最近、まったくと言っていいほど書いていなかったので、リハビリがてら小説を書かせていただきました。 相変わらずの低クオリティーですが、読んでいただけたらと思います。 [[ピカピカ]] ---- 「ねぇ、セックスって何?」 「はっ?」 きっかけはその一言からだった。 自分の部屋の椅子に腰掛け、適当に漫画をパラパラめくって暇を持て余していた時、ふと後ろにいるあいつから声をかけられたのである。 漫画を片手に持ったまま立ち上がり、彼女の目の前に座ってなるべく笑顔かつ、冷静に聞いた。 「何だって?」 「だから、セックスって何か教えてほしいんだけど。あんたなら知ってるんでしょ?」 立ち上がり、部屋の壁に幾度となく額を叩きつける。俺の聞き間違いなはずだ、いや絶対そうだ。 俺のとてつもなく痛々しい様子を怪訝そうな目つきで見ていたあいつは俺のズボンを引っ張って聞きたくもない言葉をまた言った。 「ねぇ、セックスって何なのよ!?」 ---- 時は遡り、ほんの数時間程前に戻る。 そもそもの事の発端は俺の友人から。いや、それには多少の語弊があるな。正確には俺の友人が持ってるポケモン、つまりはあいつの友達からだったようだ。いや、もはや共犯だ。 俺が友人の家に遊びに行き、あいつもついて来た。二人でゲームなどをしながら時間を過ごし、その間ポケモンの二人はポケモンならではの遊び(と言っても模擬戦闘みたいなもの)をしていた。 テレビ画面をぼーっとした表情で見ながら、ゲームをしていた時、急に友人の方から話しかけてきた。 「なぁ」 「ん? どうした?」 「お前ってセックスしたことある?」 それを聞いた瞬間、体が石のように固くなり、思わずコントローラーを強く握りすぎてしまった。 若干メキッと音がしたのにも関わらず、そいつは話を続けた。 「俺さ、ついこの前初めてやってさぁ」 「ほぉぉ…。それは良かったなぁ…。いつの間にそんな相手作ったのか知らんが、何故それを俺に言う?」 「こんなことお前にしか話せねぇからさ」 「そうか…」 悪いが、全然嬉しさを微塵の欠片も感じ取ることができない。自慢なら他所でやってくれ。 童貞の俺にそんなこと話しても、何の相談相手にもなってやれねぇよ。皮肉やら嫌味ならたっぷり言ってやれる自信があるがな。 まぁ一応聞いておいてやるか。その後殴るかもしれないが。 「で、相手は?」 「そこ」 「ん?」 友人が指さした方を見ると、外で何かを話しているあいつと友達のポケモンが何やら話をしているのが見えた。 ちなみに言うのが遅れたが、あいつとは俺のポケモンのことで、イーブイの進化系の氷タイプのポケモンの「グレイシア」のことだ。性格は怒りっぽい兼たまにさみしがりやだ。昔からさみしがりだったからその性根は多分変わっていないはず。 昔はあれでも可愛かったのにな。いつでも俺の腕の中にいないと駄目なくらいだったのに。今じゃ事あるごとにつっかかってくるうえ、抱きかかえようとすると嫌がるように…ってどうでもいいか。 話を戻すが、友人のポケモンはブースターで、これも珍しいうちのグレイシアと同じで雌。 おい、まさかとは思うが…。 「お前…まさかあいつと、ブースターとやったのか…?」 「おぅ。炎タイプなもんだから目茶苦茶中がうねって熱かったぜ…。そのうえ、あいつときたら絶倫だったから一晩中求められちまってさぁ…」 「痩せているように見えたのは気のせいじゃなかった訳だ…。よし、とりあえずそこに直れ、成敗してくれる」 「えっ!? ちょっ…マジで……痛ってぇ!?」 その場で本気で焦る友人を勢いで殴って(しかも二発)俺は家を出ていってしまった。外にいるグレイシアの場所まで行き、強引に抱きかかえる。 「帰るぞ」 「ちょ、ちょっとどうしたのよ!?」 「いいから帰るぞ」 「訳分からない! 早く下ろして!」 「五月蝿い!!」 腕の中で暴れるグレイシアを珍しく言葉と力で押さえ付ける。すると意外に簡単におとなしくなった。 滅多に俺がここまですることなんてないから、驚いているようだった。 そして友人のポケモンであるブースターに適当に何か言ってその場を去ろうとした、のだが、何故かブースターはニヤけた顔をして俺とグレイシアを見ていた。 「その様子だと聞いちゃったんだ? 私とご主人の関係」 「ぐっ…」 「焦らなくてもいいのに。ふふ、可愛いなぁ。グレイシアが羨ましいよ」 「五月蝿いわよ、ブースター。変なこと言わないで」 「ごめんね~。でも、グレイシアのマスター? もし我慢出来なかったら私が相手してあげてもいいよ。ご主人の友達だからね、ふふ…」 何か企んでいるような怪しげな笑顔でそう言うブースター。普段は素直で愛嬌があって可愛いらしいのに、今は少し恐ろしささえ感じてしまう。 それに今の誘いは冗談なのか分からない。本気だとしても乗るつもりはないが、何でそんなことを嘘だとしても、たとえ本気だとしても聞くのか。 「悪いが、俺はそういうのには興味なくてね。あいつにも言っておけ。俺と話したかったらまともな話題をしろってな」 俺はあえて強気な口調でそう言った。しかしブースターはまったく気にもしていないような感じで再び俺を見る。その眼差しは鋭いものだった。 「ふ~ん…そう。それは残念だなぁ。私、意外と本気なのに。グレイシアはいいね。こんなにも真面目なマスターで」 「ただ、真面目すぎてウザイけど」 昔からそういう性格なんだから仕方ねぇだろとグレイシアに一言。 分からない。あいつのことも分からないが、ブースターの考えることは前から一番分からない。 「とにかくだ。今日は帰らせてもらう」 「そう。じゃあ、また来てね?」 そこでいつものブースターに戻ったような気がした。もしかしたらさっき見たのがブースターの本当の顔なのかもしれない。 だけど、いつもあいつの家から帰る時に見る屈託のないブースターの笑顔を見ると、ついいつもの調子で答えてしまった。 「あぁ。