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あおぞら

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ぬうやの部屋。 ?

あおぞら




「そらってさ、ひろいよね」

一匹のイーブイが草原に横たわり、空を眺めている。

「は?ひろいからそらなんだろ」

「んー・・・そうじゃなくって…

 じゃ、そらってあおいよね?」

「だから、あおいからそらなんだろ」

「うーん…どうしてそうなるかなあ…」

イーブイ、トワは苦笑し、隣のピカチュウ、イリを見た。
「なんでもアタリマエみたいに考えると つまんないよ?」

「…別にいーんだよ。つまんないことばっかだし、事実」
「だからあ、そー卑屈になんなって!」
トワに強く背中をたたかれ、イリは少し咳込む。

「あたしだってイリだって、あっとゆーまにおじーちゃんおばーちゃんになっちゃうんだから
 それまでうんと楽しまなくちゃ、損でしょ?」
「そーは言ってもさあ、
 じゃあ、トワは何かあるわけ?これだ!っていう楽しいこと」
「・・・うーん、よくわかんない」
「なんだそれ」





空をみて笑っていたあの頃。

ときどき思い出すけど
別に「あの頃に戻りたい」って思い出すわけじゃない。

いまの毎日だってあの頃とさほど変わらない。
ちょっと歳をとったくらいだ。

今も二人、同じ進学校に通っているし
幼馴染ってだけあって昔からよく話すし

昔っからなにもかわらない、親友みたいな間柄。





「あ、見て。風船!」
トワが空を指差し、言った。

「風船?」
「ほら、あそこ!赤い風船が飛んでる」
「・・・?」

イリはトワの指さすほうを見た。

青い空の中にぽつんと浮かぶ、真っ赤な風船。
外れ者みたいに、独りでふわふわと漂っている。

「…ほんとだ」
「だれかが手離しちゃったんだね…もう取れないや。
 空でも飛べないと、届かないね」
「…うん」



昔から、空ばっかり見てるやつ。

俺はいつの間にか、空ばっかり見てるそいつばっかり見ていた。

空を見るあいつの目をみてたら、いつのまにか。

なんか恥ずかしい話だけど、これが誰かを好きになるって感情なのかもしれない。



「…そらって ひろいよねえ」

トワが、いつかどこかで聞いた質問を呟いた。

「・・・そーだな」
「あれぐらいひろかったら、すぐ迷子になっちゃいそーだね
 …あの風船みたいにさ」
「・・・」
「心細いだろーな・・・あんなひろいところに独りでいたらさ」

イリはトワの柔らかな耳を軽くつまんだ。

「…独りになりたくなかったら








   ずっと俺の隣にいろよ?」







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お疲れ様です^^
前の短編とは違う感じにしてみましたー
でもやっぱ思いつきネタです

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • このお話好きです^^
    トワとイリの別の話とか作ってほしい…(え
    ―― 2010-12-03 (金) 22:08:31
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Last-modified: 2009-12-01 (火) 00:00:00
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