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ノーティーウィッシュスター!

/ノーティーウィッシュスター!

writer is 双牙連刃

久々にやらかす、ほぼギャグ小説でございます! 黒歴史内のスーパーハイテンションスターのリメイクでもあったりします。
えっと、ほぼ作者の悪ふざけのようなネタがひしめいておりますので、そういったものがお嫌いな方はバックボタンをお押し下さい! 私は一向に構わん! という方は↓から始まります。お楽しみ頂けましたら幸いです!



 それは、世界の願いが集まる場所。世界の空の遥か上にある場所。
そこに居るのは願い星。世界中から集まる願いを集め、星として空に輝かせる者。
千年の眠りの中でその力を溜め、一度だけ奇跡を起こす者。な、筈なのだが……。

「ねぇ、超退屈なんだけど! っていうか千年もここに閉じ込められるって設定がそもそもおかしいって! 責任者出てこーい!」
「……あなたが素直に千年の眠りにつけば済む問題だと思うのですが?」
「じゃあ聞こう、クレセリア。君は千年なんてアホみたいな時間眠れるのかね? んー?」
「あのですね、私達とあなたとでは理がそもそも違うのです。……もう、なんで私達の主はその理を完全に無視出来てしまっているの?」
「はっはっは! クレセリアは世の中を分かってないなー。いい? ルールっていうのはブレイクしてこそ意味のあるものなんだよ?」
「うん、とりあえずその理論が完全に間違っているものであるって事だけはツッコませてもらうとしよう」

 ……どうやら、ここに例外な者が存在するようだ。
眠る事無く暇を持て余す願い星。……その者の名は、ジラーチ。



  ~Naughty Wish star~



 ここは遥か空の上、雲のその更に上に浮かぶとても小さな小島。島の名前は、そこに建つたった一つの建物の名前から『願いの社の地』と呼ばれる。
この地の役目はただ一つ。社に眠る(筈だった)者を懐に抱え、ゆっくりと世界を巡る事。眠る者が、世界中の者の願いを集められるように。
なのだが……この社の願い星は、自身の義務とも言えるその眠りにまどろむ事をせず、今日も今日とて全力で暇を持て余している模様……。

「ね~ぇ~クレセリア~。ちょっとビックリするような事してよ~。最低ラインとして爆発するとかでいいからさ」
「無茶振りにも程がありますよ!? 死ねと!? 私に死刑宣告ですか!?」
「大丈夫大丈夫。八割殺しくらいでいいからさ」
「それもう限りなくアウトですよね!? ……冗談でもいきなりそんなブラックな事言い出さないでくださいよ」
「もぉ、クレセリアはツッコミもお堅いな~。じゃあさダークライ、なんか面白い事してよ~」
「あのな、振りがアバウト過ぎて何すればいいか分からん。大人しく寝るっていう選択肢は無いのか?」
「寝てるじゃん、毎晩」
「普通の睡眠じゃなくて千年の眠りの方だ。他の守護者のところは皆大人しく眠って願いを集めてるそうだぞ?」
「やーだよ千年も寝るとか退屈の極みじゃーん。それに他のジラーチが仕事してんだから僕がする事無くね?」
「あのな、そういうものじゃないだろうに」
「ジラーチに生まれたからって強制的に仕事をしなきゃならないなんて幻想、僕がぶち壊す!」
「……ねぇダークライ、本気で主を変えたいと思った事無い?」
「まぁ、ただ寝てるのの守護者をやってるよりは退屈はしないんじゃないか?」

 呆れ顔でお互いの顔を見合わせて溜め息をつく二匹のポケモンを尻目に、この社の主であるジラーチは全力で床をローリングしていた。縦回転、横回転、側転バック転と休む気は微塵も無いようだ。

