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しましまサキュバスと歪んだ愛

/しましまサキュバスと歪んだ愛

writer:朱烏


この小説には人×ポケ、ポケ×ポケ(百合)が含まれています。



 サキュバス歪んだ愛









「なら、好きって言えばいいんじゃない?」
 私が目の前のオオタチ、リルに言った言葉は、彼女を大いに落胆させたらしい。
「だからさ……僕は人間とポケモンがそういう関係になっていいのかってことについて悩んでいるんだ。それに、そもそも言葉が通じるものなのならば、僕の悩みも幾ばくかは解決しているだろうね」
 一人称も口調も雄のそれで、かわいらしい顔はいつも難しいことを考えているようなしかめ面だったものだから、てっきり恋愛ごとにはまったく興味を持っていない仔なのだろうと思っていた。
 そのことを告げると「僕だって女の仔だ!」と強く抗議されたので、あとで改めてこちらの非を謝罪しようと思う。しかし、恋愛対象が人間というのはいくらなんでもアブノーマルすぎるだろう。
 いや、ポケモンだって姿かたちはまったく違えどタマゴを作ることは可能なのだから、実際にポケモンと人間の間にある壁はそう厚くないのかもしれない。などと心の中で彼女を擁護してみたものの、やはり異常には違いなかった。
 それはおそらく彼女もわかっている。だから私の投げやりな言葉に呆れたのだ。思い返しても、私の言葉はやはり酷かったと思う。けれども、彼女の言葉に面食らって他に言葉が思いつかなかったのも事実だ。
『僕……ご主人が好きなんだ……』
 彼女が私と主人のもとに来てから一か月。
 誰がこんな言葉を予期できただろうか。

「このポケモンセンター、天井高いね」
 ポケモンセンターのロビーは吹き抜けで、四階の天井が一階から直接見えた。こんなに大きなポケモンセンターに来るのは生まれて初めてだ。さすが、都市部のポケセンは一味も二味も違う。
 ずっと地方で暮らしてきた私たちだったが、主人が都市部で就職するということで、昨日この辺りに引っ越してきた。私たちポケモンにとっては主人がどこに住居を構えようと大した問題ではないのだが、人間の事情は私たちと違い煩雑だ。いわく、テツヅキとかいう代物が主人の肩に重くのしかかっているらしく、それを一つ一つ片づけていかなければならないのだそうだ。
 そのテツヅキの最たるものが、トレーナーカードの更新らしい。それはここポケモンセンターで行われる。つまるところ、主人の用事に私たちが連れて行かれる羽目になったのだが、予想以上に時間がかかっていて、私たちは待ちぼうけを食らっているのだ。
 主人を待つのに飽きて、ベンチにだらりと寝そべっているマグマラシの私は、早く帰りたいなどと叶いそうにない願いを宙に乗せる。長く太い尻尾を私の頭の上に乗せているリルは、ため息混じりで主人に思いを馳せていた。
「って、よく見たらご主人いなくなってる……」
「本当だ。トイレか? それともまさか別の用事が?」
 受付では、突っ立っていたはずの主人の姿はどこにもなく、トレーナーと思しき別の人がテツヅキに追われていた。
「ああもう! 終わったらすぐ来るって言っただろ! あの馬鹿主人め!」
 眉間にしわを寄せて強く主人をなじる目の前のオオタチと、少し困ったような、嬉しそうな顔で私に衝撃的な告白をしてきたオオタチが同一のポケモンとは、私には到底思えなかった。
『お待たせ!』
 だが、いつの間にか私たちの後ろに回り込んでいたご主人が私たちを両腕で抱きかかえると、リルの顔は一瞬緩んだ。
『びっくりした?』
 びっくりした。しかし、リルの方がもっとびっくりしているはずだ。別の意味で。
「なんなんだよもう!」
 尻尾を振って暴れるリルは、自分の気持ちを悟られまいと頑張っているだけにしか見えず、微笑ましかった。
 いわゆるツンデレというやつだろうが、たぶん主人にはツンも伝わっていないし、ましてやデレなんて分かるよしもない。
『おいおい暴れるなよ。待ちくたびれただろう? ヒウンアイス買って食べよう』
 この能天気で、細身なのに私たち二匹を軽々と抱えてしまえる謎に満ちた肉体を持つ主人が、リルの気持ちを完全に理解できるなんて思えないのだ。
 なんだかリルがかわいそうになった。生まれてくる星を間違えたのだ。リルが人間だったり、主人がポケモンだったりしたら、まだ成就の見込みがある恋であったはずなのに。
 私は心の底から残念に思っていた。
 だが、何もわかっていないのは私の方だった。主人のこと、リルのこと、そして、自分のことすらも。



