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【5】巨大娘のお風呂事情

/【5】巨大娘のお風呂事情

巨大娘のお風呂事情

たつおか




 この作品には以下の要素が含まれます。


【登場ポケモン】  
リザードン(♀)・カメール(♀)
【ジャンル】    
巨大娘・匂いフェチ・体格差
【カップリング】  
主人公(♂) × リザードン (♀)
【話のノリ】    
ノーマル






目次




第1話・巨大娘 



 ポケモンウォッシュが生業の俺に『その依頼』があったのは、夏前になろうかという頃だった。

 依頼内容は『大型のポケモンを洗ってほしい』とのことだったから気軽に引き受けたのだが、契約の段階において秘密保持誓約書なんてものにサインをさせられた。
 ……そもそもこの仕事で、契約書なんて交わすこと自体が異例だ。頼まれたら洗う程度のノリだというのに。

 ともあれ報酬額の大きさにも釣られて引き受けてしまった俺とカメールさんは今、目隠しの上にBGM付きのイヤホンなど付けられてはその場所へと運ばれていた。
 ちなみにここで言う『カメールさん』とはメスの『カメール』に他ならず、俺の仕事を手伝ってくれる重要なパートナーだ。敬意を払うべき一個人であり、けっして『手持ちのポケモン』などという関係ではない。

 そうして車に揺られること半日……ようやくに俺達は現場となるその場所へと到着した。
 目隠しを外されると、そこはもうどこか施設の内部であった。
 モルタル打ちっぱなしのそっけない壁面と、ダクトの露出した高い天井のそこは倉庫や工場といった趣だ。

 そうしてさらにその施設内を進みながら、俺達の担当である『エスナさん』と名乗るその女性(ひと)はさらに念押しをした。

『世間一般では非常に名の知れたポケモンなんです……くれぐれも他言無用でお願いします』
「はあ……しかしながらそんなにド偉い方ってんなら、俺じゃなくてももっと頼むべき会社があったでしょうに」

 俺の疑問はそこだった。
 ポケモンウォッシュを取り扱ってるのは俺だけに限らない。それこそさらに専門的で、多くのスタッフや機材を取りそろえている企業団体なんて五万といる。
 それにも拘らず個人である俺が選ばれた理由こそは、

『秘密保持の観点からです』

 エスナさん曰くこうだ。
 企業との契約においては、その『ポケモン』と接する人間の分母が多くなる。そんな企業から秘密が漏洩した場合、それの後処理には多くの労力が割かれることとなる。
 しかしながら俺個人であれば、万が一の場合にもそれが楽だ。
 たとえ俺がそれを喧伝して回ったとしても所詮は一個人のたわ言である。信頼ある企業から漏洩した場合と比べて、情報の信憑性が格段に違うのだ。

 そしてなによりこれだけの厳戒態勢なのだ……万が一に処分するに際しても個人の方が手間がかからない、そういう利点もあるのだろう。

 とはいえ、これらはすべて俺の妄想だ。始まる前から一人で勝手に盛り上がっていても仕方がない。
 いつも通りに仕事して、そして割高の報酬に喜べばいいだけの話でもある。
 そうして気分を切り替え、仕事への意欲も新たにした俺達であったが──ふいに鼻を突いたその臭気に俺とカメールさんは顔をしかめた。

 いま行く通路を進むたびにそれは強くなっていく……どうやらこの匂いの主こそが今回の相手となるポケモンなのだろうが、それにしてもすごい匂いだ。
 匂いの種類としては皮脂汚れからくる甘みを含んだ発酵臭──大型と聞いて当初、機械系や鉱物系を予想していた俺達ではあったが、有機型となると少々厄介だ。

 そんな匂いが最大限まで高まると、俺達はついに両開きの大きなドアに辿り着いた。

『この先にそのポケモンが居ます……彼女のウォッシュをお願いします』

 そう告げるエスナさんからして、鼻からの呼吸を控えているのか鼻声だ。
 そしてその扉を押し開き俺達の目に映ったものは……──

「ッッ……こいつは、手ごわそうだ」

 その体長4メートルを越えようかという巨大なリザードンであった。
 たった一目で斯様に巨大なポケモンの全容を知れたのには、この部屋の巨大さも由来している。
 先のリザードンを悠々に収容できるそこは見上げるには体を反らせるほどに天井が高く、そして見渡すには目を凝らすほどに広大だった。
 その中央にリザードンが一匹、所在なげに尻もちをつくようにして座っていた。

