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*Title……サイバーエロ [#p54b6d2b]
作者……[[リング]]

※この作品は&color(red){笑ったら負け};です。注意してください。また、このお話には&color(red){官能表現が含まれます};のでご注意ください。
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&color(olive){『俺の名前はカツヤ!!　情報系の学業の傍ら、ポケモンバトル部の部員としてバトル＆ゲットだぜ』……&br;&br;　などと言っていたのはもう20年前……今は12になる息子と10になる娘がいて、35歳。依頼を受けてはプログラムを開発する仕事について15年……高校の時のバトル用メンバーも、長命なこの子以外は全員息を引き取ってしまった。&br;　この子とは、ピンクとブルーのカラーリングと道化のような見た目が愛らしい、ポリゴンZの&ruby(Virgil){ヴァージル};。&ruby(Virtual){バーチャル};ポケモンにちなんだ名前にしたくてつけた名前だ。当時は情報系の高校で持っていれば自慢が出来るからと、ゲームの景品として交換されていたポリゴンを、艱難辛苦の果てに交換、ゲットしたものだ。&br;　それから年を重ねるごとに、アップグレードや怪しいパッチ等の進化道具が開発され、そのたびにこの子は可愛らしく成長していった。今では、可愛らしい息子のひとりである。&br;　息子の一人……とはいえ、普段は家にいる私の仕事を手伝うばかりで、本当の子供と遊ぶ機会を設けられていない。子供達もポケモンを持てる年になっているし、『父さんばかりずるい』とねだられたりもしたものだ。&br;&br;　ふむ、ここらで子供たちにもポケモンを与えてやっても悪いことではないだろう……そうだな、父さんと同じポリゴンを……&br;　よし、軍資金を持って……え、何&ruby(妻){母さん};？　バクチはダメだって……？　いや、これは子供たちにポリゴンを与えるための……はい、わかりました、ごめんなさい。&br;&br;　じゃあ、こうしよう……最近自分のパソコン内でポリゴンを増やすことが出来るソフトがあるそうだから……うん、そのソフトは３万円だから……いいだろ？&br;　だよな。子供達の笑顔には代えられない。何よりも大事なのは自分の子孫を残すことが出来るってのはヴァージルも嬉しいと思うんだ。俺たち夫婦と同じ喜びを味あわせてやるのもいいだろう？&br;　ほら、子供達もすごく物欲しそうにしているじゃないか……ヴァージルはどうだ？　ふむ、ほらぁ……興味深々じゃないか。&br;　な？　みんながこう言っているんだから……うん、うん……禁煙するのと、お酒の量を減らすって？　辛いなぁ……でも、しょうがない……この機会にやってやるか。&br;　よ～し、やったなみんな!!　はは、『父さん大好き』だとかお前ら心にもないことを……じゃあ、早速買ってくるな。};

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　僕の生まれたときの姿であるポリゴンはプログラムに無い行動は出来ない。

　成長した姿であるポリゴン２は複雑な反応を見せられるようにアップグレードされ、ちょっとした感情のようなものを感じさせる動きが出来るようになった。そして時々プログラムにない行動も取るようになった。
　それでも、まだ不完全だった。

　そしてZとなった僕は自身でプログラムを形成するプログラムを組み込まれた。そのプログラムが仕込まれた、突如としてネット内で流通し始めたという怪しいパッチ……
　一説には&ruby(・・){感情};を知り尽くした&ruby(・・){知識};ある物が強靭な&ruby(・・){意志};を以って作り出したとか……要するに心の三精霊をすべて味方につけた奴が作ったとか、取り憑かれた奴が作ったとか、実は本当に神が作ったとか……そんな風に言われている。
　今でこそ、数々のブラックボックスを解析し終えたシルフカンパニーに『ミステリアスパッチ』と名前を変えて管理され、商品として売り出されるようになった怪しいパッチだけれど……最初の評判は悪かった。

　怪しいパッチのせいで、ポリゴンはおかしな行動を始めるようになった――と、当初は言われていた。悪意のあるプログラムで、ポリゴン２が変わってしまったと嘆くトレーナーもいて、絶対に使用してはいけないと言われていたそうだ。
　だが、それが&ruby(・・・・・・・・・・・・・・・・・・){完全な感情を手に入れたがための副作用};だったとわかるのはしばらく後のことだった。変わり果てたポリゴンＺを破棄せずに、根気よくしつければいつか元に戻ると考えながら、いつまでも手元に置いていたトレーナーが気付いたことだ。

　それに伴い、おかしな行動の原因もわかってきた。例えば子供は、家計簿を見てため息をつく大人のためを思って『家計簿をズタズタにする』ことを正しいと考えることだってあるんだ。いや、今年で12歳になるマスターの息子が3歳の頃に実際にあったことだよ。
　今でこそ、僕もそんなことしなくなったけれど、怪しいパッチを使った直後は記録を破った事が賞賛されるラジオを聞いて、『子供の成長記録と言う名のフォトアルバム』を破る……というか、壊したことがある。
　ほめられると思って怒られたけれど、そのころは記録というのがどのような性質なのか分かっていなかった。
　つまりは……人間の感情と言うものが理解できるようになるから、それに対処しようとするあまり、失敗して空回りする。そんなことが原因なのだ。