 引っ越しから二週間経ち、新しい暮らしにも慣れ始めた頃に、事件は起こった。
 リルと私、そして主人は、いつも通り一緒にお風呂に入った。
『仕事はちょっとずつ覚えてきたんだけどさ、上司がなんだか面倒くさい人で……』
 先に体を洗ってもらったリルと私は湯船に浸かり、自分の髪と体を洗う主人の会社の愚痴を聞いていた。
 しかし会社の愚痴をどうでもいいと感じる私は、主人の体をまじまじと見つめることに腐心していた。その細い体で私たちをなぜ軽々と持ち上げられるのか解明したかったのだ。
 もちろんそれは失敗に終わった。いつものことだ。決して解りはしない。
 リルの方はというと、私とは真逆だった。主人から意識的に目を逸らそうとしている。
 ある意味仕方のないことだった。私が主人の体に興味があることといえば不思議仕様の筋肉くらいだが、リルからすれば主人の体についている色々なものが目に入るわけだから、とても冷静に湯船に浸かっていられる心境ではないはずだ。
 苦しい恋路だとは思うけれど、私にはどうすることもできない。せめて人間の言葉が話せさえすれば、リルを応援する方法も見つかるとは思うのだが。
 ポケモンがトレーナーにそんな歪んだ気持ちを知ってもらう方法なんて、それこそ寝込みを性的な意味で襲うくらいしかないと思う。だがそんなことをすれば、嫌われ、捨てられるしまうのが容易に想像できる。

 夜の十一時半。
 お風呂に入るのがみんな一緒なら、寝るのも一緒だ。柔らかいダブルベッドの真ん中に主人、その右隣にはリル、左隣には私、一人と二匹でいびつな川の字を作る。並び順が入れ替わることはままあるが、基本はこの形だ。
 そして、大概私とリルは主人にくっつこうとしたり乗っかろうとしたりしてじゃれる。
「ご主人の胸板は私がもらうね」
「気安く触るなよヒヅキ。僕がご主人の上で寝る」
「いいじゃん別に。だいたいリルがご主人とくっついて寝たりしたら緊張しすぎてリルの心臓破裂しちゃうでしょ」
「な、なんだとっ!?」
 私がリルをからかうと、彼女の態度は一変した。
『はいはいふたりともちゃんと仲良くしましょうね。あと俺の上に乗るな。特にヒヅキ、ただでさえ体温高いのに暑苦しいよ。俺が一度脱水症状起こしたの忘れたのか?』
 思わず、押し黙った。
「僕を馬鹿にするから叱られるんだぞ」
 リルが勝ち誇ったような表情をする。
「それは関係ないでしょ」
「暑がられたくなきゃノーマルタイプにでもなれば? まあ無理だろうけど」
「うるっさいな!」
 私はいきり立って、リルを思いっきりのしかかった。頭から炎が噴き上がる。
『いい加減にしろ! ベッド燃やす気か!』
 主人の声にはっとして、炎を鎮めた。私には、一度毛布を黒焦げにした前科がある。
『まったく……ヒヅキ、次やったら床で寝てもらうからな』
「……なんで私だけ」
「暴れるからだろ」
「……ふたりともよってたかって。もういいよ」
 さすがに堪える。リルと喧嘩するのは珍しいことではないが、主人に怒られたのは久しぶりだった。
 いたたまれなくなって、ふたりに背を向けて目をつぶった。リルもそれ以上何かを言ってこようとはしなかった。
『ふたりとも、おやすみ』
 私と主人の間が少し広い、奇妙な形の川の字だった。

 私の眠りは深い。一度眠ってしまえば、朝まで起きることはない。
 夜中に目が覚めることもあるにはあるが、大抵は寝相の悪いリルが私の顔面の上に覆い被さり、呼吸困難に陥ることが原因だ。
 だから、いつも通り目が覚めたとき、てっきり朝なのだと思った。ところが太陽は顔を出すどころか、昇ってすらおらず、淡い月明かりが室内のぼやけた輪郭をおぼろに浮き立たせているだけだった。
 こんな時間に目が覚めるなんて珍しいと思いながら、私は再び目をつぶった。
「ご主人……」
 リルの声がした。主人とリルに背を向けて寝ていた私は、リルが寝言を言っているのだと思った。
『リル……気持ちいいか?』
 しかし、主人の声も同時に聞こえてきて、私は困惑した。ふたりとも起きているのだろうか?
「んぅ……気持ち……いい……」
 私の体毛が逆立った。なぜリルの声がこんなにも色めき立っている?
 主人とリルはいったい何を?
「僕……ご主人と繋がれて……幸せ……」
 繋がれて――?
 心臓がばくばくと激しく鼓動する。体に伝わるベッドの軋みと主人の息遣い、そしてリルの小さな喘ぎが、静かな部屋にそっと響く。
 まさか。ありえない。そんなことは絶対にありえない。人間である主人と、ポケモンであるリルが共にするべき行為ではない。
 でも、ベッドの軋みはより大きくなって、リルの嬌声は聞いているこっちが恥ずかしくなってくるくらいに大きくなっていた。
 確信するしかない。ふたりは一線を越えている。人間とポケモンの間にそびえ立つ障壁を、主人とリルは乗り越えてしまったのだ。
 目を開けるのは怖い。でも、ふたりが知らない世界へ旅立ち、私だけが置いてけぼりにされるのはもっと怖い。
 私は意を決して、薄目を開けた。ふたりが私の目覚めを悟らぬよう、ゆっくりと。
「ご主人……大好き……」
 影が、蒼く浮かび上がる。上気し、蕩けたリルの顔が、カーテンの隙間から差し込む月明かりに照らし出されていた。
 私は狼狽した。あの、雌らしさがほぼ欠落しているはずのリルが、主人の股ぐらに乗って上下に腰を動かしている。実際にそれを目の当たりにして、私は心臓が破裂しそうになった。
「あっ、あっ、ごしゅ、じん、僕……んっ」
 きっと――きっとこのオオタチは――時折よだれを垂らしながら淫靡に乱れるリルは、たぶん淫魔がリルの形を象ったものなのだ。淫魔が主人を襲っているのだ。絶対そうに違いない。でなければ、リルがこんなに淫らに喘ぐなんてあるはずがない。
「ご主人……僕に……ご主人の子供を産ませて……」
 リルが主人の体に倒れこんで、そのまま主人の口を塞いだ。結合部での音に加えて、口吻からも淫猥な音がしてくる。
 頭がおかしくなりそうだった。ありないことだが、今のリルなら本当に主人の子さえ孕んでしまえそうな気がした。
 なんと言ったって、淫魔(サキュバス)なのだから。



