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交叉する夜

/交叉する夜

※人×ポケモンの描写があります。

交叉する夜 

writer――――カゲフミ

―1―

 光が差し込んでくる。目を閉じている僕の瞼の隙間にも入り込もうと必死だ。眩しい。
もう少し寝ていても良かったんだけど、なんだか中途半端に目が覚めてしまった。
このまま無理やり目を閉じて眠りにつこうとしても寝れそうにない感じがする。仕方ない、起きるか。
僕は眠っていた毛布から立ち上がると、頭を左右に振って大きく伸びをする。少しは眠気が飛んだかな、まだぼんやりしてる感じはあるけど。
さっきの光は夕日だったみたいだ。窓から見える空はオレンジ色に染まっている。
僕は窓辺まで歩いていき、外を覗きこもうとして慌てて頭を退いた。危ない危ない。またやってしまうところだった。
窓の真ん中あたりには引っ掻いたような細い傷が一本入っている。もし不用意に顔を近づけていたら傷が二本になっていたことだろう。
 僕はアブソルというポケモンだ。白いふさふさの毛並みに四肢には鋭い爪、そして頭部には頭の側面から伸びた刃のような角がある。
この角がなかなか厄介で、無駄に切れ味が良いため注意していないとあらゆるものに傷をつけてしまう。
この部屋のタンスや壁にも、僕の頭の高さに沿って傷が入っているものは少なくない。
これ以上傷を増やさないようにしないと。今度はそっと窓に頭を近づけて、外を見た。
都会のアパートの一室とはいえ、晴れた日にここから見渡せる景色はなかなかのもの。
住宅街や道路がまるで小道具のようにずらりと整列して、遠くまで伸びている。
連なっている家々を見降ろしていると、なんとなく自分が大きな存在になったような気がして、気分がよかった。
 窓越しの景色を眺めてわけもなく優越感に浸っていた僕を、空腹を告げる腹の虫が現実に引き戻す。そういえば腹減ったな。
日も暮れかけているし、夕食にするにはちょうどいい時間だ。でも、肝心のルエナが帰ってこないと話にならない。
今日の昼ごろ、ダンに会いに行くんだって意気揚々と出て行ったっきりか。遅くなることも計算に入れて、僕の夕食も用意しておいてくれればよかったのに。
久しぶりに恋人と会って会話が弾んで帰りが遅くなるってパターンかな。多少遅くなるくらいなら構わないけど、このまま帰ってこないってのは勘弁してくれよ。
でもまあ、ルエナはすごく嬉しそうだったし、恋人同士のデートにとやかく言うのも無粋かな。
僕には恋人なんていないけど、好きな人と一緒にいられることはとても楽しいことなんだと思う。
出来るだけ長く一緒にいたいという気持ちも理解できる。少々帰りが遅くなるくらいは大目に見てあげようか。
特にすることもないからここでのんびり景色を眺めていようかな。街が夕方から夜へと移り変わっていく様子を観察するのもなかなか面白い。
僕が窓の前に座り直そうとしたのと、玄関でガチャリと鍵の回る音がしたのがほぼ同じタイミングだった。
きい、とドアが開いてルエナが入ってくる。いつも肩から下げている鞄の他に、スーパーのものと思しき袋を提げていた。
どこかに買い物に寄っていたから遅くなったのか。いや、いつもダンと会って帰ってくる時間を考えればむしろ早いような。まあいいか。帰ってきてくれたんだし。
「ただいま。デイル」
「おかえり」
 そこまで広くないアパートだから、僕がいた窓からも玄関は見える。見えるけれど僕はいつもこうやって玄関までルエナを出迎えに行くんだ。
留守番が怖いわけじゃないけど、やっぱり自分の主人の顔を近くで見て、自分の名前を呼んでもらえると安心するから。
「すぐにご飯にするからね」
 そう言ってキッチンの方へ歩いていくルエナ。他には何も言わなかった。
変だな。いつもなら帰って来た時に今日はダンと何所へ行った、何を話した、とかいろいろと惚気話を聞かされるんだけど。
確か結構前にもこんな日があった。その日はダンと喧嘩して帰ってきたんだったっけ。となると今日も……。
あくまで推測に過ぎないが、仮にそうだったとしたら触れてほしくない部分はあるだろう。ここは黙っておくのが良策か。
とりあえず今は食事だ。ルエナとダンについてあれこれ思案するのは腹が膨れてからでも遅くはない。
僕は夕食を心待ちにしながら、軽い足取りでキッチンへと向かった。

―2―

 用意してくれた食事を僕は夢中で頬張った。昼間は大方寝て過ごしていたけど、運動せずとも腹は減るのだ。
もぐもぐと咀嚼しながら、隣の机で食事しているルエナをちらりと見やった。
表情は普段と大して変わらないが、どことなく陰りがあるような気がする。僕の目の錯覚と言われれば、それまでだけど。
それよりもルエナが何も喋っていないというのがおかしかった。デートの後はしつこいくらいにダンの話題を僕に振ってくることが多かったのに。
会話の内容が彼の話題でないにしても、何気ない雑談を交えながら食事をするのがいつもの光景だった。
やっぱりダンと何かあったのだろう。確信するには十分な要素が揃っている。
気にならないといえば嘘になるけど、わざわざ彼女の傷口を広げるような真似をするほど僕も無粋じゃない。
ここはルエナの方から話してくれるのを待っておくべきだろう。話そうとしないのならそれ以上の詮索はしない方向で。
「……デイル、どうかした?」
「え?」
「さっきからちらちら私の顔見てるじゃない。何かついてる?」
 あまり気づかれないよう控え目に顔色を伺っていたつもりだったんだけど。
ルエナの様子が気になって、知らず知らずのうちに凝視してしまっていたのかもしれない。
ん、ついてるかと言われれば、ついてるな。口元に白いものが。
「ごはんつぶが一つ……」
 僕の一言に慌てて顔を拭うルエナ。あ、取れたよ。
別にごはんつぶが気になって見てたわけじゃないんだけど。目についたから一応。
でも気づかないなんてルエナらしくないな。それだけダンとのことで頭が一杯なんだろうか。
箸を置いてふうとため息をついた後、ルエナは僕の方を向いて言う。
「実はさ……ダンのことなんだけど」
 来た。ルエナは黙ったまま自分の中にため込むようなタイプじゃない。
どんな事情があるにせよ、きっと話してくれると思ってたよ。でもむやみに追及はしないで、言葉を待つ。
「……って、デイルはなんとなく気づいてたみたいね」
「薄々はね。今日のルエナ、全然嬉しそうじゃなかったし」
 あれだけ楽しそうにダンの話題を振り撒いてくる普段と、沈黙を保ったままの今日とでは温度差がありすぎる。
その変化に気づくなという方が無理かもしれない。
「別れてきた」
「えっ……!」
 突如、ルエナの口から飛び出してきた短い言葉。だけど、僕の中の驚きという感情を呼び起こすには十分だった。
思わず目を見開いて、ルエナの顔を見る。もう目の錯覚なんかじゃない。やや伏し目がちに話す彼女は寂しさを纏っていた。
別れた、つまり彼女はダンと破局を迎えたってことなのか。僕の記憶しているところでは二人は結構長い付き合いだ。
確か、そろそろ三年目になるんじゃなかったっけ。そんな二人の間にいったい何が。
「そう、私にもう恋人なんていないの」
「だけど、どうして……?」
 無意識のうちに僕は疑問をぶつけてしまっていた。
それだけ、ルエナがダンと別れたという話は僕にとっても衝撃的だったのだ。
自分から聞きだすようなことはしまいと思っていたのに、早速やってしまったと後から気付く。
彼女からこの話を持ちかけてきたわけだから、理由も話すつもりだったのかもしれないけれど。
「彼ね、私の他に好きな人が出来たんだって。要するに、振られたわけ」
「…………」
 ダンとは僕も何度か会ったことがある。確かルエナより一つ年上で、爽やかな笑顔が特徴的な人だった。
二人がとても仲良く、そして楽しそうにしているのを見ていつかこの二人は結婚するんだろうなと勝手に思っていた程だ。
それなのに。別れただなんて。……何が起こるか分からないもんだ。
僕は恋愛したことなんてないけど、好きな人と別れるのはやっぱり辛いんだろうな。
「長い上に全然面白くないと思うけど、私の話に付き合ってくれる?」
 彼に対して思う所はいろいろとあるのだろう。ルエナのことだからきっとすべて吐き出してしまいたいはずだ。
共感するのは難しいけど、愚痴を聞くくらいなら僕にも出来るかな。
男女のことなんて分からないから、と言って突き放すほど僕も非情じゃない。ルエナの気がすむまで付き合ってあげるよ。
「ありがとね」
 黙って頷いた僕に、ルエナは小さな微笑みとともに頭を撫でてくれた。