またな」 「グレイシアもまたね~」 「えぇ」 そう言葉を交わしてから、俺はブースターに背を向けて帰ろうとする。最後の最後までブースターは笑顔で尻尾をゆらゆらと左右に振っていた。 それからあいつの家を出たところで走って帰ろうとした。 だけど何かがそれを躊躇わせた。原因は分かってるけど、素直にそれを認めるのもしゃくに触る。だが、ここで認めなかったら…… 「あぁもう…っ!!」 「どうしたの? 帰るんじゃなかったの」 「一応言っとかないと俺の気がすまない」 足を戻し、再びブースターのいる所へ。ブースターは笑顔のままだったが、俺を見て少し驚いていたようだった。 だけどブースターはいつもの口調で俺を見つめたまま言った。 「どうしたの、グレイシアのマスター?」 「……あいつに言っといてくれ。殴って悪かったなって……」 「…わざわざそれを私に頼むために戻ってきたの? 大丈夫だよ、ご主人は気にしてないだろうから。今までずっとご主人と友達でいてくれたのはグレイシアのマスターしかいないからね」 「さっき言ったことも忘れないでくれよ」 「うん、了解。あっ、そうだ。グレイシア、私が言ったことも忘れないでね~」 ブースターはそう言って、家の窓から入っていった。グレイシアはこくっと頷いてブースターが見えなくなるまでじーっと動かなかった。 「何の話?」 「あんたには関係ないことよ。さぁ、早く帰りましょう?」 「お、おぅ」 グレイシアは妙に落ち着いている。あ、今気づいたけど俺、グレイシアを抱きかかえてたんだな。 久しぶりに体に触れたような気がする。こいつも気にしてないみたいだから、このまま帰っちゃうか。 そう思った俺は、先程とは違ってゆっくりとした歩調で歩きはじめた。 ---- 「ん~。やっぱりいいなぁ、グレイシアのマスターは」 「何だ、お前あぁいうのがタイプなのか?」 「ふふ、さぁねぇ~? ご主人とはまた違ったものがあるのは確かだよ」 「へぇ。そうかよ。あぁ~痛ぇなぁ」 場は変わり、友人の家。 部屋にはブースターと彼女の主人がいた。主人の方の頬は軽く腫れていた。それを軽く摩りながら涙目でブースターを見る彼。 ブースターは少し怒った口調で彼に言った。 「あれはご主人が悪いよ。グレイシアのマスターは今のままがいいのに、余計な口を出したら変になっちゃうじゃん。ご主人みたいに」 「だ、だってよ…」 「言い訳しないの。ご主人はすぐ言い訳するんだから~」 ブースターは主人の膝に座り、彼の肩に手を乗せて腫れている頬を舐めた。それを少し擽ったそうにする主人はブースターの体を持って、ベッドに仰向けにして寝かせた。 「ね? グレイシアのマスターどうすると思う?」 「さぁ、俺とお前みたいな関係になるか、それとも……」 そこで主人の口はブースターによって塞がれた。舌を絡めてキスをする様子はとても淫らな光景だった。 口を離せば、ブースターの息は荒くなっていて、繋がっていた透明な橋が口元に垂れていた。 「私は…グレイシアとグレイシアのマスターが私とご主人みたいになってくれるといいな」 「願望かよ。でも内心、俺もそうなってほしいって思ってる」 「えへへ、ご主人。愛してるよ」 「あいつと俺だったらどっちが好きなんだ?」 「聞かなくても分かるでしょ? もちろんご主人だよ」 俺もだよと言葉を交わしてから、二人は再び舌を絡めるキスをした。これからこの部屋は二人だけの空間になっていくようだ。 ---- 家に帰ってからグレイシアをすぐに下ろし、居間へと向かう。グレイシアは俺の前を歩き、先に居間へと向かって、ソファーに座った。 居間に着くと、いつもいるはずの母さんがいなかった。 「あれ、母さんいないのか?」 「机の上にこんなものがあったけど」 「んっ?どれどれ」 置き手紙とは何か大袈裟な…。 とりあえず封を破って中身を見る。手紙の内容はこうだ。 「急に父さんと旅行に行くことになりましたで候。一週間程滞在するにて、そこのところ了解されたし。生活費一万円を同封するので、よく考えて使われよ。したらばこれにて…」 「何で昔の人みたいな口調?」 「俺が知るか。くそ、息子置いて旅行とは何考えてんだか、あの両親は…」 封をあけた袋を逆さにして振ってみれば 、言われた通り一万円が同封されていたで候。まぁ、しばらくは自由に暮らせるって訳か。徹ゲーでもするか。 さて、冗談は置いといて、どうするかな。グレイシアと二人きりで生活することになったんだが、かと言って何かが変わる訳じゃない。いつも通りの生活をすれば良いだけだ。 うん。大丈夫だ、問題ない。 「お父さんとお母さんがいない…」 「安心しろ、俺がいてやっから」 「逆に心配だわ…」 おい、それはどういう意味だ。泣くぞコノヤロー。 「はぁっ…。まぁいい。俺は部屋に戻るわ」 「あっ、待ってよ。私もそうするから」 「何だよ、いつもは嫌がるくせに」 「あんたが寂しいと思って一緒にいてあげるだけよ。変なこと考えないでよ」 一つ溜め息をついてから部屋のドアを開けて、グレイシアを中に入れる。 素直じゃないよな、まったく。やれやれといった表情をしてから俺はグレイシアの後に部屋に入り、椅子に腰掛け、近くにあった本を手に取る。グレイシアは俺の後ろで、体を丸めて眠ることにしたようだ。数分もしない内にすぅすぅと寝息が聞こえてきた。 そういえば今日はブースターと遊んだんだものな。疲れてたのかな。 「……」 ふぅ、と溜め息をついてから本を置き、ベッドからシーツを取って、起こさないようにグレイシアの体にそっとかけてやった。氷タイプだから寒いとか感じないだろうし、ましてや風邪なんてひかないだろうが、それでも何かしてやらずにはいられなかった。 ふっと鼻から息を漏らして、グレイシアの顔を見る。すやすやと可愛い寝顔をしていた。 「まったく、寝ている時は可愛いもんだ…」 思わずそう呟いてしまって、自分で恥ずかしくなり、顔を赤くしてしまったに違いない。 慌てて本を手に取り、再びページをパラパラとめくっていた。