ムーン作
〜二匹の旅 シーズン2〜
ラグとフィナが小屋を旅だってから1日目は何事も無く旅は進んでいた。しかし2日目...
「意外と旅って楽ね。だって山賊とかたくさん出てくると思ったのに何にも起きないんだもの。」と笑顔でフィナは言った。
そんなに笑顔で言われてもなぁ、でも平和なことは良いことだな。 しかし、そんな平和な時間は長くは続かなかった。
フィンバードの街が微かに見えてきた時だった。
「何か気配がする。しかも一匹じゃなくて結構いるな」
「えっ、も、もしかして山賊?」
フィナはさっきとはうってかわって不安げな表情で言った。
「この数だとたぶん山賊だと思う。」
「わ、私怖いよ、ラグぅ..」
「大丈夫。フィナのことは命を懸けて護衛するから。だから安心して、フィナ。」
フィナには指一本でも触れさせてたまるものか。絶対に護る、護ってみせる!
「さぁ出てこい!山賊達。出て来ないならこっちからかかって行くぞ!」
すると、周りから20匹ほどのゴーリキーと山賊の頭領らしきカイリキーが姿を現した。
「へっ、いい度胸してるじゃねえか。そこの娘と金目の物置いてさっさと消えろ!」とカイリキーは言い放った。
「金目の物は良いんだけどフィナだけは駄目なんですね!」
ラグはそう呟くとカイリキーに向かって切り掛かった。
バタッ。刹那だった。一瞬にしてラグはカイリキーを倒した。カイリキーは気絶しているのかぴくりとも動かなかった。
「に、逃げろ!頭領がやられたー!」
そう言って山賊達は姿を消した。
「か、かっこいい」
「そ、そんなことないよ。僕はただ..君を護りたかっただけだよ...」
「ありがとう、ラグ。でも本当にかっこよかったよ」
僕は顔を赤らめ、何も言えなくなってしまった。でもこんな素直にかっこいいって言われたのはとても嬉しかった。
それから僕達はまた、フィンバードへ向かって歩き出した。そしてフィンバードの街がはっきり見えてきた。
「フィンバードはもうすぐだ。頑張ろう!」
そしてようやく僕達はフィンバードに辿り着いた。
街に着いてから少し歩き、ある店の前でフィナが足を止めた。
「どうしたのフィナ?」
僕は思わずそう尋ねてしまった。
「ちょっとあそこにある手鏡が気になって..」
そう言ってフィナはある一つの手鏡を指差した。
その手鏡は縁に様々な模様が描かれておりとても綺麗だった。
僕達が店の前に立ち止まっていると店の中から店長らしい年取ったヨルノズクが出てきた。
「お兄さん達、何か用かい?」
「あの手鏡が気になってるんですけど。」
店長の問いにフィナは小さな声で答えた。
「フィナ、あの手鏡欲しいなら買ってあげるよ。僕何故かお金は結構持っていたし。」
「えっ、いいの!じゃあおじさんあの手鏡下さい!」
「いいよ。お代は要らないから持っていきな。」
「えっ、でも..」
「いいのさ。そこの兄ちゃんがある英雄に似ててね。その英雄にはだいぶお世話になったからね、さあ持っていきな」
店長は何故か嬉しそうに言った。
「あ、ありがとうございます。」
「良いんだよ。道中気をつけてな。
「はい。ヨルノズクさんも頑張って下さい。さようなら」
僕達はそう言って店長に手を振り、店を後にした。
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