 目覚めは最悪だった。主人とリルが行為を終えて眠りについても、私はまったく寝つけなかった。静かに目をつぶっても、かならずリルの蕩けた顔が浮かんできて、私の耳元でいやらしく喘ぐのだ。
 その旅に心臓がどうしようもなく高鳴って、やり場のない気持ちに襲われる。やっと眠りについた頃には、空が明るくなり始めていた。正味二時間も寝ていない。
「どうした? 寝不足か?」
『眠れなかったみたいだな……具合悪いのか』
 言葉が通じていないはずの主人とリルは以心伝心したかのように、私に同じようなことを言った。
「ううん……疲れてただけ」
 素知らぬ顔で私に接してくるふたりに、私は戸惑うことしかできなかった。
「昨日のことを真に受けたのか? らしくないなあ」
 一瞬私はどきりとしたが、リルはあの行為のことではなく、主人が私を叱ったことを言っているのだと気付いて安堵した。
「どうかしたのか?」
 言葉を失う私に対して頭に疑問符を浮かべるリルは、いつも通り少しだけ眉間にしわを寄せていた。
 淫魔の面影なんてどこにもない。あれは夢だったのだろうか。



 それからまた二週間。
 忌むべき夜が訪れることはなく、私とリルは主人の両隣を仲良く分け合いながら、静かな夜を過ごした。
 結局あの過激な情景は、私の妄想が勝手に作り出した淫夢であり、取るに足らないものに振り回されていただけだったと結論付けた。
 欲求不満を自覚したことはないが、意外と内に溜め込んでいるものがあるのかもしれない。きっとそれがリルに投影されたのだ、と。
 眠れない日がしばらく続いたが、やはり眠りの申し子。私は以前と同じように深い眠りを手にしていた。
 はずだったのだが。
 夜半、ベッドが不自然に軋んだ。私はもう一度、淫らな夢への扉を開いてしまったのだ。

「ご主人、こんなに溜めてたんだ。たった三日してなかっただけなのに」
 耳が塞げない。
「僕の舌遣い、うまくなったでしょ」
 目もかすかに開いている。
「でも、僕は全然満足してないから。今度はこっちに出してよ」
 毛布ははだけ、二つの折り重なる影が露わになっていた。
 リルは、主人の下腹部にまたがり、妖しく舌なめずりをした。
 私は薄目で、リルの恍惚とした表情に釘付けになった。
 舌先からぬらりと零れ落ちる白濁液。
 月明かりに鈍く光る鋭い犬歯。
 主人を見下ろす、真っ黒に透き通った瞳。
「空っぽになるまで搾り取ってあげる」
 再び舞い降りた淫魔から、私は目を離すことができなかった。



 いったいリルと主人はどれだけ体を貪り合ったのだろうか。私の眠りが深いのをいいことに、ふたりで私の知らないことをしている。
 リルが羨ましい。憧憬の対象にすらなる。そして何よりも、悔しい。なんだかんだと言いながら、主人から貰う愛情は私とリルで半分ずつ分け合っていたはずなのに。
 どうせ報われない恋なのだから私くらいは応援してあげようと思ったのは間違いだった。
 私だって彼女と同じくらいは主人から愛されたい。主人と恋愛したいとは思わないけれど、それとこれとは話が別だ。
 だいたい、リルは恋愛と肉欲を履き違えてるのではないか。私の知る限りでは、ふたりはベッドの上以外では恋人同士らしいことをまったくしていないし、ただ彼女が誘って主人の劣情を催させているだけのようにしか見えない。
 そもそも、言葉が伝わらないのにリルはどうやって自分の気持ちを伝えた? 主人に跨って腰を振っただけだろう。そんな方法で主人に自分の気持ちが伝わったと思っているのか?
 ああ、情けない。ああだこうだ言っても、結局は負け惜しみにしかならない。
 私もあんなふうに主人の上で乱れ狂ってみたい。主人の愛情を一身に受けてみたい。
「うぅ……」
 自然と涙がこぼれて、ベッドシーツに吸い込まれてゆく。
 私は、羨ましさと悔しさと悲しさがない交ぜになった感情を、どう処理すればいいのかわからなかった。