―3―

 随所にため息を交えながらルエナは僕に話してくれた。
てっきりダンへの恨み言でも聞かされるのかなと思っていたけど、内容は自分が彼と過ごした日々のことばかりだ。
出会ったときのこと、初めてのデートはどこだったか、誕生日を祝ってあげたこと、等々。これじゃあ普段の惚気と大して変わりない。
きっとルエナはまだダンのことを愛しているんだ。振られたからと言って、頭ごなしに彼を非難することはできないんだろう。
一週間前のデートのことを話しかけて、ふと黙り込むルエナ。机に肘を付き、手を額に当てて俯いた。
「……やめよ、思い出話は。余計虚しくなってくる」
 楽しかった過去がたくさんあるだけに、今との差を感じずにはいられないんだろう。
僕も思い出を語るのは逆効果のような気がしていたけど、下手に口を挟むと彼女を傷つけてしまいそうで何も言えなかった。
恋愛経験のない僕に考えうる最善の方法は、時折ルエナに相槌を打ちながら黙って頷くことぐらいだった。
適当に返事してるわけじゃない、ちゃんと聞いてるよ。ただ、どんな言葉を掛ければいいのか分らないだけで。
「でもま、浮気されて後から気付くよりはダメージが少なかったかな。ちゃんとけじめをつけてくれた辺り、さすがよね」
 そう言って小さく笑うルエナ。無機質な笑い声だ。聞いているこっちまで不安になるような。
自分の気持ちをはっきりと伝えた点では、ダンは誠実な人なんだと思う。
もし彼が優柔不断なままだったら、ルエナはもっと傷ついていただろうから。
それでも。他に好きな人ができたから、三年も付き合ったルエナを振るだなんて。僕には良く分からなかった。
そりゃあルエナは僕のトレーナーだし、身内びいきみたいな感情も入っていたけど。
「なんでこんなことになっちゃたんだろ。ねえデイル……私ってそんなに女として魅力がないのかな?」
「えっ……」
 少し潤んだ目で見つめられ、僕は思わずドキリとしてしまう。
やや俯いたまま僕の方に視線を送っているから、心なしか上目遣いで……なんて言うか、色っぽく感じたんだ。
これがひょっとして、彼女の魅力ってやつなのかな。もともと異性を見るような目でルエナを見たことなんかなかったから、なんだか変な感覚だ。
「そ、そんなことないよ。……多分」
 どういったものが人間の女性の魅力なのかいまいちピンとこない。
でもさっき僕がルエナに何かを感じたのは確かだし、無いなんてことはないはずだ。
とは言ってもやはりはっきりしないことには変わりがないため、僕は曖昧な返事しかできない。
「ふふ、ごめんね。ポケモンのあんたにこんなこと言っても分からない、か」
 目を閉じたルエナの瞳から、一筋の涙がつうっと頬を伝っていく。
そう言えばダンと喧嘩をした時もこうやって泣いてたことがあったっけ。
彼との諍いくらいなら、僕も拙い励ましの言葉をかけてあげることができるんだけど。今回は涙の理由が深刻だ。
元気出して、気にするなよ。僕の思いつく台詞ではどれも陳腐で、気休めにもならないだろう。
「あーもう! やめたやめた!」
 考え事をしている時に突然の大声は心臓に悪い。
いきなり叫んで立ちあがったルエナに、僕はびっくりして一瞬毛を逆立てていた。
何するつもりなんだろうかと見ていると、冷蔵庫を開けて今日帰りに買ってきたスーパーの袋を取り出している。
そしてそれを持ってくると乱暴に机の上に投げ出す。中にはビールやらチューハイやら、いわゆるお酒というものがたくさん入っていた。
「今日のことは忘れよう、うん! デイル、あんたも付き合ってよ」
 お酒は僕も少しなら飲んだことがあった。
何となく頭がぼうっとして、体が温かくなって、眠くなる。不思議な飲み物だ。
ルエナは今日のことをお酒を飲んで忘れるつもりなのか。確かにたくさん飲めば悲しみも感じなくなるかもしれない。
一時的な逃避と言われればそれまでだろうけど、誰だって逃げ出したいときはあるか。
「分かったよ」
 お酒に酔う酔わないは個人差があって、僕はあんまり強くなかった気がするんだけど。
まあ、ちょっとくらいならいいよね。付き会うよ、ルエナ。

