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ポインセチアの祝福を

/ポインセチアの祝福を

注意:この作品には人♂×ポケモン♀の官能描写が含まれています。


作者:ユキザサ


 降り始めた雪によって町が真っ白に染まっていく。町の輝きはツリーや各々の家のイルミネーションだけになり、家の明かりは消える。子供たちも大人たちも寝静まった頃に彼らはその使命のために行動を開始する。
「今年は一段と冷えるな」
「予報では明日の朝からの予定だったんですけどね。この様子だと朝には積もっているでしょうね」
「子供たちにとっては嬉しいだろうけど、大人は大変だろうなぁ」
 少しずつ雪が積もり始めた町の中心にそびえる大きなツリーの下で二つの影が動く。一方は人間。もう一方は大きな翼をもった生物。どちらも赤い服に身を包み、その傍らには大きな袋が置いてある。
「さーて、そろそろ始めますか。じゃあ、今年もよろしく深紅のルギアさん?」
「畏まりました、マスター。いえ。サンタ代行クリス様?」
「やめいやめい。お前に様なんて付けられると違和感がある」
「ふふっ、少しだけふざけてみました。それにマスターこそ、私にはレインって名前があるんですから」
 クリスと呼ばれた青年とレインと呼ばれたルギア、この二人が今から行うのはこの街の子供たちに夢を配る大事な仕事。サンタ界隈もどんどんと近代化が進み、近年はそれぞれの町にサンタ代行とその補佐ポケモンが住んでいて、サンタの仕事は分担されている。この二人はもう他のサンタ代行からはベテランと言われているが、この仕事はどれだけ経験しても気が抜けない。子供たちにもその親にもばれない様にプレゼントを贈る。各地のサンタ代行も今頃気を付けながら行動を開始している事だろう。
「それでは背中に」
「おう、頼んだよ」
 レインの背中に乗り、クリスはプレゼント袋を忘れない様に担いで開いている片手をレインの首に回した。そして小さな深呼吸の後にレインは翼をはばたかせ、雪が舞う空に飛びたった。

「いやぁ、こんな所を見られたらサンタの株が下がってしまいますなぁ」
「い、今は煙突もないですから、仕方ない事でしょう?」
「まぁそうだな。それじゃあよろしくレイン」
「畏まりました」
 レインの言った通り、最近の家にはもっぱら煙突がない。そのため、子供たちがイメージを抱いてる煙突から入るサンタというのは最近ではあまりいない。その代わりにどうやってプレゼントを枕元に置くのかというと……
「開きましたよ」
「毎年思うけど便利なサイコキネシスだ」
「私はあなたをサポートするための存在ですから。これくらい朝飯前です。それに今日以外の目的では使うつもりありませんし」
「あったら問題だって。よっこいせ」
 答えはサイコキネシスによるピッキング。巡回の警官にでも見つかったら即座に捕まりそうな行動だが、その姿もレインの光の壁で無理やりごまかされている。足音を立てない様に気を付けながらクリスは袋の中から綺麗な包装紙に包まれたプレゼントを気持ちよさそうに笑顔を浮かべて寝ている女の子の枕元に置いた。
「良い夢を」
 小さくそう呟いてからクリスは侵入に使った窓から外に出る。まだまだ袋の中にはたくさんのプレゼントが入っている。二人の仕事はまだ始まったばかりであった。
「さぁ、次の子供の所に行こう」
「はい!」


