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くろいまなざし

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どうぶつ村の商人の第2回変態選手権作品
くろいまなざし
※この作品には『青姦』『強姦』『肛虐』『自慰』『失禁(♂)』『69』『唾飲』『同性愛(♂)』『粘着プレイ』『覗き』『暴力』『屁ネタ』『幼児愛』『3P』『4P』などが含まれております。ご承知ください。


第一幕・恋は猛毒のように 

 漆黒の闇の彼方から、今宵は世界のどんな円よりもと謳われる真円を成した月が静かに優しく、愛し合う恋人たちを見つめていた。
 そして僕、カクレオンのアレックスも、その眩い月に照らされた恋人たちを闇に隠れながら眺めていた。
 広大な森林公園の一角にあるベンチの上で、切なげに身を絡ませ合うひとつがいを。

 男の名はザングースのヒロミ。

 女の名はハブネークのリエ。

 トレーナー同士の仲が悪く、度々バトルステージで血が滲む程に競い合わされ続けている2人だったが、いつしか密かに想い合う様になっていた。
 悲恋のカップルだとこの辺のポケモンたちの間じゃ専らの噂だ。
 毎日、毎夜、トレーナーが眠りに就いた後に2人はモンスターボールを飛び出してこの公園にやって来る。
 実は僕を含めて多くのポケモンが同じ様にささやかな夜の自由を楽しんでいたりする。人間たちには内緒だ。
 そうして互いにそれぞれが傷つけた身体と心を慰め、癒しあい、愛を育んでいた。
 今宵は絶好の場所が取れた。彼らの密やかな情事をじっくりと観賞させてもらおう。
 彼は彼女に口付けて、どくどくと溢れる猛毒の唾液さえ甘露の様に啜り、舌を、吐息を、視線を、そして想いを交わらせる。
 2人の切ない溜息に合わせて僕もゆっくりと息を吐く。覚られない様に。
 彼の掌が彼女の鱗を撫でる。彼の爪が引き裂いた傷痕を埋める様に。
 僕もそっと自身を撫でて熱く勃たせた。
 彼女の尾が彼の背を抱く。彼女が締め上げた痣を労りながら。
 僕も勃った自身を握り締めた。ゾクゾクと快感が背筋を登る。
 そしてやがて彼の指先は彼女の最も深い、耐え難いほど疼く傷痕を確かめる。
 僕は彼らの側に忍び寄り、彼の指の求める先を追いかけた。
 主に認められない恋を求めて涙にも似た雫を滴らせる秘裂を。
 愛液の雫につられて、危うく僕も涎を零しそうになった。
 彼の指先は彼女の雫を拭うと、そっと挿し込んで抉じ開ける。
 涎を慌てて拭い、僕は開かれたそこを覗き込んだ。
 紅蘭の花弁にも似た美しい粘膜が、外気に晒され月光に照らされて煌めく。
 余りに扇情的な色彩に眩暈しそうだ。
 秘部を弄られた彼女は、刺激にたまらんとばかりに身を捩り……
 目が、合った。
「きゃぁっ!!」彼女の驚愕の悲鳴が宵闇にこだまする。
 しまった。つい見とれて気が緩んだ。
「ヒロミさん! 誰かそこで見てるっ!」
 大失態だ。どうしよう……。
「誰も見ていないよ。リエ」
 振り向きもせずにヒロミさんは言った。
「でも……今そこに確かに……」
 リエさんが不安げなのは羞恥の為だけじゃない。トレーナーたちに2人の密会を知られるのを恐れているのだろう。
「大丈夫だよ、リエ。心配しなくていい」
 ヒロミさんが優しく囁く。
「こんな時間にこの公園にいる様なポケモンは大抵みんな内緒で出て来ているんだ。だから俺たちの事を誰にも言ったりしないし、俺たちも彼らの事を気にしてはいけない。俺たちも彼らも、ここにはいないはずなのだからね」
 僕はほっと胸を撫で下ろした。ヒロミさんはよく理解してくれている様だ。
「じゃあ、ヒロミさんは気付いてたの……?」
 唖然とした顔で聞くリエさんに、ヒロミさんは苦笑して言った。
「いつもずっと見てたよ、覗き屋(ピーピングトム)さんたち。見たいだけ見せてあげようよ」
 覗き屋(ピーピングトム)なんて無粋な呼ばれ方は嫌だな。恋人観察者(ラバーズウォッチャー)と呼んでおくれよ。
 リエさんは頬を真っ赤に染めて、ヒロミさんのふかふかと温かそうな胸に顔をうずめた。
 ヒロミさんの配慮はありがたいけど、相手に見られている事を意識されてはこちらとしては興醒めだ。
 再び愛撫が始まる。秘裂を這う彼の指が蜜壷の奥へ忍んで行き、彼女の喘ぎに熱が篭っていく。
 勿体無いけれどもう退散した方がいいだろう。御2人さん、邪魔してごめんね。
「ああっ! ああぁっ! もっと深く来てっ!! ヒロミさん、あいしてる……」「俺も、あいしてる。行くよ……リエ」
 2人の嬌声を背後に聞きながら、僕は静かに彼らの側を離れていった。
 やがて濡れぼそった指を引き抜くと、彼は彼女をベンチに横たわらせて跨り、1つになった。
  僕は目を後ろに向け、まぐわい合う2人を見ながら立ち去った。今夜もお幸せに……。
 僕はこの公園に通い始めて1ケ月足らずの初心者(ビギナー)。まだまだこんな失敗も多い。
 今度こそ油断しない様に恋人観察(ラバーズウォッチング)を楽しもう。

