ポケモン小説wiki
ずっと傍に居たから

/ずっと傍に居たから

writer is 双牙連刃

 サマーバケーションを書いていた筈なのですが…何故か出来上がってしまった作品です。
警告として、官能表現有りです。人×ポケです。何かは、ここでは書かないでおきましょう。
あくまで副産物のような物なので短め&視点変更等あります。期待はせずにお読み頂ければ幸いです。



 バイトを終えて午後6時、今日は客の数も多かったし、割と忙しかったな。
働いているコンビニから出ると、町は夕暮れに包まれていた。あいつを探すのは、色的に無理だろうな。
なら向こうから来てもらうか。あいつを呼ぶ合図は指笛、まぁ、迷惑にならない程度にな。
口に当てて思い切り吹くと、風に乗って遠くまで音が運ばれるような気がする。気のせいだろうが。
さて、今日は何処から来るかな。
右から、じゃない。左からでもない。とすると……。

「マニュ!」
「ぐぉ!?」

 後方上からだったか……コンビニの屋根の上にでも居たのかな。
ダイレクトに肩車させられるのは頸椎にダメージが来るからご遠慮願いたいんだがな。

「……帰るぞ」
「ニューラ」

 すっと右腕を前に伸ばす辺り、降りる気はさらさら無いみたいだな。まぁ、進化する前からちょくちょくやってやってたし、気に入ってるんならそれでいいけどな。
軽く足を持ってやって、落ちないようにする。ま、向こうからも頭を持たれてるからそんな心配無いんだけど。
こうして帰るのが俺達の日課。肩車するかはその時のこいつの気分次第って感じだ。手を繋いで歩くのをせがまれるよりかはマシかな。
大きくはなったが、子供っぽいところはそんなに変わらないんだよな。サイズは子供って言っても変わらないし。
俺の一応の相棒、こいつはマニューラ。少々甘えん坊で気まぐれ者だが、悪い奴ではないぞ。

「そうだ、何か食べたい物あるか?」
「……魚」

 ……おまけに、教えたら簡単にだが喋れるようになったし。人の居るところでは喋るなって言ってあるから、周りに誰か居たら喋らないけどな。
好物は猫っぽい所為か魚類、更に好むのは白身の魚。今日は何を買ってやるかな?
あぁ、こいつの好物に合わせる所為で我が家では肉を食う機会があまり無い。こいつも好まない事だし、俺もそこまで好きな訳じゃないからな。
とりあえずスーパーにでも寄って安い物を確認しよう。何を買うにしても話はそれからだ。

 スーパー内では流石に降ろしたが、出た途端にまた乗せるようにせがまれる。やれやれ、軽くはないから結構大変なんだがな。
脇を持って抱えると、特に抵抗も無く持ち上がる。そのままちょっと眺めると、こっちに向けて首を傾げた。

「いや、なんでもない。帰るぞ」

 頷くと、また肩車の形に持っていく。俺にはこうだが、他の相手にはその手の爪を剥き出しにして威嚇するんだよなぁ。抱えようものなら、顔は引っかき傷でしばらく苦しむ事になるだろう。
こいつと付き合いだしたのは、もう10年も前からだ。その頃はまだ俺も子供の部類だったし、こいつもニューラだった。
そりゃあ10年も経てばこいつも進化するし、俺も一人暮らしを始める年になる訳だ。まぁ、今の俺はバイトでなんとか食い繋いでるんだがな。
そんな関係だから、他の相手に心を開かないこいつも俺にだけはその本質を見せる訳だ。具体的に言えば、現状と言えば分るだろう。
夕日の沈む早さも増してきたし、少し足早に自分の暮らしてるアパートまで行こう。買った魚の鮮度もあまり落としたくないし。
ポケットに仕舞った鍵を取り出して、玄関ドアの入り口を開ける。ここをくぐるのは、基本的に俺とマニューラだけだ。ここに来てもう三年になるが、家に招待する程の友人は出来てない。所詮バイトだからな。
肩車のままじゃ抜けれないから、肩車はここまで。降ろすと少し残念そうにするが、これから飯をやれば機嫌も治るだろう。

