―――テンガン山の外部。
再びこの場所に雪が積もり始める。
しかし、雪が降りつつも、この場所での戦いはまだ終わらない。
ドゴォッ!!
『つぅっ!!』
リフレクターを張って攻撃を耐えていたフーディンだったが、ウソッキーのウッドハンマーで壁ごと吹っ飛ばされて、地面に転がった。
さらに、アームハンマーの追い討ちが来るものの、フーディンはテレポートで上空へ移動する。
そこから、サイコキネシスの反撃に出るが、相手も『物真似』でサイコキネシスを相殺する。
『それなら……』
フーディンは指をクイクイッと振った。
『ゆびをふる』攻撃だ。
指をふることで頭の働きを刺激して、ありえない技を繰り出すという。
『(何が出てくるかわからないね……)』
ウソッキーが警戒する中、フーディンが繰り出したのは、緑色のエネルギーの塊だった。
『竜の波動』だ。
『そのくらい……』
両手で攻撃を止めて、空に放った。
だけど、次の時にはサイコキネシスが放たれていた。
それをみて、サニエルはウソッキーからサニーゴにスイッチする。
素早く『ミラーコート』で攻撃を弾き返した。
返ってきたサイコキネシスを、フーディンは余裕を持ってかわす。
『『ミラーコート』!』
だが、さらにそのサイコキネシスが反射してフーディンに襲い掛かった。
『(二重反射!?)』
それを見て、サイコキネシスで相殺を試みるが、3度跳ね返って威力を増大させた攻撃を押し切れるはずがなかった。
『ぐっ!!』
猛烈なダメージを受けて吹っ飛ばされて、さらに後ろにはサニーゴが狙っていた。
『『パワーストーム』!!』
『くっ!『サイコストーム』!!』
回避が間に合わないと悟るや否や、フーディンの最強の技を解き放つ。
超能力で形成される嵐だ。
二つの嵐の激突は、激しい火花を散らした。
結果は、両者ともの威力が相殺という形で消えてしまった。
「(こいつ、強い……)」
片手を押さえて、ヒロトがシンクロを解く。
「(本当はシオンで行きたいところだけど、さっきの戦いで『どくどく』状態にされているし、どうしようもない……)」
ヒロトは代わりにフシギバナを繰り出した。
『お願いだから消えて』
サニーゴが襲い掛かる。
ゴォォッ!!
「!?」 『!?』
だが、その横から猛烈な熱風が吹いてきた。
両者共に、離れて、その攻撃の主を見る。
『誰?』
サニエルは怪訝そうに見るが、ヒロトの反応は違った。
「あ……君は……!?」
―――やぶれたせかい
この場所は重力を無視した世界。
上下がよくわからない場所だった。
『ここが……やぶれたせかい?』
スピアーにシンクロしたオトノは上下左右を確認する。
『なんか、目が回りそうな場所ね……』
『追っ手が来たか』
『!!』
その場で佇んでいると、ギラティナとジオンが現れた。
『出たわね!マイコンの頂点<ボス>!!あたしはあんたを倒すわ!』
『何のために我を倒すんだ?』
『そんなの決まっているじゃない!世界を救うためよ!』
『我を倒すことが世界を救う?違うだろ。滅ぼすの間違いだろ』
ジオンはクククと笑う。
『我は生まれてから今まで、幾万もの人間の姿を見てきた。しかし、どいつもこいつも屑の様なものばかりだった。我の唯一の仲間もそういっておる。だから、そやつと共に人間を滅ぼす。そう決めたんだ』
『“生まれてから今まで”?あんた、一体……何者?』
『もしも、このギラティナに勝てたら教えてやる!』
すると、ギラティナとジオンが闇に紛れた。
『シャドーダイブ』だ。
『くっ……『月舞踊:受風<じゅふう>』!』
ドガッ!!