第二幕・誘爆の甘い罠 

 こんなに素敵な満月の夜になると誰もが狂気(ルナシー)に酔いたくなるのだろう。
 僕自身も何だかいつもよりかなり高揚していた。
 耳を澄ませば公園中から密かな囁き、押し殺した吐息や嬌声、そして肉体の交わる音などが夜風に乗って聞こえてくる。
 僕らにとってはまさに絶好の観察日和だ。
 茂みが揺れている。その向こうから妖しげな香りと、湿った軟らかいものが擦れ合う音、それに伴ったすすり泣く様な声がする。
 音を立てない様に静かにその茂みを掻き分けてみた。
「だめ……お願い、もうやめてぇっ……」
 一瞬「レイプか?」と眉を顰めたけど、よく聞くと声に嫌悪の響きはなく甘えている様な感じだ。
 茂みの奥で一組の恋人たちが、巴の姿勢で互いの股間を愛で合っている。
 どうやら僕の知らない恋人たちのようだ。
 仰向けになった彼女の天を向いた黒い後肢の間を、その上から嘴で愛しげに突付くポッタイシ。
 下の彼女の方は、僕の位置からだと茂みとポッタイシが邪魔になって黒い脚しか分からない。
 ポッタイシの尾の下からの舐音は彼の頭が下がる度に途切れ、快感を示す声を上げる。
 彼の羽根によって開かれ、突付かれている彼女のそこは淡い桃色で、まだ処女ではないかと思われた。
「ペンタさん、もういいよぉ……これ以上されたらまた私、あなたを……」黒い脚が震える。呼吸が激しい。
 彼女はもう今にも爆発寸前といった感じだ。
「かまわないよ。私は耐えて見せる。愛している、ヘクサ……」力強く言い、なおも彼は激しく攻め立てる。
 ポッタイシはペンタさんで、下の彼女はヘクサさんか。何か悩みでもあるのだろうか?
「ああああっ! イっちゃうっ!!」彼女の尻尾が波打った。身体に比べて大きめの尾。ふさふさの黒い毛で背の側だけが白くなっている。
 ってまさかヘクサさんって、スカンプー!? や、やばいっ!!
「もうだめぇ! ごめんなさいいぃぃぃっ!!」
 事態を察した僕は、踵を返して大慌てで茂みを一目散に飛び出した。
 彼女の絶叫に続いて爆音が、ブゥとかプーとかいう可愛らしい音色ではありえない凄まじい爆音が轟き、周囲の木々を揺らす。
 背後から迫る衝撃と破壊的な刺激臭から、僕は死に物狂いで逃げた。
 いやまいった! まさか本当に爆発寸前だったとは。
 なんとか給水所まで息も絶え絶えに辿り着き、刺激に沁みる鼻と目を濯いで辺りを見渡すとそこは、
 公園の中央にある噴水広場。豪華に飾られた噴水塔から流れ落ちる飛沫が月明かりを受けて煌めきながら弾けている。
 我に返ってふと気になった。あの爆心地に直接顔を突っ込んでいたペンタさん……生きているのだろうか?。
 背後の木々からは先程の惨禍の芳香が風に乗って漂ってくる。さすがに戻って確かめる勇気はちょっと無い。
 ペンタさんがエンペルトだったら、毒ガスも平気だし爆発にも耐えられただろうに。
 ヘクサさんがスカタンクだったら、暴発しない様に毒ガスを制御できただろうに。
 いやはや、恋に逸ると大変な事になるもんだ。

