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初めての奪還

/初めての奪還

ヤシの実
第四部作です。日本語間違ってないかしら?

初めての奪還 



暖かい春風の吹く大地、緑一色に染まっている広大な草原
草以外の木や石などは一切みあたらず、あるのは滑らかな丘陵ぐらいで後は無い
風が吹くたびに緑の大地は一斉にゆらぎ、草達のゆれる音が合唱し、優しくなびく
その草原に一匹のポケモンなど小さな豆粒に見えるほどの広さ
人工によって作られたのではない、紛れも無く自然が作り出した光景
人の手にさえかけられていないそこは天国を連想させる
風が気持ちいい・・・ 
ここほど楽園な場所は他に無いと思う
そして僕は今、ここを自由に走り回ることが出来るんだ
家の中でずっと想像するだけじゃない、自由に外に出れるんだ、以前憧れていた外の世界に・・・
何も知らずに温室で育ってきた僕にとって外の世界とは憧れの世界ぐらいしか見ていない
けど、外の世界は僕が思っいたような綺麗で楽しい所ではなかったのだ
外の世界・・・それは僕にとって単純な憧れや興味本位と言った理由で行っていい所ではなかったのだ・・・

草を踏む足音、一匹のイーブイがエーフィと共に草原を歩いている
イーブイのリセオとエーフィのナリアだ
優しく、暖かく吹いてくれる風がリセオを包み込んでくれる
後ろを振り返り、どんどん小さくなる屋敷を見つめる
ここからでは遠いが、僕を通してくれたクロイズ以外にも3匹のグラエナが警備しているのが分かる
僕がここから離れている事も知らずに・・・
ナリアさんは何も言わず、僕がちゃんと着いてきているかどうかを確認するために時々振り返る
「ふふ、もうすぐ着くからね」
笑みを浮かべたまま歩くナリア、その言葉に少し表情がこわばる
「どうして・・・」
「ん?」
唐突に聞いてくるリセオに足を止める
「そんなに・・・僕に付きまとうのですか?」
恐る恐る聞いてみた、ナリアさんが何故僕にそんなに付きまとうのかを
僕はナリアさん見たいに強くもないし、それにまだ子供だ
「そんな事聞いてどうするの?」
「僕・・・まだ子供です、ナリアさんにはもっとカッコイイ人と付き合ったらいいと思うけど・・・」
不安そうな表情を浮かべながらも何とか言葉を発する
・・・これを聞いたら怒られそうな気がするから
「それはね、あなたが気に入ったからよ、始めてあったあの時から」
クスッと笑い、顔を近づける
「リセオみたいに可愛い子は中々いないもの」
「けど・・・」
もじもじしながら喋るが、この次の言葉が思いつかない
「ふふ、それとも私みたいな雌は嫌い?」
悪戯に聞いてみた、リセオはその言葉に少し動揺する
「え・・・その・・・」
「クスッ、冗談よ」
困るリセオの表情を面白がるように見る
「ほら、行くよリセオ」
「はい・・・」
「そんなに緊張しなくていいわよ、みんな優しくしてくれるって」
笑顔でリセオの緊張を解そうとするが、リセオの表情は暗いままだ
シェアリー達にどうされるかもしれないのに・・・
それにクロイズの事が気になる、昨日とはまるで別人見たいに暗い表情を浮かべていた
「(あれほど駄目といった外出をあっさりと許してくれたんだ、絶対おかしい・・・)」
自由に外に出れたにも関わらず、心の内でそう思いながら心配をする
また、一瞬彼は怯えたような目をしていた
「みんながどんな風に可愛がってくれるか楽しみね」
歩きながら後ろに振り向いたナリアがニッと笑う
リセオにはその笑顔が時々怖く感じる・・・

緑一色の大地のこと、遠くから草原を見下ろす二匹の影
「おい、あれはナリア様とリセオ様じゃないのか?」
羽を羽ばたかせ、隣にいるもう一匹に声を掛ける
「そうですねぇ~、外の外出は硬く禁じられているはずなのですけどぉ・・・」
落ち着いた口調で返事を返すもう一匹の羽を羽ばたかせるポケモン
羽はついているが鳥ではなく、二本の触覚を生やしている
「急いで止めたほうがいいんじゃないか?」
焦る様子を見せず、二匹を見つめたまま隣に語りかける
「そうですねぇ、けどぉ・・・」
そう言いつつも、もう片方はのんきに笑みを浮かべている
「けど・・・なんだ?」
「何やらクロイズさんが止めようとしてないみたいなんですけど~」
その言葉を聞き、一瞬ムッとする片方
「アイツが?はぁ・・・一体何やってるんだよ全く・・・」
「けどぉ、あの人にかぎって珍しいですねぇ」
たしなめるような口調で呆れる表情を浮かべるポケモンとは反対にのほほんと落ち着いた笑みを浮かべていた
「落ちついてんな・・・」
呆れた表情を浮かべるも、ホホホと笑い返すだけのもう片方
「おーい、お前ら~」
下から声がかかる、見下ろすとそこに一匹のピカチュウがいる
「ん、なんだシノ?」
シノと呼ばれた雄のピカチュウは二匹に降りるように言った
「ラン、ラグジー二人とも何か見たのか?」
ラグジーと呼ばれたバルビートは「何をだ?」と聞き返し、ランと呼ばれたイルミーセは微笑みながら見下ろす
「今誰かが外に出るとか言ってなかったか?」
「あ~、ナリア様とリセオ様が外に向かっているところを目撃したぁ」
「それは本当ですか!?」
シノの後から遅れて来たアブソルが叫ぶ
「エナか、お前は見てないのか?」
エナと呼ばれた雌のアブソルは焦った表情で首を横に振る
ラグジー・ラン・シノ・エナこれらのポケモンはみんな屋敷の警備強化の為に配置されたポケモンだ
一見、彼らはただのポケモンに見えるが、トレーナーのポケモンに劣らない高い戦闘力を誇っている
それぞれ昔、いろいろあったようだが今はこの屋敷の使用人と共に主に尽くしている
ラグジーとランは使用人のポケモンであり、ランとシノはメイドのポケモンだ
「止めに行きましょう、何かあったのでは遅いから・・・」
「ん~、止める前に少し様子を見ていきませんか~?」
エナが止めに行こうと呼びかけるとバンが意見する
「様子って・・・何故です!?」
「どういう事だ、ラン?」
声を荒げるエナに混じり、シノも訊く
「その~、まるでナリア様がリセオ様を連れて行こうとしているみたいなので~
 怪しいなぁ~っと・・・」
怪しい・・・その言葉に3匹の表情がこわばる
さっきまで平然としていたシノとラグジーが目つきを鋭くする
エナまでも目つきを変えて冷静に問う
「それはどういう事ですか?」
三匹の目つきに動じる様子も無く、のほほんと笑みを浮かべながら
「いえ、昨日も外へ外出しようとしている所を目撃したものですから~」
ランの言葉に微かに動揺するエナ、ナリア様が?しかし何故・・・?
頭の中でそう思いながらシノが口を開く
「ナリア様はそれから2匹を守るために旦那様のもとに来られたんだろ?
 そんなわざわざ自らを危険な所にリセオ様を連れて行くわけ無いと思うぞ」
「え、そうなの?シノ」
エナが意外そうな表情を浮かべる
「エナ姉は知らねぇのか、クロイズがマッチ様の救出の際に手を貸してくださったのがナリア様だろ?」
キョトンとするエナ、どうやら知らなかったようだ
あの時はシノと草原辺りの探索にあたっていたため、知らなかった
しかし一緒にいたはずのシノはそれを知っていたのだ、驚いた
「ほ~、俺もそこまでは知らなかったぞシノ」
「さすが情報収集はお得意ですね~」
歓心する二匹にフッとカッコつけるシノ
「でも、その情報は後でクドさんから聞いたんですよね~」
ニコッと笑うランにドキッとした表情を浮かべる
どうやら的中のようだ・・・
「な・・・そんな所もお見通しなのかよランは・・・」
「はい」
「ふ~ん、そうなんだ」
事実を聞かされたエナは面白がるような目で見る
「け・・・けど俺の情報は確かなんだぞ!」
必死に弁解するシノに適当にハイハイと答えるだけのエナ
馬鹿にされたのか、悔しそうな顔をする
「くそ~、俺知ってるんだぞ、エナ姉が昨日の晩何していたかを・・・!?」
言葉を続けようとしたら、笑みを浮かべながら恐ろしい目つきでシノを見る
「シ~ノ~!あんたそれ以上言ったらどうなるのか分かってるでしょ~ね~?」
「こっわ~、そんなんだから彼氏見つかんないんだよなぁ、エナ姉は~」
驚く様子も見せず、面白がるようにからかう
「シノォ!!」
顔を赤くし、怒るエナに笑みを浮かべながらサッとランの後ろに隠れる
後ろに隠れるシノに怒鳴るエナをなだめてくれるラン、その様子に呆れるラグジー
この二匹はいつもこうだ・・・今非常事態なのに・・・
「まぁ、言葉には気をつけろよラン、俺達の前だからいいけどよ・・・
 旦那様のポケモンを疑うのは軽率だぞ」
「てへ、次からは気をつけます~」
「まぁいいさ、今はリセオ様とナリア様を止めに行くぞ」
「私も着いて行きます」
「何があったからじゃ遅いからな、俺も同行するぜ」
ラグジーの後ろをシノとエナが急いで続く
ランだけが気がかりな表情を浮かべつつも3匹の後に続く

屋敷から草原に出て大分時間がたった
二匹は草原の向こうに見える視界いっぱいに広がる森の方へ向かう
するとリセオは驚いた表情を浮かべる
「この森は・・・」
リセオはあの森に見覚えがある
初めてナリアさんと会った時に通った森・・・
そして僕はここで気絶して・・・
「そういえばここ来るの久しぶりだよね」
「この森、何かおかしい・・・」
昼間なのに森の中だけまるで夜の雰囲気を漂わせる
「この森はね、暗闇の森(くらやみのもり)と言われてね、昼でもほとんど光が届かないのよ」
大きな大木が密集し、木の葉が太陽の光を妨げているせいでこの森は昼も夜も関係なしに暗い
森としての機能はしているが、その変わった環境が普通森の中にはいないはずのポケモンが住んでいるのだ
たぶん興味本位でそこに住み着いたポケモンがそうだろう
虫ポケモンだけでなく、時にはドラゴンまでもが住み着いているという・・・
普通の野生のポケモンですら気味悪がる暗黒の森・・・だがここ辺りのポケモンだったら話は別だ
さっきまで歩いていたすがすがしい草原とはまるで正反対にこの森は気味が悪い
「行きましょ」
「え・・・」
リセオは森に入るのをためらう
昼だという事を関係無しに、不気味に暗いその森はまるで妖怪でも出てきそうな雰囲気だ
「どうしたの?」
「怖い・・・」
暗闇でまったく先の見えない森に怯える
一度入ったらそれっきり戻れそうにないような気がしたから・・・
ナリアはそれを面白がるように見てなだめる
「大丈夫よ、こんな森ただの暗いだけの森よ」
「でも・・・」
「ほら、いくよシェアリー達を またせているんだから」
そう言いながら無理やりリセオを後押しする
不安な表情を浮かべながら一歩、また一歩と暗い森の中へと入っていく

