生存証明及びネット再接続完了記念にちょっと投下していく作品です! あ、どうも双牙連刃です。
注意事項は特に無し! ……多分!
あまり前置きを長くする意味も無いので↓からスタートでーす♪
皆が見上げる青い空……その空を突き抜けた遥かな先……。
そこには、皆の願いが集まる場所があると誰かが言った。
その場所の名前は、『願いの社』。とあるポケモンが、長い長ーい眠りについているとされている。
ねがいごとポケモン、ジラーチ。
千年に一度一週間だけ目を覚まし、出会った者の願いを叶えると伝えられる幻のポケモン。
そのポケモンが、眠りながらも願いを集め、少しずつ叶えていっているという。の だ が……。
「ク~レ~セ~リ~ア~! 退屈! もう超退屈!」
「そんな事言ったってどうしようもないじゃないですか! ほいほい出歩けるようなポケモンじゃないんですからあなたは!」
「僕は僕として生まれ自由を謳歌する権利があると主張する!」
「却下です!」
「……やれやれだぜ」
「オラオラオラオラオラオラオラァ!」
「暴れないで下さいよ!」
……どうやら、事実は少~し違うようだ……。
~THE SUPER HIGH-TENSION STAR~
「とーにーかーくー、退屈なんだよ僕は。退屈なポケモンがやる事なんて一つしか無いよね?」
「なんですか一体?」
「銀行ごうt「何真顔で犯罪宣言してるんですか!」
「えー? ダークライの力使えば余裕じゃん?」
「俺も共犯にする気かよ……」
むぅ~、クレセリアめ……ノリ悪いなぁ。ちょっとしたジョークじゃないねぇ? やってもいいけど☆
にしても誰だよ僕が千年に一度しか起きてこないとかいう大法螺吹いたのはさ! ぶっちゃけ千年も寝れる訳ないじゃん! ノーミソふやけちゃうよ!
あー、退屈、ここに居ても窓の外に見えるのはギャラクシーだけだし、願いはさ……もうさらけ出しちゃうと僕は成就にな~んにも貢献してないし、ここに居る必要性を感じナッキャブル!
僕はもっとヒーハーしたいんだ! 超☆エキサイティングしたいんだよぉぉぉぉぉぉ!
……コ ノ オ モ イ 、 ハ ラ サ デ オ ク ベ キ カ……。
「とぉ!」
「うぉ!? ど、どうしたんですか?」
「……いやぁ、ね? ちょーっと願い事叶えようかと思ってさ」
「仕事する気になってくれたんですね!? あぁ、良かった……」
クレセリアから目を逸らして、ダークライに向かって厭らしい笑顔をプレゼント♪ ……いや、ダークライ、そんなに引かないでよ。
さて、レディース&変態という名のジェントルメン。僕が何をしようとしてるかお分かりかな? 願いを『叶える』んだよ。フフ、クフフフフフフフフフ。
「ただし、『ダイレクト』にね!」
「えっ?」
驚いている暇など無いのだよワトソン君! じゃなくてクレセリア! そんなんだから僕の正面突破を許しちゃうのさ♪
「はーっはっはっはっはー! クレセリア! 君に僕を捕まえる事が出来るかね!?」
「ちょ、ちょっとジラーチ様!? まさか!?」
「そのまさかだよーん☆」
「本当に暇だったのか……まぁ、しょうがないかもな」
「ダークライ! あなたも悟りオーラ出してないでジラーチ様止めてよ!」
「無限の~彼方へ~」
「あー! 待ってー! 本当に待ってー!」
「さぁー! 行くぞー!」
社からダーイブ! ……本日はジラーチ航空をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。目的地は、ポケモンと生命溢れる星、ブルーアースでぇございます。
シートベルト等ございませんので、大気圏突入の衝撃には各自で対処頂く様お願いいたします♪
アイ、アム、シューティングスター!
「ヒィィィィハァァァァァァ!」
「マッスグマ……俺が、もっと強ければ……」
どうして、俺達の村が襲われないといけないんだ……俺達はただ静かに暮らしていただけなのに……。
どうして君や村の牝が全て連れていかれなきゃならないんだ! どうして!
