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ウィークエンドの夜

/ウィークエンドの夜

呂蒙
 

<注意>・この作品には官能描写があります。NGな方はお読みにならないでください。


 金曜日の昼間のことである。リクソンは、夏物のスラックスにワイシャツにネクタイという恰好をして、家路を急いでいた。この日はたまたま大学は行事のため授業が無いので、家でのんびりできるはずなのだが用事ができたので、ラクヨウまで出かけてきたというわけだ。リクソンの手にはお菓子の入った袋がぶら下がっていた。
(生もんだからな、急がないと……)
 初夏の陽気という表現をすれば、快適そうに聞こえるかもしれないが、セイリュウ国は雨季の最中であり、後2カ月ほどは雨の多い季節なのである。従って、蒸し暑くなる。南国育ちなのでリクソンは暑いのには慣れていたが、湿気と暑さの合わせ技はいつになっても苦手なままだった。
 しばらく歩いて、自宅に着く。リクソンは学生でありながら、自分の土地と家を所有しているのだ。といっても自分の金で買ったのではなく、以前住んでいた大学の近くのボロアパートが立ち退きになり、引き換えに得たのである。それと合わせて、当面の費用や引っ越し代という名目で、多額の金を手に入れ、今は奨学金とその金を切り崩すことで生活している。
「ただいまー」
 リクソンは、家に入り、ネクタイを緩める。
「リクソンさん。おかえりなさい」
 奥から、ぱたぱたとリーフィアが出てきた。容姿にあわせて、謙虚で素直で、とにかく可愛いやつなのだ。
「レアチーズケーキを買ってきたぞ」
「わぁ、ありがとうございます」
 リーフィアは嬉しそうである。仕草や表情からもそのことが窺える。
「長く置いとけないからな、おやつの時に皆で食べよう」
「そうですね」
 リビングのドアを開けると、涼風が廊下に吹き出してきた。エアコンは十分すぎるくらいに効いており、加えて、グレイシアがいる。その周りは冷気のため、さらに涼しかった。このグレイシアはリーフィアの実の姉で、もともとはリクソンの先輩のものだった。しかし、その先輩は不慮の死を遂げ、後に残されたリーフィアとグレイシアを面識のあったリクソンが引き取ることになったのだ。先輩の実家に送り返すというのもあったが、ポケモンが他にいたほうが寂しくないとの理由で、リクソンが引き取ることになったのである。口には出さなかったが、それは建前で本当の理由は、ポケモンを2匹も面倒を見切れないというのだろうな、と、リクソンは内心思っていた。リーフィアとグレイシアもうすうす感づいていたに違いない。
 しかし、引き取り手がいないポケモンはその後、どうなったか知れたものではない。最悪、外国に売り飛ばされるということもあり得る。自分が面倒を見切れないのなら、面識があって慣れている人に任せた方が良いという苦渋の決断だったのだろう。リーフィアたちはどう感じたのだろうか、最初は捨てられた、そう思っていたのだろうか。そのようなことは軽々しく聞くようなことではないようにリクソンには思え、未だどう思っているかについては聞いていない。
 リクソンは冷蔵庫にレアチーズケーキの入った箱をしまい、代わりに麦茶を出して、コップに注いで、飲み干した。一気に喉がうるおされていく。この後、リクソンは再び出かける予定があったので、それまでにできることを済ませておこうと思い、冷蔵庫の中に何があるかをチェックし始めた。買わなければならない飲み物、今夜の献立などなど、リクソンはいろいろなことを考える。7匹のポケモンと一緒に暮らしている以上、8人で暮らしているようなものなので、ずぼらでは務まらない。リクソンはさっさと買い物に行ってしまうことにした。
 買い物から帰ってくると、買ってきたものを冷蔵庫に入れ、代わりに例のレアチーズケーキを出した。
「おい、みんな、おやつにするぞ」
 リクソンが言うと、7匹のポケモンたちがやってきた。リクソンが実家から連れてきたのは4匹だったが、様々な理由で増えてしまった。ケーキを食べながら、雑談をする。
「あ、そういえばリクソン」
「ん? 何だ? エーフィ」
「今日の夜どっか出かけるとか言ってなかった?」
「あ、そうだそうだ。ま、もしかしたら朝帰りになるかもしれないけど。御飯は作っておくから」
「どこ行くの?」
「どこって、カンネイたちとお酒を飲みに行くだけだ。まー、何だ、人間同士で少しは羽目を外したり、羽を伸ばしたりしたいのさ」
 つい、本音が出てしまったが、やはりいくらポケモンの面倒を見ることに慣れているとはいえ、疲れるものは疲れるのだ。
「今日くらいオレがいなくても大丈夫だろ? ね? リーフィア?」
 リーフィアの頭をなでながら、リクソンは言った。
「はい、今日は楽しんできてください、リクソンさん」
「あー、そうか、リーフィアは優しいな」
 その後、リクソンはさっさと準備を済ませ、着替えると、エーフィとグレイシアを呼んだ。
「じゃあ、留守番よろしくね。寝る時はカギをかけるのを忘れないでくれよ」
「うん、わかった」
「私に任せて」
 リクソンは出かけていった。エーフィとグレイシアはリクソンの後ろ姿を見送って、ドアを閉めた。
「フィー君、しっかり留守を守りましょうね」
「あ、うん」
 年上の女性と会話することに慣れていないエーフィは、短くそう答えた。
(やれやれ、やっぱり大人の魅力があるグレイシアさんと会話をするのはどうも苦手だなぁ……)
 一方、グレイシアはリーフィアを呼んだ。
「リーフィア、今、暇?」
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「ちょっと話があるんだけど……」
「?」