・・・・・・・・・・・・・・・

暗い・・・とても暗い・・・
入る少し前まで昼だと言うことを忘れそうになるくらい暗い森の中
まるで・・・いや、あの時ナリアさんと初めて入ったときと全く同じくらいに暗い・・・
呪われた森のような・・・知らない者が迂闊に入ってよさそうな所じゃない
空を見上げるも、そこは一線の光すら通していないため夜と全く変わらない
目が慣れてきたのか、周りの大木だけがうっすらと見える
一寸先も闇で先が見えない、こんな気味の悪い森などよくあったものだ
ホーホーの鳴き声が時々聞こえてくる
その声がおばけか妖怪のうめき声に聞こえ、思わずビクッとする
こんな所、ポケモンどころか人ですら入りたいとは思わないだろう
光の届かないせいで元気のない雑草を踏む度にカサカサと音を立てる
雑草の他に大小の石が少なからずゴロゴロ転がっている
足元に気をつけないと辺りの石につまづきそうになる
今思えばよくあの時つまづかなかったもんだ・・・
それに比べ、ナリアは足元に気づいているのか難なく歩いている
怖がるリセオに平然と歩くナリア
出来れば屋敷に戻りたいのだが、今ここでナリアから逃げれたとしても無事に出口に出れる自信が無い
ただ続く暗闇を辺りを警戒しながら進む
「怖い?」
森に入ってから大分口を開かなかったナリアがようやく口を開く
後ろに振り向きながら足を動かし、リセオの様子を確かめる
「こんな怖いところ・・・誰か住んでるんですか・・・?」
「えぇ、この辺りのポケモンなら平然と住んでいるわよ」
平然と、その言葉にリセオは疑いたくなる
「まぁ、みんながここで住んでるわけじゃないけどね、
 ここが気に入ったポケモンだけが住んでいるのよ」
「ナリアさんも・・・ここに前はここに住んでいたんですか?」
「ん~、私はこの森を抜けた先にある洞窟に住んでいるんだけどね
 っていうかこんな暗い所の生活は面倒でイヤよ」
「ここで暮らして・・・迷ったりしないんですか?」
リセオの質問にクスッと笑いながら答える
「この地域のポケモンからしたらこんな森なんて庭みたいなものよ
 ・・・でも他から来たポケモンが入るとちょっとやばいかな~」
「ど・・・どういう事ですか?」
やばいと言う言葉にリセオは困惑しながら聞き出す
ナリアは冷笑しながら横目で答える
「この森結構広いのよ、この地域で住んでいるポケモンにしか森の構図は分からないの
 もし・・・別の所からきた奴が迂闊にこんな森に入ってきちゃったら一生出られないかもね」
「え!?」
思わずビクッとするが、ナリアが続けて言う
「前にどこからか来たキリンリキがね、面白半分にこの森に入っちゃったの、フレムの呼び止めるのを気にせずにさ・・・」
「そのキリンリキ・・・どうなったんですか?」
「知らなーい、でもあれいらい誰もキリンリキの姿をみた奴はいないわ」
背中がゾッとする、この森は迂闊に入っていい森ではないのだと気づかされる
この森はまるで悪魔でも住んでいるかのように、入ってきたものは一生出られなくなるのか・・・
そんなイメージが頭の中で浮かぶ
今、ナリアさんから離れる事は自殺行為だと思う
森の中に入って大分立ったのだから・・・
「ん?」
ナリアが急に立ち止まる
後ろにいたリセオが急に止まるナリアに後ろからぶつかる
「んむ・・・急に止まらないで・・・」
顔に手を当てながら真っ赤になる
リセオの言葉に耳を貸さずに目の前をジッと見つめている
何を見ているか気になり、ナリアの後ろに隠れながら一緒に見る
暗闇ではっきりとは見えないが、誰かが二足で立っていて大木にもたれかかっているのが分かる
こっちに気づいたのか、大木から離れるとこっちに近づいてくる
「ふぇ・・・何!?」
どんどん近づいてくるそれに怯えだす
近づくにつれ、それが誰だかじょじょにはっきりする
猫のような耳をし、目つき同様鋭い爪を持っている
体全体が暗闇に混じるような黒色の体をしていて、いかにも怪しい雰囲気を放っている
それに頭の上にサングラスをかけている
こんな暗闇の中、サングラスなんて少し非常識に思える
「ナリアか~、久しぶり~」
「シアンじゃん、暗くて分かりにくかったよ」
シアンと呼ばれた雌のニューラは久しぶりの対面に陽気な笑みを浮かべながら近づいてくる
「仲間から聞いたけど・・・お前あの屋敷のペットになったそうじゃん
 そんなにペットになるの憧れてたわけ?」
「しつれーねシアン、それにしてもまた爪伸びたんじゃない?」
失礼と言いつつもナリアも陽気な笑みを浮かべる
親しいそうに話しているナリアに少々驚く
知り会いなの?にしても少し怖い・・・
「ん?コイツは誰?」
怖がっているリセオに気づいたシアンはナリアに尋ねる
「フフ、可愛いでしょ、私の新しい弟よ」
「ふ~ん、そうなんだ、ここじゃ見かけない顔だね」
「今からさ、シェアリー達の所へつれていくの、それでね~・・・」
言葉の途中で不適な笑みをもらす、シアンは昨日アンリと会話した事を思い出す

―――――――――――――――――――――――――――――――――
昼も夜も暗い暗闇の森の中、ニューラとサンダースが会話をしている
空が全く光の届かないという環境に何ともなく、平然としている
「なんか楽しそうだなお前」
「ん、わかる?」
「何か面白い事でもあったか?」
「フフン、ナリアがイイ雄つれてくるからさ、そいつで楽しむんだよ」
「楽しむって?」
楽しむっと言う言葉に反応する
「ずっと前から禁欲しててさ、欲求不満なんだよね~
 だからそれを解消するんだよ、そいつでさ」
「へ~、カッコイイの?そいついくつ?」
「ん~、ぶっちゃけ言うとまだガキっぽいかな」
「ふ~ん・・・ってかガキで満足できるわけ?」
そう言うとニマッとした顔で返した
「結構楽しいんだよ、そいつをヤるの」
誰もいない方にうっすらと笑みを浮かべる
ニューラは面白そうな表情を浮かべて訊く
「誰なのそいつは?」
「教えないよ、お前はてきとーに雄でも誘惑してろ」
もったいぶりながらその場を去る
ニューラはムッとすると立ち去るサンダースに声をあげる
「おい!・・・ったく」
呼んでも振り返らずに去るサンダースに溜め息をつく
・・・にしてそいつってどんな奴なんだろうな
木にもたれかかるとサンダースが言っていたガキっぽい奴の事を思い浮かべる

――――――――――――――――――――――――――――――――――

昨日まで気になっていたその『ガキ』が目の前にいるイーブイの事だとシアンは悟った
「(へぇ・・・コイツがアンリの言ってた奴か・・・
 確かにガキっぽいが容姿はなかなかだな)」
雌っぽく見えるが毛並みが良く、一目見てリセオの事が気に入ったようだ、ナリアやアンリ達が気に入るのも分かる気がした
ナリアの後ろで怖がるリセオに近づく
「私はシアンって言うの、よろしくね~リセオ君?」
顔を近づけ、自己紹介した後にリセオにウィンクする
「リ・・・リセオです・・・」
色っぽくアピールするシアンに怖がりながらも自分も名乗る
正直この暗闇の中で自己紹介など出来る気分じゃない
するとナリアがシアンの頭を注目する
「そのサングラスさ、どっから手に入れたの?」
「これか、町に来たトレーナーが持っていたからちょっくらパクッたのさ」
「ふ~ん、でもあんま似合わないね」
似合わないと言われ、ムスッとした顔で「ほっとけ」と一言だけ返す
「ところでシェアリー達見なかった?」
「ん、この先まっすぐ行ったらいるよ」
先の見えない暗闇の方に指をさす
リセオには分からないがナリアには分かるらしい
「ありがと、いきましょ」
「・・・はい」
シェアリー達の場所を教えてもらい、この場から去ろうとするとシアンが呼び止める
「ナリア」
「ん?」
「よかったらさ・・・今度リセオ君で遊ばしてもらえないかな?」
舌をペロッと舐め、笑みを浮かべながらリセオを伺う
リセオはビクッとし、シアンから目をそらす
その意味が今のリセオには分かる気がしたからだ
それに対してナリアは苦笑しながら言葉を返す
「いいよ、また今度ね」
「え!?」
ナリアの返答に驚愕するリセオ
「サンキュ、そんじゃ楽しんでこいよ」
礼を言いナリア達を見送る、そのリセオの後ろ姿を愛おしそうに見つめながら・・・

リセオは不安になりながら暗闇の森の中を歩く
ナリアに連れて行かれるまま、重い足をただ前に進める
「・・・・・・」
この先にシェアリーさん達が・・・僕・・・どうされちゃうんだろ・・・
あの夜みたいなパーティが・・・嫌だ・・・考えたくない・・・!
頭をブンブン振りながら悪い事を頭から離そうとするが不安は消えない
「クスッ、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
リセオの不安な気持ちを知っていながら面白がるように言う
「(笑うリセオの顔もいいけど・・・怖がる顔も可愛いなぁ~)」
見つめながらナリアの内に興奮が高まる
普通の雄だったら何度かヤったら飽きてしまうナリアだが・・・リセオは例外だ
犯す度に魅力が増していくような気がする
容姿だけじゃない、その逸物の大きさにも驚かされ、欲望を引き立ててくれる
柔らかい唇、触りたくなるような毛並みの良さ、触れると割れそうなガラスのように透いた瞳
何より汚さを知らないその無垢で愛くるしいリセオそのもの・・・
普通のイーブイとは違う・・・雄とは思えないくらい愛らしい姿
その透いた目をみつめると、雌でも無意識に襲いたくなるだろう
いっぱい汚して・・・犯して・・・私と言う名の色に染めたくなる
年齢などもはや関係ない、例えリセオ自身が誰も求めなくても私が求めたくなる
な~んて、長い妄想しちゃったな・・・
「クスクスッ」
「?」
突然笑い出すナリアに首をひねる、こんな暗闇の中で急に笑うのはよしてほしい、ただでさえ不気味なんだから・・・
進むにつれ、暗闇しか見えない先にぼんやりと誰かいるのが分かる
それが分かるのに時間はいらなかった
リセオの足がピタッと止まる
その3匹を目にしたとき、不安が高まり、汗が滲み出てきた
「シェアリーさん・・・」
それとあの時の夜で僕に変な木の実を食べさせた炎のポケモンのブースター
十分に楽しませてくれよと言って僕の体を押さえつけた電気ポケモンのサンダース
この二匹は名前は知らなくとも体や顔はしっかりと覚えている
「あ、ナリア、ようやく来たわね」
シャワーズのシェアリーがナリアの到着に気づき、笑顔を浮かべる
それと座って待っていた二匹が待ち望んでいたかのように立ち上がる
「待たせちゃったね、あの時はクロイズ君に阻まれてさ・・・」
「その事は知ってるわ、あの屋敷の警備にずいぶんてこずったようね」
二匹の会話を無視し、ブースターがリセオに近づく
リセオは今にも逃げ出しそうな体制でいるが、迂闊に逃げ回る事は出来ない
「2週間ぶりだね~、リセオちゃん」
久しぶりの対面に少女のような笑顔を見せる
何の警戒もいらなさそうな表情をしている、しかしその外見とは裏腹に潜ませている欲望は隠そうとはしない
その証拠に笑顔の内に色っぽい表情を混ぜている
「ふぁ・・・」
ブースターから後ずさりして下がろうとする、しかし途中で何かが背中にぶつかった
振り返るとそこにサンダースがいつの間にか立っていた
体がビクつき、腰を落とす
その様子にニヤッと笑いながら口を開く
「久しぶりだねリセオ、俺達が恋しかったかい?」
「え・・・いや・・・」
顔を横に振り、また後ずさるといきなり後ろから抱きつかれる
「うわぁ!」
勢いのあまり地べたに仰向けで倒れ、ブースターに覆われながら悪戯な笑みを浮かべ
「ずっと待ってたんだよぉ~、リセオちゃんの事・・・僕フレムって言うの
 それであっちはアンリって言うの」
名乗りながら、フレムの手はリセオの首の体毛を探るように触れる
手つきが厭らしいのか、リセオは小さなうめき声を立てる
「ん・・・んぁ・・・」
「ふふ、雌みたいな声あげてさぁ、感じてるんだろ」
そう言うとアンリも手を伸ばし、尻尾に軽く舌を走らせる
「ふあ・・・」
尻尾から伝わる舌の感触に身震いした、いきなりな行為にリセオは動揺の色を隠せない
今まで欲求不満を抑えていたせいか、リセオの有無を聞かず遠慮の無い動作でリセオを弄り回す
「毛がフワフワしてて、気持ちいいな・・・」
「んふ、ペロ・・・」
「あ・・・ちょっと・・・」
まだ覚悟の無いリセオに、舌や滑る手の感触が襲う
相当禁欲していたから、相手が年下だと言う事が頭の中には無い
リセオの体が微弱に震えるのが分かる、だがそれがかえって欲求が高まらせる
「んでさ、ん?」
シェアリーと離していたナリアが二匹の行為に気づく
「ちょっとぉ~、気が早いんじゃない?」
「もぅ、私もしたいのに先にしちゃダメじゃない」
「だってずっと我慢してきたんだもん」
潤んだ目で子供のように甘える、そんなフレムに呆れながらも再びシェアリーに向き直る
「でも何でこんな森で待ち合わせなの?」
「ここだったら下手に他の雄に見つかる心配も無いでしょ
 それに外でやるよりこういった夜見たいな感じのほうがいいじゃない」
シェアリーの意見に納得する
確かに、昼間堂々と草原でするより暗闇の森の中だったら誰かに見つけられる心配が無い
それにこういった場所でするのも悪くないうえムードを盛り立ててくれる
「なるほどね、それじゃ私ちょっと古い住処に戻るから」
「え、どうして?」
「ちょっと取りに戻りたいものがあるからさ、先にやっちゃっていいよ~」
そう言い残し、暗闇の向こうへと消えていく
「ふぅ、まぁいいわ、先にリセオ君と楽しみましょ」
「さんせー、早くしようよ~」
以前リセオを抱きついたまま、首の毛皮に顔をすりよせている
「2週間も溜まってるんだからじっくり遊んでやろーよ」
にやけた笑みを浮かべ、尻尾を唾液で汚す
「うぅ・・・・・・」
身動きの取れないまま、うめき声だけをあげる
ここまで来てしまったんだ・・・何されるのかなぁ・・・
この後、僕は彼女達に好きなように弄られちゃうんだ・・・
あの時友人を助けてくれた約束を守るために・・・
頭の中ではもう覚悟していた事なのだが、いざとなるとやはり怖くなる
だが今更思っても仕方が無い、これからの事で体力が尽きるか気絶させられるまで彼女達の慰み者になるのだ
「フフッ、2週間も溜まった分、十分に遊んでもらうよ」
「僕はお口を食べちゃおっかなぁ~」
「ウフフ、また泣いちゃったらゴメンなさいね」
シェアリーの色っぽい声がリセオに迫る、リセオが体を震わせているのが分かる
だが許してやろうとする気は無い、大分待たされたのだから
「嫌だ・・・やめて・・・ください・・・」
怖さで思わず本音をもらす、だが抱きついている手は離そうとはしない
「だ~めだよ、ずっと待ってたんだからさ」
「ペロ・・・怖がらなくてもいいだろ、俺達に抱かれるなんて幸せ者じゃないか」
「そうね、アンリにはいろんな雄が寄ってくるからね
 でも気に入らない雄は片っ端からふってばっかよね」
「そう言うお前だって、交際してほしいと言った雄を騙していろいろ貢物させてその後は捨ててるくせに」
「アハハ、シェアリーの方がたちが悪いかもね」
フレムに笑われ、ムッとする
「あ~ら、アナタだって気に入った雄がいれば平然とそっちに乗り換えたりしているくせに、人の事言えるかしら?」
シェアリーに指摘され、ギクッとする
勝ち誇った笑みを浮かべ、フフッと笑う
3匹の話を聞いていたが、リセオには意味は分からなかった
「むぅ・・・それじゃ僕いっそリセオちゃんに乗り換えちゃおっかな」
そう言い、リセオの顔に近づきいきなり口づけをする
「んむぅ・・・!」
いきなりの口付けに驚いたリセオは目を大きく開く
「おぃおぃ、抜け駆けする気か?俺だって気に入ってるんだからさぁ」
アンリの言葉を無視するように口付けを続ける
柔らかいリセオの唇にポーッと頬を赤く染め、次第に舌を入れ始めた
「チュク・・・レロ・・・」
ゆっくりと、絡めるように舌は動き、唾液が交じり合う
「ふぅ・・・チュク・・・んん・・・」
進入してくる舌に目を閉じ、弄ばれるのがわかる
体は震えを増し、フレムの舌を受けいれる
フレムはまるで遊ぶかのように舌はゆっくりと動き、リセオの顔に手をそえる
淫靡な音が4匹以外誰もいないこの場所で静かなに響く、やがて唇を離すと
「ん・・・リセオちゃんの唇やわらかぁい・・・ナリアったらいっつもリセオちゃんとキスしてるんだ、羨ましい・・・」
フレムの甘い声がリセオの耳に響く、口を開きっぱなしのリセオは怯える
アンリが尻尾から顔を離すとリセオの顔にもって行き、頬にキスをする
「チュッ、こんな可愛い奴だったら独占したい気持ちも分かるよ」
怪しく微笑み、リセオの耳元でつぶやく
「どんな風にイジメてあげよっか?クスッ」
「ふぇ・・・助けて・・・」
三匹はリセオに身をすりよせる、体が密着し、熱い息がかかる
目は潤み、怪しく微笑むアンリに恐怖を感じた、何故こんな事になったんだろう・・・頭の中でその疑問が何度も響く

