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千擦

/千擦

Writer:Lem


この小説はエロと呼べる成分を余す事無く排除し、エロスのみを追求しています。
そういった類を所望しない方は御手数ですがページを閉じる也、戻る也して別作品を御楽しみ下さる様お願い申し上げます。
又、常識などそういった感覚は一切捨て去った方がこの作品を読み解くコツとなります。
大変長らくお待たせしました。それではどうぞごゆるりと。


千擦 


 常識とは幻想を抱き続ける事に他ならず。
 常識とは無秩序を根底に据え置く事に他ならず。
 常識とは真理を背徳する事に他ならず。


1.

「つまり何が言いたいんですか、大野先生?」
 言葉の本質を探り当てれど、その実体は疎か影すらも見えない問い掛けへ男が訊ねる。
 そんな反応を大野は初めから予測していたかの様な、或いはしていなくても同じ様な反応で、向い側のカウチソファーを独占する形のまま膝上に乗せた分厚い本に目を落としている。
 背表紙が隠れている為に題名は解らないが、例え解った所で意味は無いだろう。
 男が年端のいかぬ程でもないとはいえ、大野から見れば青年の年齢は子供同然であるし、大野に子供が居れば丁度青年と同じ位にはなっていたかもしれない。
 知識の量が双方に差異を齎しているとも言えようが、例え知識があろうとも結果は同じ方向へ進んでいた。
 理解する事と認識する事は違うのだ。似てはいても同じではない。
 故に青年がそれを理解しようと望むならば、青年もまた大野と同じ先を見据え、同じ道を歩むしかない。
 そう望まないからこそ、青年には大野の事を認識はしても理解する事はできず、解けもしない問題に右往左往するのみで等々考える事も放棄し、大野からの返答を待ち続けるという無駄極まりない空間に身を置いていた。
 しかしどれだけ時が過ぎても大野は黙した侭、書の紙面を捲り続けるばかりで、もとより青年の言葉など端から耳に入って無いのではないかと、胸中に生まれた不安心に青年は居ても立っても居れず、しかしながら大野の手を煩わす訳にもいかない状況に切羽詰り、青年が右足で貧乏揺すりを起こしている事にも双方気付かない侭、更に数分。
 薄暗い室内、無尽蔵に積み重ねられた本の山、年季の入った古書から漂う黴臭さ、紙面を捲る音、磨耗していく絨毯の毛並、極め付けは己の心音。
 これで参らない方がどうかしている。実質青年の顔にも焦燥が色濃く写り、先程から左手を胸に置いていた。
 大野がそれに気付いていれば胃を痛めているのだと把握する事もできようが、そんな気配が丸っきり起こり得ないからこその現状である。
 我慢の限界に達しかけている青年が二三度大野を呼び掛けるが事態はまるで変化しない。
 別に大野は嫌がらせを施したい訳ではなく、善くも悪くも大野の性質の一つが、今回に至っては悪い方に作用してしまったと言う他に無く、没頭してしまうと周囲の物事は疎か寝食をも忘れるその集中力には感嘆の声をあげたいものであるが、その状態を無理にでも妨げようものならば後は何が起こるかは勘の宜しくない人でも判るだろう。否、この場合必要なのは勘ではなく空気を読む力なのかもしれないが。
 兎にも角にも。大野の気分を損ねて激怒されるならまだしも、立退きを命じられてしまっては最悪である為、青年はあまり下手に回れないでいるのだった。
 否、青年でなくとも是までの大野の担当者全員がその儀式を経験しており、集英社の上層部からは最早名物の一つとされ、暗黙の了解が敷かれてしまっている程である。
 そんな大野が今でも文豪たるのは、それだけの或いはそれ以上の貢献率を示しているに他ならず、又大野が直接上に「出来の悪い担当者を付けろ」等の条件を提示した経緯もあり、その本意は未だに不明の侭現状にまで至っていた。
 つまるところ大野に回された担当の青年は、是をしくじればもう後が無い落ちこぼれの一人であり、大野に回される事は死刑宣告にも似た最後通告でもあった。
「野頭君」
「は、はいっ……! 何でしょうか大野先生」
 予期せぬ突然さに青年は思わず声が上擦ってしまったが、大野は気にする事なく言葉を連ねていく。
「これから出かけるというのにそんな軽装で大丈夫なのかね?」
「えっ……しゅ、取材ですか?」
「おや、言ってなかったかね?」
「いえ、そんな事初耳です、大野先生」
 野頭が慌てて革鞄から手帳を取り出し、パラパラと紙面を捲るがどのスケジュールを見てもそんな予定は何一つとして聞いていない事を再確認すると、大野はこれも又気にした風もなく。
「それもそうじゃろ、だってワシ今言ったんじゃから」
「あの、大野先生。念の為に聞きますが何処へ取材に参られるので? 僕の耳が聞き違いでなければ、軽装がどうたらと言ってましたが」
「うん? 良い良い、服なぞ向こうで調達すれば良かろう。ほれ、そうと決まったらさっさと出立だ、野頭君」
「いえ、ですから何処へ向かわれるのですか。取材の件につきましては上に報せないといけない社則があるのですが……」
 幾ら大野が上からお目こぼしを貰っているとはいえ、それが管理を怠っていい理由になるはずもない。職務に怠慢が見られればいつ首を切られかねない野頭にとって、是ばかりは譲るわけにはいかない問題だった。
 しかし大野はそんな野頭を何処までも気にしない素振りで、かつ仕方のないそんな眼差しを向けながら溜息を吐くと、野頭に上へ掛けさせる様に命じた。野頭が第一声を上げると同時に大野はそれを奪い取り、そのまま自分の耳元へ持っていく。
「あーあー、大野じゃが。ワシちょっと出かけてくるから、御宅の野頭君拝借するぞい。一月程帰らんからの、それじゃ宜しく」
 とそこまで捲くし立てた後で大野が携帯電話を野頭に返そうとするが、放心でもしていたのか手渡す拍子に掌から滑り落ち、運の悪い事に落下先と当たり所が宜しくなかったらしく、野頭が慌ててそれを拾うも通信先からは聞き馴染みのある電子音が鳴り響いていた。
 蒼白の表情を浮かべる野頭を大野は「何じゃ壊れたか?」等と怪訝そうに携帯電話をじろじろと見つめるが、その心配は全く的外れの見解だった。
 携帯電話が如何こうよりも、もっと重要な事が野頭の頭を悩ませているのだが、大野が野頭のほんの一欠片でも空気を読む力を有していたならば、時間は掛かろうとも気付けたはずだろう。

