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予測可能・回避不可能?

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第九回短編小説大会 参加作品 [#6N7mjp9] 


※官能描写を含みます。素人の官能描写に興味のない方はそっとお戻りください。



その辞令は突然に通達される。
いや、通達された方もある程度は予想していたのだろう。
表情からは驚きよりも納得といった様子が読み取れる。

「……クビですか」
「君は最近目立った功績をあげてないからね。
 上と相談した結果解雇という決定が下された。
 努力していたのはこちらも知っていたけど庇いきれなかったんだ。すまないね」
「いえ、功績がないのは俺自身の責任ですから。
 今までありがとうございました」

解雇を言い渡されたそのポケモンアブソルは既にまとめてあった荷物を持つとその施設を後にする。
その道中に先程まで同僚だったヘルガーと出くわした。

「よおネメシス! そんな大荷物持ってどうしたんだ?」
「……俺の私物だよ。どうってチームから暇をもらっただけさ」
「それってマジか!? だって最近頑張ってたじゃないか!」

普段はヘルガーの明るい性格に励まされてきたが、今はただ心にグサグサとつきささる。
それでも彼は強がり平静を装う。

「……俺の力がここの探検隊に合わなかった。それだけの話だろう?
 アブソルも進化できれば手っ取り早く強くなれるんだけどな」
「ネメシスも知ってるだろうけど、メガシンカってあるらしいじゃん。
それって進化と違うのか?
 俺も種族的にはできるらしいけど詳しく知らないんだよな」
「あれは一時的なパワーアップだよ。方法は二種類。
 ひとつ目は俺達もチームに渡されてたバンクルに覚醒のラピスをはめ込むこと。
 ふたつ目はキーストーンって石とそれぞれのメガストーンを共鳴させること。
 どっちも一長一短があるけど話が長くなるからしないぞ?」

ネメシスもメガシンカに興味がなかった訳じゃない。
ただ条件が厳しく実現するのは無理だった。
ネメシスとヘルガーはその後も世間話をして別れる。



その後、今晩の食料を手に入れるためカクレオン商店へと足を運ぶ。
しかし、店の商品を何度見てもリンゴが見当たらない。

「なあ、もしかしてリンゴは売り切れてるのか?」
「そうなんですよ。今日は入荷量が少なくて、先ほど売り切れちゃったんですよね。
 今達でサンダース便に発注したんでまた後で来てくださいよ」
「そうか、ありがとう。邪魔したな
 いや、オレンの実を何個か貰ってくよ」

探検隊で配達に特化したチームサンダース便。
素早いポケモンを集め、町でもダンジョンでもパパッと配達がフレーズである。
リンゴが入荷されるのを待っても良かったが、また元同僚に会うのも気まずいと思い、
ネメシスは自分の足で近くのダンジョンになっている森まで取りに行く事にした。
幸い、今日はそのダンジョンで依頼がなかったので元同僚に会わずにすむし、
気晴らしになるはなるだろう。
購入したオレンの実を持ってダンジョンへと足を進めた。

森を適当に回っていると新鮮なリンゴがいくつか手に入る。
一匹ではすぐに食べ切れる量ではないのでこれを売れば数日間は食べ物で困ることはないだろう。
木の近くを歩いていると、突然頭に衝撃が走った。

「いてっ! 何だリンゴでも落ちてきたのか!?」

頭に落ちてきた物の正体を確かめようとネメシスは周囲を見渡す。
予想に反し、近くにリンゴは落ちていない。
代わりに丸く透明で中央には葉っぱのような紋章が刻まれた綺麗な石だった。

「……この辺じゃ見ないアイテムだな。
 それになんだか不思議な力を感じる。
 メガストーンに似てるけど、あれはこの大陸じゃ取れないはずだしな……。
 ま、似てるだけだろ。それにこれがメガストーンだとしてアブソルナイトの可能はないよな。
 もしこれがアブソルナイトなら話がうまく行き過ぎてる……」