暗い森の中を二匹のホタルの光を頼りに進む4匹
初めて入ったこの森は今が昼の時刻だということを忘れさせてくれるほど暗い
主のポケモンを追ってここまで来たのはいいが、先が見えないこの森に違和感を感じる
ランとラグジーの光を頼りに前に進む
不気味に突っ立っている大木に身震いするシノ
「あら、怖いの?」
隣のエナがシノの様子を気遣う
「ち・・・違うよ、暗いなぁ~っと思っただけさ・・・」
強がるが、表情が困惑しているのがまる分かりだ
それだけでなく、時々寂しそうな目をする
仕方が無い、シノはピチューの頃から夜の森でトレーナーに捨てられていたからだ
その当時、シノは捨てたトレーナーの名を呼びながら泣き叫んでいるのを当時トレーナーだった主人が見つけた
聞くと3~4時間も不気味な森の中を彷徨っていたのだ、主人の名を呼びながら・・・
それに同情した主人がそのピチューを拾ってくれたのだ
拾った時は、心は冷たく閉ざされていた、だがトレーナーとエナの優しさからじょじょにその心を開いてくれたのだ
やんちゃですぐ調子に乗る奴だが、それは心が開いた証拠なのだ
メイドとなった主人と共に屋敷を守る護衛として今は充実した日々を送っている
だが、暗い森に入ったらたまにこんな風になってしまうのだ
「シノ・・・無理してついてこなくて良かったのよ?」
「べ・・・別に無理なんてしてないよ、こんな森くらいでビビッてたら情けねぇもん」
「しかしまぁ、こんな森の中に入るなんて怖いものしらずだなぁ」
「ですねぇ~、まるで夜みたいですよ~」
暗い森の中ラン一匹だけがのほほんとしている
相変わらず元気な奴だ・・・
「二人の行方はこっちでいいんですか?」
エナが尋ねるとラグジーは少々困惑した顔で「分からん」と答える
なにせ森に入られた瞬間見失ってしまったのだ
ラグジーは知っていた、暗闇の森の事を・・・
この森に住んでいるポケモンは通常いるはずの無い異常な野生のポケモンがいる、時にドラゴン系も住むと言われている
もしもの事があったらやばい、なるべく急いだ方がいいな・・・
「・・・ん?」
シノが突然立ち止まる
「どうしたのシノ?」
「シッ・・・静かに」
周りを静かにすると耳を澄ませる、すると3~4匹の声がする
子供の悲鳴らしき声と、雌の声が僅かながら耳にする
その一匹の声に聞き覚えがある
「リセオ様の声・・・こっちだ!」
シノが叫び、走り出す
「見つけたのか、いくぞ!」
シノに続き、3匹も急ぐ
大木をなんなくと避け、声を頼りに進む
進むにつれ、声はじょじょに大きくなり、はっきりと聞こえる
「(やはりリセオ様の声だ・・・何かあったのか!?」
ただならぬリセオの声に焦りが見えるシノ、出来るだけの急ごうと高速移動を使う
やがて少し広い場所へたどり着く
そこには3匹がリセオに重なるようになっている
「リセオ様ぁ!!」
シノが叫ぶ、3匹は驚いたような目でこちらを見る
もう一匹が震えながら顔を起こし、こっちを見る
間違いない・・・リセオ様だ!
リセオはこっちに気づくとハッとした顔で・・・
「シノ・・・」
弱弱しい声で自分の名を呼ぶ声が聞こえる
「大丈夫ですか、リセオ様!?」
とっさに前に出てリセオのもとへ向かおうとする
その時、一匹のブースターが突然シノの足元に火炎放射を放つ
「うあ!?」
突然の事で驚いたシノは足を止める
活気のない草が瞬時に燃え尽き、焦げる匂いがたちまち広がる
暑さのせいか、それとも冷や汗をかいたのか、頬から汗が伝う
思わず腰を地につけてしまうが再び立ち上がり怒り罵声をあげる
「何するんだよぉ!危ないだろ!!」
火を放ったブースターは睨むような目でシノを見る
これ以上進むなと言わんばかりにこっちを警戒している
ブースターの目を見て、敵意があることに気づく
しかしシノは関係なさそうに叫ぶ
「俺はリセオ様を連れ戻しに来ただけだ、別に襲いに来たわけじゃない!」
必死に相手に伝えるシノ、しかしブースターの表情は変わらず、まるでうっとおしそうな目で見ている
そばにいたシャワーズが冷静に口を開く
「誰だか知らないけど、私たちはリセオ君に用事があるの、悪いけど後にしてくれない?」
舐めているのか、自分が屋敷の使用人のポケモンだと知っての侮辱か、少しムッとするも普通に返す
「そう言う訳にはいかないんだよ、素直に返してもらえないか?」
リセオはこっちを不安な表情で見ている
シャワーズとブースター二匹は気に入らないような目で見ている
するとサンダースが立ち上がり、何も言わず近づいてくる
足音を立てず、ずんずんと近づいてくる様子に動揺するが引きはしない
シノの2~3歩前で止まると脅すような口調で話す
「あいつが後にしてって言ってるんだよ、痛い目に会いたくなかったら消えろ!」
「お前らこそリセオ様から離れろ、じゃないと唯じゃおかないぞ!」
イラっとしたのか、睨みながら警告をする
相手が大きめだろうが小さめだろうがシノは相手に引く事を知らない
シノの態度にムカッとし、いきなりミサイルバリを放つ
「おっと!」
横に跳躍し、サンダースのミサイルバリを紙一重でかわす
「クッ、ガキだからって容赦しないぞ!」
イライラした声が辺りに響く、シノは相手を舐めるように挑発する
「すぐにキれるなんて、カルシウム足らないの~?」
楽しみを邪魔されたうえ、侮辱された事が頭にきて体中から電気をおびる
溜まっていたストレスが一気に爆発し、牙を立ててシノに襲い掛かろうとする
その時・・・
「シノォ!」
背後から声がした、遅れた3匹がようやく追いつき、エナがすぐさまアイアンテールをサンダースに振り下ろす
チッと舌打ちをならし、間一髪で回避する
突然の出現で後ろの二匹は驚きの色を隠せない
その4匹の身なりからして野生のポケモンではないと確信した
シャワーズがイラだった表情を浮かべる
「(あの馬鹿・・・つけられてたわね・・・!)」
「大丈夫!?」
エナに心配され、何とも無いようにニヒッと笑う
そしてラグジーがリセオの姿を確認した、ブースターに押さえられいるのが分かる
明らかに友達と言った感じではない
「シノ、あいつらは?」
「分からない、でも素直にリセオ様を返す気はないみたいだよ」
その言葉を聞き、ラグジーが相手を睨む、すると相手も気に入らない目でにらみ返す
辺りの空気が殺伐としはじめた、両方一向に動かず、時間だけが過ぎる
ラグジー達としてはすぐにリセオを連れて返りたいが、こちらから手を出すわけにも行かない
ランが辺りをチラチラと伺う、殺伐とした空気を何とも思わずに平然としている
「ふぅ・・・」
すると溜め息をついたシャワーズが立ち上がりサンダースの方へ近づく
それに続き、ブースターもゆっくりとシャワーズに並ぶ
「せっかく楽しい時間を台無しにしてくれて・・・何なのアナタたちは?」
冷静だが、殺気立った声を向ける
「名乗るほどの者じゃない、素直にその方をこちらに返してくれないだろうか?」
リセオの方に向き、あくまで冷静に話をする、しかし相手のシャワーズはクスッと笑い
「それは出来ない相談ね、これからのお楽しみを台無しにしたくないもの」
お楽しみとは何なのか、理解出来ないが少なくとも相手が敵だと言うを確信する
リセオの怯えた表情を見て、何かしようと言うのは間違いない
相手が先制を仕掛けようと体制に入る
「(あぁ・・・逃げなきゃ・・)」
今まさに起ころうとしている事を察知し、恐怖に怯えたリセオは今なら逃げれると思いこの場から去ろうとする、その時・・・
「冷凍ビーム!」
シャワーズが振り返った瞬間、冷気をまとった光線を放ち、リセオの尻尾を捕らえる
捕らえたは尻尾は勢いで体ごと大木に衝突する
「あぁぁぁぁ!!」
尻尾が凍てつく寒さを感知し悲鳴をあげる、尻尾は瞬時に凍りつき、身動きが出来なくなる
「リセオ様!?」
エナが叫ぶ、他の2匹も驚いた表情を浮かべる
ランだけがのほほんとした表情を変えず、ピクッとだけ反応をする
リセオの顔を見つめるシャワーズは笑みを浮かべながら口を開く
「ウフフ、逃げようなんてさせないわよ、あなたは後のお楽しみなんだから」
色っぽい声で寒さに苦しむリセオに流し目で言う
ビクついたリセオは寒さと恐怖で震える
「クソォ!」
たちまちシノが構える、その時エナが耳元でつぶやく
「シノ、あなたは隙を見てリセオ様を助けて」
唐突な願いにシノは驚く
「え、どういう事?」
「私たちがおとりになっている隙に氷を溶かしてここから脱出させるの、分かった?」
「何で、俺も戦える!」
「ダメよ、あんたまだレベル低いんだから、リセオ様を今救えるのはあなただけなの、いいわね」
そう言った後、向こうの3匹が先制を仕掛ける
それを避けるようにエナ・ラグジー・ランは左右に別れ、回避する
「シノ、いいわね!」
エナはリセオから出来るだけ離すように後退し、サンダースをひきつけるながら暗闇に消える
「エナ姉ぇ!!」
叫ぶ声がエナに届かず、すぐそばでラグジーがブースターと、ランがシャワーズと交戦していた
エナが心配だが、シノはためらわず隙をみてリセオのそばに駆け寄る
エナ姉、無事でいてくれ・・・!