第三幕・天使の(キッス)・B・C 

「ああぁっ、きもちいいよう……」噴水の向こうから水音に紛れて甲高い声と、澄んだ鈴の音が聞こえる。
 どうやら次の観察対象(ターゲット)と遭遇したみたい。
 揺らめく流水の向こうに見える、重なった2つの丸い影。この綺麗な鈴の音からしてチリーンと、ピッピかプリンだろうか?
 ゆっくりと回り込み声と音色の主たちを確かめた僕の目は、彼らの姿同様に丸くなった。
 ……違った。噴水の縁の上で揺れていたその恋人たちはリーシャンとププリン……まだ幼いベイビィポケモンたちだった。
 おいおい、恋に逸り過ぎにも程があるだろうこのマセガキどもめ。
 リーシャンはププリンに飾り紐を巻き付け、彼女の甘い〝天使のキッス〟をその鈴口(くちびる)で受けながら、下腹部を激しく擦り付けてリズミカルな音色を奏でている。
 うわ、もう挿れてるよ。僕でさえ本番の経験はまだなのに最近の子供ときたら……。
 この様子では先の爆音などリーシャンの鈴の音と噴水の水音、そして快楽に紛れて聞こえやしなかったのだろう。
 ちなみに僕は幼児趣味はないのでこんなお子様ランチに食指は動かない。 
喜坊(きぼう)くん、喜坊くんっ!きょうはちゃんとそとにだしてようっ! あかちゃんできたら命理(いのり)こまっちゃうっ!」
 今日はって……どれくらい深い仲なんだろうこいつら。
 ププリンの命理ちゃんが息も絶え絶えに、上で腰を振るリーシャンの喜坊くんに訴えかけているけど、
 外出しなんかしたって避妊にはならない。先走りに混じった精液でも妊娠することがあるからな。
 喜坊くんの方は命理ちゃんの〝メロメロボディ〟と天使のキッスの感触にすっかり陶酔してしまっている様で一心不乱に鈴音を鳴らし続けるばかり。
 中出しが嫌なら避妊具を使わなきゃ。便利な事にこの公園の入り口に自販機があるw ヒロミさんたちもいつも使っているんだぞ。
 とうとう彼はけたたましく鈴を打ち鳴らして絶頂に達した。
 やっちゃったか。まぁ種族も違うし、しかもリーシャンやププリンじゃ性的に成長してないから妊娠する心配はないと思うけど。
 2人のつながった場所から透明な蜜が大量に溢れだす。
 やっぱり精液は出ていない様だ。それでも一応着けるのが礼儀だろうと思う。
「あ~あ、喜坊くんたらまたなかにしちゃってぇ……」涙目になってぐったりと弛緩する命理ちゃん。
 今僕が姿を現していろいろ教えておくべきかな? ……ま、いいか。周りの大人たちを手本にしてそのうち覚えていくだろう。
「ごめん……あんまりきもちよくって……」コロコロと喜坊くんが彼女と頬を擦り合わせる。
 僕は伸ばした舌を噴水に浸し、勢いをつけて喜坊くんのお尻めがけて振るった。
 噴水池の水が跳ね、水滴が喜坊くんのお尻の上で弾けて鈴の音が凛と高く響く。 
 これぐらいの指導はしておいてもいいだろうw
「きゃっ!」「どうしたの? 喜坊くん」「いや、きゅうにみずがとんできて……?」
 しっかりやれよ、青少年たち。
 キョロキョロと辺りを見渡して喜坊くんは不思議そうに首を傾げた。
 さぁ、そろそろちゃんと気持ち良く抜けるカップルを探さなければ。
 どうせなら最高の熱愛シーンを見ながら1発イキたいものだ。
 さっきヒロミさんたちのところで抜き損なっちゃったからもう疼いて仕方がないよ。

第四幕・抱擁の神秘 

 周囲の嬌声は爆発があってから少し静まっていたところもあった様だけど、今はもう元の艶っぽい熱気を取り戻している。
 その嬌声を1つ1つじっくりと吟味しながら、僕は歩き出した。
 噴水広場を抜けて奥の森に入る。木々の間をこだまする様々な恋人たちの奏でる旋律。

 幸福の頂点へ向けて一息に上り詰めようと急ぐ忙しないそれ。

 内から膨れ上がる過激すぎる鼓動に怯え震え合っているそれ。

 相手の身も心も侵略せんと攻めかかるそれと、それに負けず耐え抜こうと歯を食いしばるそれ。

 そして触れ合いの悦びと、相手への尊敬と信頼に満ちた……これだ!
 まさに僕好みの大人同士でしっとりと情熱的に愛し合っている男女の放つ鼓動。これを探していたんだ。
 その気配に向けて、森の茂みの中を進む。
 行く手を邪魔する枝を手際よく切り落としながら、逸る心を抑え忍び足で歩を進めて行く。
 濃厚な愛の気配がだんだんと近付いて来る。
 過激な恋もいいけれど、やっぱりメインディッシュはこうでなくっちゃ。
 もう目の前の茂みの向こうに微かに蠢いて見える、深く強く重なり合う2人の姿。
 慎重にその茂みに隙間を作る。いよいよだ。
 木漏れて来る悦楽の海に溺れる様な呼吸音と、まるで……粘り付く様な異臭?
 一瞬ヘクサさんの時のことが頭を過ぎった。
 だが彼らの気配はまるで満ち溢れた幸福で互いを包み合っている様で、何の不安も感じているとは思えない。
 意を決して隙間に頭を潜らせる。異臭が一段と激しくなった。
 茂みの向こうにいたのは、仰向けに寝そべった彼と、その中心に腰を下ろし彼の大きな双椀にすっぽりと抱かれて恍惚の微笑を浮かべる彼女。 

