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僕らの愛情物語 1 太陽と月の出会い

/僕らの愛情物語 1 太陽と月の出会い

桜花

 桜花の作品です。蒼空さんの作品を、参考にしました! ではどうぞ♪

        僕らの愛情物語 1 太陽と月の出会い

                               作・桜花

 愛なんて無い・・・かつては持っていたけれど・・・今は持っていない・・・もう自分には、愛なんて手に入らないと思っていた・・・・・けれど本当の愛は、手に入れようと思えば、手に入れられるものであった・・・それを知ったのは・・・・・僕ら8人が集まった時だった・・・

 雲一つ浮いていない青空の下にある、1本の木の根元で、1人のエーフィが、側にリュックと一振りの日本刀を置いて、のんびり昼寝をしていた。このエーフィの名は、ユウナ=スピラ。ある理由で、旅を続けている。
 「・・・ふぁー・・・よく寝たな・・・・どっかの村で、お昼でも食べるかな・・・」
 そう呟くと、ユウナは閉じていた目を開いた。するとその目は、普通のエーフィ種には無い、空色の瞳があった。ユウナはリュックを背負い、右側の腰に日本刀を差し、移動を開始した。しばらく歩くと、ユウナは小さな村に辿り着いた。ユウナはその村で、昼食を済ませようとした。その時、
 「キャアア!」
 「!?」
 突然悲鳴が上がり、ユウナは悲鳴のした方を見ると、3人のゴーリキーが、1人のミミロップの女性を羽交い絞めにして抑えていた。
 ゴロツキかぁ・・・
と、ユウナは心の中で呟き、やれやれという感じで、そのゴロツキに近づいた。
 「その人嫌がってるんじゃないんですか? 放してあげた方がいいですよ!」
 ユウナが言うと、ゴロツキ達は一斉にユウナは見た。
 「何だぁ・・・おっ! 凄っげぇカワイコちゃん♪ いただき!」
 ゴロツキの一人が、ユウナに近づいてきて、ユウナに手を伸ばした。するとユウナは、その手を掴んだ。その直後、ゴロツキの顔が歪んだ。
 「どうした?」
 他のゴロツキが、手を掴まれてるゴロツキに聞いた。ユウナはニッコリと笑って、ゴロツキの手を放した。そのゴロツキの手には、ユウナの真っ赤な手形が、くっきりと残っていた。
 「お、おい! 行くぞ!」
 「えっ? 兄貴! このミミロップはどうするんでぃ?」
 「解放しろ!」
 そう言うとゴロツキは、ミミロップを解放して、一目散にその場を逃げ去った。
 「ありがとうございます!」
 ミミロップが、ユウナにお礼を言ってきた。
 「いえいえ! では僕は、先を急ぎますので!」
と言って、ユウナはその場を去っていった。ちなみにユウナは、自分の事を『僕』と言っていたが、ユウナは女の子である。つまりユウナは、世間で言う『僕少女』である。そして今のユウナの行動を、陰から見ていた人物が、誰かに今の事を、電話で話していた。

 ※       ※

 「あっちゃー・・・お昼食べ損なっちゃったよ・・・んっ?」
 ユウナは分かれ道に差し掛かり、そこにある立て札を見た。それには『左に行くと街。右に行くと森。』という事が書かれていた。
 「街に行くには・・・左か!」
 ユウナは左の方角に向かって歩き出した。そしてその姿を見送りながら、立て札を引っこ抜く者がいた。

 ※       ※

 その頃別の場所では、ローブの様な服を着て、マントを羽織り、腰に日本刀を差した5人のポケモンが、行動をしようとしていた。その内の一人のポケモン―ブラッキーが、携帯を耳に当てながら話していた。彼の名前は、ライト=クロノ。男の子のブラッキーである。
 「分かりました・・・ありがとうございます!」
 そう返事をすると、ライトは携帯を切って、笑顔で他の4人を見て言った。
 「森に居るみたい・・・行こう♪」
 ライトの言葉と共に、ライトを含めた5人は行動を開始した。

