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かわいい娘のロコンが進化したらえっちすぎたので僕の息子も進化しそうです(11)

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【目次】
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かわいい娘のロコンが進化したらえっちすぎたので僕の息子も進化しそうです 

(11)他人 


 宿まで送ってもらった二人は、ウインディの方がキュウコンを担いで部屋に戻った。ウインディはしめて八千七百四十ポケをブーピッグに支払った。キュウコンは寝言を言っていた。
 宿と言っても、快適な寝床と屋根と床と仕切りの板が安置されているだけの簡素な作りだ。普段天幕で過ごすようなウインディたちにとって、頑強な壁は必要なく、柔らかくて伸び伸び体を休められる場所があれば十分だった。
 二人は寝た。ただ寝た。酒を体から抜くのが最優先だった。わざわざ別々の寝床を用意したのに、寝ぼけているうちに互いが互いをがっしりハグしながら寝た。
 変な時間に変な体調で寝た彼らの自律神経は狂ってしまい、変な時間に目が覚めた。酒を大分分解したウインディがのっそり起き上がった。窓をみやると、外は暗く、静まり返っていた。相当深い夜らしい。ウインディは頭を抱えた。二日酔いである。
 「いてて……」
 ウインディは、キュウコンと違って酔っても記憶のなくならない方だった。キュウコンが酒場で彼を受け入れた時の声を忘れていなかった。それは雄との生殖をねだる艷やかなメスの声だった。思い出しただけで、ウインディの心拍はじわりと上がっていった。この暗がりにあって、キュウコンは無防備に寝顔を晒していた。今なら、起こさない限り何でもできそうだ。
 ウインディはしげしげと彼女の顔を見つめていた。彼女が生まれてからの付き合いではあるが、キュウコンになってからはまだ一週間ほどしか経っていない。彼女の寝顔をじっくり鑑賞する暇も、今日までなかった。
 酒酔いの醜態とは打って変わって、彼女の寝顔は美しく整っていた。儚く透明感のある毛皮と、小さな輪郭となめらかな相貌。心地よさそうに閉じられた瞳とそれを守るために生える消え入りそうなほど細い睫毛(まつげ)。これだけの美貌をもちながら、何故戦いの場に身を乗り出すのか。環境さえ整えば、社交界で名を上げることも容易いことだろう。
 コジョンドに(尻以外の)刺激を受けても勃たなかったウインディの陰茎は、おもむろに熱を帯びていった。ウインディの本能は彼女を種付けの対象として欲していたのだった。今日に至るまでは、立場や怪我の問題でその想いを吐き出すことができなかったが、今やそれらの障害は取り払われた。
 ――娘に手を出すのはまずいんじゃないかな。
 リングマの言葉が思い出される。しかし既にウインディは不惑の境地に立っていた。彼にとって、キュウコンは娘であり、恋人であり、妻になるはずの存在だった。焼け落ちた森の中で交わした娘との会話が、彼を正直にしていた。
 「キュウコン……」
 彼は、眠るキュウコンに頬を擦り寄せた。彼女の体温がじんわりウインディに伝わる。ウインディはアブソルに付けられた傷跡の残る、ごつごつした頬で、キュウコンを壊れ物を扱うかのような力で触れた。
 キュウコンは、酒臭かった。
 ウインディは苦笑しつつ頬を離した。酒臭いのは双方とものことであるし、少しぐらい粗野なところのある方がキュウコンらしく思われた。彼女はただの凛とした春蘭ではない。
 「かわいいな。お前は」
 ウインディは軽くキュウコンの耳の裏に爪を立て、優しく掻いた。つんと尖った耳がぴこぴこ動く。寝ていても耳の裏は気持ちいいのだろうか。楽しい反応にウインディは何度もそこを掻いてやる。
 執着する爪で途中キュウコンが起きてしまっていたが――ウインディはそれに気づかず、キュウコンもしばらくはされるがままになっていた。
 ウインディの愛撫がエスカレートして、耳を揉みしだこうとした頃合いになって、キュウコンは寝返りを打って、真っ赤な瞳を父に向けた。ウインディは目を丸くした。
 「起きていたのでした」
 いたずらっぽく舌を突き出している。キュウコンを起こしてしまったウインディは一寸(ちょっと)の間停止したが、彼女の様子を見てにやりと口角をあげた。
 「嘘をつくなんて、悪い子に育ったな」
 「親の顔が見てみたいわね」
 キュウコンの親は言い返した。
 「そいつは今どんな顔してる?」
 「とっても悪そうな顔してる」
 そういうキュウコンの口角は挑発的に歪んでいた。彼女の方がよほど悪そうな顔つきをしていた。
 「キュウコン」
 ウインディはキュウコンに覆いかぶさった。キュウコンはウインディの体重を一身に受けて、深く息を吐いた。ウインディはキュウコンの耳をマッサージしながら囁いた。
 「なんだか、清々しい気分だよ」
 「どういうこと?」
 「お前が娘だからって我慢しなくていいと思えると、すごく楽なんだよ」
 「バカな人」
 キュウコンは鼻で笑った。
 「私なんか我慢したことないわ」
 「そうだったな」
 キュウコンは進化したその日に父に性交を持ちかけるほどの色魔だった。沈黙が流れる。二人の間でこれ以上交わす必要のある言葉などなかった。
 この時ばかりは、ウインディから持ちかけた。
 「いいか」
 求愛する。
 「来て」
 手短に答えた。
 ウインディがキュウコンの口にむしゃぶりついた。彼の接吻は、さながら砂漠にオアシスを見つけたかのようになりふり構わなかった。ウインディの分厚く、質量のある舌がキュウコンの口腔を蹂躙する。賤しく、罪深い舌がキュウコンを内側から攻め立てて、汚していく。犯されている。その感覚にキュウコンの瞳孔がぼうっと開かれる。キュウコンの舌は脱力していた。彼女が舌を返すまでもなかった。ウインディは貪欲にキュウコンの舌を吸って、甘噛みして、キュウコンの甘美な唾液をむさぼっていた。キュウコンはウインディの求めるままに、舌の裏、硬口蓋、頬の内側、牙の裏に至るまで、自分の口を埋め尽くすウインディを受け入れていた。