　今思えば、実の息子と僕のどちらに対しても頭ごなしに咎めるのではなく、優しく諭すマスターはいいお父さんだと今でも思うのだ。そして僕は、好奇心というモノが芽生えているこの状況において、僕に感情を与えてくれたあやしいパッチの制作者にも感謝してもしきれない。

　同時に恐怖や悲しみってものも感じなければならなくなったけれど、それはエムリット曰く何よりも貴いものだからこそ無碍にはできない。

　さて、そんなマスターが僕に頼んだのは子作りというわけだが……いったい電子空間の中で何をさせられると言うのだろう？
　メタモンに自分の姿をコピーさせてそれをもとに子供を生み出すことが出来るのは知っていたけれど、そう言うソフトが出来ていたなんて知らなかった。感情を得たポリゴンのさらなる発展として創造された子供を作るためのソフトか……発展って言うのはすごいね

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&color(olive){　さて、お店に来たはいいが……揃える物は……えっと……&br;　俺のパソコンのメモリは、このソフトの推奨設定の1,5倍は確保されている。ＯＳもウインディズVistaだから問題無し……と。動作重いけれど……&br;　後、必要なのは……USBケーブルで接続が可能な記憶媒体で10GB以上でフォーマット済みの奴……だな。これはソフトとセットで付いてくるからOKと……&br;・&br;・&br;　さて、お待たせだ。おやおや、なんだヴァージル？　さっき興味はあるって言ったけれど不安だってか……？　確かになぁ。俺も今の妻と21の時に初体験したとき……そりゃもう緊張したものさ。&br;　でも、その時は妻がリードしてグダグダグダゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞゞ……と言う訳だ。え？　話が長いだって……&br;　ま、まぁ……そう言う訳で多分大丈夫だから心配するなヴァージル。&br;&br;　さ、全身をプログラムデータに戻してパソコンの中にお入り。このスノウホワイトってソフトによる事故の例は10数万の出荷数あっても2回しか報告されていないし、それで死んだり障害が残った例は無いのだから安心しろよ。&br;　代わりに注意事項として、『体調が悪い場合やレベル20以下のポリゴン及び、レベル15以下のポリゴン2・ポリゴンZには使用しないでください』という注意書きが付いたくらいだ。だから大丈夫。お前は体調もいいし、最後に測ったときのレベルは42だろう？&br;　あれから衰えている訳じゃないし、衰えてたって３０以下ってことはないだろうよ。……そうか、怖いけれど頑張るか。&br;　よし、いい子だ。なんて言って抱きしめたら照れちゃって……ヴァージルってば本当に可愛い奴だなお前。&br;&br;　さて、ヴァージルはパソコンの中に入っていったか。そしたら……ふむ、始める前に念のため&ruby(健康診断){ウイルスチェック};をしてからの方がいいかな。};

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　もう、マスターってば……可愛いなんて言われたら僕照れちゃうよ。なんで昔っから言われ続けていることなのに、僕っていつまでも慣れないのかなぁ……そろそろ赤くならないように、なりたいよ。
　ん……なんだろう……突然&ruby(体が){動作が};少し重く？　この感じはそうだ……ウイルスバスターの起動だ。

「健康診断を始めるぜラッキー♪」

「あ、いつもすみません……ラッキーさん」
　ボクの前にラッキーのシンボルが現れた。始める前に、まずは&ruby(健康診断){ウイルスチェック};と言う訳か。そうだよね、僕の健康状態が悪いせいで子供に異常が出ちゃったら嫌だもん。
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・
「どこにも異常はなしだぜラッキー♪」

「ありがとうございます」
　僕は頭を下げてラッキーにお礼を言う。よかったぁ……もし異常が見つかったら&ruby(ガブリアス軍団){ワクチンプログラム};が襲いかかって&ruby(悪いギャロップ){トロイの木馬};やらなんやらを&ruby(追い払う){隔離する};けれど、アレって痛いんだもん。
　それで、新たな抗体を作るために&ruby(ガバイトの鱗を飲まされて){ワクチンをインストールさせられて};((ガバイトの鱗は万能薬となる。ポケダン時闇ではコリンクの兄妹が使用した))お腹いっぱいにされちゃうんだから嫌になっちゃう。

「礼には及ばないぜラッキー♪　なんせあんたのマスターはきちんとライセンス認証を受けて俺達を買ったんだからな。じゃあな～～また来るよラッキー♪」
　さぁ、マスター……準備は完了ですよ。いつでもアプリを起動させてください。

