ぬうやの部屋。 ?
死神の詩
第七話 ねがいごと
レイとミナは、堤防に座って星を眺めていた。
「 あ、ながれぼし。」
「ん?何かお願い事した?」
「ううん。なにも。」
「そっか。次流れてきたときのために、
一緒にお願い事考えとこうよ。」
「ん。」
・・・・・・・とはいっても。
べつに、ないなあ。
ほしいものとか。
ただ、ユキといられれば。
・・・・って、なにかんがえてんだ、あたし。
「レイちゃん、なにか思いついた?」
「!・・・えっと、なにも。」
「そう?
まあ、レイちゃんは今が幸せだもんね。」
「え?」
しあわせ?
「…かんがえたこともなかった。しあわせなんて。」
「あはは、しあわせって、そういうものらしいよ。」
ミナは、まんまるの月に手をかざし、強く握る。
「…失くしてから、気付くんだって。
それじゃあ 遅いのに。」
「・・・・・・ミナ?」
ミナの目はちょっとだけさみしそうだった。
生まれてはじめて見る、どこか悲しそうな表情。
「…あたしね。
もし死んじゃっても、またユキやレイちゃんに会いたい。」
「?」
「あたしもさ、きっと今が幸せだから、今すぐ叶えたいっていう
願い事がないんだ。
ユキの淹れてくれたココアを飲んで、おしゃべりして、
レイちゃんがそばにいてくれる、この時間が好きだから。
強いて言うなら、これが願い事かな。
死んじゃってからも、ユキやレイちゃんといられますようにって。」
「・・・・・み な・・。」
急に視界がうるんだ。
ミナの顔をとらえられない。
どうして?
どうしてそこまで、だれかをおもえるの?
どうしてそこまでして、だれかをおもうの?
なんで? どうして?
目の奥がどんどん熱くなって、涙が止まらなくなった。
青い頬を伝って、草地へ落ちていく。
「ミナ・・・・・・! ミナ・・・・・・・!!」
レイはミナに抱きついて、泣き続けた。
「ミナあああぁ・・・・・!」
「わ、どうしたの?何かまずいこと言っちゃったかなあ・・・。」
「ミナのばか・・・・・!ミナのばかぁ・・・・・・・・!」
「あらら、馬鹿呼ばわりされてるよあたし。
何かよくわかんないけど・・・レイちゃん、ごめんね。
ほら、帰ろう?ユキがオムライス作って待ってるよ。ね?」
「う……… ん。」
「ほら。手つないで帰ろっか。」
「ん・・・。」
レイはミナの手を強く握る。
・・・・あったかい。
ユキのここわに にてる・・・・・。
まだ若干すすり泣いているレイの横で、ミナは少し笑って、歩きだした。
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ミナさんはお気に入りです。
すみません。コメント欄いれるの忘れてた・・・。
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