力が欲しい……マッスグマを……皆を……助ける力が!
「そのオーダー(願い)、受け取ったぁぁぁぁぁぁぁ!」
「なっ!? なんだ!?」
今の声は何処からだ!? 周りには誰も居ない……!?
なんかゴォーって聞こえるぞ? 上?
……火の玉が降ってきたー!? うぉ、やばっ!
「ぬぉぉぉぉぉ!」
思わず横っ飛び……避けれた。で、俺が居たところからは黒煙出てるんですけど。直撃したら間違いなく死んでただろこれ。
!? な、何かが穴から這い出てきたぞ。警戒はしとくか。……なんかもう既に瀕死っぽいけど。
「うぶぉぉぉ……盛大に着地失敗なう」
……馬鹿っぽい。
「ちょっとそこの黒いの! 馬鹿とか思っただろ! 馬鹿じゃない! ちょっとダイナミックに着地失敗しただけだから!」
「んな!? なんで分かった……あ」
「やっぱり思ったのかよぉぉぉ! ちくしょーーーーーーー!」
テンション高いなー。何だこいつ? ちっこくて頭は星型……見た事無いなぁ。
「そこのポケモンさーん! だ、大丈夫ですかー!?」
「おーおー見事な穴だな」
また上から!? なんだ今度は!?
ピンク色の帯を纏った綺麗なポケモンと黒い影みたいなポケモン……ってピンク帯のポケモンさん近い。近いって!
「怪我は……無いみたいですね。良かった……」
「あ、はい。大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
笑った顔にドキッとしたのは……マッスグマには言わないでおこう。ってそんな場合じゃないけど。
「これくらいなら……放っておいてもいいか」
黒い方のはあの星型の馬鹿っぽいのが開けた穴を見て唸ってるな。直す気は無いようだけど。
「また馬鹿って思っただろー! ち、ちくしょー!」
「いでででで! 耳! 耳引っ張るなって!」
「こらー! 何やってるんですかジラーチ様! 危うくこのポケモンの一生を閉幕しかけたんだからまずは謝ってください!」
「あ、そうだった。ごめーんね♪ テヘッ☆」
……一瞬、どんなものでも倒せそうなくらい殺意が芽生えたんだが。マジで死に掛けたのにこの謝り方……誠意ゼロだろ。
「騒がしくてすまないな。俺はダークライ。この馬鹿……んん、ジラーチの世話係兼監視役だ」
「ダークライにまで馬鹿って言われた!? ショックだー!」
ショックに見えない件について議論したいぞ。
「私はクレセリア。立場はダークライと同じです」
「そして僕の優秀なツッコミニスト!」
「だまらっしゃい!」
「うぅ、ついに怒られた……」
いちいち忙しないな! この二匹が苦労してそうなのはひしひしと伝わってくるぞ……。
「そして僕が……天に輝く正義と皆の願いを背負うハイパーハイテンションスターことジラーチ! サインなら一人千枚まで書くよ!」
「長い! そしてサインをそんなに求めるポケモンが居る訳が無い!」
「……な? ツッコミニストの辺りは外れてないだろ?」
「は、ははは……」
もう苦笑いしか出ないな。俺のテンションがついていけない。
……ジラーチ? !? まさか、あの千年に一度現れるってあれのことか!?
「ま、まさか千年に一度奇跡を起こすって言われてるあのジラーチ!?」
「だからさー、無理だって千年も寝るのとか! 出来て三日が良いとこだよ! でも、そのジラーチだっていうのは合ってるよ♪」
「威厳は無いがな」
「そこ、煩いよ」
えええええええええ……残念感がマックスなんだが……幻のポケモンこんなかよ……。
それによくよく思い出してみたらあとの二匹も伝説のポケモンじゃないか。
三日月の化身クレセリアと新月の狩人ダークライ。伝説では相対するポケモンだって有名だけど、この感じだと仲良さそうだな。
「こっちも名のったんだからそっちの名前も聞かせてよー」
「え? あぁそうだな。俺はヘルガー……ってなんで頭に乗ってる!」
「乗りやすそうだったから! それ以外に理由なんて要らない!」
「ぬぇい! 降りろ!」
「だが断る! んで? なんか力が欲しい的な結構有りがちな願いを受信した訳なんだが? 説明プリーズ!」
……口に出して言ってた訳じゃない俺の願いを知ってる辺り、本物なのか?