「あー! ひーまーひーまーひぃぃぃぃまぁぁぁぁあ!」
「ちょっ、危ないから少し落ち着いて下さいジラーチ様!」

 ……ここからは、物語の語り部をジラーチに移させて頂こう。
退屈を持て余す願い星。この物語は……かの者の物語なのだから。



 ……暇と言い続けてもう幾数年。もうさ、僕にこんな役目押し付けて放置したお偉いさんを訴えたら勝訴出来ると思うんだよね。なんなの千年の眠りとか? 意味が分からないよ♪
はぁ~あ。なんとなくゴロゴロ転がって、あまつさえ社の当たり所の悪いところにぶつかって壊せないかな~とか思いながらローリングするのにもいい加減飽きた。そもそも途中でクレセリアのあのヒラヒラに絡め取られて強制終了させられちゃうし~。

「まったく、暴れないでください。もしこの社が壊れたらどうするつもりですか」
「えー? いいじゃん地上に降りちゃえば。そしたら退屈もしないしー」
「あのな、自分が何かちゃんと理解してるか? 願いを叶える者として伝説に残ってるんだぞ? 危険だとは思わんのか?」
「じぇんじぇん。暇を持て余してる僕に勝てる存在なんてこの世には存在しないのだよワトソン君!」
「誰がワトソンだ。が……あながち冗談に聞こえないから余計に質が悪いところだな」
「とにかく、私達がついていてジラーチ様が幾ら強くても地上に降りるのは御法度です。そもそも降りてどうするんですか? 誰かの願いでも叶える気ですか?」

 うーん願いを叶えるねぇ? 出来なくは無いけど、結局仕事してんじゃん。だからそういうのは他のジラーチに丸投げな方向で行きたいんだよねぇ。なんでかって? 面倒って理由以外の理由が必要だと僕は思わない!
でもなんとなく言ってみただけだけど、地上に行くのアリだなぁ。前に行ったの400年前くらいだっけ? それからここから地上の様子見たりはしてるけど、やっぱり見るのと行くのでは月とスッポンポンな違いがあるよね。

「……何黒い笑みを浮かべてるんですか? 駄目ですよ? 変な事はさせませんからね?」
「変な事なんかしな……あ! 足が全力で縺れた!」
「ちょっ! 浮いてるのに足が縺れてどうこうする訳無いじゃないですか! ダークライ止めて! 何か嫌な予感がするわ!」
「まったく、面倒を起こさないでくれなげぼほぉ!?」
「全力全霊でマイロードを爆進し始めた僕を止められる者なんて誰も居ないのさ! 多分!」
「なんで最後ちょっと自信無さげなんですか!? ってそっちはこの地の端……」

 からのダーイブ! ダークライのお腹に刺さったままだけどまぁいっか☆

「ほわぁぁぁ!? 何しちゃってるんですかー!?」
「ふはははは! 僕を止めたかったら追ってくるんだねホームズ君!」
「あんたはどこのモリアーティ教授ですか!?」

 いやぁ、面白いよねシャーロック・ホームズって。前にクレセリアに無茶ぶりして地上の面白そうな物持ってきてって言ったら持ってきた小説でハマりましたよ♪
ぶっちゃけ、ゴロゴロしてるだけで400年も暇潰せる訳無いじゃん? だから、たまにクレセリアとかダークライに無茶振りして地上に行かせて色々ピックアップしてもらってたりはしてたんだ。
でも……やっぱり自分で見たり聞いたりした方が百倍は楽しそうでしょ! 動き出した僕はもう誰にも止められないさ!
いざ、地上まで……シュゥゥゥゥティングスタァァァァァ!
大気の摩擦で僕の心と(主に)ダークライがヒィィィィト! あ、剥がれた。ま、死にはしないでしょ。
よーし地上が近付いてきた! ここは華麗に地に立つ僕をお見せしたいね。
……減速する方法を考えるの忘れてたけど♪ たぁすけてぇー。

「ぬぉぉぉぉ!? がべばぁ!?」

 ……うっ、ぐふぅ……全力で地上に僕という証を刻んじまったい。下が地面で良かったー。
うぉぉ、めっちゃ正確に僕の形で僕が地面にめり込んでる。動けんですたい。
うーん、よし。そのままバックオーライバックオーライ。いやーこういう時って浮けるって超便利。
はいずぽーんと。おぉ、青い空に白い雲! これを見ると地上キター! って感じするよねー。社の上ってもう宇宙だからこういうの見れないんだもん。
あやや? なんか僕が埋まった穴の近くにへたり込んでるミミロップちゃん発見。……もしかして、ニアデスった?

