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クーロンの法則

/クーロンの法則

注意! この物語には官能表現(雌×雌)が含まれます。


written by beita



 ここは人里から離れた自然のままの場所。
草や木々があちらこちらと、好き放題生えたり生えていなかったり。
地面も全く整備されておらず、斜面や凸凹がかなり激しい。
そんな場所に電気を扱うポケモン達が過ごしていた。





「シオンはいつになったら彼氏できんのさ?」
数匹のポケモン達が集まっている内の一匹、ラクライが言った。
シオンと呼ばれたルクシオはほんの一瞬、視線を宙に泳がせ、やれやれと口を開いた。
「そんなの、私が知るわけないじゃない」
シオンは若干の焦りを含めた表情をして言い終えると、ぷいと地面を向いてしまう。
「まぁまぁ、そんなに急かすのも悪いよ。焦らなくてもいつかシオンには素敵な雄が現れるよ」
横からフォローするように口を挟んだのはパチリスのリリス。
彼女はシオンの昔からの親友である。
ハッキリ言ってシオンは容姿もいいし、性格にも特に問題は無い。
リリスはシオンがいつまでたっても彼氏が出来ないコトを不思議に思っていた。
また、おかしなコトにシオンは親友であるハズのリリスにさえ恋の相談を持ちかけたコトが無かった。





 みんなでガヤガヤと騒いでいると時間が経つのは早いもので、陽は既に傾き始めていた。
一つの場所に集った者達は、誰かが解散と告げた訳でもないのに、散々になっていく。

その帰り道。

 今日の話でシオンは親友のリリスには言っておかなくちゃならないコトができたようで、真剣かつ恥ずかしいような表情で話を切り出した。
「ねぇ、リリス?」
「ん。どしたの? そんな顔して」
シオンはリリスの対応を見て、まだこれからの告白の内容など想像すらしていないようだ。と察する。
「リリスには言っておかなきゃいけないコトがあるの……」
この時ようやくリリスがコトの重大性に気付いた。
「え? 一体どうしちゃったのさ?」
リリスも聞く側として取るべき体勢に入り、話を促す。

ここで沈黙が生まれる。

 シオンはぐっと唾を飲み込み、ふぅっと息をつくと、ようやく沈黙を裂いた。
「私。……同性愛好者なの。だから、彼氏は……」
どんな言葉がくるのだろうか、と準備していたリリスでさえ、一瞬言葉を失った。
が、その直後。
どんな言葉を返してあげればよいか、とリリスは必死に言葉を探し始める。
けれども、何も見つからないまま時間は一秒、二秒と経っていく。
「……やっぱり、可笑しいよね。……雌を好きになるなんて」
リリスがかけるべき言葉を見つけるより早く、シオンは自分を悲観する。
しまった、とリリスは思う。
しかしその時、とっさにある言葉が浮かんだので言ってみるコトにした。
その発言がもたらす影響なんかは一切考えず。

「じゃ、じゃあさ。彼女を作ればいいじゃないの?」

 作り笑い、バレバレだよね。苦し紛れの行動にリリスは自分に呆れる。
ところが、意外にもシオンには真剣な言葉として届いていたらしく。
「そうね……」
心の底の方から希望でも溢れてくるように、次第にシオンの表情は明るくなってくる。
とっさに出た一言がここまで効果があるとは……。
唖然としつつもリリスは、とりあえず気まずい空気は無くなったかな。と、ひとまず安堵する。





 それからはひらすらくだらない話に没頭して、ついに二匹は別れた。
「じゃ。また明日ね!」
シオンは満面の笑みでそう言うと、後ろからみてても分かるくらい楽しそうに歩いていった。
一方のリリスもすっかり安心したようで、テクテクと自分の住みかまで帰っていくのであった。
一つ、気掛かりなコトがあったケド、忘れるコトにしよう……。





 シオンは自らの住みかで、心拍数を上げながら今日の会話を思い返していた。
「リリスが……ひかなかった。私がレズだって言っても……。それどころか、じゃあ、彼女作れば? ……だって!」
にやにやと嬉しそうに転がり回る。
だが、シオンはまだもう一つリリスに隠しているコトがあった……。
シオン少々落ち着きを取り戻すと、小さく呟いた。

「リリスになら……言ってもいいかな」




 数日後。
シオンの衝撃の告白からも、毎日リリスは特に変わり無くシオンと接している。
しかし、リリスに芽生えた違和感が無くなるコトは無かった。
リリスは色々考えてみるのだが、結局答えは見つからないままである。
当然、いつも集まってくる他のメンバーにはこの事実は知らせていない。