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&color(olive){　え～っと……まずは、これか。ディスクを入れてインストールだな。&br;　そしたらセットアップして、その次はネットにつないでライセンスの取得だな……};
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僕はデスクトップに&ruby(体){フォルダ};を落ち着かせてマスターからの動きを待つ。するとどうだろう……？　サファリパークのレントラーを背景にしたデスクトップに小屋が形成され、そこにいるユキメノコがもじもじとと何かを言いたそうではないか。
　何だろうかなぁ……ちょっと近寄りがたいんだけれど……僕を誘おうとしているような……う～む。
http://www14.atwiki.jp/greatprince/?cmd=upload&act=open&page=%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E7%94%A8%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&file=%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B4%E3%83%B3%26%E3%83%A6%E3%82%AD%E3%83%A1%E3%83%AD%E3%82%B4%E6%8A%95%E7%A8%BF%E7%94%A8.png
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&color(olive){　よし、ライセンス取得終了っと。&br;　10GB以上のUSBフラッシュメモリも差し込んでっと……&br;&br;　さてと……フラッシュメモリも取り付けたし……アプリケーションを起動と……えっと、なんだ？　&br;　アプリを起動する前にポリゴンをSnow Whiteのフォルダ内にドラッグ((クリックしたままマウスを動かすこと。フォルダの移動などが出来る))しろって};

#img(http://www14.atwiki.jp/greatprince/?cmd=upload&act=open&page=%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E7%94%A8%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&file=%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F.png)
&br;&br;&color(olive){　つまりは、これでいいのかな？　&br;ふむ、どうやら問題ないようだ。};

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　ボクがどうしようかと迷っていると、ユキメノコが小屋へ手招きするではないか。やっぱり僕を誘っていたみたい。
　なんだか警戒したいんだけれど……足が勝手に動いちゃうような気分で……ああ、不思議な感覚だなぁ。だめだ……もう止まらないや。

　僕は好奇心に駆られて、結局手招きされるがままに小屋の中に入ってしまった。&br;&br;&br;&br;
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&color(olive){　なになに？　初の利用時の操作は、お手持ちのポリゴンの成長・進化具合により数分かかることがございます。&br;　また、別個体のポリゴンを使用するごとにこのセクションは行われます……と。なるほど……&br;&br;　セクションは1/2の段階。まずは、ポリゴン自体にスノウホワイトが適合するか否かのチェックを行うようだ。これは要するに、ポリゴンのデータに大きな破損がなければ大丈夫ということらしい。&br;　……1%……2%…………7%。時間がかかりそうだ……趣味のお絵描きでもして気長に待っているかな。};

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「はじめまして」
　不意に虚空から現れたユキメノコに、僕はびっくりして眼を見開く。

「ふふふ……初めてで緊張するかもしれませんが、そう硬くならなくてもいいのですよ。まずは、このアプリケーションを始めるために自己紹介のセクションを行いたいと思います。
　私は、ポリゴンの生殖プログラム、スノウホワイト。スノウと呼んでくださいませ」
　そう言ってユキメノコは僕に頭を下げる。

「あ、あぁ……僕はヴァージルっていうんだ。宜しくね」
　僕はスノウに倣って自己紹介をして頭を下げる。

「以後、ライセンスが切れるまで末長くお見知り置きを」
　スノウはそう言って僕に耳から伸びた手を伸ばしてほほ笑んだ。僕は戸惑って、目の模様をくるくると変えながら腕のような部分を伸ばして握手……なのだろうか、それに応える。

「ライセンスはいつ頃切れちゃうの？」
　ライセンスが切れるまでなんて言われると、少し寂しい気がして僕はスノウに尋ねた。

「向こう3年切れませんからご安心を。それに、ライセンスが切れてもまた取得しなおせばよいことですので」
　なんだ……ならば安心だ。マスターは僕が仕事を手伝ってくれるお礼に、いつだってわがままを聞いてくれる。もしお別れがつらかったら、スノウの言う通りまたライセンスを取得すればいいよね。
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&color(olive){　おっと……セクション1は終わったみたいだな。次はセクション2/2かぁ。これはえっと……子作りのためのアップデートするためのプログラム……と。ふむ……&br;　『この動作を行ってもよろしいですか？』って、当たり前じゃないか……そうしないと子供が出来ないのだから。『はい』をクリックと……};

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「ところでさ、子作りをするとか言われてもピンとこないんだけれど……いったい何をすればいいの？」

「ですよねぇ……知りませんよねぇ」
　スノウは笑う時に歯茎を見せたくないのか、口を押さえてくすくすと笑う。なんだがすっごく可愛いな……

「メタモンと子作りをする場合も、ポリゴンＺはほとんど動かないと言われておりますし……ですが、このアプリケーションでは貴方が生まれた時から持っていて、生涯ずっと変わらない&ruby(DNA){自己複製用のバックアップ基本データ};を利用して、新たな可能性を持ったポリゴンを生み出すことが出来るのですよ」

「へぇ……僕の一本足にため込まれたデータは&ruby(生まれ変わり){初期化};の時にしか使用しないものだと思ったけれど……そんな風に使えるんだぁ……知らなかったなぁ。
　どうやるの？　教えて」
　僕は興味深々でスノウに聞いたら、くすくすと笑われてしまった。

「まぁまぁ、焦らずに。元からその機能をつける進化道具で進化している場合は別ですが、昔の進化道具で進化した貴方のような場合はアップデートしないと出来ません。
　ですので、そのためのアップデートを今から行いますね……マスターから許可は下りていますので、これを飲んで下さい」
　手渡された&ruby(飲み物の名前){プログラムのシンボル};は……あ、赤ハブネークドリンク((いわゆる赤まむしドリンク。滋養強壮,精力剤としての効果があります))……？　これ……&ruby(飲んじゃって){インストールして};大丈夫なのかな……？