 ある夜のことだった。悩みに悩んだ挙句、私は意を決して行動を起こした。
『ヒヅキもなのか?』
 今晩はその気がないのかぐっすりと眠ってしまっているリルを尻目に、私は眠っている主人の股ぐらにまたがっていた。そのとき、主人が寝ぼけ眼で言った台詞がこれだった。
 私とリルの不公平を正すには、リルと同じやり方を真似するしかない。と言うよりも、それ以外の方法が思いつかなかった。
 交尾とは果たしてどんなものなのだろうか。リルがあんなに気持ちよさそうな顔をしていたのだから、さぞ愉しいことなんだろう。
 しかし、私の黒い感情に、主人の言葉が投げ入れられる。
『やっぱり発情期ってあるのかな。リルがなかなか収まってくれないから困ってたけど、まさかヒヅキもとはなあ』
「え?」
 発情期。主人の認識は、その程度のものだった。
 私の高ぶった気持ちは、一気にしおれた。リルが憐れに思えた。リルの溢れ出る主人への想いは、発情期という言葉で片付けられていたのだ。
 当然だ。所詮、人間とポケモンなんだ。恋愛なんてできるはずがない。ただ交尾するだけならいくらでも望めるが。
 この言葉をリルが聞いたなら、一体どんな反応をするだろう。きっとショックを受けて一週間は寝込むはずだ。
『まあ、俺もトレーナーだから、できるだけふたりのために頑張るよ。ヒヅキ、初めてだろ? あんまり緊張しないで、リラックスして……』
「え……うん……」
 私の心配をよそに、主人は思いのほか乗り気だった。私はどうにも気持ちがついていかなくて、戸惑ってしまう。
 しかも、主人の下半身は準備万端だ。主人は下着をいつの間にか脱いでおり、肉棒は屹立している。
 それが私の秘所に当たっているものだから、なんだかこそばゆかった。
『入れるぞ……』
 雰囲気もへったくれもない。主人を起こしてからまだ一分も経っていないのに、私の初めてはもう主人に捧げられようとしている。
 リルもこんな感じで主人と交わったのだな、と私の意識は明後日の方向に飛んでいた。
『ん……』
 ゆっくりと、主人の肉棒が私の秘所にうずめられてゆく。
 意外にも痛みはなく、奇妙な異物感だけが私の下腹部をうごめく。
『どう?』
 肉棒が根元まで、私の中に入った。
 私は大丈夫だという意思を示すために、こくりとうなずく。
『じゃあ動くね。痛かったら何か言ってくれよ』
 私の腰に両手を当てていた主人は、私の両前足を手に取った。そして、ゆっくりと私の秘所にその肉棒を突き入れていく。
 主人は笑っていた。快感を感じるとか、私がよがるのを見て楽しむとかではなく、単に私と親密にコミュニケーションを喜んでいるようだった。
『気持ちいいか?』
 リルとの交尾のようにねっとりとしたものではなく、主人の動きは意外と淡泊だった。たぶん、リルが激しく求めたから結果的に貪り合うような交尾になっただけで、主人自身は私やリルが気持ちよくなれればそれでいいのだと思っているのだ。
 主人はいやらしい気持ちなんて、おそらく少しも持っていなかった。ただ、私たちが求めるものを必死に与えようとしているだけだった。
 もやもやとした気持ちがすっと溶けてゆく。
 ああ、これって。
「ん……ご主人……もっと奥に……」
 嬉しい。すごく、嬉しい。
 主人がしようとしていたのは、リルや私の性欲処理じゃなかったのだ。純粋な、けれどもいびつなコミュニケーション。
 こんなふうにされたら、リルだって勘違いするに決まっている。
 主人に対する恋愛感情なんて持ち合わせていないけれど、ずっと続けていたらそのうちに芽生えてしまうかもしれない。
「ご主人……」
 私はリルがしたのと同じように、主人の胸へと倒れ込んだ。



 その後も、リルが何もせずに寝る日を見計らっては、私は主人の上で腰を振っていた。
 私も結局リルと同じく主人の優しさに甘え、肉欲に溺れる獣に堕ちてしまったのだ。
 いや、まだ恋愛感情とまぜこぜにしていないだけ、リルよりはましだろう。
「あっ、そのまま中にっ」
 そう思わなければ、自分の行動を正当化できなかった。
 私の中でどくどくと脈打つ異物が与えてくれる恍惚感は、決して恋愛感情がもたらすそれではない。
 決して。