暗闇の中で炎の吐く音、冷気をまとう空気、不規則な動きをする光・・・
この森で有り得ない状況を目の前にしたナリアが驚く
思ったより早く元住処の整理を済ませ、シェアリー達のもとへ向かっていた時だった
「な・・・何?」
耳を澄ませるとバトルしているような音がする
何が起こったのか、すぐさまその場へと足を走らす
大木の陰からコソッと覗くとナリアは驚いた
「あ・・・あれは確か屋敷の・・・!」
何でこんな所に・・・まさか外へ出るのに気づかれたの・・・?
それでシェアリー達と戦ってる・・・!
口元を押さえ、大木に身を寄せてやばそうな表情を浮かべる
確かラグジーとランだったような・・・
あれは屋敷に取り入ってもらったその次の日に向こうから直々に挨拶をしにきたポケモンだ
「つけられてたんだ・・・どうしよう・・・」
本来ならナリアもあの戦いに参加する所だが、迂闊に援護して疑われる可能性がある・・・
それにマッチを助けたとしてとても好意を持ってくれた彼らを攻撃することに躊躇いを覚える
仕組んだとはいえ、彼らを攻撃するわけには行かない・・・
焦るナリア、とりあえずリセオを遠くから探す
するとシノと言うピカチュウが凍っている尻尾を電気ショックの摩擦熱で溶かそうとしている、逃がす気だ・・・
止めるべきか、いや、ここは出ない方がいい・・・アンリに知らせなきゃ・・・
ナリアは目をつむり、アンリにテレパシーで伝える

逃げ回るエナにアンリは正確な狙いでミサイルバリを打ち込む
しかし、難なく避け、周りの大木や地面に命中するだけだ
避けまくるエナに苛立ちを覚える、ただのアブソルじゃないな・・・屋敷で護衛しているだけはある
ミサイルバリを撃ち終えた後、一瞬の隙をついて十万ボルトを体から放つ
10万ボルトをよけきれず、直撃してしまう
エナは黒くこげ、無抵抗に地面に激突する
「やった!」
不敵な笑みを浮かべ、相手が倒れるのを確認する
全体が黒こげ、元のアブソルの状態を留めていない
「ちょっと酷だったが、悪く思うなよ」
勝ち誇った笑みを浮かべ、その場から去ろうとする
「あ~ら、誰に言ってるのかしら?」
・・・!?
アンリは後ろの聞き覚えのある声が後ろから聞こえる
馬鹿な、あいつは仕留めたはず・・・!?
焦って振り返る、するとエナが三匹に分裂していた、気づいた頃には遅く、そのまま攻撃を受ける
「だましうち!!」
「ぐぅ・・・!」
エナのだましうちが見事にアンリにあたる
衝撃で後ろに後退し、すかさず体制を整え、息を乱す
10万ボルトをくらったはずのなのエナが健全な状態で立っている
「グッ・・・何故!?」
「よく見てみなさいよ!」
エナの横を見る、そこには黒こげだった『エナに似た物』が横たわっていた、みがわりだ
アンリは焦った、迂闊に戦うとやられる・・・
「ただの護衛ポケモンじゃないって事か・・・!」
「そうよ、甘く見ないでちょうだい!」
エナは再び構え、尻尾を鋼色に光らせ、アイアンテールをアンリに叩きつける
後ろに跳躍してかわすと、すかさず10万ボルトを放つ
電気をおびた一線がエナに襲い掛かるがぎりぎりの所で回避すると突き進みながら相手をかく乱するように左右に跳躍する
すばやい動きでアンリは10万ボルトを乱れうちに放つが、どれもかわされ、互いの距離がわずかな所でエナは再度アイアンテールをくりだす
「アイアンテェェェル!」
当てる事に集中しすぎたアンリは相手の攻撃に気づくのがおくれ回避体制に入るまもなくアイアンテールを正面に食らう
「ぐぁぁっ・・・!!」
顔の真横に直撃し、衝撃で足元を崩す
「(やった!?)」
当たり所がよく、これならまともに立つ事はかなわないだろう
勝利を確信するも警戒をしつつ、相手の様子を伺う
しかしエナの期待は裏切られる、アンリは首を振ると怒り表情を浮かべる
「お前ぇ・・・よくも!」
「チッ・・・!」
浅かったのか、アンリはすぐに体制を戻すと背中を毛が鋭い針のように突き立てる、相当怒っているようだ
痛みによる怒りではなく、自慢の顔を傷つけられた事が相当腹がたったようだ
雄ならまだしも・・・同じ雌にやられたのだからプライドが傷ついたのだ
殺気のこもった目がエナを写す
「許さない・・・ボロボロにしてやる!!」
「(このサンダース、一筋縄ではいかないようね・・・)」
再び攻撃態勢にはいるアンリ、その時、頭の中で声が響く
(アンリ・・・聞こえる?私、ナリアよ)
「(ナリア、こんな時に一体何のようだよ、今こっちはそれどころじゃ・・・!)」
(シノって子がリセオを逃がそうとしてるよ、急いで追いかけて!)
「(な・・・、あのクソガキ・・・!)」
ハッとした表情を浮かべ、再び怒る
どうやらはめられた様だ、このアブソルが劣りになっている隙にリセオを逃がそうとしたのだ
「クソ・・・!」
アンリは毒づくとエナを恨めしそうな目で見た後振り返り、さっきの場所へと戻ろうと駆け出す
「あ、待て!」
気づかれてしまったエナは慌ててアンリに再度攻撃を仕掛けようと飛びつく
まだ向こうにはシノがいる、アンリに見つかればたちまちやられてしまうだろう
再び尻尾を鋼色に光らせ、今度こそ仕留めようと相手が後ろを振り向いている隙に強烈な一撃を食らわそうとする
しかし、アンリの背後を捕らえようとした瞬間、エナの動きを見切って軽く横に飛ぶ、すると・・・
「がはぁ・・・!?」
軽く避けた後、後ろ両足をエナの腹部に強く蹴りあげる
衝撃で嗚咽をもらし、勢いよく大木に衝突する
腹部の痛烈な痛みが走り、横たわったまま目から涙をうかべ、吐き気を起こす
格闘技のにどげりが炸裂したのだ、悪族である彼女にとってにどげりはつらい技だ
「うぅ・・・ゲホ・・・ゲホ・・・」
「ふふん、調子に乗るからこうなるんだよ」
不適な笑みをもらし、エナに近づく
エナは反撃体制をとろうとするが、にどげりの痛みで体が言うことをきかない
地面をはいずるようになんとか立とうとする、だがアンリはそれを許さなかった
「ふん!」
再び立ち上がろうとするエナの腹部をえぐるように蹴り上げる
「がぁぁっ・・・!」
今度のにどげりは強い、大木に押し付けられ、その勢いで痛みがさらに増す
「うぇ・・・ゲホ・・・ゲホ・・・」
腹部を押さえながら、涙ながらに咳き込む
その様子に全く哀れむ態度もせず、目はいぜん睨んだままエナに語りかける
「ふふ、あのガキを捕まえる前に俺の傷の報復をさせてもらうとするか・・・
 そのあとガキも同様いたぶってやるとするよ!」
悪魔のような声にエナはピクッと反応する
「や・・・やめろ・・・ゲホ・・・」
苦しい中、なんとか言葉を発するがそのたびに腹部の痛みが増す
シノを・・・リセオ様を守らなきゃ・・・
頭の中で自分に言い聞かせ、なんとしてもアンリを止めようと無理に立ち上がろうとする
だが動こうとすると腹部の痛みがはしり、立つことすらかなわない
「うっさい!」
気に入らない表情を浮かべると横たわったままのエナに3度にどげりをかます
「・・・・・・っ!!!」
鈍い音が響く、今度は言葉が発せられないほどの痛みが走り、はいずる片手も腹部をおさえ、嗚咽を漏らす
全く無抵抗状態のエナにアンリは怒りのままに4度、5度と、にどげりをかます音が鳴り響く・・・

電気ショックを放つ音が派手に音を立てながらまぶしく光る
リセオの凍ってしまった尻尾をめがけてシノが電気ショックを繰り出している
尻尾を凍った部分にあて、加減をしながら電気の熱で氷を溶かしている
「もう少しですよ~、もう少し辛抱してくださいね」
「うん・・・」
シノの電気ショックに少々びくつきながらもシノの言葉を信じる
間違えて直接尻尾にふれて感電しないかが心配だ
凍った氷は水滴を垂らしながらじょじょに溶ける
氷は手に握るほどの大きさになった、リセオは自力で尻尾に力を入れると凍りは割れ、自由の身となった
「やったぁ、ありがと!」
氷が割れてはしゃぐ、だがそうしている暇は無い、エナに言われた通りにシノはリセオに指示する
「ほら、今のうちに行きますよ!」
エナ姉が心配だが、今はリセオ様を戻す事を考えよう
シノが先頭をきって、リセオを誘導する
振り返りざまにラグジーとランが敵の注意を寄せながら戦っているのを見送る
「無事でいてくれ・・・!」
3匹の無事を祈りながらリセオの速度にあわせてこの場から脱出する
走り続けるうちに戦闘の音は小さくなっていく、どうやら逃げ切れそうだ
本当ならナリアも一緒に連れて行くつもりだが今はリセオだけでも救うのが先決だ
それにナリアなら元野生だから少なくとも大丈夫だろう、クロイズと一緒に戦ったポケモンなのだから・・・
10分くらい走ったか、戦闘の音は完全に聞こえなくなった
リセオも息を切らしながら走る
「おっと、少しペース緩めるか」
走るペースを遅くしてリセオの状態を気遣う、息を切らすも何とか着いてくるようだ
「大丈夫ですか?」
「ハァ・・・ハァ・・・うん・・・」
疲れた表情を浮かべながらシノに心配させまいとするが、シノにはリセオの疲れきった顔がまるわかりになる
「ふぅ・・・こっちだと森に出られるっけ・・・」
持ち前の情報と知識を頼りに暗闇の森を進む
「ねぇ・・・シノ?」
頼りないリセオの声が聞こえる、シノは「ん?」と聞き返す
「その・・・ごめんなさい・・・」
突然謝るリセオにシノは驚きながら聞き返す
「どうしたんですか、急に?」
「えっと・・・勝手に外にでちゃって・・・こんな事になっちゃって・・・でも!」
リセオが喋り終わらないうちにシノが返す
「それですか、大丈夫ですよぉ、3匹も元ベテラントレーナーのポケモンですから
 でも無断外出するうえに、こんな危ない森に入るなんて・・・ナリア様もなに考えてるのやら・・・」
ナリアのことを愚痴る、その時リセオはシュンとする
「あ~、別にリセオ様は責めてないですよ、ほんと」
慌てて言い訳をするも、リセオの表情は落ち込んだままだ
「う~ん・・・まぁ後で事情は聞きます、今はここを脱出するほうが先ですな」
そう言い、険しい暗闇の森の中をひたすら進む
「・・・・・・」
正直に話したほうがいいか、リセオは迷っていた
ここに来た理由、ナリアとの関係、そしてマッチの事・・・
連れてこられ、ここに入ってしまったせいで屋敷の4匹を巻き添えにする結果となった
いっそ話した方が楽になれるかもしれない・・・
今ここで話したらうまく信用してくれるかもしれない・・・
恩を仇で返すことになってしまうが、それでもこんな事になってしまうくらいなら・・・
「僕、本当は・・・!」
勇気を振り絞り、シノに精一杯伝えようとした・・・その時
「危ない!」
シノがリセオを突き飛ばす、その瞬間複数の針が地面に刺さる
「・・・っ!?シノォ!」
続けざまに複数の針がシノに襲い掛かり、リセオはたまらず叫び声をあげる
シノは瞬時に高速移動を使い、紙一重でかわすが、最後の一発が背中に直撃する
「うわぁぁっ!!」
背中に衝撃が走り、シノはその場で倒れる
「シノ、大丈夫!?」
「ぐぅぅ・・・誰だ!?」
心配するリセオの前ですぐに立ち上がり、飛んできた方向を睨む
するとそこにエナが相手をしていたはずのサンダース、アンリが暗闇の中から現れた
「ふぁ・・・アンリさん!?」
「ふ~、よーやく見つけたよ、全く手間かけさせやがって!」
鼻を鳴らし、シノを睨む
シノは顔をこわばらせながら背中の痛みのをたえつつ、リセオを守るように前に出る
不意にエナの事が頭によぎる、こいつは確かエナ姉がおびき寄せていたはず・・・まさか・・・!
最悪な事態を予測するが、頭を振って考えない事にした
背中の傷口が痛み、相手のサンダースを睨む
「(リセオ様がいるんだ・・・何としても守らなきゃ!)」
今すぐにでもエナを探したい気持ちを抑え、今はリセオを守ることだけに専念する
アンリは獲物を追い詰めるように足音を立てず、ゆっくりと近づいてくる
「侮辱したうえにリセオを逃がそうなんて、こりゃ少し痛い目に会ってもらわないといけないよなぁ?」
不適な笑みを浮かべるが、目は殺気がこもっていて笑っているとは思えない
「くそぉ・・・お前、エナ姉をどうした!」
後ずさりするも、気になってしょうがなかったエナの事を口にする
「あん、エナってあのアブソルの事か・・・ククッ・・・」
不意に笑うアンリ、すると前足をゆっくり見せるようにあげる
「!?」
アンリが前足を上げた瞬間、リセオとシノは絶句する
背筋が凍りついた、アンリの見せた前足には・・・血が付着していた
前足だけでなく、よく見ると後ろ足にも血が付着している
その血が誰のものなのか、ショック状態のシノが理解できのるに時間はかからなかった
血をペロッと舐める、まるで悪魔のような笑みを浮かべてシノを見下す
「あぁぁ・・・!?」
衝撃のあまり目は大きく開き、体は微弱に振るえながら唖然とする
そんな様子のシノに追い討ちをかけるように口を開く
「今頃ひどい状態でいるだろうねぇ・・・フフフ・・・」
「!!」
その言葉にシノの思考は完全に停止する、同時に自分の中でじょじょに怒りが募る
エナ姉が・・・こいつはエナ姉を・・・!!!
これほどに無い怒りがこみ上げてくる、シノにとって大切な人が傷つけられたのだから
シノとエナは血縁のある姉弟ではない、だがエナは本当の弟のように可愛がってくれた姉なのだから・・・