「これ……安全な&ruby(飲み物){プログラム};ですよね……？」
　僕は心配になって思わず聞いた。

「もちろんですよ。さぁさ、一気にグイッと♪　今の貴方のままでは、不能ですので」
　不能って……もしかしてそれって閨の相手一つ出来ないってこと？　いや、確かにそうなんだろうけれど……そんな風にはっきり言われるとさすがにショックだなぁ……
　それを治すためにはこれを……明らかに怪しい&ruby(飲み物){プログラム};だから&ruby(飲む){インストールする};のを戸惑っていた僕だけれど、はっきり『不能』言われて悔しいのと、スノウ急かされたので&ruby(飲んで){インストールして};みたら……結構おいしいじゃないか。

「いい、&ruby(飲みっぷり){インストールっぷり};ですね♪」
　飲んでからしばらく経つと……これは!　&ruby(体){出力装置に};に力がみｗｗなｗｗぎｗｗっｗｗてｗｗきｗｗたｗｗぁぁぁぁぁぁ。
　今の僕ならば破壊光線が他の追従を許さない威力で放てる気がするぞぉ!!

「ふふふ……どうやら効いてきたみたいですね」
　妖艶な笑みを浮かべながら、スノウは言う。
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&color(olive){　ふむ、準備段階のセクションは終わったみたいだな……次はえっと何をするんだろう？&br;　尻尾にため込まれた膨大な量の『相同自己修復用データ』を解凍するのか……なるほど。&br;　処理スピードは3通り……さて、どうするか？&br;1：高速（不具合が出る可能性があるほか、他のアプリケーションの動作が遅くなる可能性がございます）&br;2：標準（推奨設定）&br;3：低速（メモリの容量が推奨設定ギリギリの場合。もしくは他のアプリケーションの動作をスムーズに行いたい場合に推奨）&br;の、三つか……さて、どうする？&br;　そうだな……高速でやるかな。ヴァージルはちょっと怖がっていたみたいだし早めに済ませてあげたほうがいいだろう。さて、クリックと。&br;　えーと……解凍を始める前にポリゴンの生殖プログラムを起動します、これには数分かかる場合がございます……か};

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「さて、許可も出たようですし早速始めますか」
　そう言ってスノウは僕の腕の付け根を掴み、手繰り寄せるようにして僕たちの地面から低いながらも浮かんだ体同士を密着させる。そして、不意に自身を支えていた浮力を停滞させて、体重をかけて僕を押し倒した。
　何が起こったかもわからないままに、僕は目の模様をめまぐるしく白黒させる。

「こ、ちょ……ちょっと、これから何をするの？　や、やめてよ……」
　突然の行動に、僕の&ruby(頭の中では思考がこんがらがってしまい){メモリは動作が非常に重くなっってしまい};なかなか言葉が浮かんでこない。

「あらぁ、知らないんだぁ……これから貴方の尻尾の中にある&ruby(相同染色体){相同自己修復用データ};を含んだフォルダを引っ張り出して、それを私の体で解凍するのよ。
　具体的に言うと尻尾の&ruby(ジッパーをおろして、中にあるモノを引きずり出し、){zip形式のファイルの解凍の準備をして};私の空洞に尻尾を……」

「わぁ……もういいもういい!!」
　聞いているうちになんだか無性に恥ずかしくなった僕はスノウの言葉を遮った。スノウがあんなことを臆面もなく言ったせいで顔がすごく熱くなっている気がする。

「あらら、恥ずかしがっている割にはこちらは正直じゃないですか」
　そう言ってスノウが僕の尻尾を掴んで、僕は初めて自分の尻尾がすごい状態になっていることに気が付いた。こんな光景を、僕は今まで見たこともない……尻尾の中にある&ruby(モノ){フォルダ};が固くて大きくなっている。

「ほらぁ……貴方のここは解凍されたがっているようですよ」

「あ、あぁちょっと……いきなりなんて、僕心の準備が……」
　その、スノウの握り方と言うのも最初こそ無造作にグワシッと握っているだけだったのが、今は耳たぶが分化した柔軟性が底抜けに高い掌で微妙な強弱をつけながら揉みしだかれる。まだ、&ruby(外装){上位フォルダ};の上からだと言うのにとても気持ちいい。

「ダメですね……突っ張っていないで素直にならないと……」
　気がつけば、スノウの手で僕の尻尾のジッパーは下ろされていて、中にある僕の&ruby(モノが){フォルダ};露わになっていた。僕たちの行為は始まったばかりだ。
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#img(http://www14.atwiki.jp/greatprince/?cmd=upload&act=open&page=%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E7%94%A8%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&file=%E8%A7%A3%E5%87%8D%E5%87%A6%E7%90%86%E3%81%9D%E3%81%AE%EF%BC%91.png)
&color(olive){おや、どうやらようやく解凍が始まったようだ。&br;　『解凍にかかる時間はフォルダごとに差があります。そのためインジケーターが停止することがありますが、故障ではありません。』&br;&br;ああ、なるほど……そんなことはザラだから、いちいち書かなくても分かる。まぁ、若いころは故障しているんじゃないかとイライラしたこともあったが……まあ、今でもイライラするのは変わりがないがな。&br;&br;　しかし……アップグレードする時は飲み物を飲まされると聞いて、ウイルスが侵入している時はカブリアスのドラゴンクローを腹に叩きこまれるんだとか。&br;　悪いギャロップを外に吐き出された後にギャロップはめった切り。自分は後からやってきたがバイトに薬を飲まされるとか聞いたが……今は中で何をやっているんだろうなぁ？&br;　ちょっと気になるなぁ……};

