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作:からとり
※この小説には官能表現が含まれています。
また、タマゴグループの異なる種族同士の官能となっております。ご注意ください。
自然豊かな木々が広がる森林地帯。
この地は人里から離れた場所にあり、様々なポケモンがそれぞれを生きている。
現在、空は闇に覆われ、多くのポケモンは住処へと戻り、安らぎの時間を堪能していることだろう。
しかし、住処に戻っても精力的に活動に励むものたちも少なからずいる。
……例えば、今のぼくがそうだ。
ぼくは今、木の上に創り上げられた住処にいる。
この住処を創り上げるのには本当に苦労した。オオスバメであるぼくだけならともかく、ここには他のポケモンも暮らしているからだ。
そのポケモンが平穏に、心地よく暮らせる環境。それはぼく1匹だけではとても困難なことであった。
まあ、そのポケモンが一緒に協力してくれたおかげで完成することができたのだけれど。
「オネスト……来てぇ……」
そのポケモンの声が、ぼくを夜の営みへと誘う。
……とても艶めかしい、雄にとって魅力的な声色。
そう、今のぼくは性行為の最中なのだ。
そして、その行為は最終局面を迎えていた。
「う、うん。今いくよ……」
ぼくは彼女の秘部に、自らの成熟しきった逸物を差し込んだ。
徐々に、秘部の中へと逸物を潜り込ませていく。
しかし……
「ふがぁ!?」
だ、だめだ……まだ……彼女の、真の場所まで達していないのに……
激しい快楽が逸物、そして身体全体に広がっていく……
そして、ぼくの逸物から濃厚な精が放たれた。
――からげんきっ!――
空に澄み切った蒼色が広がり、輝かしい太陽が活動を始めた。
同様に、活動を始めるであろうポケモンたちの声も聞こえてくる。
ぼくはそんな太陽の輝きとポケモンたちの声で、目を覚ました。そして、ぼんやりとしながら、昨日の行為を振り返っていた。
ああ……今回も結局、彼女と真の意味で繋がることができなかったんだ。
ぼくの中には、歯がゆく、後ろめたい複雑な心境が渦巻いていた。
「おはよう、オネスト」
起き上がったぼくに、後方から優しげな声が聞こえてきた。
振り返ると、そこにはぼくの彼女がニッコリとたたずんでいた。
ぼくより2倍近く大きく、橙色をメインとした体色。
そして見る者を圧倒するような大きな翼に、手足の鋭い爪。
そして彼女の種族の象徴ともいえる、輝く尻尾の炎。
そう、一般のポケモンたちに恐れられている種族、リザードンである。
「あぁ……おはよう、ソーレ」
昨日の件で、彼女に申し訳ないという感情を深く抱いていたぼくは、顔を伏せがちに言葉を発した。
「もぅ……そんな暗い顔をしないで。オネストだって、頑張ったんだから。わたしも昨日は楽しかったんだから」
そういって、ソーレは両方の手のひらを使い、ぼくの顔を上へとあげてくれた。
その感触は柔らかく、温かく。ぼくに強い活力を与えてくれた。
「あ、ありがとう」
ソーレによって多少なりとも救われたぼくは、彼女の瞳を見据え、笑顔を見せる。
こんなにも、ぼくに対して献身的にしてくれる優しい彼女なのだ。
彼女の前で、いつまでも暗い顔を見せるわけにもいかなかった。
「ふふ、どういたしまして。」
「うん。本当にありがとう。それじゃあ、ちょっと水浴びにいってくる」
そう、昨日はあの後、ぼくは快楽と疲労からすぐに倒れてしまった。
当然、逸物を中心として、ぼくの身体には証が残ってしまっている。
ずっとこの感触に包まれていたいという願望もなくはないが、早く水で流さないと強烈な匂いとベトベトを取ることが難しくなってしまう。
「そうね、いってらっしゃい」
