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マグナゲート短編、第7:犯罪者だって見捨てない

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作者:リング


貴方ね、手を変え品を変え、そして姿を変え……盗み、ゆすり、たかりを繰り返してきた子は。匂いを誤魔化そうにも、その幻影は貴方がいなくなれば効果を失う」
 とある日、私はゾロアを追い詰めていた。
「そうして、匂いを追い続ければ貴方に会える。可愛らしい手品ね……でも、それももう終わり。観念しなさい」
 そのゾロアは、嗅覚や聴覚にまで訴える幻影の使い手で、才能豊かな幻影使いなのだが、彼はそれを悪用して行商や旅芸人などを騙しては、金品を得ていた。それを問題視した旅人達の間で今回の依頼が組まれ、私が単独でその依頼に挑んだ。
 と、言うのも、あまり人数が多いと、ゾロアは警戒して現れない。そのため、私は行商人を装って、こうして1人で挑んだというわけだ。私は悪タイプにはめっぽう強く、そして希少種であり四足でもあるせいか初見ではタイプがわかり難い。
 草タイプなのは見ての通りなのだが、二足歩行がほとんどの格闘タイプに、まさかビリジオンが当てはまっているとは誰も思わないのだ。まぁ、知っている人もいるけれど。ゾロアを追い詰めてからはもう簡単である。私はゾロアを草結びで縛り付けると、そのまま一気に距離をつめ、リーフブレードで前足を傷つけて機動力を奪う。
 前足から血を流しているゾロアを後ろ目に、私はゾロアの顎へと二度蹴り。ゾロアは見事に吹っ飛んで、そのままダンジョンの壁に叩きつけられてノックアウトした。
「……進化していないだけかと思ったら、まだ子供なのね」
 目を回しているゾロアを見ながら、私は呟いた。
「警察に突き出してもいいけれど……うーん」
 パラダイスは、今の所人と金を大量に集めたい最中である。ティーダを始めとするダンジョニスト達は、普通の仕事よりもはるかに儲けがいいので、金の方はそれなりに手に入るものの、やはり人を招き入れるのは難しい。
 まだ未開拓の土地を、格安の給料で、手探りのまま商売をする。そんなアメヒメの誘いに乗るのは良くも悪くも物好きばかりである。と、言っても……最低限の食事だけは保障してくれるパラダイスは、警察に捕まって強制労働するよりもよっぽど環境がいい。
 ここは、アメヒメやヌオーに相談して、警察に引き渡さない代わりにパラダイスで労働させるのも悪くないんじゃないかと私は考える。


「うーむ……ワシは構わないだぬが。それはきちんと拘束できる事を前提とした時だけだぬ」
 ヌオーに相談すると、帰ってきた答えはそんなところであった。
「つまり、脱走したら責任はアメヒメや……ビリジオンにかかるだぬ。大丈夫だぬか?」
 正直なところ、ちょっとやそっと逃げられたくらいならば匂いで簡単に追える。特に肉食の体臭の濃いポケモンならばはっきりと分かる。唯一怖いのは大雨の日だが、そんなときに逃げ出すくらいの根性が……あったらあったで、次は鎖につながれて檻の中の労働だ。そうやって脅しておけば、おいそれと逃げ出すようなことはするまい。
「私は、大歓迎よ。あんまり、逃げ出すとかそういうのは考えたくないことだけれど……まぁ、なんだかんだで何とかなるよね」
 アメヒメ、ダメねこれは……楽観的過ぎる。
「アメヒメちゃん。そういう楽観的な考えはダメだわ……まぁ、それはともかく。アンタはどうしたいの、ゾロア=カーネリアン?」
「……俺は、刑務所なんかに行きたくない」
「それだけじゃ答えには不十分ね。じゃあどこへ行きたいの? あまり選択肢は無いわよ?」
「……ここに置かせてもらう」
 私が意地悪に言葉を返すと、ゾロアは言葉を躊躇ってからそう答えた。要するに、ゾロアはどちらかというと働きたくない。今までの暮らしがしたいのではないか。
「そもそも、貴方はどうしてあんなところであんな事をしていたの? 働こうとは思わなかったわけ?」
「働くなんて馬鹿らしいし……」
 ゾロアは言う。
「ふざけないで!」
「何言っ――」
 私とアメヒメの声が重なり、アメヒメの声は私の大声の前にかき消された
「何が馬鹿らしいよ、貴方は? 仕事舐めてんの?」
 怒鳴り散らすように言うと、ゾロアは大人しくなる。それでも止まらないし、止まってなるものか。
「皆が働かなきゃ、この世界は上手く回らないし、皆が働いたって世界が上手く回るとは限らないのよ。それを分かってそんな世迷いごとを言っているのかしら?」
 まくし立てる私の声に、怯えたゾロアは縮こまっていた。
「アメヒメ。やっぱりこいつは私の監視下に置きたいわ。いいかしら? 警察よりも、こっちのほうがいい」
「……いいけれど。でも、やりすぎちゃダメだよ」
「だぬ。脅して働かせるならば、刑務所と変わらないだぬ」
「……刑務所と変わらない。望むところじゃない。態度によっては刑務所よりもずっと楽なところになるはずよ」
 性根が腐っているみたいな子供だけれど、まだまだ子供。今ならまだ矯正も可能なはず。きちんと働く事に、意義を見い出してもらわないと。
「だってさ、ゾロア。あのね、何で働くのが馬鹿らしいと思っているのかは知らないけれど……大体はビリジオンさんの言う通りよ」
 優しく諭すようにアメヒメはいい、そのまま続ける。
「皆が働いていれば、社会は上手く回っていくものなのに、誰かが奪う側に回れば、社会はおかしな事になっちゃうの。何かが盗まれる、奪われる……それだけで、ただ不快になるだけじゃない。犯人探しに人手が取られるし、人間関係も悪くなりかねない。
 あなたが、盗んだおかげでね。失われた命だってあるんだよ? そういう事を、きちんと考えているのかな……君はさ? だから、働く事が面倒な事だなんて思っちゃダメ。それで悪事に手を染めたりなんかすれば、その陰で貴方の何倍も面倒になっている人がいるんだよ?」
「わかってる……働けばいいんだろ、働けば……」
「真面目に、ね」
 不安はあったが、やってみないとわからないこともあるので、経過を見守ってみる事にする。その日は前足と顎の怪我が激しかったためにお休みし、働くのは3日後となった。

