writer is 双牙連刃
なんとなーくポケモン新作情報が来て思いついたネタをちょろちょろっと……もの凄く短いものですが、軽くでもお読み頂ければこれ幸いです。
ホウエン地方沿岸……人や普通のポケモンが訪れないその場所は、あるポケモン達が密かに集まる隠れ家的場所となっていた。
そのポケモン達は、伝承では相入れぬ存在達。互いが互いの生きる場所を奪い合う宿命にあるポケモン達だった。……まぁ、一匹は他の二匹の争いに巻き込まれ、それを仲裁するという損な役割なのだが。
しかしてこの場に居るそのポケモン達は争っている様子は無い。それどころか、何やら仲良さげに話をしているようだ。
では、少しこのポケモン達の話に耳を傾けてみようか。本来は争う定めにある筈の二匹を鎮める役目を担う、レックウザと呼ばれる者の目と耳を借りて……。
「来た、俺の時代がまた、キターーーーーーー!」
「いやグラードン、別にあなたの時代が来たという訳ではないと思うのですが……」
全くだ。幾ら俺達が伝説のポケモンを務めるルビー・サファイアがリメイクされると言っても、それがイコールで俺達の時代ってなる訳じゃない。と言っても、この様子じゃ殆ど聞こえてないだろうがな。
「なんだよぅカイオーガ、お前は嬉しくないのか? リメイクだぞ? オメガルビーだぞ? アルファサファイヤだぞ!? 俺達の時代がまた来たと言わざるを得ないだろう!」
「それはまぁ……嬉しいですけど? アドバンスの頃の私達は色々不遇でしたし」
「確かになぁ。丁度初代からやってたトレーナー達はゲーム離れをする頃と被ったし、それまでのゲームボーイとは大きくデザインが変わったアドバンスの初期の頃に発売されたってのもあったしな」
「本当だよ! その点良いよなーレックウザは。アドバンスが世の中に受け入れられた頃に発売されたから出戻りのトレーナーも結構居たし、映画にも主役レベルで抜擢されたりしてるしー」
うっ、な、なんだよ……見んなよ……二匹してそんなジト目でこっち見んなって。しょうがないだろ、そうなったのは俺の所為じゃないんだし、そこで恨まれても俺はどうしようもないっての。
しょうがない、ここは俺から話を振って機嫌を直させるしかないか。やれやれ、面倒だな。
「しかし、今回リメイクされるのはルビーとサファイヤで、かなりのトレーナー達から待ってた! って声が上がってるんだからいいじゃないか。なぁ?」
「そ、そうだな。今回の主役は俺とカイオーガ! それは揺るがぬ事実だぜ!」
「おまけに、今回の私達は更なるパワーアップもしますね。伝説クラスで更なる強化がされるのは、私達が始めてなんじゃないでしょうか?」
「マジで!? いやー、俺達ってばマジでレジェンドだぜ!」
う、うーん……伝説のポケモンではないが、それに匹敵するであろうあのポケモンが、実はメガシンカしてるんだが……ここでそれを言うのも藪蛇だろうし、黙ってるとするか。
「確か、メガシンカじゃなくゲンシカイキ、というんだったかな。原始回帰の事だろうから、進化とはまた違う強化という枠になるか」
「そう、絶頂期の、カイオーガをひぃひぃ言わせてた頃の俺になるという事ですよ!」
「私が何時誰にひぃひぃ言わされたって言うんですか。寧ろいつもアバババ言いながら流されてるのはあなたでしょう」
「いやいやー、俺達ってばよくネタで、俺がカイオーガの中に噴火してカイオーガが潮吹きって流れアバババババ……」
……いやまぁ、そのネタ結構見るがね? 俺的にはそうやってカイオーガに水技で流されるグラードンも結構見る気がするのだよ。伝説では対等だが、タイプ的にはカイオーガのワンサイドゲームなんだよなぁ。
因みに、グラードンの何がカイオーガの中に噴火しているのかとかはお察しだ。何っていうか、ナニなんだが。本当に、こういう弄られ方をする為に与えられたような技の組み合わせだな、改めて思うと。
「は、ハレンチ極まりない……全く、レックウザも黙ってないでアレの暴走を止めて下さいよ」
「あんなのまだ可愛いもんだろ。それに、事実だしな」
「そ、それは! その……そうですけど」
あれ、カイオーガまんざらじゃない? 寧ろちょっと嬉しそう? 俺としても喧嘩の仲裁するのが無くなるし、お前達もうくっついちゃえよ。
その点俺ってそういうネタそんなに無いんだよなぁ。まぁ、某アトラクションパークでは体を張ってアトラクションしたりしたけどな。いやぁ、あそこは平和だったなぁ。
とかなんとか考えてたら、流されていったグラードンが戻って来た。海まで流されてよく生きてたな。
「し、死ぬ……死んでまう……」