 ◇◇◇

 リクソン不在の夕食の時、リーフィアは何となく、表情が暗く、口数も少なかった。その夕食の後、シャワーズがリーフィアに声をかけた。
「ねえねえ、リーフィアちゃん」
「あ、はい。何でしょう」
「シャワー浴びた後、リクソンの部屋でちょっと私とお話しない?」
「はい、いいですよ」
 何かしなければいけないことがあるわけでもなし、何も知らないリーフィアはそう答えた。

 ◇◇◇


 その夜、他の5匹が寝た後、シャワーズとリーフィアは、リクソンの部屋にいた。シャワーズはリーフィアに部屋に置いてあるセミダブルベッドに乗るように言って、自身もそうした。
「実はね」
「はい?」
「あの時の話、私廊下で聞いちゃった」
「え、あ、そうですか……」
「ごめんね」
「あ、いいえ」
 リクソンが出かけていった後、リーフィアはグレイシアに呼び出され「リクソンさん、あなたに結構気を使っているわよ」とか「もっと強くなってリクソンさんの役に立てるようにしなさい」などと、散々にお説教されてしまったのだ。実の姉であり、妹が心配だから言うのだろうが、誰だって説教されるのは気分の良いものではない。その為、食事の時は気分が沈んで、口数が少なかったのだ。もっとも、リクソンがいなくて寂しいというのも少しはあるが。
「そう、でもね、グレイシアさんだって、あなたのことが大事だから言うのよ」
「それは分かってますけど……」
「だから、今夜は私が、あなたの相手をして少しは強くなれるようにしてあげる。あ、それと、リクソンいなくて寂しいでしょ? だから、その心に開いちゃった穴も私が埋めてあげる」
「あ、ありがとうございます」
「じゃあ、まずは仰向けに寝て」
「はい」
 いったいこれが強くなることと何の関係があるのだろうか。リーフィアには分からなかったが、とにかく言うとおりにした。
「えーっと、この後は?」
「あ、じゃあ、後ろ脚を開いて」
「???」
 強くなることと全く関係のない行為のように思えてきた。もしかすると、日頃リーフィアとリクソンが楽しそうに会話をしていたり、あるいは、リクソンがリーフィアに優しくしていたのは事実だったので、もしかすると、リクソンがいない今夜がチャンスとばかりに、憂さ晴らしをしようとしているのではないだろうか。シャワーズがそんなことをするようなポケモンではないと思いたいが、憂さ晴らしをしようとしているのでは、と思うと何だか本当にそんな気がしてきた。
「じゃ、始めていい?」
「は、はい……」
「じゃあ、まずは……」
「え?」
 シャワーズがリーフィアの体の上に馬乗りになる。そして徐々に、体勢をうつ伏せに近づけていく。体と体がこすれて、シャワーズのぷにぷにとした皮膚の感触がリーフィアに伝わってくる。そして、顔をぐっと近づけるシャワーズ。そしてこんなことを聞いてきた。
「喉乾いたでしょ」
「え、ええ、まぁ……」
「ちょっと待っててね」
「って、んむぅ!」
 シャワーズは顔を近づけると、半ば強制的にリーフィアに口づけをした。
「じゃあいくわよ」
 と言っているのだが、実際は呂律が回らず何と言っているのか、リーフィアには分からなかった。
「んっ」
 シャワーズが声を出すと、確かに液体がリーフィアの口に入り、喉から胃へと落ちていく。抵抗したり、助けを呼びたくなったが「あー、じゃあリクソンにリーフィアちゃんが変なことしてたって言っちゃおう」とチクりを入れられそうなので、抵抗はしなかった。それにどうもさっき飲まされた液体はただの水のようであった。まあ、シャワーズの唾液は混じっているだろうが。それにしても何でこんなことをするのだろうか?
「な、何でこんなことをするんですか? 同性でこんなことをするなんて変ですよ」
「だって、リーフィアちゃん、リクソンがいなくて寂しいでしょ。それは私も一緒だったから、その心に開いちゃった穴を埋めてあげようと思ってね」
「さ、寂しいのはほんとですけど、強くなるのとは関係ないですよ!」
「まぁまぁまぁ、それはこの後だから、ね?」
 最後の「ね?」何か意味があるのだろうか。余計なことを言うと、何をされるか分かったもんじゃないので、リーフィアは黙っていた。
「じゃあ、次は……」
 シャワーズは行為を始めた。そっと体を後ろにずらし、顔を落としたのだ。リーフィアの胸の谷間にシャワーズは顔をうずめ、顔をその場所にこすりつける。
「! ちょ、ちょっと、シャワーズさん!?」
「ふあぁあ、リーフィアちゃんの体毛って柔らかくて気持ちいい~。あと胸も何か微妙にあったか~い、このまま寝ちゃおうかしら」
「ね、寝ないで下さいよぉ、あと顔の周りの部分がっ、あうっ、む、胸に当たってますよぉ!」
「ふみゃあ? あ、ごめんね」
 リーフィアは何だか泣きたくなってきた。助けは呼びたいが、こんなところ見られるのもイヤだ。一体どうすればいいのだ……。
 しかし、まだシャワーズの行為は終わらなかった。
「ねぇ、リーフィアちゃん。私、喉乾いちゃった。ミルクが飲みたいな」
