ポケモン小説wiki
初めての誘拐

/初めての誘拐

ヤシの実
二部作です。

初めての誘拐 



A.M7:15
ベッドの隣のビリリダマの目覚まし音うるさく鳴り響く
白い壁に広い部屋、大きなベッドの他にフカフカのマクラと花が飾ってある花瓶、部屋にあちらこちらに玩具が放置されている
天井にはシャンデリアがあり、窓には水色の花柄カーテンがしかれている
この部屋は、ここの屋敷に飼われているリセオの部屋である
ポケモンの部屋としては大げさすぎるほどの広さだ
朝の日差しが差し込むベッドに仰向けに気持ちよく寝ているリセオの姿があった
ビリリダマの目覚まし時計に目を半分覚ますと目をこすり、大きなあくびをする
目覚まし時計をとめるとベッドから飛び降りる
まだ眠い、けど起きなくちゃ…
まだ眠たそうな目を必死に開きながらも部屋を出る
部屋を出ると、ヒトカゲのマッチの姿があった
リセオより先に起きた彼はリセオの起きるのはドアの前で待っていたのである
「あ、マッチ…おはよぅ」
「おぉう、おはようリセオ」
半開きな目でマッチと朝の挨拶を交わす
「顔洗いにいく?」
「うん」
うなずき、二匹は並んで歩き出す
この行事は毎日の事だ
いつもマッチが先に起き、リセオが起きるのを待ってくれる
マッチとは長い付き合いだ
僕が生まれる前からこの屋敷に住んでおり、幼い頃から僕の事を弟のように可愛がってくれた
幼い頃、調理場で遊んで調理師にふざけて体当たりして怒られた時もマッチがまぁまぁと庇ってくれた
うっかり壷を割ってご主人に叱られた時も彼は慰めてくれた
親の顔を見た事の無い僕にとってマッチは唯一の肉親に近い兄みたいなものだ
もちろんミロカロスのラーナも同じだ
ラーナは僕とマッチがまだ7~8の頃にこの屋敷に来た
体格は大きく、はじめは怖かったが優しいところがあってすぐに慣れた
知力の高いし、彼女はまだ物を知らない僕らに絵本など読んでくれたり
また、面倒見がよく、二匹で危ない事をすると注意してくれたり怪我をした時もつきそってくれたりした
彼女もまた、僕とマッチにとって姉みたいなものだ

「ふあぁぁ…まだ眠いや…」
 チラッ
マッチがリセオの顔を伺うように見る
「どうしたの?」
眠たそうな顔をするもマッチがこっちの様子を伺っているのに気づく
「いや…ようやく元気になったなぁっと」
「…うん、もう大丈夫だよ」
心配するマッチにリセオは作り笑顔で誤魔化した
「そか、あの時はホント心配したんだぞ」
「うん、ごめんね」
あの時…

1週間前のことだ、あの時はホント大変だった
警備犬のグラエナの叫び声に目が覚め、窓から見てみるとリセオが倒れていた
あの時なぜリセオが外にいたのかは別問題として、リセオがまるで何かに襲われたようにぐったりしていた
すぐに使用人やご主人が集まり、大騒ぎとなった
まだ夜中の2時の事だった
…それからリセオはその次の日までずっと寝ていた
正直死んだのかと心配した、ホントに…
そしてリセオが目覚め、詳しい事情をご主人が聞くと『外に行ってた…』の一言
それ以外は何も覚えていなかったらしい
しかしあの時のリセオの様子はまるで何かに怯える様子だった
もちろん無断で外出した事に関してご主人にこってりと怒られた
まぁ当たり前だもんな…あれほど夜の外出など禁止されていないのだから
ましてはあんな状態で帰ってきてみんなを心配させたのだから…
…しかし本当に何があったのだろう?後で事情を聞いてもリセオは『覚えてない』しか言わない
いや…覚えていないと言うより『思い出したくない』ような顔だった
その後も5日間はご飯をまともに食べなかったのだからな
そうとう怖い目にあったんだろうなぁ…

「あ、リセオとマッチおはよう~」
歩く先にラーナがいた
二匹は立ち止まって「おはよう~」と返す
「リセオようやく元気になったのね」
「うん、心配かけてごめんね」
そう言うといつものような笑顔で笑う
しかしラーナは少しあきれている様子だ
「ふぅ、もう二度と勝手に外へでちゃだめよ」
「うん…」
一瞬、リセオの顔が曇る
あの時、外に出た記憶以外はほとんど無いが、思い出すのが怖いせいで落ち込んでしまう
マッチは慌てて話題を反らそうとする
「え~っと、早く飯食べに行こうぜ」
「あ、うん」
リセオの表情が戻る、この話題はリセオの気持ちが落ち着くまでしないほうがいいようだ
「そうね、いきましょ」
3匹はそろって朝食する部屋へと向かった

朝食を済まし、リセオとマッチの二匹は屋敷の庭でボール蹴りで遊んでいた
広く、芝生の生い茂った庭は外で遊ぶのにとても快適だ
それを遠くからラーナは眺め、微笑む
「おはようございます、ラーナ様」
後ろから声が掛かる
「あら、クロイズ」
雄のグラエナ、警備員パートナーのクロイズ
4匹のグラエナの中のリーダーである
主人が屋敷の警備員を勤め、クロイズはその警備犬として育てられた
厳しい訓練に耐え、警備員のパートナーとして警備を勤めている
他の三匹のグラエナもその警備員のポケモンだ
顔は他のグラエナと比べると引き締まった体に中々良い顔つきをしているため、まわりの♀ポケモンには評判があった
クロイズは喋り辛そうな声をあげる
「その、リセオ様の様子はどうでしたか?」
「うん、もうよくなった見たいよ ホラ」
ラーナはクロイズに二匹の無邪気に遊ぶ様子を見せる
クロイズにはリセオが元気そうに見えた
しかしクロイズはシュンとする
「その…申し訳ありません、リセオ様の事…」
「え?」
「自分が不甲斐ないばかりにリセオ様に気づかずに…」
「うぅん、気にしないで…」
慰めるが、クロイズの表情は曇る
今までリセオの身勝手な行為を止めてきたが、あの日の夜にこっちが気づかないのをいいことに無断外出を許してしまったのだ
クロイズ自信もそれに気づかず警備に当たっていた
そして一匹のポケモンがリセオを乗せて運んでいるのに気づき、慌てて駆け寄ったが、そのポケモンはリセオを降ろすと逃げるように去っていった
ボロ雑巾のように戻ってきたリセオを見たときはショックだった
体には唾液の匂いに、意識の無い表情…
クロイズの知らぬ間にリセオは外に飛び出し、野生のポケモンに襲われたのだ
自分の不甲斐なさに悔しさを感じ、下を向く
「自分がもっとしっかりしていればこんな事には…」
「あなたの責任じゃないわよ、気を落とさないで」
「はい…」
「私はあの子が生きてここに戻ってきただけでも良かったと思ってるわ」
リセオの無邪気に遊ぶ姿が目に映る
「それに、もう勝手に外出ないように言っておいたから」
「そうですか、わかりました・・・」
クロイズに安堵の笑みが浮かんだ
「もう二度とあの子に怖い目にあってほしくないからね」
ラーナにとって、リセオは目に入れても痛くないほどの可愛い弟のようなものだ
だから二度と危険な事などしてほしくないのだ
「自分もまた、リセオ様があんな事にならぬ用に全力を尽くして守ります」
クロイズもまた、今後あんな悲劇な事にならぬように、意思を固める
これは警備犬としてではなく、一個人としての感情だ
「では、自分は戻ります」
「えぇ、警備ご苦労様」
クロイズは警備に戻った
その時、ラーナは遠くから誰かに見られている気配を感じた
気配に敏感なラーナは辺りを見渡す
しかし、リセオとマッチ以外の姿は見えない
「(誰かに見られてる…誰?)」
クロイズの視線じゃないのは確かだ
慎重に辺りを見渡す、するとかなり遠い所の草原から自分達を見ているポケモンがいる
ここからじゃ遠くてよく見えないがこっちを見て笑っているように見える、気味が悪い…
リセオとマッチは気づいてないようだ
「リセオ、マッチもう家に入りなさい」
ラーナは二匹に家に戻るように言う
「え、どうして?」
「まだいいじゃんか、外も明るいし」
二匹は不思議そうに尋ねる
「えっと、どうせなら家の中で遊ぼうかな~っと思ってね」
とっさに不安にさせまいと思い、適当に誤魔化した
あのポケモンはまだ自分たちをみている、君が悪くてしょうがない
「(誰なの?)」
クロイズを呼んだほうがいいかしら…いや、とりあえず二人を家にもどそう
「んじゃさマッチ、テレビでも見よっか」
「あ、今週のポケモンコロシアム見ようと思ってたんだ」
「そか、そろそろ時間になるしね」
「んじゃ姉さん俺達先に戻るよ~」
うまく二匹を家の中に入れた
ラーナは安心し、あの視線の先に目を戻す、だが…
「…いなくなった?」
自分たちを見ていたあのポケモンは何時の間にかいなくなっていた
一体誰だったのか、もしや…
ラーナは疑問に思いつつも自分も家の中に戻った