「さて、飯にするか」
「うん、お腹空いた」

 昼から何も食べないでもう19時だからな、かれこれ七時間か。それは腹も減るだろう。
よし、刺身の盛り合わせでもサクサクと作るとするか。



 台所に立っている彼、それを私は、今は見ている事しか出来ない。
今邪魔をしたら晩御飯抜きにされかねないし、何より彼が包丁で手でも切ったら嫌だ。
私の我侭をいつも聞いてくれるし、甘えても何も言わないで肩車とか手を繋いでもくれる。本当に……私の大切な人。
この気持ちをちゃんと彼に伝えたい。そう、何度も思ってきた。でも、私にはその方法が思いつかない。もっと言葉がちゃんと話せれば違うのかもしれないけど、この気持ちを伝えるための言葉が私には分らない。

「よし、出来たぞ」

 二人分のお皿に並んだ魚の切り身、私が一番好きなお刺身だ。今はまず、これを食べよう。残したら買ってくれた彼に申し訳無いし。
彼が私の前に座ったのを見て、頂きますって聞こえてから私も食べ始める。一緒に食べた方がずっと美味しく感じるもの。
なんていう魚かは分からないけど、お刺身はやっぱり美味しい。彼もいつもと同じようにゆっくり食べていく。
こうして彼と食事が出来る、それだけで私は幸せ。彼と一緒に居られる今が、それだけがとても大切。
私は、そう。でも、彼はそう思ってるのか……我侭でいつも甘えてくる私の事を煙たがっているんじゃないのか、時々そう思ってしまう。
だから、伝えたい。私が彼と一緒に居る事が大切な事を。彼が、大切な事を。
どうすれば、彼に伝わるんだろう? 言葉じゃなく、気持ちを伝える方法……。

「どうした? 美味しくなかったか?」
「マニュ!? 美味しいよ!」

 ……こういうどうでもいい事は簡単に伝わってくれるのに、肝心な事は上手く伝わってくれない。溜息をつきそうになったけど、また彼に心配されたくないからそれはしなかった。
残ってる魚を早く食べてしまおう。もう彼も食べ終わるところだ。

「ご馳走さま、と」
「うん、美味しかった」

 自分が食べた分のお皿を台所へ運ぶ。もちろん彼が片付け易いように。
彼がお皿を洗い始めたら、私はテレビの電源を付ける。これは、いつもやってる事。最初は彼から付けてくれって言われてやってたけど、今はもう自分から付けるようにしてる。
テレビではドラマが放送されてる。いつもはあまり意識して見る事は無いけど、今日はそうじゃなかった。放送されているのは恋愛ドラマ、内容は主人公が好きな相手を呼び出して思いを伝えるところ。
こんな風に思いを伝えられたら、どれだけ良いんだろう。でも、私はこんな事言えない。言って、彼になんて言われるのかが怖い。もし、今の彼との関係が壊れてしまうような事があれば、私は耐えられない。
マニューラ……人間じゃない私が彼の事を幾ら想っても、彼にはきっと迷惑にしかならない。彼は人間で、人は人と一緒に居る方がずっと良いはずだから。
もし私が人間だったら、このドラマのように彼と一緒になれるのに。そんな風に思いながら、私は膝を抱えるしかなかった。

「……今日は様子が変だな? 大丈夫か?」

 気付かない内に、彼は私を隣で心配そうに覗き込んでた。今までの憂鬱な気分を振り払うように首を横に振って、その顔に笑い掛ける。
その様子を見た彼は、何も言わずに私の隣に座った。いつもはすぐ傍にあるベッドに腰掛けるのに、今日は床で、私の隣に座ってくれてる。

「まったく、大丈夫じゃないのがバレバレだ。何があった?」

 そんな事聞かれても何も答えられない。だって、ドラマを見て憂鬱になったなんて言ったら、その内容も聞かれそうだもん。そうなったら、上手く答えられる自信がない。
さっきのドラマはもう終わって、違う番組がテレビには映ってた。
不意に、彼の腕が私を捉えて、そっと自分に引き寄せる。もたれ掛からせられた私は、何が起こったのか分からなかった。

「話したくないなら別にいい。……こうしてれば、落ち着くか?」
「ニュゥ……」

 彼の温かさが、凄くほっとする。そこに居てくれる、それが凄く分かるから。でも、それがなんだか……切ない。
居てくれるのに、伝えたい事があるのに、私は何も伝えられない。
ずっと一緒だったのに、ずっと一緒だったから伝えられない。今までが無くなってしまうのが怖い。
そんな様子を見てか、彼は私を抱き上げて、胡座を掻いた真ん中へ私を降ろした。そして、そのまま私を抱えるように抱いてくれる。