 大野 洞(おおの うつお)。名の通り、がらんどうにして(うつろ)な男であり、周囲と決して混ざり合わぬその気質はあまりにも歪で、社会性というものが欠けていた。
 欠けているという表現だけでは生温いかもしれない。
 欠如し、欠陥し、欠損し、欠失していると言った方がよほどしっくりする。
 その様な個性を雇い入れるとなると、昔ならまだしも多くの情報と事象が複雑に絡み合う現代社会においては、大野の個性は強過ぎて。
 歪過ぎた、と言う外に言葉がない。
 だからこそ、そうした個性にしか生み出せぬ世界観は多くの人々にとって蠱惑的に写り、退廃的な劣情を植え付ける。
 それは決して取り除けない病巣の如く、深く、昏く、侵食する。
 子供が甘味をはじめて知る様に――
 背徳の甘美さに酔い痴れる様に――
 大野の世界観は何処までも幻想的で、無秩序で、背徳的だった。

 大野 洞。
 彼は『人間以外』の官能小説を手掛ける作家であり、誰もが認める『人間失格者』である。


2.

 人間失格者――
 では大野が実際にそういう侮蔑の篭った悪評の通りであったのかというと、そこには些か誤謬(ごびゅう)が大きく加わっているかもしれない。
 社会的不適格者、という意味では大野は灰色には近かったのかもしれないし、或いは黒という名の鼠色(グレー)であるのかもしれなかったが。何れにしても大野が社会に属すにはやや難癖のある性質であるにせよ、それ自体は大野にとって問題ではなかった。
 そもそもの話大野に架せられたその悪評はそういった意味よりも、もっと根源的であり原始的な感覚からくる類の物で。
 異質。異端。異常。
 即ち――恐怖からくる訳の分からなさ、気味悪さ故に、他人が他人を排除しようとするもの。
 それは人間に限らず全ての動植物に共通する心理とも言えようがその辺は割合するとして、社会というものは何時の世も異物に対して友好的ではないという事である。
 異物は――吐き出さねばならない。
 まともで在ろうとする為に。まともで在り続ける為に。
 誰からも命じられた訳でもないのに、我々人間はそうした脅迫概念を内に秘めて生きている。
 人はそれを欲求と呼び、それに従って生活する者と従わずに生活する者とに分けていく折で。
 大野はそれらのどちらでもあればどちらでもなかった。
 言うなれば見解の相違でしかなく、社会的に批判をする一方と読者や賛同者などファンからの代表的な意味合いをも含んでいるのである。
 そしてその割合は常に後者が押しており、その数値が表す結果はそれだけ多くの人が体内に化物を飼っているという事でもあるのだった。
 そうした現実を野頭は未だに理解できないばかりか、自分の体内に潜むらしい化物の存在にもいまいち実感を持てず、大野もそのファン達の声も何処か遠い国での行事にしか思えない。
 自分とは住む世界が違う等という言葉よりも、自分と同じ人間なのかどうなのか疑わしい――
 それ位に大野と野頭は根っこから隅々まで似通わない。共通点らしき特徴がまるでこれっぽっちも存在しない。
 個々が違う等当たり前のものだけれど、ここまで共通点が皆無なのもそうは居ないというより、元から人間ではないのではないかと――そんな風に感じてしまうのも吝かでないのである。
「どうしたんだい野頭君? なんだかずっとだんまりだね。いつもはあれこれ質問してくるのに」
「いえ、大丈夫です。ただ、どうして僕はここにいるんだろうなぁって思いまして」
 冒頭に会話していた折の場ではないここ――地球儀から見ればほぼ正反対の位置に属す大陸の下で。
 野頭は目前の現実を受け入れようとも受け入れ難く、ひたすらに己の内で葛藤と対話していた。
 正確には大野の居宅からここに至るまでの間ずっとそういう調子ではあったのだけれど。
「大丈夫です。これも仕事だと思って割り切ります。それで大野先生は何を取材しに?」
「うん? 仕事じゃないよ?」
「えっ」
「書くのが面倒臭くなっちゃったから、ちょっと旅行に行こうかなーって思ったのさ」
「大野先生、存じ上げているとは思いますが、締切は後一月程しかないのですが」
「うん、知ってるよ。だから、書くのが面倒臭くなっちゃったんだよ」
