいていないだけで実は俺が被虐趣味の持ち主だったのか、真相は分からないが、反応している体が正直な事だけが真実である。
「くぅ、かぁ、うあっ!」
「くっそ……!」
「ふぅっ、くぅ、くぁっ!」
 俺を十分味わったからなのか、口を離してオンバーンは快感を求めるために再び動き始める。自分勝手に、夢中に快感を貪るこいつに少しだけ頭に来て俺はこいつの腰を抑えてオンバーンの腰を下ろすスピードを加速させる。突然与えられた新たな快感に一瞬ビクリとしたこいつも押さえつける俺もその刺激を受け入れて一段飛ばしで絶頂への階段を駆け上がっていく。
 お互いに目が合った。それはこの行為の終わりを示すように、お互いの限界を告げる合図だった。グイっとオンバーンが腰を上げた瞬間、俺はその腰をまた強く降ろさせる。
「クァァァァッ!」
「グッア……!」
 三度目の射精。ぴったりとくっつけた体から少しずつ白濁液が溢れ出てくる。ぐったりと体を預けてきたと思ったら、オンバーンはスゥスゥと寝息を立てていた。
「全く……食うもん喰ったら寝るのかよ……」
 幸せそうに眠るオンバーンを抱き寄せて、顔を軽く小突く。そんな事をしている内に俺の方にも容赦なく眠気が襲って来る。ただ一つだけ心配なのは明日の身体の調子だが、下手に動いてこいつを起こしてしまい、第三ラウンド開始なんてなった方がよっぽど怖いため、ゆっくりと壁に枕を挟んで腰だけカバーすると俺も目を閉じた。

 翌日俺はとくんとくんと温かく心地よい音で目が覚めた。目が覚めてまず気づいたのは全身の鈍い痛みと色々とぐちゃぐちゃになっているベッドの存在だった。
『おはよう、ますたー?』
「おはよう」
 俺の肩に涎を垂らしながら爆睡していたオンバーンも俺の起床と共に覚醒した。まだ少し寝惚けてはいるみたいだが、小さく欠伸をした後に俺に口付けしてきた。
『えへへ、おはようのチュウ』
「はいはい。ほら、片付けないといけないからまずは風呂」
『えぇー?連れてってくれないの?』
「すまんが腰が限界だ」
 ブーブー言いながらもオンバーンは俺の上からどいて自分で歩き始めた。塞いでた物が外れたからかオンバーンの歩いていくルートに点々と雫が零れていく。
「おい、垂れてる垂れてる!」
『あっ、勿体ない!』
 それを翼抑えながらオンバーンはばたばたと急いで風呂場に向かう。その後を追うように俺もぐちゃぐちゃになった寝具を持ちながら、重い体を動かして風呂場に向かった。

「そういえばお前、アレ始める前辺り俺に触れなくてもテレパシー出来てたよな」
 風呂で汚れた体を綺麗にして、今はおとなしくバスタオルで体を拭かれているオンバーンにそんな質問を投げかける。
 行為を始めてからはどこがとは言わないが体は密着していたが今は違う。ドライヤーに移行して鼻歌を歌いながら首の毛を乾かされている今のオンバーンと俺はそこまで密着してはいない。苦手だと言っていた物がこの短時間で急に成長した。
『うーん?直接ボクの身体とマスターが繋がったからかな?』
「そんな事でか」
『そんな事って言ってもマスターもたくさん僕に出してくれたから』
「恥ずかしい事言うな」
『それに……』
「それに?」
 小さくモジモジと両翼の爪を合わせながらオンバーンは言葉を続けた。
『夢でも同調できてたから、日ごろの練習の成果かも』
「おい、ちょっと待て」
 夢でも同調。その一言を聞いて、俺は今まで悩まされてきた夢の原因が俺ではなかったことに気付いた。そしてビクリと身を震わせたオンバーンを見てその確証を得る。夢で聴いたオンバーンの声がそもそもテレパシーの声と同じだった段階で気づくべきだった。この蝙蝠竜まさか……
「お前もしかして時々寝てる俺に……」
『スコシダケソウイウイメージモオクリマシタ……』
「お、お前なぁ……」
『ごめんなさぁい!』
 そういうイメージに抵抗しなかった俺がいる事も事実だし、現にこいつとこういった関係になった事にも後悔はない。が、ああいった夢を見た時の俺の罪悪感やらなんやらを返して欲しい。まぁ、とりあえずは当分の間は吸血禁止で反省してもらう事にしよう。