話すだけでも話してみるか。とりあえず、村に帰りがてらにでも。
「願い……叶えてくれるのか?」
「まぁねー。その為にメテオになって来た訳だし!」
「……来ちゃった以上、そうするしかないですよね」
「だな」
「じゃあ、俺の暮らす村まで案内するからその道中で説明する」
「オッケェイ!」
……本当に大丈夫か? 俺の耳で遊ばないでほしいんだが。
ヘルガーの説明はかいつまんで記憶した。ってか全部を記憶するのがめんどかった。反省? なにそれ美味しいの?
ようはー、変な集団にこのヘルガーが暮らしてる村が襲われて、村中の牝がさらわれちゃって、その中にヘルガーが恋して愛していけるとこまでイッちゃいたいyo! って思ってるマッスグマちゃんが居るから助ける力が欲しいなーって事なのね。OK把握。
「なんか変な解釈しなかったか? 特にマッスグマのところ。別にやましい気持ちは無いからな? 幼馴染みだからな?」
「で、その昔からの友達感覚が恋愛感情にまで昇華された関係とインプットされました」
「どうしてそうなるんですか! ……実際はどうなんですか? どうなんですか!?」
「なんでクレセリアさんもノリノリでそこつっ込んでくるんですか!」
「クレセリアはこの手の話が好物みたいな物だからな。……あれが村か?」
ちっ、詳細に聞く前に村に着いちゃったか。でもクレセリアが食いついてるから自白するのももうじきでしょう。ヌフフフ。
「どうなんですかー? 幼馴染み以上なんですか?」
「うっ、いや……その……」
「クレセリアー、それくらいにしておけって。後から幾らでも聞きだせるだろ?」
「むー……」
ヘルガー、ホッとするのはまだ早いのだよ? 僕とクレセリアがタッグ組んだらしつこいよー。もう、絡みつく以上にネッチョネチョにしちゃうよー。精神的にねっ☆
……村全体のテンションが下がってるのが目視出来るくらい沈んでる! こりゃあ重症だぁ。
「この通りだ……幸い、怪我をした奴は居なかったんだけどな……」
「ふーん……そういえば、集団拉致が起こったのって何時?」
「昨日だ。雪崩れ込むようにして大量のポケモンが押しかけてきて、あっという間に……」
「ほーん、相手はなぁに? ごちゃ混ぜの集団だったの?」
「いや、ワンリキー……だったかな? そればっかりだった」
うふぉ、ワンリキーなら見た事あるあるー。ちっちゃいのにムッキムキしてんだよね。おぉ、怖い怖い。
それがいっぱい現れて牝ポケを攫っていったと。おぉ、キモいキモい。
「オッケー事情は分かった気もしないでもない!」
「どっちですか!」
「まぁそんな事はどうでもいいのですよクレセリア。で、ヘルガーの願いはそのワンリキーなんかを懲らしめて、牝ポケを助ける力が欲しいってことでOK?」
「あぁ!」
「よーし! オーダー把握しましたー! そんじゃ、行こう!」
……あれ? なんでヘルガーもクレセリアもぽかーんとしちゃうの? 僕にはー何故そうなったのか理解出来~ない~。
「あ、あの、ジラーチ様?」
「行くって、何処へだ? こう、なんかピカーッとするとかじゃないのか?」
「な~に言っちゃってんの? そんなんならここ来る必要ナッシングじゃん? そ・れ・に~」
「「それに?」」
「そいつらボッコボコにして牝ポケさん達助けたほうが楽しそうじゃん!」
「「……はいー!?」」
だからなんで驚くのー?