対して、ソーレには証の跡が見受けられない。
ぼくが倒れている間に、証を拭き取ったのだろう。
「ぼくだけで悪いね、ついでに、お詫びの意味も込めて木の実を何個か採ってくるよ」
「本当に!? 期待して待ってるね!」
そういって、無邪気に笑う彼女。
その笑みはとても純粋で、まるでミニリュウのような、きらめきと可愛らしさを醸し出している。
とても、怖いイメージを抱えるリザードンとは思えない、愛くるしい姿であり、彼女の魅力でもある。
「うん、期待していてね。それじゃあいってくるよ」
彼女の笑みを見て、少し元気づけられたぼくは住処を後にして澄み切った青空に羽をはばたかせた。
ひんやりとした、川辺の水へ身を落とす。その清冽な水は、ぼくを一瞬身震いさせる。
ここは住処から少し離れた、ポケモンたちの集う川のほとりである。
いつもであれば、水の中で暮らすヌオーとウパーの親子に代表される水ポケモンたちが顔を出したり、あるいは他のポケモンたちが水を求め訪れたりする。
だが、まだ時間が早いらしく、今はぼく1匹で川辺を独占している。
もっとも、主に下半身に纏わりついた、証を取り除く作業をしているぼくからすればこの状況は好都合であるが。
ぼくは証を取り除きながら、ソーレのことを思い描いていた。
ぼくとソーレは、お互いがスバメとヒトカゲであった頃からよく遊んだ、いわば幼なじみな関係であった。
泣き虫で自分に自信が持てなかったぼくを、ソーレはいつも明るく、支えてくれた。
そんな彼女は、笑顔がとても愛おしい、ぼくにとって女神のような存在であった。
その後、お互いが成長して最終形態にまで進化を遂げた際にも、彼女の可愛らしさは不変であった。
その容貌はとても華やかで、見るポケモンたちを魅了する。
澄んだようなかがやきを覗かせる瞳は清楚で、時折見せる笑みは、幼いころと全く変わらない、とても純粋で美しい姿であった。
そんな可愛らしい彼女の元には、当然のように雄たちが近寄り、幾度となく愛の告白を受けていた。
ある時は、屈強なボーマンダ。また、とある時は、優雅なフリーザー。
どれも雌からすれば魅力溢れる、理想な雄たちであったと思う。
しかし、彼女はそんな雄たちの求愛を全て断ってきた。
そして、頑健な強さを持つわけでもなく、容姿も平凡であるオオスバメのぼくに告白をしてきた。
好きだと伝えられた瞬間は、状況を理解できずに混乱し、何かの夢か、冗談ではないかと取り乱したことは今でも記憶に残っている。
でも、彼女は本気で好きだと言ってくれた。そしてぼくも、幼いころから彼女のことが好きであった。
ほどなくして、ぼくたちは交際をスタートさせて、一緒に生活を共にするようになった。
「ソーレ……」
証を完全に洗い流し、川辺を後にして次なる目的地へ羽をはばたかせていたぼくは、ふと最愛のポケモンの名前をつぶやく。
交際を始めてからも、怪我をしてしまったぼくのために必死になって回復用の木の実を集めてくれたり、失敗をして落ち込んでいるぼくを可愛らしい笑顔で励ましてくれたりしてくれたソーレ。
おそらく、彼女がいなければぼくは1匹で、堕落した希望のない日々を過ごしていただろう。ぼくは彼女に感謝してもしきれない。
それなのに、ぼくはソーレに何も返せていない。
彼女の誘いでしばしば行われる夜の営みでもそうだ。いつもぼくが先に果てる。
そして、いまだに彼女の真の場所……つまり処女膜を破ることができていない。
そんなみっともないことを繰り返していながら、彼女は太陽のような微笑みを浮かべながら楽しかったとぼくに言ってくれる。
その言葉にぼくは救われてきた。とてもありがたかった。
「でも……このままじゃだめだ。」
このままじゃソーレと一生、真の意味で繋がることができない。