「ひ、ひぁ……」
「あ、ごめーん。大丈夫? 怪我しなかった?」
「うぁ……だ、大丈夫」

 手を差し出して、とりあえずへたり込んでるのを立たせてあげよう。英国紳士としては当然だね。そこ、お前は英国出身なのかとかツッコまない。

「あ、ありがとう……」
「どういたしましてリトルレディ。驚かせちゃったね」
「なぁにがぁぁぁ……」
「あ、やばっ、この声は」
「リトルレディですかこの野郎様がぁぁぁぁ!」
「てべばぁぁあ!?」

 ぐぅ、ナイスパンチ。じゃなくてサイコカッター。折角やっとの事でもない程度の苦労して地面から出たのにまた埋められるとは。しかも首が出る程度の埋め具合とは……良い仕事してますね~。
しかも敬語と貶すのが混ざってるところを見るとかなりご立腹ですねクレセリア。何時もの事だけど♪

「あなたは! 何を! してくれやがってるんですかぁ!?」
「えー何が? 現在実質的に被害を一番受けてるのは僕っぽいと思えなくもないと思うけど?」
「ダークライをぼろ雑巾のようにして見知らぬミミロップさんをゴートゥヘブンさせかけたのにですか!?」
「させてないんだからいいんじゃんよー?」
「これを見てもまだそんな事を言いますか!?」

 おうふ、ダークライはクレセリアがピックアップしてたのか。ぼろぼろでぐったりしてる。ぴくぴくしてるからギリギリセーフだよね。

「あーもう、勝手に地上に降りてきていきなり殺兎未遂をやらかすなんて……埋まってないで早く社に戻りますよ!」
「埋めたのクレセリアじゃーん」
「あ、あの……」

 おっと、ミミロップちゃんがアウトオブ会話状態で固まってた。それじゃあ生首モードで振り向いてっと。

「騒がしくってごめんねー。別に君に危害を加える気とかはナッシングだからさ」
「ひぃっ! ……あ、そ、それはさっき起こしてくれたので分かります」

 そんじゃスポーンと地面から出て、と。おうふ……僕の体色白だから土が目立つでござる。

「でもさー、もう来ちゃったんだからちょっと遊んでいこうよー。んな急いで帰ったって何にも無いんだし」
「駄目です。まかり間違って地上の事件に巻き込まれたりしたらどうするつもりですか?」
「むぬぅ……ならせめてミミロップちゃんにお詫びだけさせてよ。んで、それが終わったら帰るからさー」
「む……確かにお詫びは必要ですね……。仕方ない、それだけは許可しなくてはなりませんね」

 イエス、クレセリアのセキュリティホール発見! ふふふ、後はそこをじわじわ広げて~……の前にミミロップちゃんに自己紹介でもぶちかましておきますか。

「さっきは本当にごめんね。僕はジラーチ、そっちのは僕のお手伝いさんでクレセリアとダークライ。よろしく~」
「あ……えっと、ミミロップのラサンです。始めまして……」