「この場で願いを叶える何やらをするんじゃないのか!?」
「えー? それだったら願いの内容が変わっちゃうじゃーん?」
「そ、そうじゃなくてもヘルガーさんに力を授けてそのワンリキー達の所までテレポートさせるだけでもいいじゃないですか!」
「断る! そんなんじゃ僕のエキサイトスピリッツは止まらないのだよ!」
「ようはジラーチ、お前もこの村の牝ポケを助けに行くって事か?」
「ザッツラーイト! 流石はダークライ!」
「えぇ!? そんな事に巻き込む訳には……むぐっ!?」
はい、ヘルガーの口を強制的に塞がせていただきましたー。
「巻き込むも何もなーいの。願いを叶える僕がその方法をチョイスするんだから異論は聞きませーん♪」
「しかしそれでも願いの内容が……」
「変わらないよ? 皆を助ける為に立ち上がるヘルガーの為に超強力な力を持つバックアップが付くだけだもん。三匹ほど」
「それはまさか……」
「はーいよかったねヘルガー♪ 僕とダークライともちろんクレセリアが君の力になってあげるよー!」
「ですよねー」
……あら、ヘルガー固まっちゃった。クレセリアは遠い目をしております。別に気にしないけど☆
「ほ、本当にか!?」
あ、動いた。
「もちのろーんですよー♪ これならヘルガーにも頑張ってもらうし、力が欲しいって条件もクリアじゃん☆」
「た、確かに……」
「オッケー! そうと決まれば……思い立ったが吉日、それ以外は凶日ってね。さっそくお礼参りと行きますか!」
あれ、ヘルガーがしょげちゃった。なんでなんでー?
「……あいつらが何処に行ったか、分からないんじゃ助けに行き様が無いよな……」
「あ、なーんだそんな事? それなら僕にお任せ! ちょっとコンセントレーションモード入るから質問はダークライにでもしてねー。レッツ! ウィッシュサァァァァチ!」
ジラーチサーチャー発☆動!
「ウィッシュ……サーチ?」
「ようは願いを探しているんだ。この村から攫われた牝ポケ達……無事ならば、今はどう思っていると思う?」
「そりゃあ助けて欲しいと……そうか!」
「そういうことだ」
はーいそーでーす! ようはさぁ、どんだけの牝ポケが攫われたのかは知ったこっちゃないけど、そういう感じの願いが集まってるところをサーチしてやればいいのさ。
そんなに遠くまで行ってるとは思えないよねー。となると、それなりに近場? ……おぉっと? これは!? ふ、ふふふふふ、ヌゥフゥフゥフゥフゥ!
「みーっけ!」
「本当か!?」
「もちろんさぁ☆ ジラーチには何でも分かっちゃうんだ♪」
「よし、これなら……待っててくれマッスグマ! 必ず助けてやるからな!」
「とーぜん! ……向こうも待ってるみたいだしね☆」
「ん? 何か言ったか?」
「いや? 気のせい気のせい」
むぅーん、真実を知った時のヘルガーの顔が楽しみだじぇい。
「行く前に少し聞きたい事があるんだが……」
「え? 聞きたい事? 俺にですか?」
「あぁ」
? ダークライどうしたんだろ?
「攫われたポケモン達は……」
「ポケモン達は?」
「可愛いんだろうか!?」
ダークライ……僕をこけさせるとはね。やっぱり侮れないよ。
シリアスに決めといてそりゃないでしょ! 反則だよチミィ! いやー良い感じで期待を裏切ってくれるよw
「えっ、えーっと、前に村に来た旅のポケモンは『こんなレベルの高い村があるなんて!』って言ってハァハァしてたかな?」
「それは期待値大ととって良いんだな? 良いんだな!?」
「俺は村の仲間として毎日見てるからよく分からないが、皆綺麗だとは思うぞ?」
「ふぉぉぉぉ!!! 行くぞ! すぐに行くぞ! 麗しきポケモン達をガチマッチョ共にくれてやるわけにはいかーん!」
え~……なんかダークライが覚醒したね。そうかぁ……願いの社には基本、クレセリアしかいないから色々溜まってたんだろうねぇ。
「……変態」
「なんとでも言うがいいさクレセリア! その程度で俺の熱意は止まらない! 止まらんぞぉぉぉぉ!」
「……放置してOK?」
「だと思います。まぁ、とりあえずジラーチ様が見つけた場所まで行きましょうか」
「そだねー。じゃあヘルガーはー……クレセリアが乗っけていってー」
「そうですね」
「いいんですか?」
「遠慮しなくていいですよ♪ ……どっちにしろ、あれに今ヘルガーさんが乗れるような余裕は無いと思いますし」
「ふははははははははははは!!!」
無双ダークライは置いといて、ヘルガーもクレセリアに乗った事だし、『牝ポケ救出大作戦』出発ダー!