攻撃を受けて吹っ飛ぶものの、スピアーはダメージを最小限に抑えた。
『月舞踊……そうか、貴様は月島の踊り子の末裔か……いよいよもって忌々しい。ギラティナ!あの女を消し去れ!』
そうすると、『流星群』の準備をしていた。
『そう簡単にやられないわよっ!!』
二本の槍を前へ突き出して、スピアーはギラティナへ向かって行ったのだった。
―――やりのはしら
あられの中で不敵に笑うラグナとエデン。
「そういうなら、本気を見せてもらおうじゃないの!」
「言われなくても、そうしてやるぜ」
互いの姿は見えない。
ゆえに、どんな攻撃を仕掛けてくるか、どんなトラップがあるか、二人とも窺うことはできない。
だが、次の瞬間、一瞬にして、勝負の流れは片方に傾いた。
『『大文字』!!』
ピクシーにシンクロしたラグナが地面に向かって、炎を吐き出した。
炎は地面を伝い、一面を火の海に化してしまった。
「っ!!オイオイ、これは予想外だな!(ユキノオーが張った氷の爆弾トラップが台無しじゃねーか)」
心の中で舌打ちするエデン。
さらに、多少なりとも、グレイシアとユキノオーにはダメージを与えていた。
浮遊していたユキメノコは、ダメージを受けていないが。
そのユキメノコは冷凍ビームを放った。
ピクシーにまともに当たるが、攻撃はそれほど効いていなかった。
『そんな攻撃、痛くもねぇよ!』
「それなら」
ユキメノコは瞬時にピクシーの前へ出る。
同時に、エデンはユキメノコに力を送る。
最大パワーの吹雪だ。
『さっきよりは堪えるが……』
シュッ!! ズドッ!!
ユキメノコが一撃のパンチで吹っ飛んだ。
『この状態<アンリミテッドブレイク>になった今、そのくらいじゃ俺は倒せねぇよ!』
「面白い」
今度はユキメノコとユキノオーが同時に仕掛ける。
『目覚ましビンタ』と『氷の礫』だ。
『っ!!』
2匹の攻撃を同時に受けて吹っ飛ぶピクシー。
ズザザッと地面を滑って、柱に激突する。
「……なんだ。効かないのは特殊攻撃だけか?それなら、打撃攻撃で攻めればいいだけじゃん」
ユキノオーが吹雪で援護をして、ユキメノコが前へ出る。
先ほどと同じく、『目覚ましビンタ』だ。
『んな同じような攻撃くらうかよっ!!』
ユキノオーの吹雪を気にせず、ユキメノコに集中するピクシー。
攻撃を避けて、懐に入り、重いパンチを一撃叩き込んでふっとばした。
『!』
さらに飛んでくる大きな氷の礫に気づき、フラフープぐらいの輪の大きさを持つ炎のリングを繰り出す。
スパッと切り裂いて、攻撃を楽に防いだ。
「二撃目も防いだかー。しかし、これでどうだ!」
『(後ろ!?)』
ユキノオーが繰り出した吹雪で積もった雪の中から現れたユキメノコ。
最初に目覚ましビンタを仕掛けてきた方は『身代わり』だった。
そのユキメノコは凍ったまきびしをピクシーに向かって放ってきた。
咄嗟にピクシーは炎のリングで薙ぎ払う。
だが、まきびしは一つ二つではなく、数十という単位で数を放ってきている。
しかも、捌いても、地面に撒き散らすようになってしまう。
『めんどくせぇっ!!『フレアーリング』!!』
まきびしを払うのをやめて、まきびし攻撃を受けるのを覚悟で突っ込む。
ユキメノコもピクシーの攻撃を受ける覚悟でまきびしを放っていたが、5メートル圏内に来た時、攻撃を止めてしまった。
「(この気迫は、まずいッ!!)」
攻撃を受けきれると思っていたエデンだが、危機に気付いて逃げるように指示を出そうとする。
だが、すでに遅い。
ピクシーのフレアーリングがユキメノコを捕らえて一気にたたきつけた。
ユキメノコは地面の炎で燃え上がりつつダウンした。
「だけど……くらえ!『アイスニードル』!!」
『!?』
まきびしのトゲが槍のように伸びて行き、ピクシーを攻撃する。
トゲが氷で出来ているために、寒ければ寒いほどこの威力は増大する。
しかも、まきびしは数十個撒き散らされている。
避けることは不可能に思える。
「……あれ?ピクシーが消えた!?」
氷の針がピクシーを捕らえたと思ったとき、エデンの目からピクシーが消えた。
「一体何をした?」
『ちっ……これ以上は進めねぇな。氷柱が……邪魔すんなっ!!』
「(氷柱の中から?)」
『『モルガナ彗星拳』!!!!』
ドガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!