口ではありえないと言っていても、期待しているネメシス。
最もキーストーンと心を通わせたパートナーがいなければただの綺麗な石である。
石を眺めていると再び衝撃が走った。
ただ、今回は頭ではなく横っ腹である。

「うおっ!? 今度は何だ!」
「……す、すみません。今、突然襲われ……て……」

ネメシスはぶつかり声をかけてきたポケモンを睨みつける。
そのポケモンは小柄で茶色い毛並み、尖った耳が愛くるしくまだ幼さが残るイーブイの少女だった。
年齢はおそらく一四歳前後だろう。
イーブイはネメシスの顔を見ると顔を真っ青にする。

「ま、まさかもう一匹いて既に回り込んでいたなんて!?
 わ、私だって見習いだけどサンダース便の一員なんだから荷物は絶対渡さないんだから!」

イーブイはネメシスを襲ってきた相手の仲間と勘違いしたようだ。
震えながらネメシスを威嚇するとはいごから二匹のポケモンが飛び出してきた。

「お嬢ちゃん、痛い目見たくなかったら荷物を置いてさっさと消えな」
「そうそう。こいつ雌子供にも容赦しないわよ」

出てきたポケモンは柄の悪い雄のグラエナと妖艶な雌のレパルダス。
見た目的に年齢もネメシスとそんな変らないし仲間と勘違いするのもうなずけた。

「なんだ、そこの白いの俺達の邪魔しようってのか!?」
「は!? いや、俺関係ないし!
 ここは穏便まず話し合いを……。
 ん? あんたらの顔、どっかで見たような。確か、チームの掲示板だったか?」
「ごめんなさい。私達話し合いって嫌いなの。
 それに私達をお尋ね者って知ってるなら始末しちゃう方が楽だもの」

余計な一言でお尋ね者達はネメシスを排除すべき敵と認識した。
掲示板に書かれた情報を記憶からなんとか引き出す。
年齢はどっちも二十九。年齢が同じだったから軽く記憶に残っていたのだろう。
レベルもネメシスと近い。
二匹同時相手、それに足でまといになるイーブイも一緒だ。
正攻法で挑んで勝ち目は、ほぼない。

「そこのアブソルさんは悪者じゃなかったんですね。
 巻き込んでごめんなさい。
 私にもっと力があれば、こんな悪党達なんて倒せるのに……」
「先に行っておくと、俺だけじゃあいつらを倒せないからな。
 力不足でクビになったばかりだが、こんなにも力があればと思ったのは初めてだ……」

イーブイとネメシスが同時に力が欲しいと思ったとき、二匹の持ち物が突然光る。
光ったものを確認すると、イーブイは特殊な装飾のバンクル、ネメシスは先ほど拾った石。
すると、ネメシスが殻のようなものに包まれる。
殻はヒビが入り、中から眩い光が漏れ出す。
あまりの眩しさに残った三匹は目をつぶる。
光が収まったとき、ネメシスの姿が変わっていた。

全身の毛は伸びて逆立ち、背中はまるで大きな翼のようである。
頭部に至っては片目を隠すまで伸びていた。
角や尻尾も伸び、その形状はさながら悪魔のようでもある。

「あ、あいついきなり毛が伸びたぞ!?」
「毛が、伸びたくらいで驚かないでよ。
 でも、あいつから二匹がかりで潰しちゃいましょう。
 あんたはあっち、私はこっちからいくわ」
「いきなり光ったから目がチカチカする……。
 それに視界が悪い……。
 あ、ん? じゃあ、まずはそっちのグラエナから」

お尋ね者達はネメシスの変化に驚いている。
変化したネメシス本人はまだ自分の変化に気づいてない。
イーブイは変化したネメシスを見つめていた。
その瞳はネメシスを天から降臨した天使と捉えている。

お尋ね者の二匹はネメシスを挟もうと左右に散開する。
ネメシスは二匹を目で追うと先にグラエナへと狙いを定め走り出す。
その走る速度は通常のアブソルとは思えない。

「いつもよりも体が軽いし、力がみなぎってくる感じだ。
 これなら相手が二匹がかりでもいける!」
「なんだ、アブソルって動きはトロいはずだろ!?」
「グラエナだってアブソルと大して変わらないだろう!」