 1時間後

 「はぁ・・・最悪・・・迷った・・・」
 それから約1時間後、ユウナは森の中で迷ってしまった。
 「どうしようかな?・・・」
 ガサッ!
 「!」
 突然草むらを分ける音がし、ユウナが音のした方を見ると、額に『雷』の型を入れたレリーフ付きの鉢巻を巻き、ローブの様な服を着て、マントを羽織り、腰に日本刀を差した、同じ歳くらいの一人のサンダースが居た。
 「あー! お前か!?」
と、いきなりそのサンダースは、ユウナを指差し、大声を上げた。それに対してユウナは、いきなり『お前』と呼ばれて、カチンっときた。
 「何なんだ? いきなり僕にむかって、『お前』って、失礼にも程があるよ!」
 「あーいや、悪りぃ悪りぃ! 悪かったな! 俺はギルム=ザダガ! アンタは?」
 「『お前の次は、アンタかぁ・・・もういいや・・・』僕はユウナ=スピラ! で? 僕に何か用?」
 「うーん・・・単刀直入に言うとな・・・アンタを『捕獲』する!」
 「・・・・・はっ?」
 何言ってるんだ?・・・と、ユウナは心の中で呟いた。
 「・・・悪いけど、僕はナンパとかには、まったく興味ないから、それじゃ!」
 と言って、ユウナはギルムの横を抜けようとした。しかしギルムは、素早く日本刀を抜き、その日本刀で、ユウナの行く手を阻んだ。
 「悪いけど、行かせるわけにはいかないな! どうしてもって言うなら、その日本刀で勝負しな!」
 ギルムは、ユウナの日本刀を見て言った。その言葉を聞くと、ユウナは溜息をついて、日本刀を鞘から抜いた。
 「仕方ないな・・・一回だけだよ!」
 「一回だけって・・・俺の剣技は高速だぜ!」
と、ギルムが言った瞬間、ユウナの姿が消えた。
 「あれ?」
 ギルムが不思議に思った瞬間、ギルムの背中に強烈な痛みが走った。何かと思って、ギルムが振り返ると、そこには1秒前には前に居たユウナが、自分の背後に居た。ユウナは素早くギルムの背後に回りこみ、日本刀でみね打ちを喰らわしたのだ。ギルムはその場に倒れた。倒れたギルムを見て、ユウナは言った。
 「悪いね! 君が『高速』なら、僕は『神速』だよ・・・」
 そう言って、ユウナは去っていった。ユウナの姿が見えなくなった直後、一人のシャワーズが、倒れているギルムに近づいた。
 「ギルム、大丈夫?」
 「マーリン・・・あのエーフィ・・・とんでもない馬鹿力だぜ・・・」

 ※         ※

 「何だったんだろう? さっきのサンダース・・・」
 そう呟いて、森の中を歩いていた時、何所からともなく、綺麗な音楽が聞こえてきた。
 「何だろ? この音楽・・・・・!・・・・これは!」
 ユウナは慌てて、リュックを下ろし、中からMDプレーヤーとヘッドフォンを取り出し、ヘッドフォンを頭に装着して、MDの音楽を大音量で流した。その瞬間草むらから、先程のサンダースと同じ格好をした。同じ歳くらいのリーフィアとグレイシアが現れた。リーフィアには、葉っぱの型を入れたレリーフ付きの鉢巻。グレイシアには氷の型入りのレリーフを付けた鉢巻が、両者共腰に巻かれていて、その二人も、腰に日本刀を差していた。その瞬間、ユウナはMDの音楽を止めた。
 「あっちゃー・・・『草笛』を気づかれちゃったか・・・」
と、リーフィアが言った。このリーフィアは女の子の様だ。
 「姉様・・・どうしますか?・・・」
 グレイシアがリーフィアに聞いた。甲高い声から、またもや女の子と思われる、このグレイシアとリーフィアは姉妹の様だ。グレイシアがリーフィアの事を『姉様』と呼んでいた所から、リーファアが姉の様だ。
 「う~ん・・・仕方ないから、物理的戦術でいきましょ! あれをやるわよ!」
 「ハイ!」
 『あれ? あれって何?』
と、ユウナが心の中で思っている内に、リーフィアとグレイシアは、ユウナから10mくらい離れた所に、左右に分かれた。丁度ユウナを挟む状態だ。

