ぬうやの部屋。 ?
死神の詩
第八話 かくしあじ
毛布をはねのけるように飛び起きる。
レイはまだ息を荒げていた。
…また、あのへんなゆめだ・・・・。
最近、五日ほど連続で変な夢を見る。
数匹のポケモンが集まって、こちらを見ながら
何かを話している。会話を聞き取れたことはほとんどない。
そんな中、一言だけ聞き取れた言葉があった。
はなせ
と、それだけが聞き取れた。
…つかれてるのかなあ?なんにちもへんなゆめみるなんて。
急に、部屋の扉が開いた。
「おはよ、レイ。」
「あ、ユキ。おはよ。」
扉越しにユキが笑っている。
ああ、いつもの笑顔だとレイは少しほっとした。
「ユキ、ここわってどうやってつくるの?」
「え?どうって・・・ホットミルクに粉入れるだけだよ。」
「こな?こなってなに?なんのこな?」
「ココア作る専用の粉と、隠し味の粉。」
「かくしあじ?なに?」
「内緒。レイが作ってくれるって言うなら、おしえてあげるよ。」
「つくるつくる!おしえて!」
「まず、ミルクをあっためよっか。」
「ん。」
「じゃあレイ、そこの鍋にミルク入れて。」
「ん。」
「あったまったよ。」
「じゃあ、ココアの粉入れて。」
「ちゃいろいね。」
「うん。だからココアも茶色なんだよ。」
「すごーい。」
「これでおしまい?」
「まだ。あとは隠し味の魔法の粉。」
「なんのこな?」
「ひとつめは、シナモン。ちょっとだけだよ。」
「ん。」
「次はこれ。」
ユキは戸棚から粉末状のものが入った小瓶を2つ持ってきた。
「・・・なにこれ?ちゃいろくないよ?」
「これは、ふたつめの隠し味。
カゴの実とモモンの実を砕いて、粉にしてあるんだ。」
「へー・・・。」
レイは小瓶の中の粉を爪の先に取って、少し舐めた。
「・・・・あまくてしぶい・・・。」
「うん。これがおいしさの秘密の全部。」
ユキがにっこりと笑った。
レイが作ったココアを、2匹で一緒に飲んだ。
「・・・・・・やっぱりユキのここわのほうがおいしいなあ。」
「そんなことないよ。おいしいって。」
「・・・ありがと。」
またこんど、ここわつくってみよう。
ユキやミナへのここわ。
かくしあじに、
「だいすき」ってきもちをいれて。
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レイのここわの秘密☆公開
秘密ってほどでもないか。。。
余談 ここわを変換すると「個々話」になる。
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