ポケモン小説wiki
自由と言う名の物語 の変更点


[[名も無き人間]]
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~自由と言う名の物語~


人間社会にポケモンという存在が定着して久しい現代社会。

人間の住む街には至る所にポケモンを対象にした店や施設が存在していた。

バトルや生活で傷付いたポケモンを回復させる病院の様な施設。

ポケモンの食料や、野生ポケモンを捕まえる道具が売っている店。

その他にも様々な施設があり、人間とポケモンは共存の道を歩んでいた。

だが時が経つにつれ、ポケモンを悪用する人間も増えていった。

それに誘発されるかのように、密かに営業している店も増えていった。

ポケモンの雌を監禁し、人間の男を相手に性行為をさせる店が。

その殆どが違法にポケモンを監禁し、多額の利益をあげている。

警察も捜査し、何件かは営業停止にはなるが、直ぐに増えて元に戻っていた。

これは、そんな店に監禁され、日々性行為をさせられているポケモンの話である。
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日は既に落ち、辺りは夜闇に包まれ、街のイルミネーションが輝いている。

辺りには飲み屋、宿泊施設等が営業をし、次々と人間が出入りしていた。

……そんな街の裏通りには一軒の店が密かに営業をしていた。

看板も無く、ただその場に存在しているビルの様な場所で。

その店は中に入れば直ぐに分かる。所謂風俗店だった。

だが中に居るのは人間の女性ではなく、ポケモンの雌だった。

ここはポケモンの雌に性行為をさせる風俗店なのである。

「ほらっ、もっと良く銜え込むんだ。」

「んっ……むっ……」

そして、その個室には自身の肉棒を一匹のポケモンに銜えさせている男が居た。

その銜え込んでいるポケモンはロコン。狐の様な風貌のポケモンだった。

そのロコンは目に涙を浮かべながら、男の肉棒を根元まで銜え込んでいた。

その男の周りには多種多様な道具が散乱し、置いてあった。

人間用のディルド、バイブレーター、ローター。更には轡や鞭すらも。

金さえ払えば好きに行為に及べる。ここはそういう店なのだ。

「よし、出すぞ! しっかり飲めよ! ウッ!」

「んんっ!?」

男はロコンに肉棒を舐めさせながら、頭を掴み前後に揺すっていた。

勿論、ロコンにとっては苦痛の他無かった。

ただでさえ喉奥まで銜え込んでいる物を前後に動かされればどうなるかは決まっている。

ロコンは必死に吐き気に耐えながら、男が射精するのを待っていた。

そしてその時は直ぐに来た。男が肉棒を奥まで突っ込み、一気に射精したのだ。

勿論、少量では無く、大量の精液がロコンの喉奥に射精された。

暫く続いたが、人間は萎えて小さくなった肉棒をロコンの口から出した。

ここで吐けば更に仕打ちを受ける。ロコンは顔を上に向け、少しずつ飲み始めた。

勿論、木の実ジュースの様に美味な液体でなく、ただ不味く粘度のある液体だった。

ロコンは時折咽ながらも、人間の出した精液を飲み終えた。

「よし良い子だ。おっと、そろそろ帰らないとな。また来るからな。」

「は、はい……またのご来店……お待ち、しております……」

それを終始眺めていた人間はロコンの頭を撫で、帰り支度を始めていた。

行為に及んでから凡そ1時間。つまり制限時間が迫っていたのだ。

個室を後にする人間に、ロコンは思ってすらいない事を小声で呟いた……

この店の決まりは基本1時間。延長は無く、1時間以内に退室しないといけないのだ。

勿論、中には時間内に達する事が出来ない人間も多い。

その時は破格な料金を払い、時間を延長する人間も多々居た。

その場に残されたロコンは、行為の後始末を始めていた。

床に零れ落ちた人間の体液や、乱れた自身の体毛。

次に来る人間に備えて、万全の態勢で居ないと駄目なのだ。

「テイル……今良い?」

「あ、リーフィ……うん、良いよ。」

「どうだった? さっきの人間。酷い事、されなかった?」

「うん、大丈夫。少し苦しかったけど……銜えるだけだったから。」

「そう……」

片付けをするロコンの下に一匹のポケモンが訪ねてきた。

同じ店で性行為をしているリーフィア。名前はリーフィといった。

ロコンよりも長く店に居て、ロコンの世話をしてくれる存在だった。

ロコンの名前がテイルという事を知っているのもリーフィだけだった。

お互いに行為が終わると、こうして小部屋に訪ね合ったりもしていた。