 もともとあった日常は、徐々に壊れてゆく。
 そもそもトレーナーと夜に交わるなんて、はたから見れば壊れに壊れた景色なのだろう。しかし問題はそんなちっぽけなことではなかった。
 リルからすれば、私は略奪愛を平気でするような悪魔に見えたに違いなかった。しかし悲しいかな、いつしか私はリルが主人を好きであるということを忘れていたのだ。
「で、いつまで続ける気なんだ、ヒヅキ?」
「えっ?」
 ちょっと買い物に行ってくるから留守番しててくれ、と言い残して家を出た主人は、私たちが恐ろしく険悪なムードに包まれていることを知らない。
「とぼけるな。まさかバレないとでも思っていたのか?」
 私はリルによって、部屋のすみに追い詰められていた。眉間どころか顔全体に深いしわが刻まれたリルの顔を見て、私は思わずへたり込んだ。
 そして、ようやくリルが恋愛感情を主人に向けていたことを思い出した。
「なあ、僕がご主人のことを好きだっていうのは前々から知っていたよな? なのになんで僕からご主人を奪おうとする!?」
 リルが壁を思い切り殴り、家全体が軋んだ。
 怒りを表現するのに烈火のごとく、などと言うが、リルの怒りは噴火した火山そのものだった。私が噴き出す炎がたちまち立ち消えてしまうような、激しい炎だ。
「ご……ごめんなさい……そんなつもりじゃ」
「じゃあどういうつもりだ!!」
 リルの表情があまりにも恐ろしくて、直視することができなかった。
「私……う……うら……」
「はっきり言え!!」
 怖い。逃げたい。でも、逃げようとしたら殺される気がした。
 それほどまでにリルは殺気立っていた。
「う、羨ましかった……の……リルのことが」
「……羨ましい?」
 私は流れ出る涙を前足でこすりながら、リルに決して見せたくなかった心情を吐露してしまった。
「私だって……ご主人から愛されたい……から」
 リルの丸い目が、一段と大きくなった。
「私もリルと同じこと、ご主人にしてもらいたかった……」
「……へえ」
 リルが私に顔をぐいと近づける。真っ黒な瞳に、私のひきつった表情が映った。
「僕の愛した主人を寝取ろうとしてよくもまあそんなことをぬけぬけと……」
「そ、そんな……」
 いよいよリルの逆鱗に触れてしまったと思った。しかし、次に彼女の口から出た言葉は、私の想像を絶するものだった。
「そうかそうか。まあ、気持ちは分かる。確かに僕がご主人とあんなことしてれば、相対的にご主人がヒヅキに向ける愛情が減ってしまう可能性があるからな。だからお詫びと言っちゃなんだが……僕が代わりに愛してやるよ」
 リルが、嗤った。
「ふあ!?」
 困惑を飛び越えて、私は混乱した。
 リルが突然覆い被さってきたのだ。そして、間髪を入れずに私の口を塞いだ。
 わずか三秒の出来事だった。その三秒で、私は悟った。
「チャンスがあれば、とは思っていたけれど、丁度いいや。足を開け」
「い、いやっ」
 私は今、雌であるはずのリルに犯されようとしている。
 しかし、逃げられない。リルは意外と重く、非力な私ではどかすことができなかった。
「いやあっ」
 そして、リルは何のためらいもなく私の秘部を足先でにじった。
「やめて痛い、痛いよおっ」
 リルを退けることのできない私には、ぎゅっと目をつぶって泣き喚く以外のすべがなかった。
「最初だけだ。じきに良くなる。ああ、泣くのは一向に構わないよ。君の泣き顔を見てるとぞくぞくするからね」
 ぞわりと、全身の体毛が逆立った。ついにリルの頭がおかしくなってしまった。
「やめて、なんでこんなことするの?」
 目を開けた。そこには鬼の形相をしたオオタチなどいなかった。
 代わりにいたのは、夜ごと主人の上で乱れる、あの淫魔だった。
「簡単だ。今僕がここで、君を愛そうと決めたからだ。君は可愛い。特に泣き顔が」
 彼女の口から出た言葉はあまりにも現実味がなくて、私の頭はショートしそうになる。
「私は、同性愛者じゃない……」
 そしてどうでもいいことを口走った。いや、どうでもよくはないのだが、相手が雄か雌かという問題はこの際関係ない。
「うふふ……ヒヅキ、安心していいよ。僕は両刀だし、さらに博愛主義者だ。主人とヒヅキを同時に愛すことなんて……朝飯前なんだよっ」
「きゃ……あ……」
 リルの足が私の秘部でうごめく。
「ほら、鳴きなよ」
「ああっ、そんなこと、しないでっ」
「してほしいの間違いだろう? 素直になれよ」
 なんでこんなことに。ついさっきまでいた、鬼の形相をしたオオタチが恋しかった。
 まだ、怒鳴られている方がましだった。
「ほうら、いい感じに濡れてきた」
 リルが私の顔先に足を持ってくる。私の愛液で濡れそぼったリルの足はひどく淫猥で、甘酸っぱいような匂いを放っていた。
「あ……あ……」
「まだ足りないだろ?」
 そして、また私の秘部を踏みつけ始める。
「……僕はね、人間と生活するというのがどんなものか知りたくて、ご主人のもとに来たんだ」
 私の秘部をにじるリルの足先の動きは止む気配を見せないのに、彼女は唐突に自分のことを話し始めた。
「野生時代とは違う食べ物、習慣。何よりも住む場所ががらりと変わって、なかなか刺激的だった。こんな世界もあるんだと知れて、野生をやめたのは正解だと思った。ある一点を除いてはね」
「リル、やめて……」
 体がじんじんと痺れてくる。息が荒くなってきて、思考が働かなくなってきた。私はれっきとした異性愛者のはずなのに、雌であるリルの愛撫に秘所をじわりと濡らしていた。
「それはね、性的に刺激的なことがまったくなかったということだ。好き勝手に交尾してきた野生時代は本当に楽しかった。出会った雄とは手当たりしだいにやって、雌も結構な数を相手にしてきた。……ときには、今のように無理矢理ね。どうだい、気持ちよくなってきただろ」
 ぼうっと白くかすんできた頭で、確かに思い至ったことがある。比喩でもなんでもなく、リルは淫魔そのものだった。
「ところが、こっちだと相手をしてくれるポケモンが全然いない。当然人のポケモンには手を出せないし、いきなりヒヅキに手を出して追い出されるわけにはいかない。内心困っていたんだ。けど……」
 リルの顔が不気味に歪む。
「何も好きになっていいのはポケモンだけじゃないと気づいた。雄も雌もタマゴグループも関係なく愛せるのに、人間を愛せないわけがない。だからご主人を愛すことに決めた」
 意味が分からない。愛すことに決めたって何だ。自然に恋愛感情を抱いたわけじゃないっていうことか。
「それって愛じゃなくて、ただ交尾がしたいだけじゃない……ああっ」
 リルのつま先が秘所の内壁を激しくこすり、私は悲鳴に近い嬌声をあげた。
「生意気な口を利くなよヒヅキ。君だってご主人にまたがって腰を振っていたじゃないか。どうせ今の話を聞いて僕のことを股の緩いあばずれだと思っているんだろうけど、君も大して変わらないんだよ」
「ちがっ」
 また口を塞がれた。リルのざらついた舌が、私の舌の先から根元まで優しくなぞってくる。秘所のなぶり方や口調の荒さとは真逆の、とろけるような口淫は、私の脳髄を激しく揺さぶった。
 もう、なすがままだった。生まれながらにして淫魔の性質を持ち合わせたリルにとって、私を堕とすことなんて眠ることよりも簡単なのだ。
「違わないよ。こんなに濡らしてるくせにどの口が言うんだ」
 ようやく口が解放されたころには、私は打ち捨てられたぬいぐるみのようにだらりと脱力していて、反抗する気力なんてどこにもなかった。
「本当は僕の本性を君に見せる気なんてさらさらなかった。だから君の前でもチョロネコを被って純真らしく振る舞ったり、ご主人と交わるときにはわざわざうぶのふりをしたりした。ご主人が手持ちにしたのは一晩に二十匹の相手をすることも簡単にやってのけるポケモンでした、なんてのは洒落にならないってこと、さすがの僕でもわかるからね」
 さらりととんでもないエピソードを披露したリルは、一瞬だけ恍惚とした表情をした。まるでそのときのことを思い出して、またしてみたいとでも言いたげだった。
「まあ、ご主人がまんざらでもなかったっていうのはちょっと意外だったけどね。もし追い出されたらまた前みたいな生活に戻ればいいわけだし、たいした心配はしていなかったけど」
 リルは一度手を止めて、僕を冷たく見下ろした。
「……愛の表現手段は多様だ。野生時代でも、雄が雌に木の実を渡したり、いいところを見せようとしたりして想いを伝える、というのはよく見た。人間だって割と同じようなところがあるらしい。でも……最終的に行き着くのは、体の関係だろう?」
 淫魔はまた私の秘所を弄び始める。
「僕は博愛主義者だ。次々と目の前に好きなポケモンが現れるのに、いちいちそんなことしてたんじゃきりがない」
 どう考えても博愛主義の意味を取り違えてるとしか思えない。病気レベルの惚れっぽさを、なぜそう前向きに捉えられるのだろう。
「そんなの……愛なんて言わないよ……雄はリルを性欲のはけ口にしかしていないだろうし……雌はそんなことされたって嬉しくないよ……ご主人だって、ひゃあうっ」
「まだ喋れる余裕があるみたいだね。言っとくけどまだ僕は本気出してないからね?」
 主人はまだ帰ってこない。絶望と快楽の淵に立たされ、私はまた涙をこぼしていた。
「それに、そんなことはどうだっていいんだよ。ご主人は僕が発情期真っ盛りのオオタチだとしか思っていないだろうけど、僕はそれでいいんだ。とどのつまり、相手から愛されてなかろうが嫌がられようが、僕が誰かを愛せていればそれでいい。その気のない雌でさえ口では嫌がってても、五分とたたないうちに堕ちるんだ。みんな君と同じようにいい声で鳴くんだよ」
「やあ……だめえ……ああああっ」
 びくりと私の体は反応し、秘所から大量の水を噴いた。
 いわゆる潮噴きというものだった。
「あーあ、こんなに汚しちゃって。ご主人が帰ってきたらどう説明するんだよ」
 もう、何も考えられない。何かを言うだけ無駄な気がした。快楽に身をゆだねている方が何十倍も楽だった。
 リルは、床にこぼれた私の体液を手ですくっては舐め取っていた。
「とりあえず今はこれで終わりだ。警告しておくけれど、君に僕の愛したものを奪う権利はない。僕が許可したとき以外は行動を慎め。さあ、わかったらよだれまみれの顔を洗いなよ。昼間からそんな淫らな顔をご主人に見せる気か?」
 ひどい言葉を浴びせられても嫌悪を感じないのは、快楽に頭が支配されているせいだろうか。
 それとも、私は――。
「快楽に溺れればみんな幸せじゃないか。僕が愛した者はみんなそうなる。ご主人もそのうち僕の体を自分から求めるようになるし……ヒヅキだって同じだ」
 私は――。
「ふふ、もう一回抱いてほしいって顔してるな……。いい顔だ、ヒヅキ」
 淫魔が舌なめずりをして、もう一度私の上に覆い被さってくる。
「今度は一緒に気持ちよくなろうか……愛してるよ、ヒヅキ」
 主人が帰ってくる気配は一向にしない。