―4―

 少し、体が熱くなってきた。だけどまだまだ意識ははっきりしている。
僕は酒の缶を持って飲むことができないから、ルエナにいつも水を飲んでいる皿についでもらってる。
この方法だとそんなに一気には飲めないからちびちび味わうと言った感じか。炭酸が抜けるから風味はいまいちなんだよね。
ようやく最初に注いでもらった一缶分がなくなったところだ。まあ、強くない僕にはこれくらいのペースが丁度いい。
「……ふう、やっぱ酒はいいわぁ」
 普段よりも心なしか大きな声を張り上げながら、ルエナは空にしたビールの缶を机の上に転がす。
ずいぶんと缶が空くのが速いな。少なくとも五、六本は飲んでるんじゃないか。こんなに酒に強かったかなあ、ルエナ。
「んー、空になってるじゃない。ほら、デイルももっと飲みなさいよぉ……」
「う、うん」
 そう言って新たな缶を開けると、僕の皿になみなみと注ぎたしていく。これ以上飲むのはあんまり気が進まないんだけど。
それよりもルエナは大丈夫なのか。どことなくろれつが回っていないような気がするのは僕の気のせいかな。
頬は紅潮していて、目付きもとろりと緩んでいる。見た目としては完全に酔っているように見えるけど。
「あらぁ、もう酒ないじゃないの。新しく取ってこないと」
 机で体を支えながら、辛うじてと言った感じで立ち上がるルエナ。こんな調子でちゃんと冷蔵庫まで歩いて行けるのかな。
何歩か足を踏み出したところで動きが止まる。瞬間、ぐらりと彼女の体が傾いた。
「……っ!」
 あの酔いようだと手をつくこともできないだろう。このままでは全身を床にぶつけてしまう。
僕は咄嗟に、倒れかかったルエナと床との間に滑り込んだ。もう少し早く駆け寄っていれば支えられたかもしれないが、もう間に合いそうにない。ならばせめて衝撃を和らげる方法を。
「ぐあっ……」
「あいたっ」
 ルエナは僕の背中の上にのしかかるような形で倒れこんだ。こんなこと言うと怒られるかもしれないけど、意外に重かったんだよね。
勢いのついた彼女の体を支え切れずに、僕も床にうつぶせに倒れてしまった。そこまで大きなポケモンじゃないから、背中に人を乗せるのは無理があるみたいだ。
「あぁ、ごめんねぇ……デイル。大丈夫?」
「な、何とか」
 僕がクッションになったから、そんなに痛みはなかったみたいだ。ちなみに僕は結構痛かった。
床に突っ伏していたところをルエナにぐるりと反転させられ、僕は仰向けになる。ルエナが僕を見下ろすような形で、薄笑いを浮かべていた。
何だろう。ルエナはいつも見ているはずなのに、今日のルエナはどこか違って見える。これも酒が入ったせいだろうか。
今の表情で語りかけられていたら、迷うことなく僕はルエナは魅力がある、と答えていただろう。
「る、ルエナ、そろそろどいて……っ!」
 何を思ったのか、ルエナは僕の背中に手を回しぎゅっと抱きしめてきた。
両方の手のひらをしっかりと背中に密着させて、まるで大切なものでも守るかのように。
僕の体に彼女の胸が押しつけられる。抱きしめられた戸惑いよりも先に、こんなに柔らかかったんだ、とふと思ってしまった。
「毛でボリュームあるように見えるけど、案外華奢なのねぇ、あんた」
「お、おい……何を」
 ルエナの予想以上の力の強さに、なんだか身の危険を感じる。
かなり酒が入ってるみたいだし、冷静な判断ができなくなっているのかもしれない。やっぱり飲みすぎてたんだ。
でもあの状況じゃ、僕がほどほどにと忠告しても聞き入れてはくれなかっただろうけど。
「ねぇ……デイル。あんたで私を慰めてくれない?」
「そ、そう言われても……ふぁっ!?」
 もしそう言った言葉があるのなら、僕が探したいくらいだ。ルエナを的確に元気づけられるような。
でもそんなことを考えたのは一瞬で、直後、僕は股間から伝わってきた刺激に全身で反応してしまっていた。

―5―

 何が起こったのか分からず、一瞬頭が真っ白になる。まさかとは思ったけど、その事実を確かめてしまうことが怖い。
だけどいつまでもこのままでいるわけにもいかず、僕はおそるおそる自分の股ぐらの方へ視線を移してみた。
ルエナの片方の手が伸び、僕のモノを捕えている。本の少しだけ予想はしていたけど見たくなかった光景。な、何やってるんだよ、ルエナ。
もしかすると酒のせいで幻覚でも見ているのかと思ったが、体の底から脱力していくようなこの刺激は本物だ。
「ちょ、ちょっと、ルエナ、どこ触って……!」
「どうしたの、私達の仲じゃない。今更恥ずかしがることでもないでしょう?」
 抵抗しようと振り上げた前足を、もう片方の手で掴まれる。
想像以上の力だ。彼女にこんな力があったなんて。抵抗は許さないというルエナの意志なのか。
僕を押さえつけておきながら、なおも妖しげな笑みを崩そうとしない彼女に、背筋にうすら寒いものを感じた。
 ちょっと待った。今更ってどういうことだ。今までルエナにこんなことをされた覚えはないぞ。
それに私達の仲って、僕はルエナのパートナーのポケモンであって、互いに体を求めるような関係じゃない。
ひょっとしてルエナ、酔っ払ったせいで僕をダンと勘違いしているじゃ……。
「あんたのこれで、私を慰めて……」
「あぅ……」
 手の動きを止める気配のないルエナ。むしろだんだんと刺激が強くなっているような。
今まで他の誰かに触れられたことなんてないから、軽く弄られるだけでもかなり感じてしまう。
抗う意志は見せてみたものの、体の反応は正直だった。幾度となく表面を撫でつけられ、僕の雄はむくむくと頭をもたげ始めている。
「る、ルエナ……僕はデイル! 君の恋人のダンじゃな……んっ」
 言いかけて、口を塞がれる。ルエナ自身の唇で。軽いキスじゃない。ねっとりとしていて、重厚で、深みのある。
僕の口の中を完全に舐めつくしていくかのように、深く舌を絡ませてくる。その間も、肉棒への刺激は抜かりがない。
口と下半身への攻めは、僕の中の理性をゆっくりと溶解させていく。まるで、理性という名の飴が彼女の口の中で転がされているかのように。
十分に僕の口内を堪能した後、ルエナは唇を離す。だらしなく開けられた僕の口元から、彼女の舌に向かって細い糸が伸び、やがて消えた。
「これ以上は、もしあんたが嫌だって言うならやめるけど……どう?」
 そう言ってルエナはぴたりと手の動きを止める。もう完全にそそり立っている僕の肉棒は刺激が途絶えたことにより、ぴくぴくと不満を漏らしていた。
じわじわと伝わっていた快感がなくなった。最初はやめてほしかったはずなのに、今は物足りなさを感じずにはいられない。
意地悪だな。ここまで弄っておきながら、中途半端に止めるなんて。これがルエナの作戦なんだろうか。
確かに、ここまで来たのなら最後までやってほしいという気持ちもある。誰かにしてもらうのは初めてだし、どんな感覚なのかも凄く興味があった。
 だけど、一度は抵抗しようとした身だ。ここで安易に求めてしまえば、彼女に屈伏してしまうようで悔しい。
きっとルエナは確信してる。僕がもっと刺激を求めるはずだと。ここはどうすればいいのかな。
いつの間にか僕は相手がルエナだということは忘れ、快楽に身を任せるべきか抗うべきかで自問していた。
「ふふ、下のほうはもっと欲しいみたいだよぉ」
「っ!」
 指先でつんと先端に触れるルエナ。悩んでたところへの不意打ちか、あるいは弱い部分への追い打ちか。
どちらにしろ卑怯だな、と思った。
だけど、今の後押しで僕の中の天秤は完全に身を任せるほうに傾いてしまった。
これ以上生殺しの状態が続くのは、精神的にも肉体的にも耐えられそうになかったんだ。