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「初めてだからって容赦しませんよ……」
　スノウは寝転がった僕の下半身――尻尾の方へ移動し、&ruby(モノ){フォルダ};を咥えてきた。耳から伸びた柔らかな手でモノを固定すると同時に&ruby(愛撫){解凍};して、それから更に口による&ruby(愛撫){解凍};まで移行するのに全くためらいがない。
　まるでそうなることが当然であるような自然な動作だっただけに、僕はしばし抵抗を忘れて咥えられるところまでをじっくり魅入ってしまった。

「や、やめてよ……そんなの僕、恥ずかしいよ」
　恥ずかしさに気が付いたころにはそう言って僕は振り払おうともがこうとしてみたが、どうにも&ruby(体が重){メモリ容量が足りな};くて力が出ない。それに力が入ったとしても、この快感にはもう逆らえるような気がしなかった。
　ああ、僕はこうやって主導権を奪われているんだと思うと酷く情けなく思える。

　しっぽを弄るスノウの手は、最初こそ冷たかったが、今は存外に温かい。まるでぬいぐるみが相手になっているかのように僕の体温が伝わってきて、それがほんのりと温まっていくのを感じる。
　ああ、ダメだ……このまま意識を&ruby(モノ){フォルダ};に集中していたら、スノウの思い通りに事が運んじゃう……男(?)としてそれでは情けないし、何よりそんなんじゃ恥ずかしい。何か別のことを考えなきゃ……
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&color(olive){あ、インジケーターが止まってる……フリーズしている訳じゃないようだし、これがさっき言っていた『解凍にかかる時間はフォルダごとに差があります。そのためインジケーターが停止することがありますが、故障ではありません。』ってやつか。&br;ヴァージルは何か手間取ってんのかなぁ……てか、見ていると目に毒だからお絵描き続けようかな。&br;　にしても……まだ46フォルダの内の大体40％ってところかな？　以外と時間かかるんだなぁ……解凍って};
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　やはり、現実のユキメノコと比べたスノウのサイズのことといい、現実のものとは違うと言うことを思い知らされる。ただ、それでも与えられる感覚そのものは現実で感じたものよりも遥かにリアルだ。
　無色　無受想行識　無眼耳鼻舌身意　無色声香味触法((『目・耳・鼻・舌・皮膚といった感覚や心はなく、色や形・音・匂い・味・触感といった感覚の対象も様々な心の思いは無く。目に映る世界から、心の世界まですべて無い』という意味))とはよく言ったものだ。体がない世界でも感覚はあるし感覚がなくても体はあるって……それでいてそのどちらもがもともと存在しないと言うのはよく言ったものだ。
　僕なんて０と１の塊でしかないのに、こうして体もあるし感情もあるのだから、そう信じざるを得ない。

　……なんて、別のことを考えていれば気を紛らわしていれば快感に呑まれるのを防げるかなぁ……なんて思っていたけれど、全然効果がないみたい。
　僕は意識の外にスノウの行為を追いやろうとしても心の奥底ではきちんと認識してしまって、結局のところ少しの間だけ感覚を忘れたぐらいでは、思い出すと一気に快感が襲ってきて　……こんな風に攻められたらいずれ&ruby(オーガズム){解凍されたデータのカットアンドペースト};を迎えてしまう。感覚としてはもう、折り返し地点は過ぎたような、そんな感じだ。

「楽しんでおりますか？」
　不意に生暖かい感覚が消えたと思ったら、僕の&ruby(モノ){フォルダ};を咥えていたスノウの顔がいつの間にか正面を向いている。そして、低空飛行をしながら這うようにして僕の嘴に軽いキスをして、口を離す。

「う、うん……」
　下半身にかかる感覚を感じて、僕は答える。

「それにしては積極的に動いてくれないのですねぇ……」

「う……」
　僕は痛いところをつかれた気がする。

「なら……今度は貴方から動いてもらいましょうか♪」
　と、寝転がった僕の体を抱きかかえるようにして、ゴロンと反回転。上下がさかさまになって僕が上。見下ろしたその先にスノウがいて、その表情がとてもなまめかしい。

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&color(olive){またインジケータが止まっているなぁ……いまだに止まっている時どうしてそうなるかの原因が分からん。イライラする……&br;　動作重いから早く終わってくれないかなぁ……};

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　口をぽっかりと空けていた僕はぽたりと唾液を落としてしまう。それはスノウの顔に水滴を作って頬を滴り落ちる。