「…………」
 放縦不羈(ほうしょうふき)にして放縦懶惰(ほうしょうらんだ)。自由奔放かつ奔放自在。
 否――滅茶苦茶で。無茶苦茶だ。
 仕事の為の取材だと思って付いてきてみれば、遊楽目的の脱走劇。
 最早こんな地には一秒一歩たりとも居れぬと、野頭は大野を何としてでも説得して帰国を試みようと躍起になるが、肝心の大野の姿が何処にも居らず慌てて姿を探す。
 少し目を離しただけでこれである。
 あれはもう人ではなく、風か空気か何かなのではないのかと、幾度目になるかも分からない解釈を隅に追いやりつつ手近な建物の中を(しらみ)潰しに探していく。それ程遠くには行ってないだろうと目測を付けていると二軒目であっさり見つかった。
 ガラス越しに写る陳列棚と様々な物品からしてどうやらそこは雑貨店であるらしく、大野はカウンターの傍で店主と何かしら対話をしている。買い物をしているのかもしれないし、それ位ならば別に良いだろうと店内には入らず入口で大野を待つ事にした。
 あまりにも長い様であればこちらから出向くつもりだったがそれも杞憂に終り、大野が入口から出てくるとともに野頭に気付いて声を掛ける。
「さぁ先生、お土産も購入したしもう宜しいでしょう? 日本へ帰りますよ? 唯でさえ締切が近いのに遊んでいる暇なんて――」
「野頭君、いい情報が手に入ったよ。何でも今月は珍しいものが見られる特別なシーズンらしいんだ」
「はぁ、そうですか……先生、よもやとは思いますが」
「それでそこへ行く為のタウンマップを買ってきたんだよ。早速そこへ行ってみようじゃないか」
「先生、締切が……」
「もしかしたら野頭君にとっても価値があるような物に出会えるかもしれんぞ」
「はぁ……僕は兎も角、それは先生にとって取材材料として成り得るのですか? 僕にとって今価値ある物といったら先生の作品が一刻も早く完成する事なのですが……」
 そして願わくばこの窮地から脱出できる立場が欲しい等と思う野頭ではあるが、そこは言わずに心に止めて置く。
「野頭君、君がワシの下に配属された理由が何か分かるかね」
「……いえ。でも心当たり位ならある程度の把握はしています」
「ワシは出来の悪い担当者を付ける様、予め上に手回ししてあってな。まぁ既に知っとるかもしれんが、是が君にとってどういう意味かは分かるかね」
「…………」
「要するに君の業務態度には問題があるという事だ。君のそういう生真面目さが、ワシにとっても君にとっても弊害にしかならんのだ」
「ではどうしたら?」
「だからこうして遊行をしにきとるんじゃないか。君はもう少し肩の力を抜けとでも上は言いたいのだろうさ」
 そんな風に大野はおどけて笑ってみせる。悪意は無いのだろうが、野頭にとって大野の言葉は正直刺さるというよりも串刺すような意味を持つ。
 指摘するのではなく晒し挙げる様な――そんな強引さをも感じて止まないのだった。
「ちなみにワシは野頭君のそういう所嫌いじゃよ。嫌いも嫌い大嫌い。超を通り越して極をつけてもいいのう」
「言いすぎです先生……それを言ったら僕だって先生のそういうだらしなさが不可解です。非常識です。不誠実です」
「はっはー。言うねぇ野頭君。それでいい。上だの下だのそういう下らない見識はかなぐり捨てて然るべきさ。友達感覚でいこうじゃあないか」
「その言葉は大変嬉しく思いますが、僕にも立場というものがあるので丁重にお断りさせて頂きます。ただ……」
「ただ?」
「今回だけはそういうのも、悪くはないですね。それで先生、何処から周りますか?」
 自棄っぱちだからか、野頭の笑声は空笑いのそれであったが、大野はいつもの通りに軽快に笑う。
 大野がそこまで考えていたのかどうかは疑わしい所であるものの、それでも。
 多分大野なりに野頭を気遣っての言葉だったのかもしれない――と。
 野頭はそう思う事にしながら。思い込む様にしながら。
 根掘り葉掘り交わらない二人の溝は一旦水に流す様にして。水に流される様にして。
 目前の道楽を愉しむという共通の目的に、共有する感覚に、さも可笑しそうに二人は周囲の視線も(はばか)らず笑い続けた。


3.