―6―

「……つ、続けて、ルエナ」
 ああ。とうとう誘惑に負けて言ってしまった。快楽を求めるのは生き物としての本能なのかな。
その答えを待っていましたと言わんばかりに、彼女はにんまりと満面の笑みを浮かべる。
普段は優しさを感じるその笑顔も、今は小悪魔のような邪悪な笑いにしか見えなかった。
「それじゃあ行くわねぇ」
 今度は手でなく顔の方を僕の股ぐらに近づけていく。そこまでするの、と一瞬驚いたがすぐにそんな余裕はなくなった。
生温かくて湿った感触が僕の肉棒に絡みつく。先端をくわえたルエナは舌先をチロチロと動かしながら、煮えたぎる雄を愛撫していく。
「うぐ……あぁっ」
 手で触れられているときの比じゃない。彼女の口から、舌から、絶え間なく刺激が送り込まれてくる。
口でやられるのは初めての僕には強すぎる刺激だったのかもしれない。ルエナの舌が動くたびに、僕の肉棒が鼓動しているのが分かった。
 迫りくる快楽に身を委ねてしまえばもっと気持ち良くなれそうだ。そしてそれは遠からず僕に訪れるもの。体の奥で煮えたぎる何かはそれを暗示していた。
しかしまだ始まって数分も経ってない。ここで果ててしまっては雄としてあまりにも情けないような気がしないでもなかった。
もしここで達してしまったらどうだろう。そんな僕を見て小馬鹿にしたように笑うルエナの姿がありありと想像できた。さすがにそれは悔しい。
だから僕は、なけなしの虚勢をかき集めて彼女の舌技に耐え忍ぶことにした。どこまで耐えられるか自信がなかったけど。
「……ふぅん、意外に頑張るのね」
 やっぱり、僕が果ててしまうことも想定内だったのだろう。少しつまらなそうに呟いたルエナ。
僕の頑張りは無駄にはならなかったか。どんなもんだい、と威勢よく言ってみたかったけど、あいにくそんな余力は残されていなかった。
「じゃ、これはどうかなぁ」
 先っぽへの愛撫は持続しながら、今度は根元に手を添えてぴくぴくと脈打つ肉棒を無慈悲に揉みほぐしていく。
これは完全に攻撃モードだ。変な意地を張って耐えてしまったものだから、彼女を本気にさせてしまったのだろうか。
「ひあああぁっ!」
 体を大きくのけ反らせ、僕は悲鳴を上げる。まずい。この衝撃は半端ない。
見上げる天井もぼんやりと霞んでいきそうだ。このまま続けられたら、一分、いや三十秒と持ちそうにない。
畜生。ここまでか。でもま、最初の攻めには耐えられたからルエナに一矢報いることは出来たからよしとしようかな。
これだけ我慢できたんだ、後はめくるめく甘い快楽が――――こなかった。
「ここで果ててもらっちゃ困るのよねぇ……」
 いつの間にか口も手も、僕の肉棒から放していたルエナが薄ら笑いを浮かべる。
またか。あと少しというところで。いったいどれだけ僕を振り回すつもりなんだろう。
酒の入った彼女はこんなにもサディストなのか。やっぱり酒の力は侮れない。不思議な飲み物だ。
とことん焦らそうとするルエナに不満の一つでもぶつけてやりたくなったが、さっきまで必死で耐え抜くことに全神経を集中させていた僕は疲弊しており、恨めしげにルエナを睨みつけることしかできなかった。
「そんなに怒んないで。私は長く楽しみたいの」
 そう言ってルエナはおもむろに立ち上がると、着ていた服を一枚一枚はらりと脱いでいく。やがて下着も完全に脱ぎ、一糸まとわぬ姿になった。
ルエナのこんな姿を見るのは初めてだった。種族が違うとはいえ異性。着替えたりするときは別の部屋だ。
洗ってもらったことは何度もあるけど、一緒に風呂に入ったことはなかった。
雌に対する興奮、とはちょっと違うような気がしたけどなんだか不思議な感覚だった。
「どう? スレンダーとまでは行かないけど、悪くないスタイルでしょ?」
「……そうなの?」
 人間の基準で言われてもよく分からない。まあ、太ってはいないことは確実だ。
かといって骨が見えるほど痩せているわけでもない。本人の言うようにバランスの取れた体格なのかもしれない。
「分かんないか。まあいいわ」
 ルエナはベッドの上に腰かけ、そのままゆっくりと体を横たえた。
そして顔をこちらに向けて、いたずらっぽく笑いながら僕に手招きをする。
「今度はあんたの番よ……デイル」
 ああそうか。そう言うことか。ルエナ自身も気持ち良くなりたいってことだな。
僕にそんな真似が出来るかどうかは分からないけど、ここまで来たんだ。やれるところまでやってやろうじゃないか。
仰向けの状態から起き上がると、僕はまだ勢いの衰えない肉棒を湛えたまま、ルエナの元に向かった。

―7―

 僕はベッドに足を掛けると、爪でルエナの体を傷つけないようにしながらそっと跨いだ。さっきとは位置が逆転して、今度は僕が彼女を見下ろしている。
身長の関係から普段は少し見上げなければ目を合わすことができないルエナの顔がすぐ傍にあった。
初めての状況に対する緊張からか、表情が強張っていた僕に彼女はそっと微笑みかける。
「ふふ……恐がらなくても、デイルの好きにしていいのよ」
 好きにして、といわれてもどうすればいいのやら。今までこういった経験がないため、まずは何をするべきなのか分からなかった。
だけどやり方まで聞いたりしたらまた小馬鹿にされそうな気がする。手探りな状況だけどあれこれやってみるしかないか。
 さて。やっぱり気になる部分と言えば。僕は視線を下にずらし、ルエナの二つの膨らみを見つめる。
僕の感覚からすれば大きすぎず小さすぎず程よい大きさだった。さっき押し当てられた時も柔らかかったし、試しに触ってみようかな。
僕は右の前足をそっと差し出すと、爪ではなく裏の肉球の部分で彼女の乳房に触れた。前足を押しつけている間は凹むけど、離すと元に戻る。弾力があって柔らかい。
何度もその感触を味わううちに、前足だけでは物足りなくなってきた僕は、思い切って両方の膨らみの間に顔を埋めてみた。ルエナの温もりと、柔らかさと、匂いが直に伝わってくる。
何ともいえない心地よさが僕の顔面を覆う。雄を弄られていた時とはまた違った、どこか温かくてほっとするような快感だった。
「そう、あんたの思うままに、ね……」
 ルエナは僕の頭に手を伸ばし、そっと撫でる。薄笑いを浮かべた表情は崩れていない。まだまだ余裕といった感じだ。
これだけじゃ何の刺激にもならないのかな。さっきは僕を散々弄んでくれたから、少しは報復でもしてやろうかと思ってたんだけど。
待てよ。そういえばルエナは舌を使っていたよな。前足で触るよりも、舌で舐めるほうがいいかもしれない。やってみよう。
彼女の胸に顔は押し当てたまま、舌だけを伸ばして谷間の部分をペロリと舐めた。
「……っ」
 ルエナの体が、僕の頭に触れていた手が、僅かに震える。ほんの一瞬だったけど、彼女の肌に触れていた僕の毛を通してその小さな動きは伝わってきた。
なるほど、舌の方が効果があるのは確かなようだ。よし、それならこの胸にある突起を弄ってみようじゃないか。
谷間に挟まれた柔らかさは少し名残惜しかったけど、僕は顔を上げてルエナの片方の乳首にそっと舌を這わせてみた。
「あぁ……」
 艶のある声。そしてしまった、というルエナの顔。声を上げるつもりはなかったんだろうけど、体は正直みたいだ。それは人間もポケモンも同じことなんだな。
そうか、ここか。ここなんだね、ルエナ。場所が分かったのならもう遠慮はいらない。
僕は再びその小さな突起に舌を絡ませていく。ぴちゃぴちゃと湿った音を響かせながら、何度も何度も執拗に。
「あ、ああっ……」
 同じ部分を重点的に攻められれば、さすがに効果は出てくるみたいだ。ルエナの表情は引きつり、荒くなった息が口元から漏れている。
ああ、ようやく感じてくれたのか。激しい反応ではなかったものの、彼女の声は僕に心地よい達成感を与えてくれた。
程よく舐め終えた後、僕は乳首から舌を離す。舐めることに夢中になりすぎていたのか、突起の周辺が少し赤くなっているような気がした。
人間の皮膚はそこまで強くないのか。それとも、僕の舌が人間のと違ってザラザラしてるからなのかな。
ルエナは痛いとは言わなかったけど、やりすぎには注意しないといけないな。
「……ど、どうだった、かな?」
 何分初めてだから、ぎこちなさはあったと思うけど。
最初と比べてうっとりとしたルエナの表情を見る限りは、そこまで悪くなかったんじゃないかな。
「ええ。なかなかよかったわ……。次もお願いできる? さっき私がデイルにしてたみたいに、やってくれればいいから」
 僕の首筋にそっと触れて、次の行動を促すように言う。余裕の色は少し陰ってはいたが、まだまだ物足りないらしい。
さっきルエナが僕にしていたみたいに、か。僕はちらりと彼女の大事な場所を見やる。乳首への愛撫により、仄かに艶を放っていた。
僕の方もなんだか気持ちが昂ぶってきている。この勢いならばきっと躊躇わずにやれる、きっと。彼女の誘いに、僕は無言で頷いた。

