「はっあぁ、はっあぁ・・・ま、まずい・・・追いつかれる・・・・・・」
「待てっ!!奴を逃がすな!!」
雨上がりの湿ったコンクリートの夜路地を、体が全体的に黄色く、両方のほっぺが紅いネズミのような体をしたポケモンが逃げている。その種族名はピカチュウ・・・なのだが、普通のピカチュウと違って四角いメガネをかけており、体の至る所に傷や擦り傷や切り傷があって、毛並みも多少赤く染まっていた。・・・どうやらこの子は命からがら逃げ出してきても、未だに追われているようだった。
それに、その子の頭の中では 早く逃げなきゃっ!! と思っていても、身体に蓄積されたダメージと疲労のせいなのかあまり早くは動かせていなく、突っかかっている感じだった。だから何度も途中でふらっと体勢が崩れ、追いつかれそうになる。そんなギリギリの状態が長く続かないと分かりきっていたから、無茶をしてでも遠くへ、安全なところへと、痛む身体にムチを打って一歩一歩っと走っていた。
「あとぉ・・・はぁ、はぁ・・・少しで森に入れる・・・森に入れればこっちのも・・・・・・あっ、ぐわぁ!! ・・・いたた・・・・・・」
逃げ切れるまであと少しの所で水たまりに足を取られ、派手にすっ転んでしまった・・・しかもその時に足を捻ったらしく、足首を両手で押さえ込んでいた。その間にピカチュウを追っていた5匹の犬のようなポケモンにジリジリと距離詰められ、よろよろと立った時には4方を囲まれていた。種族名は4匹はポチエナと、リーダー格であるらしいグラエナだ。
そのグラエナが前に出て見下ろしながら、
「そこまでだ」
っと、勝ち誇ったように言う・・・のだが、その言葉と顔はまったくもって一致はしていなく、寧ろ反対の悲しみの顔をしていたのだから。そして追いかけられていたピカチュウの方は、口をゴニョゴニョして何か言おうとしていているがなかなか言い出せない様子でいた。それに待ってられなかったのかグラエナがポツリと
「・・・なんか、言うことはないのか?」
「・・・・・・」
「お、おい・・・・・・」
「・・・どう、して・・・・・・どうして君がっ!!ギラファがボクのことをっ!!?」
「・・・俺だって・・・・・・俺だってお前のこと大切な親友だから、とてもつらい・・・。だが・・俺が、自分の手でお前を殺さないと家族諸共俺も殺されちまう・・・・・。 それに俺は最初否定してた、お前があのリンク投稿者じゃないことを信じてた・・・だが調べてみたら現実は・・・・・・」
最後の言葉を言ったあと少し視線をずらし、
「お前のパソコンのアクセス記録から流したサイトを調べて、IPアドレスを調べてみたら完全に一致した・・・。 認めたくなかった・・・・・・」
ピカチュウはそれを聞いて言葉を失った。実はそれを投稿した後直ぐに自分で命を絶とうとしていたのが、いざ死のうとすると手が震え、死にたくないっと心から願ってその場所から逃げた・・・殺されたくもなかった。だから全力で逃げた。
でも自分が逃げだしたことが、他人の中のことまで飛び火するとは思ってもいなかった。それがまさかの仲間、いや、ピカチュウからすると親友っというより家族のような存在のギラファっと言うグラエナだったのだったのだから・・・・・・。
ラスト5、6行目が読点が無かった不備を修正し、それに伴った文章の書き換え。
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