「こっちも、お前が元気無いと調子狂うんだ。ずっと一緒に居るんだからな」
「うん……」

 ちょっとだけ出た涙を拭きながら、私を抱っこしたままテレビを見てる彼の胸に身を預けた。
そうしてしばらくした後、彼はお風呂に行くと言って立ち上がった。それなら邪魔しない、私も一緒に立ち上がる。

「……久々に、一緒に入るか?」
「え?」

 驚いた。彼からこんな事言われたのは初めてだし、私はポケモンでも手先が器用な方だから、進化してからは自分だけで十分に入れた。だから今は別々に入るようにしてた。
前みたいに彼と一緒にお風呂へ……嬉しいんだけど、内心恥ずかしいような気持ちもある。わ、私だって成長してるのもあるし彼も……だし。

「嫌なら別に無理に来なくてもいいぞ? でも、たまには昔を偲んでっていうのも良いかと思ってな」
「い、行く」

 彼の意図した事は言った通りの事なんだと思う。それ以上の意味は無い。分かってるんだけど、私の胸は鼓動を速める。
服を脱いでお風呂へ向かう彼の背中、それを見ながら私も続いて入った。

「湯はもう少し張らないと浸かれないか。なら、先にシャワーだな」

 彼と一緒に入るには、このお風呂場は少し狭い。でも、彼が浴槽へ入ればなんとかスペースは取れた。
今彼を包んでいるのは、腰に巻いたタオルだけ。私が触れようとすれば、彼の肌に触れられる。ますます鼓動が速くなって、高ぶる気持ちを静かに深呼吸をして抑える。
シャワーからあまり熱くないお湯が出てきて、私の毛皮を濡らしていく。あ、私の好きな温度、覚えててくれたんだ。

「洗うのはどうする? 自分でするか、それとも洗ってやろうか?」
「あ、洗って……ほしい」

 分かったって言った後、彼はタオルにシャンプーを馴染ませていく。毛皮である私には、その方がいいらしい。
泡立ったタオルで優しく私の体が洗われ始める。久々だからか、自分でやるよりもなんだかくすぐったい。腕から始まって、背中、頭と進んだ。
その先で彼の手は止まった。そこからは私の体を下へと進んでいくしかないから。

「ここから先は流石に自分で洗うか? その方が……」
「ううん、洗って」
「え……いいのか?」
「うん」

 彼になら、私の全てを見て欲しい。触れて欲しい。
彼の手がタオル越し私の胸に触れて、ゆっくりと動く。それに合わせて、体はピクリと反応して声を出しそうになる。それはなんとか我慢しながら、洗ってもらうのを続けてもらう。
胸の次はお腹、そして、足へと降りていく。流石にあそこは、思わず手で隠した。
足まで丁寧に洗ってもらって、またシャワーが私に降り注ぐ。体に付いていた泡が流されて、さっぱりとした感覚に包まれた。

「そ、それじゃあ交代な」
「あ、うん」

 動きながら頭を掻くのは、彼が照れてる時の一番分かり易い仕草だ。今それをしたって事は、少しは私の事を思ってくれたのかな? それなら、私も嬉しいな。
湯船の方に行くと、もう八割方お湯はいっぱいになってた。だからか、彼は手早く頭や体を洗っていく。

「背中、洗う?」
「ん、じゃあ頼む」

 ニューラの時にも、こうして彼の背中をよく洗ってあげた。なんだか懐かしい……最初は上手く出来なくて、彼の背中を引っ掻かないかドキドキしながら洗ったのを今でも覚えてる。
タオルで擦り終わったその背中をそっと撫でた。会った時よりもずっと大きくなったなぁ。

「おいおい、くすぐったいって」

 そう言って振り向いた時、思い出の中に居る昔の彼と今の彼が重なって見えた。……そっか、大きくなっても彼は彼だもんね。
彼が体を流し終わったのを見て、私は一旦湯船から出る。そうしないと、彼が湯船に入れないもの。
そうして彼が入った後に、背中を預けるようにして私も湯船に入る。一緒に入るのには、やっぱりちょっと狭いかも。
でもそれが今はよかった。こうして彼の温かみを直に感じる事が出来るんだもの。

「こうして一緒に風呂入ると、やっぱりでかくなったと思うよな」
「うん。でも、変わってない事、あるよ」

 今も昔も、私は彼の事を大切だと思えるんだもん。それはこれから先もずっと、ずっと。
大切で……大好き。



 くるりとマニューラが向きを変えて、俺の方を向いた。何事かと思ってたら、そのままマニューラの顔が目の前いっぱいに広がって……。
唇に、温かな繋がりを感じる。その温かさが心地良くて、目を閉じてその繋がりに意識を集中した。
すっと繋がりは離れ、目を開いた先には優しく微笑むマニューラが居た。