―8―

 ベッドの上を後ずさりして、ルエナの股ぐらへと顔を近づける。こうやってじっくり眺めるのはもちろん初めてだ。
わずかに毛があったけど、とても秘部を覆い隠せる量じゃない。やっぱり人間とポケモンの体は違うんだな。
濡れたルエナの雌はつやつやと妖しく光っている。僕にはその輝きが触れられるのをを待ちわびているかのように見えた。
ルエナが僕に触れていたときは、最初は手からだったけど。今は前足で触れるのもじれったかった。僕はすぐにでも舌で直接、この部分を味わいたい。
いきなりだとびっくりするかな、とも思ったけど好きにしていいって言ったのはルエナだし、大丈夫だよね。
僕は一度深呼吸して息を整えたあと、彼女の割れ目に沿ってすうっと舌を這わせる。
「う……あ……」
 さっきよりも顕著な反応だ。荒くなりつつある呼吸音。無意識のうちに浮かべてしまう、快感による笑み。
そんなルエナの動きの一つ一つが、僕の好奇心を、そして雄としての本能を掻き立てていく。
よし、もっとだ。乳首を舐めていたときと同じように、繰り返し繰り返し舌を前後させる。
舌を動かす速度は速めない。あんまり早くしすぎると僕よりも敏感であろうその素肌を痛めてしまうかもしれない。
じっくりと、同じテンポを崩さずに。それでも反応は上々と言えるだろう。
やがて、僕の口の中に唾液とは違う、ぬめった液が混ざりこんでくる。
ルエナがしっかりと感じてくれていると分かるのに、そう時間はかからなかった。
「ああぁっ……い、いいわ、デイル。初めてにしては、上手じゃない」
「そ、そう?」
 初めて、という言葉が少し引っかかったけど。紛れもない事実なんだから言い返せない。
震えていた彼女の声からして、御世辞というわけではないだろう。上手、と言われて悪い気はしなかった。
舌を止め、股ぐらから顔を離し、僕は思わず聞き返す。
「ええ。いい具合に濡れてきたみたいだし、そろそろ……いいかしら?」
「え……」
「あんたのものが欲しいの。来て、デイル」
 ルエナは僕の股間をちらりと見た後、再び僕に手招きをした。
ただ、その表情に穏やかさはなく、飢えた獣のような鋭い目つきだった。本能的な快楽の渇望なのか。
具体的な指図はされなかった。それでも、彼女が何を求めているのかはさすがの僕にも理解できた。
舐めるのに夢中で意識していなかったけど、僕の雄はいつの間にか痛いくらいに張りつめている。
慣れないことに対する戸惑いよりも性的な興奮の方が優先されていたらしい。体の準備は出来ていた。
 あとは心の準備。ルエナはいつでもオーケーな感じだけど、僕はまだちょっとだけ迷っていた。
初めての相手がポケモンじゃなくて、自分のトレーナーってどうなんだろ。本当にいいのかなあ。
だけどこんな経験、この機会を逃したら二度と来ないかもしれないし、どんな感覚なのか味わってみたいのはもちろんだ。
それに誘ってきたのはルエナからだし、ここは欲望に身を任せてもいいか。いいよね。最後の方はきっと自己弁護。
まあ、いいさ。ルエナは大丈夫。僕もやってみたい。互いに求めるものが同じなら、問題ない。
「……分かった」
「ふふ、いつでもどうぞ」
 僕は一歩ずつ足を踏み出していく。そして、僕の雄とルエナの雌がちょうど重なりあう位置まで来た。
もう後には退けない。湧き出してくる生唾をごくりと嚥下し、深呼吸してから僕はゆっくりと腰を沈めていく。
「……っ」
 先端が触れた。やっぱり敏感な部分だから、刺激はしっかり伝わってくる。
でも、触れ合っている面積が少ない分、まだまだ耐えられそうだ。問題はこの後だ。
中に入れれば雄全体がぎゅっと締め付けられるはず。そこからくる衝撃は想像に難くない。
いきなり差し込んでしまえば、いともたやすく朽ち果ててしまうだろう。ここは慎重に、ゆっくり行こう。
僕が考えている間、ルエナは何も言わなかった。初めての僕に気を遣ってくれているのか、あるいはそんな僕を見て心の中で小馬鹿にしているのか。
今はどっちでもいい。彼女の言動を気に留める余裕なんて持ち合わせていなかった。自分のことで精一杯だ。
「う……ぐあっ!」
 いつまでも考えていては埒が明かない。僕は思い切って腰を沈めてみた。
程よく湿った彼女の雌は僕の肉棒を難なく受け入れてくれたみたいだ。
ずるり、と音がして先の方がルエナの中に入り込む。感覚からして、まだ半分にも満たないだろう。
だが、なんて強烈な刺激なんだ。予想以上の締め付けに、声を、息を荒げてしまう。
「ふふ、どうしたの、デイル?」
 表情を歪めることもなく、息が乱れている様子もない。苦しげな僕をよそに、ルエナはどこ吹く風だ。
それもそうだよな。三年近くも同じ異性と付き合ってたんだ。ダンとのこういった経験は一度や二度ではないだろう。
初めての僕に、場慣れした彼女の相手は無謀すぎたのだろうか。悔しいけど、そう思わずにはいられなかった。
「まだ……だ、よ」
 喉の奥からかすれた声を絞り出す。そうだ。苦しいけどまだ終わっちゃいない。
きっと長くは持たないだろうな、とどこかで諦観しつつもここで彼女に身を任せるのは雄としてのプライドが許してくれなかった。
折れそうになる心を虚勢で無理やり奮い立たせると、僕はさらに腰を前に突き出す。玉砕覚悟の特攻だ。
「ぐ……あ、がっ」
「……っ」
 侵入したのは半分くらいか。ここまで踏み入ったらルエナにも少しは衝撃が伝わったらしい。少しだけ表情が引きつったのを見た、ような気がした。
正直僕はそれどころじゃない。肉棒全体をぎちぎちと圧迫される責め立てに、僕の雄はぴくぴくと小刻みに震えている。僕自身に助けを求めていたのかもしれない。
体の奥底が焼けつくような熱さ。もう我慢の限界だった。あと少し、何らかの刺激を加えられれば僕の肉棒は完全に決壊してしまう。
それは分かっていたのだが、往生際が悪いと言おうか。消え入りそうな虚勢がまだ残っていて、なかなか次の行動を許してくれない。
果てそうになる直前で抑えられた状況が長く続くのは精神的にも肉体的にも辛い。それでも僕は自ら快楽を受け入れる、ということを拒んでいたのかもしれない。
「……それっ」
 そんな僕を見かねてか、あるいは邪悪ないたずら心からか。ルエナはわずかに腰を前に突き出した。
染み出た愛液で内部でも滑らかに動く。ずるずると僕の肉棒は彼女の膣内で撫で上げられた。そうなればどうなったか、結果は火を見るより明らかだ。
「うああああっ!」
 断末魔の悲鳴。僕の中の熱は、体の奥からどんどん湧き上がり雄の先端まで到達し、一気に弾けた。
肉棒が大きく震える。刹那、僕はルエナの中に大量の白濁液をぶちまけていた。何度も焦らされたためか、信じられないくらいの量だ。
結合が中途半端だったため、いくらかは外にはみ出してしまった。溢れ出た精液は僕とルエナの股を白く濁していく。最も、僕の場合は見た目では分からないかもしれないけど。
射精に伴った強烈な快感が、肉棒に、四肢に、腰に容赦なく襲いかかる。足がガクガクと震えて立っていることもままならない。
「あ……う……ああ」
 無意識のうちに言葉にならない言葉が、口元から漏れる。僕自身、何が言いたいのかよく分からなかった。
分かるのは、この気持ちよさは半端ないということ、そしていつの間にかルエナの上に倒れこんでいた、ということだ。
それを予想していたのか、彼女は僕の体を抱きとめると、頭を撫でてくれた。その手つきは優しかったような気がする。
もう意識を繋ぎとめておくのも困難だった。僕は次から次へと襲いかかる快楽の波に完全に呑まれてしまっている。
ルエナが僕に何か言ってるみたいだけどよく聞き取れない。そして、その後ぎゅっと抱きしめられたような感覚までは覚えている。
どこで記憶が途絶えたのかは分からないけど、いつの間にか僕は気を失ってしまっていたんだ。