 へーいシェイクハーンド。仲良くなるには歩み寄りが一番ってね。

「で、ラサンちゃん。君は実に不幸と幸運の星の元に輝いてしまっているようです」
「え? どういう事?」
「僕が君をダイし掛けたので、お詫びに君のお願いや困ってる事を一つ僕オア僕等が叶えてあげちゃいます! ヒュ~! ラッキーラビットー!」
「えっ、え!? 私のお願い……叶えてくれるの!?」
「……全てはこちらの不手際が招いた事ですからね。一匹現在ぼろ雑巾ですが、善処させて頂きますよ」
「うっ、うぐぅ……俺に帰って休むという選択は……」
「あ、目が覚めましたか。選択権はありませんが、なるべく私が負担を掛けないようにしてあげますよ」

 おっふぅ。クレセリア、優しいのか鬼畜なのか判断し難~い。ま、ダークライはほっとけば回復するから別にいいでしょ。
ありゃ、なにやらラサンちゃん、胸元で手を組んで非常に真剣な顔をしてらっしゃる。これは……オラワクワクしてくっぞ!

「な、ならお願いします! 村を助けてください!」
「……しまった、これ自体が薮蛇だったとは」
「何やら不穏な空気がマックスじゃなーい? 説明シルブプレ?」
「実は、私の暮らしてる村が山賊紛いの連中に襲われて目を付けられてしまって……」

 ……なるほどねー。五日くらい前に山賊集団が村を襲ってきて、食料なんかを奪って引き上げていったと。
しかもその時に、また来る~的な事を言ってったみたいなのね。それで助けてほしいと。

「現状は把握出来ました。……ですが妙ですね? もう既に食料等を奪っておいてまた来るとは。狙う価値はもう無いように思いますが」
「確かに根こそぎ奪って、そこからまた何か~って言うのも変だね?」
「いえあの、奪われたのは保管された食料の半分程度なんです。でも、略奪をその程度にするからって……」
「するからって?」
「村の牝全員を自分達の嫁に寄越せと言ってきまして」

 わ~お、なんだそりゃ。いやまぁ山賊も嫁なりそういうのの捌け口が欲しいのは分かるけどさ。襲ってきて嫁寄越せって、無茶がありまくリングじゃないですか?
まぁでも村の牝の皆様からすればとんでもない災難ではあるよね。好きでもない相手の嫁になる、つまりはそういう事をされるって事だろうから強姦とあまり変わらないよね。うん、そりゃ不味い。

「呆れかけましたが、確かにその村からすれば大問題ですね」
「はい……山賊の殆どはゴーリキーやサイドンといった大型のポケモン達だったので、あの要求を呑んでしまったら……」
「ひぎぃな事になるのは間違いないね。そんな不埒な真似は許せないなぁ」
「……村に居る牡は皆最初の襲撃で倒されてしまって治療中で、打つ手も無しで諦めるしかないと思っていたんです」

 あらら、泣いちゃった。純真無垢な乙女の涙は究極の破壊力を持つよね。
乙女を泣かせたままで、その泣かせた相手を野放しにしておくなんてジィ~エントルメンの僕には出来なっきゃブル! 山賊をデストロイスルノデス!

「そんならこのジラーチ&新月と三日月の化身が一肌脱ごうじゃあないですか! のぉクレさんダーさん!」
「ご隠居とでも呼ばせたいんですか? 呼びませんよ? でも一肌脱ぐのには同意です。蛮行を好しとするほど私は甘くありません」
「じ、ジト目でこっち見る事無いじゃ~ん。とにかく、ラサンの村に案内してよ。その山賊、まるっと僕達が相手してあげちゃうからさっ」
「あ、ありがとうございます! じゃあ、私について来てください」

 さーて、暇潰しに降りてきてみたらなかなか楽しそうな事に出会えたじゃん。そんじゃ、その山賊とやらを折って畳んで裏返してやろうかな。



 ……おぉ、ラサンに大人しくついて来たらあーた、村の傍に川の流れる綺麗な良いところではないですか。地上での活動拠点にはベリッシモグーだね。
家なんかも木で出来てて赴きあるなー。こういう味わい深いの、とっても嫌いじゃないよ。
んー、しかし誰も居ない。いや、正確には気配はあるけど姿を見せてないって感じかな。……待ち伏せ? じゃなく単に山賊に怯えてるのか。