『はっぱカッター!』

 いきなりリーフィアが、ユウナに向かって、はっぱカッターを打ち出してきた。ユウナはそれを、空中に飛び上がって回避した。その時・・・
 『こおりのつぶて!』
 今度はグレイシアが、こおりのつぶてを発ってきた。しかしユウナは、それを空中で、軽やかに回避した。
 『はっぱカッター!』
 なんとリーフィアは、回避中のユウナに、追撃ではっぱカッターを発った。
 『(ヤバイ・・・避けきれない!・・・)アイアンテール!』
 ユウナは尻尾を硬質化して、思いっきり尻尾で、はっぱカッターを叩き落した。その後地面に降りた。
 「ハア・・・ハア・・・流石に二人は辛いな・・・二人? そうだ!」
 何を思いついたのか、ユウナは突如、グレイシアの方に向かって走り出した。
 「えっ!?」
 グレイシアは、頭の上に『?』を浮かべる様な顔をしていた。
 『こおりのつぶて!』
 例によって、グレイシアはこおりのつぶてを発ってきたが、ユウナはすぐさまUターンをして、今度はリーフィアの方に走り出した。それに気づいたリーフィアが、はっぱカッターを発ってきたが。その時ユウナは突如、その攻撃が当たらない程度まで伏せた。
 『あっ!』
 リーフィアとグレイシアは、同時に驚きの声を上げた後に、それぞれの技が当たり、二人は目を×印にして倒れた。
 「・・・ふぅー・・・」
 ユウナは再び、森の奥に向かって歩き出した。

 ※      ※

 その後しばらくは、誰とも出会わずに、ユウナは森の中を歩いていた。しかし・・・
 「誰!?」
 ユウナは、何者かの気配を感じた。ユウナは今までの襲撃により、気配を感じる事に、敏感になっていた。
 「誰かいるんだろ? 僕の前に出て、姿を見せて!」
と、大声で叫ぶと目の前に、先程のサンダース等と同じ制服を着て、首に月の型があるレリーフ付きの鉢巻を巻いた、同じ歳くらいのブラッキーが出てきた。それはライトだった。ユウナはライトを見た瞬間、あるものを感じた。
 『このブラッキー・・・凄く強い・・・逃げなきゃ・・・』
 ユウナは先の戦いで体力を消耗し、とても戦える状態じゃなかったので、その場から逃げ出した。
 「あっ! 待って!」
と、ライトは叫んだが、その時にはもう、ユウナの姿は無かった。