「クスッ、無邪気に遊ぶ姿も可愛いわねぇ」
緑の草原からあの遠い屋敷へ見えるリセオの姿に浮かれる
私に見せたあの表情とはまた別に可愛らしくみえる
「もう一回会いたいなぁ、あの子に」
もう一回、いや、何度でも会いたい
最初に会った頃からリセオの虜になっているのが自分でも分かる
「はぁ…あのまま返さなければよかったかなぁ?」
何故あの時帰しちゃったのか、主人持ちのポケモンだから帰すのが常識だ
どうせ一回きりの出会いだから別に帰しても良かったと思っていた
だがそうした後、急に切ない気分になる、帰すのは間違っていたのかしら?
いっそこのまま拉致したほうが良かったかも、そうしたら毎日熱い夜で楽しめたのかもしれないけど…
そんな妄想が頭を過ぎるが、虚しくなるだけだ
遠く見えるリセオの姿に、思わず深い息をついた
「考えただけで体が欲しちゃうわ」
あの時の思い出が頭をよぎる、あの熱い夜が…
自分の内に、あの夜の熱が冷めない
それどころか余計にリセオに対する熱が増している
「リセオ君…」
ここでリセオを見るたびに胸がドキドキする
今はここで眺めていたい、そしてまた…近づきたい、抱きたい
「ん?」
すると向こうのミロカロスがこっちが見ているのに気づいた
その他の2匹は気づいていないようだ
「(気づかれたのかしら?……まぁいっか)」
相手の伺う様子を気にもせず、不適な笑みを返す
向こうは警戒しているようだが、こちらには関係ない
所詮人間暮らしの長いポケモンの実力なんてたかが知れてる
こっちが襲われる可能性なんてない、だからもう少し眺めていよう
するとミロカロスはリセオともう一匹のポケモンに声を掛けるのが見える
そして二匹は屋敷に戻ってしまう
「あーん、何でも戻るのよぅ…」
もう少し眺めさせてくれても悪くないのに
あのミロカロスが家に戻るように言ったのかもしれない
お目当ての子が戻ってしまい、せっかくの楽しい気分をぶち壊され、顔をムスッとさせる
「チェッ…つまんないの」
ふてくされて自分もその場を去った

・・・・・・・・・・・・・・

やがて綺麗な川のほとりに着く
静かに音を立てながら川の流れの音が聞こえ、水の中にはコイキングがゆったりと泳いでいた
そんなコイキングを眺める訳でもなく、静かに座り込む
川に写る自分の姿をみて、また溜め息をつく
すると後ろから声がかかった
「あらナリア、そんな所で溜め息なんかついて」
振り向くとそこにシェアリーの姿があった
「なんだ、シェアリーか…」
「またリセオ君覗きにいったの?」
ナリアの顔色を伺うように覗き込む
「えぇ…」
そう言い、また溜め息をつく、5日前からこんな様子だ
まるで、手の届かないダイヤモンドの指輪を見つめて溜め息を吐く女性のようだ
シェアリーはナリアの横に座る
「ここ最近リセオ君の事が忘れられないのよ」
「ふ~ん」
「はぁ…この辺りであんな可愛い子いないからな~」
「それに結構気持ちよかったしね」
あの時の『派手なパーティ』をシェアリーが思い出す
あの夜、ホントすごかった、シェアリー自身も理性を捨て、我を忘れるくらい乱れていたのだから
シェアリー自信もあれほどの快感を味わったのは久しぶりだった
ナリア同様、また会いたいという気持ちはシェアリーも一緒だ
「あの実、たしかセイカンの実だったよね?」
一週間前にフレムが持ってきたあの木の実のことを思い出す
ハート型の実の事、『セイカンの実』の効果はびっくりするほどすごい
あの時、ナリアがつまみぐいした後だったからすぐには出来ないのかと思ったが、セイカンの実のおかげですぐに性交が可能になったのだ
おかげでずいぶんと楽しむ事が出来たのだ、もちろんリセオ自身も私達を満足させるように遊ばせてくれた
「そういえばさ、後でフレムに聞いたんだけど」
ナリアが興味心身に語る
「あの実には性欲増進と別に増性効果もあるんだって~」
「そぉ、通りで子供にしてはすごいとは思ってたわ」
パーティの最中もリセオは泣き叫んでいたから知らなかったのかもしれないが
数え切れないほど射精したのにも関わらず精液の量はもうドバドバでていた
みんなもすごく激しかったが、リセオも派手に射精してくれてた
「あの時の顔、可愛かったな~」
泣きながら嫌がってたけど…それすら可愛かった
思い出すだけでも子宮がうずいちゃう
「また別のいい雄でも探す?」
シェアリーの質問に溜め息をつき
「ううん、あれからリセオ君以外の雄とする気しない…」
屋敷に帰してから1週間程度だが、ナリアにはそれが長く感じるのだ
いつもだったら発情期の時は週に2~3回雄とヤるのが趣味だったナリアだった
自分好みの雄を見つけては誘惑し、適当に遊んでその後でSEXをするのだ
リセオと会った時も、そのつもりでいく予定だった
しかし、リセオは特別に違っていた
純情でまだ幼さが残り、交尾も発情期も知らない彼はまさに汚れのない世界で生きてきたのだ
おまけに容姿も良く、いかにも私好みのイーブイだった
こんないい雄はめったにいない、だから自分が汚してみたかったのだ
まるでリセオに誘われるかのような気持ちだった、あの無垢で愛らしい笑顔の前に、理性の糸が切れ、我慢できずに犯してしまったのだ
リセオの怖がる表情がまるで自分を誘っているみたいな感じがしたのだ
そして十分に楽しんでから帰したが、後になってまた会いたくなったのだ
前みたいにヤった後、また別のいい雄をみつけるような気持ちがしない・・・
また会って…そして汚したい…犯したい…
内なる欲望がリセオを求めようとしている、私って案外変体なのかもしれない…
「へぇ~そうなのね、う~ん…」
川に反射する自分の顔を見つめながらシェアリーは考え出す
すると何かひらめいたみたいに顔をハッとさせる
「ねぇ、ナリア」
「ん、なーに?」
面白そうな顔をしているシェアリーになりが聞き返す
シェアリーの事だからまた何かひらめいたのかな?
「アンタがさ、あそこのさ…」
誰かに聞こえぬようにナリアの耳元につぶやく
「ハァ…?そんなのできるの?」
シェアリーの提案に疑問な表情を浮かべる
「えぇ、こうすればいいのよ」
そしてまた耳元でつぶやく
するとナリア自身もピンッときたような表情を浮かべる
「へ~いいじゃないそれ~」
「でしょ?」
ニマっと笑みを浮かべるシェアリーにナリアはうれしそうにクスクスと笑う
「さすが天才、期待してるよ」
ほんとにシェアリーは天才だ
シェアリーはアンリ、ナリア、フレムと同じレベルが高いのだがバトルするのが好きじゃなく、
だが彼女とても高い頭脳を持っており、なんでもひらめいてしまうのだ
また、策略家でもありその頭脳が武器と言っても過言ではない
どんなに難題な事に遭遇しても彼女のアイディアのひとつでほとんどの事が解決できてしまうのである
最近は悪巧みを考えるのが好きらしく、また野生にしては清楚で美しい顔だちをしているが
その外見に騙される者も多く、今まで彼女の為に何匹ものポケモンが被害を受けているのである
まさに彼女は策士であるのだ
「それじゃ、アンリとサラを呼んできてくれない?ついでにフレムもね」
「OK」
ナリアは気分向上したまま二匹を呼びに言った
シェアリーはリセオの顔を思い浮かべ、笑みを浮かべる

お昼頃、昼食を済ましてリセオとマッチは再び外で遊んでいた
「いくぞ~、のしかかり~」
マッチの掛け声と同時にリセオに自分の体を覆いかぶせる
「うわぁ、やったな~お返しだ」
マッチの体を潜り抜け、「しゃどーぼーる」と叫ぶ
っとは言いつつ、地面にあった白いボールを体当たりで突き飛ばす
二匹はテレビのバトル中継に影響され、それを真似て遊んでいる
リセオの「しゃどーぼーる」もただボールを突き飛ばし、それに似せているだけであった
実際ペットとして育てられているリセオとマッチはバトルに関する知識は無いから、テレビで見たのを真似ているのである
バトルの真似事など子供っぽく、みっともないからやめろとラーナに言われた事がある
だが雄である二匹はバトルにとても興味がある、やっぱり雄として生まれたからにはバトルを真似事でもいいからやりたいのだ
「おっと、そんな技じゃ俺は倒せないぜ」
チチチっと指を振ってリセオを挑発する
「むぅ、次は当てるよ!」
マッチの後ろに飛んでいったボールに駆け出すとふたたび「しゃどーぼーる」真似事をする
今度はあてるぞっと、ボールに強く体当たりし思いっきり飛ばす
「うわっ」
飛んでくるボールの勢いに思わずしゃがむ
勢いよく飛んできたボールそのまま遠くに飛んでいってしまう
「ひぇ~あぶないなぁもう!」
「へへ、ゴメン」
マッチに軽く謝り、ボールをとりに行こうとする
すると向こうからクロイズがボールを銜えてやってきた
「はい」
二匹の前でボールを落とす
「ありがとう」
「よし、2回戦いこうぜ」
遊びに戻る二匹にクロイズが呼び止める
「あの、二人ともラーナ様から外に出るのはよしたほうがいいと言われたのでは?」
「ん?」
リセオが振り返る、するとマッチが
「でもさ~、ずっと家の中にいると退屈しちゃうよ」
ラーナにあんまり外に出ないほうがいいと注意されていたが、家の中でテレビを見ているだけでは退屈になってしまう
「しかし、ここ辺りで不振なポケモンがいるとの事を聞きましたので」
不振なポケモン…
リセオは本の一瞬、嫌な汗をかく
まさか…嫌…ありえない…でも…
リセオの顔が暗くなる、何かに怯えている様子だ
それを察し、クロイズが声をかける
「どうかしましたか?」
クロイズに声を掛けられハッとする
「う、ううん…なんでもないよ…」
考えすぎだ、まさか向こうから来るなんて…それにこれ以上クロイズ達に心配を掛けるわけにはいかない
「そうですか」
リセオは無理に笑顔を作り
「それじゃ僕、もう家に戻るね」
「え?まだ遊ぶんじゃないのか?」
「いや…僕そろそろ疲れてきたからさ」
「そうか」
つまらなそうな表情をするが、リセオが言うなら仕方が無い
「ごめんね、んじゃ僕先にもどるよ」
リセオは小走りで屋敷に戻った