 そうして3日後。希族時代から続けている農作業の手伝いをやらせてみる。ともかく、雑草がすぐに生えてきてしまうので、皆でそれを片さないといけない。私は食べればいいのでひたすら雑草を食べて過ごす事にする。食べきれない分はきちんと干草にして食料を確保しておかないといけないけれど、生憎皆の食欲が旺盛なので余ることはない。あまりと置くまで草を食べにいかせるわけにも行かないしやっぱり牧草を育てる畑が必要ね……。
 ゾロアには作物に水をあげるために水汲みをやらせる事にする。川の水をこのパラダイスまで引っ張ってくるという案もあったのだがそれは時間が掛かるので現在はまだまだ進行中といったところ。土木作業が得意な力のあるポケモン達の仕事を待つしかない。一応井戸はあるのだが、飲み水や料理に回す分で手一杯で畑に撒くには足りないので使われない。
 水を持ってくる作業は、バケツを一つ一つ運ぶだけでは到底足りないので、大きな荷車を引いていく形で行われるが、運ぶペースはどうしても各々に任せる形なるため、皆で足取りを揃えてというわけにも行かない。
 要するに、サボり放題と言うわけだった。
「こんなところにいたのね」
 パラダイスから川への中間地点辺りにある大きな岩陰にて、彼は休んでいる。
「……なんだよ?」
 まずいところを見られたという風でもなく、ぶっきらぼうに彼は尋ねる
「休憩時間ならきちんとあるでしょう? こんなところで一体何をやっているのかしら?」
「休んでいるんだよ。見れば分かるだろ?」
「働け!」
 ずいっ、と顔を寄せて凄んでみせる。
「お前は楽だよな。草を食っていれば働く事になるんだもの」
「まぁ、それは否定しないけれど。私は普段からダンジョニストとしてガンガン稼いでいるし、それに畑を耕したり今日の貴方と同じように水を運ぶこともある。貴方と違ってサボったりはしないけれど」
「俺はお前みたいに、強くないんだ。一緒にするな」
 前触れも無しに前足で軽くゾロアの頬をはたく。きゃっと女の子のような声を上げたゾロアを見下ろし、私は怒鳴った。
「貴方から『お前とは違う』申し出てくれるとは非常にありがたいわね。確かに貴方とは違うし、貴方と一緒にはされたくない……働きなさいって、言っているでしょう? 休憩も、きちんとあるって。何でそれを無視して、貴方は休憩しているのよ?」
「お前には関係ないだろ」
 そう言って、ゾロアは私を突っぱねる
「関係ある。私だってパラダイスの一員なんだからメンバーが一丸にならなきゃいけないのに、貴方だけ勝手な行動をしていたらだめじゃない」
「やればいいんだろ、やれば……」
 そう言ったゾロアの言葉は、到底信用できるものではない。これでは、やってくれるとは思えない
「真面目にやらないと意味が無い……なんで貴方はそれが分からないの?」
 ムキになって、私もヒステリックな金切り声を上げてしまう。
「知るかよ……」
 目を逸らして、彼はそう言った。罪悪感があるのか、それとも怖いのか……いや、今の私は……さっきのように怒っているのならばともかく、しおらしい雰囲気になってしまっている。だからきっと怖くないというか、怒っている時の方がよっぽど怖いはず。
 じゃあ、罪悪感が……この子にもあるのかな? 分からないな……どうすればいいのか。
「分からなくても知らなくてもいい。とにかく、働いて……そうすれば食事も、勉強も出来るから」
 アメヒメとか、ティーダに相談しよう。私だけじゃダメそうだ……。