 「はぁ……ぁ……」
 かぶりつくような接吻が途切れた。キュウコンの吐息が、彼女の意思に関係なく声帯を震わせて、切ない音を作っていた。ウインディは二人の唾液が混ざった涎が垂れるのに構う余裕もなく、蕩けているキュウコンに目を降ろした。彼女はウインディを失ってぽっかりと寂しそうに口を開いていた。牙が、舌が、喉の奥まで見える。「ここのいちばんおくまであなたでうずめてください」――そう渇望しているかのようだった。
 「ぅ……!」
 ウインディの捕食行動が再開され、獲物が哀れな鳴き声をあげた。開かれた口をウインディが塞ぐ。二人の長いマズルは組木のように合わさって、二人を固くつなぎとめている。ウインディの鋭い牙がキュウコンの口角に突き立てられている。本当にそのままキュウコンを食らい尽くしてしまおうとしているのか、彼の牙は口角を通り越して頬にまで達そうとしていた。二人の舌は、最早相手の口腔に居座る割合の方が多かった。ほとんど根本から、撚り糸のように絡まりあった舌同士が、まるで一つの舌になってしまったかのような錯覚を二人にもたらしていた。融け合って一本になった舌は、ウインディとキュウコンの奥を撫で回して、どちらがどちらか分からなくなるような感覚をもたらしていた。
 ウインディは舌を引き抜いて、天井を見上げた。彼の息も辛そうなほど乱れていた。性感帯でもなんでもない舌同士の愛撫で、ウインディはこれまでにない興奮を覚えていた。ウインディの下で横になっているキュウコンの荒い息遣いが彼の耳の届く。ウインディがキュウコンに目を戻すと、彼女はほとんど泣きそうになっていた。キュウコンが懇願した。
 「も、もっと……」
 応えずにはいられなかった。ウインディは底なしに求めるキュウコンの口腔に横たわる舌を吸い上げて、舌を巻き付けて、扱き上げてやる。キュウコンが言葉にならない嬌声をあげて、後脚をびくり、びくりと震えさせる。キュウコンの口は今や性器だった。ウインディはその性器の中で狂おしく悶える彼女の触手を、内壁に押し付けたり、先端を噛んだり、触手が舌に巻き付いてくるのを相手したり、彼女が感じるようにできるだけのことをしてやった。はしたなかった。今後キュウコンが何かを食事を取る様子を、もうウインディは普通の目で見ることができないだろう。
 今度はキュウコンの方から舌の繋がりを解いた。
 「ぁーっ、はーっ、あー……」
 彼女は放心していた。うつろにウインディに見つめ、口腔を開け放していた。ただ三回ほど接吻しただけでこの有様だった。彼女のメスの本能がウインディをよほど強く求め続けていたのであろうことが伺われた。まだいくらか余力の残るウインディはほくそ笑んで、彼女を嘲った。
 「まだ何もしてないじゃないか」
 言って、息も絶え絶えのキュウコンの鼻先に軽く口付けた。彼女は答えられなかった。
 ウインディは、前脚をキュウコンの下に伸ばした。
 「あっ……!」
 ウインディがキュウコンの秘部に触れると、そこは火傷しそうなほど熱を帯びて、熟れた果物のように柔らかいものが果汁を滴らせていた。ふっくらとした陰唇で作られたスジの間に指を沈めて下から上になぞると、キュウコンが脚を伸ばしてその刺激に耐える。彼女はよく濡れていた。ウインディの指は一撫でで粘液に覆われた。
 「見ろよ。お前の愛液だ」
 ウインディはわざとらしく指にまとわりつくキュウコンの愛液を伸ばして、指と指の間に糸を引かせた。
 「いや……」
 キュウコンが恥じらって顔を背ける。が、ウインディはその指をキュウコンの眼前まで持っていった。
 「綺麗にしろよ。この指。お前のせいだろ」
 言われたキュウコンは、そっとウインディの指を口に含んで、粘液を舐め取った。指の間まで、入念に。愛液こそ拭われたが、結局ウインディの指は唾液によってむしろ濡れそぼっていった。キュウコンは前脚でウインディの手を押さえてまで、ウインディの指をしゃぶっていた。ウインディが指を引くと、キュウコンは玩具を没収された子供のような目を向けた。
 「いい子だ」
 ウインディは、キュウコンの唾液で湿った自分の指を軽く舐めた。
 「ご褒美をやらないとな」
 ウインディはキュウコンの下半身側へ、体を移した。キュウコンが身じろぎする。ウインディの顔はちょうどキュウコンの後脚の間に来ていた。
 キュウコンは、ウインディの顔を避けつつ、そっと後脚と後脚を揃えて閉じた。
 「やだ……」
 「何がいやだ?」
 「恥ずかしい……」
 ウインディは笑い声をあげた。
 「今更。……開けよ。脚を」
 ウインディがキュウコンの後脚を掴んで開かせる。キュウコンが哀しげな声を上げる。抵抗してはいるようだが、力は入れていないに等しかった。
 「すごいメスのニオイ……」
 ウインディは思わず前脚を鼻にやった。ウインディはキュウコンの陰部に目を降ろした。胴と腿と九本の尾が交差する中心にあるそれは、空気が滞留してキュウコンのフェロモンがむせかえるほど蓄積されていた。ひと嗅ぎしただけで鼻腔を満たすほど、キュウコンの陰部は発情期のメスの薫りを漂わせていた。酸、果実、そして脂のニオイ。そのニオイを発する元は、少しばかり毛が薄くなっていて、ほんのりと朱色に染まっていた。彼女の潤滑液はそこをしとどに濡らしていて、並の大きさのものであればぬるりと入り込んでいけそうであった。
 ウインディは、彼女の中心から溢れ出る愛液を賞味しようと、マズルを埋めた。
 「あ、うぅ……」
 キュウコンはウインディのねばつく舌が自分の中に入ろうとするので身を捩った。ウインディはすぐには舌を中に入れようとはしなかった。大陰唇の縁をなぞったり、キュウコンの陰核を少しつついたり。陰核への刺激にはキュウコンは良さそうな反応を見せたが、煮え切らない動きに、キュウコンは物足りなさそうに言った。
