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再びの出会い

/再びの出会い

光と闇の運命 


作者ジャンク

再びの出会い 



生茂る森の中、草の香りを嗅ぎながらコロンと転がりその木の隙間から光がまぶたに差し込んだ。
眩しい、光こんなの今までは普通あり得ない、だっていつも薄暗い所に居たから、
「眩しい…うーーん……すぅーっはぁぁぁぁ…よく眠ったぁ……………あれ?」
寝ぼけるように手で目を擦る、そしてもう一度擦ってみる、見てみる…………。
あれれ?なんか変だ!?はっきり見えるこっちの見えなかった視界までもはっきり見える!!
失われた視覚が今は色鮮やかにいろいろなものを見せる。
木、草、雲、木の実、水、明るいその場所、そしてオレンジ色の物………?

「………水たまりだよね…これ……僕“なの?フワフワしているし…」
近くにあった水たまりを見て最初は理解するのに時間がかかったが自分の姿を見て驚いた。
体はフワフワの毛で、首元のモコモコした毛が生えていて頭にはちょっとフワッとした毛が生えている。
自分の手を握ってみたりしてやっぱり自分の感覚だ。
「自分なのはわかっているんだけど…うーんなんか忘れているような……」
なんで自分はここにいるのかどうしてこんな姿でなんか一人称も変わっているけど、うーん…
よく考えていると記憶の中にあの言葉が思い浮かんだ。

【そなたが死ぬそれが条件…簡潔に言えば人格が少し変わるそなたであって今のそなたでは無くなる】
「人格以上にこの姿に驚かされているのはいけないのかな?」
ふうーっとため息をついて慣れないこの体を動かしてどうしようかと考え始めて、
まずは、アブソルを…探さなきゃいけないな……どうなったんだ…あの後………きっと大丈夫だ…きっと…
…力がない僕のせいで………もうそんなのなりたくない…!

モソモソッ!ガサガサッ!ガサガサガサガサッ!!
「!?………後ろは見ちゃダメ見たら何かが何かがが絶対に…絶対……ぎゃああぁぁぁぁ!!」
気持ち悪すぎる…こんなの近づいてくるのかアホ…こんなに出てきたら怖すぎるんだぁ!!
恐る恐る後ろを見ると木の間からニターッと笑うヤミラミの群れ一匹などならどうしたことがないが、
わっしゃりとこちらをいっぱいのヤミラミにみられる…怖いとしか言いようがない。
それを見た途端こわくなって走って逃げだした。
「あんな量僕は知らないこわい!関わりたくない!!あっ……;」

さすがにまだこの体になれていなかったのか急に下り坂になると転がり落ちていき、
そのまま下り坂の終わっても転がって最終的には木にぶつかってしまった。
「目が…クル…クル…気持ち悪いくらいだ…何が何だか……;」
エモノ……ミツケタ……コレデホメラレル…ケケケケケ
仰向けになった僕の目の前にさっきの群れの一部が見えて怪しく笑うと、襲ってきた。
もう、弱い自分なんか嫌だ!僕がブースターなら技も使えるはず!
息を吸い込んでふっと吐き出すが何も出もしなかった…。
「うそぉ!!も、もうだめだ!こんなの……あんまりだ!!」
自分に今起きることをいろいろ考えてしまって怖くなってギュッと目をつぶって現実逃避をしたが、
現実に目をつぶって逃れようとしてもその足音は次第に大きくなり体は震えてきて、

「かさかさっ!うるさい、弱いものいじめするな!この集団バカども!」
怖くて、怖くて、たまらない中で突然の声が聞こえたと思ったらあたりとてつもない光と爆音が響き、
そのあとは静かな風の音しか聞こえなくなった。


「ホントに大丈夫か?意外とうるさかったかも知れないが…あそこからは、あれしかなかったから;」
「助けてくれたのは、うれしかったんだけど…耳が少し痛い…」

あの後、木の上から突然現れたレントラーに助けてもらったのだけど…。
あの光と爆音は、雷を落としたために起きたことだった。
雷であの集団を一掃したようだが、それは近くにいた僕にも結構被害を受けていた。

「だから、悪いって言っているだろ……なんで知らないやつに謝っているんだか」
「いや助けたのは、君だから!あとそんなことは気にしてないって;」
助けてもらったことには変わりないので、そこまでは怒ってはいなかった。
むしろ感謝するべきことだと僕は思っていた…助けてもらったんだし。
でも、自分は弱いのだと改めて思わされる感じは、かなり傷つくなぁ…