 そしてそんなリザードンを改めて確認しながら俺は、あることに気づいては思わずそんな『彼女』の名前を口にしてしまう。
 それこそは……

「えぇッ? これって、『ルナフレア』ちゃんかッ!?」

 そう驚く俺を傍らに、エスナさんは依然として視軸を前方に固定したまま小さく鼻を鳴らした。
 目の前にいるリザードンの『ルナフレア』は、いま売り出し中である新進気鋭のアイドルポケモンだ。
 歌にダンスにと大活躍で、リザードンの種族らしからぬ愛くるしい目元や鼻筋の面相は昨今、テレビで観ない日は無いかというほどの人気者だった。
 しかしながら唯一そんな俺の認識と違っていた点は──やはりその大きさだった。

 様々な映像媒体で観る彼女は従来のリザードンよりもやや小柄な印象で映し出されてはいたが、実際の彼女たるやダイマックス張りの迫力だ。しかもこっちこそが正真正銘のサイズであるというのだから驚きである。

『これが本来の彼女の大きさなの……』

 そんな俺の考えを読んだかのようエスナさんが説明をしてくれる。
 今までは画像加工を経ての登場だっただけに、その大きさは自由に発信側で加工が可能だった。しかしこの度、なんと彼女のコンサートが決定したのである。
 それと同時にこの巨大サイズであることの発表も行おうというのがプロダクション側の意向ではあったが──それにしては彼女は汚れ過ぎていた。
 映像の中だけならばそんな汚れもCG等を駆使して誤魔化せるが、いざ人前に出るとなるとそういう訳にもいかない。加えてこの匂いとあってはイメージダウンも必至だ。

「それで俺達の登場って訳か……」
『なんとか24時間で彼女の洗体とスキンケアまでお願いしたいのです。……出来ますね?』

 この時になって初めてエスナさんは俺達へと流し目の視線を向けた。切れ長目尻のいかにも仕事が出来そうなキャリアウーマンといった面相だ。
 そしてそうまで言われてはプロの返事もまた決まっている。

「任せとけ。明日の今頃には心身ともに生まれ変わらせてやる!」

 俺とカメールさんは決意も新たにそう応えリザードンを見上げた。
 そんな俺達の視線を受け、リザードンその体にはらしからぬ怯えた様子で両肩を縮こまらせる。

 法外な報酬で舞い込んできた仕事は巨大娘の洗体……俺にとって生涯初の大仕事が始まろうとしていた。





第2話・垢落とし 



 いざポケモンウォッシュを始めるにあたり、俺達の最初の仕事は彼女・ルナフレアの警戒を解くことだった。
 アイドルとはいえそれは箱庭の中だけのことであり、今まで一切として人前に出てこなかった彼女の人見知りぶりは生半なものではなかった。

 カメールさんと一緒にどうアプローチしても彼女の緊張をほぐしてやることは能わず、最後は彼女の楽曲で踊るなどという暴挙に俺は出た。
 もはや完全に方向性を見失っての行動ではあったが──思いもよらずこれが功を奏した。
 ルナフレアはそんな俺に興味を示したかと思うと、ついには一緒に踊り出したのだ。
 こうして一応の信頼関係は築くことに成功した俺。……それを理解できない面持ちで観察するカメールさんの視線は堪えたが、ともあれこれにて前に進める。

 そうしていざ彼女の洗体をするにあたり、改めて俺達はその汚れの具合を確認する。
 しかしながら想像以上のそれに愕然とする結果となった。

 遠目からは太陽を思わせる淡いオレンジのそれも、いざ至近距離で観ればもはや茶色に近い汚れ様だ。
 皮脂汚れなのには間違いないが、一体どのくらい放っておいたものか表皮にこびり付いた垢が層になってしまっている。

 試しに膝の一部にカメールさんが爪を立て剥しにかかってみたが、僅かに爪の先に老廃物が付着するばかりで一向にそれが取れる様子もない。
 
「水と洗剤ぶっかけた程度じゃどうにもならなさそうだな……」

 手強い現状を前に次の一手を考える俺の傍らで、カメールさんは今居る部屋の構造を確かめるよう視線を上空へ巡らせていた。
 その動きに俺の口元も緩む。さすがはカメールさんだ、すでに俺と同じ結論へと達している。

「……気密性はどんなものかな?」

 尋ねる俺にカメールさんも視線を戻してくれると大きく頷く。加えて『ルナフレアが「ボイラー」になってくれるならば申し分も無い』との返事。
 これにて方向性は定まった──俺はルナフレアへと向き直る。