 「ねぇ」
 「何だ」
 ウインディはしらばっくれた。
 「その……もっと、欲しいの」
 「具体的には?」
 ウインディは尋問する。キュウコンは何か言おうとしているが、どう言おうとしても露骨な物言いになるからか、口ごもっている。
 「言わないんじゃわからないな」
 「もう……!」
 キュウコンが焦れったそうに言うと、ウインディはこう返した。
 「お前も同じようなことやってくれるなら、わかるかもしれないな」
 どういう意味か聞き返す前に、ウインディは立ち上がって、尾側がキュウコンの頭の方になるように体の方向を変えた。都合、キュウコンの眼の前には、奮い立ってカウパー腺液を分泌している、ウインディそれ自身が躍り出ることになった。
 「……!」
 キュウコンがウインディのそれを見るのも、それに触れるのも今回が初めてではない。しかし、仰向けになった状態で上からペニスの圧を受ける体勢にはなったことがない。ウインディのそれは青臭い臭気を放ちながら、血液の脈動とともに微動して、キュウコンの鼻のすぐ側で雄のニオイを空気に撹拌している。キュウコンは、そのニオイと動きによって、催眠術をかけられたかのように、とろんとした目つきになった。
 「うまくしてくれたら、俺も目一杯愛してやろうじゃないか」
 ウインディは腰を動かしてキュウコンの眼の前でペニスを左右にゆらした。カウパーがその拍子にキュウコンのマズルに散った。キュウコンは、自分の喉ほどもあろうかと思われるそれを前脚ではさみ、口一杯に頬張った。
 「はは、乳飲み子みたいだ」
 股下の様子を覗き込んでいたウインディはキュウコンをそう評した。ウインディの亀頭球に手を添えて、精液を吸おうとしている姿は、まさしくミルクを求める赤ん坊のようであった。キュウコンは、舌よりも強い臭いと太さと硬さのあるそれを、丁寧に顎で挟み込み、舌を這わせていた。ウインディのそれが嬉しそうに脈動を強める。父が喜んでいるのをいるのを、キュウコンは口から感じ取ることができた。じわり、と、圧を強める。
 「あぁ……」
 ウインディが良さそうに声を漏らした。ウインディはまた、キュウコンの股間に顔を埋めた。彼もキュウコンを啼かせるべく、舌をキュウコンの中心に伸ばした。彼の舌はそれ自体、男性器と呼んでよいほどの熱とサイズがあった。
 「――……」
 キュウコンはウインディの舌に恍惚と声を上げたが、口に埋め尽くす男根がそれをくぐもらせる。ウインディは、しっとり濡れて閉じる割れ目を、舌を平たくして押し付けるようにしてこじ開けた。何者をも侵させたことのない門が開かれると、弾力のある舌がずるりと中に殺到して、キュウコンの中に分け入った。瞬く間に異物で埋められた膣は、それを拒むどころか、ぎゅうっと収縮して子宮まで迎え入れようとする。ウインディはその内壁を舐めあげながら、乱暴に引っこ抜いた。
 「! 、……、……」
 キュウコンはウインディの男根を咥えてはいたが、ウインディの体の一部が自分の聖域を侵す感覚が(たの)しいらしかった。彼女の舌は休んでいた。
 「ほら、独りで良くなるんじゃない」
 性感を得られなくなったウインディが、じわじわと腰に体重をかけて、キュウコンの喉の奥までペニスを沈めた。
 「ぅぐぅっ! ぅ……」
 口腔の奥まで満たされたキュウコンが苦しそうにうめく。竿が奥まで届いたことで、彼女の口先には亀頭球が鎮座することになった。メスを期待してぱんぱんに膨らんでいるそれは、キュウコンの鼻孔を塞ぎかねないほど彼女に接近して、彼女の吸気のほとんどをウインディの臭いで占めてしまっていた。
 「動くからな」
 ウインディは繊細に腰を上げた。ずる、とキュウコンから竿が引き抜かれる。腰を下ろす。キュウコンの鼻と亀頭球がキスをする。微々たる動きだった。キュウコンにはほぼ負担にならなかった。キュウコンは、舌を回しながら、口内で動くウインディを味わっていた。
 「――! ……」
 ウインディが腰を動かしつつ、キュウコンの秘部にかぶりついた。興奮でどろどろ分泌される唾液と愛液を混ぜ合わせ、それをねじ込むように舌を突き入れる。キュウコンの膣壁をぐーっと押し、腰の動きに合わせて舌を前後させる。キュウコンはそれによって、まるで口と膣の両方を同じブツに責め立てられているような感覚をもたらされた。キュウコンの鼻息が、亀頭球を通じてウインディには感じ取れた。
 キュウコンはウインディの舌と肉棒に犯されていた。快楽が脊柱を痺れさせても、ウインディの巨体に抑えられて、体を震わせることしかできなかった。ウインディの陰根から出てくる先走りを飲み下し、つややかな竿を舐め回し、ウインディの舌が彼女の内部を蛇のように蠢くのに感覚を研ぎ澄ませていた。
 「んっ、……んんーっ! ん……」
 キュウコンはウインディとの秘め事を長らく待ち望んでいた。それを与えられた彼女の体は性急なほど高みへ昇っていった。彼女が一筋の涙をこぼす。ウインディが自分の体に恥辱の限りを尽くすことが、それで自分の中のメスが喜悦して昂ぶることが、それほど嬉しかったのだった。
 ウインディは不意に、自分の腰のグラインドを止めて、そっとキュウコンの口から男根を引き抜いた。二人の体液がキュウコンの額に滴った。彼女は額が濡れるのを甘受した。
 「キュウコン」
 ウインディはクンニリングスも中断した。二人の頭と尾が互い違いになったまま、ウインディは頼んだ。
 「挿れさせてくれ」
 ウインディの中にあるオスもキュウコンを激しく求めていた。彼女を貫いて、よがらせて、精液を注ぎたいと、そう叫んでいた。
 キュウコンは一刻の間を置いて、彼の願いを聞き入れた。
 「……いいよ。ウインディなら」
 ウインディはまた方向を変えて、互いの頭が同じ側になるようにした。ウインディとキュウコンはしばし見つめ合って、どちらからともなく口づけをした。
