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兎仔にも衣装

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兎仔にも衣装 

writer――――カゲフミ
挿絵――――朱烏さん

 居間にあるテーブルの上に置かれた白い箱。大きさは中くらい、丁度体の前で両手で持って持ち運ぶのが苦にならないくらいのサイズだった。その箱を前にして、レンは神妙な面持ちをしていた。眉間に皺を寄せるまでとはいかずとも腕を組んでの仏頂面。時折うんうんと唸るように声を上げていれば。誰が見ても何らかの原因で悩んでいると受け取られても仕方がないこと。彼もその例に漏れず、背後から声が掛かった。
「どうしたの?」
「あ、ミィリ。いや、これなんだけどさ」
 考えに没頭しすぎて近づいてきた足音に全く気がつかなかった。自分のパートナーでもあるミミロップのミィリに視線を送りながら、レンは箱の蓋を開ける。そこには黒と白を基調とした衣服がやや乱雑に折り重なって詰め込まれていた。
「何か変わった形だけど、これって服?」
「服で合ってる。でも、これはちょっと特殊な服でさ」
 レンはミィリにこれがメイド服と呼ばれるものであること。一般的には個人の家に仕える女性の使用人が着用するものであったが、その特殊な造形を好む者も少なからずいること。そうした需要から本来の用途とは違ったデザインのメイド服も多く出回っていることをざっくりと説明した。レン自身もあまり詳しくは知らないものの、その格好で本当に家事を行うのかと正気を疑われそうなきわどい作りになっているものも割とあるのだ。
「ふうん、じゃあレンもそういうの好きなの?」
 当然のように聞いてくるミィリに思わず苦笑い。メイド服についての話を聞いている時も、特に表情が変わる様子もなく普段どおりのミィリだった。これくらいの趣味嗜好なら案外すんなりと受け入れてくれるくらい器が広いのか、それともメイド服が特異的な嗜好だという認識がなかっただけなのかは分からなかったけど。
「だとしたらミィリの前で堂々とは悩まないよ」
 いくら相手がポケモンとはいえ一緒に暮らしている間柄。メイド服が好きという趣味嗜好はレンとしてはデリケートな事案に分類される。もし自分がメイド服に特別な思いを抱いているならば、その気持ちはひっそりと胸の奥にしまっておく。今回のように彼女の前で露骨に見せたりはしないだろう。レンを悩ませているこのメイド服には単なる好き嫌いではないちょっと複雑な事情が絡んでいた。
「これさ、大学の先輩から貰ったんだ。というより押し付けられたというか」
「なんでまた?」
「その先輩、ルカリオ連れててさ」
「うん」
「そのルカリオ、雌なんだ」
「……ねえ、まさか」
 ミィリが少しだけ眉をひそめたのが分かった。これから話す展開はきっとミィリが頭の中で思い描いているそのまさかだと思う。
「どうしても着せたかったって」
「でも、ここにあるってことは……」
「ルカリオには猛烈に拒否されましたとさ」
「やっぱり」
「どん引きされたみたいでめちゃくちゃ凹んでた」
 相談があると声を掛けられたときの先輩の顔は今でも忘れられない。この世の終わりのような沈みきった表情から開口一番、メイド服を引き取ってくれないか、だ。一瞬何が起こっているのか分からなかった。先輩はもともとそういう趣向があったようなのだけれど、ルカリオにはずっとひた隠しにしていたらしい。しかしどうしてもメイド服姿のルカリオを拝んでみたくなってしまい、なけなしの予算をはたいてメイド服一式を取り揃え意を決してルカリオに打ち明けた、と。ただ、残念ながらルカリオには全く理解を示してもらえず拒否され、挙句の果てにはゴミを見るような目で見つめられ耐え切れなくなって、レンは相談を持ちかけられたというわけだった。ルカリオから受けた蔑視の眼差しが相当心に刺さったらしく、メイド服が軽くトラウマになってしまったらしい。先輩が言うには、トレーナーに懐いて進化するルカリオがリオルに退化しかねない勢いでよそよそしくなってしまったんだとか。こんな悲しみをずっと背負っていたくないから引き取ってくれと懇願され、断ろうにも断りきれず今に至るというわけだった。