「ルナフレアちゃん、まずはサウナからだ。キミの炎でこの部屋を熱してくれ」

 俺達の作戦……それこそは彼女ルナフレアの熱でこの部屋をサウナにし、発汗させることで最初の垢を落とそうという考えだった。
 一方のルナフレアはというと、このやり方を理解した様子でもなさそうだったが、それでも言われるままに彼女は部屋の温度を上げ始めた。

 尻尾の炎を燃え上がらせ、さらには口中からも熱気も吐き出すと、見る間に部屋の温度は上昇していく。
 ある程度それが上がった段階でカメールさんがハイドロポンプで大量の水を宙空に散布する。すると室内には爆発したかのごとくに蒸気が沸き上がり、途端に視界一面は蒸気に包まれた。

 その中においてルナフレアも苦しげな呼吸を繰り返す。
 いかに熱に強いとはいえ、大量の水分を伴った蒸し釜の中とあっては話が違うようだ。その独特の暑さに負けて炎の温度を下げてしまう彼女を励ましては、さらに高温になるよう部屋の温度を調整する。

 そうしてサウナの下で蒸し続けること30分──ついに限界を迎えてか、ルナフレアは横に寝そべっては伸びてしまった。
 見れば肌の表面には大量の汗が玉となって浮いている……もう十分だろう。

 ようやく許しを出して彼女の火を止めさせると俺達は次の作業に移る。
 横たわる彼女の足元に着け、カメールさんと二人で膝頭の表皮へ爪を立てると、案の定に俺達の指先はその中に食い込んだ。
 そこから声を合わせ、上から下へと引き剥がすや──彼女の垢はまるで一枚の皮膚さながらにベロリと剥がれ落ちた。

 作戦は大成功だ。
 後は二人で手分けをして、この表皮の垢剥しに没頭する。

 最初に始めた膝から始まり、カメールさんは背中へと回り俺は前面の処理をしていく。
 腹から頭へと上りながら、脇の下を剥すべくルナフレアへと右腕を掲げるように指示を出した。
 そうして緩慢と彼女が右腕を上げ閉じられていた腋を解放した瞬間──これまでとは比べ物にならない凄まじい芳香がそこから発せられた。

 それの直撃を受けては思わず咳き込む俺。
 普段は閉じられている腋の下は汚れや匂いが籠りやすいことに加え、ポケモンはそこに臭腺を持つ者も多くいる。
 それは彼女の種族であるリザードンもまた同様で、そこから発せられる芳しい香りは皮脂汚れによるものだけではない、独特の匂いを帯びていた。

 そこの垢剥しを行うと、場所が場所だけに彼女はコロコロと笑う。
 かくして同様に垢を引き剥がすと、その下の柔らかな皮膚が露となった。
 筋繊維と脂肪の収束点である腋下は、皺によって折り畳まれた肉の隆起が段になっていてどこか艶めかしい眺めがした。

 種族柄かその肉の盛り上がりには弾力があり、場所が場所だというのに見ていて歯を立てたくなる衝動に駆られる。
 ……と、こんな考えに思いが至ってしまうのはこの「臭腺」という場所柄ゆえだ。
 かくいう臭腺とはフェロモンの発生源でもある。そこに蓄積された高濃度のそれを嗅ぐに当たり、種族違いとは言え俺も彼女に魅了され始めているのが察せられる。

──この規模のレベルは初めてだから効くな……気をしっかり持たないと!

 そうしてなおも垢剥しに没頭していると、そんな俺を目下にふとルナフレアがイタズラ心を起こした。
 俺に気付かれないようゆっくりと腕を下ろしていたかと思うと次の瞬間──彼女は完全に脇を閉じては、俺を腋の下に挟み込んでしまったのだった。

「んぐッ!? んぐぐぐぐ~~~~~ッッ!」

 もちろん加減されているとはいえ、そこはこの体格差だ。彼女の柔らかく芳しい腋肉に顔面を覆われては、俺も苦しみにくぐもった声を上げる。
 しばしして解放されたかと思うとカメールさんが心配そうに俺を引きずり出してくれていた。……どうやら異変を察したカメールさんが彼女に声を掛けて助けてくれたらしい。

 同じサウナに籠っていた酸欠もあってか思わず尻もちをついてしまう俺の傍らではカメールさんがルナフレアへとこのイタズラを窘めている。
 もっともこんな大げさに座り込んでしまうほどのダメージなどは微塵も無い。イタズラをした彼女自身も力加減はしてくれていたし、呼吸が塞がれたのだって本当に一瞬だ。

 問題はそんな肉体的ダメージではなかった。
 先にも言ったように、臭腺のあるリザードンの腋の下とはフェロモンの発生場所だ……そしてそこに挟まれることで零距離からそれを嗅がされてしまった俺の体には、とある変化が如実に表れていた。