「あ、ごめん……」
　とっさに謝ってみたけれど、スノウはむしろ嬉しそうにそれを拭うと、僕の唾液を舐めとった。

「貴方の唾液も悪い味では無いではありませんか……それほど、私が食べちゃいたいほど魅力的ですか？」
　スノウは僕の顔を抱き寄せて嘴にキス。クチバシの先端から中心を通る割れ目からスノウの舌が侵入してきて、僕の&ruby(舌){スパイウェア感知プログラム};と絡み合う。
　ああ、スノウの&ruby(キスの味は思いもかけずに最高){プログラムの安全性は思いもかけずに良好};だった。舌から伝わってくる感触は柔らかくって温かい。ザラザラとサラサラの中間くらいの微妙な感覚が、うねりをあげ侵してくる。
　キスの味はノメル味とは言われたが……あんな顔をしかめるような味ではなくもっと別な、心地よい味だ。なんにせよ表現のしようもない……4つの基本的な味覚のどれでもなくって昆布のだし汁や鳥ガラのようなうま味そのものが舌の上で踊るような感覚。
　そんなものならばいつまでも味わっていたくなるのは当然で、僕は夢中でむさぼるのだ。どれほどそうしていただろう……不意に、尻尾に違和感が走る。

　ぼくの尻尾が浮かんだかと思うと、次の瞬間にはスノウの手に僕の解凍中の荒ぶる&ruby(モノ){フォルダ};を握ぎられていた。

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&color(olive){あるぇ～？　いきなり解凍速度が速くなったなぁ……さっきのイライラする進み具合が嘘のようだ。ヴァージルは何をやっているんだろうなぁ……&br;　まぁ、なんにせよ俺の絵の方もほとんど完成だ。後は画面全体に画像加工を施せばほとんど完成だな。さて、クリックで加工開始っと♪};

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「な、何するの……？」

「そろそろ、解凍作業を終えて&ruby(達しちゃいたい){アップロードしたい};でしょう……？」
　この位置この感覚……。スノウの胴体の&ruby(空洞){空きフォルダ};に、僕の&ruby(モノ){フォルダ};が突っ込まれていることが分かった。それを意識してしまうだけで、僕の回答作業は大きく進んでしまう。
　気がつけば僕は、スノウの横に手を置いて腰を夢中で突き出して尻尾を叩きつけるようにしては離し、突き出しては離しを繰り返して、
　僕の&ruby(モノ){フォルダ};が快感を欲するままスノウの&ruby(空洞){空きフォルダ};で往復させていた。その時の僕は目の模様が血走っていたんだと思う。
　僕の容赦のない攻めにはスノウも満更でもないようで、上げる声はいちいち可愛らしい。&ruby(呼吸){作業音};を荒くしながら、だんだん&ruby(頭の中が真っ白になっていって){感情に回すメモリも不足していって};僕の解凍作業も、いよいよフィニッシュを迎えようとしていた。
　ああ、だんだん視界もぼやけて、動作が重…く……あ……れ…………？
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http://www14.atwiki.jp/greatprince/?cmd=upload&act=open&page=%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E7%94%A8%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&file=%E5%8B%95%E4%BD%9C%E3%82%92%E5%81%9C%E6%AD%A2%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E5%AE%8C%E6%88%90.png

&color(olive){&size(45){(ﾟДﾟ)……………};&br;アプリケーションがストップしておる……くそ、これではやり直しじゃないか。高速モードを行うには、うちのパソコンには荷が重かったのか……なんてこった……&br;　なんにせよ、こうなってしまったからには仕方がない。一度閉じて先に絵を完成させてしまおう};

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「はうわぁ!!　なんで？　いったい何で僕の体が凍っているの？」
　自分の体が全く動身動きの取れないよう&ruby(氷に包まれている){フリーズしている};のを見て、僕は眼の模様を皿にした。自分を突き動かす快感――熱が急速に冷めていくのを感じ、限界近くまで高ぶった熱が冷めるのは拷問に近い苦痛だった。
　あと少しで&ruby(達せられた){アップロード出来た};のに……僕は不完全燃焼のまま歯ぎしりをした。

「ふふ、ごめんなさぁい。ヴァージルくんがあまりにも夢中で必死だったから、つい……ここで中断したらどんな顔するのかなぁなんて思っちゃって」

「ひ、酷いよ～～せっかく気持ちよかったのに……」
　いつも尖っている口をさらに尖らせて、僕は不平を漏らす。

「柄にもなく本音が出ましたね。それにしても予想通りのいい顔です、可愛いですよ」
　でも、スノウはまともな対応をしてくれなかった。そんなぁ……

「なにはともあれ、貴方にはもう出て行ってもらいますね。マスターがスクリプトを終了いたしましたので」
　そう言って、僕の胴体を手の中に包み込み、&ruby(家){下位フォルダ};の中から、&ruby(庭){上位フォルダ};まで蹴りだされてしまった。

「そ、そんなぁ……これで終わりだなんてハブネークの生殺しにも程があるよぉ……」
　&ruby(外){デスクトップ};の風がすぐそばに感じられるその場所で、僕は喚いた。&ruby(家){下位フォルダ};の扉は固く閉じられていて開きそうもない……さてはマスター、スノウホワイトの&ruby(玄関口){ウィンドウ};を閉じたな？