「先輩も悪気があったわけじゃないと思うんだけどね」
 レンの先入観もあったが、ルカリオは元々真面目で忠誠心が高く融通の利きにくい部分があると言われている。ルカリオの中にあった常識から大きく逸脱した先輩の行動が理解しきれなかった故の不幸な事件だったと言えよう。
「ポケモンに服を着せて楽しいのかな?」
「分からないな。スカーフとかリボンとかならたまに見かけるけど」
 ワンポイントのお洒落としてではなく、メイド服はもはや完全な衣装。ポケモンに装着させるものとしては到底一般的と言えそうにもない。そんなに出回ってるものじゃなさそうだし結構値が張ったのだろう。先輩の前でメイド服だけにオーダーメイドですねなんてふざける無神経さをレンは持ち合わせていなかったが、存外にも価値がありそうなだけ余計に持て余す結果となってしまっているのだ。この服に先輩がどれだけ夢と希望を膨らませていたのかと思うと、とてもではないが捨てる気にはなれなかった。
「あ、でも……可愛いかも」
 畳まれていたメイド服をおもむろに持ち上げてみて、その特徴的な造形に目を惹かれたらしい。ミィリはそれに興味を持ったようで、服の表側と裏側をしばらくの間交互に眺めていた。
「ねえ、これ着てみてもいい?」
「えっ」
 ミィリの反応が意外だった。もっと得体のしれないものを扱うような態度を取ると思っていたんだけど案外そうでもないのか。まあ、メイド服という嗜好に理解を示してくれているというよりは純粋に可愛げなものに興味が湧いたというのが正しいだろう。もしルカリオがミィリのような性格だったならば、先輩ももっと幸せになれていたかもしれない。別に自分が悪いことをしているわけではないのだが、レンはなんとなく先輩に申し訳ない気持ちになった。
「ルカリオ用の服だからな。サイズが合うのか?」
 手元にあったスマートフォンでレンはぽちぽちとルカリオのデータを探す。ちょっとした調べものならばパソコンでいちいち入力しなくても、これで十分。便利な時代になったもの。平均的なルカリオの身長は1.2メートル。体重は54.0kgと結構重い。これは鋼タイプだからか。偶然にもルカリオとミミロップの身長の平均値は同じだった。確かミィリの身長も平均くらいだったと記憶している。ルカリオと同じ二足歩行の体型でもあるから、サイズが合わないことはないのか。でも、あんまりミィリの前では言えないけどミミロップにしては若干ぽっちゃり体型だからな。服がきついと感じたらあまり無理はしないでもらおう。
「着られなくはなさそうだ。無茶して破かない程度にな」
「やった!」
 ぴょんと飛び上がりそうな勢いでメイド服を自分の体に宛てがってみるミィリ。そんなに着てみたかったのか。喜んでもらえたのなら先輩もメイド服も浮かばれるだろう。でも待てよ、元々人間の服に馴染みのないミィリがいきなりメイド服という複雑なものを身につけるなんて出来るものだろうか。その上ミィリの特性はぶきようだし、この挑戦は余りにも無謀に思えてならなかった。懸念したとおり、ミィリはメイド服のスカートの部分に逆から足を突っ込もうとしていたのでレンはストップを掛ける。このまま彼女に任せていたら本当に破いてしまいかねない。
「複雑なのね……」
「ちょっと無理があると思うよ」
「でも着てみたいなあ。レン、お願い」
 ミィリは両手に持ったメイド服をすっとレンの前に差し出してくる。咄嗟にそれを受け取ってしまったレンは小さく肩を竦めた。もちろん頼まれてくれるよねとでも言いたげにミィリは屈託ない笑顔だった。彼女がメイド服に興味を持ってしまった瞬間から、こうなる未来は確定していたような気さえしてくる。仕方ないなと重い腰を上げるレン。とはいえレンもメイド服の構造を詳しくは知らない。ちゃんと手に持ってみるとすべすべとしており、なめらかな肌触りの良い生地で作られていることが分かった。幸いにも箱の底の方に簡単な説明書が入っていたのでそれを参考にすることに。最初に着るのは黒いワンピースからだな。半袖の袖口が狭くなっていて、腕を通す部分が膨らんでいる設計。全体的には黒に近い紺色で、柔らかく縫い合わされているフリルのついた襟だけが白くなっていた。背中にあるファスナーの部分が大きく開くようになっているから、そこを開けて足を通せるようにしたらいいか。