「ここが私の村です。……本当は、もっと活気のある村なんですけど」
「……もしや、山賊が来ると言っていた約束の日は……」
「はい、今日の太陽が真上に昇る頃、またここに来ると……」

 えーっと、現在太陽は右斜め上45度って感じかな。真上まではまだ時間あるっぽいね。

「そんならまずはダークライを回復しようか。集団戦ならダークライの力は便利だし」
「わ、忘れられてるのかと思ったぞ……」
「でしたらこちらへ。私の家に傷薬等があるので、そちらを使ってください」
「すまない、感謝する……」
「申し訳ありません。では、少し分けて頂きます」

 んー、ダークライの回復はラサンとクレセリアに任せちゃお。僕は軽く地形を把握しておこうかなー。
……ふむ、村を囲う柵なんかは特に無し、防衛面では脆弱だなー。四方から来るのを想定しておけばいっか。
で、ラサン情報からすると相手は格闘タイプに岩地面、その辺が来ると。そんなデカブツが暴れたらこの村に被害が出ちゃうだろうし、撃破は迅速かつ正確にって感じかな。

「山賊討伐のイメージは出来ましたか?」
「ぼちぼちねー。ダークライは?」
「ラサンさんの手当てが的確なので任せてきました。で、ジラーチ様、作戦は?」
「ダークライのダークホール+ナイトメアで多数は拘束出来るっしょ? んで効果範囲外に出た奴を僕とクレセリアで各自撃破、村への被害ゼロが条件、てな感じでハウディジュー?」
「……どうして作戦なんかを立てさせると天下一品なのに普段はあれなんでしょうね……」
「クレセリア、愚痴って言うのは聞こえないように言うのがベターだと僕は思うよ?」

 あ、無視された。まだ勝手に地上に降りたの怒ってるっぽいな~。無茶苦茶やったししょうがないか。

「とにかく、まずは山賊を蹴散らす事に集中しましょう。ラサンさんからの情報だけでは相手方の構成予測に不備があるのは確かですから」
「そんなに張り切っちゃったって~。僕達に掛かればラクショーラクショー、願い星は伊達じゃない! てね」
「何処のニュータイプですかあなたは。この村の方々も私達の様子を伺ってる事だし、あまり変な事しないでくださいよ?」

 あ、そういえばこの村のポケモン達は僕達の事知らないのか。そりゃあ警戒される訳だ。

「ジラーチさーん」
「あ、ラサンとダークライ。回復はオッケーな感じなん?」
「あぁ、戦闘に支障は無い。どうせ相手は大多数だ、俺の出番は多いんだろ?」
「さっすがダークライ、自分の出番は分かってるー」
「あの……私はどうしましょう?」
「あ、ラサンは村の皆に僕達の事話してきてくんない? 見られながらだと恥ずかしくなっちゃうからさ♪」
「なるほど……分かりました。では、皆に話してきますね」

 よーしこれで村の皆への説明もモウマンタイ! あとは件の連中を全力でフルボッコするだけだねー。
日はもうすぐ真上……ちょっと上から周りの様子探ろうか。フラーイアーップ!
……うわ、マジで来てるよ。それも正面からだし。あ~、前回の襲撃で村の自衛能力を奪ったから無警戒って訳ね。アホスw

「ダ~クラ~イ、クレセリア~、来たっぽいよ~」
「了解、ダークホールを発動出来るようスタンバイしておく」
「本格的な戦闘は久々ね……加減出来るかしら?」
「皆さん! そろそろ……」
「あ、ラサン。ターゲットが来たから家に戻るか隠れるかしてて。出てきて捕まっちゃったりしても必ず助けるけどね♪ あ、それともそういうシチュエーションの方がいい?」
「え!? い、いえ、お邪魔しないように隠れさせてもらいます」