「これで今年も安心して年こせるな。ウゥ、寒っ……!」
無事にプレゼントを配り終え、家に帰り、冷えた体を温めるために暖炉に手をかざしていたクリスも漸く安堵のため息をついた。これで今年のクリス達の仕事も完全に終わり。後は明日にでも報告書を纏めれば、後は穏やかに年を越せる。
「お疲れ様です。マスター」
「ん。今年も助かったよ、レイン」
「魔法の人を運ぶのが私の役目ですから」
 そう言ってレインは紅い瞳を細めて、暖炉近くのテーブルにマグカップを置いた。湯気が立ち上がるそのマグカップを傾けてクリスは中の飲み物を飲み干してから、またカップをテーブルに置いた。その直後クリスの首にふわりとした羽毛の感触がした。
「レインさん?」
「私も今年一年いい子にしてました。だから……」
 艶っぽい声色でレインはクリスの首に回した翼にギュっと抱き寄せる様に力を入れた。
「私もプレゼント欲しいです」
「い、一応聞くけどご所望のお品は?」
 その質問にレインはニコリと上機嫌に笑みを浮かべて、振り返ったクリスの口に自分の口を軽く合わせた。
「もちろんマスターですよ」
「あぁー……でも、とりあえずやるならベッドに……っておい!」
 言葉の途中でクリスの身体はすでに宙に浮いていた。そしてその体の行先はご丁寧にもベッドの上であった。クリスの重みでベッドが少しだけ沈んだ直後にまた違う重みで沈んだ。諦めたようにため息をついたクリスの上に息を荒げながらレインはのしかかった。
「これ、毎年の恒例行事になりつつあるなぁ」
 とある年に一線を超えてからというもの、二人は毎年プレゼントを配り終え帰宅すると体を重ね合わせていた。最初も誘って来たのはレインからであったが、その時にクリスも抵抗をしなかったために、今もこの関係は続いている。
「こんなことする私は悪い子ですか……?」
「いいや、お前には感謝してるよ。だから……」
「きゃっ!」
 突然クリスが下で動いたことでレインはバランスを崩した。その結果先ほどとは逆に今度はレインをクリスが押さえつける形になった。
「ちゃんと今年も俺がリードしてやるって」
「ふふっ!お願いしますね?」
 クスクスとかわいらしく笑うレインに体を優しく撫でながら。クリスは翼の付け根に手を置いて、意地悪な笑みを浮かべた。
「さーて、とりあえずまずは、俺を運んで疲れているであろう翼をマッサージしてあげましょうかね」
「んっあ!」
「本当にお前翼弄られるの弱いよな」
 そう言ってクリスは目下の紅く染まるルギアに軽く口付けをしてから。レインの翼の付け根に置いていた手に力を込めて、強く揉みこんだ。
「んぁ!」
「こらこら、動くなって」
 強弱をつけながら、揉みこむたびにレインの身体がビクビクと敏感に反応する。
「そんなこ、といわれて、もぉ!」
「うーん、結構凝ってるねぇ。お客さん」
「まって……ます、た!もうっ、ああぁ!」
 嬌声を上げながらレインは体を震わせた。いつも真面目に仕事をこなして自分を支えてくれている彼女の乱れる姿を見てクリスは心の中の加虐心を強く煽られ、悪戯をする子供の様な笑みを浮かべて、レインの頬を撫でた。
「翼弄られただけでイッちゃったんだ?」
「いじ、わる、しないで、くださ、い」
 口元から少し涎を垂らしながらレインは震える翼でクリスの腕をつかんで訴えかけた。もう我慢できないと言った表情で息を荒げていた。
「分かった、分かった。って、もう下の準備は平気そうだな」
「はぁっ!」
 クリスがレインの秘所に指を入れると、何の抵抗も無く指を飲み込んだ。その指を中で動かすたびにレインの秘所からは淫らな音、口から高い嬌声が漏れる。表情もただでさえ目元が紅いというのに紅潮しているせいなのかクリスには余計に色っぽく見えていた。
「今夜は冷えるからな、ちゃんと抱き寄せて温めてくれよ?」
「ますたーもおねがいしますよ?」
「おう、任せとけって。じゃあ入れるぞ?」
 受け入れる体制を取っていたレインをいつまでも待たせるのも悪いと感じ、クリスは制服を乱暴に脱ぎ捨ててレインに抱きついた。先ほどまでの前戯でクリスの物も天に向いており。その先端をレインの秘所に合わせるとすぐにそのまま少しずつ侵入させた。
「ん……!」
「相変わらず締め付けはすごいし、暖かいな」
「今日だけは絶対離しませんから……」
「別にいつでも付き合うって言ってんだけどなぁ」
「マスターの翼である私にとっては、一年に一度でもこうやってマスターに我儘を聞いて貰うだけでも幸せです」
「全く……変な所で強情なんだからな。さーて、動くぞ?」
「はい……」
 少しだけ苦笑いを浮かべながら。クリスはレインの中から逸物を引いてそれをすぐに突き入れた。突き入れるたびに組み敷かれているレインの身体がわずかに跳ね、クリスを抱き寄せる力も強くなる。
「あっ!すご、いっ!」
「ほら、レイン。こっちに、顔向けて」
「は、い!んっ……」
 口を完全に密着は出来ないが、それでもある程度は舌を絡ませ合うことは出来る。口を離すとレインとクリスの間は銀色の糸で少しの時間だけ繋がった。それもすぐに露になってレインの口元に落ちた。それをペロリと舐めてからレインは体を大きく震わせて、一際大きい嬌声をあげた。
「あっ!もっと、もっとぉ!」
「ほんと、お前、乱れると、欲望に正直になりすぎだってのっ……!」
「だって、だってぇ!」
 二人の鼓動と一緒に二人の境界から響く水の弾ける音も少しずつ速度を上げていく。お互いにもう本能で動いているだけで口に出るのは荒い息と嬌声だけだった。それはお互いにもう余裕がなく、どちらがいつ爆発してもおかしくないという事を物語っていた。
「ぷれぜんと、ますたーのを、いっぱい、ぷれぜんとしてくだ、さい!」
 クリスの首に翼を回し耳元で囁くようにそう呟いた。その言葉はクリスの加虐心をさらに煽り、また速度が上がっていく。
「たくっ!こっちだってもう離す気もないんだからわざわざ俺を煽るように言わなくても良いっての!」
「あっ、もう、だめぇ!」
「俺も、もう限界だから……!きっちり全部受け止めろよ!」
「はいぃ!」
 その直後、クリスは強く自分の身体をレインに押し付けて、レインの身体に回していた腕に力を込めた。それを離さない様にレインもクリスを強く抱き寄せた。レインの呼吸に合わせて納まりきらなかったクリスが渡した白濁液は二人の結合部からどろりと零れた。そしてその液体はレインの腹部の紅い羽毛を少しだけ白く染めた。
「満足したか?」
 息を荒げながらクリスはレインにそう問いかけた。いまだに組み敷かれているレインは首を小さく横に振って、否定の意をクリスに伝えてから、首を伸ばして口付けをした。
「んっ。たり、ないです……」
「はぁぁ……分かった。今日は満足するまでプレゼントしてやるから、覚悟しろよ?」
「はい……!」
 嬉しそうに笑顔を浮かべるレインを見つめて、クリスは翌日の体調を少しだけ気にしながら、短く口付けをすると再びレインの中へ自らを沈めた。