はーい移動完了! そんなに遠くまで行ってなかったのはラッキーだった。単に移動がめんどくさくないだけだけど。
んで? 願いを感じるのはこの辺だけど姿が見えないなぁ? あっれぇ?
「本当にここなのか? 何も居ないぞ?」
「間違いナッスィン! って言いたいんだけど……あっらー?」
「しっかりして下さいよジラーチ様。分かるのはあなただけなんですから」
「わぁかってるよ! ちょっと待ってなさい、すーぐ見つけちゃうから!」
ウィッシュサーチ集中型! さーあ、迷える子羊達よ、どんどん願いを出しなさーい……なんか悪党の台詞だな、今の。使わないでおこう。
……見えた! もう少し先だ! でも結局森だぞぇ? 久々に使ったから勘が鈍ってるのかな?
「もうちょっと先っぽいんだけど、何にもないっぽいよね?」
「……いや、そうでもないかもしれんぞ?」
「え? ヘルガーさん?」
「来てくれ」
ヘルガー、何かに気付いたのかね? ぬぅ、これで見つけられたら僕の立場が無いではないか!
反応を感じた方にある草むら? そんなとこガサガサしたってたくさんのポケモンだ隠れられるような場所では無いよー?
「……ここだ!」
「これは……そういう事ですか。隠れるには申し分ないですね」
「なになにー? ……は? うっそぉ!」
穴ぁ!? そんなのありですか!? ってかこれ、掘ったって事だよねつまり。うは、ガチマッチョの本気の片鱗を見たな……。
大型のポケモンでも通れるな……これ、一昼夜くらいじゃまず掘れないね。それに、ヘルガーの話では牝だけを狙って攫ってる。なーんかきな臭いな。
「ねぇクレセリア? これって、ワンリキー達だけがやった事だと思う?」
「……念入りに準備されてるみたいですし、少なくともワンリキー達に指示を出してる者が居ると思われますね。それも、村の事を熟知してる者が」
「村を熟知してる奴か……ここ最近は村に来た旅の奴も居ないし、牝が攫われてから村から居なくなった奴も居ないぞ?」
「だとしたら、遠方から村を透視して見ていた者が居るという事でしょうか」
「そいつが親玉でしょ。自分は高みの見物決め込んでやりたい放題なんて、ぶっ飛ばしがいがありそうじゃん」
「だな。よし、行くぞ」
ここはヘルガーに先頭を譲ろう。僕がガンガン進んじゃったら願いを叶えるのに支障出ちゃうからね。
これでも結構面倒なのよ、僕ってば。願いを捻じ曲げたり叶えるのに失敗したりしたらデジョンされちゃうかもしれないんだよね、僕が。
だから降りてきて願いを叶えるのって僕も結構命懸け。ならなんで降りてきたって? リスクの無い生き方なんて、そんなの詰まらないだろ? どうせ一度の命だ。派手に咲かせようぜ! って誰かが言ってたのを実行中です☆
中は暗いなぁ……僕は常に輝いていたいんだ! スポットライトカモーン!
って言ってピカーなんてなったら心臓止まるよ♪ 流石に僕でも引くって。
「暗いな……松明みたいなものでも持ってくるか?」
「ノンノン。暗いのならー自分が輝けばイイのデース。はぁ! ジラーチシャイニング!」
「うぉ!? あ、明るい」
「ふっ……僕の輝きはたとえ常闇の中でさえ消える事はないのさ」
「ただのフラッシュですけどね」
「ネタバレらめぇぇぇぇ!」
「……フラッシュなのな、これ」
くぉぉぉ……何故だ、何故バレた! そうだよ、僕は何時でも輝けるようにフラッシュを覚えているのさ!