 ◇

 ターコイズの装飾品の工房兼販売のズルッグわざっぐの経営の傍ら、毎日何かしらサボっているゾロアを見ていると、俺はかつての自分を思い出した。ドテッコツのカークとやっていた悪事。ターコイズの原石を採取させて、それを道中で奪い取る商売が露見したときを思い出す。俺はヌオーにゴリゴリお仕置きという名の拷問を加えられていて、それからと言うもの真面目に働く事を強いられた。
 あの時は、ヌオーの監視があるのでサボったりなんて出来なかった。そのおかげで、今は不覚にも比較的真人間になってしまったような気がするし、仕事にも慣れた。今は、職人の技を見せ付ける宝石職人の店、ズルッグわざっぐの経営で生計も十分に潤っているといったところだ。
 今の態度を見ていると……あのゾロアも、ゴリゴリお仕置きして、それでもって監視を厳しくしたほうがいいんじゃないかと思うが……まぁ、それ以前にビリジオンは肝心な事を忘れているようだけれどな。
「なぁ、ビリジオン……」
「あら、何かしら?」
 ヌオーの奴は厳しい。厳しいけれど、あいつはあいつなりの思慮深さのような物があった。けれど、こいつは……ビリジオンは、まだまだちょっと未熟な奴だ。恐らく、のどかな場所……というよりは、平和ボケしているくらいに犯罪の少ない場所。もしくは、犯罪をする価値も無いような場所で育ったのだろう。
 彼女自身が貧乏希族を自称しているところを見ると、後者かな?
「あいつの……ゾロアの扱い、俺に任せろとはいえないが……ちょっとだけちょっかい出しても構わないか? 元犯罪者の俺には、奴の気持ちがもしかしたら分かるかもしれないんだ」
「うーん……貴方に任せる……かぁ」
 不安そうな表情を見せるビリジオン。気が強そうに見えて、こいつは本当に打たれ弱いのな。
「アメヒメ達にも相談して見せたけれど、『どうしてもって言うなら、私が何とかしようと思うけれど、自分が引き入れたんだから自分で責任をもって』って言われて……どうすればいいのかわからなくなっていたところだし……。何か案があるならお願いするわ」
「よし来た。俺の案は……なんていうか、自分で言うのもなんだけれど、酷い方法だからな。だから、お前だけは盗み聞きをするなよ? アメヒメとティーダはいいけれど、お前だけは盗み聞きをしちゃだめだ。分かったな?」
「え、あ、うん……わか……ったわ」
 いまいちピンときていないようだが、それでもアメヒメやティーダが監視をしても構わないといっているので、何かを企んでいる訳ではないのだろうと納得はしてもらえたようだ。その翌日、俺はティーダの監視の下、ゾロアに接触することとなる。

「よう、ゾロア」
 仕事が終わったあと、ゾロアが少ない食料しか貰えず腹をすかせているところに、俺は話しかける。ポケットマネーで購入した食料である干し肉を手に持って現れた俺に、ゾロアは少々羨ましそうな顔をした。
「お前、確か宝石店を経営している……」
「あぁ、ズルッグわざっぐのズルッグだ。名前はズール。お前さんは確か、カーネリアンだったかな?」
「そうだよ……何の用だ?」
「いやぁ、あのさぁ。お前さんもあのビリジオンにはむかついているようだからさ。だからな、ちょっとした相談があってだな……。いやな、俺もビリジオンの奴には大層むかついているんだ……あいつ、お高く止まってやがって、自分が偉いとでも思い込んでいるのかね?」
「実際、偉いと思うけれど。仕事熱心だし」
 そう言ってゾロアはため息をつく。
「ふん、あんなのはアメヒメやティーダに比べれば下っ端さ。そのくせ、脱走したら許さないとかって、幅を利かしてやがって鬱陶しいったらありゃしない。だからよ、あいつの食事に下剤でも何でも盛って、俺達を追えないようにして脱走しちまおうぜ?」
「……脱走?」
「そうよ。そしたらまた、俺達二人で自由気ままに盗賊でもやって暮らそうぜ?」
「捕まったら、今度こそ警察行きだけれど……」
「構うもんか。今が楽しければいい、そうだろ?」
 そう問いかけると、ゾロアは控えめにウンと頷いた。
「なんだ、気が引けるって面しているじゃねーか。しけてんなぁ……ともかくよ、俺の計画っていうのはだな……あいつ、ビリジオンは草むしりの代わりに草を食って雑草を処理するんだ。
 だから、その草にでも、この強力な下剤の液を塗れば……ビリジオンの腹には雷鳴が轟き、美しい尻は大雨模様ってわけだ。あの美しいビリジオンがそういう目に合うのも面白いんじゃねーの?」
「う、うん……」
「へへ、控えめにうなずくのはよせって。いい子ぶるよりも、世の中面白い事がたくさんあるぜ?」
「そ、そうだけれど……」
「分かっているなら話が早い。この薬は強力だからな……刷毛でひと塗りするだけでも結構来るんだ。今までの鬱憤晴らすために、ガンガン塗っちまううのも悪くないんじゃねーの? あのお高くとまった顔が苦痛にゆがむとか、最高じゃないか?」
 さて、こいつはこの誘いにどう反応するのやら。拒絶するのならそれもよし、気が進まないまでも承諾するならば……少しばかりショック療法をさせてもらおう。
「う、うん……分かった、やる」
「へへ、決まりだな。じゃあ、こいつをやるよ。ビリジオンは明日も草を食う仕事に憑くのは確定済みだ。奴の畑に水を撒く振りをして、こいつを塗りつけてやれ」
 本当は嫌がっているのならば、これは受け取らないはず。やっぱりやめだといってこの干し肉を突っぱねればまだ救いはある。一時の欲望に身を任せて、人を陥れる道を歩むようであれば……まぁ、末路は俺とおんなじ。ゴリゴリお仕置きされてたっぷりしぼられるしかないわな。
 ゾロアはその時、一瞬躊躇ったものの咥えて受け取り、咀嚼して飲み込んだ。食事の量を制限されてお腹がすいていたのだろう、夢中で掻き込んでいたが……さて、こいつの態度によっては、ここから先は地獄だな。