 鬱蒼と生い茂る草木、草木というよりは原始林の如き傍若無人な群生に足を取られつつも歩調を緩めない姿が二人。
 しかしその様子は穏やかとは言い難く、一方はうんざりするかの様なしかめっ面で前方の男を睨んでいた。もう一方はそれには気付いてか気付かずかあるいは無視か、ずっとお決まりの笑声を上げ続けている。
 耳障りに感じてきたのか、後方から付いてきた青年は手持ちの物に奴当る様にそれを地面に叩き付け、その衝撃音に吃驚した小鳥が一斉に木々から飛び立った。
「先生、これタウンマップじゃなくてワールドマップじゃないですか! 何でこんなの買ってきたんですか!」
「はっはー。いやぁあのオヤジにはしてやられちゃったなー」
「こんな状況でも笑ってられる先生の気楽さには本当に感嘆しますよ……僕もう帰りたい……」
「そう言うなよ野頭君。ワシらは最早運命共同体だろう?」
「やめてください気持悪い。僕そっちの気はありません」
「はっはー」
 そんな調子で樹海を進んでいる二人組みではあるのだけれど。
 装備も無ければサバイバル技術も無い。そんな彼らに置かれている状況が非常に宜しくないことは勿論、ここで野生の獣に襲われでもすれば無事では済まないだろうことは両者にも分かりきっていることである……はずなのだが。
「まぁいいじゃないか。もしかしたら野生の動物を身近で触れ合えるチャンスかもしれないよ」
「触れ合う以前に僕たちの命が危機に晒されますよね?」
 危機以前に遭難真っ最中なのだけれども。今この状況が危機そのものであるのだけれども。
 両者がそれを口にしないのは不必要な不安心を生ませない為でもあるが、もしかしたらそう思っているのは一人だけかもしれなかった。
 今更来た道を引き返そうにも似た様な地形、仮に目印を残しておいたとしても大野がそれに快諾するとも思えない。結局のところ野頭は大野の気の済むままに道なき道を進むしかないのだ。
 野頭一人だけが帰国してもそこから続く未来は果てしなく昏いのだから。
「あ、野頭君――」
 だから。
 俯く程の虚ろな気分が故に野頭は大野の呼び掛けにも、前方の障害物にも気付くのが数瞬遅れ――ごちん、と。
 軽快な衝突音を辺り一面に響かせ、その場でもんどり打って(うずくま)る。
――大丈夫かい野頭君――等の声は無く。
 激しい頭痛が和らぐまでの間、大野はずっと前方の岩を眺めている。
 普通は心配の声くらいは掛けてくれてもいいのではないか等と思う野頭ではあるが、大野にそういう配慮は期待するだけ損であり無駄でしかない。
 それよりも大野の意識を虜にしているそちらの方が優先順位としては高くなることを理解した上で、野頭は文句の一つも言わずに黙して視線の先を見上げる。

――何の変哲も無い唯の岩――だった。

 初見はそういう印象であった。しかし所々を注視してみればやや不可解な点が目に付き、それを大野が代弁するかの様に口を開く。
 周囲の景観とは明らかに異質で不似合いな巨岩。
 元からここにあったにしては表面がやけに真新しく、苔一つもないそれはつるりとしてひんやりとした感触を与える。
 突起した頭頂から徐々に太くなる体積は三角錐の様にも見てとれるが、何故かその中間より少し上の部位だけが異様にくびれ、凸凹としている。