他のみんなは違和感に気付いてるのかなぁ……。
と思って、リリスは他の子に聞いてみたりするも返事は“違和感は無い”。
となると、あの事実のせいなのか。



「リリスー? どうしたの?」
深い思考にはまっていたらしく、リリスははっと我に帰る。
「あっ、ごめんー。どうしたの?」
「リリス、ここ数日ボーっとするコト多いよ? 何かあったの?」
「あ、いやいや。別になんでも無いよ。心配させてごめんね」
と、慌てて笑顔で返す視界の端。シオンが悲しそうな目でリリスを見ていた。
その視線が妙に心に刺さる。
リリスは“ごめんね”と、心の中でシオンに言っておいた。
「そっかー。ならいいんだけど。……悩んでるコトがあったらみんなに相談してよね?」
「うん。分かってる」
考えすぎかなぁ……。とリリスは思う。
それからは出来るだけこのコトは意識しないように、と本気で心がけ、周りに心配をかけないようにした。





 その日の帰宅途中。
やっぱり思い詰めていたのはリリスだけでは無かった。
当の本人、シオンはリリスを遥かに凌ぐ不安に苛まれていた。
「リリス……本当にごめん。変なコト言って」
微妙に気まずい空気の中、シオンから話し掛けてくる。
「いや……私の方こそごめんね? どう見ても、気にしてると……思われてる、よね?」
シオンの言葉に背筋が凍るかと思ったリリスだったが、受け答えはすぐにしたつもりだ。
もちろん返答が適切なものとは限らない。沈黙を何より恐れたのだ。
しどろもどろするリリスの態度にシオンはただ傷つくだけだった。
ついにはシオンは立ち止まり、その双眸には涙さえ浮かんでいた。
「辛いよ……普通に恋愛もできないなんて……。それどころか友達にも距離を置かれて……」
次第に溢れだした雫がこぼれ、シオンの頬を濡らす。
リリスはかける言葉が思いつかない。
というか思考回路が止まってしまっている。
やりたいコトができない。それが恋愛となればこれ以上に辛いコトは無いだろう。
そんな状況下では無いリリスだが、シオンの辛さは十分理解できた。

ここでついに恐れていた沈黙が訪れる。

「そう、だよね。……やりたいコト、やりたい……よね?」
辛うじて絞りだした言葉、しかし音量が明らかに足りない。
リリスの声にシオンの鼓膜は震えたのだろうか。リリスはボリュームをわずかに上げて、言葉を続ける。
「できるコトならさせてあげたい。……シオンが望むコト」
リリスはそう言ってしまったが、これが本心なのかどうかは分からない。
ただ、苦しんでいるシオンの前で、相手の気持ちを分かってやれる“良い奴”を演じたいだけかもしれない。
「本当に……思ってる?」
シオンが弱々しく言葉を返してくる。
リリスは自分に問うが、本当に思ってるかどうかなんか分からない。

……じゃあ、今、思うコトにしよう。
“シオンの望みを叶えたい!”

とリリスは心の中で決心する。
「もちろん!」
虚勢に乗じて声を軽く張った。
だが、ハッキリと発言する方が、言った者としてもスッキリする。
シオンは肩で涙を拭うと、すぅ、と発言しようと息を吸い込む。



 が、その直後。シオンの頭の中で二つの思いが喧嘩を始めてしまった。
リリスの“望みを叶えてあげたい”の言葉に丸ごと乗っかり無茶なお願いを考える自分。
いくら言葉ではそう言っても常識の範囲があるだろ、と抑制する自分。
ただでさえブルーな気持ちに浸っているシオンが、ネガティブな方向に向かわないハズも無く。
抑制するシオンが優勢かと思われたその時……。
「遠慮なんかしないでよ? こうなったのは私のせいでもあるし……」
リリスはこの険悪な空気の原因になっているコトに罪を感じている。
シオンの脳内では再び葛藤が繰り広げられ始めた。
「え……と」
シオンが口を開いた。彼女の顔は微かに赤くなっているように見える。
ふとシオンとリリスの目が合う。
すかさずリリスは目で“大丈夫だから!”とでも言うような合図を送った。
シオンはリリスの言いたいコトが大筋理解できたようで、小さく頷いた。
あっちを見てこっちを見て、目が自由に飛び回った後、真っすぐにリリスを見つめて、ようやくシオンは告白した。

