君と、手と手を取り合って歩いた道――。でこぼこだったけれど、一緒に歩いてきたから何の障害にもならなかったよね。
ある日、それは綺麗な二本の分かれ道となりました。
君は右、僕は左。――それで喧嘩しなかったら、今も同じ道を一緒に歩んでたのにね。
いくら追っても、私は貴方に決して追いつくことができませんでした。
僕はものすごく後悔した。君はどうだったのかな…?
いつかきっと、貴方と私の道が再び交じり合ってくれることをずっと願ってました。
あの時はほんとにごめん。――もう君を見失ったりしない。約束する。
もう離れませんからね。嫌がられてもずっと掴んでますから。
一生分の幸せ、君に会えたおかげで全部使っちゃったな。
by amphibian
「いよーう、今日も元気してるかー?」
彼はいつも通り元気一杯に、彼女を見ると笑顔で挨拶をした。
「うん、おはよう」
彼女は相変わらず静かにそう返すと、彼に釣られて微笑した。
「おはよう。――今日はどうする?」
それを見て彼は安心しながら、彼女に質問した。
「そうだね……行きたい所があるんだ。付いてきてくれる?」
すると彼女は少し考えた後、少し遠慮しながらも彼にそんなことを頼んだ。
「うん、いいよ。――さっそく連れてってよ」
彼はそれを何の迷いもなく受け入れ、後は彼女に任せることにした。
「うん、ありがと」
彼女は笑顔でそう言うと、先に森の入り口の方向へ走って行った。
それに彼も付いて行き、間もなく二匹はその森から姿を消すのだった。
彼の名前はリグ。元気が取り柄のリザード。
彼女の名前はノア。物静かで上品なニドリーナ。
二匹は互いに想いを寄せ合っていたが、どちらも決してそれを口に出そうとはしなかった。
そういう素振りさえも見せようとせず――それは、お互い今のままの関係でいたいと心から願っていたからだった。
相手の想いに少しでも気づこうとも、抑えこんで我慢し続けていた。
――そんなある日、ある事件をきっかけに、二匹は壮絶な運命を辿ることとなってしまう。
それが、その物語――今でも伝説的に語り継がれている恋物語、「道」の始まりだった。
そこでは語られることがなかった、二匹しか知らない真実――。それを、今回はゆっくり語っていくことにしよう。
かなり迷ったんですが、自分なりに一生懸命書いた作品を少しだけ投稿させて頂きました。拙い者ですが、よろしくお願いします。
何かありましたらお気軽にどうぞ。
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