「いやはや。ワシも長いこと生きちゃあいるがこんな奇岩は目にした事がないなぁ」
「僕もです。一体何でしょうかこれは」
「うーん。残念だけどワシにも分からないね。是だけの情報では判別は難しいよ」
「この地に住まう人はこれを知っているんでしょうかね」
「どうだろうね。少なくともワシが店主から聞いた情報とは一致する様な特徴はないなぁ」
「偶然の賜物という所ですか」
 そんな違和感と不思議さを漂わす巨岩を、野頭はその場を動かずじろじろと、大野はぐるぐると巨岩の周囲を回りながら観察する。
 同じ様な行動を取ろうともしない辺り、この二人もある意味目前の巨岩と似た様な形ではあった。
 そしてそれに飽きて第一声を発したのは意外にも大野だった。
 否、飽きたのではなく――新たな興味に目が移っただけだろう。現に巨岩の反対側から野頭を呼び掛ける大野の声は一段と高い。
 どうしたのかと野頭が訪ねると同時に大野は左腕ごと一方を指差しながら「野頭君視力はいい方かね?」等と訊ねてくる。
 対する野頭も「一応両眼とも2.0はあります」と応えながら、大野が指し示す方向先を眺めた。
「何が見えるかね?」
「何もありませんね」
「何もない?」
「ああ、すみません先生。今の言い方だと語弊が生じますので訂正しますと、そこから先は木々が途切れて荒野になっています――それと何かしらちらほら見えますがここからだと遠くて流石にそこまでは分かりません」
「ほう。じゃあそこへ行ってみようじゃないか」
 言うが早いか既に大野の足はそこへ向けて一歩を踏みしめようとしている。
 未だに野頭は最悪な機嫌が残るものの、少なくともこの密林からは脱出できる他、開けた土地であれば人目に付き易い性質もあり、遭難したという現状から抜け出せるはずであろう事を考えると少しは気分が楽になった。
 まぁ。飽くまでもそこら辺に人が居ればの話だが。
 こうして野頭が思考に耽っている間にも大野はずんずんと先へ進んでいく。その先にどんな危険があるか等とは考えない人なのだろうなぁとそんな事を思いつつ後を追おうとして。
 不意に――背後から視線を感じて振り向いた。
 しかし振り向いた先には巨岩があるばかりで当然誰かが居る訳でもない。
 巨岩以外の景観をも注視してみても正体らしき存在は見当たらない。
 だが確かに視線らしき何かがあった。気のせいであれそうでなかれ、そこには何かが居たのだ。
 大野ならば――その存在を突き止めようとするだろう。
 だが野頭はそうではなく、逆の事をする。
 即ち――その場から離れる事だ。
 好奇心は猫をも殺すとも、怖いもの見たさとも、野頭にとっては命が優先だし、我が身が一番可愛いと思いさえもする。
 だからその経緯について野頭は大野に告白をしなかった。
 すればどうなるか等分かりきっているからだ。
 癪ではあるが大野の言葉を借りれば、運命共同体である内においては野頭はより慎重に選択肢を選ばねばならない。
「先生――」
「遅いよ野頭君。何か見つけたのかい?」
「いえ――ちょっと疲れただけですよ」
「そうかい。でも休憩はまだ後にして貰いたいな。ほら、あれをごらんよ」
 言われるが侭、大野が指し示す方向に視線を傾けると、そこは――先程の巨岩とよく似たそれが無造作に並べられていた。
 それが人力によってか自然からかは判別できないが、そう表現する他に無いくらい――奇妙な景色だった。
「……さっきの奇岩と似てますね?」
「うん。でもあれは岩じゃない。生きてるんだよ」
 先の奇妙な体験もあってか、大野の言葉を野頭は率直に意味を捉えきれず、反射的に問い返し、そして喫驚した。
 それは正しく言葉通りに。生きているかの様に。

 犇き合って。
 蠢いて。


4.

「野頭君――」
 その名を呼ぶ声が果たしてどちらのものであったのか。
 稿本を手にデスクと睨み合う様な姿勢で、野頭はふと現実に引き戻された。
「野頭? 編集長が呼んでるぞ?」
 呼びかけても応答が無い野頭を心配してか、向い側のデスクから同僚の声が掛かる。
 先の呼び声は編集長のものであったのか、と野頭は未だ夢現(ゆめうつつ)の残る頭を左右に振り、稿本に引き寄せられた意識を現実の時間に調整する。
 チェアーに背凭れながら伸びをし、デスクの上の稿本を纏め上げてから席を立つ。
 てっきり大野がいつものの様に野頭を呼び掛けたものと思ったのだが。
 あれから半年は過ぎているというのに。どうも大分毒されているらしいと自嘲気味に嘆息を吐く。
「遅れてすみません。少し稿本を纏めるのに夢中になってしまいました」
「珍しいな。大野に毒されたか?」
「かもしれませんね」
 そんな他愛無い会話を交わしつつ、野頭が用件について切り出す。
「いやそんなに大した用件じゃない。ほれ、こいつを渡しに来て貰っただけだ」
「ああ……大野先生のですね」
「嬉しそうじゃないな?」
「いえ、そんなつもりでは。唯、通ってしまうとは思ってなかっただけです」
 野頭が受け取ったそれはまだ見本組みのものであるが、表紙が見劣りするだけで然程製本と変わりは無い。寧ろそこまで出来てしまえば既にゴールしている様なものだった。
「まぁそういうな。俺だって意外なんだ。この様な本を果たして出しても良いものかどうかとな」
「それは編集長らしかぬ台詞ですね? 最終決定を下したのは編集長ではないのですか?」
「それもあるがな。ぶっちゃけていえばそれは出鱈目だと言っていい。いや、どのジャンルに当て嵌めるべきなのかが皆目検討つかん」
「お気持は察します」
 寧ろ察し過ぎる程に理解できたと言ってもいい。
 唯の官能小説で終るならそんな風には通らなかった。
 そんなものが本になり世に出される程、我が社も世間も甘くは無い。
 それが「可」を出されてしまったのは、つまるところ――唯の官能小説では終らなかったからだった。
「では編集長。僕はこれを大野先生の所へ届けてきますので、是で失礼します」
「ああ。大野によろしく」
「編集長」
「ん? 忘れ物か?」
「忘れ物というか唯の質問なんですが――」




