「まぐー!」
「ああこら、大人しくしろ!」
紅葉の綺麗になってきたこの頃。俺とマグマラシの散歩道も赤と黄色の絨毯がひかれ、散歩も楽しくなる。
散歩道と言っても、俺達はただっぴろい森の中を自由に歩き回るだけなのだが。
俺こと陽利(ひかり、と読む。女っぽい名前だが男だ)とマグマラシはほぼ毎日この森を歩いている。最早日課となっており、やめるにやめられない。
このマグマラシは俺の兄弟のような存在だ。どこか抜けたような行動をするがそれがチャームポイントと化している。
あと……特筆すべき事でもないと思うが、その……ナニが大きい。ビックリするぐらい大きい。人間である俺や友人がショックを受けるくらいに。
こいつを旦那に迎えてくれるポケモンは、祝福すべきか否か。
どうでもいいことを考えていた。その間に、どうやらいつもの場所に到着したようだ。
この森、どういう仕組みか知らないが、どう歩いてもこの大きな樹に辿り着くのである。樹には大きな虚があり、その角に白い汚れがついているのはいつものことである。何の汚れかは知らないが、恐らく唾液か何かだろう。
ここまでが俺とこいつの日常。
今日もいつも通りだ。
そう言えば、今日は流星群が見えるんだっけか。
いつもと違うのはそれくらい。
――――
次の日、いつもと違う目覚めを体験した。目が覚めたのはあの樹の前。
よく分からないが、マグマラシがいないし、ここは俺の家でもない。
それに何より重要なのは、俺がロコンになってしまっていることだ。
……何で?
体を撃つ風がやけに冷たいのがこれが現実なのだと思い知らす。
とりあえず樹の虚に入ることにした。落ち着いて考えるためだ。
虚に入り、まず自分の体が本当にロコンになってしまったのかを確認する。
尻尾は六本、頭頂部にはクルリと巻かれた毛。
と、ここで、あることに気づいてしまった。
訳が分からないが、長年付き合ってきた股間のナニが……無くなってしまっていたのだ!
そこにあるのは、薄ピンク色のなだらかな丘と裂目。男にはある筈のない恥丘で、これは悪い夢かとくらついてしまう。
その時、いつものあの白い汚れが目に入った。同時に、人間時代には分からなかった臭いも届いた。
生臭い、しかし体のどこかで求めてしまうようなクラクラする臭い。
本能と言うべき所で理解した。これは、牡の精液の臭いだ。
俺の理性では激しい嫌悪感を感じていたが、何故か体は言うことを聞かずにその精液のこびりついているところへ向かった。
そこへ座り込むと、あろうことか股を広げ始めたのだ! 必死に止めようとするが、体は言うことを聞かないままだ。
しかも、恥丘は既に濡れていた。中身は男の俺なのに、牡の精液で興奮してしまっているのだ。
……何故だろう、だんだんこれでもいい気がしてきた。
牝の体はどれだけ柔らかいのか、知ってみたくもある。
俺は本能のままに恥丘に前足を伸ばして――
「――ッ!?」
信じられないような快感が体を巡った。なんて気持ちいいんだ、おかしくなりそう。
もっと、もっと気持ちよくなりたい。
俺は、誰のかも分からない精液で自慰を続けた。
――――
「ご主人ー! いたら返事をしてー!」
外から声が聞こえる。聞いたことのあるような声だ。
でもそんなこと今はどうでもいい。もうすぐで、すごく大きい波がくる気がする。これが女、牝の絶頂だろうか。
俺は最早勝手に動いている前足にスパートを……
「ご主人!」
勢いよく入ってきたのは、なんと俺のマグマラシだった。なるほど、ロコンになったからポケモンの言葉を理解出来るようになったのか。
「あ……ご、ごめんなさい!」
彼は顔を赤くして後ろを向いてしまった。
何故か、それは簡単だ。今現在の俺の下半身は、俺の秘所からあふれでている愛液でぐしょぐしょなのだから。
……うわっ! めっちゃ恥ずかしい!?
――――
「えぇー!? 本当にご主人なの!?」
マグマラシは、いつの間にかいなくなってしまった俺を探していたらしい。
俺が陽利であると言う証拠をいくつかあげると納得してもらえた。
「ご、ご主人。……えっと、その……あの精液、僕のなんだ」
衝撃の事実が発覚した。つまり俺は、相棒の精液で興奮して、自慰していたと。うわ、恥ずかしい。
しかも、マグマラシが興奮してきたらしい。口には出していないが、残念ながら立派な逸物様がこんにちはしているのが丸見えだ。
……あのくそ大きなナニを入れられたら、どんな感じだろうか。
いやいや、何を考えて……と、思っていると、マグマラシがこちらに近づいてきた。なんだろう。
「ご、ご主人……僕、ちょっと我慢できそうにないよ」
「え? うわっ!」
いきなりうつ伏せにさせられ、後ろに立たれ、俺の腰を持ち上げられて――
to be continued……