―9―

 カーテンの開く音で僕は目を覚ました。数秒ぼんやりしていたが、すぐに昨日のことが思い起こされ慌てて周りを確認する。
僕が寝ていたのはルエナのベッドの上ではなく、いつも寝床にしている床に敷かれた毛布の上だった。
あの後、ルエナが僕をここまで運んできてくれたのだろうか。初めてだったとはいえ、気を失ってしまうなんて情けないなあ。
「おはよ、デイル」
「ルエナ……!」
 パジャマ姿のルエナが窓の前に立ち、僕におはようと声を掛ける。普段となんら変わりない光景。
だが昨夜あんなことがあったばかりなのだ。今までと同じ目で彼女を見るのは難しい。ルエナは昨日のことをどう思っているんだろう。
「どうしたの、そんなにそわそわして。変な夢でも見た?」
 ルエナはまるで気にしている素振りがない。怪訝な顔つきの僕に、心配そうに話しかけてくる。
夢。あれはもしかして夢だったのか。彼女に付き合って酒を飲んで酔っ払った僕が見た、淫夢だったのだろうか。
確かに一緒に飲んでいた時に見せたルエナの表情には、少なからず魅力を感じていたかもしれないけど。
だからと言っていきなりあんな夢に発展してしまうほど、僕は飢えてはいないつもりだ。
「……いや、何でもない。おはよう、ルエナ」
 彼女の態度は府に落ちないものがあったけど、とりあえず僕は挨拶を返しておいた。
昨日あったことは現実だ。夢なんかじゃない。僕の体に僅かに残った匂い、あれは最中に僕が果てたとき体に付着したものだ。
きっとルエナはあの後、風呂に入るなりシャワーを浴びるなりしたんだろう。彼女からそういった匂いは感じない。
だけど僕は気を失って体を洗うことができなかったから、こうして匂いが残ってしまったのだ。
あの精液の量から考えると匂いが薄いことから、ルエナが体を拭くぐらいはしてくれたのかもしれない。
ポケモンの嗅覚は人間より優れている。僕の鼻にも分からないように完全に残り香まで消し去ってしまうのは至難の技だ。
「すぐ朝食にするからね」
 そう言ってルエナはキッチンまで行き、朝食の準備を始める。何かを気にしているような雰囲気はまったくなかった。
見事なまでの気持ちの切り替えだ。僕には出来そうもない。何も言おうとしないということは、きっと言及してほしくないのだろう。
一連の行動は普段のルエナを考えると僕としても信じられないくらいだった。本人の記憶が残っているのだとしたら、なおさら思い出したくないのも納得がいく。
言いたいことが全くなかったわけじゃないけど、無理に穿り返せばきっと彼女を傷つけてしまう。
恋人と別れたショックですごく辛かったから、酒が入ることによってあんな行動をとってしまった。そういうことで落ち着けておこう。
もっとも、僕自身かなり快楽を堪能していたわけだから、おいそれと文句も言いづらい立場ではあったんだけど。
「ねえ、デイル」
 朝食を作る手を止めて、背中を向けたままルエナが僕に呼びかける。
短い言葉だったけど、その中には感情が込められていなくて重みがあった。顔が見えなくても声色で何となく察しが付く。
何か大事なことを切り出そうとしているはず。となると、考えられる内容は一つしか思い当らなかった。
「昨日は……ごめん」
 消え入りそうな声で言うルエナ。やっぱり昨日のことは覚えていたんだ。
「あ、うん……でも、どうして?」
「さっき私が知らないふりしたとき、デイルはそれに応じてくれたでしょ? 昨日あんなことした挙句、今日になってあんたに気まで遣わせてるんだって思うと、余計自分が情けなくなってきて……」
 話題にしたくないのならば、僕はそれに準じるつもりだった。
でも、ルエナは自分の行いに後ろめたさを感じていたから、そんな僕を見ると余計に心が痛かったみたいだ。
彼女を気遣ったつもりだったけど、逆効果だったのかなあ。
「ほんと、何やってんだろ。いくら酒に酔ってたからって、あんたにあんなこと……。最低だよね、私」
 きっとあの後、酔いが冷めるにつれてだんだんとこれまでの自分の行動がはっきりとしてきたんだろう。
僕に何をしたのかを冷静に見つめなおして、自己嫌悪に陥っていたのかもしれない。声が震えていて、今にも泣き出してしまいそうだった。
「ルエナ……」
 いたたまれなくなった僕は、駆け足でルエナの元に駆け寄る。気配に気づいたルエナもこちらを振り向いた。
潤んだ彼女の瞳には覇気がなく、少し触れれば粉々に砕けてしまいそうなほど弱々しかった。
やっぱりなんと声をかければいいのかは分からなかったけど、その場で何もせずに彼女の話を聞き続けるというのは耐えられそうにない。
「こんなどうしようもないトレーナーの私だけど、あんたは……どこにも行かないでね?」
 ルエナはしゃがんで僕と同じ目の高さになる。そして、震える手で僕の頬にそっと触れた。
昨日のことで僕に愛想を尽かされたとでも思ったんだろうか。ダンのことがあったばかりだから、なおさら不安を煽られてしまうのも分かる気がする。
そりゃあ昨日のことに関しては、僕もびっくりしたけど。後半にかけては僕も積極的に参加してしまったわけだから、すべての非がルエナにあるわけじゃないと思う。
それにルエナとは今まで一緒に暮らしてきたんだ。ルエナの存在は僕の日常に溶け込んでしまっていて、彼女のいない生活なんて想像できなかった。
アパートの生活が少し窮屈に感じることもあるけど、ここで出て行きたいなんて考えたことは一度もない。
それくらい僕はルエナとの暮らしが、そしてルエナのことが好きなんだ。僕は、どこにも行ったりしないよ。
「大丈夫。心配しないで」
 できる限りの笑顔で、優しさを込めた言葉で。
僕にはこんなことしか出来ないけど、これで少しでもルエナが安心してくれればいい。
「ありが……とう」
 涙交じりの笑顔。細めた彼女の瞳から雫がつうっと流れ出た。その奥からはまた新しい涙が湧き上がってきている。
涙の理由は悲しいから、辛かったから、かな。でもほんの少しでいい。嬉し涙がそこに混じっていることを願いたい。
「胸……しばらく、借りていいかな?」
「いいよ。ルエナの気がすむまで」
 一瞬だけほっとしたような笑みを浮かべた後、ルエナは僕をぎゅっと抱きしめ、胸の毛に顔を埋める。そして、声を殺して泣いた。
肩を震わせて、時折嗚咽を交えながら。それでも涙は後から後から溢れ出して、止まらない。
こんなに泣いているルエナを見るのは、たぶん初めてだった。彼女の悲しみはお酒で誤魔化せるほど浅いものじゃなかったんだ。
すごく、すごく辛かったんだね、ルエナ。思い切り泣けばいい。僕の毛はよく水を吸うから、悲しみと一緒に涙も吸い取ってくれるよ。