 ……ふむ、上手く説明はしてくれたみたいだね。感じる視線が警戒から不安や期待に変わったっぽい。まぁまぁ不安に思わなくてもオールオッケーでございますよ!
うん、もう見える位置まで来たか。ふーん、まぁ数は居るみたいだね。眺めた感じでざっと30くらいかな。

「あれか……半分はなんとかしてみせるか」
「ラジャー。残りは僕とクレセリアにおっまかせ☆」
「最初の交渉は私がしましょう。それで取って帰すのは無理でしょうが、口下手なダークライやあれなジラーチ様よりはいいでしょう」
「……それほど口下手って訳ではないと自負してるんだがなぁ……」
「っていうか僕はあれ扱い!? 酷くない!?」
「シッ、来ましたよ」

 先頭はヘルガーか。いきなりエスパーパワーが効かないのが出てきたな? ま、物理で殴ればどうって事は無いよねー。

「あん? なんだてめぇ等は? 村の奴じゃ無さそうだな」
「私はクレセリア、訳あってこの村の救助を任された者です」
「はぁ? 救助? だっはっはっはっは! 俺達のこの数相手に三匹で救助! 笑わせてくれるぜ、なぁ!」

 おーおー後ろのアホ丸出シーズも大声で笑ってるよ。図体デカイだけのノータリン共に負ける訳無いじゃーん。

「……立ち去る気は無いとお見受けしても?」
「てめぇらこそどっか行くんだな。俺達はここの村の牝を根こそぎ頂いてお楽しみに入るのに忙しいんだよ」
「残念ですね……ダークライ!」
「あぁ。……沈め、眠りの闇の淵へ!」

 おぉ! ヘルガーの後ろの集団の足元にダークホールがオープン! そのままそこに立ってた奴が嵌った。うへぇ、ゆっくり沈んでくとかエグイ事するなーダークライも。

『う、うわぁぁぁ!?』
「何!?」
「オープンコンバットー! クレセリア、レッツパァァァァリィィィィ!」
「ふざけてないで行きますよ、ジラーチ様!」

 まずはクレセリアと同時に全力前進DA! そのまま華麗にヘルガーをシカトして後続連中のど真ん中にダーイブ!

「超、エイサイティィィィング!」

 そのままピンボールのように思念の頭突き(マッハ)で蹴散らし蹴散らし! はいもうズドドドドーっとね!
さながら今の僕は地面スレスレを水平に飛び回る流星、動き回る反応弾と言っても過言ではない! あ、因みにとてもクリーンなエネルギー体なので悪しからず。

「なるべく壊さないようにしますが……不慮の事故って言葉がありますからね♪」

 うわぁ、なんだかんだ言ってクレセリアもノリノリじゃん。集団の中に居たゴーリキーの一匹をサイコキネシスで捕まえて、そいつで周りの奴等をなぎ払ってる。……あのゴーリキー、生きてる?
ま、元々の地力の差って奴ですよ。立ち上がって来そうな奴には容赦無く垂直落下型思念の頭突きを食らわせてどんどん埋まってもらいます。

『ればぁ!?』
『ぎゃぁぁぁ!』
『ご、ゴーリキー! 死ぬなぁ!』
『い、生きる!』
「あらタフですね。まぁでも粗方なぎ払ったのであなたの役目は終わりです。犬神家でもしててください」
『な、へぶぅ!?』
『ご、ゴーリキィィィィ!』

 ……振り回されてたモブのゴーリキーが頭から地面に植えられました。容赦無いなークレセリア。
よーしこれで大体片付いたかな。動けてる奴等もカ~タカタ震えてるし、もう戦闘意欲は無いでしょう。