当然内容は一切頭に入っていなかったが。 それから数十分した頃。大分俺も落ち着きを取り戻し、今では机に肘をつき、頬に手を置いて漫画を読んでいた。 相変わらず内容は頭に入っていなかったが、暇を持て余している俺にとっては十分な暇潰しになっていた。グレイシアは依然として寝ている。 「何か喉渇いたなぁ…。冷蔵庫に何かあったっけ」 起こさないように足音を立てずに、部屋を出る。冷蔵庫には…見事に何もないよ。これ何てイジメ? 母さん、一万円なんて高額な金を置いていった理由はこれか。自分で食材やらなにやら買って過ごす。おかしいとは思っていたが、こんな罠が仕掛けられていたなんてな。 「しょうがねぇ。今から買いに行くか」 グレイシアは起こさないほうがいいだろう。起きる様子もないしな。 ジャンパーを上に着て、家の鍵を閉めてから出かける。幸いスーパーも近いからすぐ帰ってこれるだろう。 ---- 「ただいま~っと…」 買い物に出かけてから30分ほど、少し買い過ぎたせいで思ったより時間がかかってしまった。 グレイシアは多分起きてないよな。とりあえず買ってきたものを冷蔵庫に入れないと。 買い物袋を両手に抱え、冷蔵庫のところまで行き、中の食材を入れていく。だが、そこで何かしらの視線を感じる。 「……」 「やぁ、お目覚めかい。グレイシア?」 「私が寝てる間にどこ行ってたのよ?」 見て分からないか、と言った表情で手に持った食材をグレイシアに見せた。すると何かを納得したかのような顔をしてから、すぐにむすっとした表情に戻る。 「それにしたって何で私を置いていったのよ?」 「あのなぁ…。すやすや寝てる奴を無理矢理起こす程、酷い人間じゃないぞ俺は」 「……そう」 むすっとした表情は相変わらずなのだが、その顔のどこかに寂しさを感じとることが出来たのはやはり俺がグレイシアのマスターだからだろうか。 どちらにしろ、こいつの性格は俺がよく知ってるからな。そこを考えていなかったのは素直に俺が悪いと認めなくちゃいけない。 「悪い、今度から気をつける」 「べ、別にそんな寂しかったとかいうわけじゃないからね!!」 「分かってるよ。グレイシアは俺が出かけることを言わなかったのが気にくわなかったんだよな?」 「えっ…? あっ。えぇ、そうよ…」 まったく本当に素直じゃないな。寂しかったらそう言えばいいのに。気にしてないけどな。 「さて、仕舞うもんも仕舞ったし、部屋に戻るかな。晩飯にはまだ早いし。お前はどうする、グレイシア?」 「一緒に戻る…」 「そうか。じゃ、お先にどうぞ」 部屋の戸を開け、グレイシアを入れる。さっきとまったく変わらない光景だ。違うと言ったら部屋に入ったグレイシアが寝ずに、部屋の隅の方にいることぐらいだな。 「ふぅ…。流石に疲れたな」 「…お疲れ様」 「うん? ありがとな、グレイシア」 聞こえるか聞こえないか、本当にぎりぎりの声でグレイシアが言ったことに、言葉を返す。 普段からそれぐらい素直だったら今頃こんなにぎくしゃく…と言ったら大袈裟かもしれないが、もう少しお互いに良い関係を保っていられるかもしれないのにな。 そんなことを今更考えたところで、どうにかなるわけでもない。俺はまた本を手に取り、適当にページを読んでいくことにした。だが、いざその行動に出ようとした時、後ろのグレイシアが声をかけてきた。 「…ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」 「ん? どうしたんだ、いきなり。まぁ俺が教えてやれることなら何でも答えてやるよ」 「そう。じゃあ……」 ここで俺はグレイシアからあの言葉を聞くことになる。 ---- で、今の状態になる訳だ。 うん、落ち着け俺。もう一度聞くんだ。 「なぁ、グレイシア…」 「セックス」 「女の子がそんな卑猥なこと軽々しく言うもんじゃねぇぇっ!!」 「セックスセックス」 「連呼するな!! お前は意味を知って言ってんのか!?」 「知らないから聞いてるんじゃないの。何、じゃああんたは知らない訳? 使えない…」 今の一言でブチッと何かが切れたような気がした。理性の糸は切れていない。 じゃあ何か。それは至極簡単なことだ。 「だったら教えてやろうか…?」 「何よ、知ってるんだったらさっさと教えてくれればいいのに……きゃっ?!」 グレイシアを持ち抱え、ベッドに乱暴に寝かせる。そして仰向けに寝かせた彼女の前足を掴む。 「ちょっと…っ。いきなり何を…」 「今から教えてやるよ。お前が知りたがってたセックスが何かをその体に叩きこんでやる…」 「やっ…!! 離して!!」 「五月蝿い!! おとなしくしろ!!」 俺が大声を上げると、ひっと上擦った声をあげるグレイシア。いつもは強気な彼女も俺が少し怒声を浴びせただけで、ここまでおとなしくなるのか。 少し顔をニヤつかせ、グレイシアの耳に触れる。少しひんやりとしながら柔らかさを兼ね備えている触っていて気持ちの良い耳をしている。 「んっ…」 「耳触られると感じる?」 「ち、違う…っ」 まだ強情を張るつもりか。まぁいい。耳なんかより彼女を気持ち良くさせる箇所などまだまだある。 それでも強気でいられたその時は、素直に褒めてやるとするか。ほとんど無理だろうが。 「ほら、こっち向け」 「やぁ…っ」 グレイシアの顔を無理矢理こちらに向けさせ、嫌がる彼女を無視してキスをする。途端に顔を真っ赤にさせ、体を硬直させたところを見ると、こういったことは初めてのようだった。 「ん~っ…」 「キスされるのはあまり嫌がってないみたいだな?」 「ばかぁっ……そんなことない…ふむっ…」 彼女の口と自分の口を重ねてまた塞ぐ。彼女の唇はぷるっとしていて、なんて柔らかいのだろう。 唇に舌を這わせ、舐めてみれば少し甘いような味がした。 「ふぁっ…」 「キスだけで随分気持ち良くなってるみたいだな…? そんなんでこれからやることに耐えられるのかぁ?」 「…っ」 「まぁ、良いけどよ。