 一頻りルナフレアに説教をしたカメールさんが振り返り、改めて座り込む俺を見て目を見張った。
 もはや俺にも隠しようも無い……ルナフレアのフェロモンに中てられた俺の肉体(ペニス)は、痛いくらいに勃起してしまっていた。





第3話・フェロモン 



 仕事中の突然変異……というか勃起しているところなんて、どんなシーンであっても気まずいが。

 どうにかこの状況をジョークに出来ないものか考えあぐねていると、俺もまた目の前のカメールさんについてあることに気付く。
 それはカメールさんの視線と、そして肉体の変化だった。

 俺の股間一点を凝視するカメールさんの視線は何処か熱っぽかった。
 呆れているとか気まずさを誤魔化そうとしているとかの視線ではなく、明らかに俺の体への興味から惹きつけられているといった強いまなざし……そしてそれを証明する変化もまたカメールさんの体には現れていた。

 カメールさんの股間から粘液の筋が漏れ垂れていた。
 かくいうカメールさんも一匹のポケモンであり、そして一匹のメスだ。
 今のこのルナフレアのフェロモンが充満する室内において発情を促されていたのは彼女もまた同様であった。

 やがては俺の視線にも気付きカメールさんも我に返ると、大きく頭を振っては邪念を振り払う。
 そして仕事中のいつもと同じ態度で俺に手を差し伸べると、改めて俺の安否を確認してくれるのだった。

「あ、あぁ……大丈夫だ。助かったよ」

 俺もその手を取って立ち上がると、これまた事務的に振舞っては仕事の続行をする。
 冗談めかしつつもいたずらをしたルナフレアを窘めて作業を続けると、ほどなくして垢の剥離作業はすべて終了した。

 さて、ようやくここからが従来のポケモンウォッシュだ。
 手始めにルナフレアへのボディソープの適合をチェックする。要は肌に合うかどうかのパッチテストだ。
 それもまた恙無く診断し終えると、いよいよ以て俺達は彼女の洗体へと移行していったのだった。

 尻もちをつくようにルナフレアを座らせると、カメールさんは脚立を使って背後から頭部と顔面の洗浄をし、そして俺は専用のブラシによって彼女の上半身を洗う作業へと分担をした。

 この段階になるとすっかりルナフレアはリラックスして、もはやマッサージ然とした俺達の洗体に身を任せては何とも心地良さそうだった。
 俺も彼女の胸元にブラシを当てながら念入りに磨き込んでいく。
 彼女は他のリザードンの中においても比較的、胸が大きい個体だと見受けられた。

 基本的にポケモンは卵生ではある訳だが、メスには胸や尻のサイズが大きくなるといった女性的な身体特徴が備わっている。
 その中でもこのルナフレアはやはり胸が大きい。彼女を初めて見た時に感じたあどけなさや儚さといったイメージは、従来のリザードンには無いこうした女性的特徴を無意識下で確認するが故だ。

 そんな乳房然とした胸元にブラシをかけ続けていると、不意に彼女の手がブラシを握る俺の手ををつまみ上げた。さては力を入れ過ぎてしまったかと思う俺とは反面、その行動の思惑はもっと別なところにあった。

 ブラシを手にした彼女の視線が真っすぐに俺に向けられる。
 上目遣いだが、威嚇や反抗を思わせるようなものではない。どこかイタズラっぽいその視線はむしろ微笑んですらいる。
 いったいそれが何を意図するものか分からずに見つめ返す俺の手を取ると……彼女はそれを右乳房の頂点に置いた。
 
 そこから小さく円を描き、その先端をくすぐるようなウォッシングを俺へ手解きしつつも、自身の左手では残る乳房をすくい上げては揉みしだく行為を始めた。
 その段に至り彼女が何を求めているのかを理解する──ルナフレアは俺に対して性的な興味を覚えつつあるのだ。

 室内に満ちるフェロモンに中てられていたのは彼女もまた同じ……むしろ幼くそう言った耐性が薄い彼女こそ、真っ先に自身のフェロモンで脳を焼かれていたのだった。

 ルナフレアはやおら体を横たえたかと思うと、右を下にしたその姿勢からエアロビクスよろしくに足を開いた。
 左足を高く上げて開脚し、その膝の裏に腕も絡めて固定すると俺達2人の前にあられもなく膣と肛門とを晒す。

 一方でまだルナフレアの発情に気付いていないカメールさんは、次なる洗浄の段階としてそこを洗うことを俺に相談してくる。
 気付いていないのならばわざわざ報告することもないと思い、俺も普段の仕事通りに彼女と打ち合わせをした。