 ルエナの傍に、もうダンはいない。だけど、僕はずっと彼女の傍にいるつもりだ。
確かに、僕にダンの代わりを務めるのは無理だろう。
それでも、僕は僕なりのやり方でルエナの支えになってあげられればいい。
まだ収まるところを知らない彼女の涙を受け止めながら、僕はそう思ったんだ。

  END



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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 一番の盛り上がりよりも、こういう最後のしんみりとしたシーンが印象に残りました。優しいんですね。デイルも、そして彼女も。
    信頼しあえる、最高のパートナー。ルエナにとって、ある意味…ダン以上の存在になっているんじゃないでしょうか?
    彼らのその後が、きっといいものになると信じてます。 -- &fervor 2008-08-27 (水) 00:25:36
  • 執筆お疲れさまです。てか書くのが早いですねぇ(笑) ルエナとデイルの官能シーンの描写もさることながら、その後の終わり方も短編としてのすっきりとした終わり方な気がします。 ……にしても何故こんなに複数のネタが浮かぶなんて尊敬します。 -- イノシア ? 2008-08-27 (水) 01:34:06
  • 昆虫王さん>
    wiki消失は私もショックでしたが、なんとか完結させることができました。
    終盤は一気に書き上げたので少し不安だったのですが、そういっていただけると嬉しいです。
    あと、改行は&br;を半角で入力するとできますよ。
    XENOさん>
    もしデイルが人間だったら、ルエナも恋愛感情を抱いていたかもしれません。ですが、ポケモンだからこその絆もあると思います。
    ああ、言われてみればそうですね。やはり好きなポケは何かと小説に出したくなるようです。
    リングさん>
    アブソルが災いポケモンという設定は今回特に物語には関わりませんでしたね。というか私自身忘れてました(蹴
    異性に対するそれとは少し違うかもしれませんが、デイルのルエナへの想いも立派な愛の形だと思います。
    &fervorさん>
    実は私も一番書きたかったのはこの最後のシーンだったので、そう言っていただけるとほんとに嬉しいです。
    どうも私の書く小説はいい人ばかりになってしまう傾向がある気もするんですがね。
    彼らは今回のことで今まで以上にいい関係になれたと思いますよ、きっと。
    イノシアさん>
    終盤はやる気が衰えないうちに一気に進めたので早いのはそのせいかと。
    完全なるハッピーエンドではないかもしれませんが、すっきりとした終わり方になっていれば幸いです。
    やはり私自身、良い締め括りに持っていきたかったので……。
    私の場合、何らかの小説を連載してる途中に別の話が浮かんで……というパターンが多いです。ですからあまりネタには困らないんですよ。
    あんまりネタため込みすぎると消化不良になりますが。
     
    皆様、レスありがとうございました! -- カゲフミ 2008-08-27 (水) 15:08:30
  • 教えて頂きありがとうございました。 -- 昆虫王@KYサーセン ? 2008-08-27 (水) 16:11:59
  • こんにちは。&初めまして。前のWikiからカゲフミさんの作品は読み続けてきました。
    そして今回、また新たに一つ完結しましたね。こういった文学的なコトはド素人ですので、素人丸出しなコメントとなってしまいそうですが……
    カグフミさんの文章は状況の描写が多いのか、とても物語の中に入っていける、そんな感じがします。あと、エロ小説なので結局ヤッちゃうんですが、そのための状況設定が込んでいて(まぁ人×ポケの時点で異常なんですが)話の流れとしては違和感(!?)無く読み進めていけました。あ、ちなみにアブソルはRSのポケモンでは一番好きなポケモンです。
    今後の作品も期待してますので、頑張って下さい!
    カゲフミさんの作品の中では個人的に「磁石」が一番好きです。 -- beita 2008-08-27 (水) 16:42:58
  • 昆虫王さん>
    いえいえ。お気になさらずに。
    beitaさん>
    初めまして。前wikiから読んでくださってたんですか。ありがとうございます。
    小説は書いていないことは読者に伝わらないので、状況説明には気を遣っているつもりです。
    ただ、多くしすぎるとかえって物語のテンポが悪くなったりするので、難しいところですけどね。
    まあそういった小説なので濡れ場はもちろんあるわけですが、そこに至る過程も大事にしているのでそう言っていただけると嬉しいですねー。
    やっぱり官能シーンに入るということは、双方にもいろいろな事情があると思いますからね。
    私もルビサファでアブソルに惹かれた人間の一人です。あの体つきがいいんですよねー。
    レスありがとうございました! -- カゲフミ 2008-08-28 (木) 15:40:38
  • ルエナさん・・・いいポケモン捕まえましたね・・・・・。 -- [[JuSe_MOON ]] 2009-07-01 (水) 00:39:03
  • ですねえ。きっと彼女にとってデイルはかけがえのない存在でしょう。レスありがとうございました。 -- カゲフミ 2009-07-01 (水) 19:51:34
  • こんにちは。今まで何度読み返したか分かりませんが、交叉する夜再び読ませていただきました。このお話は私にとってカゲフミさんの作品の中で一番好きで、名作が数あるwikiの中でもトップクラスに大好きです。
    このことはチャットでたまにお話させていただくこともありますけど、意外にもコメントとしての感想は書いていなかったので早速本編の感想を書かせていただきますね。