俺はただセックスってのが何なのかをお前に教えられればそれで良いだけだから」 そう吐き捨てるように言ってから徐々に顔を下げていって、グレイシアの体の隅々まで舐めずり回していく。 既に汗ばみ始めている彼女の体はしょっぱい汗の味で一杯だった。別に嫌な訳ではなく、むしろ好きな方だ。 彼女を組み敷いているという優越感に浸ると共に、彼女の体を堪能しているという満足感の両方を得て、今はとても気分が良い。そんな気分の良さに託けて、俺は彼女の大きくもなく、かと言ってそこまで小さくもない胸にしゃぶりついた。 「きゃんっ…!! 胸っ…吸っちゃあ…」 「甘いなぁ…。グレイシアの胸は…」 わざと音をたてながら胸に吸い付き、舌を転がして胸の中心部にある突起の周りを執拗に舐める。突起に舌を当てないのは俺なりの焦らし方だ。 片方の胸は手で攻め立て、揉んだり、突起を摘んでは小刻みに揺らして絶え間無く快楽を与えていく。吸い付いている胸では乳輪を舐め回し、突起にはいかずにひたすら焦らす。 「ひぁ……やぁっ…な、何でっ…」 「ん~? どうした?」 口を離せば、散々舐めまわしたことで胸全体に唾液が糸を引き、胸と口を繋ぐ橋が出来ていた。ぬらぬらと光る様は端から見ても凄く淫らに見えるだろう。 「な…んで…っ。乳首にいかないの…」 「別に、ただちょっと焦らしてみただけだ。何だ、そんなに攻めてほしかったのか?」 「違うっ…けど……ひゃうん!!」 言葉の途中で甲高い声をあげるグレイシア。それも当然だ。 彼女から直接聞けたので、良しとした俺が、今まで焦らしに焦らした胸の突起を急激に強い力で吸いついたのだから。体をびくつかせているところを見れば、かなり感じている様子。これは良い弱点を見つけた。 「いきなり…吸っちゃ…やっ!」 「嬉しいくせに」 突起と舌を絡めながら胸に吸い付けば、嫌でもグレイシアは喘ぎ声をあげる。それを聞けば聞くほど俺が彼女を蹂躙していることが分かって、さらに興奮を高めた。 だが、胸ばかりに攻めを加えていてはつまらない。やはり、彼女とセックスをするのであれば慣らしておかなければいけないところがある。 俺は名残惜しくも胸から口を離す。舌と胸の突起が唾液で糸を引いているのを確認してから、すぐにそれを崩し、ベッドに座る態勢になる。 そしてグレイシアを膝の上に乗せてから、ゆっくりと両足を開かせた。視線を下に向ければ、彼女のぷっくりとして、尚且つ先程からの行為で十分に濡れている秘部が見えた。 「あっ…こ、こんな格好…っ」 「淫らな姿だね。キスと胸でこんなに濡らしてるなんて…」 「やぁっ……恥ずかしいから見ないでぇ…」 グレイシアは手で顔を覆い隠すようにして、頭を左右に振った。ふと見えた瞳は涙で潤んでいるようだった。 いつもの俺であればやめてるかもしれない。だがここまで来てしまったのだから、ここで逃げては男として廃る。 俺はごくりと唾を呑んでから、グレイシアの足を腕であまり動かないように固定し、手で秘部を開いてみた。 「あまり自分では弄ってないみたいだな? 綺麗なピンク色してるじゃないか」 「やだ……拡げないで…っ」 「ほら自分で見てみろ…。自分のここからこんなにやらしい蜜が溢れてるのを…」 秘部から掬いとった少量の愛液を指に絡ませ、少し粘りのある蜜をグレイシアの前にちらつかせる。 「やめて……本当に…っ」 「五月蝿いな…。お前が教えてほしいって言うからこっちはやってやってるってのに…。ほれ、蜜舐めてみろ」 「むぐっ…!? んむっ…ちゅ…」 空いたままのグレイシアの口の中に指を無理矢理入れ、舐めとらせる。ザラザラとした舌触りが指の細かい部分まで舐めとられていく度に俺は少し体を震わせるのだった。 もし、この舌で俺のも奉仕してもらったらどれほど気持ちいいのだろうか。少しの疑問が浮かぶが、それもつかの間、全てを舐めとり、口を離したグレイシアは顔を上げて俺を見上げていた。 「ねぇ…私、もう教えてもらわなくていい…。だからやめない…?」 「…っ」 その顔が昔イーブイだった頃の彼女の顔と被った。卑怯だ、こんな時にそんな顔を見せるなんて。 それに、ここまで来たんだ。俺が我慢出来ると思っているのか。グレイシアはどうやら俺を心底甘ちゃんだと思いこんでるらしいな。 ここで分からせてやるか。どちらが今は上の立場にいる存在なのか。 「ふざけるな。ここまでやらせておいて虫が良すぎるんじゃないか?」 「えっ…」 グレイシアの俺を見る目が恐怖に変わったのを俺は見逃さなかった。 「教えてやるよ。これからやることがお前の知りたがってたセックスだってことをな」 「あっ…あぁっ……」 彼女を膝に乗せたまま、自分の分身とも言える愚息を取り出し、彼女の秘部と密着させる。生暖かい秘部と擦りつけるだけで愚息は早くやってしまいたいと言わんばかりにびくびくと脈を打つ。 グレイシアの秘部をくぱぁっと開き、その中心に愚息を挟む。ぬるぬるとした彼女の秘部はもう準備が良さそうだった。ぎゅっとグレイシアを抱きしめて少し腰を引く。 「あぅっ……」 「ぐっ…」 まだ入れてもいないのに、この快楽。 これでグレイシアの中に入ってしまえばどれほどの快楽が自分に伝わってくるのだろうか。考えただけで体が震えた。 俺はこのままでは入れるのに負荷がかかると思い、再びグレイシアをベッドに仰向けに寝かせ、両足を掴み、彼女の顔辺りまでいくように持ち上げた。 すると秘部は彼女の意志とは無関係に、小刻みに痙攣して雄を迎えいれる準備を始めた。同時に秘部の下に見える彼女の蕾がひくひくと開閉を繰り返していた。 「やっぱり嫌がってても体の方は至って正直じゃないか」 「違っ…う。違うの……」 「何が違うんだよ。こんなやらしい体しといて」 膣に指を軽く出し入れしながら耳元でそう囁いてやれば、顔を背けてひたすら違うと譫言のように呟いていた。 さて、そろそろ教えてやるとしよう。彼女が知りたがっていたセックスを。 「よし、中に入れるぞ。