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兎と海神に会う旨

/兎と海神に会う旨

ワタリガラ ?


最初に言っておくが私は冒険家だ。

未開の地、綺麗な風景、誰も見たことの無い景色。

そういったものを探し求め、ユメとロマンを追い続ける。

それこそが冒険家。
それだけでは生活が出来ないからこうして自伝を今現在執筆中な訳だが。
ユメとロマンだけでは生きられないことは周知の事実だ。
だからできることならこの本は購入してから読んでもらいたい。

今宵は伝説のポケモンなるものに逢ってみようとした話をこれから書き綴ろうと思う。
私の記憶が正しければ壮大な物語が綴られることだろう。

補正込みで。

さて、前書きはこのくらいにしておいて、サッサと記憶を文章に換える作業を始めるとしよう。



今回私が遭遇を試みたポケモンは、ルギアだ。
その巨体は海を脅かすものを浄化してしまいそうなほど白く、
その鋭き眼光は海の最果てまで見据えていて(多分)、

その口から放たれるエアロブラストはどんなものも破…

海中では無類の強さを誇…
ルギアだけが唯一放つことができる技である。
海底神殿に住んでいるとの情報を聞き付け、
私は海岸へ向かった。






ただ目の前には広大な海が悠々と広がり、足元にはさらさらとした砂がまとわりつくばかり。
その美しさに、しばらく私は立ち尽くしていた。

と、ソコにばちゃばちゃと水音。
身体の水玉模様と先が丸くなった尻尾、やや長い耳がくるくると動いている。
マリルリか。早速私は近づいて話し掛け、
ルギアの事について何か知ってることはないか、と質問をした。
マリルリは全くの部外者の私の質問に快く答えてくれた。
「う〜ん、ルギアのことは知らないけど、


ルギアに仕えているポケモン





の親友のポケモン






にアプローチをかけているポケモン







の又従兄弟のポケモン






なら友達だよ。」

このとき私はいきなりルギアの存在が近づいたと感じ、

私自身の直感と運の良さを自ら褒め称えた。
今ならはっきりと分かる、
別のポケモンを探してでもマリルリの案内は避けるべきであった。
しかし以前の私は少々舞い上がっていて、その例のマリルリに案内を頼んだ。

親切にも引き受けてくれた。

そしてまずは『ルギアに仕えているポケモンの親友
にアプローチをかけているポケモンの又従兄弟』

の住居を目指すため、海へ向かうこととなった。




「それじゃあ、いっくよ〜」
水中に身体を沈めようとしたところでマリルリが
空気を固めて作った風船が私の身体を包み込む。
空気玉の内側から見た海中は地上にいるときと同じように見え、
何の支障もない。空気玉が全身を丸々包んでいるのは何故か、と尋ねてみると

「身体が濡れることすら嫌うポケモンがやたらと海に入りたがるの。
……正直楽しいけどね。」
どうやらこのマリルリは結構頻繁に他の海に入りたいポケモン等のために空気玉を拵えているらしい。
種族柄親切だから私の頼みも快く引き受けてくれたのだろう。
そのようなことを思っているうち、思いの外近かった目的のポケモンの住居に辿り着いた。

「ここが、『ルギアに仕えているポケモンの親友のポケモンにアプローチをかけている
ポケモンの又従兄弟』のアーマルド君の家だよ。――いるかな?」

それなりに浅く、岩肌がゴツゴツと露出している海底、
そこにぽっかりと私でもゆうゆう入れるくらいの大きさの穴。
そのなかにマリルリは小さな泡を吐き出す。
泡が吸い込まれていって、
穴の中からのそりと、ルギアに(略)の又従兄弟のアーマルドが顔を出した。