「だ、だったら、冷蔵庫から取ってくればいいじゃないですか……」
「めんどくさい」
「それじゃあ、どうするつもりって、ちょっ、きゃ、ああっ!」
「ミルクならここにあるじゃない」
「こ、子供もいないのに出るわけないじゃないですかぁ、やっ、やめてくださいよぉ~!」
 シャワーズは、リーフィアの右側の胸を可能な限り口の中に入れる。そして、吸いつく。さらに、口の中におさまっている、突起物を舌でいじくり回す。それからは、口の中に入っている部分をくまなく舌でいじくり回していった。
「あれぇ? ミルク出ないわね」
「だっ、あっ、いやっ、ゆ、ゆったじゃないですか……」
 断続的に襲ってくる刺激にこらえながら言葉を発したリーフィアだったが、それ以上は言葉が続かなかった。シャワーズも諦めたのか、ようやくその行為が終わった。
「あ、ミルク出てる。ちょっと色が変だけど、ま、いっか」
「え?」
「いただきまーす」
「?」
 ことの状況がよく飲み込めなかったリーフィアだったが、すぐに状況は飲み込めた。シャワーズはリーフィアの秘部に顔を近づけ、そこからあふれ出ている液体を舌で掬い取っていった。ペロペロとその液体を掬い取っているシャワーズだったが、少しずつ顔をずらして、秘部の入り口そのものに舌をそっと密着させ、液体を舐めとる。リーフィアは襲ってくる刺激に耐えていたが、生物的な性質であるこの刺激にいつまでも耐えることはできなかった。
「ふふっ、リーフィアちゃん、可愛い」
「や、やめっ……あああっ!」
 リーフィアの悲鳴に近い声とともに秘部から、多量の液体が飛び出し、シャワーズの顔を濡らした。
「きゃっ」
「うう……」
 リーフィアの体はピクピクと小刻みに震えていた。そして今にも恥ずかしさのため泣きそうな顔になっていた。一方で、シャワーズは顔にかかってしまった液体を、ベッドシーツに顔をこすりつけて、何とか拭い去った。
「あらら、ちょっと刺激が強かったかしら?」
「シ、シャワーズさん……。もちろん、シャワーズさんも、自分の心の穴を埋めるんですよね?」
「え?」
「私だって、リクソンさんと一緒に寝て、時にはあんなことやこんなこともしてみたいです。許されれば、さっきの私とシャワーズさんがやったようなことも」
「……」
「というわけで、えいっ!」
「え? いやっ、く、草タイプの技は私苦手……」
 ベッドの両脇から植物の蔓が延びてきて、シャワーズはベッドに縛り付けられてしまった。
「それじゃあ、ちょっと飲み物を取ってきます」
 一旦、リーフィアは部屋から出ていった。そして、リクソンが買ったばかりのサイダーを持って戻ってきた。その顔には、先ほどまでの今にも泣きそうな表情は一切なかった。
「それじゃあ、飲みましょう」
 リーフィアは前脚でペットボトルを持って、思いっきり振った。もちろん、シャワーズは止めたが、リーフィアは無視。案の定、キャップを開けた時にサイダーが勢い良く噴き出してしまった。おまけにそのサイダーはほとんどがシャワーズにかかってしまった。
「あ、ご、ごめんなさい。あと、これはずしますね」
「んもぅ……」
 リーフィアは、草結びの技を解いて、シャワーズの身体を拘束していた植物の蔓をはずした。
「じゃあ、今すぐ、サイダーを何とかします」
「うん」
 といってもタオルで拭くわけではなく、先ほどシャワーズがやったのとほぼ同じである。サイダーがかかった部分をペロペロと舌でなめる。
「くうっ、んんっ、はあっ……」
 シャワーズが喘ぐ。リーフィアは胸などの「急所」は念入りに舐めまわした。シャワーズと同じように、右側の胸を可能な限り口の中に入れる。そして、吸いつく。さらに、口の中におさまっている、突起物を舌でいじくり回す。それからは、口の中に入っている部分をくまなく舌でいじくり回していった。ただ、タイプの有利不利もあるのだろうか、シャワーズにとってリーフィアの吸いつきは、リーフィアが本気を出していなくても、かなりの刺激になるらしく、その度に喘ぐ。
「えっと、じゃあ、後は……。ここですね」
「そ、そこはやめっ、ああっ、お、お願いっ……」
 リーフィアの視線の先にはサイダーで濡れた、シャワーズの「割れ目」があった。そこに顔を近づける。
「もう時間も遅いので、さっさと終わらせますね」
 シャワーズは嫌な予感がしたので何も言わなかった。下手なことを言うと言質を取られかねない。
「いきますよ? ギガドレインっ!」
「!!!~~~~っ!」
 リーフィアは「割れ目」に口をつけて、一気に吸い上げた。今まで経験したことのない波がシャワーズの体を駆け巡り、シャワーズの体が大きく波打った。
「あ、ああ~っ!」
「あらら、これってひょっとして……」
 声を上げるシャワーズの「割れ目」から噴き出た液体は黄色で粘性の低いものだった。ベッドの上でピクピク震えていたシャワーズは疲れたらしく、そのまま寝てしまった。一方で、リーフィアはシャワーを浴びて体を綺麗にしてから眠りについた。
 
