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一匹子狐の儚き願い_第一話

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一匹子狐の儚き願い

第一話

 もう、ここに閉じ込められてから何日経っているのかな・・・ワタシには名前も、記憶も、何者なのかも分からない、覚えていない。気が付いたらこの、コンクリートの壁に鉄製の扉、お日様取り込み用の金網入りガラス、錆び付いているスチール机にほぼ新品のロウソクが何故か二つ、机と同じ状態のスチールベットがあるだけ・・・食事も満足に食べさせてもらえず体力的に、特に精神的にワタシの身体は衰弱しっていた。今、ワタシはベットの上で包まって、手足をギュッと縮こまって力無く横たわってる。特にすることも無く、喜びも、楽しみも、出来ることも、やりたいこともまったく無く。

 ワタシはこのまま死ぬのかな・・・誰にも悲しまれず、自分が何者か知らないまま、知りたいことを知れずに・・・・・・。
 実際ワタシは、毎日二回だけの配給される心細いボソボソで硬いロールパンを、一昨日から一切口にしていない・・・理由は当然ある。今までに言ったことに矛盾することだけど、生きたいと思ってもこのまま変わらならいっそ、衰弱死したら苦しまずに死んで、あるか分からない天国に行った方が楽しい事が待ってるじゃないかなって。アハハ・・・可笑しい、よね・・・生きたいと思っててもこんな気持ちになっちゃうんだから・・・。

 でも、今日はちょっと新しい事に気がついた。だからと言って何か変わるわけでは無いけど・・・。
 気がついたと言うか、何と言うか・・・ワタシがふと、大きなため息を出した時に口から炎が出たことだった。その時は思わずびっくりして直ぐに口を塞いでしまったけど、何回も同じことを繰り返したら出したい時に出す事が出来るようになって、大きさも自由自在に扱える位にもなった。良かった事と言えば、それの練習で時間を潰す事ができた事。それと、手に直接炎が当たっても火傷とかもしないみたいって事も分かった。

 だからって、やっぱりここから出られないのは変わらない事。初めてこの部屋に居て、意識がはっきりし出した時には、ドアにタックルしてみたり、窓を調べてみたりと色々した。けど結果は・・・この通り。

 あっ、もう薄暗くなってきた。いつもはずーっと、時間の流れが遅いのに。相当な時間を潰す事が出来たみたい。それに、日記も書き止め始めてみたから尚更時間を潰せるようになった。
 日記は昨日の夜に机の中から見つけ、書くものも見つけた。でもこの手、《肉球の付いた三本指に姿が狐で、しかも尻尾がなんか多い?》っという狐とはかけ離れた生き物・・・そう、私の個体名はロコンで、ポケモンのロコンで炎タイプ・・・・・・。

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Last-modified: 2014-01-18 (土) 16:21:00 
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