その度にお互いを労い、時には愛のある行為に及ぶ事もあった。

同性であっても、愛さえ在れば心地良い。彼女等はそう考えていたのだ。

いつしかテイルも、眩しい位の笑顔を浮かべて、リーフィと談話していた。

「おい、次の客が入るぞ。さっさと準備しろ。」

「は、はい。今直ぐ支度します。」

「じゃあ、言い難いけど……頑張ってね。」

「うん。ありがとうリーフィ。また後で。」

そんな楽しく充実した時も長くは無い。彼女を求めに来る客も多いのだ。

店の人間と思われるスタッフが入ってきて、客が来た事を伝えに来た。

勿論それは性行為をするという事。テイルもリーフィも顔を曇らせてしまった。

だがそれは逃れられない現実。性行為をするのが彼女の生きる道なのだ。

リーフィは悲しげな顔をしながら、自身も自分の個室へ戻っていった。

そしてテイルは新しい客を招き入れる為に、毛繕いを始めていた。

幸いにも先程の人間とは挿入はしていなかった。繕うのは簡単だった。

両前足、両後ろ足、顔の届く範囲全てを念入りに毛繕いをしていた。

「まだ準備中だった、かな?」

「キャッ!?」

「あ、ごめん。驚かせる積りはなくて……大丈夫かい?」

だがテイルは丁寧にやり過ぎていた。次の客が個室に入って来てしまったのだ。

勿論、気付いていないテイルは急に声を掛けられた影響で、悲鳴を上げてしまった。

それは客に対する無礼極まりない行為。当然、その店でもタブーだった。

しかし、やってきた人間は気にも留める事無く、逆にテイルを心配していた。

「た、大変申し訳在りません! 不届き者の私をお許し下さい!」

「そんな謝らなくても……勝手に入った僕も悪いわけだし……」

「い、いえ! その様な事は御座いません! どうぞ私の体を折檻なさって下さい……」

しかしテイルは身に付いた行動、即ち謝罪する事で許しを得ようとしていた。

一方、人間は元々責める積りは無いのか、呆然としてしまっていた。

だが悲鳴を上げた行為自体は拭えない事。店に報告されたらそれこそ痛めつけられる。

テイルは服従の姿勢をとり、鞭で叩かれる事を覚悟していた。

「君がそう言うなら、いくよ。」

「っっ……」

「なんて、冗談だよ。ほら、そんな格好止めて。」

「で、ですが……キャッ!?」

そして人間も置いてある鞭を手に取り、テイルを叩く仕草を見せていた。

勿論、テイルは鞭の痛みは身を持って体験していた。どれ程の激痛かを。

だが店の人間に叩かれるより遥かにマシだと言う事も知っていた。

テイルは目を硬く瞑り、いつ来るか分からない痛みに備えた。

だが人間は笑いながら鞭を放ると、仰向けのテイルを抱き上げた。

勿論、急に抱かれたので、テイルは再び悲鳴を上げてしまった。

目を開けたテイルが最初に見たのは、優しく笑う人間の顔だった。

「あ、あの……お客様……どのような御奉仕をお求めですか?」

「そうだね……じゃあ、お喋りしようよ。」

「え? あ、あの……会話は御奉仕内容にありませんが……」

「そうなの? じゃあ1時間喋ってようか。そうすればお喋り出来るよ。」

「お、お客様が会話を望むなら……私はそれに従いますが……」

テイルは最初の営業台詞。性行為の内容を人間に確認していた。

時間は限られている。口淫にしろ本番にしろ、直ぐに始めるのが普通だった。

だが人間はテイルを抱いたままベッドに座ると、何もせずにテイルを下ろした。

そして会話を希望していた。勿論、会話は性行為に当らない。

1時間どう過ごすかは客の勝手だが、会話を希望する人間は初めてだった。

しかし人間は人間。テイルはいつでも犯される様に身構えていた。

「じゃあ、君の名前を教えてくれるかな?」

「テイルです。歳は14で、このお店には3年前から居ます。」

「11歳からこの仕事を……辛かっただろうね。」

「……。」

「あ、そっか。変な事は言えないね。じゃあ話題を変えよう。」

そして人間は極普通にテイルに話し掛け、会話をし始めた。

テイルは質問された事に的確に答え、人間に返答していた。

そして、勿論辛い、と答えたかったが、どこで聞かれているか分からない。

下手な事を言うと店の人間に叩かれ痛い思いをする。

それを察したのか、人間は話題を変えてテイルに質問し始めた。

故郷の事、友達は居るのか? 楽しい事や嬉しい事は何か? 等という質問を。

次第にテイルは警戒を解いたのか、幼さの残る笑顔で質問に答えていた。

「そっかぁ、オレンの実が好きなんだね。今度持って来てあげるよ。」

「本当ですか!? 有難う御座います!」

「やっぱりテイルは、笑顔が良く似合うよ。凄く可愛い。」