一発がコメットパンチ級の拳で氷を一気に砕いて行った。
ドパ―――ンッ!!
そして、地面にまで拳が達した時、キラキラと粉々になった氷の粒を撒き散らしながら、小さくなっていたピクシーが姿を現した。
「『ちいさくなる』で回避したのか。なるほど」
納得すると同時にユキノオーがピクシーに仕掛ける。
口から種を吐き出す『種爆弾』だ。
『『重力』!』
しかし、目の前に飛んできたその種を重力の力で強引に叩き落した。
『くらえ!!『サイコグラビティ』!!』
今度は視界に映る範囲を地面に押しつぶそうと重力を放つ。
危険を察知したエデンはグレイシアと共にその場から離れた。
ユキノオーはというと、真っ向からその勝負を受けていた。
押しつぶす力を食らいつつも、少しずつ足を前に進め、ピクシーに向かっていた。
『(一撃で倒しきれねぇ!?)』
そして、至近距離に達した。
氷を纏った拳がピクシーのお腹に命中した。
『ぐふっ!』
ピクシーは吹っ飛ばされる。
同時にサイコグラビティによる重力が解けて、ユキノオーは動きの制限が解ける。
「止めを刺せ!」
エデンの指示よりも早く、ユキノオーはダッシュしてウッドハンマーを繰り出していた。
『そう簡単にやられっかよっ!』
吹っ飛びながらも受身を取っていたピクシーは、ユキノオーの攻撃に反応した。
そして、懐に入り込んだ。
「!?」
ズドガッ!!!!
『カウンター』だ。
しかも、自分はダメージを受けずに相手の勢いだけを利用している。
ユキノオーはゴロゴロと転がって、エデンの目の前で止まった。
「相当なダメージだな……グレイシア」
前線にグレイシアが出る。
ピキンッ!!
『なっ!?』
『冷凍ビーム』だ。
しかも、並の威力ではない。
今までユキメノコの全力の吹雪でも吹っ飛ばなかったピクシーが、軽く吹っ飛ぶほどの力を持っているのである。
「俺がここまで追い込まれると思わなかったぜ。だけど、こっちにはトキワの力が…………あれ?」
ユキノオーに手を当てる。
だが、全く回復している様子は見えない。
『オラッ!!『大文字』!!』
「っ!!」
グレイシアとエデンは攻撃をかわす。
ユキノオーもかわそうとしたが、ダメージが大きく回避は不可能だった。
この一撃で倒れた。
「回復できないだと……?どういうことだ?」
『知りてぇか?』
ピクシーはニヤニヤと笑っている。
「君の仕業か。…………。ヌケニンのやられ間際に放ったあの技か?」
『そうだぜ。ヌケニンはやられる前に、『回復封じ』を使ったんだ。これでてめぇのポケモンはもう回復できねぇぜ』
そして、ピクシーは気合を入れる。
『残りは、グレイシアだけだ!』
「問題ないな」
グレイシアはエデンの足元に擦り寄ってきた。
「この場の天気があられで、さらにこいつ一匹ならば、君に勝つことは可能だ」
『つまり、そいつがてめぇの最強のポケモンと言いてぇのか?』
「そうとも言えるけど、一番に言いたいのは、“残り一匹になったことでシンクロするポケモンを一匹に集中することができる”ということだ」
『シンクロするポケモンを一匹に集中だと?』
「そういうことだ」
すると、エデンは目を瞑って意識を集中させる。
「さっきの冷凍ビームは、まだユキノオーと共にシンクロさせたときの一撃だ。そして……」
グレイシアが冷凍ビームを放つ。
『(っ!!はやっ……!?)』
バキンッ!!
