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たった一つの行路 №232

/たった一つの行路 №232

「……ハルキが……死んだ……?」

 ユウナの一言でベッドから飛び出て彼女のポケギアを奪おうとしたものがいた。
 しかし、奪い損ねた彼は、ポケギアを地面に落としてしまった。
 その際にスピーカーホンになって、ベルの声が部屋に響き渡る。

“そうよ!ハルキが死んで、カレンは戦意喪失。次はユウナ……あんたの番よっ!!早くオーレコロシアムに来なさい!あたしが潰してあげるわ!”
「嘘だ!」

 ポケギアに問いかけるのはその少年、ケイ。

“……あんた誰?”

 ポケギアから怪訝な表情をしたベルが思い浮かべることができる。

“まあいいわ。どっちにしても、あたしを止めないことにはこのオーレ地方の……いえ、世界の破滅を防ぐことはできないんだから!!”

 ブチッと切れるポケギアの着信。

「…………」

 ユウナは把握しようとしていたが、自分のこれまでの記憶がほとんどないことに混乱して戸惑っていた。

「おにいちゃん……?」

 カズミはさっきまで穏やかな優しい表情をしていたケイの背中を見て戸惑っていた。
 彼の拳はかつてないほどぎゅっと握り締められていたのだった。



 たった一つの行路 №232



 72

 ピッと、P☆DAの通話を切るのは、首に鈴を付けている女。
 周りが凍り付いているように固まっているのを確認し、不敵に微笑んだ。

「まさか、こんなにあっさり事が進むとは思わなかったわ~。あっさり行き過ぎて、つまらないもの」

 地面は水晶の様に凍りついていて、オーレコロシアムで試合をしていたトレーナーは、ポケモンと共に水晶化の現象に巻き込まれて閉じ込められている。
 それとともに、水晶のような地面にはあちらこちらに抉られたり、クレーターの跡が残されていた。
 よほど凄まじい戦いだったのだろう。

「(まぁ……すべてあたしがしたことじゃないけどね……)」

 そんな言葉を自分の心に発言させて、ベルは数時間前のことを思い出した。



「(あの男……最初に会った時と同じく嫌な雰囲気だな)」

 ハルキがクロノに会ったのはロケット団に所属していた時のこと。
 スプリントサンシャインと呼ばれるダークスターの基地でハルキはロケット団としてこの場所の警備をラグナと一緒に任されていた。
 そのときに感じた印象より、ハルキは更に強く感じていた。

「(まるで、喉元に鎌を突きつけられたような気分にかられる……死神のような印象……あいつとカレンを戦わせるわけには行かない……!)」

 そう決心したのも束の間、モンスターボールから薄桃色のポケモンがサイケ光線を放った。
 迷いのない一撃は、寸分の狂いもなく黒ずくめの男、クロノを捉えていた。

「様子見といったところか?」

 一方のクロノもポケモンを繰り出した。
 振り子を持ったエスパーポケモンのスリーパーが、振り子を持った反対の手でサイケ光線を受け止めた。

「(片手で攻撃を弾いた……!?)」
「『ダークカッター』」

 エーフィの攻撃の行方を気にしてばかりはいられない。
 振り子を手に持って、振りかざされる黒い刃の対策に着手せねばならない。
 ハルキは避けようと考えたが、相手の攻撃速度が速すぎるため、断念した。
 すると、攻撃を相殺するしか方法は無い。

「『サイコキネシス』!!」

 念動波で攻撃を吹っ飛ばそうという作戦だ。
 しかし、びくともせずに攻撃はハルキとエーフィに向かっていく。
 『リフレクター』が間に合わない。

「メガニウム、『リフレクター』よ!!」

 だが、エーフィたちの前にその防御の壁が張り巡らされた。
 ハルキの隣に立つカレンが防御技を張ったのである。
 この上ないタイミングだ。

 ズドォオンッ!!!