 ウインディはペニスに前脚をあてた。杭のような大きさのある彼のものを、キュウコンの下腹部に触れさせる。少しばかり下を探ると、鈴口がキュウコンのクリトリスと出会った。角度が悪いので後退する。キュウコンはじっと待っていた。
 二人の生殖器は互いを補足していた。あとはウインディが体ごとキュウコンにのしかかれば、二人は交合するであろう。ウインディの堂々たる得物が、キュウコンの可憐な花弁を刺し貫こうとしていた。
 ――本当に、入るだろうか。
 「……痛かったら言えよ?」
 ウインディが心配そうに声をかける。彼は、巨大すぎるものが柔い肉を切り裂く痛みを、身をもって知っていた。キュウコンは答えた。
 「大丈夫」
 ウインディの大きさは、口で十分知っていた。彼女は覚悟の上だった。殊勝な彼女の言葉を聞いて、ウインディは目を細めた。
 「愛してるよ。キュウコン」
 言って、ゆっくり、彼女を極力傷つけないように、その胸に体を落とした。それまで一切男を招いたことのない秘められた場所に、どんな男よりも大きく、厚く、敬愛する者が分け入ってくる。進化して間もない新鮮な秘唇が押し伸ばされる感覚にキュウコンはうめいた。
 「うっ……!」
 ウインディは直ちに止まった。キュウコンは(たず)ねる。
 「い、いま、どこまで?」
 「まだ、先っぽだけ……」
 「先っぽだけ!?」
 「……本当に大丈夫か」
 「当たり前でしょ」
 つよがる。彼女はこうなると頑として聞き入れない。ここまで来て「やっぱりやめた」などと言うのも興の醒めること甚だしい。多少後ろめたそうにしながら、ウインディは腰を落とした。一度もこじ開けられたことのないキュウコンの陰部に、ウインディの巨根がずぶずぶ沈んでいく。
 「あっ、ああ! ああっ、ぐ……!」
 「キュウコン」
 ウインディが声をかけると、キュウコンは眼差しで訴えた。何も言うなと。ウインディの男根がキュウコンの陰部をじわじわ押し広げていく。内臓まで圧迫するそれの感覚にキュウコンは耐えていた。
 自身の竿の半分ほどまでキュウコンに突き挿したところで、ウインディは懸命に彼を迎えようとするキュウコンの額を撫でた。
 「一番太いところまで挿入ったぞ。もう楽になるだろう」
 撫でられたキュウコンは涙を溜めながら、か細い声で頼んだ。
 「もう少しそのままにしてて……」
 「わかった」
 ウインディは下半身が動かないよう気をつけつつ、涙の筋を舌で拭ってやった。キュウコンはそれを受けて物欲しそうに口を開いた。ウインディはその要求に応えて彼女の口を塞いだ。一つになろうとして頑張る彼女を励ますように、甘く穏やかなキスを交わす。ただでさえきついキュウコンの膣が、更に収縮してウインディを締め付けた。
 「ウインディ」
 時間が経って、キュウコンの陰部はウインディの陰茎の形に合わせて広がりつつあった。
 「もう大丈夫」
 キュウコンは笑顔を作った。ウインディは何も言わず、彼女の気持ちに応えることにした。
 ず、とウインディがキュウコンの更に奥を掻き分ける。キュウコンは身じろぎしたが、いくらか楽になっていたようだった。ウインディの最も太い部分を超えて、二人の距離は急速に縮んでいった。ウインディはキュウコンの内部の感触に包まれて、一番奥まで突き入れたい衝動に襲われた。
 ウインディが、ぐっと腰を沈めると、それまで苦戦していたのとは打って変わって、キュウコンとウインディの交わりはするりと深まった。内部を抉られる感覚にキュウコンは短く叫んだ。ウインディは、亀頭球以外が全てキュウコンに包まれたことで、幸福そうに瞳を閉じていた。
 「あったかい……」
 「急に動かないでよ! うっ……びっくり、したじゃない……」
 キュウコンはそう言うが、辛そうな様子はさほどなかった。腹部に押し入る熱と重みにまだ慣れてはいないものの、顕著な痛みや苦しさを感じているようではなかった。
 ウインディは、上半身もキュウコンに沈めて、耳元で囁く。
 「あんまりキュウコンがかわいいから我慢できなかったんだ」
 「かわいいって、言えばいいと、思ってる?」
 キュウコンは言葉こそ厳しかったが、胸に落ちてきたウインディに前脚を回して、彼の背中を撫でていた。ウインディが全部挿入ったとなれば、次にすることは明らかだ。キュウコンは先んじて聞いた。
 「動きたい?」
 「もう少しこうしていたい」
 ウインディが答えるとキュウコンははにかんだ。
 「私も」
 ウインディは、彼女の右耳を咥えて、その穴に舌を差し入れた。ぞくぞくするような甘ったるい悪寒を呼ぶその行為にキュウコンは熱い息を吐いた。
 「ああ……いや……」
 二人を繋ぎ止める接合部がじわりと潤う。キュウコンの奥ゆかしい穴は、ウインディの暴君にすっかりほぐされて、だらしなく男の肉を貪っていた。規格外のサイズにはち切れそうなほど拡張しているにも関わらず、彼女の膣口は、底無しの欲望で蠕動して、ウインディを子宮まで誘おうとしていた。
 彼女の性的な歓待を受けて、ウインディの思考はその主導権を下半身に移しつつあった。
 「うっ!」
 キュウコンが声を上げた。ウインディが前触れなく腰を動かしたのだった。心の準備なく肉塊を打ち付けられて、キュウコンは目を白黒させた。
 「……すまん、腰が勝手に動いた」
 ウインディは気まずそうに言った。体内から揺さぶられキュウコンの体はこわばっているが、彼女は不敵な笑みを浮かべて、ウインディを煽った。
 「動きたいなら、そう言えばいい、のに」
 彼女がこうして強気な態度を取るのは、大抵逆境の時である。本心ではまだウインディにじっとして少しづつ慣らして行きたいのだろうが、そうした弱みを見せないクセを、彼女は身につけていた。
 ウインディは彼女のそうした性状をよく理解していた。
 「だいじょ……」
 言いかけて、軽く頭を振った。とことん生意気に挑発する雌に対しても尚、気づかいが先に立つような軟弱な雄の姿を、キュウコンは、今まさに見たいだろうか。ウインディは、牙を光らせて、自分の中に蔓延(はびこ)る、身勝手な雄の本能に、ほんの少しだけ意思を委ねた。