「ああ、ご主人……もっと奥まで……ヒヅキも……気持ちいいか?」
「リル……リルぅ……ああ……」
 リルは主人の下腹部の上で腰を振りながら、ご主人のお腹の上に乗っている私を抱き寄せた。彼女に正対している私は、リルの手で秘所を愛撫してもらっている。
「ああ、そこはいやあっ」
 陰核を執拗に責め続けるリルに私は潮を噴かされ、私は彼女の腕の中でぐったりとしていた。
 これで何度目だろう。もう数えきれないほど、リルの手で堕とされた。
 たった半年で、私も主人もリルの性技に支配され、飼い慣らされた。毎夜、みな一緒に快楽の底へと堕ちるのだ。
『リル、もう出る……!』
「いいよ、たくさん出して……」
 いいなあ、ご主人中で出してもらえて。私もしてもらいたい。最後にリルから主人と交わる許可をもらってから、もう二か月になる。
「ふう……あ、ヒヅキもやるか? そろそろこれが恋しくなってきた頃だろう?」
 自分の持ち物を気軽に貸すように、自分の秘所から引き抜いた主人の肉棒を弄んだ。
『リル、あんまり弄らないでくれ。射精()したばかりでちょっと痛いんだ』
 淫魔に囚われたうつろな目の主人は、リルに微笑みかけながら話しかけていた。
 リルが主人の上からどいて、私が主人にまたがる。
 久々だった。興奮した私は、主人の肉棒を両前足でゆっくりとしごいた。
 しぼんでいた肉棒が、徐々に大きく、硬くなる。
「ご主人の……」
 生唾を飲み込む。待ちに待った時間だった。
「ふふ……ヒヅキ、よだれ垂らすなんてみっともないね」
 茶色とクリーム色の縞模様をした淫魔の嘲笑が部屋に響き渡るなか、私は主人のまたぐらに腰を沈め、喘いだ。