 その彼女の顔が、月明かりに照らされて。
 驚愕の余り、僕は色を失った。
 信じられない。限界まで開いた目をどれだけ飛び出させても、その目に写る光景をまるで理解できない。
 ジェナ姉さん……そこにいたのは紛れもなく、僕のトレーナーのところで一緒に暮らしているサーナイトのジェナ姉さんだった。
 彼女は僕たち後輩には優しくて面倒見がいいけど、美人でもてるのに異性の誘いにはいつも素っ気無い。
 エビワラーさんとか、ロズレイドさんとか、デンリュウさんとかの並み居る美男子たちがどんなに声をかけても悉く毅然と袖にしていて、しっかり者で身持ちの堅い孤高な女性だと思っていた。
 そのジェナ姉さんが……こんな夜の公園で、いつもクールに引き締めている頬を満開のチェリムの色に鮮やかに染めながら、誰にも隙を見せて来なかったスカートのスリットをだらしなく開き、細い両足の間に愛液を滴らせて男を受け入れているなんて!
 しかも相手の男は……うそだろ……!? 清掃局のベトベトンさんじゃないか!!
 毎日黙々と街を奇麗に掃除してくれているけれど、その汚れが染み込んでいるみたいな匂いがして臭くて気持ち悪いと多くの人が近寄るのを避けているベトベトンさん。名前は確かオプチコンさんだっけか。
 一体全体何がどうなってこの二人がこんな事になっているっていうんだ!? 絶叫したくなるのを必死にこらえながら、僕はその場で硬直していた。

「……好き……」

 ……!
 紅潮した頬を撫でるドロドロの掌にもたれながらうっとりと目を閉じてうわ言の様に呟いたジェナ姉さんの一言で、僕は我に返った。
 そうだよね。僕がこの場所に誘われたのは、一番幸せに満たされた愛の気配に魅かれての事だったじゃないか。
 つまりはそういう事だ。それだけの事だ。どうなっても何もない。
 それにジェナ姉さんは生真面目で外観より本質を大事にする女性だから、他人にどう思われても街の為に地道に働くオプチコンさんの様な男性は、どんな逞しいスポーツマンや煌びやかな美男子よりも、きっとハンサムに感じるのだろう。
 なんだ。似合いのカップルじゃないか。
 彼の湿った掌が彼女の頬から首筋を通って胸を、腰を、まるで巨大な舌で舐めているかのように愛撫していく。
 黒く濁った汗が白い曲線を流れ落ち、月光に照らされた彼女の素肌に虹色の光沢を作る。綺麗だ……。
 いつしか僕のそれは僕がここに来た目的を思い出していた。
 ジェナ姉さんたちはまるで周囲の空気すら無いかの様な2人だけの世界に浸って交わるのに夢中で、すぐ側で見ている僕の事にも気付かない。
 予定通り、2人の悦びを少しだけ分けてもらおう。
 深呼吸してもう一度身を隠し、張り詰めた自身を掴む。
 オプチコンさんの漆黒の肉体を包む汗は〝粘着〟質で、ねっとり触れ合った箇所が離れる度にテラテラと煌めく糸を引く。
 糸に引っかからないように気をつけないと。覗いているのがバレたら大目玉じゃすまないぞ。
 粘着はジェナ姉さんのスカートの奥へと深々と入り込んだ先端にも及び、がっしり秘奥に食い込んだその様はまるで臍の緒さながらだ。
 その秘奥の感触を想像しながら、僕も僕のそこに力を加える。
 彼の律動の度に彼女は内側から引き出されそうになる。
 2人の律動にあわせて、僕の手も自身を愛撫する。
 彼女の脈動の度に彼は内側へと引き込まれそうになる。
 あれ? 僕は不思議に思った。
 つながって引き合う2人の間に避妊具が見える。
 未婚の男女が関係を持ちたいのなら避妊は当然だし、さすがに姉さんたちはその辺きちんとしている。でも、 
 普通に考えればその部分を粘着させても避妊具にくっつくだけで、普通に滑らかに突き動くだけの筈だ。なのに、
 何度見ても間違いなく張り詰めた避妊具の表面に、愛蜜に潤った紅の内壁が引き付けられている。 
 何故かオプチコンさんの黒々とした先端は避妊具に包まれたまま、確かにジェナ姉さんの秘奥の底に粘着してるんだ。
 これではまるでジェナ姉さんの方が……!? そうか!〝まるで〟じゃない!
 それは姉さんの側からも粘着しているから。彼の粘着を〝トレース〟して……!
 凄い……僕の感覚に間違いは無かった。姉さんたちこそ今夜のベストカップルだ……。
 避妊具の膜越ごしにさえ磁石の様に引き合い結ばれて、2人は今正真正銘の1つにつながっていた。
 何だか身体の心からジンと熱くなって来た。
 彼の身体全体が波立ち、つながった場所に向けて力強くうねる。
 僕の中で熱くなったものが膨れ上がる。
 彼女はしなやかな肢体を何度も跳ね上がるように仰け反らせ、悲鳴に似た声を上げる。
 膨れ上がったものがどんどん込み上げて来た。
 彼の呻きが、彼女の喘ぎが、官能の和音を高らかに響かせる。
 限界が近い。込み上げてきたものが溢れそうだ。
 ついに2人は絶頂を越えた。避妊具の中に愛の証を脈々と注ぎ込む彼を包み込んだ彼女もまた、迸る潮で彼を濡らす。
 僕は身体を引いた。今にも堰を切って溢れ出しそうなものが2人にかかってしまわない様に。
 果て切った彼女は粘液の糸に導かれるまま、彼の身体の海へと崩れ落ち深く沈んでいった。
 もうだめだ。我慢できない。溢れて―――零れる。
 零れ落ちた雫が、足元の草を、濡らした。
 あれ? ……零れて来るものが止まらない。っていうか何で僕泣いてんだろ。
 涙で霞んで姉さんたちの姿がよく見えないや。
 お陰で下の方は途中からすっかり萎えてしまった。
 重なり溶け合った2人の満足げな吐息が周囲に満ちていく。
 僕がゲットされたばかりの頃、故郷に帰りたくて泣いてた僕を優しく慰めてくれたジェナ姉さん。あの頃は寝付くまで頭を撫でてくれてたっけ。
 僕が新しい技を覚える度に褒めてくれた。行き詰ったときはいつでも相談に乗ってくれた。憧れだった、大好きな、大好きな……
 馬鹿だなー、僕。今更姉さんへの想いに気付いちゃうなんてさ……。
 元の茂みに戻り、来た道へと進む。
 今夜はもう……帰って寝よう。
 こういう事(のぞき)やっていると、いろいろ見れる代わりに見たくも無かった事まで目に入って来る。いい勉強になった。
 いずれ姉さんたちは2人の恋をみんなに打ち明けるだろう。結婚するために。その時は僕が真っ先に祝福してあげよう。
 月は変わらず、優しく地上を見つめている。
 うん……きっとそうしよう。
 森を抜けて、広い公園道に出た。その時だった。
 !? 何だ? この音……
 耳障りな不協和音が、噴水広場の方から響いて来た。