それはぼくにとっても寂しいことであるが、なにより彼女に辛い思いをさせてしまう。
いつも気にせず、明るい素振りをぼくに見せているが、何よりも彼女が繋がりたいと感じているということは、彼氏として共に過ごしているぼくが一番良く分かっている。
「2ヶ月後の記念日までには……ソーレと対等に営みたい。一緒に愛を分かち合いたい」
ちょうど2ヶ月後は、ぼくたちが付き合い始めた日の、3周年記念となる。
だからそれまでに……逸物を何とか激しい、艶やかしい魅力のある刺激にある程度耐えられるようにしたい。
どうすれば良いのだろうか? ぼくは生真面目に、全力であれこれと思案を繰り広げた。
そして……最終的に思いついた案は1つだけだった。
「あのポケモンに、相談してみるか……」
ぼくはそのポケモンの住処へと方向を定め、羽をはためかせた。
しばらく空を駆け抜けるように羽をはばたかせ、ぼくは目的地であるポケモンの住処へと足を踏み入れた。
この住処もぼくたちと同じく、木の上に創られたものだ。もっとも、ぼくたちとは比べものにならないくらい整えられており、そのポケモンの潔癖さがうかがえる。
「ホーさん、いるかいー?」
聞こえるように、くちばしを大きく開き、はっきりとした口調で声をかける。
すると、しばらくして1匹のポケモンがぼくの前に姿を現した。
ぼくと同じ鳥種族のポケモンであるが、その体長はぼくより2倍ほど大きい。
肌色と茶色をメインとした体色に、きめ細かい羽。
そして何よりキリッと、神秘的に感じられる長い鶏冠がそのポケモン――ピジョットの特徴をよく表している。
「ホッホッホッ……オネストか。久しぶりだな」
「ホーさん、久しぶり。今日はちょっと相談があってここに来たんだ」
「ホッホッホッ……オネスト。何度も言っているが、わしの名前はメントじゃぞ?」
「いや、分かってるけど、こっちの方が呼びやすいから。まあいいじゃない」
このピジョットは、スバメだった頃の幼いぼくが羽を痛めた時に、手当てをしてくれたメントというポケモンだ。
年長者らしく、目の下などに小じわなども目立つが、知識と経験はとても豊富で、多くのポケモンからも頼られる存在である。
ぼくも出会ってからというもの、よくここで相談に乗ってもらったりしていた。
ちなみに口ぐせのようにホッホッホッ……と連呼するので、ぼくは親しみを込めて“ホーさん”と呼んでいる。
毎回のようにその件でツッコミをもらうのだが、まあ呼びやすいしぼくがとても気に入っているので、今でも呼び方は変えていない。
「ホッホッホッ……まあいいかの。それで、相談とはなんじゃい?」
話題が相談ごとに移ったということで、ぼくは先ほど考え、抱えていた悩みをホーさんに伝えた。
恥ずかしい内容でもあったが、ホーさんも真剣に相談に乗ってくれているのに変に嘘をつくのは申し訳ないし、ぼく自身の解決にもならない。
正直に。率直に。今の状況と悩みをホーさんにぶつけた。
「ふむ……なるほどな。つまりは彼女のためにも、その逸物をある程度の刺激に耐えられるようにしたいということか」
「……恥ずかしいけど、その通りなんだ」
「ホッホッホッ……恥ずかしがることはない。これも若さってもんじゃ」
「……ということは、やっぱりホーさんは経験があるんだね! こういうことにも詳しいんだね!」
やっぱり、何でも知っていて、ちまたでは“生ける博学伝説”と評判のホーさんだ。
このようなプライベートな問題でも、きっと解決の糸口を見つけてくれる……
「いや、悪いがわしは今まで、そういった経験は一切なくてのぉ……」
「……へ?」
「わしは若いころからずっと1匹で研究に没頭しておったからな。そもそも他のポケモンに愛という感情を抱いたことも、そういった機会に巡り合ったこともないんじゃ」