「なっ、馬鹿な……」
「うーぃ、これで残るはおたくだけ。ついてなかったねー、襲った村に僕達が流れ着いちゃったなんてさ」
「ダークホールに落ちた連中も全て夢の中だ。今頃、サザンドラなんかに啄ばまれてるところだろう」
「ダークライもお疲れー。さて、メインディッシュのお時間よん♪」
「な、何者なんだお前達は!?」
「知りたい? 僕はジラーチ。強靭、無敵、最強DA! なただのしがない願い星様でござりますことよ♪」
「お、おいちょっと待てなんだその棒は!? ひぃっ、いや、やだ……アッーーーーーー!」

 ……勘違いさせないように言うけど、別にひYな事した訳じゃないからね。でも、ちょーっとばかしお楽しみの被害を受ける牝の気持ちは分かったんじゃないかな? お尻から木製の尻尾がもう一本生えた事だし♪

「決着、だな」
「よーし大・勝・利ー!」
「ふむ、ちょっと喰い足りない気もしますね」
「……クレセリア、お前怖いって」

 ま、これで悪さは……おっと、村の家の中からポケモン達が出てきた。

「て、撤退……撤退だ……そっと、そっと運んでくれ……」
「情けナッシングだね~。ま、これに懲りたらもう悪さなんかしないでまっとうに暮らしなよ~」
「お、覚えてろよ~」
「やなこった♪」

 はい、すごすごと山賊達は帰っていきましたとさ。一件落着だね。

「す、凄い……本当に追い払っちゃった……」
「あ、ラサン。だから言ったでしょ? 君のお願い叶えちゃうってさ」
「う、うん! ありがとう……ありがとう! ぐすっ……」

 おおーう、まさかハグされるご褒美が付いてくるとは思わなかったよ。役得役得♪
クレセリアやダークライも他の村のポケモンにお礼言われてるみたい。まんざらじゃ無さそうだし、良い事するって気分良い~。

「こほん、まぁ、少々名残惜しいような気もしますけど、これで役目は果たしましたね。さ、帰りますよジラーチ様」
「ん? 何言ってるの? 僕のターンはまだ終了してないってばよ?」
「は?」
「どういう事だ?」
「だって、ラサンの願いって村を助けてでしょ? で、あの山賊まだ普通に残ってるじゃん。んでもって、まだ村の戦えるポケモンって治療中なんでしょ、ラサン」
「え、うん、そうだけど……」
「だぁったらまだ村を救いきった事にはならないんでないの? ねぇ」

 ふっ……そう、最初から僕は社に帰る気なんかぜーん然無いもんね。山賊を全部倒さなかったのもその為♪
ふっふっふ、やっと事態を飲み込めたようだねクレセリア。ダークライはいつも通りやれやれって感じだね。

「……謀りましたね、ジラーチ様」
「ん? 何のことかね? 僕には何を言っているのかよく分からんなぁ」
「はぁ……どうするんだ? こっちに俺達の住処になる場所は無いんだぞ?」
「あの……もしかして、まだ村を守ってくれるの?」
「……あなたの願いがそうである以上、そうする事になりますね」
「って事で、しばらくここに居るから皆さんどーぞシクヨロ!」

 ふはははは! これを足がかりにして、ジラーチ地上移住プロジェクトを始動するのだよ! これで退屈な毎日とはザ・グッバイさ!
よーしそれなら……まずは地上での僕等の家を村の皆に手伝ってもらいながら作ろうかな♪ 楽しくなってきたぁ!



ノーティーウィッシュスター、やんちゃな願い星…いかがでしたでしょうか? 短時間でさっくり書いたのでちょっと短めでしょうか?
まぁ、作者のギャグ書きたい病が発症した所為で出来た作品なんて、クオリティは度外視して頂きたく思います。
笑える作品になっていれば幸いです。…さて、寄り道してないでサマバケ外伝書かないとな。

ではでは、次はサマバケ外伝で皆様の目に触れる事を祈りつつ…ご機嫌よう!