 「後悔するんじゃないぞ」
 ずるずるずる、と肉棒を引き抜く。自身の膣壁がまたしっとりと閉じられていく感覚に、キュウコンがたまらないというような声を上げた。一度全部引き抜くいても、広げられすぎた彼女の膣口が弛んで、陰唇が開かれていた。
 「んっ……うっ……!」
 ウインディがキュウコンの女陰にまた自分自身を突っ込む。二度目のそれは存外抵抗がなく、キュウコンの声にも苦痛以外の色が混じっていた。ウインディはキュウコンの頬に軽く口付けをしながらキュウコンを罵った。
 「もう良くなって来るのか? そんな淫乱に育てた覚えはないぞ」
 「な、何を言って、あ、いや……」
 ウインディはペニスでキュウコンを黙らせた。一度体重を深くかけて、肺の空気まで絞り出されるような圧力をかけたあと、少し手前に抜き出して小刻みに腰を動かした。キュウコンがぎゅうっと締め付ける中、一定のリズムでキュウコンの腹側を擦り上げる。息苦しささえもたらす巨根が、奥ゆかしく慈しむように内部を刺激するのにあわせて、良さそうに息を吐く。
 「あぁ……ん、あ……あ……」
 ウインディの表情は苦しげだった。官能的なキュウコンの表情と、愛らしい彼女の喘ぎ声と、同じ炎タイプのキュウコンの体温と、まとわりつく肉壁の心地よさは、彼の肉欲を刺激してならなかった。本当は節度を忘れて、キュウコンを手荒く性具のように扱って早く中に出したいというのが表情にも現れていた。そうしないのはキュウコンが愛おしいのと、自分の大きさを把握しているからだ。彼が本当に本能に身を任せた時に一番傷つくのはキュウコンなのだ。
 「ウインディ……」
 ウインディのそんな努力を知ってか知らずか、キュウコンは夢の中にいるかのような眼差しをウインディに向けた。ウインディは彼女の良い場所を腰で責め立てながら目線を返す。キュウコンがウインディの背中に回す前脚を強く引っ張るので、ウインディは頬を彼女の頬まで近づけた。お互いの心臓もそれで近づいて、心拍までシンクロするかのような錯覚を二人にもたらした。キュウコンはウインディにしがみつきながら、今の今まで伝えずにいられなかったことを、ようやく伝えた。
 「ウインディ、好きよ……あなたが好き……」
 ウインディの男根がキュウコンの内部を撫で回している。キュウコンは高温にうなされているかのような熱っぽい目線をウインディに向けている。ウインディは瞼を閉ざした。その瞼から、彼の過去を救済する証のような雫が作られて、十分な大きさになったあと、彼の傷跡だらけの鼻梁に流れて毛皮を濡らした。
 「愛してる」
 ウインディが声を震わせながら言った。
 「俺も、愛してるよ」
 言って、キュウコンの口を舐める。キスの催促だ。キュウコンは勿論受け入れた。今言った言葉を口移しするように、そっと舌を絡めて、マズルを絡めて、湿った音を立てる。ウインディの腰の動きは本人も気づかないうちに大きくなっていた。そちらの方も、二人の分泌液が爆ぜて淫猥な音を立てて、深夜の空気を振動させていた。
 「ん、んー❤ ん、んん」
 キュウコンの女性器は柔軟だった。最初あれほど痛々しく引き伸ばされていたそれも、今やウインディの刀を収める鞘としてふさわしい柔らかさを持ってウインディの動きについてきていた。ウインディのそれが引き抜かれる時には締めて彼を離すまいとし、ウインディが突き入れられれば、彼が入りやすいように適度に緩んでいた。ウインディを、精液を提供する雄として認めたかのような蠕めきだった。
 彼女の子宮口は、性的興奮とともにずっと降りてきていて、ウインディのペニスが発射する瞬間を、その間近で今か今かと待ち受けていた。ウインディの性感も相当高まっていた。ウインディは果ててしまう前に、彼女とのキスを止めて、彼女への愛を叫んだ。
 「キュウコン、好きだ。お前が好きだ」
 夢中で腰を動かす。キュウコンが至上の幸せに顔をとろかせていたが、何かを思い出して、突然ウインディを止めた。
 「ま、待って。待って」
 ウインディの下になっているキュウコンがウインディを前脚で退けようとする。そのまま射精するつもりだったウインディは鼻面を殴られたようになった。ウインディは授精して彼女が子を宿すのも(やぶさ)かでないようだったが、キュウコンも同じ気持ちとは限らない。ウインディは残念そうだった。例え心から愛していたとしても、卵を作らないという選択はあり得る。とは言え、これほど父娘の関係を破壊したのなら、とことんまで行きたいだろう。
 キュウコンがウインディを止めた理由は意外なものだった。
 「イ、イッちゃう……」
 絶頂してしまうから、一度止めろというのだった。自分のモノでイキそうになってくれたことに対する喜びが、ウインディの顔にまず表れた。直後、何故それで止めるのか、という疑問の色が表れた。
 「……嫌なのか?」
 「そうじゃなくて……」
 キュウコンは言いづらそうにしていた。子供の問題でもない。絶頂自体を避けたいわけでもない。となると、何かしておきたいことがあると考えるのが相当であるが、彼女はどうにもそれを言うのを言い渋っていた。
 ウインディに上から覗き込まれる中、彼女は目を()らして、こう言った。
 「あの、その、騎乗位って、できないかな」
 ウインディは、その言葉を聞いて固まった。
 騎乗位。
 女性が淫らに腰を動かして自分の性器を掻き回す、あの体位だ。
 それを、キュウコンは、わざわざ寸止めしてでも、提案したのだった。
 「おまえ――」
 好色女の象徴とでも言うべきその体位を自ら申しだすキュウコンに、ウインディは下卑た笑みを浮かべながら彼女を小突いた。
 「そんな淫乱に育てた覚えはないぞ」
 「からかわないで! いいから……」
 何か他に本意があるかのような言い方をしたが、何を考えているかは言わなかった。顔から火が出そうなほど体温を上げている彼女を、ウインディは尚も茶化した。
 「おう。俺のでオナニーしてイッちまえよ。見ててやるから」
 「だから違うの……」