・・・・・・・・・
やがてリセオは自分の部屋につき、ベッドに移ると深く溜息をつく
「はぁ…まさかまたナリアさんが…」
ナリア…初めてあった野生のポケモン…
「また僕を襲いに来たのかなぁ…」
まだ誰にも話してないが、僕はあの日ひどい事されたのだ…
あんなに優しかったナリアさんがあんな事するなんて…今でも信じられない
「野生ってあんなに怖いものなの?」
思い出すだけで体が震えだす
憧れていた野生のポケモン、それは自分が考えてるような優しいものじゃないのかもしれない
しかし今はもう何も考えたくない
僕は忘れるように眠っていった

やがてどのくらいの時間がたっただろう
窓を見るとすっかり夜になっていた、ちょっと寝すぎたかな?
目をこすり、自分の部屋を出るとなにやら騒がしい…
使用人達が慌しく動いている
「どうしたんだろ?」
ある使用人の二人の会話が聞こえる
「おい、どうしたんだこの騒ぎは?」
「あぁ、何でも主人の留守中、マッチ様がさらわれたらしい!」
「…え?」
リセオは頭を鈍器で殴られたような衝撃を受ける
「マッチが…?」
眠る前まで一緒に遊んでいたマッチがさらわれた?
使用人の言葉を疑う
「おい、お前たち」
会話していた2人に別の使用人が声を掛ける
「そこでしゃべってないですぐに探しに行け!、もしかしたら誘拐かもしれないぞ」
「あ、はい」
使用人達は急いで走り去っていった
「……」
何故マッチがさらわれたのだ?
そんな疑問が頭によぎる
いてもたってもいられず、リセオは外に出ようとする
途中ですれ違いに使用人に声を掛けられたが、リセオの耳にはとどかない
やがて外に出ると、使用人達やそのポケモン達が辺りを捜索している
リセオも急いで探しに行こうとする
「あ、お待ちください、リセオ坊ちゃん」
グラエナが目の前に塞がる
クロイズの仲間のグラエナの一匹クドが引き止める
「クド…これ、一体どうしたの?」
「えっと…それは…」
「マッチは?どうしたの?」
リセオは慌しくクドに問い詰める
「その…マッチ坊ちゃんが…さらわれました…」
またもや衝撃が走る
まさかとは思ったが…しかし…
「どうして?さっきまで一緒に遊んでたのに!」
「それは…」
「私の口からいいます…」
クドの後ろからクロイズが言う
「私の…責任です…」
「どういう事、クロイズ?」
顔をしかめ、ゆっくりと語る
「私が油断したせいで…いきなりの事でした…遠くから誰かに呼び止められ…
けど…誰もいなくて…変だと思ったら、マッチ様の叫び声が聞こえて…
慌てて戻ると…ボールだけ残していなくなってました…」
「そ…そんな…」
「えと…門前を警備していた者がとても早いスピードで屋敷を出て行った奴がいたと聞いたもんですから
追いかけたんですが…姿を消してしまって…」
ショックを受けたリセオはその場で座り込んでしまう
「とにかく…リセオ様は屋敷にお戻りください…絶対に見つけてきますから、クド…リセオ様を頼む」
「あ、はい」
リセオはショック状態のまま、クドに連れられて屋敷に戻っていった
クロイズの後ろ姿がまるで自分に絶望したような雰囲気を漂わせていた

やがて戻るとリセオは自分の部屋に戻る
ドアの向こうで使用人達の慌しい声が伝わる
信じられない…いや、信じたくない…
あの優しいマッチがさらわれるなんて…
どうしようもない気持ちが続き、ただ無駄に時間が流れる
 ガチャ
ドアを開けラーナが入ってくる
「リセオ…大丈夫?」
「姉さん…」
事の事情をすでに知ったラーナは心配してリセオの所へ来た
「元気だして…ね?」
ラーナが慰めるが、リセオはくらい表情を浮かべる
「マッチが…なんで…」
「わからないわ…でも…絶対大丈夫よ」
なんとかしてリセオを元気付けたい
とりあえずラーナはリセオを夕食に誘う
「とりあえず、夕食にしましょ?」
「……うん」
小さく頷き、ラーナに連れられる
やがて長いテーブルのある部屋に着く
ここでは招待したお客さんが20人くらい一緒に晩餐(ばんさん)が出来るほどの広さがある
リセオ達はいつもここで食事をしている、長いテーブルの下にはすでに食事が置かれている
味気の良い高級ポケモンフードだが、リセオは食欲が全然沸かない
ラーナは先に食べているが、リセオの口は全く動かない
ポケモンフードを目の前にしてただボーっと暗い表情を浮かべている
「ほら…、食べないと体によくないよ?」
とりあえずリセオに食べるように進める
ラーナの言う事は分かっているが、頭の中はマッチの事でいっぱいなのだ
「…ふぅ」
ラーナもマッチの事が心配だ
…すると不意にあの時の変に自分達を除いていたポケモンが思い浮かぶ
もしかしてマッチをさらったのはアイツなのか?
ラーナは深く考えると、隣から「ご馳走様」と弱弱しい声が聞こえる
「え、もういいの?もう少し食べたら?」
「うん、もういらない」
リセオはトボトボ歩きながら部屋を出る

自分の部屋に戻り、電気も付けずにベッドに飛び乗りドサっと倒れる
「マッチ…」
マッチの事が心配でたまらない
友達、また兄みたいな彼はリセオにとって欠かせない存在なのだ
そんな彼を連れさらうなど、何故そんな事をするんだ…
「マッチを帰して…」
リセオの目に自然と涙が浮かぶ
 コンコン
「ん?」
誰かが窓ガラスを叩く音がする
窓を見ると、大きな鳥が自分を呼んでいるように窓ガラスを叩く
見覚えがある、確かサラっと言うピジョンだ
 ガチャ
「サラ…さん?なんだろう?」
窓を押し開けるとサラはリセオの断りも無しに入ってくる
「よいっしょっと・・・へ~、ここが君の部屋なんだ」
「えと…サラさん?」
サラは部屋を見渡すとリセオに振り返る
「一週間ぶりかな?」
「…そうですね」
態度がオドオドする、何せあの『野生』なのだから
「どうだった、ナリア達のパーティは、楽しかった?」
「!」
その言葉聞き、あの時の恐怖が蘇る
サラは面白がるような顔でリセオに聞いてくる
「サ…サラさんは知ってたんですか?あんな事になるのを…」
「まぁね、ナリアの奴君の事相当気に入ってたみたいだからさ」
「そんな…」
「ま~そんな事は今どうでもいいんだけどね」
リセオに近づくサラ、それに対しリセオは後ずさる
やがて壁にぶつかり、サラがそこまで寄ってくる、すると…
「シェアリーから伝言を預かったんだよ」
「シェアリーって…?」
「ホラ、パーティに参加していたシャワーズの事だよ」
リセオはハッとする
あの時、自分に「綺麗な顔ね」と言ったあのシャワーズだ
「そ…その人が僕になんて?」
「シェアリーがさ、君の言ってたマッチって子の事しってるだってさ」
マッチを知ってる!?
驚いたリセオはサラに近づき
「な、何でマッチの事を知ってるんですか!?」
リセオの真剣な質問に投げやりな態度で答える
「さ~ね、でもアイツがマッチって子をさらっているのを見たそうだよ」
「何処にいるの?教えてください!」
「場所は自分で聞くんだね、アタシは知らないよ」
適当に答え、自分の羽を手入れしだす
「教えてほしければ私のもとに来いってさ」
「その人…何処にいるんですか?」
羽を手入れしているサラはフッと笑い
「君が始めてナリアと会った場所で待ってるって」
「あの場所…」
「ま、連れてってはあげるけど行くか行かないかは君が決めるんだね」
リセオは下を向き、考え込む
やがてサラに向き直る
「…分かりました、そのシェアリーって人に会わせてください」
「オッケー」
 ガシッ
羽を羽ばたかせリセオを掴む
「うわっ!?」
「いっくよ~」
そのままリセオを連れ、猛スピードで窓から飛び立った