 その夜、ゾロアと分かれた俺は、盗み聞きしていたティーダと合流する。
「なぁ、ズルッグ。お前、ゾロアとのアレは一体どういうことだ?」
「あぁ、俺はこれから嘘をつくんだぜ」
 怪訝そうな顔で見つめるティーダに、俺はしたり顔で答える。
「はぁ、嘘?」
「あぁ、嘘だ。と、言うのも……俺はビリジオンに対して『あいつはここを脱走するために、草に下剤を塗りこんでやろうと、俺に話を持ちかけてきた』って嘘をつくのさ。俺はあの時下剤を渡したからな……それを持ち歩いていたら、ゾロアがビリジオンにどれだけ言い訳しても聞き入れてはくれんだろう」
「そんなことしたら……ビリジオンに何をされるか分からないぞ? あいつ烈火のごとく怒るだろうし……」
「その時はお前が止めろ。俺は、あのゾロアに……普段の行動が悪いと、いざと言う時、自分が語る言葉がまったく信じてもらえないという事を教えてやるんだ。それと、ビリジオンの怖さも同時に教え込む。それでいいか?」
「教え込めたとして、そのあとはどうするんだ?」
「ビリジオンを交えて、俺の過去を話すよ……ヌオーとかお前らにはもう話したっけ……ビリジオンやエモンガにはまだだけれどよ」
 そう告げると、ティーダはふっと笑う。
「街の宝石職人のお前の話か。いいんじゃね? 上手くやれよ」
「上手くやれだなんて、そんなこと分かってるって。パラダイスが発展しないことにゃ、稼いでも稼いでも資金がパラダイスの発展のために吸い取られちまうからなぁ。みかじめ料は少ないに限るぜ」
 本当のところは、ビリジオンが空回りしすぎててほうっておけないだけだけれど
「みかじめ料とは人聞きの悪い。これでも少ないように設定しているつもりなんだぜ? アメヒメは」
「へへ、おかげで余ったお金で色々買えて助かるってもんだ。ゾロアも、そっちのほうが楽しい人生だと思うんだがなぁ……何か、あいつは仕事が嫌いって感じじゃないから、何か心の重荷がなくなればいいんだがな。その気持ちに向きあるかどうかが問題だよ。
 向き合えたなら、下剤を返してくるだろうし、その気持ちに向き合えないならば、下剤の事を咎められてビリジオンに怒られる恐怖を味わう。どっちに転ぶことやら」
「願わくば、いい方向に進んで欲しいものだな」
 あぁ、ティーダの言うとおりだ。取りあえず、明日を待つしかなさそうだな。


