「よし、着いたぞ。入れ」
ここは…岩穴かな?この奥にレシラム様がいるんだろうか。岩穴というか、洞窟という感じだけど…天井高いな。
「よっ。こいつの診断、宜しく頼むぜ」
「ジェンドさん、新入りですね?」
「分かりました。私達、PSIズにお任せを!」
さ…PSIズ?大きさのサイズみたいだな。まさか体のサイズを計る訳ではないよね。
これから一体、何をするんだろ?
「あの、空腹なんだけど…」
「これ、食べていいわよ」
ていうかこれ、バンジの実じゃないか!まあ、僕は苦い味が好きだからいいんだけど、もぐもぐ。
「ここは、まず僕達三匹で心の診断を行って、それが合格なら、あちらのハガネ達の所で、身体能力、技のテクニックなどを検査するよ」
「まずは…知識から…」
黄色い頭のポケモンが僕に向けた目を光らせた。何だか怖いよ。
…知識って言ってたけど、今頭の中を見てるのかな。あんまりいい気持ちじゃないや。
「知識、2」
「じゃあ、次は感情ね♪」
赤い頭のポケモンもこっちを見て、目を光らせてる。やっぱ怖いよ。
感情ね。やっぱり頭の中を覗かれてるのかな。
どんなに考えても気持ち悪いな。
「感情、3.5♪」
「最後に意思を!」
青い頭も目を光らせた!だから怖いって!
ああ、頭の中が変な風になる…
「むっ!意思、5!合計点、10.5!」
「後は俺達に任せろ!」
「ササ、コチラデスヨ」
四つ足があってゴツいポケモンと、不思議な模様なポケモンが、バトルの診断を?
「ソレデハ。ワタシニオモイッキリワザヲアテテクダサイ」
え!?思いっきり…とりあえずブレイズキック!
ごぉ~ん。
凄いな、このポケモン。
「攻撃:20
命中:30
デハ、コンドハトクシュワザヲアテテクダサイ」
解った。特殊技ね。
ここはやっぱり、火炎放射!
ごぉ~~~ん。
特殊でも鳴るんだな。
「特攻:23」
「今度は俺とだ。まずは俺からの攻撃を全て避けろ」
よ、避ける!?ゴツいけどいけるかな。
「『マグネットボム』だ!」
磁石の玉が飛んでくる!兎に角避ける!
それにしても、ゴツさん、よく疲れないな。流石だ。
…あ、マグネットボムが止んだ。ふぅ、これで…
「『コメットォ…」
え!?まだ終わりじゃなかったのか。ゴツいのに速いな、一瞬で僕の前に。
でも、これなら避けられる。
「…と見せかけ、『アームハンマー』だぁ!」
うわ、フェイント二回目。でも今の動きなら避けられた。警戒しなくてよかった。
「早さ:13
回避:17
HP:19
総合:G
キロクシュウリョウデス、オツカレサマデシタ」
やっと終わった…。
結構ハードだったよ、これ。
「よし、合格だブイト。レシラムの間へ向かう。ついて来い」
これでレシラム様どんなポケモンか解る。もっと奥いるのか。
レシラムっていうポケモンは、どんな姿なんだろう…!
「このブースターは、君が連れてきた新入りか?」
「はい、そうです。こいつの実力診断の結果は、Gでした」
このポケモンが、レシラム様か…凄く真っ白なんだなあ。洞窟の天井が高かったのはその為か。
「ほら、挨拶挨拶!」
「え、えーっと、あの…その…
僕は、ぶ、ブースターのブイトです。これから、れ…レシラム様の為につ、尽くし、尽くしたい、でです…」
なんだか言葉が上手く言えなかった…
やっぱり忠義を尽くすポケモンの前っていうのもあるけど、なにかレシラム様からは体が固くなるようなオーラが感じられる。
特性『プレッシャー』じゃ無いと思うけど…
「そんなに固くならなくてもいい。これから君は軍隊の一員として活動するんだ。そんな調子では困る。…ジェンド!ブイトを第十三軍へ」
「わかりました。さ、ブイト、こっちだ」
じ…十三軍?十三って事はいくつかの軍に別れてるってことかな?
「えっと、十三軍ってどういうこと?構成はどのように?」
「ああ、説明しよう。この軍隊は、
常にレシラムの護衛を勤める親衛隊、
軍のトップクラス、必要な時にしか出動しない白銀隊、
軍の基本の、一から三十の軍に別れて戦う戦闘隊、
上に頼まれて敵勢力の実力者等を暗殺する暗殺隊、
さっきのPSIズのようにそれぞれの役割がある各隊、
があるな。因みに俺は三軍だ」
へえ~、ジェンドさんって三軍なんだ。結構強いんだな。
そうしてる間に、僕らは外の一つのテントにやってきた。
あ、ジェンドさんが開けた。一体誰が…
「ふぁ?」
「ん?何の用?」
「お、ジェンドさん。何かあったか?」
えっと、寝惚けてる黒くんと、大人しそうな青くんと、体がツヤツヤな水色くんだね。
「あの、僕はブースターのブイトといいます。今日、この第十三軍に配属されました。よろしくお願いします」
「そんな堅くなんなって。この隊の特徴はフレンドリーな所だからな」
「それだけじゃない。こいつは第十三軍の新しい先頭隊長だ」
キター!ジェンドさんの必殺『唐突』!早速発動!
先頭隊長…ねぇ。みんなはどんな反応するのかな?
「んあ…えええええ!?」
「ふーん…って本当に!?」
「そうか!…ってマジかよ!?」
予想通り。『唐突』、こうかはばつぐんだ。
「ちょっと待て!何でこいつが!?」
「実力診断の結果だ。それに、リーシア元先頭隊長。お前はI++だったが、ダクロが寝惚けてなければ、先頭隊長はダクロだった筈だ」
「僕もI++だったけど、『俺がやりたい!』って言ったから仕方なく譲ったんだけどねぇ~」
「なんだと!?アクオまで俺を馬鹿にしやがって!」
えっと、整理するとブラッキーの黒くんがダクロ、シャワーズの青くんがアクオ、グレイシアの水色くんがリーシアだね。
これから、僕は軍隊の一員。立派にレシラム様に尽くしてみせるよ!
兄さんの為にも!
戦闘隊、第十三軍の先頭隊長。色々ありそうだけど、頑張るぞ!
はい、今回はいろいろとブイトが検査された回でした。
少し短いですが、頑張っていきますので、よろしくお願いします!
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