要らない技なんて言うなよ! 目くらましには最強の技だぞ! もっと、輝けよぉぉぉぉぉ!
ふぅ、ちょっと熱くなっちゃたな。とにかく、フラッシュは便利だからもう固定技決定なのだよ。
「これで問題無く進めるな。……一日経ってるんだが、皆大丈夫なんだろうか?」
「あ、それは大丈夫」
「言い切れるんですか?」
「だって、もう何かされた後なら熱心に助けなんて願わないでしょ。手遅れなんだし」
「なるほど……じゃあまだ皆無事なのか」
「言い切れはしないけど、多分ね」
ん? なんか先の暗がりにピンク色のポケモンがチラッと見えたような……気のせいだね、うん。
ヘルガーがホッとしたところで進軍再開ー。それにしても、ダークライ何処行ったんだろ? 反応も分からないのに先行なんかするからはぐれるんだよ。参っちゃうよねー。
「それにしても、真っ直ぐに掘ってあるもんだな。少しずつ地下へ進んではいるようだけど」
「下手にグネグネ掘ったら迷うからじゃない?」
「変に横道さえ掘らなければ迷う事は無いと思いますよ。こういう単純な穴を作る利点としては」
「利点としては?」
「待ち伏せなどで侵入者を迎え撃つことが出来ることです」
「……あまり良い予感のしなくなる事言わないで下さいよクレセリアさん」
「大丈夫ですよ。こっちには優秀なセンサーがありますから」
「あぁ、そういえば」
な、なんでこっち見るんだよぅ。何? 僕がセンサーだって言うの?
ガッデムシィィィット! この輝かしき僕をセンサー扱いだと!? しかも物扱い!
「酷い! あなた達、私を使い捨てる気なのね! 酷い、酷いわ!」
「誰もそんな事一言も言ってないだろ」
「それどころか頼りにしてるんですよ。こんな所で挟撃なんて受けたくないですからね」
「なら僕をもっと褒め称えろー。ここが分かったのだって僕のおかげなんだぞー」
「最後の詰めが甘くて、結果ヘルガーさんに手柄を持ってかれてますけどね」
「ぐ、ぬぅぅぅぅ!」
「いででで、だからなんで俺の耳に八つ当たりする!」
「うるしゃい! 黙って弄られてろぉぉぉぉ」
な、泣いてなんかいないもん! 僕は強くてベリー寛大なんだから!
いいもん、しばらくヘルガーの上で拗ねてるから。くすん。
「っ、……どうやら終点みたいだな」
「そうみたいですね……ジラーチ様、光を消して下さい」
「ぶー、自分で輝きを消さなければならないなんて、屈辱だ、真に遺憾である!」
「いいから消して下さいよ、見つかったら面倒ですから」
ぐ、真面目モードのクレセリアにはツッコミを求めちゃいけないんだった。早く通常モードに戻ってもらわなくては。
ふむ、この先は広くなってるみたいだね。いえーいステルスアクション、覗き込み!
……うわ、引くわー。ワンリキーがいっぱい。それにゴーリキーが四匹のカイリキー一匹。奴が親玉? ……おっと、一匹スリーパーが居るな。やっぱりブレインが居たか。
「……! 皆だ」
「木で作られた檻ですか……破壊は容易ですけど、この状況では脱出出来なくても納得ですね」
「ん~、なんか話してるね。いっちょ聞いとく?」
「おい、いつまで待たせるんだ! もう一日も経ってるんだぞ!」
「あぁ~、この牝の匂いたまんねぇ! さっさとヤらせろよ!」
ゴーリキーやカイリキーの目的はやっぱりそれか。まぁ、それが目的なのはだいたい予想してたけどね。このケダモノ共め。
今の一言でめっちゃ牝ポケ達怯えちゃってんじゃん。牝を泣かせる牡なんかに異性を抱く権利なんて無いね。
「まだ駄目よ。彼がここに来るまではね」
……あっれー? あのスリーパー、牝? いや、牡だな。オカーマさんですか。は、始めて見た。
「ちっ、変な約束させられたもんだぜ。村に居たヘルガーをここに助けに来させるなんてな」
「牝達を颯爽と助けに来る彼……想像するだけでカッコいいじゃない! それが牝達が犯されるのを見せられて涙しながら私に平伏すの! ふふふ……考えるだけでゾクゾクしてくるわぁ!」
「けっ、変態め」
うわぁ、驚愕の事実。目的はヘルガーだったのか。つまり、こうなる事を仕組んで牝ポケ達を攫わせたって事ね。
ハッ……へ、ヘルガーから怒気が放たれている。ついでに何故かクレセリアからも。
「そんな……そんな事の為に皆に怖い目を見せたって言うのか……」
「ヘルガーさんの気持ちを利用して、牝のポケモン達を餌に使って、自分の欲を満たそうとする……」
「あ、あのー? お二方?」
ちょっ、あ、赤い波動が見えるんですけど。気が可視化するってどんだけ怒ってるの!?