第五幕・墓穴を掘る男たち 

※ここから先は『暴力』『強姦』『失禁(♂)』『肛虐』『同性愛(♂)』などの表現が含まれています。ご注意ください。
 先程までリ-シャンの喜坊くんとププリンの命理ちゃんが、幼い愛の音を懸命に奏でていた噴水広場。
 異音を聞きつけ駆けつけた僕が見たのは、
 噴水の横で蠢く2つの大きな影。
 それは黄色に黒縞の巨体のエレキブルと、コバルトブルーの身体に電光に光る鬣を持つライボルトだった。
 エレキブルは何かを両腕で抱え、ライボルトはそこに顔を突っ込んでピチャピチャと音を立てて舐めているようだ。
 エレキブルの手の中を見た僕は愕然とした。
 舐められていたのは……命理ちゃんだった!
 エレキブルに手足を拘束され、黒光りする太い尻尾を口にむりやりねじ込まれ、悲鳴も上げられない状態で開かれた股間をライボルトの餌食にされていた。
「グヘヘヘッ、いい味だ」
「さすがメロメロボディ、小さくてもいい具合だぜ」
 下品な声を上げる男たちの間で命理ちゃんは、ライボルトの舌が動く度に苦しそうにもがき震えながら頬を涙で濡らしている。
 喜坊くんはどうしたんだ!? 僕は周囲を見渡した。……酷い!
 不協和音の主は近くに倒れていた喜坊くんだった。無残に潰され焼け焦げた匂いを立てながら、必死にエレキブルたちに向けて濁った騒ぎ声を放ち続けている。
 こいつらがやったのか……こんな小さな子たちになんて事を!
「うるせぇな……おい、黙らせとけ」エレキブルの指示に、ライボルトが舌打ちして顔を上げ喜坊くんの方へと向かう。
 この上何をする気なんだ! 僕はもう黙っていられなかった。小さい子たちが傷つけられている事も許せないけど、それだけじゃない。
 この子たちが大怪我をしたら、人間たちはこの公園を危険な場所として夜間のポケモンの出入りを規制してしまうかもしれない。
 そんな事になったらこの公園で育まれている愛は、ジェナ姉さんたちやヒロミさんたちの幸せな時間は、そしてそれを見る僕の楽しみはどうなる!?
「オネンネしてな、坊主」ライボルトが喜坊くんをにらみつける。
 こんな奴らに壊させるもんか! 僕は念を解き放った。〝トリックルーム〟!!
 ライボルトが喜坊くんに手を出すより前に、噴水広場全体を結界が包み、見えない壁がライボルトの行く手を阻んだ。
「何だこれは!? 進めねえぞ!?」「どうした!? 何があった!?」
 二人が戸惑った隙に僕はエレキブルの目前に姿を現し、命理ちゃんを拘束している腕と尾に切り付けた。
「ぐぁっ!? なんだこいついきなりっ……」
 驚いて拘束を緩めたエレキブルの腕から命理ちゃんを救出する。
「何しやがる! 返せ……痛っ!?」僕たちを捕まえようとしたエレキブルの腕もまた見えない壁に遮られて止まる。 
 そして僕は彼女を抱え、見えない壁と奮闘するライボルトの脇をすり抜けて喜坊くんの元へと向かった。
「畜生っ、何で奴らだけ進めるんだ!?」ライボルトが壁を叩いて悔しげに呻く。
 今この噴水広場は僕の作り出した結界によって〝仮想迷宮(トリックルーム)〟になっている。
 この空間の中では速く急いて動く物は壁に動きを遮られ、ゆっくり緩慢に動く物ほど早く目的とする場所へと運ばれるんだ。
 喜坊くんのところに辿り着くと命理ちゃんが倒れた彼に向けて手を伸ばす。その手から光が広がり彼の身体を包んだ。
 驚いた事に、彼女はライボルトに陵辱されながらも喜坊くんの為にずっと『願い事』を祈り続けていたんだ。みるみるうちに喜坊くんは回復していく。
「大丈夫か? 起きられる?」
 僕の声に喜坊くんは力を振り絞って立ち上がった。少し麻痺しているみたいだけど、寧ろこのトリックルームの中ならより早く逃げられるはずだ。
「は……はい! ありがとうございます!」「おにいちゃん、ありがとう!」
「早く……いや、ゆっくり逃げろ! あいつらは僕が何とかするから!」
 答える代わりに喜坊くんは鈴を鳴らした。この音は〝のろい〟のメロディ!?
 正解だ! 本来自分の動作を抑えて精密に行動するためのこの技は、トリックルーム内では逆に身体を運ぶ速度を上げる。やるじゃないかお子様たち!
 たちまち2人は目にも留まらない速さで飛び去っていく。
「待て! 逃がすかぁ!!」
 壁にぶつかりながら二人を追いかけようとするエレキブルの目前に僕が立ち塞がった。なるべく派手な色に変色して、引き付ける様に叫ぶ。
「あんな良い恋人たちにこれ以上野暮な真似すんなよペド野郎!」
 そのやり取りの間に喜坊くんたちの姿は完全に見えなくなった。
「貴様ぁっ! よくも邪魔しやがったな!」
 怒り狂ったエレキブルが腕に火花を散らし〝雷パンチ〟で襲い掛かってくる。それを一瞬だけ姿を消してかわし
 巧みにやり過ごして、僕は壁にもがくエレキブルを尻目に広場を横切って噴水の影を目指した。
 あともう少しだけ、あの子たちが確実に逃げ切れる様に時間を稼がなきゃ……
 ふいに視界が真っ白になり、全身に衝撃が走った。
「ふん! いつまでも調子コイてんじゃねぇ!」
 勝ち誇ったライボルトの声を聞いて、あぁ、広場全体に〝放電〟されたのか……と理解したのを最後に僕は―――意識を失った。