 ビューーーッ
「うわあぁぁ!!」
掴まれたまま勢いよく高く飛び、そのあまりの高さに思わず絶句する
自分の住んでいる屋敷がどんどん小さくなっていく
思わず暴れようとしたがすぐにやめようと思った
もしここで不意に落とされたりしたら確実に死ぬ…
「ヒュー、やっぱ外の風は気持ちいいね~」
サラは気持ちよく飛んでるが、リセオはとても強い風圧に目がまっすぐ開かない
夜の風が強く当たり、息がしずらい
そして5分くらい飛んでサラが叫ぶ
「さて、もうすぐかなぁ」
徐々に降下すると広い草原が見える、自分が初めて外に出た光景だ
すると地上から二匹のポケモンの姿が見える
やがてサラはリセオを地面に下ろす
あっさりと着いた、リセオがここまで来るまで数十分かかるの距離をサラは短時間で・・
「ふぅ…怖かった…」
気持ちを落ち着け、目の前にいる2匹を見る
そこに知っている顔があった
「フフ、久しぶりだね、リセオ君」
ここで初めてあったエーフィのナリアとその友達のシェアリーだ
「あ…ナリアさん」
リセオはナリアの顔を見ると思わずあの夜の事を思い出す
最初に会った時は綺麗で優しいポケモンだったが、今はそんな雰囲気さえ感じない
リセオは思わず後ずさりするが、ナリアはこっちに歩いてくる
「…ずっと会いたかったよ」
瞳を潤わせ、序所に近づいてくる
顔と顔が近づくまで来るといきなり唇を奪う
「んぐ…」
「ん…!」
いきなりのキスで驚くリセオ、ディープキスされて息苦しくなる
リセオは顔を離そうとするがナリアに顔を押さえつけられ、離れない
キスは数秒間続いた
「こらナリア、いきなり何してるのよ」
シェアリーに注意され、唇を離すとエヘッと笑う
「だってずっと我慢してたんだもん」
「それしに連れて来たんじゃないのよ」
「だって~」
「ホラ、どいてどいて」
シェアリーがナリアをどかし、リセオの前に来る
リセオは自分の唇を手で拭っていた
「始めまして…はおかしいかな?」
それもそうだ、一度会った事があるあのパーティで
「私はシェアリーって言うの」
「名前はサラさんから聞きました」
「そっかそれじゃ話は早いわね」
シェアリーはリセオのとなりに座る
リセオは緊張しながらも面々と顔を向ける
「私もリセオ君の隣にすわる~」
そう言うとナリアもピョンっと飛びリセオの隣にすわる
女性にサンド状態になったリセオは少し戸惑っている
「あんたは別にいいの!」
シェアリーに止められ、顔をむくらせる
「え~、せっかくリセオ君に会えたんだからいいでしょ~?」
「あのねぇ~…」
ナリアはいいかもしれないがリセオが怯えている
「まいっか、リセオ君、君の友人のマッチ君の事だけど」
「は…はい、僕もそれを聞きに…」
ナリアが頬ずりでじゃれてくるせいで話しずらそうだ
って言うか何故ナリアだとこう怯えるのだろう…
もしかしてつまみぐいの他にもなにかしたのだろうか
まぁナリアは無視して話を進めよう
「私見たのよ、ここの草原でヒトカゲらしいポケモンをライボルトが運んでいるのを」
「ほ、ほんとですか!?」
「えぇ」
シェアリーは自慢げな態度で話す
「教えてください、何処に連れて行ったんですか!?」
リセオは慌てて聞く、だが、シェアリーはそこで口調を変える
「私が教えられるのはここまでよ」
「え?」
「マッチ君の居場所を知りたいのならあなたの返答しだいって事になるわよ」
リセオは一瞬たじろく
「それは…どういう事ですか?」
シェアリーは怪しく微笑みリセオに顔を近づける
視界いっぱいにシェアリーの顔が写る
なんだか怖い…
「私の条件を飲み込んでくれるなら教えてあげるってこと」
「条件…?」
「そうよ」
後ろサラがクスクスと笑う
隣のナリアも怪しく微笑む
「な…なんですか?その条件って」
「あなたの体を私達に好きにさせるって事よ」
「え!?」
条件の内容に衝撃を受ける、頭の中が電気が流れてくるような感覚が起こる
「それって・・・」
「つまり自由に抱かせてくれるってとこね♪」
ナリアがわかりやすく言う
「な、何でそんな!」
恥ずかしいのか怖いのか、思わず怒鳴る
「嫌?私達みたいな綺麗な雌に抱かれるのが?」
そういう問題じゃない、その条件自体に疑問があるのだ
普通の雄なら喜んで飲み込むかもしれない、だが純情なリセオはそれに違和感がある
「いや…そう言う事じゃないです…けど…そんなの…」
ビクビクしながら何とか言葉を続けようとするが
「嫌ならいいのよ?私達には関係の無いことだから」
急にクールになり、他人げな態度をとる
「あのマッチって子がどうなっても知らないけど」
「そんな!?」