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • これのリメイク前の作品読んでリメイクやってくれないかなーと思ってたら・・・まさかのリメイクですか(驚)
    ジラーチ最高に面白いです。しかも続編できそうな感じですね・・・ とりあえずサマバケ外伝執筆頑張ってください。
    ――what ? 2012-11-12 (月) 21:13:20
  • ジラーチが暴走してるwww 暇だからってあんなに暴走するのは......
    そしてまさかの止めるはずのクレセリア&ダークライも暴走して楽しんでいる?!
    サマバケ外伝も頑張ってください
    ――ポケモン小説 ? 2012-11-12 (月) 22:25:58
  • ネタが満載で思いっきり笑わせてもらいましたww
    ところでネタの中に任○堂の配管工兄弟のRPG3に出てくる頭がブロックの人ってありましたか?勘違いならすいません。
    ――ZMC ? 2012-11-13 (火) 22:14:23
  • >>11-12の名無しさん
    はい、冒頭で書いた通り黒歴史内にあるスーパーハイテンションスター! のリメイクなので、ほぼ同じのがございます! 楽しんで頂けたのなら何よりです。
    あまり焦らない程度にこれからも頑張ります!

    >>whatさん
    おや、リメイク希望をお持ちでしたか。リメイクしてよかったようですね。
    ジラーチも喜んで頂けたの本望でしょうw …まぁ、私の作品は大抵続編が出来そうな終わり方をしますからねぇ。実際にリメイク前のはちょっと考えてたりしてました。
    サマバケ外伝もぼちぼち書いておりますので、頑張っていきます!

    >>ポケモン小説さん
    このジラーチは百年単位の暇を持て余してますからね、弾け方も暴走ぐらい行ってしまいますw そしてそれはお供二匹もなのですw
    いろいろな人に期待していただいておりますからね、サマバケ外伝も頑張ります!

    >>ZMCさん
    楽しんで頂けたのなら幸いです!
    …実は配管工兄弟のRPGは、ペーパーを除くと2までしかやってないのです…。多分似たネタがあったのなら、RPGを作った方と私のネタの引き出しが似てたのでしょうねぇ。
    ――双牙連刃 2012-11-15 (木) 07:28:33
  • 勘違いでしたか。すみません…
    いや、ジラーチが時折外国語混ぜつつ喋るのがどうにもそのキャラクターにそっくりで…特にお詫びをするところや、『説明シルブプレ?』のあたりが奇跡的に似ていたので質問した次第です。
     双牙連刃さんの次なる作品を気長に待たせてもらいます。
    ――ZMC ? 2012-11-15 (木) 22:52:38
  • >>ZMCさん
    ほう、なるほど。それはちょっとやってみたいなぁ。
    次作もぼちぼち書いておりますので、またお楽しみ頂けますよう頑張ります!
    ――双牙連刃 2012-11-16 (金) 22:27:17
  • ネタで把握できたのはカミヤン、エア本、兄貴♂、バトルドーム、これくらいです。
    この小説おもしろかったねー!、と言いたくなるほど素敵で面白かったです!!
    ――ハクマ ? 2012-11-20 (火) 23:50:55
  • >>ハクマさん
    ネタは入れられるだけ入れましたからね。自分で予想していないネタなんかもありましたしw
    お楽しみ頂けたのなら何よりです。ありがとうございます!
    ――双牙連刃 2012-11-21 (水) 21:03:05
  • やべぇ・・・トルノデスや青つなぎの兄さん、主人公サイヤ人まで居やがる・・・。
    ―― 2013-03-03 (日) 00:10:45
  • これは凄いですね!途中で何回紅茶噴いたか...             
     ところで、戦闘開始のジラーチの台詞の後の地の文、遊戯○ネタですか?そうなら全速前進DA!ですよ。言うほどのことではないですけどね。これからも頑張って下さい!
    ――AIBO ? 2013-03-03 (日) 21:39:55
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Last-modified: 2012-11-12 (月) 00:00:00
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