    まず最初はデイルの住むアパートとその周辺の景色の描写から始まりましたが、カゲフミさんは連載長編でなくとも山場に至るまでの流れをとても大切になさっていますね。
    説明はあまり長々とされるとテンポが崩れるのですが、カゲフミさんの巧みな一人称の文は説明を説明と感じさせないものになっていて、場の温度だったり、風景の明暗だったりを感じられるような繊細で魅力的なものでした。
    デイルがアブソルということで、その種族ならではの悩み(そこらじゅうを傷つけてしまう)を書いたり、お腹が空いてルエナの帰りを待ちわびていたりと、山場にはほとんど無関係と言える描写でもしっかりと書かれることでデイルの人格が序盤で伝わるのでこの後の感情移入がとてもしやすいです。

    その後はルエナが登場し山場まで進んでいくわけですが、心優しいデイルのルエナを思いやる心情は読んでいて心が和みました。いつも傍にこんなにも自分を思いやってくれる存在がいるかと思うと、ルエナが羨ましくてたまらないと思うほどです。
    物語の世界観というのはそれぞれ個性があるので暗めのものを否定するわけではないのですが、この作品に見られるような羨ましいと感じる雰囲気というのは本家であるゲームやアニメのポケモンの世界観と一致していて、ポケモン小説らしい味わいが楽しめるのも魅力的でした。
    そして酒に酔うことでルエナが変貌し、デイルは快楽に惑わされながら二人は行為へと及んでいくわけですが、それまでの流れが自然的で読みやすいです。
    (書いたことがないのであくまで推測ですが)官能ものというといかに興奮させるかに重きを置きがちだと思うのですが、カゲフミさんは過程を大事になさっているのでキャラクターが変貌してもそのイメージや世界観が崩れないですね。
    媚薬と違ってお酒というのは私たちの日常にも身近に存在するものですから、良い意味でありそうな展開で、それ故に状況を掴んだり、共感したりしやすくなっているのだと思いますが、それが人とポケモンということで非日常感を生みだし、ありそうでない絶妙な雰囲気になっているのがとても面白いです。

    そして官能シーンは、デイルのうぶな感じと言いますか、ぎこちない様子が可愛らしかったです。それに対して変貌したことで小悪魔になったルエナの妖艶さも興奮をそそりました(笑)
    互いの体が交わることで伝わる感触や快感の描写もあまり激しすぎずも確かに興奮が高まっていくようになっていて、特にデイルは初めてだけに「やっぱこうなるよなぁ」とにやつきながらも頷いて彼の気持ちに共感しながら楽しませていただきました。
    興奮が高まる中でもデイルはところどころにルエナを気遣う様子があり、それだけに不可抗力で起きたようなこの出来事にも愛が感じられたのもよかったです。官能小説も様々なものがあるので一概に官能を愛情とは捉えられないと思うのですが、カゲフミさんのものは確かな愛情が存在するものになっているなと思います。

    ラストは絶頂を迎えて気絶した後の朝方のやり取りですが、全体を通してみてここが最大の山場と言っていいのかもしれませんね。最後までルエナを気遣うデイルは本当に愛らしい存在で、ルエナも反省してデイルに謝るときは本当に彼女は可哀想だなと思いました。
    しかしながらデイルがここまで優しくするのも、ルエナが日常でデイルをとても大切にしているからですよね。このお話が始まる前から二人には確かな絆があって、このお話でさらにそれが深まったように思いますし、本編のみならずその前とその後も想像ができるほどこの物語は完成度の高い傑作だと思いますし、やはり最後には涙してしまいました。
    愛情には様々な形があるとは思いますが二人の間に存在するのも確かな深い愛情だと思いますし、その絆は心温まるものですね。二人にはこれからも仲良く幸せに愛し合ってほしいものです。
    私のボキャブラリーでは上手く表現できませんが、このお話は愛に満ちていますし、とても共感できて場の空気やキャラクターの体温まで感じられるようなお話だったと思います。
    このお話は私がwikiにきて初めて読んだものということで特別なものに感じられるのもあるとは思いますが、それ以前にカゲフミさんのとても一言では言い表せない深い魅力ある味わいが特別感を出しているのだと思います。
    カゲフミさんは全体的に官能ものでも過程を大事にし、さらに完全にハッピーエンドとは言えないものも含めて後味の良い終わり方になっているものが多く、読み終わって優しい気持ちになれるというのが個人的に『カゲフミさんらしい』テイストだと思います。
    それはカゲフミさんがポケモンを愛していらっしゃるからこそだと思いますし、今回のような作品内における人とポケモンのやり取りも含め、人(作者様含む)とポケモンが愛し合う形は個人的にとても大好きです。
    数多くの作品をお書きになっているカゲフミさんですが、ぜひこれからもこのような素晴らしい作品を見せてほしいです。応援しています!
    それでは、大変長いコメントを失礼いたしました。これからのお話も期待しています。頑張ってください!
    ――クロス 2011-07-24 (日) 10:35:05
  • 周囲の状況や登場人物の特徴や性格などを加えていくことにより、今後の場面での描写がスムーズに進むことが結構ありますからね。一文字たりとも無駄のない文章は難しいですが、出来るだけ何らかの役には立つ情報として描写していきたい所です。
    今回はルエナの失恋話を聞きつつ一緒にお酒を飲み、しっとりと官能へと進んでいくつもりで書いてましたので激しい盛り上がりは少なかったかもしれません。ですがやはり官能小説ということなので、交わるシーンは描写にも気合が入ります。デイルはそういった経験がなく初めてだし気絶させちゃってもまあいいかな、と個人的な好みも入っちゃっておりますがw
    ラストのシーンは物語の構想を練っている段階からどうしても表現したいと思っていた場面でもありました。ラスト4行のデイルの独白は絶対に書くぞ、という想いがかなり強かったことを記憶しております。ルエナもデイルも両方が笑って終わるようなハッピーエンドとは少し違いますが、この物語はこの結末で個人的にはうまくまとめられたのではないかと思ってます。
    感想に対する文字数が明らかに少なくて申し訳ありません。ですが、こんなにも私の文章への想いをぶつけてくださって本当に感謝しております。
    これからもがんばりますね。レスありがとうございました。
    ――カゲフミ 2011-07-26 (火) 11:43:50
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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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