「これが一匹に集中させた時のシンクロだ」
ピクシーが思いっきり吹っ飛んで柱に激突した。
『(なんて威力だ!?……こっちは“アンリミテッドブレイク”状態だってのに、特殊技が普通に通りやがる!?)』
ラグナの言うアンリミテッドブレイク状態というのは簡単に言えば、瞑想の極限状態のことである。
しかも、それだけでなくスピード、攻撃力、防御力も多少は上がっている。
ユキメノコの吹雪が効かなかったのはそのおかげなのである。
しかし、エデンとシンクロしたグレイシアの攻撃力は常軌を逸していた。
「マイデュ・コンセルデラルミーラをアソウと共に作ると同時に、俺は力のある人材がほしいと思った。そのとき、俺は“トキワの力”に注目したのさ。俺のほかにも、ポケモンと同調することによって、力も技も体力も限界以上に引き出せるようにすることができたらって思ったんだ。そこで作り出したのが、君の使っているシンクロパスだ」
立ち上がろうとするラグナだが、すぐにグレイシアの氷の礫が入って、吹っ飛ばされる。
「研究には相当の時間を費やした。しかし、俺は完成させた。ポケモンと人間が同性であるという条件が満たされれば、人間がポケモンと体と意識を共有することで、力を増大させることに成功した!そして最近は性別に関係なく使えるパスを渡したけどな。まだそれは調整段階だったからアソウしか持ってなかったがな……」
エデンはグレイシアを撫でてやる。当のグレイシアは目を細めて気持ち良さそうだ。可愛い鳴き声をあげている。
「おかげで計画はここまで進んだ。後はジオンに俺の目的の奴を消してもらうだけなんだよ!」
『誰なんだよ……。その消してもらいたい奴ってのは……?』
「だから、君には関係ないって言っているだろ!」
氷の礫が再び放たれる。
バキンッ!!
しかし、ピクシーは拳で攻撃を砕いた。
『報復……復讐……なんかバカらしいぜ』
「バカらしいだと?」
『てめぇを見ていると、昔の自分を思い出すようだぜ」
ギラッとエデンをにらみつけた。
『てめぇの根性を……全力で叩き直してやるッ!!』
「っ!!」
そのラグナの言葉に怯んだか、エデンは一歩後ずさりした。
「(なんだ?こいつ……ポケモンとピッタリと同調し始めた?)」
『うらっ!!』
牽制で猛烈な業火『大文字』を吐き出す。
グレイシアはそれを見て、吹雪で押し返そうとする。
しかし、威力はほぼ互角。
少し吹雪が押し返したところで爆発した。
「(全力の吹雪を押し返すほどの力なんて……?)」
その爆発に紛れて、ピクシーは接近する。
グレイシアは数秒に小さい氷の礫を100個以上放つ。
ピクシーは小さくなり、さらに拳で攻撃を砕きながら接近する。
「それなら……」
今度は大きい氷の礫を一気に5発放った。
小さくなったピクシーはかわせずに、受けて吹っ飛ばされる。
『ちっ……ふりだしか!?』
そう思って小さくなるを解き、前を見たとき、グレイシアが接近していた。
『アイアンテール』を振りかざし、ピクシーの腹部に命中させて、吹っ飛ばす。
『ぐっ!!』
大してダメージではなかったが、体勢を大きく崩した。
「そこだっ!」
首を軽く引っ込めて、そこから飛び出す頭突き攻撃。
『ロケット頭突き』だ。
クリーンヒットして吹っ飛ばす。
地面、そして柱にぶつかり、柱を折るほどの衝撃を巻き起こした。
「終わったか……。確か名前はラグナだったか?ここまで俺を追い詰めた奴は初めてだったぜ」
目を瞑るエデン。