「それくらいでどうこうなるような体じゃないだろうに。とりあえず、発言には気を付ける事だな」
「クソッ、この一方的なパワーバランスも、ゲンシカイキでひっくり返してやんよ!」
「あの、私もゲンシカイキ出来るようなんですがそれは」
「言ってやるなよ、可哀想だろ?」
でも確か、ゲンシカイキしたこいつ等って、封じられてた技をまた使えるようになるんだったかな? まったく、また厄介な事にならないといいんだがな? 絶対になるんだろうなぁ。やだなぁ。
しかし、またホウエンが舞台になるって事は、ホウエンの人気ポケモン達も更に強化されて戻ってくるって訳なんだよな。俺達を除くホウエン人気ポケモンは……。
「でもさ、ルビサファのリメイクって事は、ホウエンの人気系も皆リメイクでゲット出来るって事なんだよな」
「おぉ、お前もそこに行き着いたか。そうだよ、ホウエンの人気ポケモン達もメインに返り咲きって訳だな」
「ホウエンで人気と言えば、やはり筆頭は……」
「俺!」
「……グラードン、飴玉やるから少し黙ってような」
「わーい」
話が進まないからグラードンの口を塞いで、と。あ、飴玉は別に不思議なアメじゃないただのアメだからあしからず。
「あ、改めて……やはり筆頭はサーナイトでしょうか?」
「そうだなぁ。あの容姿は見事の一言に尽きるし、抱擁ポケモンってところもなかなかポイントの高かった点の一つだろうな」
それのお陰か所為か、色々ネタにも使われるがな。ま、人気者は大変だってところだろ。
「それにグラエナ、クチート、フライゴンやアブソルと、一般ポケモンで人気の高いポケモンって、第三世代からのポケモンって結構居るんですよね」
「だな。戦闘面でもメタグロスやボーマンダ、ボスゴドラなんかも強力な部類に入るかな」
「それに御三家と言われるトレーナーの最初のパートナーになるポケモンも人気じゃないですか? バシャーモなんて、メガシンカまでしちゃってますし」
そうだな。それに、別の世界のお陰で人気になったジュプトルも居る。なかなかなラインナップじゃないか。……ミズゴロウ? いやうん……強く生きろ。
でもなんと言っても、第三世代の顔と言えばあの二匹だろうなぁ。準伝説なのに、伝説である俺達より遥かに目立ってるし。
「だが外せないのはあの二匹だろう。あの映画の所為で、基本的に兄妹で言われる事も多いが」
「あぁ、あの二匹ですか。そうですよねぇ、私達を差し置いて、ちゃっかりメインに居座っちゃってますからねー」
あ、カイオーガちょっと根に持ってるっぽい。いやまぁカイオーガの場合、基本的に映画の本編に入る前の前枠にちょろっと出るだけだし、なまじ出てるんだからメインを張りたいって言うのはあるだろうな。
「んー? あぁ、ラティオスとラティアスの事か。確かにあの二匹の人気だけは頭二つ三つ出てるよな。まぁ、一番は俺だけど☆」
「……レックウザ、まだ飴持ってます?」
「持ってるぞ、ほら」
「ありがとうございます。はい、グラードン」
「お、サンキュー!」
……一番最初にやった俺が言うことでもないが、飴で釣れるなよ伝説ポケモン! 威厳ゼロか!
まぁいいや、グラードンだし。映画効果っていうのはやっぱり大きいのか、第三世代の花形になってるのはやっぱりラティ系だな。もしかしたら、あの二匹もメガシンカ来たりするかもなぁ。なんか、ボツネタではあったって風の噂も聞いた事あるし。
「しかしリメイクですか……一世代前のリメイクでは、かなり人気になったある物があるのですが、こっちのには何が来るんでしょうね?」
「ん? 一世代前のリメイクだと……あぁ、SSとHGの連れ歩きか。あれは良い物で、第五世代の時に何故無くしたって嘆いてるトレーナーがかなり出たって聞いた事があるな」
「いいですよねー。一匹だけですけど、ボールに縛られずにのんびりとトレーナーと旅が出来る。ルー君もトレーナーと一緒に旅が出来るのは楽しかったと言ってましたし」
「ルー君? ……まさか、ルギアの事か?」
「えぇ、そうですけど?」
ルギアをルー君と来ましたか……まぁ、カイオーガの歳を考えれば子供扱いでも仕方無いかもしれないが、あれは間違ってもルー君って呼ぶレベルのポケモンじゃないだろ……。
ま、まぁ、お互いの呼び方は当事者達の問題だし、俺が口を出す事でもないか。呼ばれてるルギアの苦笑いが目に浮かぶようだぞ。
しかし連れ歩きな、進化させてポケモンに乗って移動とか出来るようになるといいんじゃないかと思うんだよな。確か、それが出来る物語もあった気がするが、あれは言わば外伝のようなものだしな。本編でも出来るようにすればいいと思うんだが、どうだろうか?