加速した勢いのままネメシスは角をグラエナに振り下ろす。
単純な攻撃でもアブソルの力なら手痛い一撃となる。
重い一撃を受け地面に伏したグラエナは意識を手放す。

「まず一匹! これなら行ける」
「あのアブソルは何なのよ!?」

一瞬で相棒を倒されたレパルダスは動揺し隙だらけである。
そんな相手を倒すのに大した力など必要ない。
ネメシスは素早くレパルダスの背後に回り込み、首筋に前足を振り下ろす。
叫び声を上げることなくレパルダスも意識を手放した。
目覚めた時に逃げられないように、ネメシスは二匹を手早く拘束する。

「何か知らないが相手が動揺して簡単に倒せたな。
 そっちのイーブイのお嬢ちゃんは、まぁ無事か
 こいつ等を突き出せばしばらく資金は大丈夫だろ。
 チーム、クビにされたから賞金総取りだしな。
 ……なんか悲しくなってきた」
「あ、あの天使様。助けていただいてありがとうございました。
 まさかこんなところで天使様に出会えるなんて、私感激です。
 そのお姿なんて」神々しんでしょう!
「て、天使様!? うわぁ、なんで俺メガシンカしてんだ!?」

天使様と言われ、ネメシスは近くの湖で自分の姿を確認する。
そこでようやく己がメガシンカしていた事に気がつく。
メガシンカした理由を理解しようとする。
バンクルに覚醒のラピスは、はめていない。
さっき拾った石が偶然にもアブソルナイトだったのだろう。
では、キーストーンはどこにあり、どうやって共鳴した?
そちらはいくら考えても答えは出てこない。

「私の家系の言い伝えって本当だったんですね!
 このバンクルとこの宝玉があると天使様が降臨なさるって……
 この宝玉があると……」

イーブイは自分のカバンから宝玉を見せようとする。
だが、カバンをいくら探そうと宝玉が見つからない。

「な、ない。天使様を降臨させるための大事な宝玉が!?
 そこの二匹に追いかけられてる時に転んだから!?」
「……えっと、その宝玉ってこれのことか?
 さっき、拾ったんだが」

顔を真っ青にするイーブイにしてカバンを何度も探す。
ネメシスは不憫に思いメガストーンを見せる。

「は、はい。それです。ありがとうございます天使様!」
「その天使様ってのはやめてくれ。ちゃんと名前で……。
 って、そもそも名前名乗ってないか。俺はネメシス。
 先に言っておくが、ネメシス様ってのもなしだ。
 君もこんなとこにいるって事は救助隊か探検隊なんかだよな?
 そこの二匹を転送させておいてくれ」
「わ、わかりました。あ、私はオラクルです
 ネメシスさ……ん。良ければこのまま街まで一緒に……。
 あ、いえ、何でもないです!」
 
オラクルは青かった顔を今度は赤くし、メガストーンを受け取る。
手元からメガストーンを失っても、まだメガシンカはとけない。

「俺のはもう自分の用事は終わってる。
 一緒に街まで行っても構わない。
 ……俺の場合は街まで戻ってだが。
 それに君が襲われてたおかげでしばらく生活できそうだしな」
「あ、ありがとうございますぅ!」

ネメシスとオラクルはこのまま並んで街へと歩き始める。
相当嬉しいのだろう。オラクルの尻尾は激しく揺れていた。



オラクルはネメシスに自分の思い出や夢を嬉々として話していく。
一方的に話すオラクルにネメシスは適当に相槌を打っていた。
彼女の話のネタがなくなる頃、ようやくダンジョンを抜けられる。
すると、ネメシスのメガシンカがとけ普段の姿へと戻った。

「ふう。ようやくダンジョンを抜けたな。
 で、ようやく元の姿か……。
 メガストーンは暴走はしないみたいだな。
 ここまでくればもう面倒事はないだろ」
「そうですね。
 街までもう少しですし、急ぎましょう!」