力抜け」 「やだ…。お願い……」 「今更止められるかよ…」 「そん、な…。やめて……お願い……すた…」 グレイシアが最後に何かを呟き、嫌がっているのも振り払い、俺は愚息を根元から握りしめ、彼女の秘部に宛がう。先端が秘部に難無く入り込むと、そこでグレイシアが叫んだ。 「やっ…やめてっ! マスターッ!!」 「うっ……」 俺の進入はそこでストップし、それどころか逆に引き抜いてしまった。 彼女を抱きかかえるよりもさらに久しぶりに聞いたその言葉に驚きを隠せなかったからである。グレイシアはグレイシアで息を荒げたまま仰向けに寝たままだった。 「はぁっはぁっ……うっ…ふぇ…」 「グレイシア…?」 「うわぁぁぁんっ!!」 「ぐ、グレイシアっ!!?」 突然泣き出してしまった彼女に寄り、抱きかかえる。頭を胸の辺りに寄せてやって背中をさすってあげる。胸の中で嗚咽を漏らすグレイシアを見て、心が何とも苦しくて締め付けられるような感覚に襲われた。 あぁ、俺はなんて大馬鹿者なんだ。今になって気づいた。こんな風に無理矢理ただ自分の憤りに身を任せてグレイシアを犯そうとしていたなんて。一歩間違えれば今のグレイシアとの関係までもが崩れてしまうかもしれなかったのに。 「ふぇっ…ひっく…ひっく…」 「グレイシア…。ごめんな、本当にごめんな…」 「ま、ますたぁ…。ご、ごめ…なさ…い。私がいつもマスターに強く当たる…から、マスター……怒っちゃった…んでしょ?」 違う、違うよグレイシア。そう言ってただ彼女の体を撫でてあげていた。 「私……ブースターから…セックスっていうのは気持ちいいものだっていうことだけ聞いたの……。でも、どうやるかは……マスターに聞いて…って言われて…それで…」 「うん。うん。それでグレイシアは俺に聞いただけなんだよな? セックスっていうのがどんなものなのかを」 グレイシアはこくっと頷いた。 今だに瞳は潤んでいて、涙が溜まっているようだった。俺はそれを指で拭ってあげてから、強く抱きしめてグレイシアに言った。 「ごめんな、グレイシア。セックスって言うのはブースターが言うのもあながち間違ってはいないけど、本来は互いに想い合っている人達がその証を確認するためにやる行為のことだよ…。そして行為によって赤子が出来るんだ」 「互いに想い合ってる人で……?」 「そう。たとえば俺とグレイシアが互いに想い合っていたとしたら……」 「セックスをして……赤ん坊を作るの?」 俺はグレイシアの問いに頷く。すると途端に彼女の顔が真っ赤になった。 知らなかった人からすればやっぱりそんな反応なんだろうか。でも正直今のグレイシアの顔、可愛いな。思わずそう思ってしまった俺はいつの間にかグレイシアの頭を優しく撫でていた。 「あっ…マスター……」 「グレイシア…。やっぱりグレイシアは今の方が可愛いよ」 「…っ!! い、いきなりそんなこと言われても……」 「何で…昔みたいにマスターって呼んでくれなくなったんだ? どうしてあんな生意気な性格を装ってたんだよ……」 そう聞かれてグレイシアは俯いていた。一体何の理由があって彼女はこんなにも変わってしまったのだろうか。 やがて何かを決したかのように顔を上げ、俺のことをしっかりと見てグレイシアは言った。 「私、マスターのことが好き…。だけど好きでいればいるほど…マスターと接することが出来なくなったの……」 「……」 「あんな風に接することでしか平常心を保っていられなかった…。だって……本当の私でマスターといたら……壊れてしまいそうだったから……」 そう言ってからまたもや泣きそうな顔になってしまうグレイシアの頬を撫でる。 撫でた手をグレイシアの顎の下に乗せ、ゆっくりと自分の方へと向かせる。 「今のは俺に向けての告白なんだよな?」 「あっ……え、えっと…んっ…」 彼女が言葉を返す前に、俺は唇を塞いだ。舌を絡めて彼女の口内を犯し、堪能していく。気のせいか、さっきよりもスムーズに行えたような気がした。 やがて俺が口を離すと、グレイシアは惚けた目をして俺を見ていた。その表情にはまだ満足していないようなものが伺えて、もう一度唇が触れ合うだけのキスをした。 「ます…たぁ……」 「グレイシア…」 名前を呼び合うのもどれ程懐かしいことか。彼女がイーブイだった頃は毎日そうしあっていたのに、それぞれが成長していくにあたって次第にそんないつも通りのことが出来なくなっていた。 大きくなるにあたって、俺もグレイシアと同じようにいつの間にか彼女への気持ちを心の奥深くに閉じ込めてしまっていたのかもしれない。そうでなければ、さっき俺がした行為を彼女が泣き叫ぶまで行ったりなどしなかったはずだ。 だけど彼女が、グレイシアが心を開いて昔の彼女に戻ってくれたことで、ようやく俺自身もグレイシアへの想いを遂げることができる。 「グレイシア…。もう一つ俺から教えてやる」 「何を、ですか?」 「……俺、お前のことが好きだ。さっきお前に言われてようやく俺も言う決心が出来た。グレイシア、愛してる…」 「…嬉しい、です…」 彼女が目に涙を浮かべて、俺の胸に顔を擦り付ける。それを受け止めて、しっかりと抱きしめてやってから、頭を撫でてあげた。 しばらくすると顔を離し、頬を赤く染めたグレイシアが恥ずかしそうにしながら言った。 「じゃあマスター…? 今ここで私に教えて……」 「…セックスをか?」 「違いますよ…。マスターの私への想いがどれほどか、教えてほしいんです…。その、私の…体に…」 自分で言っててさらに恥ずかしくなったのだろうか、グレイシアは俺から顔を背けた。 そのグレイシアの様子がとても愛おしくて、俺は彼女を仰向けに寝かせた。 「いいんだよ…な?」 「お願い、します……」 最後の確認とも言える言葉を交わしてから、俺は先程の彼女とのキスで固くそそり立った愚息をグレイシアの秘部へと擦りつける。 「…ッ!」 愚息の先端が彼女の秘部から溢れた愛液で湿ったのを見遣ってから、ゆっくりと愚息を挿入する。 