――ただいま留守にしております。ピーという発振音が鳴りましたらメッセージをお願いします――
「野津です。大野先生、見本組みが完成しましたので受け渡しとその他色々の用件も兼ねてそちらに御伺い致します。それでは後程」
 流暢な対応で用件だけを述べ、携帯電話の通話をOFFにすると共に、地上に着いたエレベーターの戸が開く。
 そのまま社の入口、外、駅、地下鉄、乗車、降車と移動の時時も流れる様に。
 最後に電話してから一時間足らずで野頭は大野の居宅前に着く。インターホンを押すが応答は無い。数瞬待ってからの二度目も無い所を確認して。
 野頭は居宅の扉を無遠慮に開くと我家の如く玄関に上がり、靴を脱ぎ、(帰りに備えた向きになるように)手で揃え、迷い無く書斎の下へと踏み入っていく。
 当たり前の様に閉じられた書斎の戸を、二回程ノックしてから室内に入り、そして。
「大野先生。いい加減居留守の癖、直した方がいいですよ?」
 うんざりする様な口調で、向い側のカウチソファーにそう語りかけると、ソファーの上の主は然程気にした風もなく。
「やぁやぁ、野頭君じゃないか。ひっさしぶりぃ」
「半年振りに逢ったみたいなノリで言わないで下さい大野先生。それと電話は必ず出て下さる様、何度説明してると思ってるんですか」
「えー。だって、面倒臭いじゃないそんなの」
「でしょうね。だから僕はこうやって無断で入っていくしかないんですよね。結構プレッシャーなんですよこれ?」
「そりゃ災難だったねぇ」
「ええ災難ですね」
 話がまるで噛み合わない様な、絡み合わない様な、混じり合わないそんな会話を一頻り交わした所で、野頭が革鞄から見本組みを取り出すと大野はそれに興味を示してか「ん? 野頭君、それは何だい?」と、そう訊ねながら身を起こす。
「大野先生が書いた新刊ですよ」
「ああ、そうだっけ」
 自分の物であると分かれば急に興味を失う大野は「まぁそこら辺に積んどいてよ」等と実に投げやりで。
 少し前の野頭であれば、そんな大野に対して慌てふためいていたのであろうが。
「もう新しいことに興味が沸いたんですか?」
「うん、そうなんだよ。今度はさー、猟奇的なの書いてみようかなーって思うんだ」
「それは結構ですが、くれぐれも殺人事件を起こしたり巻き込まれたり等は勘弁して下さい」
「何だよー。野頭君ったらまるでワシを犯罪者を見る様な、そんな不遜な目つきじゃあないか」
「強ち間違ってないかもしれませんね」
「はっはー」
 そんな風に受け流していくそのやり取りは、よもや常識からは程遠く。
 何処までも非常識な空間で。
「そういえば大野先生。稿本を読んだ頃からずっと聞こうとは思っていたのですが、あの奇岩の正体について初めから知ってたんですか?」
「いや? 知らなかったよ?」
「そうですか。僕はあれが稿本の通りに出来た物なのかと、ずっとそういう疑問を抱いてるんです。大野先生には報告致しておりませんでしたが、あの時強烈な視線を背後から感じましてね」
「ああ、なぁんだ野頭君も感じてたんだ?」
「僕は得体の知れぬ恐怖感から逃げたい一心で一杯でしたからね。大野先生がそれを知ればその場に留まろうとするかもしれないと思い黙っていたのですが……大野先生も同じ考えでしたか?」
「へぇ。ああ、成る程成る程成る程ちゃんだ。つまり野頭君はその視線を自分に対するものだと――そう認識しちゃった訳だね」
「ええ。でも大野先生はそうではなかった」
「うん。僕はその視線を、延長線の上に立っているものだと――そう認識しちゃったのさ」
「だから僕を呼んでその先を確かめさせた、と」
「ワシ目悪いからねぇ。それに野頭君を置いていく訳にもいかなかったからね」
「大野先生にそんな気遣いの心があるとは意外でした。人の心なんて端から空っぽなんじゃないのかと、そう思ってましたが」
「はっはー。ワシも野頭君の生真面目さに毒されちゃったのかもしれないねぇ」
「そんな見え透いた嘘は結構ですよ大野先生」

「でも、野頭君が報告しなかったのは正解だったと言えるかもしれないね」
「それは又どうして?」
「もし野頭君がワシの辿り着いた解釈に少しでも近接していたなら、あれを書こうとは思わない。ワシが書きたかったのは常識から逸脱した価値観だからね」
「そうですね。稿本を拝見した限りでは、僕にはとても理解し難い内容でした――否、大野先生以外の他人には理解する事が無価値であると――そう言っても差し支えないでしょう」
「それは嬉しい褒め言葉だ」
「褒めてませんがまぁそういう事にしておきますよ。さて僕はまだ仕事が残っているので社に戻ります」
「熱心だねぇ。折角だからまた何処かに旅行しないかどうか提案しようと思ったのに」
「それは又の機会にお願いします――ああ、大野先生」
「うん? 提案の話かい?」
「いえ、唯の質問ですが――」


5.