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サキュバス.png
おまけ:野生時代のリルのイメージ


第五回仮面小説大会でいただいたコメントへの返信

淫乱な僕っ子オオタチきゃわわ
俺得すぎる作品でした (2013/04/02(火) 02:00)

>>きゃわわ
  こんな仔がうちにいてくれれば……生活に支障をきたしそうです(

自分も淫魔に魅せられました(
どんな形であれ、愛に溺れるのっていいですよね。 (2013/04/02(火) 04:56)

>>はたから見ればアレですけど、たぶんこれが最上の幸せの形、のような気がします。

描写の強さでまともにオオタチにやられた気分になりました。このキャラを生み出せる恐ろしいお人や。 (2013/04/03(水) 23:48)

>>こんなに濃いキャラクターを書いたのは久しぶりでした。官能なのでこういうあからさまなキャラがいてもいいだろうと思ったのが最後でした(

官能部門にこういう理由で投票するのもどうかと思いますが、とても簡明で分かりやすい文章で、スラスラ読めて純粋に楽しめたので。 (2013/04/06(土) 08:02)

>>非官能部門ではかなり堅苦しい文章にしたので、こっちはやわらかめに書きました。それが良い方向に作用したのだと思います。

胴長短足ポケモンっていいですよね(
話の冒頭からは予想できない意外な結末がとても印象的でした。 (2013/04/07(日) 16:23)

>>私自身も後半をこんな感じにするとは思いませんでした。インパクト的には予定していた方向から舵を切って正解だったと思います。
  胴長短足は正義!