 ★

「どうだ? ププリンは見つかったか?」
「だめだ! どこにもいねぇよ。折角の上玉だったのに……」
「くそっ、もう少し早く放電をチャージ出来てりゃなぁ」
 毒づく声に目を開けると、僕はライボルトに押さえ込まれていた。
 あの子たちは無事に逃げられたのか。良かった……
 安心したところで状況を確認する。
 かなり酷く麻痺していて、指一本動かすのにも渾身の力がいる。
 エレキブルが普通に走って来る。トリックルームの効果も切れてしまった様だ。
 そして―――よし!
 ライボルトの放電を受けた事で、僕の身体は奴らと同じ電気体質に変色していた。……概ね予定通りだ。
 もとよりこいつらを倒せるような技の持ち合わせなどない。
 また、どんなにトリックルームや変色を駆使したところで、たった1人で逃げ切れる自信もなかった。
 始めから囮になって子供たちを逃がしたら、わざと電撃を受けて早めに捕まるつもりだったんだ。
 自慢じゃないが頑丈さにはそこそこ自信があるし、電気体質の身体ならこいつらの電撃にも耐えられるはず。
 奴らの気の済むまで殴るなり電撃浴びせるなりすれば良いのだ。それでこの公園の平穏が守れるのならかまうもんか。
「で、こいつどうするよ? ボコって憂さ晴らすか?」
 僕の上でライボルトがエレキブルに聞いた。覚悟は出来てる。好きにしてくれよ。
「いいや」ニヤリといやらしい笑みを浮かべてエレキブルは言った。
「それよりこの野郎が逃がした女の代わりを勤めてもらおうぜ」
 エレキブルの股間のプラグがそそり立つ。「〝アナ〟を掘って、な!」
 ちょ……なんだって!? 〝アナを掘る〟!?
 まさか奴らがそこまで外道だとは……じょ、冗談じゃない!!
 何とかもがいて抵抗を試みるが、麻痺した身体はどうにも動かない。
「しっかり押さえとけよ。あとでお前にも俺が掘ったアナを使わせてやるからな。」
 そう言ってエレキブルは僕の両脚を持って広げた。夜風が股間に突き刺さる。
「ちゃんと拡張してくれよ。でないと俺のは入らねぇぜ……へへ」
 僕の上半身を踏みつけているライボルトの下卑た笑い声と共に、僕の顔の側で奴のプラグが揺れる。
 血の気が引き、怖気が全身を駆け巡る。こんな事になるなんて……
 電気体質に変色した事が完全に裏目に出た。地面系のアナを掘る攻撃は電気体質の防壁を流して剥き出しにしてしまう。
 この身体の、しかも急所をそんな技で抉られたら……
 僕は、壊される……殺されちゃうよ……
 ぷしゅぅぅ……弾けた水音と共に、生暖かい不快感が下半身を覆った。
「うわっ! 漏らしやがったぜこいつ」
「わははっ早くも潮吹きってか? 惨めな悪あがきだなぁ」
 男たちの嘲りを受けながら、しかし僕は悪あがきの余裕すら失っていた。
 失禁するほど脱力した腰はガクガクと震え、麻痺した舌は悲鳴すら上げられずダラリと垂れ下がり、飛び出した目は救いを求めて宙を掻く。何も、出来ない―――
 恐怖と絶望と悔しさが入り混じって涙腺から噴き出す。
 もし僕が取り返しのつかない事になって、それが原因でこの公園が危険な場所だと思われたりしたら……最悪だ。
 結局僕はジェナ姉さんたちの夜を守れない。犬死に以下じゃないか!
 嫌だ……誰か助けてくれぇ!!
「それじゃ、頂くぜ。カワイコちゃん」
 エレキブルのおぞましい声と、奴のプラグが放つベトベトンやスカンプーの臭いなどより遥かに耐え難い悪臭が、僕に覆いかぶさる。
 もうお終いだ。ジェナ姉さんごめんなさい、僕は―――