「…っあぁ!!」 「くぅっ…」 まだ半分も入れていないのに、熱くてキツイ締め付けに腰が震えて言うことを聞いてくれない。 俺と同じく初めてのことにグレイシアは所々で息を漏らし、進入してくる愚息を受け入れようと必死に呼吸を整えようとしていた。その都度、彼女の膣の肉がきゅうっと締め上げてきた。 「すごっ…熱い…」 「ますたぁのも……太くて熱い…よ」 「…痛くないか?」 こくっと頷いたグレイシアは俺の首に手を回して引き寄せる。おとなしくその行動に身を任せると、グレイシアはキスをしてきた。自らの舌を俺の口の中に入れてきて、不器用な動きをしながらも俺の舌と絡めようと必死だった。 「んむっ…」 「キス、好きなのか?」 「ふぁ……好きぃ…」 そんな甘いキスをしながらも俺は愚息を押し込んでグレイシアの中を進んでいき、壁をも突き破っていく。その瞬間グレイシアはぴくっと震え、危うく俺の舌を噛みそうになった。 「悪い…。さすがに痛かったか?」 「…だい、じょうぶ…っ。ちょっとびっくりしただけ……だから」 そうは言っても、そんな苦しそうな顔を見せられたら心配しないはずないじゃないか。結合部からは彼女が処女だと言う証が滲みでており、見ていて痛々しい。 少し慣らしてあげてから再開するとしよう。せめて痛みがなくなって、ある程度グレイシアが落ち着いたら奥に進む。 時間はあるのだから焦ることはない。ゆっくりと時間をかけてやればいい。 「…んぅ……ひっ…」 「大丈夫か、グレイシア…?」 「う…ん。心配しないで…」 軽く入れたり抜いたりを繰り返していくだけの動きだが、俺と彼女にはそれだけで十分過ぎる程で、いつの間にか俺は少しずつ彼女の奥へと進んでいた。 それは処女を失った痛みから解放されつつあるのか、グレイシアが甘い喘ぎ声をあげはじめたのを聞いたからに外ならない。 「んっ…あっ…あふっ……」 「もう大丈夫か? グレイシア…」 「うっ……ん。何か…不思議な感じがする……。マスターが私の中にいるってことに」 それは心も体もようやく一つになれたからだよ、と告げてから再びキスをし、腰を引いたり押したりを早めのスピードで動かしていく。いっそのこと、このまま快楽に身を任せて、少しぐらいは俺の自由にやってもバチは当たらないだろうか。 試しに愚息を最大限まで引き抜く。全てを引き抜かずに、彼女の愛液で濡れに濡れた自分の分身とも言えるものを間を置いてから今度は一気に押し込む。 グレイシアの腰の辺りと俺の腰がぶつかり合い、尚且つ水が弾けた音が部屋に響いた。 「ふぅっ…奥に……マスターのが…っ」 「もう我慢できない…。グレイシア、そろそろ激しく動いてもいいよな?」 頷いて了承してくれた彼女の身を案じながらも、俺は今しがたやったばかりの行動をさっきよりも早く行いはじめた。 きつく締め上げてくるグレイシアの膣内を行き来する度に淫音はその音量を大きくしていく。 「やぁっ……ひゃ…腰っ…が、浮いちゃ……っ」 本人には言わないけど、その原因はグレイシア自らが作っている。 愚息を引こうとする毎に彼女が愚息を締め付ける力を強くするものだから、そのまま俺の動きに合わせて体が動く。それがまた俺を快楽へと誘うのだった。 互いに気持ち良くなれることはしっかりと果たせているのだから、何も言わないままでいいだろう。 「ます…たぁ……っ。良いっ…気持ち…良い、よぉ……っ!!」 「俺も気持ちいいよ……。グレイシアの中…濡れてて……締め付けてくるから…」 「う…ん。でも……私…何か来る……体が気持ちよくなりすぎて……私の中から……何か来ちゃうよ…」 もしかして絶頂を迎えるのも初めてなのか。だとしたら今グレイシアは一体どんな気持ちなのだろう。 今まで味わったことのない快楽の頂を迎えることで彼女は何を知るのだろう。それは本人にしか分からないことだろうが、とにかく今はこの残り少ない時を楽しむとしよう。 おそらく彼女も俺も、限界だろうから。 「……駄目…だめぇ…やっ……来ちゃう…来ちゃうの……っ」 「そのままその流れに任せてごらん…。そのあとは俺が、やってあげるから……」 「わかっ…た」 息も途切れ途切れに答えてから、グレイシアは口を手で押さえて、愚息から伝わってくる熱さと、膣と愚息が擦れて生まれる快楽にぴくぴくと反応していた。 それから俺がひたすら愚息の出し入れを行ってから、幾分もしないうちにグレイシアは一際体を大きく震わせ、ぶるぶると痙攣したような動きを見せた。 「ん~っ…!! んっ…んぅ…」 「くぁっ! 凄っ…締め付け……」 絶頂を迎えたのと同時に彼女の膣が今までよりも大きく収縮し、愚息を容赦なく締め上げた。 彼女の膣の肉がここぞとばかりに愚息に絡み付き、全体を絞りとるように扱きあげる。その動きに必死に耐えながら、俺も限界を迎えそうになり、直ぐさま愚息を彼女の中から引き抜く。 ポンッと音がし、引き抜かれた愚息は激しく震え、白濁液をグレイシアの体に満遍なくかけることとなった。 「はぁっ…はっ…熱ぃよぉ…」 「悪い、グレイシア…」 水色の体に白く粘着性のある液体が所々に散らばり、白い玉模様を作っているように見えた。そして体だけに留まらず、彼女の顔にまでかかってしまっていた液体を指で拭う。 少し独特な匂いを放つその液体をグレイシアは不思議そうな目で見つめていた。 「これが…マスターの…」 「お、おい。グレイシア?」 指に絡み付いた液体を一通り見てから、グレイシアはそれを舌で舐めとった。 「ちょっ……汚いって!!」 「汚くなんか…ない。だってこれは…マスターが私にくれた「気持ち」だもの…」 「グレイシア…」 「だから…全部私が貰う……私だけのマスターからの気持ち…」 そう言って指を舐め終わると、次に少し衰えを見せていた愚息に対しても同じことをする。熱心に舐めとっていく姿に再び心動かされた俺は愚息を急激に奮いたたさせてしまう。 