「あの……私、リリスのコトが……好き……なの。……お願い。私と、して……ください」







 リリスは途中からこうなるだろうと薄々感付いていた。
だから心の準備期間は十分に用意できたハズだった。
でも、実際に言われてみたら、どうだろうか。以前と同じように頭が真っ白になってしまった。
勿論リリスは今更自分の言ったコトを無しにしようとなんて思っていない。
リリスの頭の中に色が戻るまでに何分も経った気がしたが、実際のところほんの数秒だろう。

「分かった。……私が何でも言って、て言ったしね」
リリスは状況の割には上手く喋れたと思った。ここでまた狼狽しては意味が無かった。
微妙に空いた間も、告白というシチュエーションからすると大した違和感にもならなかったようだ。
“彼女”になって下さい。と言わなかったのはシオンの最後の気遣いだろう。
リリスに意中の雄がいるコトをシオンは知っていた。



「えっと……言っちゃったケド、いざしようとすると、なんか恥ずかしいね」
シオンは気のせいでは済ませられない程に顔を紅く染めていた。
とりあえず、さっきまでの暗い表情からは復帰。笑顔さえ現れかけている。
きっかけがどんなものであろうと、シオンを笑顔にできたならまぁいっか。とリリス自身も満足する。
「あ、でもさ。ここは場所がマズくない?」
そう。今二匹が居る場所は帰り道の道中。
流石に道の真ん中でそういうコトをされると、見た方も見られた方もたまったもんじゃ無い。
同性同士のそれとなれば尚更だ。
と、シオンも異議を唱えるコトも無く、二匹はすぐ傍にあった茂みの中へとその身を隠すのであった。



 仰向けになっているリリスに多いかぶさるようにシオンが立っている。
シオンは上半身をゆっくりかがめていき、お互いの顔同士の距離を縮めていく。
それからついに二匹は唇を重ねる。
少しの間、動きの無い時間を経ると、シオンは舌をリリスの口内へと侵入させようとする。
リリスは一瞬驚いたように体をピクリと動かすが、特に抵抗するコト無く、すんなりとシオンの舌を受け入れた。
入り込んだシオンの舌はリリスの舌を探して蠢く。
リリスの舌を探しだすと、シオンは絡める様に舐めていく。
ピクリ、とリリスはさっきより強く体が反応する。
キスでは口を塞いでしまっているので、声が聞けない。
そのコトが少し残念に思えたが、シオンは十分に満足している。
対するリリスも、同性に感情は抱かなくとも、いざ、してしまえば体は正直そのもの。
一切の抵抗をせず、ただ快楽の波に飲まれている。



 シオンは満足すると、すっと舌を引っ込め、重ねていた唇も離す。
「はぁ、はぁ……リリス、どう?」
大きく一息つくと、シオンはリリスに問い掛ける。
「う、うん……いいよ」
顔を紅潮させながらリリスは答える。もはや拒む余地も無い。
それからシオンは顔の位置を少し下にずらし、リリスの胸の辺りで再び舌を見せる。
そして、つぅ、と優しく舌でなぞる。
最初はもぞっ、と動いて反応を示していたが、シオンの舌がある突起に触れると、リリスは大きく体を反応させる。
「見つけたよ。リリスの敏感なところ」
シオン顔を上げて、リリスを見つめてそう言うと、再び顔を伏せる。
今度はその胸の突起を中心に舌を這わせる。
舌で押さえてみたり、円を描くようになぞってみたり、と。
ただ舐めるだけでは無く、色々と刺激の種類を変えていた。
リリスは断続的に力の抜け切った声を出している。
当然、攻め方によってあげる声も多少異なってくるもので。
シオンは自分の舌とリリスの片側の乳首だけで、随分長い時間楽しんでいた。



 リリスの反応を一通り満喫すると、シオンは一旦舌を止めた。
が、迷うコト無く、次の標的をもう片方の突起に定めた。
さっきとほぼ同じ要領で、シオンはリリスに刺激を与えていく。
リリスは絶え間なく続く攻めに、声をあげてる時間がありすぎてまともに呼吸が出来ないせいか、さっきより息が荒くなってきている。
一通りの動作を終えると、シオンは加えてリリスの乳首を吸いだした。
「あっ……ぁ、ぁ」
強くなっていく刺激にリリスは意識せずとも声がもれる。
「んふ……、乳首だけでこんなに感じちゃって」
シオンは顔を離すと、リリスの下半身、雌の象徴に目を向けて言う。