まだ俺が心を閉ざしたピチューの頃、道路で俺に元気付けようとしたご主人とエナ姉が声を掛けてくれた時だ
飼い主に捨てられた事が心の傷となっていた俺にとって二人の励ましはうっとおしいだけだった
ご主人は他の事で忙しく、俺にかまってやれない代わりにエナ姉がしつこく俺にかまってくれた
俺はうっとおしいエナ姉に思わず声を荒げて言った、「何で僕にかまうんだよ!」と言った
エナ姉は俺と仲良くしたいだけだと言って俺に積極的にやさしく声を掛けてくれた
俺はその言葉に耳を貸さず、一人ふてくされようとしていた
だがエナ姉はしつこく俺に話を掛けてくれた、毎日のように・・・
ある日、俺はうっとおしさの余りに叫んだ、「僕に構わないで、ほっといてよ!」っと・・・
でもエナ姉は、「そんな事言わないで仲良くしようよ、つらい事があれば話して」っとエナ姉は励ましてくれた
今思えば不器用な励ましだった、でもその言葉を通して暖かいものを感じた
だが俺はそんな励ましの言葉が返ってイライラし、憤りを感じた
僕の事何にも知らないくせに・・・何も分かってないくせに・・・
その場から立ち去るように逃げた俺、エナ姉はそんな俺をほっとかずに追ってくれた
しつこく感じた俺は怒りのまま、近くに捨ててあったスパナを威嚇するように投げた
しかし、エナ姉は投げたスパナを避けきれず思いっきり顔面に当たってしまった
エナ姉は苦痛の声を押し殺しながら傷口を抑え、額からは血が流れていた
その時俺はとてつもない罪悪感に襲われた、当てるつもりはなかったのだ
恐る恐る近づき、傷口を撫でるように触った、多分その手を弾かれて嫌われてしまうのではないかと思った
けど・・・エナ姉は笑っていた、俺が傷口を撫でるように触ったのを見ると・・・
俺は慌てながら「何で笑ってるの?僕の事怒ってるんじゃないの?」っと言った
エナ姉は間をおいて、傷口に俺の手を重ねながら言っくれた
――――この傷はね、あなたが私に心を開いてくれた勲章よ、だから心配しないで・・・
その手のひらに感じる暖かさ、優しい言葉、そして尚も優しく向けるその笑顔に、俺は自然に涙がこみ上げてきた
エナ姉の胸の中で、何度も謝りながら泣き続けた、そんな俺をエナ姉は抱きしめてくれた
それ以来俺は心を開き、ご主人と共にいろいろ旅に出た、血縁のない俺を本当の弟として迎えてくれる姉と一緒に・・・

なのに・・・そのエナ姉をこいつは・・・
エナとの思い出がシノの脳裏に浮かび、アンリに対する憎悪を更に強くする
「エナ姉を・・・!!」
アンリを睨みながら目から涙を流し、憤怒する
「お前も同じようにしてやるよ、クソガキ!」
「うあぁぁぁぁぁぁぁ、よくもぉぉぉぉぉぉ!!」
シノは怒りの余り、リセオを守ることを一切忘れ、高速移動でアンリにつっぱしる
後ろで呼び止めるリセオの声はすでに聞こえず、ひたすらアンリに突進していく
だが怒りの余り、ただ突進していくシノは技を繰り出さず拳で攻撃しようとしていた
「はんっ!」
シノの攻撃をスッとよけるとにどげりを放つ
「ぐわぁぁっ!?」
胴体の真横をもろにくらったシノは勢いで大木に衝突する
頭からぶつかり、大木にもたれかかるように腰を落として気絶してしまった
「シノ!?」
リセオの呼ぶ声にシノはピクリとも動かない、アンリは気絶しているシノに近づく
殺気だった表情は以前変わらず、大木で気絶しているシノを見やる
「もう気絶したのか、まぁいいや、じっくりといたぶってやるか」
「えっ・・・そんな!?」
シノはすでに気絶している、それなのに更に攻撃しようとするアンリに絶望の表情を浮かべる
一瞬リセオの方に顔を向けると笑みを浮かべる、シノに再び向き直ると体を強く蹴り上げる
蹴られ衝撃で一瞬呻き声をあげるが、すぐに静かになる
動けない相手にまた蹴りを仕掛けようとした時、後ろから声がかかった
「アンリ~、そっちはもう終わったの?」
振り返ると、さっきまでラグジーと戦っていたフレムの姿があった
リセオの背筋が凍りついた、ラグジーと戦った彼女は多少傷が目立つものの全く余裕そうだ、多分彼も・・・
「なんだ、フレムの方もう終わったんだ」
「うん、ちょっと強かったけどね、アンリもその様子だと苦戦した?」
赤く腫れているアンリの横顔を見てフレムが悟る
「まぁな、少してこずったけどアイツの始末は終わったさ、後はこのガキに少しお仕置きしてやるのだな」
そう言いうとシノの体を前足で荒い蹴りでひっくり返と意識の無い顔があらわになる
「ふふ、どんな風にいたぶってやろうかなぁ?」
ナリアに大分待たされて溜まった欲求不満、さらにそれを邪魔されたあげく顔を傷つけられた怒りがエナに対する怒り
もちろんシノも例外ではない、あの時侮辱された言葉がよみがえる
「や・・・やめてください!!」
リセオは思わず叫んだ、自分のせいでシノが傷ついていく姿を見たくなかった
これ以上シノを傷つけてほしくない思いがアンリを呼び止める
「ん?」
「お願いです・・・もうやめてください・・・」
怯えるような声・・・体を震わせながらアンリに向かって言う
しかしアンリは不敵な笑みを漏らすと言葉を返す
「駄目だね、お前も逃げようとしたじゃないか、こいつには舐められた分のつけを返さないといけないしねぇ?」
リセオの頼みを拒絶するとまたシノを足蹴する
「そうだよね~、ほんと言うと僕も少し怒ってるんだよ、リセオちゃん?」
口元を押さえて笑うが、目はリセオを睨みすえる
ラグジーを火炎放射で倒した後リセオを見に行ったらいつの間にかいなくなっていた、焦ったフレムは森中を探し回っていたのだった
せっかくの楽しみに逃げられて、探し回りながら怒りを感じていたのだ
フレムの怒った目にリセオはビクつく
「そ・・・その・・・ごめん・・・なさい・・・」
力ない謝罪の言葉を発するも、フレムは許す様子を見せてくれない
「このガキを始末したらリセオにもお仕置きしてやらないとねぇ・・・フレム?」
「うん、リセオちゃんは僕が見張るからさ、早くすましてよ」
フレムが言うとアンリは電気をおび、無意識のシノに10万ボルトを浴びせようとする
するとリセオは無我夢中で駆け出し、10万ボルトを放つ寸前のアンリの前に飛び出す
リセオの行動に驚いたアンリは電気を抑え、攻撃を中断する、あのまま放っていたらリセオにもあたるところだった
何も考えず、突っ走ったリセオは息を切らしながら口を開く
「ハァ・・・ハァ・・・お願い、何でも言うとおりにします・・・だから許して・・・」
責任感がリセオを突き動かした、シノを心配するあまりにリセオは本望でない事を口にした
お願い・・・もう彼らを傷つけないで・・・罰は受けるから・・・
「へぇ~、何でも言う事聞いてくれるんだ・・・」
リセオの言葉に思わず笑みを浮かべる二匹
「リセオちゃん、それ本当?」
リセオは小さく頷いた、フレムはニコッと笑うとアンリに囁きかける
「アンリ、リセオちゃんもああ言ってるんだし、ちょっと場所変えてさ・・・・・・」
「そうだな、お仕置きも混ぜてたっぷり楽しませてもらうか」
フレムに同感するとシノから離れる、リセオはホッとした表情を浮かべるが・・・
「フフ、それじゃちょっと来てくれる?」
リセオの首元を銜えるとアンリは高速移動でその場から移動する
「うわぁっ、シノ!!」
それに続きフレムも着いてくる、リセオはシノの名を呼ぶが気づいてはくれない、シノを置き去りにして暗闇の森を進む・・・