夜の風が4匹を包む
シェアリーはゆっくり口を開くと
「あいつは肉が好きなのよ、だからたまに他のポケモンを襲って食べるとんでもない奴なの」
リセオはゾッとする
「(まさかマッチを食べる気なの!?)」
ナリアがリセオの耳元で哀れそうな声で呟く
「あのライボルトそうとう飢えているような感じだったからさ、もしかしたらマッチって子は…」
まるでリセオを追い詰めるかのような口調だ
ハッとしたリセオは最悪な事態を予測する
もし…このまま助けることが出来なければマッチは…
「そうね、手遅れになっちゃうかもね…」
「だったらなんですぐ助けてくれないんですか!?」
「言ったでしょ、あなたの返答しだいだって」
再び怪しく笑う、まるで悪魔を見ているようだ
「別にアタシ達はボランティアとか救助隊とかそんなもんじゃないしね」
後ろのサラが冷たく言う
リセオは助けの手綱を落としてしまったような感覚にとらわれる
「(マッチを救えるのは僕だけなのに…それすら出来なくなっちゃう…)」
頭の中の不安が頂点に達する
「あなたがいい返事さえしてくれれば友達を助けてやってもいいのよ?」
追い詰めるような目でシェアリーは見つめる
「……」
下を向き、悩み始める
マッチを…救いたい…けど…
20秒くらい悩み、やがて顔をあげる
「わかりました、僕を…シェアリーさん達の好きにさせれば…マッチを助けてくれるんですね?」
怯えた目で条件を飲む
「えぇ、そうよ」
リセオの返答に笑みを浮かべるシェアリー
ナリアはキャハッっと喜ぶ
「って事はこれからはリセオ君で自由に遊べるのね~」
どんな風に可愛がってあげようかな?
頭の中でいろいろ想像するナリア
「後、この事を他の人や仲間にも他言は無用ね、じゃないと私達が犯人だと思われるからね」
リセオは弱弱しくコクンと頷く
「それじゃ、場所は…」
「まって、シェアリー」
シェアリーが言おうとするとナリアが止める
「約束をするからにはそれなりの誠意を見せてもらわないと信用できないよね」
ナリアが不敵な笑みを向ける
一瞬ポカンとするが、その意図を察しシェアリーも笑う
「…そうね、まずは信用できないといけないわね」
「ふぇ?」
シェアリーは顔を近づかせるとうっとりするような目で見つめる
「見ると見るほど綺麗な顔ね」
そう言い、いきなり唇を重ねる
「ん…!」
驚いたリセオは目を大きく開く
シェアリーは躊躇せず、そのまま舌を入れる
「チュル…チュク…チュク…」
怪しく動く舌に自分の舌が巻きつかれ唾液が交じり合う
舌を絡めても尚、シェアリーの舌はより奇妙に動き、リセオは舌が痺れる感覚が起こる
「んふ…チュル…レロ…」
唾液を送り込み飲み込ませるように舌で押し込む
「んぐ…ごく…」
舌に押し込まれ唾液を飲み込む
厭らしい舌の動きに戸惑う
「ふふ、いい子ね…」
ナリアはリセオの後ろに座ると顔をリセオの肩に乗せ、舌をツーっと滑らす
顔から耳元まで舌を走らすとリセオの耳の先端を甘噛みする
「ふぐ!」
耳を甘噛みされて敏感な部分の愛撫されて目を大きく開く
「んふぅ…レロ…チュル…」
「んぐ…チュル…」
「ん…はむ…はむ…」
二匹の顔が密着し恥ずかしなり、顔を赤く染めるリセオ
「こんな美人な二人に囲まれて恥ずかしいのかな?」
厭らしい顔でリセオを見つめる
顔だけじゃなくて体も密着してるんだ、恥ずかしいに決まってる
「クス、可愛いわぁ…はむ…」
「ふぐ…!」
耳の先端をより過激に愛撫され先端がナリアの唾液で汚れる
「ん…ふぐ…!」
愛撫された耳が敏感に感じる
声を出そうにもシェアリーが唇を深く塞がれ声が漏れるぐらいだ
「ん…はぁ…」
シェアリーは一度唇を離す
二匹の口から唾液で混じった銀色の糸を引く
「はぁ…はぁ…」
「んふ…どう、ナリアよりも上手でしょ?」
「ムッ…そんな事ないよ、私の方が上手だもん!」
「んふ、どうかしら?」
「ふふん、そんなに私のテク見たいのかしら?」
ナリアが自慢げな態度をとると今度はナリアがリセオの唇を塞ぐ
「ンチュ…クチュ…」
「んん…!」
シェアリーとのキスで息が整ってない中また深いキスをされる
「レロ…レロ…チュル…」
ナリアの舌が深く進入してくる
そしてリセオの舌を探り当て、絡めるように動く
「んむぅ…チュル…チュク…」
シェアリーのキスとは違い、まるで引き寄せられる感覚がする
「チュル…チュル…チュク…レロ…」
積極的に絡んでくる舌の動きに唾液が入り混じり淫靡な音を立てる
「へぇ~、あなたそんな風に出来るんだ~」
ナリアのキスに関心しながらもその目線はリセオの股間を覗いている
「んふ、キスだけで責められてもうこんなに大きくなっちゃって」
「んん!!」
自分の股間を見られ、勃起しているモノが見られる
恥ずかしさにまた顔を赤く染める
「ほら、ナリア少し横いって」
「うん、チュク…レロ…」
体を横に寄せると、シェアリーがリセオの体をゆっくりと押し倒す
「ふぐ…!」
「これでよく見えるわね、あなたのおちんちんが」
押し倒された上に逸物をまじかで見つめられる
「んん…」
顔から火がでそうになる、やめてと言いたくてもナリアが喋らせてくれない
 サワッ
「んふふ…太くて、結構硬いわね」
そういい、リセオの逸物を握り締める
「!!」
「ウフフ」
ナリアが横目でリセオの逸物を楽しそうな目で見つめる
それでもなお舌の動きは緩めない
「こんなに硬い子の童貞を食べちゃうなんてナリアも罪ね」
 シュッ…シュッ…
するとシェアリーはリセオの逸物を上下にしごき始めた
「んぐ…!!」
逸物がしごかれて羞恥と快感に身を躍らす
ゆっくり動かすシェアリーの手の中でリセオのモノはしだいに大きさを増していく
「すごぉい、どんどん硬くなってる…」
太く、硬い逸物にシェアリーも興奮が高まる
みんなで楽しんだあのパーティを思い出す
「むぐ…んん…!」
「可愛いくせにこんないいモノを持ってるなんて、あなたも罪な子ね」
興奮が高まるにつれ、シェアリーの手もだんだんと早く動かす
「ぷは…でしょ?」
ナリアが唇を離す
再び口の間から銀色の糸を引くとリセオの逸物を眺める
「みんなもこれでメッチャ楽しんでたじゃん」
「そうね、またいつかあのパーティでもしよっか」
「はぁはぁ…ふぇ…!」
あのパーティと聞いて顔が引きつる
冗談じゃない…助けて…
「いいお顔ね、もっとしごいてあげる」
 シュッ…シュッ…シュッ…
手の動きを緩めずさらに速度を増すにつれ、呼吸が乱れる
「ひぃあぁ…はぁはぁ…」
やがて逸物の先から汁が滲み出る
それを見たナリアはニヤッとし
「そろそろいいんじゃない?」
「う~んそうね」
すると手を止めて
「今度はお口で食べてあげるわね」
「ふぇ…もうやめ…て…」
目は潤い、息は乱れたままたまらず断ろうとする、すると
「駄目ね、それじゃ場所は教えられないわよ」
「そんな…」
「クスクス、友達を助けてあげたいんでしょ?もっと誠意を見せてくれないとさ」
意地悪そうに笑うナリア
リセオは不安な顔をする
「ほらぁ…リセオ君、シェアリーに『もっとしてください』って言わないと~」
「え…」
ナリアの口調が怪しくなる、リセオは序所に不安を増す
「そのくらいの誠意がないと私は教える気になれないわ」
「うぅ……」
その言葉でマッチを救いたいと言う気持ちが思い浮かぶ
「も…もっと…して…ください…」
押し殺すような声で本望でもない言葉を発する
その怖がるような顔がシェアリーとナリアを更に興奮させる
シェアリーは満面な笑みを浮かべると
「いいわよ、もっとしてあげるわ」
やがて顔を逸物に近づける
「私も舐めたいよぉ…」
色っぽい声を発しながらナリアも股間に近づく
「一緒に責めちゃう?」
「クス、どんな声で泣いちゃうのか楽しみだよ」
二匹は逸物を眺めうっとりとする
「いけない子ねリセオ君は、こんな大きなモノもってるからお姉さん達興奮してくるじゃない」
「そうだね、どーせだから調教しちゃう?たっぷりと」
「それもいいわね、見てるだけでこんなに濡れてきちゃったもの」
「リセオ君のおちんちんっていやらしいわぁ、お姉さん達とヤりたかったんでしょ~?」
「そ…そんなつもりは…」
リセオは否定するが、彼女達はその言葉を聞こうとしない
「さーて、調教よ」
ナリアとシェアリーはリセオの逸物を舌で弄ぶ
「ひぃぅ!?」
「んぅ…レロ…ペロ…」
「んふ…ピチャ…」
唾液をねっとりとを逸物につき先端まで器用に舐めまわす
「ふぁ…あぁ…」
二匹の舌の攻撃で急激な快楽に襲われる
「あぁ、舐め応えがあるわぁ…」
「もっと舐めてあげる」
唾液と舐める音が交互に響くがリセオは押し寄せる快楽の波から声が漏れる
「ふぁ…」
逸物が刺激されるたびに頭の中がマヒするかのような感覚にとらわれる
目にはうっすら涙を浮かべ、激しい快感からひたすら耐える
「ヒグッ…ハゥ…」
「(フフ、やっぱリセオ君の泣く顔は可愛いくて素敵だわぁ)」
リセオの泣く顔に興奮するナリア
リセオの事を思う度に自分の中の欲望が沸き起こる
「はぁ…レロ…もっと汚したい…」
「ペロ…変体ね、あなたも」
目がトロンとし、逸物を扱う速さがましていく
その度にリセオの感じる声が耳に入る
「ハァ…ペロ…チュル…可愛い…いいよ…」
「やぁぁっ…そんなに…しな…いで…」
序所に興奮がまし、自分の欲望に制御が効かなくなる
押し寄せる刺激の波にリセオの頬に涙が伝い、声がまともに発せられなくなる
「レロ…ペロ…ピチャ…ハァ…ねぇシェアリー」
「ペロ…何…?」
「私…そろそろしたくなっちゃった…」
「えぇ~、もう?」
目を潤わせ、欲求を満たしたくシェアリーに眼差しで訴える
「まだ早いでしょ~」
半分飽きれ顔をする、しかし表情からは笑みが見える
「だって、こんなに濡れてきたんだもん…」
秘所から愛液が垂れてるのを手で探る
もうこんなに濡れたんだ…早くしたいよ…
「まだまだよ、これからじっくり味わうんだから」
「え~…」
シェアリーに止められ、欲求不満が膨らんでいく
「どうせもう私達の好きにできるんだからさ、アソコを舐めてもらいなさいよ」
「クスッ…そうね~」
不満そうな表情から笑みを浮かべ逸物から顔を離す
顔をリセオに持って行き、首筋を舐めると体を起こしリセオの目の前で開脚をする
「ふぁ…!?」
「へへ、こんなに濡れちゃったよぉ、リセオ君のせいでね…」
躊躇無く見せる自分の秘所にリセオは動揺を隠せない
「う…」
「駄目よ顔そらしちゃ、ちゃんて見て!」
目を反らそうとするがナリアに顔を固定される
自分の秘所をまじかで見られ顔を紅色に染まり、それ以上に興奮が増すナリア
「ハァ…ハァ…私の舐めて…」
息が荒くなり、リセオの回答も待たず自分秘所を押し付ける
愛液とリセオの唇がぶりかり、卑猥な音が響く
「んぐ…んん…!」
「あん…舐めて…」
顔がナリアの太ももの間に挟まれ、息が苦しくなる
「うわぁ~、大胆じゃんか~」
リセオの後ろでずっと見ていたサラが思わず喋る
一緒に見ていたシェアリーも
「ウフフ、私も興奮してきたわ」
頬を染め、リセオの逸物をくわえ込む
「んむぅ!」
「チュプ…チュプ…はむ…チュプ…」