「シロヒメ、アルス、トルク、ケビン、ユミ、そしてカズミ。今まで戦ってきた中で、君は一番に強かった。何せ今まで一匹もやられたことがなかったのだから。まー君はシンクロパスを使っているのだから当然か」
『勝手に終わらすんじゃねぇ……!!『サイコグラビティ』!!』
「無理すんなよ」
ピクシーの視界から逃れて、攻撃をかわすエデンとグレイシア。
「もう限界なんだろ?」
『はぁ…はぁ……限界?そんなの認めっかよ。限界ってのはな、倒れる時じゃねぇ!死ぬ時だッ!!『モルガナ彗星拳』ッ!!!!』
コメットパンチを連続で振るう最強の技だ。
この技は拳を振り出す際に衝撃波を放っているために、打撃系と特殊系の両方の特性を兼ねている。
しかし、連続の拳を振るうピクシーだが、グレイシアの青いボディにまるで傷もつかない。
それだけでなく、あられが降る中、雪隠れの特性も発動しているため空振りも多かった。
『うぉぉぉっ!!』
ズドッ!! ズドッ!! ズドッ!! ズドッ!! ズドッ!! ズドッ!! ズドッ!! ズドッ!!
『でりゃっ!!』
ドドンッ!!!!
最後の一撃がグレイシアに決まって吹っ飛ばした。
だが、ダメージがほとんど見当たらなかった。
『耐えやがっただと……!?』
「『バリアー』で防御力をあげたんだ。効く筈がないだろ?」
すると、グレイシアが足をトントンとつつくと、後ろから津波のような大雪が現れた。
『(『ゆきなだれ』かよ!?)』
エデンとグレイシアはその雪崩に乗っていた。
『力でねじ伏せてやるっ!!『サイコグラビティ』!!』
自分の視界だけの雪崩を押さえつけて、攻撃を何とかかわした。
しかし、ピクシーは酷く疲弊している。
それもそのはず。
『サイコグラビティ』は重力を使う技の中でも最も体力のいる技であり、この戦いだけですでに3度も使っているのだから。
『はぁはぁ……くそったれ!『大文字』!!』
それでも、死力を振り絞り、とびっきりの大文字を放った。
「そんなもん、返してやるよ」
『しまっ……!』
グレイシアが繰り出したのは、『ミラーコート』だった。
ピクシーの最大の威力を持つ大文字を、押されながらも反射したのだ。
『ぐおっ!!』
すでにミラーコートに対抗できる力も残されてはいなかった。
炎がピクシーを包み込んだ。
そして、倒れるしかなかった。
『(くそっ……ここまでなのか……?)』
「じゃあな、ラグナっ!!」
止めを刺すために、グレイシアがアイアンテールを繰り出してきた。
『(使いたくねぇが……この技しかもう……ねぇ……)』
ピクシーは指を突き立てた。
そして、ゆっくりとその指をメトロノームのように動かす。
「(『ゆびをふる』?しかし、そんなもの、博打技だ!)」
エデンの言うことは間違っていなかった。
でも、ラグナにはその技しかもう残されていなかったのだ。
『これで……最後だ……』
指が光る。
ゆびをふるが発動したのだ。
その瞬間に、ピクシーの体が光り輝く。
「何……?この技は……?」
そして、どんどんピクシーにエネルギーが溜まって行く。
その瞬間に、ピクシーが最大に輝いた。
「……まさか、この技はっ!!グレイシア!」
エデンは接近したことを悔いた。
逃げようとしてももう遅かった。
次の瞬間、輝きと共にピクシーは周囲を吹っ飛ばしたのだった。
たった一つの行路 №209
第三幕 The End of Light and Darkness
未来の運命の戦い⑧ ―限界― 終わり
光が正義とは限らない。闇も悪とは限らない。