 その時。
 満月が落ちて来た。

「ぐぁぁっ!? なんだこりゃあ!? ま、眩しいっ!」
 突如どこからともなく月色の〝妖しい光〟が飛来し、今にも僕を貫こうとしていたエレキブルの顔面にまとわりついた。
 明滅し揺らめく光を払い除けようとエレキブルは立ち上がって腕を滅茶苦茶に振り回す。
「くそっ! 消えろド畜生! うおおおおっ!!」
 しつこく喰らい付く妖しい光に完全に錯乱したエレキブルは怒声を上げて闇雲に突進し、ライボルトに掴みかかった。
「うあっ!何をする、落ち着け! 俺が判らねぇのか!!」
 ライボルトの身体が浮き上がる。
 瞬間、拘束を解かれて自由になった僕の身体は、飛び込んできた一陣の黒い疾風に力強く包まれ運ばれた。
「よせ! やめろ! やっやめて……ひっ! ひぎゃあああああーーーーーっ!!」
 触れ合った静電気が電気エンジンを加速させ推力を増したエレキブルに圧し掛かられ―――最早形容したくもない攻めを受けたライボルトの、世にも悲惨な断末魔が夜空に響き渡る。
 助け出してくれた暖かい黒い肩に抱きかかえられながら、その向こうを僕は見た。
 混乱し正気を失ったエレキブルと、その下で泡を吹いて悶絶しているライボルトの傍らに、白い衣の影が降り立ち長く伸びた袖を二人に翳す。
 その白い袖から舞い散った粉雪が2人を覆い、重なってつながった体制のままカチコチに凍りつかせた。
 そして今度は緑の衣の影が凍った2人の背後に現れ、その目の神秘的な光でエレキブルたちを包み、宙に浮き上がらせてどこかへと運んでいった。
「大丈夫? カクレオン君」
 そっと耳に舞い降りて来た穏やかな声に顔を上げる。
 夜空に浮かんだ満月が、微笑んでいた。

第六幕・蜜月の光 

 柔らかい感触が唇を覆い、口内にピリッとした辛味が放り込まれ広がっていく。
 口移しでクラボの実を飲ませてくれた様だ。全身の麻痺が回復し感覚が戻ってくる。
「助けるの遅れてごめんね。リーシャン君とププリンちゃんは無事よ。あたしたちが保護しておいたわ。良く頑張ったね」
 エレキブルを妖しい光で惑わして僕を助け出してくれたのは、満月を額に宿した夜空の色のブラッキーさんだった。
 僕は彼女にしがみ付いたまま安堵の息を吐き、そのまま項垂れた。
 恐怖の余韻を身震いして振り払うと、今度は羞恥で身体が震えて来る。
 瞬く間に事態の全てを片付けてしまった彼女たちに比べ、自分はなんて無力で浅はかだったんだろう。
 もし彼女たちが助けてくれなかったら、あと少しで大変な事になるところだったんだ。
 居た堪れなくなってブラッキーさんが優しく抱きしめてくれた。
「カクレオン君はこの公園で交わされる愛の営みが大好きなんだよね。だから自分が犠牲になってでも守ろうとした。そうでしょ?」
 頭を撫でながら囁き掛けるブラッキーさんの言葉に、僕は小さく頷いた。
「その気持ちよく分かるよ。あたしたちも同じだもの。恋人さんたちの蜜月の悦びを影から見守る、君の仲間だよ」
 ……! そうか……このブラッキーさんも、さっきエレキブルたちを連れ去った白い衣のユキメノコさんと緑の衣のミノマダムさんも、みんな恋人観察者(ラバーズウォッチャー)の先輩たちだったんだ。
「だから一緒にこの公園を守ろう。今後ああ言う場面に遭ったら大声で助けを呼ぶの。うまくすればそれだけで相手を追い散らせる事もあるし、それが駄目でもあたしたちがいつでも駆けつけて絶対に助けてあげるからね」
「はい……はい!ありがとうございます!」
 震えはまだ止まらない。今はようやく助けられた実感が湧いたのと素晴らしい先輩たちに逢えた喜びとで打ち震えていた。
 彼女たちが毎夜ここで恋人たちを鑑賞しつつ警備してくれているから、恋人たちは安心して愛し合えるこの公園に集まって来るんだ。
 多分ザングースのヒロミさんが覗かれている事を承知で「見せてあげよう」と言っていたのも、この事を知っていたからじゃないだろうか。
「元気が戻ってきたようね。よかった」ブラッキーさんはにっこりと微笑んで僕の顔を覗き込んだ。
「ところで、聞いていいかなカクレオン君」
 はい?
「さっきはどうして途中でやめちゃったの? どこか体の具合が悪いって事はないよね?」
 さっき? 途中でやめたって何の事を言っているのだろう。
「ほら、そこの奥にいたベトベトンさんとサーナイトさんのところで」
 ……へ?
 な……なんでそれ、知って……?
「いつもならあれぐらい濃密なのを見たら1、2発は抜いてるんじゃない?」
 いつもって、確かにそうだけどいつもって一体……?
「1ヶ月くらい前からだよね。カクレオン君がこの公園に来るようになったの。いつも君がイク時の顔、側で見させてもらってたよ」
 からかうようにブラッキーさんが明かしたとんでもない告白を聞いて、僕は全身ショッキングピンクに変色していった。
 そんな……それってつまり……
 僕、ずぅ・・・っと覗かれてたってわけぇぇぇーーーーー!?
 飛び出たままの目を白黒させて呆然と立ち尽くした僕の頬をブラッキーさんの前足が掴んだ。視線が交わったまま固定される。
「出しそこなったんだったらさ、お姉さんにまかせてよ。お近づきの印と頑張ったご褒美も込めてサービスしちゃうぞ」
「え……えっと、あの……」
 彼女はそれはもう綺麗な女性で、だからその申し出はとても魅力的だった。でも、
 正直今夜はいろいろあって精神的にも肉体的にもへとへとだったし、漏らした跡が臭くて汚くて気持ち悪かったし、
 だから何とか失礼の無い様に断れる言葉を探そうとしたんだけど……
「勿論、受けてくれるわよね?」
 彼女の緋色の双眸に秘められた、夜の闇よりも〝黒い眼差し〟に捕らわれて。
 僕は、逃れられない運命を、覚った。