「っ!!」
「きゃあぁっ!!」

 ところがリフレクターで攻撃を防げるレベルではなかった。
 焼け石に水とはまさにこのことで、エーフィは一撃で足がガクガク震えるほどのダメージを負い、メガニウムは右足を負傷して立てずにいた。

「カレン、下がっていろ。ここは俺一人でやる」
「え?嫌……私も……」

 真剣な表情でカレンが訴えかけるが、

「……頼む……」

 それ以上にハルキは深刻な表情をしていた。

「……う……わかった……」
「ふうん……それなら、ちょっと退屈だけど、あたしは手を出さないわよ、クロノ?」

 言葉とは裏腹に少しむすっとした表情でベルはクロノに聞く。

「元々2人とも俺が1人で相手しようと思っていたところだ」

 ドゴッ!

 『ドラゴンクロー』がスリーパーのチャクラムにガードされる。
 ボーマンダで奇襲を仕掛けたのだが、辛うじて受け止められたようだ。
 そう。“辛うじて”。

「なるほど……」

 納得するクロノを尻目に、スリーパーは技の威力に負けて地面を転がっていく。
 『ドラゴンダイブ』で追撃するボーマンダ。
 しかしながら、スリーパーも体勢を立て直し、振り子を投げて超能力で操る。
 殺傷力抜群の自在に動く『サイコチャクラム』という技だ。
 ボーマンダは爪で叩き落とそうとするが、そのチャクラムはボーマンダの背中を取って切りつけた。
 ダメージを負い表情を歪めるボーマンダだが、まだ『ドラゴンダイブ』は死んでいない。

 ドゴオォンッ!!

「なかなかの攻撃力だ」

 スリーパーが勢いで吹き飛ばされるのを見て、クロノはうんうんと納得する。

「いつまで余裕な顔をしているつもりだ?」

 スリーパーを押さえ込んで、そのままボーマンダは口を開いて光線を放った。
 『破壊光線』がスリーパーに確実にヒットし、ボーマンダは反動で後方へと下がっていった。

「余裕な顔をしていたつもりはない」

 といいつつ、クロノが繰り出したのはブラッキー。
 そして、表情はさっきと少し違って、眉毛をややV字になるように形付けて技を言い放った。
 ブラッキーが放ったシャドーボールをボーマンダはひょいとかわしてみせる。

「『流星群』だ」

 かわした直後に放つドラゴン系最大の技。
 空から降り注ぐ石の礫たちがブラッキーとクロノを襲った。
 ドゴドゴッと音と煙を立ててクロノたちの様子はまったくわからなくなった。

「やったの……?」
「…………」

 カレンは疑問の気持ちを込めてハルキに聞くが、その疑問になんの首も振らない。
 ただ、彼にはわかっていた。

「(そこ……!)」

 ドガッ!!と、音を立てて激突の音がする。
 ブラッキーが仕掛けてきた『不意打ち』を新たにハルキが繰り出したカポエラーが、防いだのである。

「攻撃に出てくると思ったのか?」

 不意打ちは攻撃に出ようとしている奴にしか効果はない。
 あらかじめ攻撃を読んでいたハルキは通用しなかったのだ。

「攻撃を防いだと思ったのか?」
「……っ!?」

 突如として自分の体が金縛りのように動かなくなる。
 まるで何かに巻き突かれているかのようだ。

「(『金縛り』……なのか……?)」
「そのままズタズタに切り裂かれろ、『影縫い』!!」

 自分の足元から表れる黒い凶器。
 その正体を知ったとき、ハルキはカポエラーに指示を出した

 ガガガガガッ!!

