作:ハルパス
ごくありふれた日常は、ある日突然終わりを迎えた。
「お主にはこの森を出て行ってもらう」
「私も連れて行って下さい! 行くあてがないんです!」
「ぐずぐずしてると、間違いなく殺されるよ!」
―逃亡―
「とんだ厄病神だなお前は。……ほら、どうした。置いていくぜ?」
「君はこの世でたった一匹というわけじゃない。だから、諦めちゃ駄目だ」
「死なないでね。絶対に生きてまた逢うと、約束して」
―仲間―
「この道は危険だ。別ルートで行くしかない」
「言い忘れてたけど、情報ありがとう。――って、もう聞こえてないか」
「奴らは見つかったのか? 草の根分けてでも見つけ出せ」
―追跡―
「逃がしませんよ。貴女は大切な
「お前達に恨みはない。だが、こっちにも事情ってものがある」
「貴様だけは絶対許さねぇ!」
―宿敵―
「どうして私がこんな目に遭わなきゃいけないの!?」
「憎悪って感情は、そう簡単に拭い去れるものじゃない」
「ねぇ、ボクは誰なのかな? ……答えてよ」
―真実―
「本当に、この暗い夜の日々が終わる時は来るの?」
長き旅路の果て、その両の瞳に映るのは、たった一つの結末のみ。
◇いつか光の差す朝に◇
それは幾重にも絡み合った、数奇な運命に翻弄された者達の物語。
(あるいは、世界の片隅に埋もれた数ある物語の中からの抜粋)
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