「ここ、両足で跨いでみて」
「うん」
 ワンピースの腰の部分を両手で広げてそこへミィリに足を通してもらう。そのまま肩の部分を持って引き上げながら、ミィリの体を潜らせていく。両手も袖に通してワンピースの肩がミィリの肩の位置に来るよう簡単に形を整えてみた。思ったよりもワンピースの形を保ってる。ルカリオ用とは言えども、ミィリでもそれなりに着られそうな雰囲気だ。仕上げに背中のファスナーを上げようとしたところで、レンの手が止まった。大きく開かれたワンピースから見えているのはもちろんミィリの背中。レンがいつも見慣れている茶色の体毛をした背中のはずなんだけど、触れるのを躊躇ってしまっているのはどうしてなんだろう。ワンピースの生地を隔てて接したミィリの体は何だかミィリじゃないみたいで、変に意識してしまっていた。
「どうしたの?」
「や、何でもないよ」
 ミィリの体毛を巻き込まないようにしながら、レンはどうにかファスナーを上まで上げ切った。手は震えていなかったとは思う。ルカリオとの肩幅の違いからか、首と肩周りは少しゆとりが残っているものの、ぶかぶかで全く着られない状態ではない。半袖になっている袖口の部分が軽く絞られているので、丁度良い滑り止めになっているようだ。本来はルカリオの胸の刺を逃がすためであったのだろう、胸元に丸い穴が不自然に空いていたがミィリは気にしていない様子だった。着飾られていく自分の姿にわくわくしていてそれどころではないらしい。ワンピースはこれでひとまず完成かな。ええと、次はエプロンか。ワンピースと対照的な白いエプロンにも、ぐるりと取り囲むようにひらひらのフリルが施されていた。これはそこまで複雑じゃなさそうだ。レンはミィリの後ろに立つとスカートの前の部分にエプロンを持ってきて、腰のあたりできゅっと結ぶ。もともと結び目が大きくなるように紐の幅が広く長めに作られているらしい。これも可愛く見せるための工夫なのだろう。ミィリの腰にはまるで大きなリボンが付いているようだった。
「これで完成?」
「いや、まだあるな」
 ワンピースとエプロンで終わりかと思いきや、白い薄手のニーソックスまでちゃんと備わっていた。長い靴下のようなものだが、靴下と比べるとかなり生地が薄かった。ミィリが履いたら茶色とクリーム色の体毛が透けるんじゃないかと思うくらい。これをミィリに扱わせてしまうのも危なっかしい。残りの衣装があると分かっているのなら、途中で止めたら彼女は納得しないだろうし。履かせてあげるしかないか。
「これ、両方の足に履くものなんだ。右足上げて」
「えー、片足で立ってるのバランス悪いから、座るよ」
 床にぺたりと腰を下ろすミィリ。両膝を立てて右足を浮かせる姿勢を取る。これで履かせてということなのか。完全におんぶにだっこの状態だ。心の中にため息をしまい込みながら、レンはミィリの右後ろ側から両手を伸ばしてニーソックスを右足に通していく。人間と違って足の裏の面積が少ないので、踵の形はそこまでくっきりとはしていない。ニーソックスのたるみがなくなるまで引っ張り上げると、丁度ミィリの膝上くらいの位置だ。右が終わったら次は左側へ。同じ要領でミィリにニーソックスを履かせていった。あまり意識しすぎないようにはしているものの、ミィリが膝を立てているせいでスカートが持ち上がってできた股の影が妙に気になってしまうレン。ニーソックスの縁を持って引き上げながら、ちらちらと視線を送っていたかもしれない。いやもちろん下にはなにも履いてないから、いつも当たり前のように見ているミィリの茶色の毛があるだけなんだろうけど。
このスカートの長さが絶妙すぎるのがよくないのだ。ミィリの膝上15センチくらいの見えそうで見えないぎりぎりのラインを保ってくれている。先ほどのようにミィリがジャンプしたりすれば間違いなく見えてしまうだろう。