 黒い凶器は、カポエラーによって辛くも防がれた。

「影の攻撃とは……嫌な攻撃をしてくるな……」
「影とは誰にでもあるもの。お前にもな。『影縫い』!」
「何度やっても同じだ。カポエラー、『高速スピン』」

 ハルキが動けたのも、攻撃を防げたのもすべてはこのカポエラーが巻きつけた影と攻撃を払ったからこそだった。
 カポエラーとハルキに向けられた影はそうやって叩き落していった。

 ドサッ

 しかし、ボーマンダだけはなすすべもなく、影の攻撃を受け続けて倒れた。
 早くブラッキーを倒さなければと思い、クロノのほうを見、カポエラーを向かわせた。

「(なんだ……?)」

 流星群で爆発した煙はもう消えているはずなのに、いまだにクロノのまわりから煙が消えずにいた。

「(いや……これは……『黒い霧』か……?)」

 しかし、何か行動を起こさなければ再びブラッキーの影の技に捕まりかねないと感じ、カポエラーを向かわせる。

 ドゴォンッ!!

「……っ!」

 その焦りが命取りだった。
 超能力の刃が、カポエラーを切り裂いて一撃でダウンさせてしまったのである。
 それと同時に黒い霧が晴れて行った。
 黒いスーツの黒ずくめのクロノと共に、傍らには黒い霧を発生させていたゴルバット、影攻撃を操っていたブラッキー、それと……

「……スリーパー……まだ倒れていなかったの……?」
「…………」

 信じられない表情でカレンは現実を見た。
 スリーパーはボーマンダの破壊光線を至近距離で直撃した。
 それにもかかわらず、スリーパーはまだ立っているのである。
 とはいえ、かなりのダメージを負っているのとは誰の目から見ても明らかであったが。

「エーフィ、カポエラー、ボーマンダ……これで3匹が戦闘不能。後は……」

 クロノは出していたポケモンをすべて戻した。
 すると、一匹のエスパーポケモンを繰り出したのだ。

「サーナイト、『シャドーナイツ』だ」

 影で作り出されたチェスのコマのような13体の兵士達。
 それぞれ剣や槍など各々の武器を持って、ハルキに襲い掛かっていく。

「こいつらで充分だろう」

「ハルキっ!!」

 カレンがいても立ってもいられずにハルキに加勢しようとする。
 だが、鈴の音が響いてカレンを通せんぼする一匹のネコ……いや、人。

「クロノに怒られるかもしれないけど、やっぱり退屈だからあたしが遊んであげるわ♪」
「くっ……!どいて!ブーバーン!」
「ふふっ♪リングマ!」

 ハルキたちのバトルの後方では火柱と衝撃波が巻き起こる。

「充分とは大層な言いようだな」

 ブラッキー、ヌオー、ムウマを繰り出して、ハルキはシャドーナイツに対抗して行った。



 どれだけの時間がたっただろう。
 いや、それほど時間は経っていないだろう。

「ブーバーン!?」
「なかなか、やるじゃな~い♪ あ。あっちも状況が動いたようね」

 ベルのリングマがブーバーンをなぎ倒したところのようだ。 
 しかし、2匹の戦いも相当時間をかけていたと思われる。

「(時間かけすぎかな……。まー、簡単にあたしが時間を潰しただけだけどねー)」
「はぁはぁ……」

 クロノのサーナイトが繰り出した13体のシャドーナイツは全滅していた。
 だが、ハルキは息を切らしてこの状況に顔をしかめた。

「全員倒されるとは思わなかったな。だが、お前のポケモンは残りブラッキーだけだ」

 ボロボロのブラッキー。
 そして、いまだ無傷のサーナイト。
 戦いは火を見るより明らかだった。

「はっきり言ってこんなもんだったとはな。オトハの希望とやらもたいしたものじゃなかったな」
「はぁはぁ……オトハ? ……オトハは無事なの!?」

 ベルに阻まれながらもカレンはクロノに疑問を投げつける。

「無事かどうかか?そんなの決まっているだろ。あいつは俺の花嫁になるんだからな」
「……!」
「そんな、勝手な!」
「勝手?違うな。必然なことだ。あいつの光は、俺の闇に飲み込まれると最初から決まっていたんだ」