搾り取るような勢いで逸物をしゃぶり込み、リセオを一気に責める
声を出したくてもナリアの秘所に塞がれ、声を出すのもままならない
「はむ…チュプ…おいしい…チュプ…」
「リセオく~ん、シェアリーばっかり奉仕しないで私のもしてよ~」
じらされていい加減早く舐めてほしいと言わんばかりに頭を秘所に強く押し付ける
「んぐ…むぐぅ!!」
フェラの刺激で頭が発火しそうなうえ、経験のないリセオに対応する余裕はない
それに変な液が口の周りに漂着する
「舐めてくれないとマッチという子の居場所を教えてあげないよ、ね」
「ンチュ…そうね、ナリアのもしっかりご奉仕してあげないと私の気が変わるかもよ」
怪しく微笑む二匹、まるで悪魔が自分を見ているかのように見えた
マッチを助けるためにはシェアリーさんから居場所を聞かなきゃならない
今マッチを助けれるのは自分だけなのだ…
躊躇するも、ヌルヌルの秘所に舌をヌプッと挿入する
「あん、リセオ君のベロが…入ってくるぅ」
舌を入れた瞬間ドロッっと愛液が舌にベットリと着く
味わった事もない奇妙な味、すっぱいような苦いような味…
初めて味わう蜜の味に戸惑い、舌の動きが止まる
「あぁん、止めちゃ駄目…」
ナリアに甘い声を掛けられる
ハッとするリセオはようやく覚悟を決めると秘所に舌を出し入れを繰り返す
「んむ…レロ…ピチャ…ピチャ…」
「あん…いいよ…いいよ…もっと舐めて…」
慣れない秘所への愛撫にリセオはどうしたらいいのかわからずも、アイスを舐める感じで舌を動かす
その度に愛液がリセオの舌や口のまわりをベトベトに汚す
「ピチャ…レロ…チュル…」
「きもち…いい…あん…もっと濡れちゃう…」
「んふ、上手よリセオ君…はむ…チュプ…」
シェアリーもリセオの厭らしく舐める様子に笑みを浮かべ、再び逸物への愛撫を再開する
「ふぐ…ピチャ…ピチャ」
逸物を再度刺激されて小さな肩がピクンッと動く
愛撫の快感にも耐えながらも肩を震わせ、秘所への愛撫を続ける
「はあぁ…一生懸命…私のアソコを…舐めてるよ…」
逸物の愛撫に必死に耐えながら愛撫を続ける様子を見つめナリアの興奮は最高値に達する
変体かもしれない…私…でも…可愛い…
「ンプ…チュプ…チュプ…チュプ…」
シェアリーの愛撫が次第に加速していく
逸物を刺激されるたびにリセオの表情はこわばり
快感を必死に耐えながら尚も愛撫をやめるわけにはいかず、続けるリセオ
瞳は涙が止めどなく溢れ、顔を涙と口の周りの愛液で汚れる
「ひぐ…ピチャ…レロ…チュプ…」
早く終わって…お願い…
ひたすら出る液を飲み込めない口の中は唾液や愛液でドロドロになる
それに逸物を激しく刺激され、ヤケクソに舌の動きを加速し、ナリアの秘所の奥に舌を進入させる
「いやん…いい…いいよ…気持ちよすぎるよぉ!」
加速していくリセオの舌に秘所が激しく感じ、ナリアの瞳にもうっすらと涙を浮かべる
テクニシャンでもないのに、気持ちよすぎて頭がオーバーヒートを起こしそうだ
リセオの顔が歪んでよく見えない…
「(いいわぁ…リセオ君のおちんちん…もっといじめてあげる…)」
性欲に支配されたシェアリー、先ほどまでの知性豊かなそうな顔はまるで別人を思わせる
舌を器用に使い、吸ったり絡めたりと持ち前のテクニックをフルに活用し、リセオをさらに追い詰めようと刺激を与える
「チュプ…レロ…チュプ…チュプ…チュプ…」
根元の奥まで絞らんとばかりに逸物を根元までくわえる
そして最後の一滴まで搾り出すように先端を思いっきり吸い付きながらしゃぶるスピードを最高速にあげる
その勢いは止めを刺さんとばかりに容赦なく責め立てる
「んんぅ、チュル…んぐ…ピチャ…!」
搾り出そうと強烈に吸い付くようなフェラに、必死に耐えていた逸物が強烈な快感をくらう
ブワッっと涙が溢れ、それでもまだ逸物は絶叫する様子を見せない
まるで魔法に掛けられたかのようにイくにイけない…
地獄とも思える快感の波にリセオは泣き叫びたく、抑えていた声が漏れる
それでも愛撫を止める訳にはいかない、せめて心の中で泣きながら…
津波みたく押し寄せる快感を少しでもごまかそうと秘所に激しく愛撫する
「ああぁぁ!気持ちいい!気持ちよすぎる!リセオ君!!!」
もはやこの快感を味わう事だけにしか頭になくなる
淫靡な音はしだいに激しく、広い草原に響きわたる
「あむ…チュプ…ジュル…そろそろイきそう?」
上目遣いでリセオに聞くが今のリセオに答えられるはずがない
面白半分に聞いただけでニマリと笑う
すると逸物から口を離すと
「ふぅ…そろそろ私も気持ちよくなりたくなってきたわ」
頬を紅色に染め、唇を厭らしくジュルリと舐めるとリセオにまたがり
そのまま湿った秘所にリセオ逸物に腰を沈めていく
 ジュプ…ジュププププ…
「あはん…太い…」
「ぐむ!?」
逸物が膣の中に沈められ、その快感で目が大きく開く
膣はそれを容赦なく締めつけ、リセオはフェラ以上の快感に襲われて頭の中が混乱する
涙がとめどなく溢れる…
「んふふ…いっぱい気持ちよくしてよ?」
リセオの心の準備もお構いなく、体全体を自分の体で覆いかぶさるように抱きつく
涙で顔を濡らしたリセオの表情を楽しみながら腰を上下にゆっくり動かす
 ジュプ…ジュプ…
「んんーっ!」
きついぐらいに締め付ける膣にリセオの逸物に激しい快感がほとばしる
「はぁ…熱いぃ…最高よ、リセオ君…」
「リセオく~ん、舐めるの止めちゃ駄目だよ~」
シェアリーの責めに敏感に感じすぎていたのか、ナリアの事を一忘れていた
「んぐ…レロ…チュプ…チュプ…」
「あん…もっと…もっと激しく…」
シェアリーの締め付けと津波のような快感で舌の動きがメチャクチャになる
ナリアもリセオの舌使いじゃ満足できず、自分から鼻にこすりつけるように動かす
「んっ…可愛いいよぉ…私の…飲んで…」
涙目を浮かべ、自分の愛液を無理やり飲ますように顔を強く押し付ける
「あぐ…ジュプ…んぐ…ゴク…ゴク」
ナリアの愛液がリセオの口の中に流れてくる
全く飲んだ事もない奇妙な味・・・
吐き出そうにも口は塞がれており、戻しようがない愛液はリセオの口内に溜まりこむ
やがて息が苦しくなり、喉を鳴らしながら飲み込んでしまう
 ジュプ…ジュプ…ジュプ…
「あぁ…気持ちいいわよぉ…リセオ君の…おちんちん…」
リズミカルな動きで腰を動かし、ナリアの秘所を涙ながらに舐め続けているリセオを楽しそうに笑みを浮かべる
顔が近づき、シェアリーの生暖かい吐息がリセオにあたる
ナリアがこの子に執着するのも分かるわ
私も虜になってしまいそう…
序所に腰の動きを早め、リセオを快感の渦へと引き寄せる
「すごい…奥まで…届いて…気持ちいい…!!」
「ふぁん…いい…すごい…もっと…もっと飲んで…」
2匹の乱れる姿、それはまさにあの時の夜で乱れる二匹の姿そのものだ
意識が遠のいていく、自分の舌もまるで自分の意思で動かしているのかどうかすら分からない…
涙で目の前がまっすぐ見えない…
もう疲れた…いつまですればいいの…?
リセオの口から呻き声みたいなのが発せられる
「んぐ…ゴク…えぐっ…ジュル…」
逸物の出し入れが激しくなり、腰の動きも自然にその速度を増す
「ジュプ…ジュプ…ジュプ…ジュプ…ジュプ…」
「はぁん…ひぁ…いい…気持ちいい…あぁぁ…」
「駄目…シェアリー…私…イっちゃいそう!!」
「ナリ…ア…私も…リセオ…君…いっぱい…頂戴…!!」
そう言うとシェアリーはとどめと言わんばかりに体力の少ないリセオに激しいピストン運動をする
「んぐ、んん~!」
何を叫びたいのか分からない…リセオ自身ももはや意識は無い
「あ!あぁ!リセオ君!私…イく!イくよぉ!」
頬に涙を伝わせながらナリアが叫ぶ
その顔は性奴隷の如く、初めてあったあの綺麗で純情そうな雌とは思えない乱れ狂ったような笑い顔を浮かべている
「いいわ!私のも…いっぱい!あなたの!精液でぇ!」
シェアリーの瞳も潤み、逸物を引きちぎるかのように締め付ける
「あぁ…すごい…あいつら」
後ろでずっと眺めていたサラもその光景にたまらず頬を染める
二匹の甘い叫び声にサラ自身も興奮が高まっていたのだ
自分はやるつもりはなかったのだが…
まさかあんなに激しいとは思わなかった…
「あぁ!あん!イく!イくゥゥゥゥゥ!!!」
「リセオ君!私も!あぁぁぁぁぁ!!!」
「んぐーっ!ングーーーーーーーーーーッ!!!」
 ドピュルルルルルルル…ドピュ…ドピュ…ドピュ…
 ドバッ…ビクン…ビクン…ビクン…
3匹の絶叫と共にリセオの逸物から精液が弾ける
それと同時にナリアの秘所からも愛液が弾け飛び、リセオの顔全体に浴びる
リセオは射精の快楽で声が発せられない
シェアリーの子宮がリセオの精液で満たされ、腹部がポコッっと膨らむ
それでも収まりきれない精液は繋がっている部分から溢れ出る
「んぁ…すごいわ…あなたのが…私の中に…こんなに…」
潤んだ瞳でそのリセオから出た精液の量に微笑む
「はぁ…はぁ…」
涙で濡れた頬も拭わず、絶叫して乱れた息を整えるナリア
やがてリセオから秘所を離すと「ベチョッ」っと音を立ち、その様子を伺うと
飛び散った愛液をもろに被り、鼻、口、目、耳までもが噴出した愛液の量で体を汚された
その端整で純情だった面影はもはやない
「気持ち…よすぎだよ…リセオ…君…」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
口はだらしなく開き、意識はあるのか無いのか分からず、肩で小さく呼吸だけをしている
「クスッ…いっぱい汚しちゃった」
息が整い涙を拭うとその顔には優しく、また怪しい笑顔を浮かべる
「見て、ナリア」
シェアリーが逸物から秘所を抜くとリセオの吐き出した精液が地面に垂れ落ちる
「わぁ…すごく出したね~」
「ふふ、こんなのが毎日できるのなら最高よね」
「ふぇ…」
聞こえているのか、肩が小さくピクンッと動く
涙が大量に流れ、それが愛液と混ざり、自分が今泣いているのかすら分からない
「…ねぇ」
後ろでずっと眺めていたサラが口を開く
シェアリーがそれに気づくと笑みを見せながら
「あらサラ、ずっと見ていたの?」
「そうよ…」
「ふふ、ありがとリセオ君帰してきてよ」
「分かった」
「あ、シェアリー忘れてるよ、マッチ君の居場所の事」
ナリアに注意され、ハッとする
「あらそうだったわね、あんまり楽しかったから忘れるところだったわ」
シェアリーは虫の息状態のリセオに近づき呟く
「あなたの友達のマッチ君の居場所はね…」
まだ意識のあるリセオはシェアリーに顔を向け、懸命に聞こうとする
「屋敷から東へ向かった山の洞窟にライボルトとマッチ君がいるわ」
「そう…なの…?」
ようやく言葉が発っせられるリセオは聞き返す
「間違いないわ」
その言葉を聞き、リセオの表情に少しだけ安堵の様子が見られる
「それじゃ、屋敷の人たちにばれない様に帰してあげるわ」
「ふふ、また会おうね、リセオ君」
ナリアが意識の薄れているリセオに向かって厭らしくウィンクする
シェアリーはサラを横目で見るとサラはうなずく
サラはリセオを掴むとなんとなくぎこちない動きをしながら空へと飛んでいった…