 段取りとしてはメスであるカメールさんが膣部を、そして俺が肛門回りを洗浄することになった。
 従来ならばこうしたメスポケモンのデリケートゾーンはカメールさんに一任するところだが、この大きさでは分担せざるを得ない。
 さっそくに俺達は仕事に掛かる。

 洗浄液を含んだカメールさんのタオルが膣の周辺を清拭すると、その刺激に触発されたかのよう、大陰唇が膣からはみ出してきては大輪を咲かせた。
 同時に俺が担当をする肛門もまた、犬の鼻のように幾度となく引くついてはその黒ずんだ肉の蕾を収縮させる。

 排泄もまた担う部分ゆえに、そこの汚れと匂いはさらに強烈でかつ、直接的なものであった。
 そしてさらに強いフェロモンの分泌もまた匂わせる……。
 故に長くこれに中てられていると危険と判断した俺達は、機械的に手を動かしては早い段階でのそこの洗浄を終えられるように作業に没頭するが──むしろその素早い動きこそがなおさらに彼女を刺激してしまった。

 膣を清拭していたカメールさんのタオルがルナフレアのクリトリスへと触れ、そして肛門部をブラシでウォッシングしていた俺の手が粘液で滑り、僅かにアナルの中へと拳を挿入させてしまった瞬間──

 ルナフレアが吼えた。

 さながら絶叫ともいうべきそれはしかし、けっして痛みや怒りに由来するものではない。
 それこそは絶頂──生まれて初めて経験するエクスタシーに歓喜してはあげられたものであった。

 同時に膣からは激しく愛液が潮を吹き、そして肛門からは湿度の高い放屁が押し出されては俺に吹き付けられる。
 
 そしてそれこそが最悪の事態を招く始まりだった……。

 それらは高濃度のフェロモンだ。
 腋の下の臭腺から自然に醸されていた間接的なものとは違い、これこそはまさに直接的な成分の原液そのものだった。
 それらの直撃を受けて俺とカメールさんは瞬間、意識失う。

 そうして次に目覚めた時こそが、めくるめく官能の花園の開園──……否、新たな地獄の始まりとなるのだった。





第4話・開放する者、されるもの 



 はるか遠くで聞こえる雷のような響き……徐々に覚醒してくるにつれ、それが何者かの咆哮であることがわかる。

 酷い頭痛を覚えながら、重さを感じる体を起こして顔を上げれば──そこには先の足を掲げた姿勢のまま悶え狂うルナフレアの姿があった。
 そしてそんなルナフレアの膣の前にはカメールさんが立ちはだかっては必死の体で彼女に何かを施している。

 見ればカメールさんはルナフレアの膣に拳を差し入れていた。それこそペニスの挿入よろしくに右腕の出し入れを何度も繰り返す。
 そんな腕が往復のたびに辺り一面にはルナフレアの膣から漏れ出した愛液が飛散しては、再び高濃度のフェロモンを周囲に散布するのだ。
 失われた自我と呼吸すらままならない大気……フェロモンの発生源ですらもが制御不可能となっているこの場はもはや、生命の危機に直結すると言っても差し支えの無い危険な場所へと化しつつあった。

 それでもしかし、立ち上がった俺もまた引き寄せられるようにルナフレアの元へと向かう。
 そうしてカメールさんの隣に着けると、俺もまたルナフレアの大陰唇をワシ掴んでは彼女の膣部に口を付ける。

 そうして繰り広げられる陰唇への引張と粘膜による膣への愛撫が加わることで一層にルナフレアも昂っていく。

 いつしか俺とカメールさんの愛撫はシンクロを果たし、二人でクリトリスをしゃぶり挟み、そして膣の中へは互いの左腕と右腕を挿入しては同時に突き穿つピストンを展開していく。

 朦朧とした意識の中に在っても、俺とカメールさんのコンビネーションはバッチリだ。
 膣の中で互いの腕を螺旋のように絡めると、手のひら同士を組み合わせて一つの拳にしてはさながらペニスのようにして二人分の膂力を込めた突きを展開していく。

 すっかり正気など失った世界かと思いきや、そんなカメールさんの手を握りしめることで、俺は辛うじてではあるが正気の片鱗を精神(こころ)の中に取り戻す。
 そしてそれはカメールさんもまた同じらしく、期せずして互いを見つめ合ってはこの修羅場からの脱出法に僅かばかりの理性を巡らせる。