 サーナイトは手をハルキのほうに向けてサイコキネシスを放つ。

「ブラッキー」

 しかし、呼ばれて前に立ったブラッキーはサーナイトの攻撃をあっさりと受けきった。
 悪タイプのポケモンにエスパータイプの技が効かないのは常識である。
 さらに、ブラッキーの体が光だし、傷が癒されていった。

「『月の光』か……。だが、回復させたところで実力差は明らかだ。何も変わりはしない」
「ブラッキー!」

 目をキッとさせて、突進していくブラッキー。
 サーナイトの手には、黒い球体があった。
 それは、シャドーボールというには、禍々しくどす黒いものだった。
 ブラッキーに攻撃が命中しかけた時、その球の威力はブラッキーの後方から押し寄せるエスパーの波動によって削られた。

「(エーフィか……まだ倒れていなかったというわけか)」

 サイコキネシスで後押しされたブラッキーは、シャドーボールと対を成す輝く光の球を作り出して突進してきた。

「行け、『シャインボール』!」

 暗黒の球と光の球が激突する。

「「……!」」

 そして、その激突は想像以上の破壊力を生んだ。
 ぶつかった瞬間に、ゴゴゴゴゴッと2つのエネルギーは膨れ上がっていき、地面に大きなクレーターを作り出したのである。

「ぶらっ……」

 ドスンッ上空に打ち上げられて、叩き付ける様にブラッキーは地面に着地した。
 体全身は傷だらけで、立とうとしているのだが、どうしても体が持ち上がらない。
 意識はまだ失っておらず、ブラッキーは立つことを諦めなかった。

「ブラッキーを助けるぞ」

 隣でコクンと頷くエーフィ。
 ブラッキーに走って近づいていく。

「チェックメイトだ」
「……!」

 後ろの声に気付いて振り向いた時にはもう遅かった。
 エーフィのサイコキネシスは間に合わず、巨大なシャドーボールの塊から無数に放出されるシャドーボールをまともに浴びて吹っ飛ばされた。

「ぐはぁっ……」
「は、ハルキー!!」

 カレンの呼びかける声もむなしく、エーフィ、ブラッキー、そしてハルキは無数のシャドーボールの標的になって、透明な地面に倒れた。

「さて……次は……」

 クロノは結局無傷のサーナイトを戻して、攻撃の主のゲンガーと共にカレンに近づいていく。

「ベル、どいてろ。俺がやる」
「え~……」

 かなり不満げに言いつつも、仕方がなく鈴を鳴らしながらクロノの指示に従うベル。

「お前らの光を飲み込んでやる」
「……ま、負けないんだから!」

 カレンは声をあげてクロノと対峙するが、正直言って勝てる気がしなかった。
 CLAW<クラウ>のアジトの時にブーバーンで攻撃を仕掛けたのだが、いとも簡単にスリーパーによって止められている。
 彼女の中で、ブーバーンは1,2の火力を誇るポケモンであるにも関わらずだ。

「メタグロス!『コメットパンチ』よ!!」

 ハルキが倒れてしまっている今、自分しかないと思い、攻撃に出る。
 だが、影のようにゲンガーとクロノは攻撃をかわし、メタグロスの上からシャドーボールを一撃叩きつけた。
 それだけで、メタグロスは眠るようにダウンした。

「……そんな……」
「催眠術もかけてやっただけだ。流石に一撃で倒すのは無理だったからな」

 徐々にカレンに迫り来るクロノの手。

「イヤッ……」

 カレンは後ずさりしてクロノから逃げようとした。

 ガッ

「…………」

 そのクロノの手首が誰かによって掴まれた。

「……はぁはぁ……」
「……ハル……キ……」

 息も絶え絶えに、立ち上がってきたのは、もはやボロボロのハルキだった。
 立っているのがやっとに違いない。
 後ろの方ではエーフィとブラッキーも立ち上がろうとしているが、2匹の方はなかなか立ち上がれない。