オラクルは、まだまだ元気が有り余ってるようで走りだす。
そんな彼女を見て、疲れている自分に年齢を感じるメネシス。
ダンジョンを抜けたあと、特に何もなく街に到着する。
オラクルは辺りを見渡し、カクレオンを商店を見つけると走り出す。
要件は教えてもらってはいなかったが、メネシスは追いかける。

「こんにちは。サンダース便です。
 リンゴのお届けにきました!」
「え? チームマスターさんがもう届けに来てくれたんだけど?」
「……聞き覚えのある声が? あら、オラクル。予想以上に早かったわね」

オラクルがカクレオンに話していると、店の奥から二十歳前後だろう雌のサンダースが現れる。
会話の流れ的にオラクルの知り合いのようだ。

「お、お姉ちゃん!? な、なんでここに!?」
「そりゃ、あなたに任せるとは言ったけどまだ見習いよ。
 それで失敗されて、チームの信用を落とすわけにはいかないでしょ。
 もっと時間かかると思っていたけど、オラクルも成長してるのね」
「そ、それは天使様……メネシスさんが力を貸してくれたので。
 で、でも少しは成長してるってわかったでしょお姉ちゃん」

どうやら、サンダースはオラクルの姉でサンダース便のリーダーのようだ。
チームをまとめるリーダーというにはまだまだ若い気がした。
二匹が話し合ってるため、メネシスは適当に店の商品を眺めていた。

「ふぅん。で、このアブソルが天使様ね。
 ま、悪くはないはね。ちょっとオラクルと年の差はあるけど。
 愛さえあれば年の差なんて些細なものかしら」
「な、なんだよ。こっちをジロジロ見て」
「あなたがオラクルにふさわしいか見ていただけよ
 私は急ぎの仕事があるから、もう戻るわね。
 では、また会いましょう。自己紹介はその時にするわ」

メネシスを値踏みするように見るサンダース。
何か納得したようで彼女は意味深な言葉を残しこの場を去る。
話についていけないネメシスは首をかしげながら彼女を見送った。

「お姉ちゃんが、今から帰るにはもう遅いからホテルに止まれって。
 地図とお金を受け取ったから行きましょう!」
「……俺も行くのか? そもそも俺の住処はこの近くなんだが?
 俺の知らないところで話がどんどん進んで言って訳わからん」
「じゃあ、ネメシスさんの住処で泊まっても良いですか?」

オラクルを説得することができず太陽は沈みかけていた。
彼女の願いを断りきれずに泊めることにする。



納得できないままメネシスはオラクルを住処へと案内する。
住処は片付いてると言うよりも物が殆どない。
メネシスはダンジョンで拾ったリンゴを二つオラクルに渡した。
食事を終えるとメネシスは寝床用の葉っぱを二匹分広げる。

「じゃあ、俺はこっちで寝るから、オラクルはそっちな」
「はい。わかりました
 じゃあ、今日はいろいろあって疲れたので私はもう寝ますね。
 ネメシスさん、おやすみなさい」
「俺も今日は走り回って疲れたから寝るかな。
 おやすみ、オラクル」

二匹が眠りについて数時間が経った。
静まり返った真っ暗な暗闇にピチャピチャと水音がする。
メネシスはその水音、いやそれ以上に股間に違和感を感じ目を覚ます。
股間に目をやるとオラクルがネメシスの性器を舐めていた。
今まで雌とこういった経験の皆無の彼には未知の世界である。

「オラクル、何やってんだ!?」、
「ん、んちゅ、ちゅる。えっと、フェラチオ?
 メネシスさんのおちんちん、すっごく大きいですね」
「いや、体格差がありすぎるだけで俺のは普通……。
 じゃなく、何をしてるかよりも何でしてるかを……」

ネメシスは矯正を出すのをなんとか我慢しながら、オラクルに問いかけた。
気持ちいいのは先端から先走り液を出しているから明らかだ。
彼女はその問に答えることなく刺激を与え続ける。