「これでいいよね」
 レンの視線の矛先など知る由もないミィリは待ちわびたように立ち上がった。ルカリオの踵用にあしらわれた箇所が若干後ろに出っ張ってはいたが、十分着こなせていると言っていい。スカートとニーソックスの間にできた太股の地肌が見えている部分、俗に言う絶対領域も見事に表現されていた。ニーソックスが滑り落ちないように縁はしっかりしたゴムが通してある。ゴムで縛られることにより小さなくびれが出来て、よりふとももの膨らみを強調しているような気がしてならない。
「あれ、まだなにか残ってるよ」
「これは……」
 ワンピースとエプロン、そしてニーソックスで全部じゃないのかと箱の中を確認したレンはぽつんと一枚残っていた布にぎょっとする。ワンピースの生地よりは幾分か柔らかい生地で作られている薄桃色の小さな布切れ。最後に残されていたのは下着、パンツだったのだ。ご丁寧に尻尾を通す用の穴まで空いている。完全にポケモンに履かせるためのそれ。ここまでする必要があったんだろうかと疑問を抱きつつも、先輩の徹底ぶりにレンは変なところで感心してしまっていた。
「これ、どうするの。頭に被る?」
「いやいや、そうじゃない」
 慌てて首を横に振るレン。冗談でそうだと言ったら本当にミィリは頭に被りかねない。もちろん被る事例も無きにしも非ずだったがミィリにはしないで欲しかった。
「これは、この二つの穴に両足を通して股まで引っ張り上げるんだ。腰に履くものだよ」
 ポケモン用の下着、それも雌を対象に作られたものを前にしてどんな顔をして説明していいか分からなかった。自分は一体何を言ってるんだろうと、疑問を持ってしまったらそこでおしまいのように思えて。出来るだけ感情を込めずに淡々と用途を述べたつもりだった。
「そっか。じゃあ、よろしく」
「い、いやそれは自分でやってくれないか?」
「え、どうして?」
「どうしてって……」
 ミィリも雌なんだしちょっとは恥じらいを、だなんて。パンツを見るのも履くのも初めてなのだから、彼女にそれを求めるのはお門違いだ。レンの気持ちの事情を説明したところでミィリには首を傾げられるだけだろう。レンの方もこれまでミィリのことはパートナーとは認識しつつも異性だと意識したことはなかった。ブラッシングで体に触れるのになんの抵抗もなかったし、風呂場で体を洗ってあげたことさえある。それが今、メイド服という衣装を身に纏ったミィリは何だかいつもと違う雰囲気でレンの方ばかりが変に意識してしまっている。とはいえこの感情をミィリに上手く説明できるとは思えないし、あまりしたくもなかった。どうやら覚悟を決めなければならないようだ。
「じゃあ……ここに足を通して」
 ミィリが履きやすいようにレンはパンツを両手で広げて、彼女の前でしゃがむ。これなら軽く跨ぐだけで済む。しゃがむことによってワンピースのスカートの部分が目の前に来たのは偶然。決して中を覗きたいとかそういう気持ちがあるわけじゃない、たぶん。ミィリはレンに言われたとおり二つの穴に両足が入るように跨ぐ。レンはミィリにばれないよう小さく呼吸を整えてからパンツを腰まで引っ張り上げていく。ルカリオとミミロップではお尻の大きさが違うはず。だがどうやらこのパンツは伸縮性に優れているらしく程よくミィリの腰に密着している感じだった。場所が場所だけにあんまり念入りに触って確かめられなかったけれど、ぶかぶかでずり落ちてくるようなことはなさそうだ。あとは尻尾を外に出してやるだけ。レンはワンピースのスカートの中を手探りでミィリの尻尾を探す。これ、ポケモン相手じゃなかったら間違いなく警察沙汰だな。
「ふふ、くすぐったい」
「ちょっとごめんね……っと」
 レンはミィリのもこもこした尻尾を掴むとパンツの生地を軽く押さえて、するりと外へ逃がしてやる。最初にミィリに着せていた時は気付かなかったのだが、どうやらワンピースのスカートにもそれ用の穴が空いていたらしい。ついでにこっちからも出しておいてやったほうがいいな。スカートの穴の部分に手を入れて、パンツから出した尻尾を外へ引っ張り出せばメイド服ミミロップの完成だ。