「カレンには……指一本触れさせはしない……俺の命に代えても……」
「…………」

 ハルキの目を見て、クロノは白けた表情をした。
 まるでクロノは蔑んだ目をしていた。

「お前もか……くだらない……」
「……?」

 ゲンガーがハルキの頭をガシッと掴む。

「『夢食い』だ」
「……っ!?ぐああぁぁぁぁぁっ!!!がはぁぁぁっ!!!!」
「は、ハルキぃっ!?」

 クロノのゲンガーの夢食いは、相手に恐怖を与えると共に生命力を喰らい尽くす恐怖の技だった。
 それをハルキは直接受けていた。

「がはぁっ……」

 ゲンガーはハルキの頭を離した。

「命に代えてもカレンを守る?それならお前の命をいただく。この自分がなくなるという恐怖に打ち勝てるのなら、守ってみろ」
「……いや!止めて!」
「……っ……」

 ハルキは地面に倒れながらも、クロノを睨みつけた。
 だが、クロノは威風堂々とハルキの前に仁王立ちしている。

「しかし、やめれば君は助けてやる、ただし、彼女の命を貰うけどね」
「……そんな……そんなことっ!!」

 カレンがモンスターボールをとって、投げつけようとする。

「ベル」
「はーい」
「きゃあっ!!」

 柔らかい何かにのしかかられて、カレンは身動きが取れなくなった。

「あんたはそこでじっとしてなさいよ」
「くっ……」
「すべてはそこの騎士<ナイト>が決めることなんだから。ふふっ♪どんな決断を下すのか、楽しみね~♪」
「…………」

 言葉を失うカレン。

「(自分が死ぬのは怖い……でも、ハルキが死ぬのは……嫌だ……)」
「……決まって……いるだろ……」
「……ふっ、どっちだ?」
「どんなに怖くても……俺はカレンを守る……この命は……カレンを守るためにあるんだから……!!」
「…………。詭弁だな。そんな正義感……いつまで続くかな?」
「エーフィ、ブラッキー」

 ドゴォッ!!

 2匹の攻撃が、ゲンガーに命中した。
 不意打ちの一撃だ。

「……なっ……」

 だが……驚いて声を失ったのは、ハルキのほうだった。

 ドガガガガッ!!

 一匹のゴルバットがエーフィとブラッキーを蹴散らした。
 そして、再び二匹は地面に叩きのめされる。
 さらに、2匹が攻撃を加えたゲンガーは影に溶けていき、クロノの影から現れたゲンガーにくっ付いていった。

「そんな不意打ちも考えて、分身していたんだ。流石に英雄といわれることだけあったな。だが……」
「ぐっ……ぐあぁぁぁぁぁっ!!!!」
「その化けの皮をいい加減剥いでやる!」
「や……やめてぇぇっ!!!!」

 カレンの涙混じりの叫びがコロシアムに響き渡る。

「(カレン……俺はお前に会えたから、自分の意味を見つけられた……)」
「ほら……いい加減にしないとほんとに死ぬぞ?」
「(お前を守りぬくということ……そのためにだったらどんなことでも俺はすると……)」
「ハルキ……ハルキぃっ!!」
「(できるのなら、俺はお前が死ぬまでずっと付いていてやりたかった……)」
「ふ~ん……どうやら、ハルキの決意は本物のようだよ?」
「(しかし……俺はここまでのようだ……)」
「そんなわけがあるか。最後の最後に助けを求めてすがってくるに決まっている……!」
「(カレン……今まで……ありがとう……)」



 ピース20年。
 オーレ地方オーレコロシアム。
 バトルフィールドの中心で、一人の男の鼓動が真深なる闇に奪われたのだった…………



 第三幕 The End of Light and Darkness
 コールドペンタゴン⑦ ―騎士<ナイト>の心― 終わり



 目覚めの時、彼の力は解放されるのか?


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Last-modified: 2015-10-04 (日) 17:07:38
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