 いつになく口汚くキュウコンを辱めるウインディに、キュウコンは釈明しようとしていたが、ウインディがキュウコンの側に寝転がって仰向けになったので、行動に移すしかなくなった。キュウコンが立ち上がると、ウインディは尚もキュウコンを罵倒した。
 「乗れよ、このドスケベ女狐」
 キュウコンはムッとなった。
 「しつこい」
 ウインディはそれで自分が言い過ぎたことに気がついた。
 「すまん」
 結果、仰向けになって勃起チンコを晒しながらキュウコンに謝罪するウインディという情けない画が撮れた。ウインディの陰茎は十分濡れてこれ以上潤滑させる必要はなかったが、キュウコンはそれに雑に唾を吐きかけた。ウインディは縮こまった。
 ウインディの失言でいくらか機嫌を損ねたキュウコンだったが、いざウインディの一物を目の前に晒されると、(あで)っぽい雰囲気が戻ってきた。あれほどどっしりとそそり立つものが、キュウコンのほっそりした腹腔を惨たらしく歪めていたのだ。雌として歓喜していたのだ。キュウコンの陰部から、ぬらりと淫液が滴り落ちた。
 キュウコンはウインディに乗った。キュウコンよりウインディの方がずっと体格が良い。キュウコンはウインディの腹の上を跨ぐようにして座ると、ちょうど足が寝床に届くぐらいだった。ウインディの男根がキュウコンの尻尾に包まれている。
 キュウコンが後脚をうんと伸ばして、ウインディの腹に前脚をつくと、ウインディの陰茎の先端とキュウコンの股間との高さが合った。キュウコンは腰を動かして、自分のぬらついた陰部にウインディのモノをあてがう。
 「ぅ、……」
 ウインディのそれが巨大であることには違いなかったが、キュウコンの体はもうウインディの陰茎を覚えこんでいた。彼女が徐々に体重をかけていくと、ぬるぬるとなめらかにウインディのものを飲み込んでいった。
 亀頭球の手前で突っかかって、彼女は天井を仰いだ。
 「うーっ……ふー……」
 挿入に慣れようとも、ウインディのソレの体積が大きいことには変わりない。彼女は、ウインディの肉棒を使った自慰に耽る前に、息を整えた。
 「もうすっかり楽に入るようになってるんだな……」
 ウインディは一人で感心していた。キュウコンはこの時だけはしっかりした声色で答えた。
 「まあね」
 言って、後脚を伸ばす。キュウコンの中からウインディが去る。元に戻す。キュウコンの中をウインディが満たす。
 「あ、う……」
 キュウコンの動きは緩慢だった。腰を下ろす度、自身の奥にウインディのモノを取り込もうとしているかのように、執拗に体重をかけていた。ウインディは快さそうに、キュウコンのしたいように任せていた。キュウコンの陰部はなおも拡がる余地があったのか、彼女が上下するほど、その動きがすべらかになっていった。
 それのせいで、亀頭球の上部がキュウコンの中に一瞬潜り込んでしまった。
 「あっ!」
 キュウコンは辛そうに鳴いて後脚を伸ばした。ウインディは目を見開いた。全てキュウコンが動いた結果なのだから彼に責はないが、彼女が苦しむのをただ見ているような男ではなかった。
 「平気よ」
 ウインディが声をかける前にキュウコンは言ったが、彼女は息も絶え絶えだった。今のでさえ、亀頭球のほんの一部が入り込んでしまっただけだった。万が一にも亀頭球が彼女の陰唇の引き裂いて彼女の内部に入り込んだとしたらどうなるだろうか。そもそも骨盤に引っかかって入らない可能性だってある。ウインディはキュウコンの二倍近い体高があるのだ。しかもウインディは同種と比較してもはっきり巨根と言える贅沢な生殖器の持ち主だった。
 ウインディが心配そうに見ているのにも気をかけず、キュウコンは息を切らしながら腰を打ち付けている。ウインディは感触で気がついた。彼女は、痛そうに鳴いたにも関わらず、亀頭球に向かってのしかかっているのだった。
 「まさかお前――」
 そのまさかだった。キュウコンは、亀頭球まで含めてウインディと繋がるために、自らの力でウインディの巨根をねじ込もうとしていたのだった。そのために、わざわざ騎乗位をすることを要求したのだった。
 「無理するなって!」
 今回ばかりはウインディも止めた。竿が全て入るだけでも彼女の性器は十分健闘していたのだ。この上亀頭球まで全部飲み込むとなれば、それこそ、比喩でなく、彼女のそこは破壊されて二度と使い物にならなくなってしまうかもしれない。
 「無理、じゃ、ない!」
 だが、これである。こうなると何を言っても聞かない。ウインディは祈るしかなかった。それに、亀頭球まで含めて彼女の中に挿れたがっているのは他ならぬ彼自身だった。
 キュウコンは腰を早めて喘いだ。
 「あっ、あー……あぁぁ、あぁ……」
 彼女の挑戦は亀頭球それ自体の大きさも勿論問題であるが、二人がピークに達するまでの時間的な成約もあった。ウインディの性器はキュウコンをよがらせるに十分な硬度と形をしていて、キュウコンの性器はウインディを(よろこ)ばせるに十分なうねりと柔らかさがあった。この上、キュウコンが何度も亀頭球を挿入しようとして上下するものだから、二人ともたちまちのうちに昇りつめていった。
 「なあ、キュウコン、俺、もう……」
 とりわけ、ウインディは既に射精する寸前まで盛り上がっていた。あまり長くは持ちそうになかった。ウインディが射精すれば萎えて亀頭球も縮むだろう。キュウコンは命令した。
 「駄目!」
 無茶である。
 「そんなこと言われても!」
 キュウコンは既に亀頭球の半分ほどを攻略していた。そこが峠だった。後少しだった。キュウコンはピストンのスピードを早めて、なんとかウインディが精を放ってしまう前に彼を全て自分の中に迎え入れようとしていた。クライマックスの寸前でより激しく攻め立てられたことでウインディの余力は勢いよく崩されていった。
 「あっ……ぐぅ……」