「んむっ…またこんなにおっきくなった……ちゅる…」 「…悪い」 グレイシアは首を左右に振ってからも舐めとるのをやめなかった。しばらくして愚息のも綺麗に舐め終わると、今度は体にこびりついたものまで舐め始めた。 そこまでするか。と思ったのだが、彼女が望んでやっていることに、俺が口を出す訳には行かない。でも俺が彼女にしてやれることはあるはずだ。 俺は舐めとりにくいであろう場所に、指を這わせて液体を拭い取る。そして彼女の前にそれを差し出せば、自然と彼女が指を舐めてくれた。 全てを舐め終わった時には既に彼女の体はいつも通りの綺麗な水色の体に戻っていた。 「ちゃんと受け取ったよ…マスターの気持ち……」 「ありがとな。グレイシア」 「うん…。でも、次はちゃんとこっちにも欲しいよ…」 グレイシアは俺にお尻を突き出す形にして背を向けた。彼女が求めているものは既に分かっていた。 妖しく濡れて光る秘部に先程奮い立ったままの愚息を再び宛がう。そして一気に突き入れた。 「あぁっ…!!」 軽い嬌声を上げて、グレイシアは前足に力が入らないのか、前のめりの態勢になった。そうすることで秘部が嫌でも俺にさらに突き出され、奥へと進入を許した。 ぐぷっぐぷっと音が響き、彼女の中を激しく行き来する。一度慣らしたおかげで随分と楽に快楽を得ていた。 「やっ…あっ…あぁっ…ん」 「こんなに可愛い声聞かされたら…もっと聞きたくなっちゃうじゃないか…っ」 そこで彼女の腰に置いていた両手を滑らせ、胸へと手を置く。ふにっとした柔らかい胸を揉みながら、突起を指で摘んだ。 「きゃぅっ……胸は…だめぇっ…!!」 くにくにと突起を指で押し潰したり、または引っ張ったり、指先で転がす度に固くなっていく突起を弄ぶ。その都度グレイシアは甘い声を上げ、膣を収縮させる。 「だめ…なのぉ……乳首…弱い、から……っ」 「やっぱりグレイシアの弱点はここなんだ?」 「ひゃあっ!?」 突起から一旦手を離し、彼女の体を抱くようにして持ち上げ、ベッドに座る。 そしてさっきもやったようにグレイシアの足を大きく開脚させる。そうして繋がっている淫らな姿は彼女の瞳にもしっかりと映っているようだった。 「ほら、しっかり見てごらん? こんなにいやらしい恰好してるんだよ…」 「やぁっ…恥ずかしいよぉ……んぅっ」 グレイシアの両足を自分の腕の内側で挟み、固定する。そして再び手を彼女の胸へと置き、揉みはじめる。ひんやりとしているような体温を手の平で感じるが、実際は彼女の体の中はとても熱くて、凄く魅力的に感じられる。 そして足が俺が固定していることにより、持ち上げられるような態勢にされたことで、彼女の膣にさらに愚息が深く入るようになった。子宮口を軽く小突きながら愚息の出し入れをする。 「んっ…やぁっ…両方責められながらなんて……無理だよぉ……っ!」 喘ぎながら必死に快楽に悶えるグレイシアの姿は何ともいやらしい。出来ることならずっと見ていたいぐらいだ。 俺はそんな思いを抱きながら、突起を指で強く摘み、激しく彼女を上下に揺さぶる。 「あんっ…あぁっ……ひゅご…いぃ…っ。おかしく…っ。おかしくなっちゃ…」 「さっきよりもっ…凄く気持ちいいよ……グレイシア……」 「わ、わたひも……気持ちいいよぉっ……!!」 いつしか快楽に身を任せるばかりに、舌を出して、だらしなく喘ぐグレイシア。そのいつもと違う彼女の姿に興奮を覚え、舌を絡めてからキスをする。 もちろん胸の愛撫も忘れずに。 「ふむぅ…。ますたぁ…好き……好きだよぉ……んんっ」 「俺もだよ。大好きだ、グレイシア…」 「ふぁ…っ!! 嬉しい……」 少しずつ喘ぐ気力さえ無くなってきたのだろうか、彼女の声が薄れてきている。二度続けてやれば誰だってそうなるよな、絶倫でもないかぎりは。 俺は二度目の絶頂を迎えるために、さらにグレイシアを突く力を強くし、腰の上下に動かす速度を速めた。 「あっ!! うぁっ!! 激しっ……」 「駄目だ……。グレイシア、中に……中に出すぞ…っ!!」 「はっ…はっ…ぃぃ……」 何度も深く出し入れを繰り返されたからか、繋ぎ目からは愛液と愚息から漏れた我慢汁が混ざり合わさった液体が弾けて、シーツやらズボンやらを濡らしに濡らしていた。 そして限界を迎えた俺は呻くように声を漏らし、グレイシアの膣の奥へと白濁液を流しこんだ。 その量は二回目にも関わらず、かなりの量が出ているであろうことが分かった。それを全身で受け止めているグレイシアは体をびくつかせて、息を荒げながら小さい声で呟いた。 「あっ…ああぁぁぁ……は、入ってる……マスターの熱いのが、たくさん…っ」 「ぐっ……やっべ…止まんね…ぇ」 愚息は収まりを知らずに、彼女の中を満たした後は膣内をほとんど白くうめつくし、繋ぎ目からとろりと零れてしまっていた。 ふぅ、と一息漏らしてから俺はゆっくりとグレイシアを持ち上げ、愚息を引き抜く。すると栓になっていたものがなくなったからか、膣口から白濁液が零れ、愚息に塗るようにして垂れた。 膣口は愚息があった後を残しているようで、しっかりと開いてしまっていた。 「はぁっはぁっ…」 グレイシアをベッドに寝かせ、その横に倒れこむように俺が寝る。 互いに息を荒げたまま、顔を見つめ合った。そして何かを言った訳でもないのに、自然と顔を近づけ、唇を重ねていた。 「好き…マスター」 「あぁ。俺もだよ」 「えっと…こんな、私だけど…ずっとマスターの傍に…いさせてください…」 そう途切れ途切れに恥ずかしそうに言ったグレイシアの願いにゆっくりと頷いてあげてから頭を撫でてあげると、彼女は安心したように目を細め、静かに寝息を立てはじめた。 完全に寝たのを確認してから、一旦ベッドから離れ、部屋の箪笥から新しいシーツを取り出し、俺とグレイシアを包むようにかけてから、ようやく俺も重い瞼を閉じた。 ---- 「と、言う訳か」 「まぁ…。そんなもんだ」 「お前、散々人を蔑んで殴ったくせに、しっかりやることはやってんじゃねーかよ」 それは悪かったよ、と友人に謝ってから、外にいる二匹を呼ぶ。