「ビリジオン……済まない」
「あらあら、どうしたの……ズルッグ?」
「あのゾロアの事……なんだがなぁ。ちょっとまずい事になっちまったんだ」
「まずいこと?」
「あぁ、実は昨日あいつに俺の身の上を話したんだ。ヌオーにお仕置きされてここにいるってさ。そしたら、『なら脱走しないか』ってゾロアに持ちかけられて……これ」
 下剤のビンを差し出し、ビリジオンに見せる。ゾロアに持たせたものと同じものだが、どちらも中身はただの雑草を煮詰めた汁だから、下剤の効果はまったくない。先程ゾロアに話しかけた際は、彼が同じものを持っているのは確認済み。例え使っていなくとも、持っているのがばれれば言い訳は出来ないし、させない。
「下剤で体調不良にさせている間に逃げるですって? というか私がダンジョン仕事に言っている間に逃げればいいのに、あいつは何を考えているのかしら……」
「だろ? いや、ダンジョン仕事の最中に逃げれば……っていうのはその通りなんだが、看病に人手を割く目的もあったらしいぜ? ともかく、そういうわけであいつ……脱走しようとしているぜ?」
 ビリジオンの表情がゆっくりと変わってゆく。自分が裏切られたのだという事を少しずつ自覚していっているのか、一瞬で表情が変わるのではなく、徐々に表情が変わるさまが見ていて恐ろしい。
「分かったわ。私が直々にお仕置きをする」














 肉食獣のように憤怒に顔をゆがめ、ビリジオンは言う。こいつに、威嚇されたら体がすくみあがって動けなくなってしまいそうだ
「お、おい……お前ら何をするつもりだよ……」
「あぁ、ティーダ? ちょっとついて来てくれるかしら」
 ティーダも絶妙なタイミングで合流し、俺達は三人でゾロアの元に。と、言うわけで、ひたすら水汲みや耕作をしているゾロアの元へと一行は向かってゆく。すると、ゾロアは今日は以外にもきちんと水を運んでおり、水撒きの仕事をしていた。ビリジオンはそれを、『今日だけはいい子ぶって逃げるためにご機嫌とりか』と解釈し、火に油を注いだようでさらに怒り心頭といったところ。ティーダも、これはまずいと思ったのか、『俺の許可無しに殴るんじゃないぞ?』と釘を刺した。
 ビリジオンは『分かったわ』と頷いたものの、少々不安だ……。
「ちょっと待て、俺が先に行く」
 取りあえず、冷静さを保てるように、ビリジオンを遠く離れたところに置いて、俺一人でゾロアと話す体制に。さて、これが最後のチャンスだ。
「あ、ズルッグ……ごめん」
 俺が近付いてくるのを見たゾロアは、開口一番謝った。
「どうした? 下剤は使ったのか?」
「ううん……使っていない」
 へぇ、踏みとどまったのかな? ギリギリで……やるじゃないか。
「ごめん。昨日貰った食べ物の分は、いつかきっと必ず返すから。だから、許して……」
「……どうして使わなかった?」
 俺は優しい表情と口調でもって、声を掛けたつもりだが、逆に恐怖心を与えてしまったらしい。ゾロアはビクリと体を震わせた。
「あの、その……ビリジオンさんは、確かに口うるさいけれど、悪い人じゃないし……だから……やっぱり、良くないって思ったんだ。だから、真面目に働いたほうが良いのかなって」
「ほう、そうか……ちょっと、付いて来い。あっちにティーダとビリジオンがいるだろ?」
「あ、本当だ……」
「ギリギリで踏みとどまれたんなら、今回のことも、腹を割って話せる……よかったな。もし踏みとどまってなかったらお前、あいつに顔を蹴り飛ばされるところだったぞ?」
「ど、どういうこと?」
「一緒になったら話す」
 いやまぁ、しかし、本当に踏みとどまってもらえてよかった。あいつが起こった光景を見るのはそれはそれで楽しそうだが、流石の俺もいたたまれねぇ。