「ところで、ここらでは見ない顔だな…どこかに向かう途中だったのか?」
僕の顔をまじまじと見てここらで見ない顔だなと言うとどこかに向かう途中かと何となく聞いてきた。
「向かうって言ったら……向かいますけど…行かないって言ったら行かないかもです…」
「そりゃ言いたくないってことか…………なんか訳ありみたいだな…よし、なら村に来いよ!」
少し考えるように聞き少し考えるように間を置いてから、なら村に来いと明るく声をかけてくれた。
今のこんな薄汚れて汚い僕にとっては何とも優しい言葉に聞こえて仕方がなかった。
どこの誰だか知らない僕に親切すぎる彼の優しい気持ちに心が温かくなっていき、
目の奥から熱いものがあふれてきてそれに耐えられない。
そのままその感情に飲み込まれるように僕はその場に泣き崩れてしまった。
「ど、どうしてただ…君は…こんな僕にやさしくするの…よく訳のわからない…追われていた僕に…」

「お互いを助け合うのは当たり前だ…それが自分たちの心にある光だからな♪だーあ…もう泣くな」
少し困ったように顔をしかめて少し強めの声をあげて前足で体についている砂などを掃ったりして、
その大きく感じる前足で頭を撫でるとついて来いよと動作を首でしてそのまま歩き出した。
そのあとは、なぜだか会話が続かず少し恥ずかしそう顔を赤くなってしまったレントラーだった。


「とーちゃくっと…さてと、一応お約束だから…カムファトへいらっしゃい♪」
「か…むふぁ…と??変わった村の名前ですね……」
村の入り口に立ててある二本の柱を通ると少し前に出て、
景気よくいらっしゃいと言ったレントラーだったが、その言葉には少し表情を顰めてしまって、
自分の言い方にも少し恥ずかしくなったのか顔もほんのり赤くなっていた。

「カムファトは…癒しっていうのがこの村の意味なのよ…、
今のところ町に次いで安全な場所だからね、あと…レンくんをあまり困らせちゃだめよ」
いきなり声がしたと思えばすぐ近くの木に寄りかかっていたフローゼルが説明のように話しかけてきた。

「困らされたつもりはねえぞ…ただ名前の意味をどわすれしただけだ!」
「はぁ…おっちょこちょい…また深緑の森に行っていたんでしょ…懲りていない…このバカ!」
「話が噛み合ってないって話をちゃんとk…あ“あ”あ“ぁ“ぁ“ぁ“ぁ“ぁ“!締まる!締まってる!?」
あわわわ;;なんか首が締められているっていうか寝技掛けられている!
タンマっ!タンマっ!という声をあげながらフローゼルに前足や後ろ足を締め上げられるレンを…
ただただ見ていることしかできなく、周りの村の住人は【また始まったよ…】と言い見ているだけだった。

みんな冷たすぎじゃないの!レンは強いからいいじゃないかとか言っている声もちらほら聞こえるけど…
あんまりにロゼール!もっと締めてやれとか、もっと強くとかレンを助けようとする声…無いじゃないか!!
痛々しい声を聴きながら僕は心から合掌をさせて頂きました。

「それで、レンくんが連れてきたってことはあなたは…深緑の森にいたってことよね…」
チーン…と言う音が流れそうにぐったりとしてしまったレンを余所に怖いくらいの笑顔で聞いてきた。
レン…だ、大丈夫かな…まったくピクリとも動いていないし;;
「でっ…どうなの?あなた黒の者なの…?それとも遺跡から来たおかしくなった方?」
「し、知らないです…ただ追われていたところを助けてもらっただけです;」
プラプラと前足をゆらして、今からでも襲いかかろうかとしているのを見て怖くなってしまった。
あんな風に(さっきのレン)みたいに締め技されるのは嫌!!

すると、ローゼルという声が聞こえてポンポンとフローゼルの肩が叩かれた。
「だから、話聞けって言ってるだろ……いててて…追われていたのを見てなんか訳ありだから連れてきた」
「優しいのはいいけど…そんな訳あり連れて来ちゃうなんて…レンくんらしいけど…」
「ごめんなさい…ご迷惑なのはわかってますけど…ついてきて」
しょぼんとその話を聞いてると厄介者なのは聞いていてわかった。
僕はこの村に居たら迷惑になるそういうことが、とてつもなく僕の心に突き刺さった。

「ローゼルは…なんで初対面にはそんなに厳しいんだ…いつもなr……;」
「レンくん♪黙ろうね…♪まあ…もう暗いから…今日は村で休んでいって…」
ニコっとローゼルが笑うとレンの顔を真っ青になり口を閉じてしまった。
そして、もう夕方になっていてあたりは暗くなり始めていたため今日は村で過ごして行ってと言われて、
こっちだからついて来て…と言われて…僕はレンとローゼルの後ろをついて行った。
その、途中でレンがこちらに来て耳元でこんなことを囁いた。
「前は、こんなんじゃなかったんだ…初対面にも優しかったんだけど…なんか、ごめんな」
そう言うとローゼルが、こちらを向いて二人ともビクッと体を震わせてしまったが聞こえたわけではなく、
その今日止まらせてもらう家についただけだった。
その様子を見て、何か悪い事でも言ったの?と首をかしげて聞かれたが、
二人の言葉が合って何でもないといってしまったことにローゼルに笑われてしまった。