大会お疲れ様でした。
やや暗い雰囲気のある作品でしたが、そんなのかすむくらいに、えっちで丁寧は表現がされていて、しかもそれが百合にもなり3Pにもなりと、大変おいしく頂きました。ゴチになります(
また、ヒヅキの心理描写も素晴らしく、リルと主人の交わりの葛藤から堕ちるまでの過程が良かったです。 (2013/04/08(月) 18:02)

>>もう少し心理描写に時間が掛けられればと思いましたが、都合があわずに少々端折ってしまった感が否めません。が、文量的にはこれで丁度良かった気がします。すり合わせが大事ですね。
  百合は初めてでしたけど書いてて楽しかったです(

二番目 (2013/04/13(土) 13:53)

>>次は一番目になれるよう頑張ります。

博愛……なのか? (2013/04/13(土) 23:40)

>>注:リルの主張する博愛主義は一般的なそれの意味から著しく乖離しております。

オオタチの歯の描写をされているとは分かってらっしゃる……。淫乱でもオオタチならなんか許せちゃう不思議。 (2013/04/14(日) 18:21)

>>肉食ポケモンですからね、さぞかし歯も丁度いい感じに尖っているんでしょう。妄想が捗りますね(

オオタチに嫉妬したために彼女の手により快楽へと堕ちたマグマラシ…エロいです。
他の作品も素晴らしかったですが、官能表現で選ぶならこの作品が一番だと思います。1票入れますね。 (2013/04/14(日) 18:54)

>>官能表現はしばらく遠ざかってたこともあって自信がなかったんですが、そう言っていただけると嬉しいです。
  マグマラシも本望(?)でしょう。


第五回仮面小説大会官能部門において、10票を獲得し、三位に入賞することができました。投票、コメントして下さった方、並びに読んでくださった方、ありがとうございました。


↓感想等ありましたらどうぞ

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • オオタチで文書きさんかなとも一瞬思いましたがマグマラシで特定致しました(
    異性のトレーナーから同性まで幅広く頂いてしまうリルちゃんはなかなかけしからんですな。
    こういうタイプのオオタチを見たのは初めてかもしれませんがこれはこれで良いものですね。
    肉食のオオタチの犬歯は大事な萌えポイントですよね!!!
    ――カゲフミ 2013-04-15 (月) 20:54:27
  • エロにマグマラシを登場させるのは避けては通れない道です(
    リルはまことにけしからんです。野生時代に孕みまくって何匹か子供産んでてもおかしくないくらい淫乱です。
    犬歯はオオタチを語るに当たっては絶対にはずせないです! 長い尻尾使って、とかもいいんですけどね……っていうか全部かわいいです!
    コメントありがとうございました。
    ――朱烏 2013-04-16 (火) 00:33:28
  • 最初、このコメント欄で小悪魔コスプレが似合いそうなオオタチちゃんですねと書くつもりだったんですよ。
    そしたらまんま絵に描いた様に具現化してたのでめっちゃビビリましたw いやー、とても絵がお上手ですね。
    可愛い華奢なフォルムと肉食系の淫乱さはまさにサキュバス! ここまで淫乱だともはや肉体言語でコミュニケーション取ってる感はありますねw 
    オオタチは攻めも受けも万能ですね。
    ―― 2013-04-16 (火) 01:50:30
  • 実は来る感想を予測して絵を描いていたんですよ(嘘)
    おまけ的な代物ですが、上手いと言っていただけて嬉しいです。
    オオタチが肉食じゃなかったらまずこの小説のネタを思いつくことはなかったでしょうね。淫乱は正義!
    もっと受けも書ければよかったかなと思います。
    コメントありがとうございました。
    ――朱烏 2013-04-17 (水) 23:54:08
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あとがき(白抜き反転)↓
久しぶりの官能です。『紅い硝子玉は輝かない』を書き終わってから一年以上経ってましたね。物語を書いてる途中で方向性や着地点が二転三転するのは珍しくないことです。が、今回は結構大胆に方向転換しました。元々は純心なリルが乱れる姿を見たヒヅキが百合に目覚めてしまい、激昂してきたリルを返り討ちにしてあんなことやこんなことをするっていう構想でした。でも先にタイトルをぶちこんでしまったにもかかわらず、同性愛はわりと(?)ありふれたもので「歪んだ愛」にはならないだろうと思ったんですよね。じゃあリルを淫乱ビッチ博愛主義者(注:実際の博愛主義者とは全く意味合いが異なります)にしてしまえば「歪んだ愛」を表現できるんじゃないかと思い立って、思いっ切り後半の舵を切りました。結果ご主人様が空気になりました。反省。ところでオオタチってなんであんなに可愛いんでしょうね! 浮気してしまいそう! いやマグマラシが至高なんですけどね!


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Last-modified: 2013-04-16 (火) 00:00:00
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