やがてリセオはサラに掴まれたまま見慣れた自分の部屋の窓から入りられ、リセオはそこで降ろされた
「ついたよ」
降ろされたとたんリセオはその場でドタッっと倒れる
「これでキミの友達も救えるって事よね」
リセオは返事をせず、半開きな目で、肩で息をしながらうなずく
「……まぁいいや」
間を入れて再び口を開く
「キミがあんな派手にやるから、アタシもしたくなってきちゃったよ」
「…え?」
リセオは思わず目を思いっきり開く
そういえばサラの顔は少し赤くなっている
「けどキミにそんな暇もなさそうだし、適当にいい雄でも見つけてこよ~っと」
そう言い窓の方向に向き
「じゃーねー、今後はナリア達と楽しくね」
ウィンクをするとすごいスピードで窓から飛び去っていった
ナリアさん達と楽しくね…って…
そう言えば自分の体を好きにさせると言っちゃったな…
いや…今はそんな事を考えている場合じゃない…
リセオは近くにあるタオルで顔を拭くとまだふらつく足を懸命に立たせながらある者へと足を動かす
この前みたいに気絶している訳にはいかないんだ…
マッチを…助けなきゃ…

庭を出て草原をひたすら走り回る黒い影、クロイズだ
クロイズは余裕のない表情を浮かべながら息を切らしながら賢明に探し回っていた
そこにクロイズを追いかける者がいる
「クロイズさん、少し休んだほうが…」
クドだ、クロイズの体調を案じて休むように言うが
「何言ってる!まだ見つからないんだ、休んでなどいられるか!」
息を切らしながら声を荒げるが、疲れきった表情に迫力はない
自分のせいだ…自分が腑抜けだったせいでマッチ様が…リセオ様が…
「いや…しかし…」
クドの声を無視してまた駆け出そうとする、すると
「まって…クロイズ…」
「ん?」
聞きなれた声、リセオ様の声だ!
「リセオ様!?何故こんなところへ?」
息を切らしながらも慌てて問う
「マッチの事…僕…」
リセオ自身も疲れた表情を浮かべながらゆっくり声は発する
「分かりましたから…屋敷にお戻りください…クド…」
「あ、はい」
リセオの身を案じ、クドに屋敷に戻らせるようにする…すると
「待って!違うよ、クロイズ!」
急に大きな声をあげ、クロイズは思わず驚く
「マッチの場所…分かったんだ…」
すると大きく目を開き、信じられないような顔をする
マッチ様の居場所を、何故リセオ様が?
同様するクロイズに後ろの方向から別の声がした
「その子の言う事本当です」
クロイズが振り返るとそこにはエーフィがいた
野生のポケモンか!?
クロイズは思わず警戒する、もしリセオ様をこんな風にした奴だとしたら許すわけにはいかない
「誰だ!?」
「マッチと言う子が連れさらわれる所を目撃した者です」
「何!?」
リセオと同じ事をいった事におどろき、警戒の態度を崩す
「何故あなたが?」
「屋敷から偶然ライボルトがヒトカゲのマッチ君を連れ去る所を見ました」
「ほんとですか!?」
クロイズに変わってクドが問う
「本当です、嘘じゃありません」
そのエーフィの眼差しは嘘のようにみえず、真剣な眼差しをしていた
クドから笑みがこぼれる、そしてリセオに向き直り
「よかったですよ、坊ちゃんこれでマッチ坊ちゃんが…」
リセオに喜びの話をする、っがリセオの様子がおかしい
「あ…ナ…」
「え?」
クロイズとクドがリセオに注目する
するとクロイズとクドが自分から目を離す、するとさっきまでの真剣な眼差しを崩し、不適な笑みを浮かべながら
「シーッ…」
前足を手に当て、黙るように伝える
リセオもそれを悟り
「…どうしたんですか坊ちゃん?」
「ううん…なんでもない…」
少し怯えた様子を見せながらもクロイズ達に悟られないようにする
「それで…マッチ様の居場所は…?」
そこでリセオが会話に混じり、力ない声で聞こえてくる
「屋敷から東へ向かった山の洞窟にいるって…」
「…そこで間違いないのか?」
リセオの言葉にクロイズはエーフィに向き直り問いただす
「はい、私に着いてきてください!」
「分かった!クド、リセオ様を頼む、それからこの事を他の人にも伝えろ!」
「は…はい!」
 ビュンッ
するとエーフィが駆け出す
それに続きクロイズも駆け出す
二匹ともすごい速さで東の方へと消えていった
「クロイズ…お願い…マッチを…助けて…」
その言葉と同時に体のバランスを崩し、地面に倒れる
「あ、坊ちゃんしっかり!」
クドの言葉も耳に入らず、そのまま気絶するかのように眠った…

暗い森の中、屋敷から大分離れ山を駆け上りやがてある場所へとついた
そこはまるで無造作にほられた大きな穴があった
吹雪で遭難した時には丁度いいほどの大きな洞窟だった
「はぁ…はぁ…此処だな…!」
息を切らした状態でエーフィに問う
「はい!」
エーフィが頷く、すると急ぐようにその洞窟に入っていく
「あ、ちょっと…体の方は…」
クロイズはマッチの捜索でただでさえ体が疲れている、そしてここまで来るのにさらに体力を消耗しているのだ
エーフィの言葉を聞かずひたすら進んでいく
「マッチ様ぁーーーーーーっ!!」
暗い洞窟の中でクロイズの声がこだまする
進む度に何度もマッチの名を叫んだ、声が枯れてもなお…
大分進んだ…体は悲鳴をあげるほどに疲れている…
だが、ここで休んでいる訳にはいかない
マッチは今もなおこの暗闇の洞窟で恐怖で震えているに違いないから
だがもう声は枯れて出ない、疲れた表情を見せながらも進む
すると暗闇に目がなれ、二匹のポケモンらしいものが見えてきた
クロイズは目をこらして見つめる
そこには眠っているライボルトとその横には縄で縛られているマッチがいた
「…!!」
クロイズは枯れた声を一生懸命に吐き出す
「マッチ様!!」
「…え?」
マッチだ、間違いない!
「クロイズ、クロイズ!!」
マッチもクロイズに気づき、思わず叫ぶ
クロイズの表情に安堵の笑みが浮かぶ
よかった…無事でいて…
クロイズはマッチに駆け寄ろうとした・・・すると
「…チッ…っせーなー、静かにしてろよ…」
横で寝ていたライボルトが目を覚ました
クロイズは思わず足を止める
ライボルトは寝惚け眼でクロイズを見る
「ん、何だオメーは…俺に何のようだ?」
ライボルトに向き直り、叫ぶ
「その子を誘拐したのは貴様か!?」
「んぁ?コイツか…あぁ…それがどーした?」
躊躇いなく自分だと言い張るが、まったく動じる様子はない
「返してもらうぞ!!」
「あん!?」
クロイズの言葉にライボルトは睨む、そして
「クックックッ、残念だがそいつはできねぇなぁ~?」
ライボルトはなめるような目つきでクロイズを笑う
「なんだと…!!」
「俺はちょっとした用事でコイツを拉致ってきたんでぇねぇ…」
ライボルトは余裕の笑みを浮かべる
クロイズは序所に怒りを募らせる
「貴様…返さぬと言うのなら…」
クロイズはライボルトに飛びかかろうとした、すると
「おっと…」
ライボルトはマッチの首に牙を立てる、そして
「あんま下手な動きをするとコイツの喉を噛み切っちまうぜ!」
「何ぃ!?」
「ひぇぇ…」
恐怖で目に涙を浮かべるマッチ、動くに動けず、たじろくクロイズ
そしてそれをあざ笑うように見るライボルト
「そこでじっとしててもらうぜ、犬っころ!」
「クソッ、卑怯者め!」
「クロイズぅ~…」
クロイズとライボルトの差はほんの数メートル
飛び掛ればコイツにダメージを負わせる事ができる
だがそれは今となっては不可能な事だ…
「へっ、ヨレヨレの犬っころ癖にここまで来るとはいい度胸だ!」
その場から動かずライボルトは不適な笑みを浮かべ
「少し痛い目にあってもらうぜ、スパーク!!」
 バリバリッ
ライボルトの体から電撃がほとばしる
そして電撃がクロイズに直撃した
「ぐわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
電撃の衝撃で叫ぶクロイズ
「クロイズ!!」
「オラオラもっといくぜ、10万ボルトォ!!」
 バリバリバリバリッ
さっきより強い電撃がクロイズを再び襲う
「があああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「あ…あぁ…」
その他にも攻撃は続いた、もともと疲れきっていた体は避ける余裕すらない
ただ早くマッチを助けようと後先考えずに飛び出してきたのだ
クロイズは反撃ができず、ひたすらライボルトにやられていった
「クロイズ…クロイズ!!」
無残にやられていくクロイズの姿にマッチは叫ぶ
俺のために…クロイズが戦えない…
悔しさに涙を流すマッチ
攻撃は尚も続き、やがてライボルトは攻撃をやめる
「ヘッ、なかなか持つじゃねぇか、だがな…」
ライボルトの攻撃を受け続けたクロイズは体は傷だらけになり、足はその場を立っているだけで精一杯なようすだ
「まぁいいや、最後の一撃で倒してやるよ!」
ニマリッと笑い、マッチから離れる
そしてとどめを刺すように駆け出し、クロイズに迫る
体がボロボロのクロイズに避ける気力は無い
「電光石火(でんこうせっか)で仕留めてやるよぉぉ!」
「ぐっ…!」
これまでか…ここまで来てマッチ様を救うことが出来ないなんて…情けない…
無念の表情を浮かべ、目をつむる
「グゲェ…!」
苦痛に唸る声が響いた、だがそれはクロイズの声ではなかった
予想は覆された、突然横から光線らしいものが放たれ、直撃を受けたライボルトは衝撃で壁に叩きつけられる
「!!」
それは何だったのか、クロイズにもマッチにも分からない
放たれた方へ顔を向ける
「大丈夫ですか?」
あのエーフィがいた
「あなたは…」
「無事ですね、良かった」
無事ではないが、ありがたい
するとエーフィはクロイズに何かを渡した
「これを使ってください」
エーフィから木の実を渡された
コンペイトウの形をした青い木の実だ、見た事もない
「すまない!」
どんな効果があるかは気になるが考えている暇は無い
それをいそいで口の中に入れる
「ぐぅ…クソッ!」
突然の攻撃でよろめいたライボルトはマッチに駆け寄る
「うわぁ…!」
「コイツを人質に…!」
「(サイコキネシス!)」
 ヒュン…ドスドスドスドス
「グッ…!?」
鈍い音がした、崩れた洞窟の石が複数ライボルトの体にめり込んだのだ
…また邪魔された…誰だ!!
ライボルトはクロイズのいる方へ睨む
するとエーフィを見て、ライボルトはハッとした
「な…お前何故!?」
「……」
ライボルトの呼びかけにエーフィは答えない
するとカッとしだしたライボルトは声を荒げる
「てめぇー、何のつもりだ!ナリ…」
 ゴフッ
言葉を続けようとした瞬間、ライボルトに衝撃が走る
先ほどの石とは違った大きな石がライボルトの腹部にめりこんだのだ
「ゲフゥッ!?」
激痛の余り、腹部を押さえて苦しみ、言葉が発せられなくなる
痛む腹を押さえながらエーフィを睨む、そのエーフィの表情はまるで自分を見下すような感じがした
「グッ…畜生!!」
ライボルトはゆっくりと立ち上がる、すると
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「なっ…!」
先ほどまでヨレヨレでボロボロだったあのクロイズがものすごい形相でライボルトに向かっている
まさか、さっきまであんなにボロボロだったアイツが!?
腹部の腹痛で避けることができない
そしてクロイズは怒りにまかせライボルトに突進する
リセオにあんな状態にした奴…マッチを連れ去り人質にしたライボルト…そして何より不甲斐ない自分…
「ガハァッ…!?」
まるで破壊光線を直撃したかのような衝撃が体を駆け巡る
信じられない…あんなボロボロだった奴にこんな力があったとは…
突き飛ばされ、宙を舞いながら目の生気を失い抵抗無く地面に落ちる
「はぁ…はぁ…」
息を切らし、ライボルトの様子をうかがう
だがライボルトは立ち上がる事はなかった、気絶したのだ
「ぐぅっ…」
突進の反動でクロイズは足元がフラつく
「クロイズゥ~」
エーフィに縄を解かれたマッチは涙目でクロイズに向かう
「マッチ様…」
クロイズは力いっぱいにマッチを抱きしめる
良かった…マッチ様が無事で…
もしマッチ様にもしもの事があったら…自分は…
クロイズの目にもうっすらと涙が浮かぶ
「大丈夫ですか?」
エーフィがこっちの状態を気遣うように聞く
「えぇ…ありがとう…あなたがいなければ自分は…」
あの渡された木の実が思い浮かぶ
あれを口に含んだ瞬間、自分の体の内に力が沸いたのだ、すぐに…
ライボルトから受けたダメージをなんとも感じず、そのまま特攻する事ができた
不思議な実だった、まるで魔法の実みたいだ
「おーい…マッチ様ぁ、クロイズ!」
後ろから声がする、クドが呼んだ使用人達が来たのだ
「無事か!?」
使用人の問いに小さく頷く、マッチも無事だと確認できた
そして使用人の後からきた警備員が現れる
「マスター…」
マスターと呼ばれた警備員の20歳前後の青年はモンスターボールを手に取り
「連れ去った奴は?」
「あそこのライボルトです…」
「そうか、よくやったな」
モンスターボールをライボルトに投げ、捕まえる
完全に気絶したライボルトは抵抗も無くボールに収められる
「これでよし、クロイズ」
「はい…」
「お前は十分に守ってくれた、後は俺たちにまかせろ」
その言葉を聞き、安堵の笑みを浮かべる
「良かったですね、クロイズさん」
隣のエーフィがニコッと笑う
「あぁ…アナタのおかげです、ありがとう…」
使用人達はマッチを抱きかかえるとすぐに洞窟を出ようとする
クロイズもふらつく足元を動かしながら着いていこうとする、すると
「あの、クロイズさん」
「ん?」
足を止め、エーフィに向き直る
「話があります、いいですか?」
エーフィはまっすぐ、真剣な目をしていた
「…あぁ?」
暗い洞窟を、ボロボロのグラエナと神秘的な雰囲気を漂わせるエーフィがそこに残った