「こ、答えないつもりか!?
 子供が大人をからかうのもんじゃないぞ!
 やめないと本気で怒るぞ!」
「私はもう一四ですよ。子供扱いしないでください!
 いえ、じゃあ、ネメシスさんは子供にこんなことされて喜ぶ変態ですね。
 おちんちんの先っぽからこんなにお汁出して、やめろなんて説得力ないです。
 それにさっきから体がビクビクいってますよ? もう我慢出来ないんじゃないですか?」

オラクルの言うとおり、既に射精してしまいそうなネメシス。
いや、我慢なんてできない。
射精すると思った瞬間に性器の刺激は突然止まる。
イきそうでイけなかったネメシスはオラクルに締りのない顔を見せる。

「ネメシスさんがやめろって言うなら……。
 調子に乗ってごめんなさい。
 でも、メネシスさんが続きをして良いなら私……」
「あ、いや、ここでやめるのか?」

オラクルはわざとらしく謝る。
恐らく、実際に謝罪する気はないだろう
狙いは明らかにネメシス本人の口からして欲しいと言わせること。
その意図がわかったのか、ネメシスは悔しそうにオラクルを見る。
このままじゃ、収まりがつかず眠ることなどできないだろう。
そして自ら処理することもオラクルがさせてくれると思わない。

「……続きをしてもいい」
「ふふ。ネメシスさんは子供で感じる変態さんですね。
 でも、フェラチオよりも気持ちいことしませんか?
 は、初めてだから本当に気持ちいいかわかんないですけど……」

オラクルは仰向けになり、自らの性器を前足で広げる。
その性器は湿っており雄を迎え入れる準備は十分だ。
雌との経験のないネメシスはその性器を見て生唾を飲む。
そして彼女に多いかぶさるような体勢になり、自らの性器をその割れ目にあてがう。
ゆっくりと割れ目に竿を入れようとするも、期待と興奮で体が震え中々入らない。
性器と性器が擦れ、結果的に素股になってしまう。

「あぁん。じ、焦らしたのは私ですけど早く入れてください……。
 そ、そうじゃないと初めては痛いって言うし不安になります」
「わ、わかってる。けど、俺も初めてなんだ……。
 その、だからうまくいかなくて……。
 あ、でも、これも……。や、やばい。くぁあああ!!」

入れようと苦戦している素股の刺激でネメシスは精液を出してしまう。
先程、イきそうで止められたため、少しの刺激でイってしまったのだ。
白濁がオラクルの茶色い体毛を汚す。

「……今のネメシスさん、すっごく格好悪いです」
「これは俺も言い訳できない……。
 つ、次はちゃんとやるから。もう一度、チャンスを!」
「別にこれくらいで嫌いになりませんよ。
 だから、今度はちゃんとしてくださいね」

ネメシスは無言で頷く。
もう一度性器をあてがい、挿入を試みる。
先ほど入らなかったのが嘘のように今度はスムーズに入っていく。
そしてまだ最奥ではないだろうが、途中で何かに進行を阻まれた。
彼女の初めての証が彼を進行させまいしている。

「ほ、本当に俺で良いんだな?
 俺なんかみたいなおじさんに初めてを捧げなくても……」
「ネメシスさん、自分なんかなんて言わないでください。
 私は、ネメシスさんに初めてを捧げるって決めたんです。
 だから、私の初めてもらってください……」
「ここまでして、今更だってな
 悪かった。じゃあ、行くぞ」

しかし、その証の抵抗はあっけないほどに進行を許す。
心配させまいと、オラクルをぐっと口を閉じ、痛みに耐える。
再び竿が進行を止めたのは、最奥に辿りいたからだった。

「はぁはぁ、全部入りましたね……。
 ネメシスさんの大きいのもちゃんと全部入りましたよ。
 あなたの暖かさを体の中から感じます」
「ああ。雌の体って言うのは凄いな……。
 俺もオラクルの鼓動を直に感じる。
 なあ、もっとオラクルを感じてもいいか?」
「はい、私ももっとネメシスさんを感じたいですから」

確認を取るとネメシスはゆっくりと腰を引き、また入れる。
緩やかなピストン運動でも二匹には十分だ。
お互いに未知の快楽に声を出さずにいられない。
だが、その声は叫び声の雄叫びのようで意味なんてない。
快楽に耐え切れず、自然に漏れているのだ。