 見た目こそ巨大な岩石であるものの、彼らは生きているだけでなく、驚くべき事に雌雄を備えていた。
 雌雄を有することは即ち交接することも可能であり、我々が目にした光景が正にそれである。

 彼らは手足と呼べるものがなく、自力で動く事も出来ない。
 そんな彼らがどの様にしてそういう行為に及ぶのかを観察していくにつれ、判別したことが数点。

 彼らは磁力によって双方を引寄せ合ったり引き離したりを繰り返す事でその身に引力を発させていた。
 人間にも他人と惹かれ合う引力というものがあるがそれに当るものかどうかは兎も角、彼らのそうした動きは実に豪快でありながらも柔和さが所々に見え隠れ、無骨な外見からは想像も出来ぬ程に優艶だった。

 また雌雄の見分け方も容易である。
 雄は鼻の下に髯の様な物を生やしているのだが、どうやらそれは髯ではなく、主食となる蹉跌を集めた成れの果てである事が分かった。
 対して雌の方にそれはついていないことからして、彼らは別に主食を貯蓄するという意識に則っている訳ではないらしい。
 では雄が何故そういう行動を取るのかについてだが、これは恐らくセックスアピールを示す為の行動ではないかという仮説が立てられる。
 それに則って雄のみを注視してみると髯(蹉跌)の大きさが固体によって違う事が覗えた。
 そして必ずといっていい程に、髯を有しない固体の雌は何れの雄よりも一回りサイズが大きい。
 中には二倍程の巨体を有する固体も見られ、驚く事に雄からのアピールを多く受けていたのがそれであることからして、短絡的ではあるが母体としての優秀さが問われているのかもしれない。

 そうした発見を繰り返し、得た感想の第一声をあげるならば、彼らの生態や行動は何処までも人間臭いことである。
 雄がその他の雄等と鎬を削り合い、勝者のみが雌との交接の権利を得るのはどの動物に置いても共通しているが、そこに断食を加えるとなればそれは相当な精神力との争いだと言える。
 互いの体をぶつけ合い、肉体的な強さを誇示するやり方が彼らの内には存在せず、ただ只管に不動の侭、己の生存意識と争い続け、最後まで飢餓感を耐え切るその様は、今の人間社会において忘れ去られた魂の一欠片を思い出させた。






 ある者はそれを頭がおかしいフィクションの価値として。
 それは一体誰が得をするのだろうという疑問を残した。

 ある者はそれを生態の謎を紐解く価値として。
 それは後に解体新書に組み込まれる知識を残した。

 ある者はそれを紀行の足掛かりになる価値として。
 それを手に世界の広さを体感する案内書の役割を残した。


 しかしそれらは何れも踏み揃わない価値観で。
 何れも大野が伝えたい価値観からずれていた。

 幻想で。
 無秩序で。
 背かれた真理に。

 大野は未だ――伝える術を見つけられない。


千擦  fin.


後書

 最初に一つ謝っておきます。冒頭であんな大仰な注意書きを施してありますが、すまん。ありゃ嘘だ。
 前回に続いて二回目のフェイクと相成りますにああしておいた方が、天邪鬼な私の望む結果を得られると思いました。反省はしていない。
 さて本作を書いた経緯ですが、とある作者との対談中の事でした。
 私の脳味噌(きおく)がまだマトモであれば、マイナーポケモンについての対談だったと思います。
 その話題において必ず上がってくるのが本作でも語られた「ダイノーズ」さんです。
 真面目に考えれば考える程、ネタにしかならない哀れなポケモンの筆頭で在らせられる「ダイノーズ」さんです。
 そしてその作者はあろうことか私に挑戦状を叩き付けたのです。

「Lemさんなら誰もがやらない事をやってくれると信じてる(キリッ」

 その時は馬鹿言ってんじゃないよとスルーしていましたが、私の特性である天邪鬼さんが御仕事してくれやがりまして。
 皆が書きたい(やりたい)物を書いていく中で、私一人は書きたくない物を黙々と執筆していました。天邪鬼精神にも程がある。
 否、別に私だけでなく他の参加者方に一人二人位はそういうコンセプトで挑んでいたのかもしれませんが。
 先ず常識的に考えてそういう人は居ないと見るのが自然です。もし居られましたら是非御一報下さい。お友達になりましょう。