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ビリリリリリリリッ ビリリリリリリリリッ
ベッドの隣のビリリダマの目覚まし音うるさく鳴り響く
朝の日差しが差し込み、リセオの重いまぶたを開かせる
「……」
頭がボーッとする
気づけばそこはベッドの上だった
何故ここに…僕はあの草原で倒れたはず…
そんな疑問を考えているうちにリセオはハッとする
マッチ…!彼は…!?
ベッドから飛び降り、トビラを慌しく開く
そこには、いつもの朝のように自分を出迎えてくれるマッチの姿かあった
「マッチ…」
「よぉ、おはよう」
まるで何事も無かったような笑顔を浮かべ、朝の挨拶をする
目から涙が自然に浮かぶ、視界が歪んでマッチの姿がはっきり見えない…
やがてリセオは何も言わず、マッチに抱きついた

「ほんっと怖かったぜ~、縄で縛られて何も出来なかったし」
「うん、無事でなによりだったよ」
いつものように廊下を二匹が進む
「そしたらクロイズがヒーローのように登場してさ、ボコボコにやられたけど最後は大逆転したんだぜ!」
淡々と語るマッチ、実際その裏でリセオがどんなに苦労がしたのかは知るよしも無い
「あ、そうだご飯に前に客室によっていくよ」
「え、どうして?」
マッチがニヒッと笑い
「新しい仲間が増えたんだってさ」
リセオはキョトンとする
新しい仲間、あの後で何故急に?
不意に昨日のことを思い出そうとするが、頭がはっきりせず思い出せない
やがて主人のいる客室の部屋に入る
 ガチャッ
「おぉ、リセオ、マッチ来たか」
トビラの向こうでご主人様が待っていた
そのそばにはラーナの姿があった…そしてその隣には…
「!!」
リセオはわが目を疑った
そこには優雅なボディをし、清楚な感じを漂わせるポケモン
そして赤い瞳に、朝の日差しで綺麗に写るそれはリセオが知っている
「紹介しよう、お前達の新しいお姉さんになるポケモンだ」
その言葉をきき、リセオの顔が青ざめる
何故…彼女が…!?
開いた口が塞がらない、足は自然に後ずさる
「始めまして、ナリアって言いますヨロシクね」
マッチとリセオにニコッと微笑む
「あ、あの時のお姉さん!」
マッチははしゃぎナリアに寄って行く
「ふふ」
「あの時はほんとありがとう、俺とクロイズを助けてくれて」
「いいのよ、私は当たり前のことをしただけだもの」
「リセオ、この人すげぇんだぜ」
マッチが興奮気味に話す
「まるで影のヒーローみたいに現れてクロイズを助けてくれたんだ」
その言葉はリセオの耳に入らない、声が出ない…
リセオの様子を知らず、盛り上がる二匹
「はは、もう仲良くなった見たいだな」
主人が笑顔を見せる
そこにラーナが会話に入る
「このエーフィはね、あなた達を守ってくれるために私達の所に来てくれたのよ」
「守る!?」
リセオはその言葉に疑念を感じた
ようやく昨日の事を思い出し、理解した…『あなたの体を私達に好きにさせるって事よ』と言うあの言葉を…
そして自分はその条件を飲んだのだ…
やがてナリアはリセオに近づくと…
「これからずーっと一緒だから…ね?」
そうリセオにしか聞こえない声を耳元でつぶやく
「……!」
リセオは体が震えだしナリアの顔を見る、これからの生活に期待を寄せるその不適な笑みがそこにあった
「ずっとね、リ・セ・オ」
ナリアが優しく、怪しく呟く
これからずっと…ナリアさんと一緒…僕は…僕は…
ずっと彼女の…
リセオは目の前が真っ暗になった

門前のところで昨日ライボルトを捕獲したクロイズの主人が仲間のグラエナにエサを与えている
グラエナは主人の四匹に待てと言ったあと、よしと言い、食事をさせた
これはいつもの事だ、主人は規則正しく、忠実にするために毎日やっている
…まぁ簡単にいえばしつけみたいなものだが、毎日されるといい加減飽き飽きする
そう頭の中で考えながらクロイズは目の前に写るフードに口を運んでいく
疲れの為か、食欲はあまりない
まぁ昨日の事を思い出せば仕方の無い事だ
ライボルトからマッチを救った事で自分は一躍ヒーロー扱いされた、自分もマッチをリセオの二の舞にさせずに救った事を誇りに思っている
しかしこの事件にクロイズははっきりしていないところがあった
それは自分の名前を呼び、マッチから注意を遠ざけた奴の事だ…
そういえばクドが門前の者が飛び去るのを見たと言ったが…
「なぁ」
「んぐ…なんスか?」
クロイズは門前を警備していたグラエナに声を掛ける
食べ物を口に含みながらクロイズに向き直る
「お前は確か、通り過ぎる者の姿を見たとクドから聞いたが、思い出せないか?」
「う~ん、そうっスねぇ…モグモグ…そういえば後から調べたんスが…」
「ん、何か思い出したか?」
問うようにグラエナに顔を近づけ
「あぁ~…あの姿かたちは確か、サンダー…スとか言う種族でしたっけ、リセオ様の進化系の一種だと知ったっス」
空を見ながらその何者かの姿をはっきりと言った
「サンダース…」
最初はそのライボルトが自分を呼び、マッチ様をさらったのだと思っていたがどうやら違っているようだ
…共犯者なのか…それともただの偶然なのか…
食べ物に手をつけづ、自分の事を呼んだ雄か雌か区別のつきにくい声で呼んでいたポケモンのことを考えながら、やがて自分も食事をした
たとえ偶然としても、厳重な警備の中をいつのまにかかいくぐってそいつはそこにいたのだ、何にせよ、気をつけなければな…

コメントフォーム 

感想、指摘などお待ちしています。

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 一種のホラーだな。
    ―― 2010-02-01 (月) 02:36:25
  • こ れ はwwww
    展開がグロすぎるwww
    ―― 2010-04-06 (火) 22:30:19
お名前:

トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2009-12-12 (土) 00:00:00
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.