 リリスの秘部はすでに大量の愛液が流れていた。
シオンはそれで前脚を濡らすと、リリスに見せ付ける。
「ほら、これがリリスの……」
光の反射でシオンの前脚がキラリと光る。
リリスは当然それが何であるかを分かっていないハズも無かった。
「やっ……やめてよ」
ますます顔を真っ赤にして恥ずかしそうに言う。
が、同性愛好者であるシオンにはこれがたまらない訳である。
前脚にとったリリスの愛液を舐めながらシオンは次の行動に移る。



「じゃあ、次は……」
と、シオンは前脚をリリスの股の間に伸ばす。
ぴちゃっ、と。実際に音はしないが、シオンはこの擬音で表すにふさわしい感触を覚える。
シオンはそこに見える割れ目に沿って優しく指でなぞっていく。
新しい種類の刺激に、リリスは依然として喘ぎ続けるしかなかった。
「ひゃっ……ぁっ……ん」
ピクリピクリとリリスの意志を無視して体は反応を示す。
リリスは肉体的にも精神的にも限界が近かった。
「ぁっ……っもう……だめ……」
辛うじて声を絞りだし、限界を通告する。
「もう限界? ……分かったよ」
シオンはそう言うと、指を割れ目の中へ滑り込ませ、さっきまでとは比べ物にならない激しさで掻き回した。
「ぇ……ひぁ……ぁあぁっ……!」

 とどめと言わんばかりのシオンの攻めにリリスはついに達してしまった。
秘部からは大量の愛液が溢れだし、リリスは、はぁはぁと荒い息をつく。
「リリスの声、良かったよ……」
一方のシオンも興奮で息が荒くなっている。
「はぁ……はぁ……。私も、凄い……気持ち良かった」
完全にシオンに毒されてしまったリリス。
もはや同性と体を交えているコトを忘れてしまっているだろう。

「でも……まだ、終わらないよ」
そう言うと、シオンはリリスに強く抱きついた。
ちょっと待ってよ、とばかり休憩を要請するリリスの眼差しを無視し、シオンはお互いの下の口を密着させる。
「はぁ……は、え……まだ、待ってよ……っ」
息を整える間すら与えずに、シオンは互いの雌を擦り合わせ始める。
「んっ……」
シオンが初めて感じる自らの雌への物理的刺激に甘い息をもらす。
一方のリリスは攻められ慣れたとでも言えばいいのだろうか、シオンに比べると余裕がありそうだ。
シオンは予想以上の刺激に力が抜けてしまい。すぐに擦る速度を落としてしまう。
どうやら、シオンの秘部は他のそれより敏感なようだ。
すると今度は逆にリリスから腰を動かし、シオンに快感を与える。
「ひっ……ゃん。リリスぅ……はげしいよぅ……っ」
逆に攻められるコトになってしまったシオンはただ気持ち良さそうに喘ぐだけだった。
「シオンって。……攻められるのには、弱いんだ」
雌への刺激は止めず、リリスは言う。
「そ……そんなコト、言われたって……気持ち、いいんだもん……」



 芯が見当たらないシオンの言葉にリリスは無意識の内に攻めへと切り替わっていた。
リリスは少し強めに両腕でシオンを持ち上げると、真横に投げようとする。
抵抗する力すら無いシオンはあっさりと横向きに転がる。
くるりと半回転したシオンは仰向けの姿勢になり、リリスに乗っかかれている。
「ねぇ、二匹で一緒にイこうよ……」
腰の動きを再開すると、リリスがシオンに言う。
「ぁ……ん。でも、私……そろそろダメ……かも……」
シオンは完全に悦に浸り切っている。絶頂は間も無くだろう。
一方のリリスは一度イってしまったのもあり、まだまだ保ちそうだ。
「じゃ、じゃあさ……お互いアレを舐め合う……てのはどう?」

 リリスの提案は要するにシックスナイン。
思考能力は著しく低下しているが、シオンはゆっくりとリリスの言葉を理解していく。
シオンの答えを聞くため、リリスは刺激は中断し、一息つく間を与える。
ただ一度、シオンはリリスの目を見て頷くのであった。