「そうは言われてもね～～こればっかりは私の意志では決められないのですよねぇ……そんなに続けたいのでしたらユーザーに頼んでみてはいかがでしょうか？」
　スノウはこれぞ氷タイプとでも言いたくなるような冷ややかな声でそういった。

「むぅ～～……」
　それならそれでやってやんよ……
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&color(olive){　全く……直前で上書き保存しておいてよかった。フリーズで20分の作業が台無しになったらたまったもんじゃないからなぁ。&br;って……なんだこれ？　変なポップアップが出たぞ……};
http://www14.atwiki.jp/greatprince/?cmd=upload&act=open&page=%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E7%94%A8%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&file=%E5%8B%95%E4%BD%9C%E3%81%AE%E7%B6%9A%E8%A1%8C%E3%82%92%E8%A6%81%E6%B1%82%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E5%AE%8C%E6%88%90.png
&color(olive){へぇ、ヴァージルが続行を要求するのかぁ……なぜヴァージルが？　っていうか、懐き度が下がるぅぅ!?&br;　そりゃたまったもんじゃない……絵は今すぐ保存して、ヴァージルの作業が終わるまで大人しく新聞でも読んで待っていよう……};

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「はうぅ……マスターまだかなぁ……」
　僕が項垂れながら&ruby(庭){上位フォルダ};で待っていると、&ruby(家){下位フォルダ};の扉が開いた。

「入ってもいいの、スノウ？」
　スノウはこくりと頷いて、僕を中へ入るように促す。再度僕は中へと迎え入れられた。

「スノウ……僕もう我慢できないよぉ……早くやろうよ」
　そう言ってはやる気持ちを抑えきれない僕は、スノウに飛びかかって押し倒して、そのまま&ruby(空洞){空きフォルダ};に挿入……出来るほど強力なポリゴンは今後年を重ねれば、いつかは生まれるのであろうか？　つまりは、暗に僕の試みは大失敗だったと言いたいわけで……

「ふぅ、何か勘違いをしておられるようですが……貴方が主導権を握れるとでも夢見ておりましたか？　貴方が白昼夢を見るのは勝手ですが、私を夢に撒きこもうなどとはそうは問屋がおろしませんねぇ……
　そのような浅はかな夢は、この私スノウにとってはククレカレーにかけてスルーをする対象でございます故、いい夢を見たいなら……」

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http://www14.atwiki.jp/greatprince/?cmd=upload&act=open&page=%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E7%94%A8%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&file=%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%A3%85%E7%BD%AE.png
&color(olive){　あれ……なになに？　ポリゴン睡眠学習装置『Miss Magius』だって？　はぁ……同じ会社の製品かぁ……今なら30日無料体験版があるのか。&br;　う～ん……別に今はもうヴァージルを戦わせるつもりはないからいらないかなぁ……&br;　このポップアップは閉じる……と};
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「～～いい夢を見たいなら、睡眠学習をさせてくれるムウマージ((ムウマージの英語名はMismagius))にでも見せてもらっていください。
　私、スノウホワイトをお買い上げになられた貴方達には、今なら30日無料で貴方に夢を見せてくれますよ♪
　ぜひマスターにお願いして買ってもらってもらえるよう、弊社の商品をよろしくお願いします。&size(1){&color(white){ちっ、断りやがったなマスター……ポップアップの弾幕はってやろうかコラッ!?};};」
　などと、スノウは言っていたが……僕の頭には全く入っていなかった。
　さっきの返し技について頭の中で&ruby(反芻){連続再生};していたのだ。飛びかかった時点で、両手を掴まれた揚句、後ろに受け身を取りながら倒れたスノウは胴体で僕の腹を蹴りとばし、いわゆる巴投げのような感じで僕を寝かせられたその見事な手腕を。
　だが、それを学習したところで、もう一度飛びかかっても対処法は見つかりそうにないし……
　どちらにせよ今の僕は氷によって背中はぴったりと床に張り付き、腕と尻尾は完全に凍りついている。&ruby(拘束){ロック};されて動けないのだから如何ともしがたい。

「ちゃんと手順を踏まない子にはお仕置きをしなければなりませんねぇ。大丈夫ですよ。ちゃんと快感を得られることは保証しますから」
　僕が動かせるのは首だけになって、僕から快感を求めて動くようなことは出来そうにない。

