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ぬうやの部屋。 死神の詩3

/ぬうやの部屋。 死神の詩3

かいてるひと ぬうや

死神の詩

 第三話 独りじゃない

「レイは、どこから来たの?」

ユキの瞳はまっすぐレイをとらえている。
レイは首をひねる。

「・・・・・わかんない。どこかのもり。」
「森・・・・かあ。どこの森だろ・・・。
 レイ、そこの河原のところで倒れてたんだよ?
 何か覚えてない?」

レイは首を横に振る。

「・・・・・・・・そっかー・・・。」

「・・・ここは ユキのいえ?」
「え?うん。そうだよ。」
「かぞくは?おとうさんとか おかあさんは?きょうだいはいないの?」

「・・・・・・うん。兄弟はもともといなかったし、父さんは戦争に行って死んじゃった。
 母さんは     どうなったかよくわかんないんだ。
 ある日突然どっかに行っちゃって。」
「・・・・・・・・・・・・・・・  ふーん。」

「別に気にしてないけどね。父さんが死んだのだって僕がうんと小さい時だし、
 母さんだってどこかで生きてるかもしれない。
 近所に友達もいるし、独りじゃないから。」
「・・・・・つよいのね。」
「へ?」
「わたしはひとりじゃたえられなかった。
 だからもりをでてきたの。
 もりのそとになら、なかまがいるかもしれないとおもって。
 なかまができるかもしれないとおもって。」

麗の瞳にはユキが映っていない。
ただ、空になったマグカップを見つめていた。

「・・・・・・・・・ レイは」

「?」

「僕と会えたでしょ?

 もう独りじゃないよ。」

「・・・え。」

 ひとりじゃない・・・?
               あたしが?

あれ? なんか ユキがぼやけてみえる・・・・
めのおくがあつい。
あったかいみずが めからあふれでてくる。
なんで?どうして?

「わ、どうしたの?なんか気にさわること言っちゃったかな・・・。」

ユキが あわててる。
あはは、おかしい。

レイは泣きながら笑った。

ユキもつられて笑った。


「レイは仲間を探しに来たんだよね?」
「ん。」
「暮らす所は?あるの?」
「・・・・・。」
「ずっと野宿じゃダメでしょ。
 女の子なんだから。」
「!」

「あの、僕の家で暮らさない?空いてる部屋もあるしさ、
 あ、その、別にやましい意味はないよ?
 このまま別れるとなんか、気になるっていうか」

誤解を招かないよう、必死に話すユキ。
またレイが笑った。

「・・・・・いいよ。ユキのここわ すきだし。」
「・・・ほんと?はは、よかった。」

  もう  独りじゃないよ。

レイの頬が ちょっとだけ紅くなった。

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すごい展開。会話文ばっかりで長くなっちゃった・・・。

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 会話文ばっかりでも良いと思いますよ?人物の気持ちとかもよく分かるし。 -- そらりく ? 2009-04-02 (木) 18:03:50
  • ひらがなばっかりのレイの台詞が可愛い♪ -- 若様 ? 2009-04-02 (木) 18:04:35
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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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