「そ、そうなの? じゃあぼくの逸物の問題は……?」
「うむ、正直わしも分からん。わしもその辺の知識は学ばなかったし、経験は一切ないんじゃからな」
なぜか胸を張り、きっぱりと言い切るホーさん。
そしてぼくは期待を裏切る回答に、落胆の色を隠すことができなかった。
「……うん、わかった。そういうことなら仕方ないよね。それじゃあまた……」
明らかに声のトーンが下がっている状態でぼくは言葉を発して、立ち去る準備を始めた。
あからさまな態度で、ぼく自身もホーさんに失礼で、申し訳ないことをしている実感はあった。
それでも一度期待してしまったこともあり、落ち込んだ表情を隠すことができないほど、気持ちはしょげてしまっていたのだ。
「ホッホッホッ……まあ待て、今ふと閃いたんじゃが、もしかしたらおまえさんならではの方法でこの問題を解決できるかも知れんぞ」
「え……!? 本当!?」
その言葉に、ぼくは目を丸くし、ホーさんを見据える。
ホーさんの表情は真剣そのもので、“生きる博学伝説”の名に恥じない風貌を醸し出していた。どうやら本当に可能性があると、信じて良さそうだ。
「本当じゃ、ただこの方法で確実な効果がでるかは分からんし、おまえさんの身体にも大きな負担がかかる……それでもやるかね?」
大きな負担……不安が脳裏に浮かぶが、瞬時にその考えを破棄した。
そう、ソーレのためなら。こんなぼくを愛してくれて、笑顔を与えてくれた彼女のためならそんな負担など何でもない。
「やるよ! ぼく自身の負担なんか関係ない。ぼく自身のためにも、そしてソーレのためにも!」
「ホッホッホッ……。そうか、それじゃあ今からその方法を教えてやろう」
ぼくはいつになく真摯な態度で、ホーさんの一言一言に耳を傾け始めた。
太陽が昇り、沈む。そしてみたび昇り、沈む。
自然の調和により繰り広げられる、いつもの光景である。
そして、今日という日も太陽が沈み、空は闇に覆われ始めていた。
「ソーレ、おめでとう!」
「オネスト、おめでと!」
そんな中、ぼくとソーレは住処で、この日のために大量に集めた木の実でパーティーを行っていた。
そう、今日はぼくたちが付き合い始めた3周年記念日である。
「オネスト、このオレンの実、濃厚で美味しいね!」
「そうだね、それに味も整っているし」
屈託のない、無邪気な笑顔で木の実を頬張る彼女。
そんな笑顔に癒されながらぼくも木の実を堪能していた。
2匹で美味しく食していた木の実も徐々に少なくなり、いよいよ最後の一つとなった。
「最後の1つだ、オネストどうする?」
「ソーレ、食べていいよ」
「大丈夫なの? わたしは嬉しいけど、オネストはもう満足したの?」
「うん、木の実はもう満足だよ。……この後は2匹の営みで……ね」
そのぼくの言葉に、ソーレは若干驚いたように目を白黒とさせた。
それもそうだ。ぼくから夜の営みに誘うことなど、今まで1度たりともなかった。
それにソーレに営みを誘われた際も、あまり乗り気でないことが多かった。
そんなぼくが、自ら率先して夜の営みに誘うなど、彼女からすれば思いもしなかったのだろう。
「本当……? 今日もわたしからどうやって誘おうか悩んでいたから……誘ってくれて嬉しいわ」
「うん、今日は一緒に愛を確かめ合おう。ソーレ」
ぼくが積極的に彼女を導こうとしている。ぼく自身が不思議な感覚を覚え、なんだか逆に怖くなってしまう。
でも、ぼくはいつまでも彼女ばかりに甘えてはいられないんだ。
これからは、ぼくが一緒になって支えていく……ようにしなければならないのだから。
木の実パーティーを終え、空がより深い闇に覆われ始めてきた。
そして、今からぼくたちは夜の営みの準備を始める。
「……ソーレ」
「……オネスト」