「えっ、あっ、その……あ、ありがとう、ございます……」

そして話題はテイルの好きな食べ物になっていた。

ロコンは一般的には肉食だが、テイルは木の実や果物が主食だった。

中でもオレンの実といわれる一般的な木の実が大好物だった。

それを知った人間は、笑顔で今度持って来るとテイルに伝えていた。

テイルもそれを聞くと、これ以上に無い位の笑顔でお礼を言った。

その笑顔に人間は、テイルの頭を撫でながら、凄く可愛いと伝えた。

勿論、テイルも歳としては見た目を気にする年頃。可愛いと言われれば嬉しいのだ。

だがそこで今の状況をテイルは思い込んでしまっていた。

自分を褒めて、仲良くなった振りをして性行為に及ばせようとしている、と。

勿論、人間にその気は無いのだが、そう思い込んでしまったのだ。

「そろそろ御奉仕を始めましょうか? お時間も残り少ないですし。」

「良いよ良いよ、僕はお喋りに来ただけだしさ。」

「ここは性行為をするお店です。何もせずにお帰しするわけには……」

長らく談話をしたせいもあってか、既に数十分は過ぎていた。

このままでは会話だけで終わってしまう。それでは性行為に成り立たない。

テイルは人間の股間に手を置き、いつでも性行為出来る姿勢になった。

「じゃあ聞くけど、テイルはそういう事をしたいの?」

「えっ……」

「したくもないのにやるのは間違いだと思うよ。テイルはしたいの?」

「私にとって性行為は、今の生を繋ぐ為。しかし……嫌という気持ちもあります。」

「やっぱりね。それなら無理してやる必要は無いよ。誰にも言わないからさ。」

そして着衣の上から手淫をしようとした時、人間がテイルに尋ねた。

本当に性行為をしたのか? と。

勿論テイルはその問いに直ぐには答えられなかった。

正直に言って店に密告でもされれば何をされるか分からない。

下手をしたら殺されてしまうかもしれない。

だがテイルは……正直に自分の気持ちを人間に打ち明けた。嫌だ。と。

だが人間は優しく頭を撫でながら、内緒にするとテイルに約束してくれた。

「貴方は……変わった人間なんですね。性行為もせずにこうして……」

「そう言われると返す言葉が無いや。あ……そろそろ時間だね。」

「あ、ならせめて口付けだけでも……その、私の気持ちで……」

「ん、良いよ。……それじゃ、また来るね。」

「はい! またの御来店お待ちしています!」

テイルは今まで見てきた人間とはまるで違う人間に、少し驚いていた。

ここに来て性行為をせずに帰る人間等聞いた事がないからだ。

ここは居酒屋やクラブじゃなく、風俗店。性行為を提供する店だから尚更。

だがテイルは残り少ない時間の中で、一つだけ人間に願いをした。

性行為をしないなら、せめて口付けだけはしたい。と。

人間はそれに応え、軽く口付けをすると、個室を去って行った。

その後ろで、テイルは初めて、心から人間の来店を心待ちにする台詞を言った。

……その後客は来ず店は閉まり、暫しの平穏な時間が流れていた。

「今日も一日お疲れ様。辛くなかった? テイル。」

「ん、辛かったけど、最後に来たお客さんがとても優しくて……」

テイルの個室にはリーフィが来て、遅めの夕食を共に食べていた。

夕食は決して少なくなく、様々な木の実や果物が皿に盛られていた。

二人は今日の事を話しながら、木の実を取っては口に運んでいた。

テイルは最後の客の事をリーフィに話しながら、同じく果物を咀嚼していた。

恐らくリーフィ自身も会話だけで過ごす等在り得ない事。

テイルはそれが嬉しくて、笑顔を浮かべていた。

「ふ~ん……確かに変わった人間だね。自慰をしろって言う人間は居るけどさ。」

「だよね。……また来てくれると良いな……」

「ふふっ。今のテイルの顔、凄く好きだよ。……今日も、しよ?」

「うん……。あっ……」

そしてそんなテイルを見ていたリーフィは、優しくテイルを抱き締めた。

そのままリーフィはテイルに口付けをし始めた。

テイルもまた拒む事無く、お互いに舌を舐め合い、愛撫を楽しみ始めた。

店の閉店後に毎晩行われる、唯一愛のある性行為。

テイルは勿論、リーフィもこの行為だけを楽しみにしているのだ。

次第にその行為は進んでいき、お互いの体を舐め合い始めていた。

そして二人はお互いに秘所を見せ合い、それを舐め始めた。

辺りには二人の喘ぐ声、そして舐める音が響いていた。

それは夜も明け、仄かに日の光が見え始めた頃の出来事だった……

………

……



そしてあっという間に時間は過ぎて、店は再び営業を開始していた。

