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ハッピーライフ 前編

/ハッピーライフ 前編

さわさわと屋上に流れる風を受けながら目をつぶる…とても心地がよい。このまま時がとまってしまえばそれでも別にいい。そんなことあるはずがない。わかっている。
「またこんなところで油売ってるの?リーフィア!」
隣から聞きなれた声がする…。
「何?グレイシア?」
「ったく!のんきなものね…教室戻らなくていいの?」
「どうせ昼休みでしょ?まだいいじゃない」
空を眺めながら答えた。
「本当にあんたは…幸せそうね」
「そうかしら?」
体を起こしながら、私はグレイシアに聞いた。
「そうよ!あんたみたいな幸せそうな人ほかにはいないわよ」
「…グレイシアにとって幸せって何?」
「えっ?幸せ…?」
「そう」
「ん~…よくわからないけど…世界が平和だとか?」
「へ~」
「何よ?」
グレイシアから「世界が平和」なんて言葉聴いたことがない…いつも自分中心なのに。
「そう言うあんたは幸せって何よ?」
「私は…」
私の幸せ…。
「普通の日常…」
「は?」
「学校に来たり…あなたや友達としゃべったり…普通に暮らすことが出来るのが、私の幸せ」
「…はぁ」
少し唖然とした顔をしている。私の口から出た言葉がそんなに不思議だったのかな?
「グレイシア!教室、戻ろ!」
「あっ!う…うん」
私とグレイシアは教室に戻った。しかし今日の授業は、大掛かりなこともなく時間もあっという間に下校時間になった。
夕暮れ時の学校の帰り道、私は空を見上げながら歩いていた。
「空が…真っ赤」
小声でつぶやく…そのとき後ろから、声がした。
「リーフィア!」
振り向くと、私の幼馴染のシャワーズが立っていた。サッカーボールを蹴りながらこちらに向かってくる。シャワーズはスポーツ万能で運動なら何でも出来る…しかし勉強はあまり出来ない。
「また学校で友達とサッカー?」
「いや…今日は教室で先生に…」
元気のない言葉と表情を見ればすぐにわかる…怒られながら残り勉強でもさせられたんだろうけど…きっと。
「俺って不幸な男だと思わない?」
「そうかな?」
「ああ…だって…」
「シャワーズ…」
私は話ようとするシャワーズをとめた。
「んっ?何?」
「あなたにとって…幸せって何?」
「えっ?」
うなりながらも考える…しばらくすると私の前に立ってこう答えた。
「…お前の傍に…いることが…幸せだ」
…沈黙が流れる。シャワーズの言っていることは分かるが…。
「そう…」
私は、ただ短く答えるだけだった。
「えっ?お…おい!」
変なシャワーズと思いながら私は、自分の家に向かっていった。自分でもおかしいと思わなかった。いや、シャワーズのことだから私をからかってるだけ…。だから私も、受け流したのだ。

数日後の授業…その日は「私が今みんなに知ってほしいこと」と言うテーマで作文を書くことになった。私はあの日、グレイシアやシャワーズと話したことなども、思い出しながら作文を書いた。…正直あまり考えずにさらさらと書いたのだが、それで集会で発表させらることになってしまうとは…思わなかった。
「すごいじゃない、リーフィア」
「適当に書いただけだけどなぁ」
クラスの発表でも、私は最後に発表した。
「-個人の幸せ・自分の幸せ- リーフィア
貴方にとって幸せとは何ですか?
おいしいものを食べてる時?好きなテレビを見ている時?ほしいものが手に入って時?いろいろあります。…しかし、私は「普通の日常」が自分にとっての幸せと考えます。なぜならば、学校に来ることが出来る、友達と話が出来る、食べ物が食べられる。これは生きているから出来ること。この世の中では貧しいポケモンなどもいますが人には人の幸せがあると思います。他人には変に思われる幸せでも、生きていれば分の幸せが必ず見つかる、私はそのことを皆さんに知っていてほしいです。」
教室に、拍手が木霊する。黒板の前から自分の席にゆっくりと歩く。そして座ると同時に大きなため息をひとつ。
「いい作文だったわよ。」
「ありがと」
お昼休み、私はまた屋上で空を見上げていた。
「……」
「リーフィア?リーフィア!」
「ん~?」
寝転がりながら、私はグレイシアのほうを向く。
「何ぼぅっとしてるの?」
「いや…気になることがあって」
「どうしたの?」
私はシャワーズとの会話を、簡単にグレイシアに話した。すると…
「あ…あんた!馬鹿じゃない!?」
軽く頭をはたかれた。
「?どうしてよ」
「あんたそれ聞いて、何も思わなかったわけ!?」
「だって、どうせ冗談でしょ?」
「鈍感にも、ほどがあるでしょ!?…いい?シャワーズはあんたのことが…」

その時だった…屋上の階段を駆け上がってくる音がした。正体は、私のクラスメイト。

「リーフィアちゃん!!」
「どうしたの?」

「シャワーズ君が…」

ーto be continued ー



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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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