 さて本題に入りますが、本作は色々と筆者の私情と事情と痴情が入り混じった失敗作の一つとなります。
 先ず投稿した本作の内容は最終日の時点で全て書き換えられています。
 つまり予定通りであればちゃんとダイノーズ主観での、目くるめくエロが繰り広げられる素晴らしき世界が載せられています。
 そうならなかったのは上記にあります通り「これは人類には早すぎる」と判断したが為の取り下げでした。
 唯の俺得とか誰得であれば問題無いのですが、あまりにも内容がカオス過ぎた他、前回の様に票を入れられる事を望まず、最下位を狙うコンセプトの私としては是は不適格だと見なし、塵芥箱に放り込んで焼却しました。
 その頃の私はそれ位嫌だったんでしょうね。自分でも訳が分かりません。
 最終日だというのに白紙同然の原稿をどうしたものかと悩んだ挙句、苦肉の策として選んだ書き方が本作と相成ります。

 ポケモン臭が薄いのも、ポケモンの名前が一切合切出てこないのも、故意的です。全ては零を目指す為。
 でも二票頂いてしまいました。そんな馬鹿な……ありがとうございます。
 次こそ無投票目指してリベンジしてやるんだから……!



以下 解説コーナー。


 大野 洞(初老の文豪)
 原作では語り部かつ小説家を夢見て旅をする青年。本作では大幅に変更を加えられた。
 余談であるがモデルは筆者。時間が無い為自分を参考にした。奇抜なキャラになって愉しかった。


 野頭(大野の編集者)
 原作では編集担当のちょい役設定。本作になって出番が急遽増えた可哀想な子。
 モデルは挑戦状を送りつけた人。実際の性格とは多少異なるが会話のリズムはほぼ同じ。


 奇岩(ダイノーズ)
 筆者の固執により出番を大幅に削られてしまった可哀想なポケモン。
 原作では発情期のシーズンによってダイノーズの群れとの習性が描かれていた。
 後に大野がそれを元に「千擦」を執筆。
 内容は群れと馴染めないダイノーズが独り自慰行為に耽る折、それを通りがかったドータクンに見られ、ドータクンの提案により擬似行為をする事になる。
 ダイノーズの頭頂から覆い被さる様にドータクンが上下運動を繰り返すというものであり、その求め合いのあまりにも虚しすぎる行為の果てに、ダイノーズの外形は削れ逝くというもの。
 本作に登場する最初の物言わぬ奇岩はそれらの成れの果て。
 又本作の冒頭に触れる為(あまり守らないけど)に記載しなかった特徴として

・主食の蹉跌を集める為に、左右のチビノーズを用いて鼻の両孔に出し入れを繰り返す。
 これは摩擦熱を生み出す事で磁力を発生させる行為であるのだが、人間から見れば鼻姦にしか見えない為、泣く泣く排除された。

・ダイノーズには雌雄が存在するが、ドータクンには性別が無い。
 その為、上記で語る擬似行為の虚しさが如何程のものか計り知れないのだが、本作ではドータクンが未登場なので排除された。

・カップリングが成立した♂の髯の9割は♀に食べられる。現実は非情。

 尚、ポケモン臭が薄すぎたり名前が出てこない人の為の救済処置として主要人物の名前にトリックを持たせてある。
 大野 + 野頭 = ?    or   野頭 = 野(野原、野生) + 頭(頭部)


 気付いた人はそれ程本作を何度も読んだ人なのでしょう。ありがとうございます。
 ちなみに挑戦状を叩き付けたあの人は全然気付かなかったそうです。あるぇー。

 今回も前回同様ギリギリエントリーと、一週間の夏休み(宿題的な意味で)でした。
 実質的には一日でしたが、まぁ何とか書き切る事ができて良かったです。
 計画性の無い人が夏休みを享楽しているとこうなります。皆も気をつけようね!

 そして二回目の大会参加ともなり、もし次回の参加があるならば是だけは言っておかねばならない事があります。
 私の作品を読み解くなら後書まで予想するのが限りなく正解に近づきます。
 後書を含んで一つの作品です。後書を記載して初めての終りです。持論ですけどね。


 さて、長くなりましたが、後書きにしては又しても長すぎるかと思いますが、是にて幕引きとさせて頂きます。
 読者方々、参加の方々、大会管理者とその協力者達へ。
 惜しみない賞賛と謝礼を以て、ありがとうございます。

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 某二等兵の方か貴方だと思っていましたが、貴方でしたかw
    こういった部門で無ければあるいは…
    とにかくお疲れ様でした!
    ―― 2010-10-01 (金) 20:29:25
  • 初めまして、セグと申します。この作品は依然より数度読ませて頂いており、今回はそのお礼にとコメントさせていただく次第でございます。
    私のような人種からすれば全くもって素晴らしいと言わざるを得ない、登場人物の探求心と独自解釈に平伏するばかりでございます。
    私がこの場へ居留まろうと決心したのもひとえにこの作品のおかげであり、そして私なりの研究解釈をしようと思った次第でございます。
    ダイノーズに関する研究の一環としましては、作中書籍の「千擦」も拝読してみたいと思いました。
    このような作品を書いていただきありがとうございましたと、遅ればせながらの感謝の気持ちを示させていただきます
    ――セグ ? 2011-11-04 (金) 15:20:33
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Last-modified: 2010-09-30 (木) 00:00:00
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