「「ふぅぅぅざぁぁぁぁけぇぇぇぇるぅぅぅなぁぁぁぁ!!!」」
く、空間が振動した……や、ヤヴァイ。どれくらいヤヴァイかって言うと、山登りしてたらドンファンの群れが斜面を埋め尽くしながら転がってくるぐらいヤヴァイ。つまり致死的に。
うぉぉ、お腹がゾクゾクするぅ。圧倒的、圧倒的な気迫!
「な……」
「え? もうこんなところまで来てたの!?」
あのー、暢気に構えてる暇無いと思うよー。マジでやばいよ、これ。
うぉ、ヘルガーがゆっくり歩いてく。あの、そっちには確かに牝ポケ達居ますけど、臨戦状態に入りつつあるワンリキーもいらっしゃいます。
「……どけ」
ひ、一言……そう言っただけでモーゼ現象っすよ。密集してたワンリキーが割れた。
そのまま悠然と歩いていく。あの……僕もう引っ付いてるだけのマスコット的になってるんですけど。
んで、檻に到着。お? 檻の中に動きがあるな。あれは……マッスグマだ!
「ヘルガー!」
おぉ、今のを聞いてヘルガーの気が治まっていく!
「……ごめんな、すぐに来てやらなくて」
「ううん、信じてたもん。ヘルガーなら来てくれるって、ずっと祈ってた」
「ありがとう。皆も待たせて悪かった。もうすぐ出してやるからな」
聖者のような笑顔だ。牝ポケ達の気持ちが静まっていくのが分かる。
あまりの怒りによって、ヘルガーの中の色んなリミッターが外れちゃったみたいだね。僕は今、とても怖いです。全部ヘルガーに持ってかれちゃいそうで。
何をって? あらゆる見せ場をだよ! こっから僕って目立てるの!?
「ちょっとこっちは無視!? 状況見な……ふぉあ!?」
「黙りなさい、消しますよ?」
クレセリアもマジだ……殺意しか感じないサイコカッターが壁を抉り取っていったし。当たったらマジで消されるレベルだよ。
そしてそれにビビッたスリーパーざまぁw 何が起こったか分からなくて固まっちゃってやんの。
「覚悟」
「あ? ったく、思わずビビッちまったがただのヘルガーじゃねぇか。この数の格闘タイプ相手に突っ込んでくるととはな。ただの馬鹿だぜ」
「覚悟、出来てるんだよな? 俺は、出来てる」
震えるぞハート! 燃え尽きるほどヒート! な感じ。ヘルガーフルスロットルです。
くっ、考えねば! 僕が目立つ方法を! じゃなきゃこのまま終わってしまうぞぉぉぉぉ!
中書きですよー
はい皆様ごめんなさい。じゃなくてお久しぶりです。
今回性懲りも無くまーた短編です。ごめんなさい。
なんかね……世の中が暗いから笑える話を書きたくなったんですよ。理由はそれだけ。
もうちょっとっていうかしばらく続くんで読んでやってください。もう止まれないのです。
ワンリキーをカイリキーに間違えてた事実が発覚w ナンテコッタイw
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