やがて何処だか分からない広場に着いた
広場と言っても周りの暗闇は相変わらずで、そこが広いと言う事だけは分かる
そこでリセオは降ろされ、困惑した表情を浮かべる
「あ・・・」
フレムとアンリが近づいてくる、リセオを逃さないように前後からはさむ
「はは、ようやく3人だけになったね」
「ここなら誰にも邪魔されないですむだろ」
この二匹と一緒・・・リセオはそんな不安になる
「でも、シェアリーとナリアはどうする?」
「ん~、本当なら待ってやりたいとこだけどさ・・・いい加減俺も我慢の限界なんだよね」
色っぽい笑みを浮かべ、その視線をリセオに向ける
「そうだね~、あそこも濡れてきちゃったし、そろそろしたいよ・・・
 ねぇアンリ、リセオちゃん泣かしちゃう?」
「いいよ、俺達でリセオをお仕置きしちゃおっか」
「・・・っ!」
お仕置き・・・その言葉がリセオの背筋を凍らす
ナリアに言われた事を思い出し、いっきに体が震えだす
顔を横に振りながら後ずさるが、後ろにいたフレムに体を抑えられ
「だ~めだよ、逃げちゃ」
「ちょっと教育しないといけないなぁ、こういう子はさ・・・」
「そうだね~、何でも言う事きくっていったしね」
怪しく微笑み、顔から耳元にめがけて舌を走らす
フレムの厭らしい舌の動きにビクっと反応する
「んふ・・・久しぶりにリセオちゃんと出来るんだし、じっくりと・・・ね」
「今までさんざん待たせたんだ、ちょっとやどころじゃ済まないかもねぇ」
「ふぁ・・・」
アンリの顔が唇に当たりそうなくらい近づいてきた
「あいつらには悪いけど、先にやらしてもらうか」
その言葉の次に、リセオと唇を重ねる
「んむ・・・んん・・・!」
「んふ・・・あむ・・・んん・・・」
正面から唇を重ねられて驚きの表情を浮かべ、目を細めたアンリの柔らかい唇を受とめる
「ふふ、んじゃ僕も・・・ペロッ・・・」
後ろにいたフレムはリセオの背中を厭らしい舌の動きで滑らす
「ひぅ…んんっ・・・!」
背中にツーと伝う舌の感覚に驚き、体が震わす
「ペロッ・・・んふふ、女の子みたいな体だねぇ」
リセオの体つきを見てまるで雌みたいな目で見やる、これで雄なのだから驚くも愛らしい
背中を走る舌は首を目掛けて移動し、愛撫する
「ん・・・んふぅ・・・」
フレムの愛撫にビクッと反応する、
「ンチュ・・・ンッ・・・チュッ・・・レロ・・・」
愛撫に耐える中、今度はアンリの舌が口内に侵入してきた、まるで探るように舌で唾液を絡める
目線はリセオを見つめ、リセオもその視線を受けるが、とても恥ずかしそうに目線を反らす
リセオのしぐさに少しだけ不満そうなアンリは前足をリセオの後ろ首にまわすと強く引き寄せ、熱い口付けをする
「んむ・・・!?」
「ふふ、大胆だなぁ、僕も~」
二匹の濃厚なキスを見て興奮するフレム、するとリセオにもたれかかり後ろから股を探るように前足を伸ばす
伸ばした前足はリセオのモノを包むように掴むと、まだ小さい二つの玉を揉みしだく
「んんっ!!」
フレムが自分のモノを揉んでいるのに驚き、叫び声が漏れる
「ん~、まだ小さいかな~」
そう言いつつも前足はリセオの玉を優しく、器用に揉む
厭らしい揉み方に奇妙な感覚にとらわれる、嫌なあまり首を振ろうとするがアンリに顔を固定される
なすすべもなく、嫌・・・むしろこうなるのは覚悟していた
「クスッ、気持ちいい?リセオちゃん」
返答の出来ないリセオに悪戯な笑みで聞く、前足は尚も揉むのを止めない
以外に感触の良く、思わず強く握りたくなる
逸物とは違ってそんなに大きいわけでもないのにあんなにいっぱい出してくれるんだから信じられない
思っているうちにフレムの揉む速さは増していく
「ん・・・んん・・・!!」
ナリアにさえ弄られた事がなく、恥ずかしさと快感で声が漏れる
するとアンリは一回口を離す、銀色の糸を引きながら不適な笑みを浮かべながら言う
「ほらぁ、気持ちいいんだろ、我慢しないで叫んでみなよ」
「ふぅ・・・や・・・だぁ・・・」
「何が嫌なのぉ?気持ちいいくせに」
意地をはるリセオを面白そうに見つめるフレム
・・・確かにフレムの言うとおり揉まれるたびに刺激され、顔は赤くなり、息も荒くなる
自分が感じている証拠だ・・・
「僕ね、他の雄とエッチする時はいっつもこんな事するの、そしたら大抵の雄は気持ちいいって言うんだよ」
「へ~、お前もそんな風に出来るんだ、こりゃいいからもっとしつけてやろうよ」
アンリの言葉にフレムが同意する、すると揉んでいる手を休めずにリセオの後ろに移動する
「・・・可愛いお尻、いっぱい汚してあげるね」
邪魔な尻尾をどかし、何だか分からないリセオの後ろでフレムが舌を肛門にあて、そのまま掘るように舌を突き出す
「ん・・・レロ・・・」
「ひゃあぁぁ!」
あまりの出来事に体がすくみ上がる、すぐに飛び出そうとするが、アンリによってまた体を抑えられる
掘るように突き出す舌はグリグリと回すように愛撫する
初めてで、しかも強烈な感覚に思考がマヒしかけながら何とか口を開く
「ん・・・やぁ・・・駄目ぇ・・・汚い・・・よぉ・・・」
「ペロ・・・フフ、リセオ君のだったらだいじょーぶ、もっと舐めたいよ」
そう言いつつ舌は更に掘り進み、進入するたびにリセオは強い快感で叫ぶ声を抑えきれず漏れる
「ひぃぁ・・・あうぅ・・・止め・・・てぇ・・・」
「駄目だねぇ、俺達のお仕置きはこんなもんじゃないよ、もっと反省してもらわないとなぁ?」
フレムに代わってアンリが言うと、リセオは絶望するような表情を浮かべる、さっきまでの覚悟はどこにいったのやら・・・
・・・まぁいいや・・・もっとお仕置きしてやればいいんだから
「ん・・・そうだねぇ、いっぱい泣かしてあげるからぁ・・・レロ・・・チュク・・・」
その言葉の後に舌は更に進入をさせる、フレム自身もかなり興奮しており、遠慮なく舌を激しく突き動かす
「いやぁ・・・ふうぅぅ・・・あぅ・・・!」
絶えながらも叫ぶリセオの声がアンリとフレムを興奮へと誘う、もっとしてやれ・・・もっと・・・
アンリの期待の目に答えるようにフレムは揉む手と舌を同時に愛撫する
「んふ・・・レロ・・・ンプ・・・レロ・・・」
「や・・・やだぁぁ・・・許し・・・てぇ・・・」
許して・・・リセオがその言葉を口にするたびに許そうとする気がしなくなる
逆にもっと責めてやりたい、その顔を涙で愛液でグチャグチャにしてやりたくなる
そんな想像をするとアンリは我慢できなくなり、体を抑えながら顔をリセオの耳に近づき
「駄目、許さないよ・・・はむ・・・」
甘い声が混じった声を発すると同時に耳を甘噛みする
「あぁ!・・・だ・・・めぇ・・・!」
フレムの愛撫を耐えるだけでも精一杯なのに、性感帯である耳を愛撫され、耐えられない
リセオの言葉を無視し、自分の欲求のままに歯を立て、唇に挟んだり噛んだりを繰り返す
「うっ・・・・・・ひぃぁ・・・・・・」
敏感な耳を刺激され、甘い声が漏れる
震える体は快感によってじょじょに収まるが、目のおびえは収まらない
「んふ・・・あむ・・・ここ弄られるの・・・好きなんだろ?」
「ひゃ・・・ちが・・・う・・・」
「レロ・・・んふふ・・・嘘ね、だってこんなに硬くしてるんだもん」
逸物を掴む、その硬さにうっとりさせると今度はそれをしごきだす
「んぁ・・・ひっ・・・あぁ・・・そんな・・・うぁぁ・・・・・・」
アナルと同時に逸物をしごかれ、呼吸はますますあらくなる・・・
「ペチャッ・・・ピチャ・・・んん・・・レロ・・・」
「・・・はぁ・・・はむ・・・ペロッ・・・あむ・・・チュッ・・・」
愛撫を続けるうちにアンリとフレムも興奮が高まり、よりリセオを快感の渦に引き寄せる・・・
「ひゃぁっ・・・耐え・・・れない・・・こんなの・・・おかしく・・・なっちゃう・・・」
「ペロッ・・・ふふ、おかしくなっちまえよ・・・俺ももうおかしくなってるしさぁ・・・」
目はトロンとし、本人も気づかずに不適な笑みを浮かべ、耳を唾液で汚すように舐めまわす
リセオの悶える姿に正常な思考は欲望に負けて、アンリは欲望のままにリセオを弄る
フレムも例外でなく、リセオの声を聞くうちに顔は赤くなり、アナルをいっそう激しく責めたてる
「んむ・・・ペチャッ・・・レロ・・・レロ・・・可愛いよぉリセオちゃん・・・もっと苛めてあげる」
渦巻く欲望に身をまかせ、欲求を満たそうと逸物を激しく上下に動かす
「あっ!いやら・・・そんな・・・激しくしな・・・ひぅ!」
「激しくしちゃうもん、リセオちゃんがいけない子だから・・・」
「ふふっ・・・カチカチじゃんか、こんな目の前にしたら我慢なんて出来るわけないじゃん・・・」
愛撫だけで二匹の興奮は頂点に達していた
その端整な顔を汚せたらどんなに気持ちがいいか、いや汚すだけでは飽き足らない・・・
「ねぇアンリ、そろそろ気持ちよくしてもらわない?あそこが熱くなってきちゃった」
「ん・・・そうだなぁ・・・いっぱい気持ちよくしてもらおうじゃん」
するとしごく手を止める、だが乱れた呼吸を整えようとするリセオを待ってくれず、二匹に仰向けにされる
「あぅっ・・・!!」
仰向けにされ、膨張した逸物があらわになる
うっとりと見つめるフレム、その隣で薄笑いするアンリの二匹にまじまじと見つめられ、恥ずかしさが頂点に達する
「わぁ・・・やっぱりリセオちゃんの大きいねぇ・・・」
「これでみんながエッチしてさ、リセオはワーワー叫んで泣いてたもんなぁ」
「うん、僕リセオちゃんの顔見ながらエッチしてたから、可愛すぎて攻めまくったよ」
「そんじゃあの時みたいにしちゃうか?」
アンリの意見に満面な笑みで同意する、その反対にリセオは背筋に冷たいものを感じた
仰向けのまま体が震える・・・何度も射精をさせられ、あまりの疲労感で気絶するも、その度に起こされては休みなく繰り返されるあの夜・・・
怖い・・・あの時のようにされたら自分自身が分からなくなってしまう・・・
あの時フレムに無理やり食わされた赤いハート型した木の実の味が蘇る・・・甘酸っぱく奇妙な味が・・・
怖い思い出に浸っているうちにアンリがいつの間にかリセオの後ろ足を抑えている、フレムはカバンを置いた大木へと走る
暗闇と言う条件の中、迷わず自分のカバンを見つけ出して中をガサガサとあさる
「んっと、これとぉ~・・・あった!」
目当てのものを見つけ、カバンを首に掲げアンリのところへ戻る
「セイカンの実持ってきたのか?」
「うん、この前より少ないけど僕達には十分な量だよ」
「ん?僕達って・・・リセオだけに使うんじゃないのか?」
疑問な表情を浮かべる、するとフレムは色気交じりに答える
「どうせだからさぁ・・・僕達も食べちゃおうよ・・・とても気持ちよくなるしさ・・・」
カバンを探り、赤いハート型の木の実の他に、丸い形をした濁ったピンク色の木の実がチラついた
アンリはハッとし、やがて目つきを変える
「へぇ・・・俺達も狂えって事か・・・」
フレムを睨むが、敵意は感じられない・・・いや、むしろ笑っている・・・
濁ったピンク色をした木の実―――確かにこの実を食べると性欲が膨張し、より快感を得ることが出来る・・・しかし
「けどいいのか?俺達もどんな風になるか分からないんだぞ?」
今一度フレムに問う、だがフレムの表情は変わらない
「いいじゃんお仕置きだし、それに2週間も溜まってるから思いっきり楽しみたいもん」
その言葉の最後に『狂いたいほどに・・・ね』と冷たく言い放つ
「・・・!?」
リセオはゾッとした、少女のような顔つきは変わらないが・・・何故かその表情が恐ろしく写る
「まいっか、そんじゃそれとってよ」
フレムがアンリにセイカンの実と呼ばれたハート型の木の実を渡す、口に含んだまま仰向けのリセオに口移しする
「んむ・・・」
「んん・・・んむ?!」
口内で押し出すようにリセオに与える、だが驚いたリセオは食べようとはしない
「おいおい、せっかく口移しであげたのに何で食べないんだよ?」
「何でも言う事を聞いてくれるんでしょ~?早く食べてよ~」
「むぐ・・・」
うなるだけ、首を横に振る
「言う事を聞かないとあのシノってガキがどうなっても知らないぞ?」
脅すような口調で語る、多分シノのことを言っているのだろう、そう悟ったリセオは覚悟を決める
けど本当は嫌だ・・・これを食べたらまたおかしくなっちゃう・・・でもシノを助けるために何でも言うことを聞くと言ってしまった以上食べるしかない・・・
困惑しながらもそれを恐る恐る食べる、まるで言葉と言う催眠術にかかったように・・・
「ん・・・モグ・・・モグ・・・・・・ゴクン・・・」
それを頬張るとすぐに飲み込む、あの時の甘酸っぱい味が舌の中に広がる
思い通りに食すリセオを不敵な笑みで見つめる・・・やがて
「うぅ・・・」
小さな唸り声を上げる、食べてからまだ1分程度しか経ってない内に体が急激に熱くなり、息が乱れる・・・あの時のように・・・
リセオの状態を確認すると二匹はリセオのとは違う濁ったピンク色の実をかぶりつく
「モグ・・・モグ・・・ちょっと甘いな・・・」
「うん・・・ゴクン・・・よし!」
食べ終わったると舌をジュルリと舐め、リセオに近づき
「ふふ、再開ね・・・」
フレムの掛け声と共にアンリがリセオの股間に顔を持っていくと、熱く膨張しきった逸物に舌をすべらす
「ふぅん・・・めちゃくちゃ気持ちよくしてやるよ・・・あむ・・・チュル・・・」
唇で咥え、小刻み先端を上下にしゃぶる、柔らかい唇の感触が逸物に伝わりリセオの体がビクッとはねる
吸い付くように先端を刺激する、しびれるような快感が襲う
「ひぃ・・・ぁ・・・うぁ・・・!」
先端を愛撫されただけなのに、強い刺激がほと走る、木の実のせいだ・・・体中が熱い・・
小刻みに動かれる度に抑えられない甘い声が漏れる
「へへ・・・気持ちよさそう~・・・」
見つめた視線の先を、リセオの前足に向ける
じょじょに顔がほて始めるフレムは前足を自分の秘所にあてがう
「リセオちゃん・・・僕のも気持ちよくしてぇ」
ねだるような声色でリセオに欲求する、あてられた前足はフレムの愛液でベタつく
「ふぇ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
アンリのフェラで頭がいっぱいなのだが、フレムを無視する訳にもいかず、多少ためらうが体が欲求しているせいで息を荒くしながらも前足を小刻みに動かす
すでに愛液で溢れていた秘所は動かすたびにグチュグチュと淫靡な音を立てる
「あっ・・・ひゃん・・・リセオ・・・ちゃん・・・気持ちいい・・・」
溜まっていた分、敏感になっていた体は少しの事で大きな快感を得る
「んぷ・・・いい子だ・・・チュル・・・チュプ・・・」
上目遣いでリセオを見る、自分のフェラで息を荒くしながら必死に声を抑えようとするリセオの表情が愛らしく見える
それを見つめながらアンリの中で熱いものがジワーッと広がっていくのが分かる
もっと苛めたい・・・もっと・・・もっと・・・
「あん・・・もっと奥に・・・入れてぇ・・・あそこ・・・熱いの・・・」
リセオの愛撫を物たりなさそうにフレムは息を荒くし、さらに欲求する
だがそれだけではない、フレムの中で歯止めがきかなくなるほどに欲望は大きくなっていく
それはフレムの僅かに残っていた理性すら食い尽くそうとしている
「んふ・・・ンチュ・・・チュプ・・・チュツ・・・チュッ・・・」
アンリも例外ではなかった、先端をしゃぶりつく唇はだんだん早さをましていき、表情は赤くなり始める
興奮のあまりに鼻息は荒くなり、秘所からは愛液が溢れ、後ろ足に伝っていく
リセオはセイカンの実で敏感に感じながらも、うすうす感じていた
フレムとアンリの様子が少しおかしい・・・さっきまで自分を物ほしそうにしてた目とは違う
まるで・・・雄に極限にまで飢えた雌のような目をしている
「はぁ・・・リセオ・・・ちゃん・・・はぁ・・・もっと激しく・・・はぁ・・・動かしてぇ・・・!!」
フレムの目は光を失い、リセオに更に動かすように要求する
訳が分からず、望みどおりに指を奥にいれ、さっきより激しくいじくる
「キャァ!・・・あ・・・あん・・・僕の・・・あしょこ・・・グチュグチュ・・・言って・・・るぅ・・・!気持ちいい・・・もっと・・・弄って・・・!!」
生気のない目で、口元は快感に喜ぶ笑みを浮かべる
フレムの要求どおりに指の動きを激しくするが、アンリのしごきに耐えながらの愛撫は性行為に慣れていないリセオにとって難しい
「んぷ・・・おっきい・・・太くて・・・熱い・・・チュプ・・・チュク・・・」
尚も欲求が膨らみ、鼻息は荒くしながら、抑えられない欲求を満たしたくリセオの逸物を根元まで咥え、更に激しくしごく
「くぅぅ・・・やら・・・そんな・・・はげひく・・・しちゃ・・・変になっちゃぁぁ・・・」
容赦ない快楽攻撃に、まともな言葉を発する事さえ出来なくなる
息がフレムとアンリと同じくらいに荒くなる、木の実のせいなのか・・・それとも激しく求める彼女達のせいか・・・
ナリアやシェアリーとは違い、まるで狂ったかのようにリセオを求める・・・
「ん・・・止めちゃだめぇ・・・もっと気持ちよくするのぉ・・・」
じれったくなったフレムは自分から前足を突き上げるように動く
「・・・ンチュ・・・チュプ・・・チュプ・・・おいひい・・・チュプ・・・」
リセオの様子を気遣う様子はなく、欲望のままに絞りつくさんとばかり逸物を容赦なくしごく
飢えた目が逸物だけに視線を集中する、唾液が先走りと絡みあい逸物は液でベタベタになる
さっきまで男勝りな性格とは思えないほど豹変している、まるで人格そのものが変わっているかのようだ
「うあぁ・・・!ぼく・・・だめ・・・でる・・・でちゃうぅ・・・!!」
じょじょに増してくる快感に抑えきれなくなった声は叫びとなって響く
絶叫が近づくのを知ったアンリは追い詰めるように口の動きを早める
逸物をしゃぶる淫靡な音が大きくなり、それと共に絶叫まじかのリセオは頬に涙を伝え、泣き叫ぶ
「ひぅ・・・アンリひゃ・・・らめ・・・出ちゃう!出ちゃうぅぅ!」
「チュクチュクチュプチュプ・・・」
もっと泣かそうとアンリの口の動きを最高速にし、絶叫を迎えるのを待ち構える
フレムはリセオの叫びを心地よさそうに目は潤み、快感を味わいながら自分も絶叫を迎えようとしている
「あん・・・!リセオちゃ・・・僕も・・・きもひいくて・・・イっちゃう・・・!」
リセオの意思とは関係なく出し入れを繰り返す前足はフレムを絶叫へと導いていく
口はだらしなく開き、快感に顔をゆがませる
熱い・・・体が熱いよぅ・・・もっと・・・気持ちよくしてぇ・・・
「ひぃ!ああぁ!もう・・・ウゥッ・・・出る・・・うあああぁぁぁぁ!!!」
「リセオちゃん!僕もぉ!あぁ!ひゃあぁぁぁぁぁ!!!」
同時に二匹は絶叫迎える、暗闇の森の中で絶叫した声がこだまする
リセオの逸物はセイカンの実の効果で子供の量とは思えないほどの量をアンリの口の中にぶちまける
「んぐ!!・・・ん・・・ゴク・・・ゴク・・・ゴク・・・」
勢いよく出る精液を飲み干そうとするが、飲みきれず口の中からこぼれる
口の中で脈を打ちながら精液を放つ逸物をうっとりした表情で飲み込む
「うぅ・・・うぁぁぁ・・・」
木の実のせいで、射精するたびに快感がリセオを襲う
射精してもなおアンリの口の動きを止めず、なおも出続ける精液を最後まで絞るように吸い付く
飲みきれなかった精液は口の外から垂れる
「あ・・・あつい・・・僕のエッチな・・・お汁が・・・リセオちゃんに・・・」
絶叫して飛び散ったフレム愛液は、前足だけでなく顔や体にも付着しリセオを汚した
目の光はいぜん戻らず、荒い息をしながら自分の愛液で汚れたリセオの体を見て満面な笑みを浮かべる
だが体はまだまだ満足していない、横目で逸物を咥えているアンリに目を向け
「アンリぃ・・・僕にも頂戴・・・」
射精がようやく弱まりつつ、アンリの返答も待たず顔を近づけると精液を口の中に含み、フレムに口移しする
「んぷ・・・チュッ・・・」
「ん・・・チュル・・・んぷ・・・」
躊躇なく雌同士で唇を重ねる、まるで自分達の意思が欲望にくわれたかのように・・・
「んはぁ・・・・・・リセオちゃんの精液・・・おいしいよぉ・・・」
「あん・・・俺もう、待てないよ・・・リセオの・・・頂戴・・・」
気迫のない甘い声を発し、射精の収まったばかりのリセオの上にまたがる
そして射精が収まったばかりにも関わらず、飢えた目でリセオを見つめると腰を逸物の上に落としていく
「うぁぁ・・・!待ってぇ・・・まだ・・・出たばかり・・・なの・・・に・・・!」
だがセイカンの実を食べたリセオの逸物はまだ出せると言わんばかりにカチカチに硬い
秘所は逸物咥えるように沈み、ヌルヌルな膣が逸物を締め付け、敏感に反応する
「うあ・・・ん・・・こんなにカチカチにしてるくせに・・・」
「あぅ!ちが・・・う・・・こんな・・・!!」
セイカンの実のせいなのか・・・出したばかりの逸物は激しい刺激が走る
快感のあまり目は涙を浮かべるも首を振って否定する、だがアンリは言葉を聞かず、腰をゆっくり動かして快感を味わいながら厭らしい笑みを浮かべる
リセオ自身もアンリとの性行為に期待しているのか、感情は嫌がるも、体は求めている
「ずるいよぉ・・・アンリぃ・・・」
締まりの無い口から唾液をたらしながら不満そうに言う
フレムの言葉を無視し、笑みを浮かべながら腰を動かし、快感を味わう
「あっ!あつい・・・!いい!気持ちいい・・・!」
「ぐぁぁ・・・そんな・・・熱いよぅ・・・!」
荒い息をつき、きつく締め付ける膣に耐えながら叫ぶ
涙が頬を伝い、アンリの顔が歪む
時間の経過と共に腰の動きは早くなり、アンリの呼吸は厭らしい叫びと共に発せられる
「はぁ・・・!いい・・・熱いぃ!・・・はぁ・・・はぁ・・・リセオの・・・硬くて・・・熱くて・・・いいよ・・・」
快感が沸き起こるたびに声が漏れ、相手の状態を全く気にすることなく自分の欲望のまま体が自然に動く
繋がっている所が出し入れを繰り返す度に愛液溢れる
「あっ・・・あぅっ・・・ら・・・めぇ・・・あつい・・・よぉ・・・」
木の実の効果がより快感を生み、意識が遠のいてしまうほどの快感におぼれる
涙が溢れ、叫ぶ口から唾液が垂れるのもリセオ自身気づかないでいる
嫌なのか・・・それとも嬉しいのか・・・自分が今この状況をどう思っているのかさえ今のリセオには考えられない
「あっ・・・あぁっ!・・・気持ちよすぎる・・・もっとぉ・・・はぅ・・・ほしぃ・・・!」
快感のあまりアンリは乱れ叫ぶ、目は涙を浮かべるが、本人は気づいていない
さらに快感を得ようと高速移動を自然に使い、腰の動きは更に加速する
繋がっているところから愛液が溢れ、淫靡な音を激しく立てる
もはや誰が見てようと全く気にならないほど快感におぼれる
フレムはイったばかりの秘所から愛液が垂れ落ち、ものほしそうな表情でリセオを見つめる
「ほしい・・・僕も・・・ペロッ・・・レロッ」
たまらず、フレムは抑えられない欲望に負けて耳、涙や愛液で汚れた顔を舐め取り、欲求を満たそうとするが、かえって欲求は膨らむばかりだ
厭らしい舌が顔を舐めるのが分かる・・・
フレムの顔がまじかにあらわれ、理性の無い目でキスしたり耳を愛撫するなどを繰り返す
「んはぁ・・・あぁっ・・・ひぐっ・・・ふぁ・・・あっ・・・!」
「あん・・・いい・・・あぁぁぁっ・・・!!ふぅ・・・ふぅ・・・リセオぉ・・・壊して・・・あげる・・・」
溜まった分、絶叫が早く訪れた
だが体は満足しておらず、腰の動きは止まるどころか高速移動で更に早く打ちつける
射精したすぐ後のうえ、きつく締め付ける膣のせいで快感だけが襲い、甘い声で意識が薄いリセオに恐ろしい事を口走る
フレム同様光の無い目をしているアンリはリセオを追い詰めるように体を乱暴に抑える、そしてリセオには耐えられないくらいの激しくピストン運動を行う
「うああぁぁぁっ・・・!そん・・・な・・・ぐぁ・・・らめぇぇ・・・」
淫靡な音が五月蝿く響く、互いの叫ぶ声もが響き渡る
「リセ・・・オ・・・気持ち・・・いいぃ・・・もっと・・・もっとあつく・・・あぁっ!!」
体力の無い13のイーブイに加減することなく、壊す勢いで責め続ける
この攻めから逃れる術はなくただ感じながら泣きじゃくる
「ひやぁぁぁ!!あんりひゃぁ・・・らめ・・・ゆるひ・・・へぇ・・・」
もはや言葉はまともに喋れず、涙が止め処なく溢れ、視界が何が写っているのかさえ、今のリセオには理解不能でいた
2度3度・・・絶叫を繰り返すアンリ、だがその度に腰の動きは衰えを見せず増していく・・・
「うあぁぁっ!らめら・・・で・・・ひゃう・・・でひゃうぅぅ!!」
ようやく絶叫が近づき、アンリは3度目の高速移動でリセオを締め上げる
「あぁっあっ・・・いく・・・!いくぅ!いっぱい・・・出・・・せ!あぁっ!!」
リセオ同様涙が頬に伝い、快感に喜びの笑みを浮かべる
ピストン運動を可能な限り早く動かし、絶叫を迎える
「もう!らめぇぇ!こわれるぅぅ!うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「あっ!!いいっ!!俺・・・もう・・・!あぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!!」
 ドク・・・ドク・・・ドク・・・ドク・・・ゴプッ・・・
ありったけの声で暗い森の中絶叫を迎える二匹、先ほどのフェラでイったばかりとは思えないほどの量がほとばしる
繋がっている所から精液が勢いよく溢れ出る
「あぁぁぁぁ・・・!!」
射精の快感に声が漏れるリセオ、子宮を精液で満たし、アンリのお腹がポコッと膨らむ
涙を拭うこともなく息を整えながら、自分の中に流れてくる精液の量に満足そうな笑みを浮かべる
「はは・・・すごいよリセオ・・・俺の中・・・こんなに・・・」
そう言うと逸物をゆっくりと抜く、すると栓をしていた逸物が離れ、精液ががドロッと落ちる
横でずっと息を荒くしながら見ていたフレムが薄っすらと笑みを浮かべ
「はぁ・・・はぁ・・・次・・・僕だよ・・・」
カバンの中から適当にセイカンの実を口に咥え噛み砕き、無理やりリセオ口移しで食べさす
「ハァ・・・ハァ・・・んん・・・!!」
拒絶しようにも、叫び疲れていた口は押し返す余裕なく、押し込まれるまま飲み込んでしまう
再び甘酸っぱい味が疲れた舌の中に広がる
フレムは口移しするだけでなく、リセオに悪戯な笑みを浮かべると舌を弄ぶように絡める
飲みきっていないセイカンの実の味がリセオの舌を通じてフレムにも伝わる
「レロ・・・チュク・・・チュク・・・レロ・・・んふぅ・・・」
「んぅ・・・ヒグッ・・・」
成すがままに唇を奪われ、目は涙を流す
泣きながら自分の唇を受け、フレムは更に強い興奮を覚える
理性の無いフレムは躊躇する事無く、舌と唾液を絡める
「チュル・・・チュク・・・チュク・・・はぁ・・・可愛い・・・」
やがて唇を離し、冷めない興奮のまま、涙が伝っていた頬に厭らしくキスをする
再びリセオは体が熱くなるのを感じる、セイカンの実の効果が彼を襲う
「うぅ・・・熱い・・・もう・・・やだ・・・許してぇ・・・」
「駄目~、僕アンリが終わるまで我慢してたもん・・・だから今度は僕がリセオちゃんを壊すまでしてあげるねぇ」
壊れると言う事がどんな意味か分からなかった、しかし自分自身が壊されるなんて・・・想像するだけで恐怖する
逃げようと思っていても疲れた体は逃げる余裕などなく、ただ性に身を委ねるだけでしかなかった
隣で寝そべりながらアンリが厭らしい笑みで見つめる
「うふふ・・・リセオちゃんきてぇ・・・」
満面な笑みを浮かべる、そして体を仰向けにし、隠す様子もなく愛液で溢れた秘所が見える
リセオは体を起こし、驚きながらフレムを見つめると、心臓の鼓動が高く鳴り出す
どうしよう・・・胸がドキドキする・・・でもこれはあの実のせいだ・・・絶対にそうだ!
綺麗な紅色の毛皮に少し童顔な顔、おまけにスタイルのいい体がリセオを求めている・・・
魅了するそのボディにリセオは見とれてしまう、だがそれは一瞬の事
すぐさま首を振って求めてくるフレムに後ずさろうとするが・・・
「ほらぁ、待ってるじゃんか」
後ろからアンリがリセオの首を咥えるとフレムの上に覆いかぶせるように落とす
「うわぁ・・・!」
暖かい毛皮が顔にめり込み、大事そうに、また逃がさないように抱きかかえる
「んふ・・・やっと来たね・・・今度はリセオちゃんからしてよ」
「・・・?」
フレムの言葉通りにアンリがリセオの腰を押さえつけ、逸物を秘所の中にねじ込ませる
「ん・・・あぁぁぁ!?」
「ひゃん・・・!リセオちゃんの・・・入ってくるぅ・・・」
逸物が挿入される度に、卑猥な音が森中に響く
「んぁ・・・すごく・・・気持ちいい、ほらぁ・・・リセオちゃん・・・動いてぇ・・・」
潤んだ生気のない目がリセオを誘う
「ううん・・・駄目・・・体が・・・」
休みもなく、次をしろと言われても体は疲れて動けない
だが自分の意思が沸き起こる欲望に負け、疲れを休めることなく自分から腰を振る
「あっ・・・いいよぉ・・・あっ・・・あんっ・・・」
「うぅっ・・・あぁ!!」
快感の波が再びリセオを襲う、彼女に顔を舐められながらこの快感に酔う
もはやリセオにも理性はなく、実の効果で自分から快感を求めるまま打ち付ける
「んぁ・・・ペロッ・・・あん・・・上手・・・だよ・・・もっと・・・激しくして・・・」
テクニシャンでもないが、ただ熱くなった逸物をフレムにぶつける度に卑猥な声をあげる
息は乱れ、膣は逃がさんばかりに締め付ける
「うあぁ・・・きつくて・・・熱くて・・・もう・・・」
「はぁ・・・あんっ・・・奥に届いて・・・気持ちいい・・・」
再びリセオの目に涙が伝う、枯れたかけた瞳は最後の一滴まで流そうとしている
それに伴い、打ち付ける逸物は激しく、子宮にまで届く
ジュクジュクと、激しくなるにつれ淫靡な音も強く響く
「すごい・・・リセオちゃん・・・うますぎて・・・僕・・・おかしくなっちゃう・・・!」
フレムもまた、木の実の効果で数倍の快感に実をよじらせる
しだいに彼女も自分から腰を動かす
「うぐぅ!・・・フレムさ・・・うっ!!」」
「あぁ!僕もぅ・・・イっちゃう・・・あぁぁぁ!」
一度や二度と絶叫を繰り返す、それでもリセオの腰の動きは衰えることなく、フレムも自分から腰を動かすのをやめない
だがリセオの疲れた体はこれ以上早く動かす事が出来ない
それでもなお息を切らしながら腰を打ち付ける、まるで誰かに操られているかのように・・・
吐息で口の中はカラカラになり、目は焦点があわなくなっていた
「はぁ・・・あつひ・・・はぁ・・・ひぁ・・・もう・・・!」
「うふふ・・・ん・・・そろそろ・・・あっ・・・イっていいよ・・・だから・・・僕も・・・イかしてぇ・・・」
再度絶叫が近づく、快感によがるフレムはリセオをきつく抱きしめる
そして互いに激しく腰を振り、疲れを忘れるほどの快楽を受ける
「あぁ!あついよぅ・・・きつい・・・らめぇぇぇ・・・ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」
「あん・・・いい!いいよぉ・・・あっ・・・あっ・・・リセ・・・イく!イくぅぅぅぅぅ!!
 ビュクビュク・・・ドクンドクンドクン・・・
リセオの3度目の絶叫
快感に慣れたのか、口を開くだけで叫び声はあげない
アンリの時とほとんど変わらない量を子宮に叩きつける、ドクンドクンと脈がうっているのが分かる
「あぁぁ・・・リセオ・・・ちゃんのせーえきが・・・僕の中に入ってくるよぉ・・・気持ちいい・・・」
息を切らした甘い声も、リセオには届かない
絶叫した瞬間、彼は今まで忘れていた疲労感がドッと現れ、体を微弱に震わせながら流れる涙を拭おうともしない
「・・・・・・・・・・」
リセオの体じゃ耐えられないほどの疲労感が体中に駆け巡り、逸物を抜かず、やがて光を失った目を開けたまま気絶してしまう
それでもなお、射精は収まらず、フレムの子宮を満たし、繋がっている所からとめどなく溢れ、地面にボタっと落ちる
「んふ・・・気絶しちゃった?」
「はぁ・・・はぁ・・・そうみたいだね・・・でもさ・・・僕これだけじゃ満足できないよ・・・」
フレムの言葉を疑問に思うこともなく、むしろ自分もそうだと言いたげにコクンと頷く
気絶しているリセオに二匹は物足りないさそうな表情を浮かべ、アンリが体に触れ、軽い電気ショックを浴びせる
「ウッ・・・!!」
電気ショックで目覚めたリセオはゆっくりと目を開く
「ふふ、これくらいで気絶するなよ、もっと遊ぼうよぉ」
・・・何で・・・僕は十分にしたち・・・まだするの・・・?
驚く表情を隠しきれないリセオにアンリは分かりきったことをつぶやく
「いったじゃん・・・壊してあげるってねぇ・・・」
怪しい笑みを浮かべ、リセオの顔を舐める
「えへへ・・・僕達がリセオちゃんを壊れるまで気持ちよくしてあげるよぉ・・・」
「ひぁ・・・・・・やだ・・・・・・もうや・・・ングッ!?」
拒絶する言葉をさえぎられ、あの実を口移しされ、アンリが再びのりかかる
欲望の虜になったアンリとフレムの二匹の終わらないパーティが再開される
三匹以外、誰もいない暗闇の森の広場で、淫らな声が再び響いた