 ※      ※

 「ハア・・・ハア・・・今日は良く走るな・・・」
 ユウナは、大きな泉の前で、息を切らしていた。
 「・・・汗かいちゃった・・・・そうだ!」
 何を思いついたのか、ユウナは腰の日本刀を抜き、背中のリュックを下ろし、泉と面を向かい、そして・・・
 「えいっ!」
 ザッパーン!
と、勢い良く泉に飛び込んだ。ユウナは気持ち良さそうに、水中を漂っていた。ユウナは水浴びをして、汗を洗い流そうとしたのだ。
 「気持ち良いな・・・」
  ザッパーン!
 「!」
と、何かが飛び込む音がして、ユウナが音のした方を見ると、先程のブラッキー・ライトが水中にいた。ユウナは慌てて、再び逃げようとしたが・・・
 「・・・?・・・」
 ユウナはライトから、逃げようとしなかった。ライトには、警戒心・敵対心・攻撃性等は、まったく無かったからだ。やがてライトは、ユウナの側まで泳いできて、水面を指差した。ユウナは素直に従い、水面に出た。ユウナに続いて、ライトも出てきた。
 「大丈夫?」
 ライトは心配する様に、ユウナに聞いてきた。
 「・・・大丈夫だけど・・・」
 「良かった・・・とりあえず、岸に上がろう!」
 「・・・・うん・・・」
 そう言うと、ユウナは岸に向かって泳ぎ、岸に辿り着くと、ライトも上がってきた。
 「あっ! 名前を言ってなかったね! 僕はライト=クロノ! 君は?」
 「・・・ユウナ=スピラ・・・どうして飛び込んできたの?」
 「あっ、いや・・・溺れてるんじゃないかなって思って・・・」
 「フフッ・・・残念♪ 僕は泳ぎは得意な方なんだ・・・」
 「あっ・・・そうなんだ・・・ゴメン・・・・女の子だから、助けなきゃと思って、助けに来たんだけど、余計なお節介だったね・・・」
と、テレながらライトは言ったが、ユウナにとっては、驚くべき単語が含まれていた。
 「えっ?・・・・今、女の子って言った?」
 「えっ? そうだけど・・・」
 「どうして僕が、女の子だって分かったの? 一人称だって『僕』だし・・・いくらエーフィ種が女の子が多いからって、男の子の場合もあるよ!」
 「それは・・・ユウナには、女の子としての魅力もあったし・・・それに・・・」
 「それに?」
 「僕・・・ユウナの事が、好きになっちゃったんだ・・・・」
 「・・・・・ええっ!?」
 ユウナは驚いた。会って数分しか経っていない自分の事を、このライトは好きになったからだ。
 「えっ? あっ? そ、それってどういう・・・」
 「オイ! マジかよ!」
と、言って現れたのは、先程のサンダースのギルムと、ギルムと同じ制服を着て、頭に水の雫の型のレリーフをのある鉢巻を巻いたシャワーズ。それに先程戦った、リーフィアとグレイシアだった。ギルムが言葉を続ける。
 「コイツ女だったのかよ!? 凄っげぇ馬鹿力なのに! しかもライト! お前コイツに惚れたのかよ!?」
と、ギルムが叫ぶと、ユウナはカチンとなって言った。
 「馬鹿力って言うな!」
 「そうだよギルム。女の子に馬鹿力は失礼だよ!」
 ライトも、ユウナの為に援護した。
 「女の子って・・・俺にはとても、コイツが女とは思えねぇな・・・だってコイツ、貧乳だし・・・」
 バキッ!!!
 ギルムが言った直後、ギルムは10m位先までぶっ飛んだ。ユウナが思いっきリ、ギルムを殴ったのだ。その直後、ギルムの側にいたシャワーズが、ユウナを見て言った。
 「ゴメンね! ギルムは一言多い事を言ったりするけど、本当は良い奴だから! それと・・・私の名前は、マーリン=ホムラ! よろしくね!」
 「僕は、ユウナ=スピラ。よろしく」
 ユウナはマーリンに挨拶をした。すると今度は、リーフィアとグレイシアが近づいてきて、自己紹介を始めた。
 「私はリンフ=ハーブ! あなた自分の事『僕』って言ってるけど、女の子なんだ・・・よろしくね♪」
と、何故かリンフは、顔を赤くしながら自己紹介をした。
 「姉様~! 私の紹介もして下さいよ!」
と、リンフと行動をしていた、グレイシアが言った。
 「あっ! ゴメンゴメン♪ ユウナ! このグレイシアは、フリム=ハーブ! 私の双子の弟♪」
 「そうなんだ・・・・・って弟!? 妹じゃないの?」
 ユウナはフリムの事を女の子と思っていたので、男の子と知って驚いた。
 「まあパッと見ると、女の子みたいだけど、本当に弟だから♪」
 リンフが言うと、今度はフリムが話しかけてきた。
 「初めまして! フリムといいます!」
と、高めの声で、フリムは丁寧に自己紹介をした。
 「あの~ユウナ・・・」
と、若干困った顔をしながら、ライトが言った。
 「あっ・・・」
 今までライトの存在を忘れていたが、思い出してライトを見た。その瞬間、ユウナの顔は赤くなった。
 「・・・ライト・・・こっちに来てくれる?」
 そう言うとユウナは、ライトを引っ張って、少し離れた所に移動した。そしてライトに聞いた。
 「ライト・・・何で、僕を追いかけたの?」
 「・・・・・さっきも言ったよ・・・・僕はユウナの事が、好きになっちゃったみたいって・・・」
 「!!!」
 ユウナの顔は、さらに赤くなった。
 「それでね・・・・ユウナに、騎士団に入ってほしいんだ・・・」
 「騎士団?」
 「僕とあそこにいるギルム・マーリン・リンフ・フリム。それと別の場所にいる二人で結成した騎士団・・・クロノア騎士団・・・・・無理にとは言わないけど、出来れば入ってほしいんだ・・・」
 ライトが言い終わると、ユウナは少し考えてから言った。
 「・・・・いいよ・・・」
 「えっ?」
 「ライトが僕を求めるなら、僕は騎士団に入るよ♪」
 「ホ、ホント!?」
 「うん♪」
 「やったー!」
と、ライトはユウナが騎士団に入る事に、最大限に喜んだ。
 「おい! どうした?」
 流石に気になったのか、ギルムが聞いてきた。
 「ユウナが、騎士団に入るって♪」
 「げっ!? マジかよ!? こんな怪力女が入るのかよ!?」
 「怪力女言うな!」
と、怒りながらユウナは言ったが、この時心の中では、強い喜びがあった。

 僕らの愛情物語 1 太陽と月の出会い 完 2に続く・・・

 あとがき
 予想していたより、時間は掛かりましたが、何とか1話目は完成しました。 感想等の意見がありましたらどうぞ♪ それでは♪
 
 

 
 


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Last-modified: 2013-07-05 (金) 00:00:00
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