 ルナフレアへのピストンが佳境に入ると、カメールさんはより深く体を前へ出してはルナフレアのクリトリスを丸々に咥え込んだ。
 大きく顎を外して規格外のクリトリス全体を口中に収めるなどはポケモン故の生態だからこそ可能な技だ。

 同時に俺もまた、残る右腕をルナフレアのアナルへと挿入した。
 こちらはもはや殴りつけるかの如く勢いである。
 巨体な括約筋が俺の右腕を擦り潰さんばかりの勢いで締め付けたが、俺もまたおかまいなしに挿入を繰り返す。

 膣とクリトリスとアナル──それらの3点同時攻撃により、当初は喜びに彩られていたルナフレアの声がいよいよ以て苦し気に濁り始めた。
 咳をするよう、問うような響きの喘ぎ声を繰り返すその様はもはや、死を直前にした動物さながらの浅ましさがある。

 そしてカメールさんの牙が激しくクリトリスに突き立てられ、尻肉の中へ埋まるほどに体を寄せては俺達の両腕が突き入れられた瞬間──ルナフレアは絶頂した。

 今までにない激しさのそれに彼女は声にならない声で哭いては身を痙攣させ、そして局部は激しく収縮しては再びに大量の潮を吹く。
 そのなかで下半身の括約筋もまた緩んだことも併せて、彼女は大量の失禁もまたはたしていた。

 位置的に尿道の前に陣取っていた俺達はそんな排尿の飛沫を正面から受け止めることとなる。
 その勢いたるやポンプ車の給水を受けるかの如き激しさで、体についたルナフレアのフェロモンもその瞬間洗い流されるようだった。

 そしてそのチャンスをカメールさんは逃さなかった。

 ほんの数瞬ではあるがフェロモンの拘束から意識を取り戻すや、カメールさんは俺達の足元に向け、ハイドロポンプにて最大量の放水を行った。
 瞬時にして地面から立ち上がっていた催淫物質が流されると同時、さらにカメールさんは目の前にあるルナフレアの局部やそして俺に対しても放水を行う。

 その効果により、俺もまた身体のコントロールを取り戻すや一目散にその場を離れては部屋の壁面へと走る。
 そうして辿り着いたその先で、非常時に起動させる排煙窓の開放ボタンへと拳を叩きつけた。
 
 それに連動して室内上部に設置されていたワイヤー固定の窓が一斉に開き始める。
 見る間に外気が室内に流入して循環すると、カメールさんの放水による浄化も手伝ってか、見る間に室内の空気は元の状態へと戻されて行った。

 ようやくに意識がハッキリしたとはいえ、体に覚える身の重さは尋常ではない。
 そんな体を引きずって、俺は再び彼女達の元へと戻った。

 そこには完全に体を横たえては失心してしまっているルナフレアと、そしてその足元に尻もちをついては荒い呼吸を繰り返しているカメールさん。

「はぁはぁ……ありがとう、助かったよ……カメールさんのおかげだ」

 その元へとたどり着き、彼女を起こしてやろうと俺は手を差し伸べる。
 カメールさんもまた不敵な笑みを返してはそんな俺の手を取って体を起こすが──まだ身を覆う粘液の滑りと、そして力の入らない体を御しかねては半ばまで引き上げていた俺の手を離してしまう。
 そうして再び地へと落ちようとしたカメールさんを、

「危ないッ!」

 俺は両腕を伸ばしては抱き留めていた。
 カメールさんもまた強く俺にしがみつくと、互いは抱き合った状態となる。
 まだフェロモンの効果が残っているのか……不思議とこうして抱き合う感触が心地良かった。

 俺はカメールさんに想いを寄せていた。

 それはこんなフェロモンなんかに気持ちを高ぶらせてしまうずっと前から心に秘めてきた想いだった。
 そして同時に、カメールさんもまたこんな俺を憎からず思っていることにも気付いていた。
 しかしながら俺達の間には人間とポケモンという壁があって、それゆえに互いの想いを伝えることは叶わなかった。

 しかし今は全てが許されるような気がした。
 どうせこのフェロモンでお互いにまともな判断なんてできなくなっているのだ。これからの全ては、まとめてこれのせいにしてしまえばいい。

 俺は僅かに体を離すと、改めてカメールさんを見つめ──そして半ば一方的にその唇を奪った。
 気持ちすら伝えずにこんなマネをしてしまう身勝手を省みもしたが、カメールさんもまた激しく抱き返しては自ら舌を絡めてくる濃厚なアプローチに全てが杞憂であったことにも気付く。