 ウインディは歯を食いしばった。ほとんど限界だった。少しでも彼女の挑戦が実を結ぶように、一回か二回かだけでも時間を稼ごうとして、今回の騒動で消費した金銭を計算した。願いましては焼けた天幕及び常備品七千八百七十ポケ也宿代四泊一万五千六百ポケ也飲食代八千七百四十ポケ、では。
 「ウインディ、あっ……お、お願い、……んっ! ま、……待って」
 キュウコンの(あで)やかな声には、全く無駄な努力だった。
 「あっ、もうだめ、イく、イぐっ、あ、あああ」
 ウインディの精管が収縮した。精嚢液と前立腺液と精子の混ざり合わさった混合液が体外へ殺到する。キュウコンを奥まで埋め尽くしていたウインディのペニスの先端から放出されたそれは、キュウコンの子宮口にまで直接届いて、内部を瞬く間に白く染め上げていった。ウインディが間の抜けた嬌声をあげる。彼の精液は大量で、射精後ほぼ同時に二人の結合部から漏れて滑りを増やしていた。
 「待、って!」
 最後のチャンスだった。キュウコンは後先考えず、思い切り尻を打ち付けた。ウインディの精液によって大幅にぬめりを増したそれと、捨て身の動きが功を奏した。
 ずぬる、と、グロテスクなまでの音を立てながら、ウインディの亀頭球が、一瞬引っかかって、キュウコンの体の中に潜り込んだ。ウインディの嬌声が強まった。
 「ぁがっ、」
 キュウコンは目を見開いた。直後、彼女はウインディの肩に噛み付いた。突然の行動にウインディはイキながら驚いたが、すぐにその行動の意図が知れた。
 「ぅ゛ーーーーっ! ぅ、ぐぅーーーっ! ふーっ!」
 キュウコンはウインディのそれを遥かに凌ぐ、暴虐じみたオーガズムを迎えていた。彼女は、到底声を抑えられそうにないので、ウインディの体を猿轡代わりにしたのだ。か弱いメス一匹がその身に受けるには、あまりにも強すぎる快楽だった。彼女の性器は波打って、ウインディの亀頭球を根っこから引っ張り上げて、彼の精液の最後の一滴まで飲み込もうとしていた。普通、オスよりメスの方が強烈な絶頂を迎える。キュウコンもその例に漏れなかった。
 「んーーっ! うー、ぐ、ぅ゛ーーーーーー!」
 きゅんきゅん収縮する女性器が余計に亀頭球を奥へ導いてしまう。亀頭球は、入り口に入っただけでもその大きさだけで彼女のGスポットを刺激していたが、奥へ入ったせいでその直下まで到達してしまった。それが、これ以上強まりようがないはずのエクスタシーを、更にその向こうのステージにまで押し上げた。キュウコンは泣き散らした。彼女の牙がウインディの体に突き刺さっていた。
 「ぅ、ぅぅぅぅ、ぁ゛ーーっ、ぁ゛、ぁ゛ーーー!」
 亀頭球まで含めたウインディの男根は、キュウコンの子宮口を叩くのに十分な長さを持っていた。その上膣が収縮したために、完全にウインディのモノの先端が子宮口を開いて、精液を子宮底に直接叩きつけていた。通常ではあり得ないほどに性的興奮が高まっているキュウコンは、この生まれて初めてのポルチオ責めにまで反応してしまっていた。全身を快楽の針山に貫かれているかのような随喜の只中で彼女は悶絶していた。
 「ぁ゛ーっ! ぁ゛ーっ! ぁ゛ーーは、は、は、ぁ゛ーーー!」
 「キュウコン」
 峠を超えたウインディがキュウコンに声をかける。彼女は全身の毛を逆立てて、爪をがっつり寝床に食い込ませて、全身痙攣させながら、それを味わっていた。このまま死んでしまうのではなかろうか。そう思われるほどの尋常でない状態だった。ウインディのそれは射精の勢いこそ弱まっていたが、まだ萎えるまでには時間があった。無理してでも抜いた方が良いのではないだろうか。ウインディはそう考えてキュウコンの腰に前脚をやって、持ち上げて、抜き取ろうとした。抜けない。
 「ぅ゛ーーっ!!!!! ぅ゛ぅ゛ぅ゛ーーーーーっ!!!」
 逆効果だった。ただ存在しているだけで強すぎる刺激を与えている男根が、多少とはいえ、動いたのだ。キュウコンが前脚をウインディの体に打ち付ける。ウインディは余計なことをしてしまったことに遠い目をしながら、ただ自分のそれが萎えるのを待つしかなかった。射精は既に止まっていて、萎えるまではさほど時間を必要としなかったが、それでも十分長過ぎる時間だった。
 ウインディの陰茎が少しばかり小さくなって、ずるんとキュウコンから抜け落ちた。
 「う゛あ゛あ゛っ!」
 亀頭球という栓を失ったキュウコンの女陰から、どぷりと音が鳴るほど大量の精液が漏れ出た。彼女はのたうって転げ回り、部屋の角にぶつかってそこで止まって体を丸くした。ウインディの下腹部から彼女の九本の尻尾まで、白い液体による筋が床に描かれた。彼女は小刻みにふるえていた。
 「おい」
 ウインディはペニスをぶら下げながら彼女に近づく。彼女は悲鳴をあげた。
 「やめて! 触らないで!」
 ウインディは硬直した。ショックな物言いだった。彼女は、誤解を解くためか、あるいは今の自分の非現実的とも言える状態を伝えるためか、消え入るような声で言った。
 「今触られたらそれだけでイッちゃう……」
 それだけ彼女のオーガズムは凄絶だった。所詮オスの悦楽しか味わうことのできないウインディはただその言葉を聞き入れて様子を見守るしかなかった。ぎこちないほど遅々としてはいたが、彼女の体は平常を取り戻していった。
 「ふーっ、ふーっ……」
 キュウコンは深く呼吸をして天上から降りてきていた。喉を捻り潰されたような叫びはもう出てこなかった。体の震えも止まっていた。副交感神経を優位にしようと、彼女はゆっくりと胸を上下させていた。
 「キュウコン……」
 ウインディが近づく。彼女は止めなかった。そっと、上下する胸部に手を当てる。
 「あっ……」
 色っぽい声を上げた。多少落ち着いた段階でもこれである。「触れられただけでイく」と言うのはあながち言い過ぎでもなさそうだった。ウインディは、触れた手を戻して()いた。
 「……生きてるか?」
 「死んでる」
 キュウコンはそう答えた。そう答えたくなるのも已む無い。
 「なあ、そんな……そんな、そんなになるのか? ……そんなになるのか?」
 あまりのことにウインディは語彙力すら失っていた。キュウコンは、体をウインディの方に向けた。