そしてテイルの下には、あの人間が訪ねて来ていた。

「本当にまた来ていただけるなんて……凄く嬉しいです!」

「そう言ってもらえると嬉しいな。はい、これ。約束のオレンの実。」

「わぁ、有難う御座います! えと、今日は御奉仕を御希望ですか?」

昨夜テイルの下に来て、談話をして帰ったあの人間が、再び訪ねてきたのだった。

昨夜約束したオレンの実が入った袋を携えて。

テイルは約束を覚えていた事に笑顔を浮かべて、念の為に用件を尋ねた。

もしも性行為を希望しても、テイルは心から奉仕する事を決めていた。

だが人間は首を横に振ってから、真剣な顔をしてテイルを見た。

「今日は大事な仕事で来たんだ。」

「大事な、お仕事ですか?」

「うん。テイルや、他の皆を救いに来たんだ。」

「救いに……? それはどういう……」

「直ぐに分かる。……そろそろ、だな。」

人間は大事な仕事で、ここに来たとテイルに言い、壁の時計に目をやった。

テイルは救いに来たという事が理解出来ないのか、首を傾げていた。

だが、それから少しすると、個室の外が騒がしくなり、口論となっているようだ。

そしてテイルの部屋に、制服を着た人間が数人入って来た。

そして一人の人間が、その人間に上着を手渡した。

「その服装……もしかして、貴方は……」

「この違法風俗店を前から調査してたんだ。昨日が潜入調査だったんだよ。」

「そうだったんですか……だから私に何もしなかったんですね。」

「ははは、隠しカメラが服に付いてたから尚更、ね。」

「ふふっ。私もご協力します。このお店の隠し部屋は知っていますので。」

「それは助かるよ。じゃあ、行こうテイル。皆を救いに。」

「はい!」

その服を着た人間を見て、テイルは悟っていた。その人間が警察官だと言う事を。

その予想は当たり、兼ねてから内定調査をしていたらしい。

この手の違法風俗店は、調査に調査を重ねなければ摘発は出来ない。

証拠を掴んでも逃げ道はいくらでもあるのがこういう店だ。

だが人間には心強い味方が出来た。3年も店に居続けたテイルという存在が。

勿論の事、テイルはリーフィからの情報もあり、隠し部屋等も熟知していた。

勿論、逃走経路もいつか使うかも知れないという事で、知っていた。

……それからは難なく事が進んで行った。

店の経営者や客、その全てが警察に逮捕されていた。

勿論、隠し部屋に潜んでいた人間すらも。全てはテイルのお陰で。

そして晴れてテイルやリーフィ。その他のポケモンも自由の身となったのだった。

そして店には後処理をする警察官が何人も入ってきて、テイル達は外に出ていた。

何年ぶりかの大空、澄んだ空気がテイルを癒していた。

「テイル!」

「リーフィ!」

「この日を……ずっと待ってた。」

「私も。これからは、ずっと一緒だね!」

そしてテイルは後から出てきたリーフィと、外で再会したのだった。

自由の身。それはテイルは勿論、リーフィも心から望んでいた事だった。

これからは自由に生き、自由に歩き、自由に過ごせる。

テイルとリーフィはお互いの無事を喜び抱き締め合い、口付けを交わした。

「協力してくれて感謝するよ。ありがとうテイル。」

「いえ、貴方こそ……私達を救って頂き、有難う御座いました。」

「テイル、もし良ければ僕と来ないか? 一緒に暮らそう。」

「有難う御座います。でも私にはリーフィが居るので……」

そして人間はテイルをパートナーとして迎え入れようとしていた。

だがテイルはそれを断った。リーフィという家族が居るから。

しかし人間は諦めて居なかった。

「それなら二人で来ると良い。僕は構わないから。」

「え、でも……リーフィが良いと言うか分かりませんし……」

「私は、テイルが幸せになれるなら……一緒に行くよ。」

「リーフィ……ありがとう。」

人間は隣に居たリーフィを見てから、二人で一緒に来れば良いと伝えた。

勿論、考えもしなかった事に、テイルは内心迷っていた。

勿論、テイルはこの人間を信頼しているし、一緒に生きたい気持ちもある。

だがリーフィ自身は人間に対して面識は無いし、打ち解けられるか分からない。

しかし、そんな心配は要らなかった。リーフィが喜んで賛成してくれたから。

テイルの幸せはリーフィの幸せ。昔から変わらない想いがあったから。


「決まり、だね。宜しく、テイル、リーフィ。」


「こちらこそ。これから宜しく御願いします。」


「宜しく御願いします! 御主人様!」





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