「大好き。昔からも、これからも、ずっと」

 俺の胸に手を付いて、体をふっと預けてくる。
大好き、その言葉だけが俺の頭の中で何度も乱反射しながら広がっていく。
キスの余韻とその言葉だけで十分だった。そうだよな、一緒に同じ時を過ごしてきたんだ。こいつもちゃんと成長してるんだよ。心も、体も。
分かってはいた筈なんだ。でも、子供のままだと思う事で俺ははぐらかしてたのかもしれない。マニューラが俺をどう思ってるのかを。
ずっと隣に居てくれた。だから俺は決して独りにはならなかった。そんなマニューラの事が大切じゃない訳が無い。
でも、マニューラがポケモンだって事で、そこで線を引いた。人間は人間と付き合う事、ポケモンはポケモンと付き合う事、それが正しい有り様だって言い聞かせて。
それでもマニューラはその線を超えて伝えてくれた。ずっと様子がおかしかったのは、これを伝えるか迷ってだったんだな。

「ごめんな……お前が悩んでる理由に気付いてやれなくて」

 預けられてるマニューラの体を抱きしめる。俺を想ってくれてるこいつに、俺は俺の想いで答えなきゃならないな。

「昔からずっと、か。ははっ、そうだよな。俺の一番近くにいつも居てくれたのはお前だもんな」
「マニュゥ……」
「そんなお前の事、嫌いな訳無いだろ? 俺も、大好きだよ」

 俺の言葉を聞いて、少しだけ体を起こしたマニューラの口に今度は俺から口付けを交わした。マニューラ涙を流しながら、それを受け止めてくれている。
抱きしめたマニューラは確かにここに居る。これから先、どんな出会いがあるかも分からない繋がりよりも確かな繋がりが、確かにここにはあるんだ。
繋がった口からお互いの舌が絡み合い、より深い繋がりを求め合う。マニューラの腕は俺の首筋に巻かれ、決して離れないようにされる。
ここまでしたって事は、その先もマニューラは望むだろうか? どうやら俺は、俺の体はこの先を望んでるらしい。
抱いていた腕を少しずつ、マニューラを撫でるように下へとずらしていく。手を動かす度に、マニューラの体は敏感に反応した。
湯の中でもマニューラの毛は撫で心地の良いものだ。いつもここまで触れる事は無いから、改めてその感触を確かめていく。
そして、俺の手はマニューラのあそこを探り当てた。絡み合っていたマニューラの舌がゆっくりと戻っていって、俺は空いていた手で垂れてきていた唾液を拭う。マニューラは、そのまま舐めとって飲み込んでしまったらしい。

「マニュ」

 後ろを向いて、マニューラはこちらにあそこを向けるような体制を取る。どうやら、マニューラもそこで止める気は無いらしい。
湯の滴るマニューラの体は、何処か艶かしい雰囲気をかもし出していた。それを見て、腰に巻いたタオルを押し上げてる辺り俺も相当やられてる奴なんだろう。
こっちを何処か期待したような目でマニューラも待っている。……少し、焦らしてみるか。
つぅっとマニューラの割れ目をなぞると、明らかにマニューラの息が荒くなっていく。目もうっとりとしたような物に変わっていく。

「ふふっ、可愛いな。それなら、これはどうだ?」

 人差し指を割れ目に当てて、第一関節くらいまでゆっくり押し込む。何かが入ってきた感触に、マニューラの腰は少し震える。
そのままじゃ辛そうだから、まずはそれを抜いて、またこっちに抱き寄せる。くたりと力無く俺にもたれ掛かって、なんとか息を整えようとしてるみたいだ。
そんなところ悪いが、また俺はマニューラのあそこに手を伸ばして、今度はさっきよりも深く指を差し込んだ。

「ま、にゃあぁ」

 その状態で指を動かすと、柔らかなマニューラの肉壁が指を締め付けてくる。
もう一方の手でマニューラの胸を探ると、自己主張をそんなにはしていないが、確かな隆起を捉える。それをゆっくりと揉みしだくと、マニューラの息は更に荒くなっていく。
ピクリピクリと体を反応させながら、俺の手の動きに明らかな快感を感じている。それが可愛らしくて、愛おしく思える。
手の動きを早めて、マニューラを最後へと導いてやる。涎を流しながら快感に酔っているようだし、もうそろそろだろう。