「これでいいはずだよ」
「へえー、メイド服ってこうなってるのね」
 スカートの隙間やパンツと格闘していたレンの気苦労をよそに、ミィリはご満悦な様子だった。レンの方は未だにミィリのお尻ってあんなに柔らかかったかなと妙な気持ちで悶々としていたというのに。ミィリの方はレンがふとももを触ろうがお尻を触ろうが全く気に留めていないのが余計に釈然としないものを募らせていく。

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「どう、レン。似合ってる?」
 ポーズを決めたつもりなのだろう。くるりとその場で回って見せてくれたミィリ。遠心力でふわりと翻ったスカートの隙間から、薄桃色の布地がちらりと見えた。不覚にもどきりとしてしまう。ワンピースもパンツも箱に入っていた時はただの布だったのにな。ミィリが身につけることで不思議な魅力を発揮するようだ。メイド服には魔力があるという先輩の言葉がレンの頭を掠めていった。ひらひらのスカートから垣間見えた下着に、無意識のうちにレンの視線は釘付けになってしまっていたのだ。
「やりすぎですよ……先輩」
「ん、何か言った、レン?」
「いいや、何でもないよ。はい、記念撮影」
 レンはさりげなくスマートフォンを取り出してミィリの姿を写真に収める。メイド服を着た姿を確認してもらうという名目があるから、そんなに不自然さはなかったはず。レンは撮った写真を画面に表示して、ミィリの方へ向けた。
「似合ってるよ、ミィリ。ほら」
「あ、ほんとだ。なかなか可愛いじゃない、私」
 うん、可愛い。本当に可愛い。スマートフォンを覗くために少し前かがみになったミィリ。肩幅に余裕があって緩いせいか胸元に隙間ができてしまっている。ミィリには是非ともしばらくこの姿で過ごしてもらえたらとても楽しくなりそうだったが、今の自分に彼女を冷静に直視できるかと言われると正直自信が持てない。一度そういう感情を抱いてしまったら、後から気にするなというのはとても難しいと分かってしまった。今ならメイド服に肩入れしていた先輩の気持ちが分かる。これは是非残しておかねばと咄嗟に写真を撮ってみたのだが、なかなか上手い具合に撮れたのでないかと思う。右手を腰に当てて、にこやかに笑うメイド服姿のミィリがそこには鮮明に映し出されていた。せっかくだしこの写真は待受画面に設定してみてもいいかもしれない。にやつきそうになる表情をどうにか取り繕いながら、レンはポケットの中に大事そうにスマートフォンをしまいこんだのだった。

 おしまい


・あとがき
去年の関西けもケにてポケモンメイド本アンソロに寄稿させていただいた作品です。メイド服を着せるなら二足歩行のポケモンの方がやりやすいし見栄えもするだろうということでミミロップを選びました。もともと主人公はメイド服には興味がなかったのに、手持ちに着てみたいと頼まれて着せていくうちにずるずると沼に嵌っていくというストーリーに。とくせいがぶきようなので自分では着られないミミロップはまさにうってつけだったというわけです。メイドミミロップに対する主人公の悶々とした気持ちを感じていただければ幸いです。企画が持ち上がって参加を明記してから、プロット書いて仕上げまで大体一週間くらいで完成。めっちゃノリノリで書いたのでした。企画を立ち上げて頂いてさらにはすんばらしい挿絵を描いていただいた朱烏さん、ありがとうございます。

【原稿用紙(20×20行)】21.5(枚)
【総文字数】7733(字)
【行数】90(行)
【台詞:地の文】11:88(%)|909:6824(字)
【漢字:かな:カナ:他】33:60:11:-5(%)|2595:4688:851:-401(字)


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Last-modified: 2018-11-04 (日) 20:15:56
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