後書き [] 

 wikiに来て初参加の変態選手権作品を投稿してから丸一年経ち、二回目の変態選手権。結果は6票獲得で準優勝タイで入賞。投票してくださった方々本当に本当にありがとうございました!
 えぇ、また懲りずに人×ポケモンです。えぇ、またです。ポケモン界屈指のちょろごん代表オンバーンちゃんを可愛く書けたので個人的に大満足です。顔の良い子にだったら血を吸われても構わないけど、貰うもんは貰ったるからな(意味深)って言う性癖を前面に出しました。後悔はない。オンバーンかっこかわいいからもっと増えろと思っております。

以下投票コメ返しでございます。

人×人外、それに両思いで心やられました。めっちゃ好きです (2019/03/28(木) 13:15)


人×人外の両想い大好物メンなのでそう言っていただけると、この一人と一匹の物語を書けて良かったと心から思います。投票ありがとうございました!

血をおねだりして、止まらなくなっちゃうオンバーンがとても可愛かったです。こんな子なら吸血されても許しちゃうかも (2019/03/28(木) 17:07)


本当実際に居たら死なない程度には上げちゃいますよね!その代わり貰うもん貰いますけどね!!!投票ありがとうございました!

ネタが被っただと……愛する人の体液をすするってそそられますよね。ちょっと痛そうだけれど、その冷たい感触が癖になりそうです (2019/03/28(木) 22:34)


な ぜ か ぶ っ た 。
と作品が出そろった段階で頭を壁に打ち付けていました。その体液が相手の栄養になっちゃうなんて考えながらフワフワとした感覚に酔っちゃいそうですよね!投票ありがとうございました!

ほかではあまり見ない吸血描写が良かったです (2019/03/30(土) 19:41)


吸血描写はゲロ甘な雰囲気にしようと思って書いていたんですが、実際どうでしたかね?結構力を入れて書いた描写だったので気に入っていただけたようで嬉しく思います!投票ありがとうございました!

あっ! 吸血鬼だ! いいですよね! 吸血鬼って特殊能力持ちみたいな設定あるしテレパシー使わせていいのだと思いますよ! そしたら吸血中も喋れますからね!! どうなんですかね 生命維持のための吸血ってことにするか、まったく吸血する必要はないけど愛情表現のために吸血するってことにすればより官能的になるのでは、と思います! 被吸血側(ポケモン)が闇落ちして吸血鬼になるのもいいのかな! 同志よ!!! ありがとうございます!! (2019/03/30(土) 23:20)


オンバーンの隠れ特性はこういった時に使うためだったんだ……(絶対違う)彼女は生命維持のためというよりも、大好きな果物の匂いに当てられたようにマスターさんが欲しくなっちゃったので、愛情表現の方が近いですかね。リアルの蝙蝠も子育てのために血を吸うような種族もいるので、そういった事かもしれませんね!投票ありがとうございました!

一番エロティックだった (2019/03/30(土) 23:43)


力作揃いの今大会でそのような嬉しい感想をいただけるとは思っていませんでした!作者としてとても嬉しく思います!投票ありがとうございました!

感想等何かございましたら [] 

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 今大会はピンポイントで吸血ネタがかぶった様なので、ヴァンパイアが参加したのか、あるいはヴァンパイア化計画でもあるんじゃないかと思いながら吸血ネタにそそられておりました。
    オンバーンはアニポケから好きで、その可愛さを再認識させてもらいました。存分にエロさを発揮されてて、血をすすりながら腰を振って激しく乱れるところなんかはまさにツボ。個人的な好みの問題なのでこれは気にしなくてもいいのですが、医者の何かを悟った独り言がちょっと主張強く浮いているような気がしたので、どちらかというと表情とか地の文主体でそっと触れるぐらいが、ふたりの関係性に集中できるかなと思いました。
    投票はできませんでしたが、とてもエロスが効いた好みの作品にかわりないです。準優勝おめでとうございます。 -- h ?
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Last-modified: 2019-03-31 (日) 21:45:47
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