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ふぅ・・・みんなどうなったのかなぁ・・・」
一匹、大木に身を置き、何も出来る事なくただ溜め息をはくばかり
ナリアは反省した・・・自分の後をつけるポケモンに気づかず、さらに自分がいない間、友達バトルしていたのだ
リセオと楽しむつもりが、とんだ茶番劇になってしまった
多分怒ってるだろうな・・・みんな・・・
「はぁ・・・」
不甲斐ないうえ、迂闊な自分に叱咤したい
そういえばリセオはどうしたんだろ・・・思わずアンリに呼びかけたのはいいけれど・・・
リセオの事を気遣いながら、あの四匹の安否を願う
知り合ったばかりとはいえ、私をマッチを救ったポケモンとして尊敬され、親しんでくれた・・・出来ればあのついてきた4匹も無事でいてほしい
とは言え、シェアリー達の実力を知っているナリアだけにあって、その望みは薄い・・・
その時、どこからか走る足音が近づいてくるのが分かる
ナリアは身を起こし、その足音のする方向を向くと大木の横からガバッと飛び出す
美しくなびく水の色をしたポケモン、シェアリーだ
「あ・・・シェアリー・・・」
「あ・・・シェアリー・・・じゃないでしょ!」
綺麗な顔に似合わず、顔を強張らせ、荒いと息を吐きながらナリアを睨む
ナリアがシェアリーの体を伺うと、いたる所に傷がある
「んもぅ!あんたは何てあんな面倒なのに着いてこられるのよ!!」
怒りの罵声をナリアに向ける、そうとう興奮しているようだ
シェアリーの態度にたじろくが、ナリアは笑ってなだめようとする
「あ~・・・ごめんね、まさか後を追うなんて思ってなかったの・・・はは・・・」
適当に思いついた言葉がこれだ、その言葉がかえってシェアリーの怒りを買う
「エスパーでしょあなた、それくらい気づきなさいよ!」
それもそうだとナリアはすごむ、屋敷生活で自分の危機感が鈍っていたのを反省する
感情のまま、シェアリーは続ける
「それに何なのあのイルミーゼ!?冷凍ビームで手足を凍らせたのに、痛むどころか平然と笑ってて反撃してくし・・・気味が悪いわ!」
シェアリーが言うに、バトル中だと言うのにも関わらず緊迫感がなく、のほほんと笑うランにイラっとしたか、左手と右足を冷凍ビームで凍らせたのにも関わらず、平然としていて、迷いなく反撃をされまくったのだと言う
苦痛なうえ、気味の悪さにシェアリーは退却したようだ
もともとレベルが高いのだが、バトルは嫌いなだけに引き際が良い
だが今こうやって怒りのまま、マシンガントークよろしく、ナリアに説教垂れる
「(はぁ・・・まただ、一度怒ると中々終わらないのよねぇ・・・)」
この様子だと数十分聞かされそうだ、嫌になる・・・
アンリの怒り方とは違って、シェアリーのは結構面倒なほうなのだ
面倒くさくなったナリアはリセオを探そうと、笑ってその場から逃げる
「ごめんシェアリー、また後でゆっくり聞くから~」
「あ、コラ!まだ終わってないわよ!待ちなさーい!」
シェアリーを後にし、せっせと逃げるナリア
ようやく声が聞こえなくなり、ホッと一安心する
そしてリセオを探すためにテレパシーでリセオの位置を探る
位置を確認したナリアは急いで向かう、リセオの意思がないのが感じ取れたのだ
やがてその場所にたどり着き、ナリアは一瞬たじろく、そこにはフレムとアンリとリセオの三匹が横たわっていた
「え・・・どうしたの?これ・・・」
三匹とも気絶しており、一体何があったのかと心配する
近づこうとした瞬間、足元の木の実に驚く
「これ・・・ゴウヨクの実・・・まさか・・・」
濁ったピンク色をした丸い形をした気の実をナリアは知っている
これは食べた相手の理性を一時的に完全に崩壊させ、性欲を大幅に増大させる効果がある
食べたポケモンは理性がふっとび、欲望のままに性行為がしたくなる麻薬みたいな木の実だ、まぁ副作用はないから安心だが・・・
以前これをクロイズに使ったのを思い出す
「まさか自分達で使うなんて・・・リセオを壊す気?」
虫の息状態のリセオを横目に、フレムとアンリに憤りを感じる
っと言っても元はといえば自分のせいだ・・・仕方がない
仲間と楽しむはずだったリセオはもはやこれ以上は無理みたいだと見る
「仕方ない・・・連れて帰ろ・・・」
それとあの四匹の事も心配だ、とりあえずリセオを後回しにして探し出る
ごめんね・・・みんな・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここは何処だろう・・・暗くてわかんないや・・・
ただ誰かが僕をおぶってるのは分かるけど・・・
僕一体どうしちゃったんだろう?変な木の実を食べさせられて・・・それで・・・わかんない・・・
でも、僕自身あの時壊れたのだけは何故か覚えてる・・・どうして壊れちゃったんだろう?
・・・あれ?誰かの声がする・・・
エナ姉・・・エナ姉・・・って声がする・・・・・・エナ!?
リセオは目を覚ますと、視線の先にナリアの体毛が見える、ナリアが自分を負ぶってもらっているのが分かった
気づくとそこは見慣れた庭だった
「・・・・・・っ!」
声を出そうとするが、喉が完全に疲れきっているせいで声が出ない
体もまだ疲労感が残っている、動くのは無理のようだ・・・
「エナ姉!しっかりしてぇ!!」
シノの泣く声がする・・・振り向くとリセオは絶句した
口からは血を流し、体中があざだらけのエナがクロイズに運ばれているのが分かる
クロイズも焦った声を掛けながら急いで屋敷に戻ろうとしている
その後ろで手足が半分凍傷しているランがラグジーを担いだまま羽を動かす
ラグジーもひどかった・・・羽が炎で焦げていて、飛ぶのが難しそうだ
すぐ目の前の屋敷に足を止める、金髪の使用人と赤い長髪のメイドが急いで駆け寄ってくる
エナをそこで下ろすと主人であるメイドがエナの様子をみて口元を抑え、絶句した
「エ・・・エナァ・・・どうしたの!?」
泣きそうな声をあげ、エナをただ見つめる主人に金髪の使用人がエナに駆け寄る
「傷がひどいな・・・すぐに手当てしないと!ランはラグジーの手当てを!」
「わかりましたぁ」
慌しく金髪の使用人の指示が飛ぶ、しだいに数名の使用人が集まり、騒ぎとなった
すぐさまタンカーに乗せられ、屋敷内の集中治療室に運ばれていった
シノも付き添うように後からついていった、ランもラグジーを手当てするために担いだまま移動する
その時、一瞬ランはクロイズとナリアを意味ありげな目で見つめるが、すぐに戻す
以前何を考えているのか分からない、のほほんとした笑みを浮かべたまま・・・
その様子をただリセオとナリアは黙ってみるしかなかった・・・
「また・・・自分のせいで・・・」
「クロイズ・・・」
隣で、クロイズが呻くような声が聞こえる、彼もまたこのような悲惨な事に歯がゆさを感じていた
なんでこうなってしまうんだ・・・自分はただナリア様を悲しませないようにと・・・
自問自答するが・・・その事が自分をさらに責めたてる
ナリアとリセオ、そしていつの間にか居なくなっていたシノ・エナ・ラグジー・ランを見つけ、駆け寄ったときはショックを受けた
ぐったりとしているリセオとエナ、エナに寄り添うように泣くシノ、火炎放射で傷ついたラグジーを見て、自分はまたもやと思った
リセオがクロイズのほうにむく、だがクロイズはその視線から逃れるように顔をそらす
あわせる顔が無い・・・ただ黙って一匹向こうにいってしまう
ナリアも少々悲しげな視線でクロイズを見送る
リセオもまた、クロイズになんて言葉をかけていいのかわからずナリアと一緒にクロイズの暗い背中を見送った