「あのね、アーマルド君、君の又従兄弟に会いたいっていうポケモンが「断る。」
そして穴の中に顔を引っ込めた。
マリルリは慣れているように再び泡を中に送る。
そうすると再びアーマルドが穴から顔を出す。
「君の又従兄「帰れ。」
再び顔を引っ込める。
「すぅ〜〜〜」
マリルリは空気玉を生成、その中の空気を大きく吸い込み、
体型がマリルのように丸くなったかと思うと、

―――泡を再度穴へ送り始めた。
その量は前に吐いたものとは桁違いで、どばどばと泡が穴の中へ送り込まれ、

「いい加減にしろぉぉぉ!」
泡まみれになっている怒ったアーマルドが穴から飛び出してきた。
「あのね、アーマルド君。君の「今日は食べ物とかも十分あるしゆっくり過ごせる
数少ない日なんだ!それを貴様は何で全力でぶち壊そうとするんだ!
ふざけるな!顔を見せるな!



貴様に俺の又従兄弟のユレイドルが
前に偶然近くを泳いでいたマンタインに積極的にアプローチするために
『黄緑の絨毯』にいることなんか教えるものか!とっとと帰れ!」
そう荒々しく言い放って、穴の中へ潜っていった。
「えーと、黄緑の絨毯って所は背が低い黄緑色の海草がびっしり生えている
場所のことで………アーマルド君はもとからあんな性格な訳です。」

これが所謂ツンデレとかいうものだろうか。ともかく情報を手に入れ、
私は黄緑の絨毯へ向かうこととなった。無論、マリルリの案内で。



「…ここ辺りが、黄緑……の絨毯って…呼ばれて……いる…場所で……
たまにケイコウオの群れやテッポウオが……来て……」
なるほど、確かに背が私の膝よりやや短いぐらいの海草で埋め尽くされており、
確かに黄緑色の絨毯、あるいは草原のように見える。どうやらここには私達しかいないらしい。


「嫌ぁぁぁぁっ!離してぇぇぇっ!」

随分遠くまで絨毯は続いていて、ここが海の底であることを忘れてしまいそうだ。

「身体の力を抜いた方がイイよ。
大丈夫大丈夫、すぐにヨクなるから、ね?」


周囲には大きい岩や大穴などはないようだ。
肝心のマンタインにアプローチをかけているユレイドルは、いないようだ。

「助けてぇぇっ!誰かー!」
「……いい加減に暴れるのを止めないか?このままだと縛っちゃうよ?」



いないようだ。



「!そこのポケモンさん、助けてくださいぃ!

このユレイドルがいきなり僕に襲い掛かってきたんです!」

「…襲い掛かるなんてポケ聞きの悪いことを……ワタシは
ただマンタイン君に気持ち良くなってもらおうと思ってるだけだよ?」




見えていなかった訳じゃなかった。ひたすら関わりたくなかった。

「ルギア様に仕えているポケモン?ああ、ミロカロスのことですね。

…ちゃんと押さえていますよね?」

「力持ちだから、なんとか押さえてるけど、10分くらいしかもたなそう。」

「!――さて僕の親友のミロカロスはですね、ルギア様に仕えているのですからね、
まあ例によってルギア様の住居に住んでいるのですね、
それで海底神殿に住んでいてですね、方向は―――を
――が見えるまで進んで―――の手前で―に曲がって
あとはそのまま真っ直ぐです!」
相当な早口でそう言って、何かから逃げているような早さで泳いでいった。

「マンタインく〜ん!」

『何か』もそれを追うように海底を駆けていった。



「そろそろルギアの住処だね。」

空気玉を大きくし、玉の中に入ってきたマリルリが私に話し掛ける。
「実はね、僕とアーマルド君が友達になったのは、ルギアのお陰なんだ。」

何?私は興味を持ち、マリルリをやや急かす。
「…僕は少し前にだいぶ遠い所からこの辺に来て、
始めて逢ったのがアーマルド君なんだ。それでいきなり
『俺の又従兄弟のアプローチかけてるポケモンの親友はルギアなんだぞ!』
って。
それがおかしくてしばらく笑ってたら、『笑うなー!』って。
それも可笑しかったなぁ。
そのあと、周りに住んでるポケモンから、
あのアーマルドは危ないから近寄るなって言われたけど、
僕はそれが信じられなかったし、初対面で言ってきたことが気にかかった。
だからちょくちょく家に遊びに行ったりしてたら、ある日突然
涙を流しながら『お前は「心の友」だ』って