ぼくたちはしばらく見つめ合い、心と身体の準備を行っていた。
ぼくは彼女の半分くらいの大きさのため、やや上方を。彼女はやや下方といった具合ではあったが、それはいつものことだから特に問題は生じなかった。
「それでソーレ……行う前に1つだけ、君に頼みがある……」
「オネスト……良いわ、言ってみて」
「うん、ぼくに向かって“ひのこ”を放ってほしいんだ」
「……え?」
ぼくが言うなり、彼女は今までぼくが見たこともないような、呆然とした表情で口をポカンとさせていた。
……そりゃあそうだろう。仮にぼくが同じ立場であったら、全く同じ反応を残すだろう。
それほどまでにぼくの言っていることは意味不明なことであると思う。だが、これはぼくの本心の、本気なのである。
「いきなり変なことをいってごめん。でも、本気で君にお願いしたいことなんだ」
そういってぼくは彼女に、2ヶ月前のホーさんとのあらましを説明した。
「おまえさんの種族には特殊な特性、そしてその特性を有効に扱える技術の素質があっての……それを営みにも活用できればいいかと考えたんじゃ」
「特性……? 技術……? ぼくにもそんなものがあったんだ」
「さよう、オオスバメは“こんじょう”という特性を持っておる。この特性は、身体に毒や痺れ、そして火傷などを受けることによって、潜在能力を大幅に高める効果を持っているんじゃ。そしてその特性の力を増強させる技術として“からげんき”という技がある。これらを組み合わせればとてつもない力を発揮できるであろう」
「へぇー。そんな特性や技術の可能性をぼくは秘めていたんだね。でも、それをどう営みに活用するの?」
「潜在能力を高めるということは、つまり……逸物のような生殖器官の能力も同様に高められるはずじゃ」
「なるほど! たしかにそうだね」
ホーさんからの説明を一通り受け、ぼくは実現性の高い、素晴らしい方法なんじゃないかと感銘を受けた。
ただ、一点だけ、気になった部分もあったが……
「でもこれって毒や火傷のような、特殊的なダメージを身体に与えないと、効果を発揮しないんでしょう?」
「そうじゃな」
「そんな状態になれるかな?」
「そんなの簡単じゃ、彼女に炎を吐いてもらえばいいんじゃ」
「えっ!?」
そのホーさんの一言は、ぼくの心底に激しく揺らぐ動揺を与えた。
そんなこと……頼めるわけないじゃないか!
「頼めないと思っているじゃろ?」
明らかに動揺しているぼくの心を見抜くように、ホーさんは言葉を繋げた。
「そりゃそうだよ! そんなこと頼むなんて、ただの変態じゃないか!」
若干、バカにされたような気がして、憤りを表したような強い口調でぼくは反論した。
「ホッホッホッ……一旦落ち着きなされ。たしかに、はた目からしたら変態としか思えないような行為じゃ。だが、おまえさんは彼女と真の意味で繋がりたいんじゃろ? 今まで満足させられなかった彼女を幸せにしたいんじゃろ?」
「うっ」
その言葉にぼくは瞬時に反論を返すことができない。
「彼女なら、おまえさんの本当の想いに気づいてくれて素直に協力してくれるはずじゃ。それに本当に愛しているもの同士であれば、そんなことで愛情が崩れ去ることもない。むしろ深まるはずじゃ。……火傷の状態のまま、営みを行うということはおまえさんも大変な負担となる。だから実行するかどうかを決めるのはオネスト、決めるのはおまえさん自身じゃ」
「……」
たしかにそうだ、ぼくはソーレと繋がりたい、ソーレを幸せにしたい。
それに彼女なら軽蔑などせず、ぼくの行動を受け入れてくれるはずだ。
愛情だって、繋がることでより一層深まっていくはずなんだ。
ぼく自身の負担など、関係ない。今まで彼女に迷惑をかけてきた分、ぼくが頑張らないといけないんだ!