 「……こんなになるなんて、私だって知らなかったわ」
 処女だから当然のことだった。キュウコンはよろよろと立ち上がろうとして、へたりと腰を降ろした。
 「力入んない……」
 「本当に大丈夫なのか」
 ウインディはキュウコンの体を案じた。キュウコンは頭を振った。
 「大丈夫なわけないでしょ」
 言いながらウインディに笑いかけていた。言われるウインディは彼女を見ていることしかできなかった。
 「ねぇ」
 キュウコンは体をウインディに寄せた。抱け、のサインだった。ウインディは疲弊しているキュウコンの体を抱き寄せた。
 ウインディの腕の中で、キュウコンは目を伏せがちに、こう言った。
 「……も、もう一回、いい?」
 「えっ」
 淫乱な彼女は雌の喜びを父に叩き込まれて見事セックス狂に進化した。



 「あー……」
 キュウコンは仰向けのまま四肢を天井に思い切り伸ばして、一気に力を抜いた。
 「きもちよかっ、たー……」
 結局、キュウコンが満足するには三発必要だった。ウインディの精液三発分がキュウコンの体内に放たれ、その半分以上は中に留まっていられず部屋を汚していた。ある程度はウインディの豊かな尻尾で拭き取って処理したが、部屋はびたびたのべたべたになって惨憺たる有様だった。精子特有の臭いが部屋に充満して、二人の臭覚を麻痺させていた。
 夜闇は幾許か白んでいて、朝の近いことを報せていた。
 「本当に痛くはなかったのか、キュウコン」
 彼女の横で寝ているウインディはよほど気に入った様子のキュウコンにそう(たず)ねた。二度目三度目は、びらびらに蜜壺が開ききった彼女は亀頭球まで含めた往復によがり狂った。声を抑えるために、キュウコンのマズルを縛って事に及ばなければならなかった。
 「最初だけね。自分でもびっくり」
 キュウコンはとびきりの笑顔で答えた。彼女はウインディに前脚を回して抱きついた。ウインディも彼女を抱き返した。
 「……絶対、絶対、できちゃったよね」
 キュウコンは嬉しそうにそう言った。キュウコンは卵管まで満たされるほどの量の精液を受けていた。今は発情期で、体の準備は整っていた。二人は若かった。孕まぬはずがなかった。
 「そうだな……」
 言うウインディは思うところがあるようだった。キュウコンが卵をかかえている間どうすべきか、周囲には親子でとおっているのにどう説明すべきか、子供も含めて食っていけるだろうか。彼もキュウコンとの子を為したいがあまり今後を考えずに彼女に中出ししたが、課題は山積みだった。
 「ね」
 キュウコンはそんなウインディのそんな懸念を感じ取ったか、キュウコンが言った。
 「ここに移住しない?」
 「移住」
 キュウコンの案は妥当だった。今なら彼らを親子と認識しているのはリングマたちを除いておらず、かつ彼らはツテとして十分頼り甲斐があった。街ともなれば仕事だっていくらでもあるだろう。今の拠点からも一日で行ける範囲だ。
 「考えておこうか」
 ウインディには、今の拠点の村に拾われた恩があった。たくさんの思い出が詰まった、故郷と呼べる場所である。近場とは言え移住するなら、きちんと筋を通して、円満に別れを告げたいものだ。
 キュウコンはウインディを抱く腕に力を込めた。
 「父さん」
 呼ばれたウインディは笑った。
 「なんだよ、娘をこんなにする父親なんかいるか?」
 一夜の交わりを経て、ウインディはキュウコンを心の底からつがいとして認めていた。二人には、父娘として過ごしてきた温かい記憶だけが残って、夫婦としての新しい日々を歩み始めていた。
 「そうね」
 ウインディの返事でキュウコンは目を閉じた。ウインディが聞き返す。
 「何が言いたかったんだ?」
 「なんでもない」
 ウインディは鼻を鳴らした。夜明けまでは、まだ少し時間がある。寝ようとしているキュウコンと同じ夢を見ようとして、彼も瞼を降ろした。
 どろどろに汚れた部屋について、後に宿の主人から揶揄と叱責を受けるであろうことなど、今の二人にとってはどうでも良いことだった。



 「ねぇ」
 「なんだ」
 「コジョンドに散々()られたって話、森でしてくれたじゃない」
 「……すまなかった」
 「別に怒ってないわ。あの時はまだ、ただの親子だったし、挿入してないって言うし、ぎりぎり浮気じゃない」
 「あれだけ蹴り飛ばしておいてよく言うよ……痛って!」
 「別にコジョンドがあなたを、六発も……六発も! 私の倍も! あなたをイかせたことは怒ってないの」
 「だったら蹴るなって!」
 「私が気に入らないのは、あの女しか知らないあなたの表情があるってこと」
 「どういう意味だ?」
 「アナル攻めされたあなたの声が聞きたいわね?」
 「……い、いや、汚いし、やめといた方が」
 「この街の市場におもちゃ屋さんがあるのは知ってるの。声かけられたから」
 「……行かなくていいんじゃないか。店主は殺しておくが」
 「せめてあなたのと同じサイズぐらいのを買わないとね」
 「んー……コジョンドのはもっと――あ。」
 「もっと大きかったって?」
 「いや、小さかったよ。ケムッソ並み」
 「一番大きいの買わないとね?」
 「いやだ……やめてくれよ……たのむ」
 「そう、そういう顔が見たいの」
 「鬼かお前は……」
 「次の夜が今から楽しみだわ」
 「せめて、優しくしてくれ」
 「どうかしらね?」

 仮題
 【かわいい娘のロコンが進化したらえっちすぎたので僕の息子も進化しそうです】

 改め
 【赤の他人】

 ――了――


【目次】
【前】 / 【次】


 ご感想お待ちしています。

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Last-modified: 2019-07-10 (水) 23:37:43
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