声に気がつき、グレイシアがゆっくりと歩み寄ってくるなか、ブースターは胡座をかいている俺に向かって走ってきて、飛び乗ってきた。 勢いがありすぎて、少し受け止めるのによろけてしまったが、尻尾をふりふりと揺らしているブースターの姿が何とも可愛いらしくて、そんなことはすぐに忘れてしまった。 そして俺の顔を覗きこむようにしてブースターは言った。 「えへへ…。グレイシアのマスターも私達と同じになったんだね」 「元はと言えばブースターがグレイシアに変なことを言ったからこうなったんだろ? まったくあんな怖い演技までして……」 ごめんなさ~いなんて謝りながらも顔を擦り付けてくるブースター。反省の色はまったくなし、と。まぁ、おかげでグレイシアとも仲直りできたから良かったけどな。そこだけは感謝しておくとしよう。 ブースターに対してはとことん甘い俺は、ゆるーい顔をして天井を見上げていると、不意にブースターが耳元で囁くように言ってきた。 「じゃあ、今度は私とやってみない…?」 「はっ…? い、いや、それは……」 「ねぇねぇ…? どうなの…ってあれ? グレイシア…?」 彼女が気づいた時には既に遅く、ブースターは首の辺りをグレイシアにくわえられ、俺から引きはがされていた。今、明らかヤバめなオーラがグレイシアの周りに漂っていたような気がしたのだが、気のせいということにしておこう。 そしてグレイシアは少し威嚇しているような顔つきでブースターを睨んでいた。 「駄目。コイツは私以外とやらないから…」 「じ、冗談なんだからそんなに怒った顔しないでよ!! ね、グレイシア?」 そう言ってからブースターは焦るように自分の主に駆け寄り、俺と同じく胡座をかいていた友人の足の上に座った。 でも、冗談にしてはやけにリアルな感じがあったなぁ。声音なんて真剣そのものに聞こえたぐらいだし。本当に演技が上手だことで。 グレイシアはブースターが行ったのを確認してから俺の横に座った。上には乗ってくれないんだ。少し寂しい。 彼女のことを横目でちらっと見ると、ふいに目が合ったが、すぐに視線を逸らされた。嫌われてない、うん、嫌われてはいないはずだ。 そんな無言のやりとりで少し俺が涙目がかったところで、友人は話を切り出すように言った。 「まぁ、とにもかくにもだ。お前らも俺やブースターと同じ関係になったってことで、これからも気長に付き合っていこうや」 「あぁ、認めたくはないけどな。お前と同じだってことに」 「酷っ!!?」 「冗談だよ」 「お前のは冗談に聞こえねぇから!!」 そんなやり取りを交わしながら話をして、他愛もなく笑った。何にせよ、本当にどちらとの関係も直って良かった。 そして時間が経ち、友人宅からの帰り道のこと。俺とグレイシアは並んで帰っていた。会話はない。だけれど多分考えていることは一緒だと思った。 だからあえて話さないようにしていたのだけれど、意外にもこの沈黙を破ったのはグレイシアからだった。 「ねぇ、そろそろ……」 「ん、了解。おいで、グレイシア」 俺がそう言うと彼女は辺りをキョロキョロ見回して、誰もいないことを確認すると俺が差し出した腕に向かって飛び乗ってきた。それをしっかりと受け止めて彼女を抱きかかえるようにする。 「じゃあ帰ろうか、グレイシア」 「はい、マスター」 あれ以来、彼女は俺にしか素顔を見せない。あの親しいブースターに対してもだ。 理由を聞いたら「マスターだけに私の本当の姿を知っていてほしい」とのことだ。何とも可愛いらしいこと言ってくれるよ全く。 まぁ、可愛いから許すけどな(←親バカに似たようなものを感じる) 「あの、マスター…?」 「どうした?」 「えっと…また教えてほしいことがあるんですけど……」 ブースターめ。また変なことを吹きこんだんじゃなかろうな。とりあえず聞くだけ聞いてみるけどさ。 「言ってみ?」 「はい、あの…」 グレイシアは俺を上目づかいで見ながら、言葉を続けた。 「〇〇〇プレイってなんですか?」 「ブフォッ!!」 やっぱりな。予想してた通りだよ。 あいつは俺達に何を求めてんだよ。自分達がやってるからって他人にそれを求めるな。 あまりにも過激なこと聞かれて思わず吹き出してしまったじゃねぇかよ。本当にあいつらと来たら、主人もそのパートナーもどうしようもない。 でも、感謝はしてる。一応な。 そして俺は抱きかかえているグレイシアの頭を撫でながら、言ってやった。 「……とりあえず家に帰ったら教えてやる。その、夜にな…?」 「…はい」 多分グレイシアも分かってて聞いてるよな。だって顔が真っ赤だもの。もしかしてとは思うが彼女もまさか絶倫なんじゃないか。だとしたら俺の体はもってくれるのだろうかね。 さて、何か新たな悩みの種が増えたような気がするが、今日も俺はグレイシアに何か間違ったものを教える羽目になりそうだ。誰か今のこの俺の気持ちを分かってくれる奴はいないものかね…。 まずいないだろうけどさ。 ---- はい、これにて終了となります。 この小説を書いたきっかけとなった会話 作者「最近小説を書いていないから、何か書こうと思うんだけど、どんなのが良いと思う?」 友人「グレイシア」 作者「えーっとね…。もう少し具体的にお願いします」 友人「グレイシアをいじめてほしい。もちろん性的な意味で」 作者「いや、ブラッキーじゃ駄目?」 友人「駄目だ。グレイシアを書いてほしい。いや、書け」 作者「命令形!? あんたは何様ですか!?」 友人「五月蠅い。書かないと大根で撲殺するぞ(←多分冗談?)」 作者「全力で書かせていただきます」←本気の土下座 と、半ば強引に書かせられました…。 おかげで良いリハビリになったのは確かなんですが…。 今度新しく書くときはブラッキーを書きたいです。 ちなみに[[この作品>研究熱心]]も私がリハビリとして書いた小説でした ---- #pcomment