 二匹は互い違いに横になリ、シオンが先にリリスの雌を舐め始める。
リリスも快楽を与えられながらも、イかさない程度に舌を動かす。
「どう? ……こ、これは?」
時折体を小刻みに震わせながら、リリスはシオンに問いかけた。
「それ、ぐらいなら……あっ、……まだ、らいじょうぶ」
若干滑舌が悪くなっている気がするが、シオンはまだ保つようではある。
シオンは緩やかな刺激にさえ、敏感に反応してしまいそうになる。
が、シオンはそれを我慢してリリスの割れ目をひたすら舌で攻める。
「ん……っ。いい……よ」
リリスが甘い息をもらす。かなり感じてきているのだろうか。
その証拠に、リリスの秘部からは透明な液体が滞り無く湧きだしていた。
それはシオンも同じコトで、シオンの愛液が彼女の股の間をびしょびしょにしていた。
愛液の味を堪能しつつ、二匹は順調に終わりへと近づいていく。



「あっ……私も……イきそう」
とうとうリリスも二度目の絶頂が近づいてきたようだ。
「本当っ? ……じゃあさ、そろそろ……」
状況の都合でお互い顔を合わせられないが、リリスは了解の意で小さく首を縦に振る。
「じゃあ、せぇので……一気にいこうね……?」
リリスが言う。シオンは頷いたりはせず、うん。と一言答えた。



「いっ……いくよ。…………せーの!」
二匹同時に絶頂を迎える。つまり、自分と相手が同時にイくというコト。
期待感か緊張感か。リリスはかけ声の瞬間、不思議な感覚を覚えた。
今、同時に二匹の雌ポケモンがお互いの雌の象徴の奥まで舌を侵入させる。
更にその割れ目に口を密着させて、舌を動かすと共に激しく吸い付いた。

「ひゃっ……あぁぁっ!」
「はあっ……ぁん……ぁああん!」

リリスが先に嬌声をあげると、それに続いてシオンも声をあげた。
そして二匹はほぼ同時に絶頂を迎えた。



 ぴっちりと隙間無く口を付けていたものだから、その割れ目から流れ出る液を飲まない訳にはいかない。
二匹は愛液を出しながらにして飲み続ける。
やはり二度目なコトもありリリスの方が、流出量は少なかった。
ひとまず落ち着いてから、口は離したものの、疲労感を認めずにはいられなかった。
「はぁ……はぁ。……リリス?」
シオンは今更ながら、微かに罪悪感が込み上げてきた。
いくら相手が許可しても、雌同士で性行為をしてしまったコトに変わりない。
同性愛好者であるシオンはともかく、リリスは一体、どう思っているのか。
「ん……? どしたの、シオン?」
返事からは感情がよく読み取れない。
そこで、シオンは一歩踏み出して聞いてみた。
「ホントに良かったの……? 私とシちゃって……」
「いいよ。私が何でもしてあげるって言ったんだし。それに……」
リリスは明るく答えてくれた。が、最後の方は妙に音量が小さかった。
「……すごい気持ち良かった」
間隔を空けてリリスはボソッと呟く。
シオンに聞こえたどうかは分からない。
とりあえず、シオンはリリスの言葉で微かな罪悪感を振り払うコトはできた。
二匹は横になったまま、しばらく沈黙の時間を過ごした。



 うとうとと、シオンは眠りに入りそうになったところで、リリスに声をかけられる。
「シーオーンー? まさか寝てないよね?」
まさか寝てました、とは言えないので、シオンは変に意地を張って、
「ん……大丈夫」
と伝えておいた。
それからリリスは立ち上がると、シオンにも立つように促して言う。
「とにかく、体中のコレを何とかしないとね……」
リリスは自分の体の濡れている部分を指し、コレと称した。
ワンテンポ遅れてシオンもすっと立ち上がった。
「んー、私は別に構わないんだけどさ……。リリスのだしね」
シオンは応える。が、もちろんこの返答にリリスが満足するハズが無かった。
「な、何言ってんの……っ」
リリスが顔を僅かに赤めて言い返す。
「うん。分かってるよ……ちょっと、からかった……だけ……」

 と、不意に変な気持ちがシオン心の中を渦巻く。
これだけ激しく体を重ねても、いくら相手が良いと言っても、この関係、これ以上の関係は望めないんだ、と。
こんなコトをできるのも、今日のまさに今だけ。
不意に且つ途端に、シオンの目が潤む。
今回限りだからリリスも分かって協力してくれたんだよ、と自分に言い聞かせる。
……でも、やっぱり淋しい。
堪え切れず溢れだした涙が頬を伝う。
「……シオン?」
いきなりの出来事に心配してリリスが声をかける。
まだ、これ以上リリスに迷惑かけるのか……とシオンは自分で自分を情けなく思う。
「う……いや、ごめんね。何でもないよ。さ、体洗いに行こうか」
無理矢理に笑顔をつくり、シオンは応える。
すんなり受け入れるには無理があったが、リリスはあまり気にしないようにした。
そして二匹は歩き出す。