「にゃぅ! にゃぁぁぁ……」

 一瞬力が入ったかと思ったら、くたりとまた力は抜けたようだ。深く静かに息をしている辺り、達したみたいだ。
吹き出した物は全て湯の中に溶けてしまうだろうし、その辺は後でまた体を流せばどうとでもなる。
問題は、痛いくらいに立ってしまっている愚息をどうするかだ。明らかに納まる所に納まりたいと主張してるが、この状態のマニューラに納めていいのだろうか?
そんな事を考えていたら、マニューラの胸に当てていた左手を、マニューラの右手が捉えて、指を絡ませる。

「……いいのか?」
「うん……一緒に、なろ?」

 湯船の中でタオルを外し、完全に何も纏ってない状態になる。俺のモノがどうなってるかは、触れているんだからもうマニューラには伝わってるだろう。
マニューラは水面下を覗き込んで、自分の割れ目と俺のモノを合わせ、腰を降ろしだした。
割れ目を拡げながら、先端が柔らかい熱の中に包まれる。
そして、先端が何かに触れた。まだ先端が入りきった程度だと考えると、これはマニューラの初めての証なんだろう。
そのまま腰を降ろそうとするマニューラを抱えて、驚いてこっちを向いた頬にそっとキスをする。照れたように笑った後、今度はその顔は満面の笑みに変わる。
そして……軽く何かが破れるような感触と共に、マニューラは俺を飲み込んでいく。

「にゅうぅ!」
「頑張ったな。お前の中、凄く柔らかくて温かいよ」
「凄く脈打って、熱い。私達、一つになってるんだよね?」
「あぁ。ここに、俺のモノが入ってるんだ」

 マニューラの手を取って、モノが納まった部分を一緒に撫でる。柔らかいお腹を押し上げている硬い物があるのが確かに分かった。

「このままじゃ動けないから、少し体起こすぞ」
「うん」

 湯船の淵に手を置いて、俺がマニューラに覆い被さっているような状態になった。
その状態で、俺は腰を動かしだす。マニューラの中を分け入る度に頭の先から足の先まで快感が走る。
腰が砕けそうになっているマニューラを支えながら、何度も、何度もマニューラの奥を突いていく。その様は、人のするそれには見えないだろう。
そうしている内に俺の中で、何かが吐き出される時が近付いてるのが分かる。相手がマニューラだから子供を成す事は無いだろうが、このまま繋がったまま出していいのか流石に迷った。

「ふくっ、絶対に、抜かないで」
「いい、のか?」
「あなたの、いっぱい、欲しいよぉ」

 俺の気持ちを読み取ったかのようにマニューラはそう言う。マニューラもさっきの事実には分かってる筈だ。それでも、俺を求めてくれている。
マニューラの気持ちを受け止める。一気に腰を動かすのを早めて、俺自身の最後へ向かっていく。
込み上げてくる物が我慢の限界に達し、俺はマニューラの中に滾りを放った。

「まぅぅ、にゃぁぁぁ!」
「ぐぅっ! はぁっ、はぁっ……」

 一気に力が抜けるように、マニューラの中に俺の白濁が満ちていく。湯船の中に座り込んでも、それはマニューラの中に注ぎ込まれていく。
俺もマニューラもぐったりとしたが、頭の中には幸福さだけが満たされていた。マニューラと繋がって、一つになって、俺は確かに幸せだった。
まだ繋がったままのマニューラを抱いて、しばらくそのまま風呂場の天井を眺めていた。



 外から朝日が差し込んでる。私の隣には、静かな寝息を立ててる彼が一緒に眠っていた。
私のお腹の中は、彼と繋がった証にとても温かい。少しぷっくり膨らむくらいに、彼の精液が満たされてる。押したら簡単に出てしまいそう。
彼との子供、それを私は授かる事は出来ないのは分かってる。でも、彼は私を満たしてくれた。それが、とても嬉しい。
もう、これまでみたいにただポケモンとその主人という関係には戻れない。けど、私はそれで構わない。他のポケモンに相手にされなくてもいい。
その代わり、私はこれからも彼と一緒に歩んでいく。彼を大切だと、大好きだと告白した、私の義務。絶対に彼の事を独りにはしない。ずっと、傍に居る。