もっともっと強い刺激を感じたい……。

二匹がそう感じた時、近くにあったバンクルとメガストーンが共鳴する。
そして、再びネメシスはメガシンカを遂げる。
互いの体と気持ちが完全にひとつになった瞬間だった。

「あん。あぁああん!
 ネメシスさんの、姿が、あん、また……」
「はぁはぁ。これならもっと早く動ける……。
 もっともっと気持ちよくなろうオラクル」

ただ、体がより強い快楽を得ようと自然に動く。
意識はただ強い刺激に支配される。
獣のように狂った交尾。
その終わりは近そうだ。
ネメシスの体がその白い欲望でオラクルを汚したくて震えている。

「出すぞ、オラクル。
 中に出すからなぁああ!!」
「出して、ネメシスさんの熱いの出してぇええ!
 私の中を、ネメシスさんで満たして欲しいのぉおお!!」

二匹が叫ぶのが引き金となり、精が放たれる。
その白い欲望が彼女の聖域を埋め尽くす。
埋め尽くすだけで満足しなかった欲望は聖域から溢れ出した。

「はぁはぁ。凄いメネシスさんが私の中に沢山……。
 今晩はネメシスさんを感じていたいのです。
 このまま抜かないで眠りませんか?」
「ああ。オラクルがそうしたいのなら……」

二匹は激しい行為の疲れからかすぐに眠りにつく。
その顔は穏やかでとても幸せそうだった。



朝、鳥ポケモンのさえずりでネメシスは目を覚ます。
彼が起き上がると昨晩繋がったままだったオラクルも目を覚ました。

「ふわぁ。おはようございますネメシスさん」
「ああ。おはようオラクル。
 朝一番で悪いが……。そのなんで昨日あんなことしたんだ?」
「そりゃ、お姉ちゃんに聞いたんです。
 好きな方と結ばれにはどうしたら良いかって。
 そうしたら、ホテルかどこかで既成事実を作れると良いと。
 まさか、このまま私を捨てたりしませんよね?」
「昨日のホテルに行こうって言ってたのはそういうことか……。
 それにあの昨日のサンダースのまた会いましょうって……」

話が全て繋がった。
いや、少し考えればすぐにわかったことだったろう。
だがたとえ知っていても雄の本能でこれを拒めただろうか?
この結果、全ては……。

予測可能・回避不可能?



あとがき
皆さん、こんにちは。はじめまして。お久しぶりです?
自分も数年前はいろいろと投稿させてもらってましたが、
周りの環境が変わり時間が取れなくなり気づいたら自然消滅。
最後に投稿したのが古すぎるため、今更作者名は出しません。
コメントで公開の要望があったりしたら明かすかもしれませんが……。
そんな時、ふとここに足を運んだら短編小説大会開催ということでエントリー。
自分的には「懐古」だったわけですが、作品は「解雇」という形に。
そのテーマも結局最初しか仕事してないですが。
書き終わったのが仕事に行く十分前で慌てて投稿したため、
誤字脱字も多かったと思いますが、少しでも皆さんに楽しい時を作れたなら幸いです。
そもそも最後の大事な部分で間違ってましたし……。
最初の警告文も間違ってたし……。
投稿後に保存終了しようして気づきました。
やはりちゃんと推敲しないとダメですね。
結果は一票獲得同率五位。貴重な一票をありがとうございました。
票が入って安心したような、もっと欲しかったとも思ってしまいます。
気にしないとは言いたいですが、やはりコメントや票って貰えると嬉しいもので。
最後にここまで読んでいただき、ありがとうございました。



コメント返信

ネメシスに一目惚れしたオラクルが可愛い。 (2016/03/04(金) 17:57)

 自分の今までの小説キャラと書きわけ出来てないなと思っていましたが、
 気に入ってもらえたならなによりです。改めて貴重な一票ありがとうございました。


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Last-modified: 2016-03-06 (日) 10:21:26
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