 そうして俺達は気絶する顧客を傍らに──しばし互いの愛を確認する行為に没頭した。





エピローグ 



『エクセレント……!』

 喜びよりも、むしろ強い驚愕を表情に湛えたエスナさんの賛辞はそれゆえに本心の響きを帯びていた。
 前方にルナフレアを凝視しまま歩み寄ったエスナさんは、感無量と言った面持ちで彼女の胸元に手を置いた。

 目の前のルナフレアはまさに輝くがばかりであった。
 表皮を覆っていた垢の被膜はすべて取り除かれ、さらには洗体とスキンケアの施された体は色艶も良く室内に満ちる太陽光を反射している。
 艶やかで透明感のある爪に、眩しいほどの白い牙──そして何よりも輝いていたのはルナフレアの笑顔に他ならなかった。

 身を覆っていた穢れのベールを脱ぎ去り、さらには一連のフェロモン騒動で欲求不満のストレスもまた解消されたもルナフレアは、まさに心身共に生まれ変わるに等しい変化を果たしていた。

『ここまでしてくれるだなんて思わなかった……ありがとう貴方達、本当に感謝するわ』

 振り返りそう微笑んでくるエスナさん……彼女と目をわせたのも初めてならば、こんなにも感情的な表情を見せてくれたのも初めてだった。
 こうした顧客の笑顔は数百円の爪磨きを依頼してくる子供も、そして今のエスナさんも変わらない──この笑顔に癒されては充実感を得られる瞬間こそ、この仕事をしていて嬉しいと思うことはない。
 そしてそれは傍らにいるカメールさんもまた同じらしく満足げに一度頷く。

『イベントの開始までにまた汚れてしまうということはないかしら?』
「リザードンは毛皮も無いし体温も高いポケモンだ。そうそう前みたいな状態にはならないだろう。表面的な汚れならばタオルで拭いてやれば十分さ」

 一方でカメールさんもまた、ルナフレアのイベント開催日を訊ねる。
 やはり自分が手掛けた顧客の今後……というかアイドルともなれば、その晴れ舞台は気になるのが人情というものだ。

『コンサートはこれから一週間後よ。これから彼女にはリハーサルやレッスンがある訳だけど……この調子なら大丈夫そうね』

 語り掛けながら見やるエスナさんの視線に気付いてはルナフレアも両拳を胸の前で掲げるようなガッツポーズもひとつ。
 俺達の決死の洗体で、彼女の性格そのものにも変化が現れていたようであった。

 その後俺達は再度、一連の仕事とルナフレアに関する『秘密保持契約』の確認をされ、そして連れて来られた時同様の厳重さで帰宅を果たす。そうして車から降ろされた先で多分にチップの弾まれた報酬を受け取ると──晴れて俺達はお役御免となるのだった。

 改めて我が家のリビングに落ち着くと、俺とカメールさんは深いため息をハモらせた。
 あんな形で送迎をされたこともあり、なにやら長い夢を見ていたような気分だった。
 しばし黙したまま過ごす俺達ではあったが、心地良い仕事の疲れもあってかこの沈黙に雰囲気が悪くなってしまうこともない。
 それどころか……俺達の間にはまたもあの親密な気配が漂い始めていた。

 永らくカメールさんとパートナーを組んできた俺には、彼女が今、俺からの誘いを待ち望んでいる気配が手に取るように分かった。ならば同様に、俺がカメールさんを誘いたがっていることもまた彼女には伝わっているはずだ。

 繰り返しになるが、俺は一女性としてカメールさんが好きだ。
 だからこそ今度は、あんなフェロモンまみれのどさくさじゃなく真っすぐに互いの気持ちを確かめ合いたいと思っていた。

「えっと……なんだかんだ言って、丸一日ぶっ通しだったから疲れたなあ」

 自分でも芝居がかっているようなその切り出し方はどうかとも思ったが、俺は意を決してカメールさんへと語り掛ける。

「せっかくだし、このまま泊って行かないかカメールさん? 体も汚れてるから風呂も入らなきゃならないし……」

 我ながら遠回しな言い方だと思った。
 そしてそれに対する彼女の反応を見るべくに、俺も上目遣いでカメールさんに一瞥を送る。
 テーブルをはさみ椅子の前方にちょこんと座っていたカメールさんの顔には──どこかイタズラっぽい微笑みが咲いていた。

『だったら洗ってあげる』──そんなカメールさんの返事は、俺に負け字劣らずの遠回しな『OK』の返事であった。
 
「ならばこっちこそプロのテクニックを見せてやるぞ?」

 期せずして同時に立ち上がると俺達は並んで自宅の風呂場へと歩んでいく。
 まだフェロモンが残っていたのか、それともこの後のことを想像してしまってか、俺の愚息は再びスラックスの下で大きくなり始めていた。
 それに気まずさを覚えるよりも先に、カメールさんはそんな俺の股間を愛おし気に撫でまわしては、その上に顔を置いて深く息を吸う。