――マリルリの話は愉快で、暖かかった。
今でもアーマルドは性格こそあのようなものだが、今では皆に頼りにされているらしい。

「――それでカブトプスがいきなり『嫁を探してくる』と言って陸に上がったの。
いつ帰ってくるか解らないのに時々住処をアーマルド君が掃除をしていて――あ、あれじゃない?」
絨毯を通り過ぎ、砂と岩、
たまに海草が揺らめくつまらなくて神秘的な光景の遠くに、
明らかにただ転がっている岩とは違う岩、否、建造物が。
目的地らしきものが見え、自然と足取りが大きく、早く、
「待ってよ〜」
ならなかった。



岩の表面は異常なまでに滑らかで、触れてみるとつるつるとした感触。
人間のようにごてごてと飾らず、武骨な岩一色。
その建造物には扉があり、
その前にはミロカロスがいた。
「おや、こんにちは。何かご用ですか?」
丁寧に挨拶をするミロカロスに自分は冒険家であること、
ルギアの住処を探してここまで来たこと、ルギアに会いたいことを簡潔に話した。
「……申し訳ありませんが、今現在ルギア様に会うことはできません。」
「今現在」と言うことは、何がルギアにあったのだろうか。
私はややうつむき気味のミロカロスに尋ねた。
「…えーと…その……ルギア様に仕えているのは自分だけじゃなくて……
それで三匹の鳥ポケモンがルギア様の側近なんですけど……」

確かに、その三匹の鳥ポケモンの話は耳にしたことがある。

「それで、そのうちの一匹が、『ルギア様、ルギア様、ルギア様は海の神ですよね?


だから火炎放射はあまり効かないですよね?
ねぇ、まさか海の神様とあろうお方が火炎放射が普通に効くわけありませんよね!
何てったって海の神様ですからね!』
と、言ったのが心に効いたみたいで………今、行方知れずなんです。」



旅の終わりは、いつも虚しいのは何故だろうか。

それは、旅支度から目標に到達するまでの過程にユメとロマンが存在するからである。
あのあと、私とマリルリはどうやら海岸へ戻ったらしい。
あまりの骨折り損に脳が思考を停止したのだろうか。
何気なく私は沈む陽を見ていた。そこにマリルリが近寄ってきて、

「…今日は楽しかったよ。これはそのお礼。」
と、私に何かを握らせた。そして手を開くと

―――銀色の羽がそこにあった。
私は振り返ったが、

そこには

誰も、

何もいなかった。


これでひとまず話は終わりだ。結局あのマリルリはなんだったのだろうか。

記憶違い、ではない

幻、あるいは幽霊、でもない気がする。



……補正?

何にせよ不思議があるからこそ冒険家の探求はやまないのだ。
銀色の羽は手元に残っている。

だが一色だけだとどうにも物足りない。

――次は、どこでどう冒険しようか。既に頭の中で構想が始まっていた。

おわり。



「何で私は海の神なんだ?海に関わることは何も無いと言うのに…もう死にたい……」
「……波乗りが使えるではないか」
「ニドキングとかカビゴンも使えますけどね」
「水君ッ!黙ってろ!」
「口を開けっぱなしだとエアロブラスト撃てないって本当?」
「火炎放射に強いんだろうな。……海の神様だから。」
「雷皇ッ!炎帝ッ!……待てッ!何をしようとしているんだルギアァァーッ!」


何かご意見あればどうぞ。




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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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