「まずな、俺はゾロアを裏切るように仕向けたんだ」
「一体、何の目的で?」
 今回の事を話し始めると、早速ビリジオンが突っ込んでくる。
「ゾロアに、『普段の行動が悪い奴は信用してもらえなくなってしまう』って事を教えるためにな。俺が下剤と偽って渡したただの草の汁のビン……俺が『ゾロアが下剤を盛ろうとしている』って伝えればビリジオンは当然それを追求する。その時ゾロアがビンを持っていれば、裏切ろうとしたという事に対して言い訳できないだろう?
 そこで俺は『脱走を持ちかけてきたのはゾロアで、俺は誘いに乗ったふりをしているだけ』と、言うんだ。今の段階じゃ、俺とゾロアの言うこと、どちらが信用されるかで比べたら、俺のほうが信用されるだろ? そうすることで、ゾロアに『今の自分は誰からも信用されていない』ということを自覚させようと思ったんだ。
 大事に至らないうちに、ティーダに止めてもらうようには頼んであったが……まぁ、そういう事態に陥る前に、こいつはギリギリで踏みとどまったってわけだ」
「ひっどい事考えるだろう、こいつ?」
 ティーダが言うが、まったくもってその通りで返す言葉も無い。
「な、何でそんな事を……」
 ゾロアが震える声で尋ねる。
「言葉の通りさ……普段の行いが悪い奴は、例え本当の事を言っても信用されない事があるんだ。それを、このズルッグが教えてくれようとしたわけさ。事実、ビリジオンはズルッグの言葉をまったく疑わず、お前の事をしばき倒すつもりだったようだしな。
 ま、今回はそういうことにはならずに、ゾロアは自分の気持ちと向き合った結果、ビリジオンを疎ましく思うのはやめて、形だけでも真面目に仕事しようって思えたわけだが……」
 ティーダがそう言って微笑む。
「あぁはなりたくないって思ったから……」
 ゾロアは、俺のほうを見てそういった。ありゃりゃ、俺の評価は最低みたいね。
「ふひひ、言われちまったなズルッグ」
「笑うんじゃねーよ……まったく」
 癪に障る笑い肩をされて俺はむっとする。まったく、ティーダはこれだから……。
「ゾロア……なぁ、お前さ。体は健康そのものなのに、何で働きたくないんだ? さっきの話な、逆に言えばきちんと働いてさえいればお前の言葉も信用してもらえたってことなんだからな?」
「そ、そうよ。ずっと教えてくれなかったじゃない」
 ティーダが説明から質問まで一気に駆け抜け、ビリジオンも質問に便乗する。ゾロアは、顔を伏せて悔しげに震えながら涙を落とす。
「……母さんが。仕事の最中に死んでいたんだ」
「……仕事の最中に?」
 ビリジオンが尋ねると、ゾロアはおずおずと頷く。
「ずっと、無理してた……朝食を食べている時に急に眠ったり、鼻血を出したりとかしながらも……頑張っていたけれど。給料が少ないからって、その分働いたんだ……俺達を、養うために。でも……仕事中に急に血を吐いたらしく、そのまま俺に発見されるころには……冷たくなっていたって。
 それだけならいいんだ。問題は……母さんに十分に給料を払うだけの経済力があるってこと……経営者が、自分のサイフのために……だから、働くのは馬鹿らしく思ったんだ。仕事なんてあんなの、緩やかな泥棒じゃないか……犯罪じゃないだけで、泥棒だ。搾取されるだけじゃないか」
「ふーん。泥棒されたからって、自分も盗んでいいわけじゃないけれどな」
 ティーダがやる気もなさそうに正論を言う。
「そんなことより貴方、今……『俺達』って言った? 種族は? 性別は? いま、どうしているの?」
 ゾロアの話を聞いて、ビリジオンが慌てて追求する。
「知らない。逞しく生きているか、野たれ死にか……どこかに売られて母親以上に過酷な労働か……種族は、多分メグロコが2人で、性別はどちらも雌。多分って言うのは、進化しているかもしれないってこと」
「おいおい、ヘビーな話題だな……放って置いたら、アメヒメが怒るな、こりゃ。そいつはあとで探して……いや、探そうか?」
「全部諦めてた。俺の収入が当てにできなかったら……あいつら死ぬしかないって。だから、もういい……」
 ゾロアのまぶたには涙が溜まっていた。彼が働く事を馬鹿らしいと思っていた理由は、働いても搾取されるだけと思っていたこと。そしてそもそも生きる理由を失ってしまったこと、二つだという事が分かり、ビリジオンは言葉を失う。ティーダはゾロアの隣に寄り添い、黙って肩を撫でた。
「なー、お前さ」
「なんだよ……」
 そんな中、俺は口を開く。ゾロアは明らかにこちらに良い感情を持っていない様子で反応する。
「世の中、悪い奴ばっかりだよ。と、言いたいところだけれどな……悪い奴は10人に1人もいないんだ、本当はよ。俺も悪いやつになりかけた……この辺の近くで取れる水色の石。ターコイズを削って装飾品を作る職についていたが……まぁ、賃金が安くてなぁ。
 それで、賃金を上げるように抗議を続けているうちに経営者に飛び膝蹴りをかましちゃって首になっちまったんだ。気付いたらお前と同じように悪事に手を染めちまって……。
 他人が採取してきたターコイズの原石をスリとったり、西の方じゃ金の成る種なんてものをでっち上げて酷い詐欺をやらかしたりもした。そんなこんなで、足を洗うまでには苦労したぜ。
 でも、このパラダイスは……厳しい奴らばっかりだけれど、搾取はされない。お前の妹達、簡単な作業でなら働けるんだろ? 何でもいい、やらせてみれば……アメヒメは悪いようにはしないだろうからさ。頼ってもいいんじゃないかな?」
 珍しく俺も善人っぽいこと言っちゃったかな。まぁ、アメヒメは悪い奴じゃないし、それだけは分かってもらわねーとなぁ。
「頼るも何も……その頼らせるべき妹が……」
「……死んでいるかもしれないな。けどそうじゃないかもしれない。あー……まぁ、なんだ? さっきズルッグも言っていただろう? 世の中悪い奴は10人に1人もいないんだ。けれど、その1人のせいで、5倍増し、10倍増しと悪い奴がいるように思えてしまうもんだ。
 ……保証はないけれど、少しは頼ってみてもいいんじゃないかな? 別に金を取ろうってわけじゃないんだからさ」
「もういい……もういいんだ。逞しく生きているならそれでいい。死んでいるならどうにもならない……どこかに売られてたりしたら、どうやって買い戻せって言うんだ?」
「出来ないと思うのか、俺が?」
 ティーダが真顔になって、ゾロアに尋ねる。
「まぁ、お前とアメヒメなら……出来ない事も無いんじゃね」
 と、俺は言う。
「私も協力するし……」
 ビリジオンが言いかける。自身を失いかけてやがるな、こりゃ。
「人探しまでなら、俺も協力できるぜ? 西の方はちょっと立ち寄れないが、北のほうの街のいくつかに人脈はあるからな」
 ビリジオンが動くなら、武力関係は問題なし。まぁ、俺のほうは戦力に数えないでいてくれると嬉しいかな。
「勝手にしろ……俺の妹たちは砂漠へ続く街、赤土の平原が続く場所、リーロタウンに住んでいるはずだ……何事もなければ」
「げ、思いっきり俺が悪事を働いた街じゃねえか……無理だ無理だ」
 ゾロアはゆっくりと立ち上がり、歩いてゆく。また黙って仕事に戻ってゆく彼の姿は、今すぐにでも消えてしまいそうで、危うい雰囲気であった。
「……ビリジオン。マリルリのミズタマさんと、ヌオーにこのこと伝えてくれ。俺は宿場町によく訪れる奴らに当たらせてみる」
「俺は?」
「ズルッグは……まぁ、いいや。その街に入れないって事なら無理強いも出来ないしな……せっかく更正したのに逮捕なんて事になったら残念だ。ただ、宝石商がお前の店をよく訪れるんだろう? なら、そっちの方面で何か情報が無いかだけでも頼む」
「わかった……すまねえな、協力できなくって」
「いいって。物事なんでも向きと不向きがある」
 そんな会話をティーダとしているうちに、すでにビリジオンはその健脚で以って駆け出している。