 「さーて、置くところだけはバレない様にしないとな……」
 翌朝重い体を動かしながらクリスはレインを起こさない様に、枕元に綺麗に放送された小さな箱を置いた。
「直接渡せば良いってのに、何だかんだ俺も意気地ないなぁ」
「ん……?」
「あっ、悪い起こしちゃったか」
「いえ、私こそ少しお寝坊しちゃいましたね……」
 寝惚け眼をこすりながらレインはのそのそとベッドから起きだした。その拍子に先ほどクリスが置いた小さな箱が床に落ちた。
「これは……?」
「一年間良い子で過ごしたお前にサンタさん(代行)からのプレゼントだよ」
「あ、開けても?」
「もちろん」
 優しい笑顔を浮かべてクリスはその箱を手にもってレインに開ける様に促した。翼を小さく震わせながらレインは箱のリボンを外した。
「これ……!」
「本当はレインサイズの物用意したかったんだけどさ……流石に厳しくて、お前には小さいかもしれないけど受け取って欲しい。まぁ、色々順番は逆かもしれないけどな」
 箱の中に入っていたのは銀色に輝く人間サイズのエンゲージリングと羽を模したネックレスであった。そして、何時の間にかクリスの左薬指にも同じリングが輝いていた。
「一応ネックレスも一緒に買って、首から下げれるようにしたんだけど……っておい!レイン泣くな泣くな!」
「やっぱりマスターは魔法の人です……私にとっても」
「ははっ、大げさだって」
「あの……着けて貰っても良いですか?」
「もちろん」
 ネックレスの留め具を外してクリスはレインの首に手を回し、留め具を再び止めた。嬉しそうに自分の首から下がっているリングとネックレスを翼の上に取ってレインはそれを愛おしそうに顔を寄せた。そんなレインの頭を撫でながら、クリスは言葉を続けた。
「まぁ、なんだ。これからもパートナーなのは変わらないけどさ、これからは人生のパートナーとしてもよろしく頼むよ。レイン」
「はい。マスター!」
 
 雪降る街に喜びの声は響き合い、今日はこの街の誰もが解けない魔法にかかる。それは魔法をかけた側の彼らも例外ではない。これは数えきれない聖夜の奇跡の物語、その小さな一片。プレゼントに魔法をかけて、これからも彼らは奇跡を紡いでいくことでしょう。

後書き 

 安直短い季節物。突貫工事の作品のため色々と突っ込みどころはおおいかと思いますが、許してください()
後、いつも通りの自分です。悪しからず。色ルギア様ってどこかサンタっぽくないですかね?

何かございましたら 

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Last-modified: 2018-12-24 (月) 23:14:54
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