「さて、手順を踏まえましょうかね。まずはそのいきり立っている&ruby(モノ){フォルダ};を&ruby(たしなめる){窘める};ところから……」
　張り付けられたまま……最初にそうされたように僕は&ruby(モノ){フォルダ};を握られていた。手順を踏むってそういうこと!?　ってことは、このまま咥えられたりキスされたり最後の挿入になるまで僕動けないってこと？
　手順を踏むとか言って、それかなり僕の権利無視されていない？　ああ、でも……僕が本気で嫌がればマスターも恐らくこの……&ruby(ゴニョゴニョ){解凍};は止めてくれるだろうけれど……&ruby(なまじ){憖};気持ちいいせいで、止めてとか言えない自分が情けない。
　ああ、もうどうにでもして……僕の思考機能は段々と低下していって感じの変換とかもどんどん適等になっていった。でも、そういう風に下方が僕の感情のためにメモリを消費しないから動作がスムーズ、より早く会館が与えられるから利点はあるわけで……というか、もう頭を真っ白にしてみた方がさらに&ruby(ディアルガの強心剤の消費も){メモリ消費も};少なくな……る……
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&color(olive){あらぁ……いきなりスピードアップしたようなぁ……動作が快適に進んでいるみたいなぁ。さっきと同じ高速モードにしてみているんだけれど、俺の作業がなくなっただけでこんなに違うものだなぁ……&br;　しかし、ヴァージルはスクリプトと上手くやっているだろうかなぁ……いや、動作が速くなったってことは多分抵抗しないでうまくやっているんだろうな。&br;　ヴァージルは自分の子供を見たらどんな顔するんだろうなぁ……俺達がそうだったみたいに可愛くってずっと抱いていたりしてるんじゃないかな。&br;　あいつは人間以上に人間らしいところがあるから、まるで孫が出来たみたいに俺達も喜べるかもなぁ……};
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　って、僕は危うく色々な尊厳を吐き捨ててしまう所だった……僕は正気を保たなきゃって……いいたいところなんだけれどね、うん……もうかんじのへんかんができないね……メモリがスノウにぜんぶうばわれたようで、あぁ……もうだめ気持ち良すぎて頭が……。

　頭が真っ白っていうのはこういう事を言うのだろうか？　僕は何かを考えていたかと聞かれれば、何も考えていなかったと答える他ない。
　その頭が真っ白になった一瞬、&ruby(オーガズム){解凍の終了};を迎えた&ruby(モノ){フォルダ};は&ruby(尿道){一時フォルダ};を通して&ruby(精液){解凍済みのデータ};を、スノウの&ruby(空洞){空きフォルダ};へと放出してしまった。

「上出来ですよ。これこそポリゴン乙ですね」
　ようやく意識がはっきりしてきた僕に対するスノウの第一声はそんなんだった。もっと……他に言うことないの……？

「それでは……このデータの内半分と、私の保有する23対の&ruby(相同染色体){相同自己修復用データ};とを掛け合わせて……新たなポリゴンがその命を芽生えさせることでしょう。
　今宵はお疲れ様です。データの修復が御済みになりましたら、またいつでもお相手を致しましょう。それではごきげんよう」
　やっと……終わった。なんだかものすごく疲れたから……今日は外に出てゆっくり休もう。

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　&color(olive){あ、お帰りヴァージル……どうだった？　え……そんなことがあったの？　ふむふむ……それは羨ま……なんでもない。そりゃ、あの操作をキャンセルしたら懐き度も下がるよなぁ……うんうん、そういうことだとは知らなかったから。&br;じゃあヴァージル。次からはフリーズ防止のために標準でやろうか？　うん、その方がお前的にもいい感じだと思うからなぁ……&br;　なにはともあれ、これをポリゴン生成機構付き保育器に差し込めば……うん、これでそのうちポリゴンが生まれるはずだ。楽しみに待ってような♪&br;　え、なんだヴァージル……お願いがある？　はぁ……解凍ソフトをダウンロードしてHandのフォルダに入れて欲しいって？　いいけど……フリーソフトで十分だよな……っていうか、Zip用の解凍形式があれば十分？&br;　あぁ、そういうこと……いやまぁ、俺も若いころは自慰の一つや二つをしたものだが……お前がそんなことをするのはどうもマスターとして複雑な気分だからちょっとなぁ……。&br;　いや、ごめんなさい。わかった、わかったから鉢巻を巻いて破壊光線するのはやめて……この家まだローンが残っているし、俺は生命保険かけていないんだから……};
　&color(olive){あ、お帰りヴァージル……どうだった？　え……そんなことがあったの？　ふむふむ……それは羨ま……なんでもない。そりゃ、あの操作をキャンセルしたら懐き度も下がるよなぁ……うんうん、そういうことだとは知らなかったから。&br;じゃあヴァージル。次からはフリーズ防止のために標準でやろうか？　うん、その方がお前的にもいい感じだと思うからなぁ……&br;　なにはともあれ、これをポリゴン生成機構付き保育器に差し込めば……うん、これでそのうちポリゴンが生まれるはずだ。楽しみに待ってような♪&br;　え、なんだヴァージル……お願いがある？　はぁ……解凍ソフトをダウンロードしてHandのフォルダに入れて欲しいって？　いいけど……フリーソフトで十分だよな……っていうか、Zip用の解凍形式があれば十分？&br;　あぁ、そういうこと……いやまぁ、俺も若いころは自慰の一つや二つをしたものだが……お前がそんなことをするのはどうもマスターとして複雑な気分だからちょっとなぁ……。&br;　いや、ごめんなさい。わかった、わかったからこだわりメガネを着用しての破壊光線するのはやめて……この家まだローンが残っているし、俺は生命保険かけていないんだから……};

|ヴァージルは　はじを　わすれて&br;あたらしく　&ruby(じい){かいとう};を　おぼえた|

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なんだか途中から挿絵を作るのに夢中になっていた気がします。
それにしてもこんなのがデビュー一周年作品かぁ……


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何かコメントがあればお願いします。
#pcomment(サイバーテロもびっくりなコメントログ,15,)

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#include(サイバーエロアンケートページ,notitle);