それだと自転車が完全に要らない物になりそうな気もするが、ポケモンライドシステム、いいと思うんだがな。俺なんか、トレーナーを乗せて空の果てまで行ってやってもいいくらいだ。
「でもよ、カイオーガを連れ歩いたりしたらそのトレーナーは万年雨男か雨女ってレッテルを張られる事になるんだし、ちょっと無茶があるよなー」
「な、失礼な! それを言うなら自分だって、居る場所を日照りで乾燥させる日照兵器のようなものじゃないですか! まだ雨の方がよっぽど良いですよ!」
「にゃにー! なんだよ、天気良いのの何処が悪いってんだ! ピッカピカのお日様は、未来をキラリンと照らし出すんだぜ!」
「私の雨だってトレーナーの未来に潤いを与えてますよーだ!」
「はいはいストップストップ。どっちにしろ、トレーナーのプラスになるって事は分かったって」
とは言いつつ、確実にそれがマイナスに働くであろうとは簡単に予想出来るがね。本当に、トレーナーの益になるのか損になるのか分からんもんだ。
どっちも異常気象を発生させてしまうって事が分かっている以上、オメガルビーとアルファサファイアで連れ歩きが復活っていうのは難しいだろうな。でも一つ、何かしらのポケモンとトレーナーが触れ合うような物が出来る事を期待しておこうか。
「とにかく、これからまた伝説のポケモンとして頑張る事になるんだから、どっちももう少ししっかりしてくれよ? でないと俺が疲れて仕方無い。……主に心労で」
「おうともさ! ゲンシカイキでパワーアップして、バシバシバトってやろうじゃん!」
「なり方も分かってないのに張り切っちゃって……でも、活躍次第では返り咲きで映画の主役デビューなんて事も出来るかも……」
それは可能性有りなんじゃないか? ゲンシカイキでワンチャン、って感じか。メガシンカでまさかの二度目のメインを張った事例も出来た事だしな。
「おぉ! つまり俺もパチモンじゃなくて、本当の俺、デビュー! が出来る訳だ!」
「パチモン……? あぁ、あのスライムっぽいグラードンか」
「あれはグラードンじゃない! 俺の形をしたメタモンの集合体だ!」
「でもあれ、確かあなたの体の一部を使ってましたよね?」
「つまり、グラードンは本当はあれにもなれると」
「嘘ぉん!? い、いや、無いよね? あんなスライミーになったら俺、色々アウトだよ!?」
まぁ、それは冗談だが。っていうかあんなのになられたら止める俺がドン引きです。勘弁して下さいマジで。
「と、とにかく! 更なるパワーアップに備えて、テンションをスーパーハイテンションにまで持っていかなくては!」
「もう十分に高いだろうって……」
「なんにせよ、また私達が伝説の名を冠するんです。頑張りましょうね、レックウザ」
「あぁ、そうだな」
「ちょ、俺スルー!? ゲンシカイキすんのは俺とカイオーガじゃんよぉ!」
……実は俺ことレックウザにもゲンシカイキ後の姿が噂されてたりデルタエメラルドなる物の噂が出てるんだが、それはここでは言わないのが吉だな。グラードンがぐずっても面倒だし。
にしても、ゲンシカイキ状態でもこいつ等喧嘩するんだろうなぁ……はぁ、止める時の事を考えると胃がキリキリしてくるぜ……。
~後書き?~
……この短い物を書くのにも全然時間が足りない! 新光とか色々な作品を待ってくれてる皆様、いらっしゃったら誠に申し訳無いですが、今しばらくお待ち頂ければ幸いです! なんて生存報告を込めてこんなのを書いてみました。もう、ここにも全然来れなくて……orz いや、頑張ります、頑張りますとも!
今までのコメント返信もまた徐々にやらせて頂く所存です! コメントをして下さってる皆様、返信が遅れてしまい申し訳無いです!
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