 その日、再び俺達は結ばれた──ルナフレアのフェロモンなんかで昂らせられていた時よりも遥かに激しく、そして情熱的に俺達は愛し合った。
 

■    ■    ■


 一週間後──俺とカメールさんは、自宅にてルナフレアのコンサート開幕を今かと待ち望んでいた。
 テレビの前に置いたソファに並んで体を沈め、飲み物や軽食といった類をふんだんに用意してはその時を待つ。

 もとより国民的アイドルであったルナフレアのコンサートは、地上波でのリアルタイム放映もまた決定していた。
 そこに加えて『重大発表』ともなれば皆の関心も集まらない訳もない。

 特設チャンネルにてルナフレアの経歴とアイドルになるまでの軌跡を紹介する特番が流れた後……ついにそれは始まる。
 登場と共に彼女の『巨体』の事実が知らされるや会場からは戸惑いの声も上がるものの、そこへ畳み掛けるようルナフレアの代表曲とそして生のダンスとが披露されるとそれはたちどころに観客の心を掴んだ。

 同時に地上波放送側の画面には、下部にSNSのコメントが反映されるような構成がされていて、そこに寄せられる意見もおおよそ好意的なものであった。
 ルナフレアのカミングアウトは上々の結果を以て、ファンには受け入れられたようだった。

 それを証明するようにコンサートは盛り上がっていく。
 馴染みの楽曲が流れた際には俺とカメールさんも一緒に口ずさんだものだ。
 しかし……その伝説的な『事件』が起きたのはイベントも終了間際という時であった。

 イベントは完全密閉の屋内会場にて行われ、そしてこの日イベント会場に訪れていたファンも500人未満というルナフレアにしては小規模な物であった。
 これは元より地上波での放映をメインに据え、もしこのカミングアウトでトラブルが生じた際には直ちに対応できるようにと考えられての構成ではあったのだが……これが裏と出た。

 この日ルナフレアが3度目の衣装替えをして、オーディエンスの熱気に晒されて大量に発汗をしながらダンスを披露していたその時──女性客の一人が上着を脱ぎ捨ててはカメラの前に乳房を露とさせた。

 こういったハプニングも生放送ゆえ、そしてライブ会場ゆえのものであるからカメラマンも慌てることなくカメラを移動させるも……その先に待っていたものもまた全裸の女性達であった。

 そしてそれは女性客だけに留まらない。男性客もまた呼応するように服を脱ぎ始めたかと思うと観客達衆人は──一斉に性交渉を開始した。

 男と女、同性同士、果てはその場にいたポケモン達ともまぐわい始めた会場の絵面は、サイケな照明と舞台装置の効果も手伝ってヒエロニムス・ボスの絵のような混沌と騒乱の模様を画面に映し出していた。
 そしてSNSから寄せられるコメントも混乱の極みに達したその時──画面は『しばらくお待ちください』のテロップとみがわり人形を映した静止画像に切り替わり、場には静寂が訪れた。

 一連の狂乱劇において、この真相を知っている者達はおそらく俺とカメールさんだけであったろう。
 言うまでも無くその原因は、彼女ルナフレアのフェロモンに他ならなかった。

 密閉された小規模な会場のあの中、数時間を掛けて発汗と共に醸成された彼女のフェロモンは会場の熱気により濃縮されていったことだろう。
 それを知らずに吸引し続けていた観客はある時点で肉体の許容量を超えると同時に発情し……あとはご覧の有り様という訳であった。

『そう言えば報告してなかったね』……俺もカメールさんも同じことを考えていたに違いない。
 得も言えぬ気まずさを覚えては沈黙を続けていた俺達ではあったが、俺はその場でわざとらしく伸びをしてみせると、

「ふわあぁ……じゃあカメールさん、もう寝ようか?」

 何事もなかったかのように俺は言う。
 それに対してカメールさんもまた何事も無かったかのように頷くと、俺達は揃って立ち上がった。
 
 そうしてその去り際、カメールさんはリモコンを手にするとテレビの電源をオフにする。
 はたして明日にまたこのテレビをつけた時……画面にはどんなニュースが写されるものなのだろうか?


 その恐ろしすぎる結末を、俺達はあえて考えないようにするのだった。








【 巨大娘のお風呂事情・完 】


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Last-modified: 2023-12-02 (土) 20:19:05
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