「ホーさん、ありがとう……。どんなに異端な行動であろうとも、自分自身に負担が掛かろうとも、ぼくは彼女と繋がりたい。彼女を幸せにしたい。だから、ぼくはやるよ!」
「オネスト……立派になったもんじゃな。よし! わしも手伝うぞ。“こんじょう”の特性の有効な活用方法に、“からげんき”の技術を教えていくからな」
「うん、ありがとう! 早速頼むよ」
こうしてぼくは今日まで、ホーさんに様々な教えを受け、そして“こんじょう”を有効に活用し、“からげんき”の技術を身につけることに成功した。
「……そう。それがあなたの覚悟なのね、オネスト」
「うん、そうだよ。ぼくは君と……本気で繋がりたいんだ。そして、君を幸せにしたい」
そう。それがぼくの今の想い。本心で、純粋に抱いている想いだ。
「でもあなたは本当に大丈夫なの? 火傷の状態で長くいるということは、とても危険なことなのよ」
心配そうな表情を浮かべながら、不安げな声色で言葉を発するソーレ。
「大丈夫だよ、さっきの木の実パーティーの際にこっそりと残しておいた木の実があるからね」
そんな彼女に対してぼくは、明るい笑顔を振りまきながら羽の懐部分に隠していた、チーゴの実とオボンの実を見せる。
チーゴの実は火傷に効果的であり、また、オボンの実は傷をいやす効果を持っている。それらがあれば、おそらく最悪の事態までに発展することはないだろう。
「フフ……準備は万端なわけね。それならお言葉に甘えて……今日は楽しませてもらうことにするわ」
そういってソーレは、その艶やかに輝く顔をぼくに近づけてきた。
ぼくも合わせるように顔を上げて……そしてくちばしを彼女の口へと近づける。
そして彼女の口がぼくのくちばしを咥え、ぼくはくちばしを少し開き、そこから口へ舌を入れていく。
「ん……」
種族の違いから、若干特殊な方法となっている接吻である。だが、互いに舌を交わらせ、絡みつかせ、2匹の唾液を融合させる愛の儀式の始まりであることには変わりはない。
いつもよりぼく自身に気持ちの余裕があるせいか、より接吻の味を堪能できそうだ。
ゆっくり、ゆっくりと舌を絡み付けて、ぼくたちは唾液を交換し合った。
始まりの儀式を終え、そしてお互いの逸物と秘部の事前準備も終えた。
すでにぼくの逸物は成熟し切り、彼女の秘部も湿りっ気を有している。
後はいよいよ最終局面……彼女と真の意味で繋がるための逸物と秘部の融合を行うのみである。
「いよいよだね……ソーレ、“ひのこ”を頼む」
「……分かったわ、なるべく痛みが出ない箇所に放つわ。もちろん住処にも燃え広がらないようにね」
そういって微笑を浮かべ、彼女はぼくに向かって“ひのこ”を放った。
狙いはどうやら、ぼくの尻尾の末端部分。
そして、その炎は末端をかするように命中し、ぼくに焼けつく、激痛をもたらした。
「あっ、あつ!」
「オネスト! 大丈夫?」
命中した瞬間に、思わず悲痛な叫びをあげ、身体を思わず収縮させてしまったぼくを、彼女はとても不安な表情を見せて心配する。
「だ、大丈夫だよソーレ。最初は反応しちゃったけど、今は“こんじょう”と“からげんき”を使って、むしろ何かが変化したような……不思議な力が働いている感じなんだ」
「そう、なら良かった……」
胸を撫で下ろし、安堵の表情を浮かべる彼女。
実際に今のぼくは、今までと明らかに身体の力が変化した風に感じられた。
これも身につけた特性と技術が生きているからだろう。
「うん、ひとまず始めようか」
「そうね……じゃあここに……あなたのを……」
住処にうつぶせになり、艶めかしい声に表情を見せ、ぼくを誘うソーレ。
いつもだと、すでに自信がなく、ぎこちなく逸物を秘部に潜り込ませていたぼく。
だが、今回は調子が良く、順調に逸物を秘部の中に潜らせ、先へと進んでいく。
激しい快楽と火傷の感触がぼくに襲い掛かってくるが、強化されている逸物はまだまだ耐えてくれそうだ。
そして……
「……ここは?」
「そう、そこはわたしの処女膜よ……。オネスト……お願い」
ついに彼女の真の場所へと辿り着いたのだ。
初めての経験に、ぼくは心を躍らせるような気持ちになった。
「いくよ……」
「ええ……来て」
ぼくは思い切って腰部分を突いた。
そして、その膜を破ることに成功した。