「あ、ちょっと待てビリジオン」
 俺はそれを呼びとめ、一つアドバイスをする。
「お前ってさ、希少種だから俺達よりもずっと長生きだろ? だから、人をまとめたり使ったりするすべを覚えて欲しくって、ティーダもアメヒメもあえて解決方法を言わなかったけれどさ……ゾロアのこと、きちんと理解してやれ。
 理由が無いと、悪い人間になれないってわけじゃねーけれどさ。あいつ、元からサボる事に罪悪感や抵抗はあったんだ。だからよ、まずはそっちの原因を解決してやるべきだったんだよ。相手が何を思ってそんな行動を取ったのか……きちんと考えてやれ。
 俺は考えてもらったぞ……あのGODヌオー様とアメヒメによ……色々大変だったけれどさ。理由を聞きださなきゃ理解できないこともあるし、その理由を聞き出すのも大変さ。けれど、それが出来なきゃ……希族として領地をまとめるのは難しいんじゃねーの?」
「私は……」
 ビリジオンが目を逸らす。
「へへ、俺が説教なんてしても、説得力ないわな。要は徐々に慣れて行きゃいいんだ。頑張れよ」
 俺はずり下がったズボンをきっちりとはきなおして、ビリジオンに踵を返す。後ろから小さく『うん』と答える声がした。

 ◇

 結局、彼はあれ以降も真面目に働き続け、きちんと畑に尽くしてくれたクロン。けれど、きちんと食事は取っているはずなのに、なんだか日に日にやせて生気を失っているように見える彼の顔を見ていると、なんとも不安な感じになるクロン。
「よっす、ゾロア。はじめましてかな?」
 数日後に、彼の元に訪れたのはコジョフーだったクロン。

「誰だおま……ちょっと待てお前」
「お兄ちゃん……」
 そして、そのコジョフーが後ろにつれているのは2人のメグロコ。あぁ、あれってまさか……。
「ディアン、タイト……あぁ……」
 そこから先は言葉にならず、ゾロアは夢中で2人と抱き合い、再会を喜ぶ。邪魔しちゃ悪いかなクロン……こっちまで感動して悪臭もらしたら台無しだし……クロン。
「いやね、あんたが指定した街で、偶然屑拾いの仕事……仕事って言えるかどうかも分からないけれど……それをやってる女の子2人を見つけてね……聞いてないねこりゃ。まったく、恩人に対して……」