 不運なコトに、この行為の一部分を見ていた者がいた。
その者によってこの事実はすごい勢いで広まっていく。
二匹が異変に気づくのは翌日になってからのコトだった。



翌日。

 シオンは今日もいつも通りみんなが集まる場所へと向かう。
すでに来ているポケモン達が見えてきた所で、同時に話し声も聞こえてきた。
……が、話の内容がどうもおかしい。
更にシオンが近づいていくと、みんなもシオンに気付いた。
シオンは明らかに自分を見る目が違うのをすぐに感じ取れた。
「まさかな……お前がそんな奴だったなんて」
既にいる者の内の一匹、モココが言った。
そんな奴……? シオンの脳裏には昨日の行為がよぎる。
リリスはまだここには来ていないみたいだし、そもそもリリスが昨日のコトを他者に話すハズもない。

というコトは……。

 昨日の行為は……見られていた?
シオンは背筋が凍るような感覚を覚える。
「え……? 何の……コト?」
それに違いない、とシオンは分かっていながらも、最後の抵抗のつもりでとぼけた。
「分かってるだろ? 昨日リリスとヤったコト」
やっぱりか……と、迫る言葉を前にシオンは改めて絶望する。
その次はリリスが心配になってき、まだ来ていないかと、後ろを振り返った。
この動作が意図するコトをモココは気付いたようだ。
「リリスがまだ来ていないか? だろ。……実はな、もう来てる」
背筋が凍り、絶望した次は驚愕だった。
シオンの前方に見える丘の陰からリリスが現れる。
「リリス!?」
シオンは思わず名前を呼ぶ。
「シオン…………酷い」

……え?

 リリスの言ったコトにシオンは訳が分からなくなった。
モココはリリスの代弁をするかのように話し始める。
「リリスを茂みに無理矢理連れ込んで、拒否してもそれを無視して体を求めたらしいな」



違う、全然違う。

 一体誰が何故……? リリスはそんなコト言わないよね。
明らかに根拠の無い言い掛かりにシオンはつい口をついて言い返さずには居られなかった。
「違う。 ……リリスも何か言ってよ!? ……ねぇ?」
リリスからの返事は残酷なものだった。
「……この変態……」
小さい声だったが、確かに聞き取れた。

変態、と。

 明日世界が滅びます。てぐらいの予想外のコトにシオンはとてつもない衝撃を受けた。
なんで……。まさか……。嘘……。どうして……。
シオンは気が動転し、もはや正常な思考を保ってられない。
「何も言い返せ無いってコトは認めたってコトでいいんだよな?」
全く聞こえない。何も考えられない。
シオンはどうすればいいか何も分からなくなって、ただ、走って群れから遠ざかるのであった。







……ごめんね。

 私にはこうするしか無かったの。
あと、もう一つ。嘘吐いてごめん。
私、シオンに“好きな雄が居る”て言っただけだったんだけど……実は、付き合ってたの。
でね。昨日シてるのを発見したのも彼だったの。
……私はそれを知って、終わったと思ったケド、意外にも彼は許してくれた。
でも、条件が“昨日のコトを全部シオンのせいにしろ”だったの。



謝って済むコトじゃ無いのは分かってるケド……最後にもう一回。



「親友と彼、彼をとってしまってごめんなさい……」
彼女の頬からは大粒の雫が零れ落ちる。



クーロンの法則 完



・あとがき

まず最初に。前二作とは違い、シオンもリリスも本編のポケモンとは全く関係ありません。
ある日突然“同性愛”の三文字が浮かんだのがこの話を書くことになったきっかけです。
話の構成的には結構すんなりと決まったのですが、私生活が色々と忙しかったもので書く速度は予想より遥かに遅くなってしまいました。
後半にふと思ったのですが、雌同士って挿入が無いから終わり際が難しいですね……。
が、前作の“猛毒に犯されし者”に比べると書きたいコトは書けたと思います。この勢いでどんどん危険なプレイを導入していければいいなと思います。
では、最後まで読んでいただいた皆さん。今後もbeitaをよろしくお願いします。ありがとうございました。



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Last-modified: 2012-08-15 (水) 00:00:00
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