「うっ……あっ……」
「だ、大丈夫かソーレ?」
「うん、わたしは大丈夫……ここから、お願い」
「あぁ、いくよ!」
痛みを我慢して無邪気に笑ってくれるソーレのためにも、ぼくはすぐに逸物を上下させる運動を始めた。
ぼく自身も、ソーレも初めての未知なる世界。ソーレの奥はとても温かく、気持ちの良い快楽が支配する。
「ふぁ……ひゃあ!」
「あぁ……んっ!」
ぼくたちの喘ぎ声が響き渡る。ぼくも、彼女もただ本能的に、与えられた快楽を味わっていた。
「ソーレっ!ぼく……もういきそう……うわぁぁ!!」
「オネストっ!わたしも……いく……あぁぁん!!」
そして2匹同時に絶頂を迎え、ソーレの秘部に精を放った。
「あの後、オネストが倒れちゃって。慌てて木の実を食べさせて……本当に心配したんだから」
「ハハハ、ごめん。快楽と火傷の反動が同時に来ちゃって、さすがに耐えきれなかったみたい」
あれから数年の時が過ぎた。
ぼくたちはあの後、正式に婚約を交わした。
そして、ぼくたちの子供である、スバメとヒトカゲも生まれた。種族の違いから卵ができるかどうか不安だったのだが、どうやら繋がることができれば問題はないみたいだ。
「わたしはあなたの素直で純粋なところが……大好きよ。これからも子供たちと一緒に仲良く、みんなで助け合って暮らしましょうね!」
変わらない無邪気な表情でぼくに囁く彼女。
そして、ぼくも満面の笑みを浮かべて彼女に告げる――
「今のぼくがいるのは、君の支えと愛情のおかげだよ……ありがとう。君が大好きだ。ぼくもみんなを支えられるよう頑張るから、今後もよろしくね」
今日も、ぼくたちは支え合って、幸せに日々を生きていく。
――End――
ノベルチェッカー
【原稿用紙(20×20行)】 35.6(枚)
【総文字数】 10276(字)
【行数】 347(行)
【台詞:地の文】 31:68(%)|3214:7062(字)
【漢字:かな:カナ:他】 30:58:4:6(%)|3115:6017:464:680(字)
※大会時は改行などの空白を除いて、9913文字
○あとがき
お久しぶりです。からとりです。
「お前誰だ!?」 という方も多いと思います。前回の大会でこんなものを書いた人です。
本当でしたら、大会の前に新しい作品を投稿しようと思っていたのですが、なかなか執筆できずにいたため、今回の大会への投稿が2作目となってしまいました。
そして、1日遅れの投稿でご迷惑をおかけしたにも関わらず、0票ということで……
本当にすみませんでした。
これからも執筆を続けて、よりよい作品を執筆できるように精進していこうと思います。
どうか、よろしくお願いいたします。
○作品について
以前から、焼き鳥と比喩されるオオスバメさんが不憫で仕方なかったので
「逆にこれを官能シーンで生かそう! かっこいいオオスバメさんを見せてやるんだ!」
と考えて、こんな作品となりました。
オオスバメの名前である、オネストとはイタリア語で"素直"を意味します。
彼女に炎吐いてなんていうのは、やっぱり変態ですよね?
でも、彼は純粋で素直に彼女を愛していたから、そんなことも顧みずに言い切った。
ソーレがオネストを好きになった理由も、そんな彼の純粋な愛に心を惹かれたからでしょう。
……そんな甘々な作品を作りたかったのですが、そもそも元々実現したかった"官能シーン"が時間不足と文字配分のミス、そして技量不足からあまり書けませんでした。
そして、本当はお互いの想いを伝えあってプロポーズする、そして後日談などを深く入れたかったのにこれも入れることができなかったのが……
短編にもかかわらず、無駄に長くしてしまい本当に書きたいことが書けなかったこと。
これが今回の大きな反省材料だと思っています。
後、官能シーンも初めてだったので、これからより深く、正しい表現ができるように頑張ります。
作品をご覧になって下さった方々、大会主催者様。1日遅れの投稿でご迷惑をおかけしました。
そして、本当にありがとうございました。
最後に参加した皆さん、お疲れ様でした!
感想、意見、アドバイスなどがあればお気軽にお願いします。
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