 ★

 黒く美しい顔が、立ち竦んだ僕の下腹に潜り込んで小気味よいリズムで舐音を弾ませている。
 彼女は嫌な表情も見せず、いや寧ろ嬉々として花弁の様な舌で汚臭に塗れた僕のそこを清めていく。 
 こんな風に粗相の世話をされると何だか赤ちゃんになったみたいだ。
 恥ずかしくて、心地よくて、僕は陶酔に身を委ねた。
 と、左の項を雪のように白く冷たい指先でくすぐられ、僕は驚きと冷たさとに跳ね上がった。
「ずるいわ夢会( ゆえ )ちゃん。私たちも混ぜなさい」さっきのユキメノコさんだ。
 そして今度は右の脇をちくちくと硬い感触が撫でた。振り向くとミノマダムさんが草木の蓑を擦り付けていた。
「そうよ玩具の独り占めは良くないわ。みんなで楽しみましょうよ」
「ん、いいけど、一番乗りはあたしだからね」とブラッキーの夢会さんが舌なめずりをしながら答える。
 何だかさっきの状況と余り変わらなくなっている様な気がするのは僕だけなんだろうか。
 ともあれ、項への冷気と、脇への刺激と、股間への温もりというトリコロールの快感を受けて僕はたちまち自身をむき出しにされた。
 準備が整ったと見るや、3人は僕の身体をそっと仰向けに横たわらせる。
 未知の快楽への期待と不安がまぜこぜになって、激しく高鳴る僕の心臓の鼓動が地面に跳ね返って聞こえてきた。
「ところでカクレオン君って、これまで女の子とした事とかあるのかな?」
 夢会さんの質問に僕はますます朱く染まりながら、首を横に振った。
「きゃあ嬉しい! じゃあ本当にあたしが一番乗りだねっ」
 紅玉の瞳を輝かせた夢会さんが僕の上に跨って来る。
「ちょ、ちょっと待って! いくら何でも生でしてもらう訳には……」
 慌てて下の方を見ると、いつの間にやらしっかり避妊の準備が施されていた。何という手際の良さ。感心している間に、
「いいよね? じゃあ、いくよ……」
 頭上の夜空をもう1つの夜空が覆って、僕は、僕の全ては、彼女という夜の帳の中へと包み込まれていった……。

 ☆

 ★

 ☆

 静かで暖かい漆黒の世界の中を天国へと向けて突き上げられながら、僕はふと思った。
 今こうしているこの姿さえも、誰かがどこかから覗いているんじゃないかって。
 ……ていうか確実に視線を感じるし。それも沢山、そこら中から。
 大勢の視線( まなざし )に、僕は、見られてる……
 天国の門が目の前に迫る。勢いを増して突き上がった僕の体が門を押し開けていく。
 その先は……その向こうに見えるのは……
 ダメェェェっ! そこで見ている人たち! お願いだからこれ以上見ないでよぉ!
 恥ずかしいじゃないかあぁぁぁぁぁああぁっ!!



アレックス「次は//を使って隠れてみようか」
狸吉「無茶を言うんじゃないのね!」


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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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