ある使用人の日記、内容はこうつづられていた・・・
「今回の件は、ナリア様がリセオ様を連れて無断外出と言う事になり事はおさまった
 幸い主人は仕事で留守にしており、ナリア様とリセオ様も無事である事に、事を大きくしないように他言無用ということになった
 エナに関しては、腹部と顔面の強打により、1週間の安静が必要だと診断された
 後でラグジーに聞くと、暗闇の森でリセオを3匹のポケモンが襲っている事からあの地帯のポケモンは危険と見なされ、以後、無用な立ち入りを禁じた
 ナリア様の無断外出に関しては、厳重な注意をしたうえで解決した、ラーナ様やマッチ様もかなり心配していた
 立て続けに起こる事態に、警備員は改善したうえでの警備あたらせると言う事で今回の件は幕を閉じた
 ・・・だがひとつ気がかりな事がある、医師がリセオ様を診断したとき、口の周りに妙なものを見つけた・・・それは木の実なのか、薬なのかはっきりしない・・・成分が検出された
 気になるな、そもそもあの森には普通にはいないポケモンもいると噂されている、私の好奇心がくすぐられる
 私も相方のザンサと共にひっそりと調べてみたいと思う、今度行ってみよう・・・暗闇の森へ・・・」

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Last-modified: 2009-12-12 (土) 00:00:00
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