「すまん……さっきは無視して」
 しばらくして満足しあったのかゾロアはコジョフーに向き合ったクロン。
「あー、いいよいいよ。私も3人きりにしてやれなかったから」
「ありがとう……ほら、お前らも」
 そうしてゾロアたちは頭を下げる。なんというか、いい光景だクロン。
「そうそう。あんたが教えてくれた街で、偶然屑拾いの仕事……それをやってる女の子2人を見つけてね……種族ですぐにピンと来たわけ」
 話によれば、コジョフーはその名をジャノメといい、宿場町によく訪れる恋よりも修行に生きる女である。よく旅に出てはダンジョンに潜り、己の実力を高めようと日々頑張っている彼女は、ティーダの呼びかけに応じて、久々に当てもなく旅に出るのをやめて目的地を定めて旅をしたそうだクロン。
 その過程で、ダンジョニストの仕事で稼いだお金で飲み食いをする傍ら情報を集めた彼女の言う『偶然』とは、どちらかと言うと百回に一回だけ当たるくじを五十回ほどやって当てたようなものだクロン。修行に生きる彼女だけれど、そういった事に対して協力を惜しまないあたり、彼女の人の良さが伺えるクロン。

「と、言うわけだクロン」
 私がいないうちに起こった顛末をヤブクロンのジャックから聞かされ、私は静かに頷いた。ダンジョン仕事から帰ってきてすぐにこんな話を聞けるとは、正直疲れも吹き飛ぶ気分だ。
「ありがとう、ジャック。そう……会えたのね……よかったわね」
「それで、ゾロアは朝早くに恩返しをしたいって言ったら……何でも、コジョフーはエスパーとゴーストに強い仲間が欲しいって言ったらしく、付いて行くって飛び出しちゃったクロン。元々妹と過ごすために、休日は与えていたんだけれど……なんというか、カーネリアンは活発だクロン」
「あらあら……そっかぁ……これから、パラダイスの発展のために、妹ともども……協力し合えるかしらね?」
「そうなるといいクロン。もっともっと、パラダイスはきっとよくなれるクロン」
 ゾロアがいないパラダイスにて、農作業の休憩時間。私達は、そんな事を話して笑っていた。

 が。
「ふぅ……はぁっ……」
「ゾロア……貴方どうしたの? ジャノメの向かうダンジョンについていったんじゃ……」
 休憩の終了間際に最中ゾロアは這う這うの体で帰ってきた。私は驚きながら声を掛ける。
「コジョフーが『それじゃあ、ダンジョンまで付いて来てよ』って言って走り出して、追いつけないから『待ってくれ』って言ったら……『そう、付いてこれないならいいわよー!! パラダイスに帰ってなさい』って、遠くから笑顔で言われて置いていかれたんだ……それで、どのダンジョンに行くかも聞いていなかったから……結局戻ってくるしかなくって」
「まぁ、あの子らしい……恩返しはいらないってわけね」
 あの子は、とても変わった子だ。修行のために連日ダンジョンに出かけて、お金が入ったらそのお金で目一杯贅沢をする。何でも『お金があるとダンジョンに行く気がなくなるから、宵越しの金は持たない主義』とかで、ほとんど貯金をしないのだ。
 彼女にとっては、色々金を使って妹を探し当てた今回の件も本当についでのつもりだったのだろう。
「なぁ、ビリジオンさん……どうすれば足って速くなるのか知ってるか……?」
「え、そりゃあ、毎日走りこみするとか、進化するとか……」
「だよなぁ、それしかないよなぁ……水汲みの仕事も、明日から頑張るかぁ……足腰は取りあえず鍛えられるだろ」
 これはまぁ、なんと言うか……意外なところから彼のやる気に繋がったものだ。
「実を言うと、水汲みってかなりの重労働なんだクロン。だから、普通は交代でやってもらうんだクロン……最近はゾロアも真面目に働くようになったから別の仕事も任せようと思っていたんだけれど……どうするクロン?」
「いいや、追いつけるようになるまで足腰を鍛える」
 コジョフーのジャノメ。あの子は驚くほど足が速いから、追いつけないならあの子なりの『恩返しはいらない』といったつもりなのだろう。けれど、このゾロアは恩返しをあきらめていない。とても力強い瞳で、恩返しをする事を決意していた。
 こんな表情も出来るんだ、この子。もっと早くに、妹の事を聞き出せていれば……私もイライラしないで済んだのかな? それが出来なかった私は未熟だ。もっともっと、精進しなきゃ。

 そうして翌日。妹は地面タイプなこともあってか、パラダイスの整地や水路の設立、畑を耕したりといった仕事に従事する事が決まった。他の職業についても考えてよいのだが、それについてはワルビルに進化して両手が使えるようになるまで保留と言うことらしい。
 ゾロアは、早速水汲みのお仕事に全力を尽くすようになっていた。あの調子で鍛えていれば、ゾロアークに進化するのもそう遠くないだろうし、間違いなく足腰も強くなるはずだ。
 きっと、そう遠くないうちに……このパラダイスにはダンジョニストが1人増えるだろう。ゾロアを見て、私はそう思えた。

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Last-modified: 2013-11-24 (日) 05:52:00
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