「それじゃ、この家で過ごしてくれな…♪俺たちはあそこの家だから…」
そう言うと斜めに建っている家をちらっと見ながら言って、
案外近い場所にお住いのようでした!!
「俺たち?一緒に住んでいるの?」
「ま、まあ、そんなこと疾しい事なんかないんだから…//深く考えないでね!///」
「いや、その言い方はどうかと…思うが…何かあったらいつでも頼りに来いよ」
ローゼルのその言い方には、ないだろとため息をするかのように言い、
小さく笑うとじゃあなと言って…二人とも家に帰って行った。
うん、あの言い方は、下手したら疾しいことがあるっていう言い方でしたね…
二人がいなくなったのを見て家に入るとそこは案外シンプルな感じで、
テーブルとソファーそしてキッチンなど普通に想像できて普通にありそうな部屋だった。
ただ一つをのぞいて………。

「何で、ダブルベット;一人で使うのにこれはなんだか遠慮がちになりそう……」
いろいろ見て寝ようと思ってベットを見るとなぜだか、ダブルベット…なんでどうしてと、
そう思いつつ考えるのをやめて汚れた体でベットに沈んだ。
今日の出来事…自分はこの村に居たら迷惑になる…あんなにも優しくされたこと、
色々なことがありすぎた…頭はグシャグシャになりそう…そんな思いを抱きながら…

柔らかいベットの上で、僕は意識を自然に手放して眠りに付いた。



しばらく、時間が経った…部屋はというと………。
「うっ、うあっ!暑い…ムシムシするぅ…ね、眠れないし…;」
地獄のように温度が急激に上がって、寝ることが困難な部屋へと変貌していた。
原因は、自分の体、窓を締め切っていたことによる空気の逃げ道がないことによる、密室…。
その、温度によって普通は炎タイプなのであまり掻きもしないはずの汗が体の毛に染み渡っていくのが自分でも分かりどれほどこの部屋が暑いということがわかったようだ。
暑さで意識が朦朧としてベットからずりずりと這う感じで移動して何度も息を吐き出して体の温度を体が生理的に下げようとするが空気も暑いためにまったく効果がない。
「…ふぅ…ふぅ………このままじゃ…蒸し焼きに………もう…だめええぇぇぇぇ!!」
こんな熱かったら僕の体が限界で倒れてもおかしくないじゃないか…と、とにかく何とかして下げないと…;
床にぽてっと力なく降りて暑さに耐えかねてそのまま何とか外に出て行った。

外はというと…暗闇が大半占めていた闇の世界とはまったく逆でこちらは明るい光が大半を占めていて、昼夜ともにほとんど明るい感じの世界で…僕がいた、いつも暗くて寒かった…そんな世界とは別で温かくて、誰もが羨むそんな世界……だけど今は、夜のためか辺りは赤焼けに染まっていた。
だけど、今の僕はそんな素晴らしくも感じたことをすぐに頭から消えてしまった…なぜなら……。
「涼しい♪ふぅー…地獄の空間から天国だぁ!!」
暑さから開放されて、風を体全部に浴びて浮かれてしまって何も考えなくなってしまっていたから。
風の心地よさに、ふらふらと歩き回っていると、ふと背中をぽんぽんと叩かれた感覚が…それも、一回ではなく何度も……。
「……何か御用で!?で、で、で、で、で、でたああぁ!!!!!」
叩かれて振り返ってみると、そこには、怪しい宝石を首につけていて三角な魔女のような帽子を被って怪しく笑うポケモン……ムウマージの姿だった。
「ちょっと、お聞きしたいのですが…って!?どうしてにげちゃうの!」
ゴーストタイプを見て、昼間のあの光景を思い出して僕は居ても立ってもいれなくて走り出してその場から逃げ出した…とにかく遠くへ、捕まったら最後…今までの事が無駄になる…そんなことばかりを考えて。
その走り去る後姿をただ呆然と見ていたムウマージに近づく影があり、ムウマージはそれに気が付くと申し訳ない顔をしてしまった。
「何しているの……あーぁ…やっぱり、マージは聞き込みはやめた方がいいって言ったじゃないか…ただでさえゴーストはあっちの世界の奴に間違えられて敵対視されているんだから…;」
「………すみません…」
情報を収集することに失敗したムウマージを見てため息を付いてたもう一人だが、
しばらくなにやら話しをして二人は赤焼けの中に溶け込むかのように消えた。


ローゼル「私、そんなに冷たかったかしら…」
レン「嘘つくのはへたくそなのは、分かったな;」
ローゼル「…………いじいじ」
レン「まあこんな二人だけどよろしく頼むな……いつまでいじけてるつもりだ?」
ローゼル「もう立ち直ってます!!……これからも…よろしくです//」
レン「無駄に、恥ずかしが……おい俺の脚はそんなに捻じれない!;いやぁ!」
ローゼル「また会いましょうなの♪」


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Last-modified: 2012-02-20 (月) 00:00:00
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