「ん……もう朝か?」
「うん、お早う」
「あぁ、お早うマニューラ」

 そう言って、彼は私にキスをしてくれた。起きたばかりで少し恥ずかしかったけど、やっぱり嬉しい。

「体、大丈夫か? あの後、少しやり過ぎたよな」

 少し体が重いような気はするけど、動けない程じゃない。でも、やっぱり疲れてるかな。

「ちょっと、疲れてる」
「やっぱりか? 実は俺もだ」

 体は起こさないで彼は笑ってる。それなら、もう少しこのままでもいいかな。

「今日は休みだし、こうしてゆっくりしてるか」
「うん。……こうしてるだけで、私、幸せ」
「……全くな、こんなに幸せだと思える事がこんなに近くにあったなら、もっと早く気付いてればよかったよ」

 お互いに身を寄せ合って、お互いを見ながら笑いあった。
もしこの先、彼が私以外の誰かと付き合う事になっても私は許せるし、それを受け入れられると思う。
そうなったとしても、私も彼も、お互いの繋がりを確かに感じられるもの。そう……

――今までずっと傍に居たから、その繋がりを……確かに信じられる。



~後日談~

「ただいまー」
「お帰り」

 バイトから帰ってくると、マニューラが笑顔で迎えてくれる。一緒に帰ってくるのも良いが、こういうのも悪くない。

「体、大丈夫か? 具合が悪くなった事は?」
「平気。……でも、今でも不思議。こうして、お腹の中に新しい命があるのが」
「本当にな……一体、何がどうしてこうなったんだ?」
「分からないけど、私は嬉しい。だって、あなたとの繋がりの結晶だもん」

 そう、今マニューラの中には確かにタマゴが出来ている。あれからマニューラが他のポケモンとそういう接触が無かった以上、俺とマニューラの遺伝子が組み合わさって出来たタマゴだとする以外になかった。
あの事があってから数日が経ってもマニューラのお腹がぷっくりしたままなので、何事かと思ってポケモンセンターに行って分かった事実なので間違いは無い。あの時はマニューラも俺も叫ぶほど驚いたものだ。
もちろん俺達が繋がったという事実は説明の時に伏せたが、これは人とポケモンとで子を成せるというとんでもない結果になる。それこそ、世の常識を覆すほどの。
が、俺達はそれを公表する気も無いし、産卵も俺達だけで乗り越える事にしている。おまけに、これはまだまだ先の事になるが、ここから引っ越して、もっと人の少ない土地へ行く予定だ。
マニューラ……つ、妻と俺達の子を守る為だし、当然の出費だと思ってる。

「あ……」
「どうした?」
「少し、動いたかな?」
「へぇ、どれ……」

 マニューラのお腹に耳を当てると、小さくだが鼓動が聞こえるような気がした。動いたかどうかは分からなかったけど。
でも、確かにここには命がある。それは確かに伝わってきた。

「どんな子が生まれてくるんだろうな? やっぱり、お前似でニューラかな?」
「それはポケモンの番の話でしょ? 私、あなた似の子がいいな」

 卵生で生まれてくる人間というのも妙な気はするけど、そういう時は受け入れて、しっかりと育てよう。
ポケモンとも、人とも外れた道を進む事になったけど、俺達はこの先も幸せだと思う。
だって……最愛の相手が、いつも傍に居てくれるんだから……。



という訳で、いろいろやらかした感のある今作、いかがでしたでしょうか。また寄り道症候群が出てきてます。サマーバケーションを書かねば…。
新光の投下再開は九月以降を予定(サマバケ終了後)としております。もうしばらくお待ちくださいませ!

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 王道な感じの文章で、とても読みやすかったです。 マニューラは悪い子のイメージがありましたが、それを見事に覆してくださいました。とても良かったと思います。サマバケも頑張ってください!!
    ――アルファ ? 2012-08-20 (月) 08:39:58
  • とても読みやすく とても良かったです
    サマーバケーションシリーズも頑張ってください
    ――ポケモン小説 ? 2012-08-20 (月) 19:12:13
  • >>アルファさん
    さっくりと読める物を目指して書いたので、読みやすかったのならば何よりです。
    こんなマニューラが居てもいいかなぁと思って素直めな感じにしてみました。よかったとは…ありがとうございます!

    >>ポケモン小説さん
    お褒め頂きありがとうございます。読みやすさに重点を置いてる者としてはありがたい限りです。
    サマーバケーションもペースアップしないと夏が終わってしまう…急がねば。
    ――双牙連刃 2012-08-21 (火) 17:02:59
お名前:

トップページ   編集 凍結 差分 バックアップ ファイル添付 複製 名前変更 再読み込み   新規作成 ページ一覧 ページ検索 最近更新されたページ   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-08-19 (日) 00:00:00
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.