 ◇◇◇

 早朝、リーフィアは目を覚ますと、シャワーズをベッドから落として、ベッドの上に敷かれていた布団を干し、シーツは引っ剥がして、洗濯機に投げ入れた。たまたま今日はリクソンが洗濯をする日に決めていたので、溜まっていた洗濯ものも一緒に洗ってしまうことにした。
 洗濯機を動かしていると、グレイシアが起きてきた。
「あ、お姉ちゃん。おはよう」
「おはよう、今日は早いのね」
「そお? いつもこんな感じよ」
 しばらくして、リクソンが帰ってきた。やはり、朝まで飲んでいたとかで、目の下には隈ができている。さらに足元はふらふらだ。
「おかえりー、じゃなかった、ただいまー」
「お帰りなさい、リクソンさん」
 姉妹が揃って、リクソンを出迎えた。
「ほとんど寝てないから、ソファでひと眠りするよ。昼ごろまで起こさないでくれるかな?」
「じゃあ、その間に洗濯とかしておきますね」
「お、悪いね。リーフィア。じゃあ、頼んだよ」
 リクソンはリーフィアの頭をなでてやり、ソファに横になると、すぐに寝てしまった。


 おしまい


コメントなどありましたら、こちらまで

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  • レズならばレズと書いてね。
    ―― 2011-06-06 (月) 19:20:36
  • それは自分の手落ちでした。ごめんなさい……。
    「官能表現があるから嫌な方は読むな」と書いたので
    十分かなと思っていました。
    ――呂蒙 2011-06-07 (火) 00:03:52
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Last-modified: 2011-06-05 (日) 00:00:00
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