作者:[[ぽーにょ]]
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シグ達が拘束される数分前、ホウエン基地、???
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「真っ暗ですね」
「真っ暗だな・・・」
『暗視モードに切り換えます』
「『次男』・・・何か見えるか?」
次男が辺りを見回す・・・
『探索中...現地情報取得成功です。どうやらここはホウエン基地の内部、リネン室の様です』
「よし、照明を頼む」
『了解』
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ホウエン基地、リネン室
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「ふう・・・」
床下収納から、ヘックが出て来た。
「皆・・・すまない、どうやら私は此処までの様だ・・・」
収納からラシャは首だけしか出せないみたいである・・・
「ペリッパー達の目を盗んでここまで来たのだが・・・まさか・・・」
『大丈夫ですよラシャさん、後の事は任せて下さい』
「ああ、・・・頼む」
ヘックと『次男』は静かに部屋を後にした。
「さて・・・私も帰るか」
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ホウエン基地、格納庫
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「よし・・・着陸するぞ」
ノワールが静かに着地、乗っていた皆が降りる・・・
「結局、シグさんとクリスさんはどこに行ったのでしょうか?」
トゥオが辺りを見回し・・・
「ガアアアアアアアアアアッ!」
巨大な咆哮が辺りの空気がビリビリと共振させる。
「あ・・・今の・・・」
メロディが何か気付いた様だ
「ソローさん・・・ですね」
「ソロー?」
「カイオーガの先輩です・・・昔はお世話に・・・なってないですね」
「なってないのか・・・」
ノワールはゆっくりと空に浮かび上がり、一瞥する。
「そろそろジョウトに戻る、嫌な予感がして仕方ない」
「ノワールさん・・・気をつけてね」
「ああ、ペリッパー達がいなかったのが気になる。直ぐに様子を見に行く」
そう言ってノワールは空高く飛んで行った。
「では、ボク達も行きましょう!」
「はい!」
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ホウエン基地、地下牢
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「・・・」
「・・・」
「・・・」
牢では三匹、シグとクリス・・・フィアーが静かに佇んでいた。
「フィアー(恐怖)ねぇ・・・あんたにお似合いよ、その名前」
「うぅっ・・・」
「もうそれくらいでいいだろ、クリス・・・」
拘束されながらも殺気を放つクリスにグラードンのフィアーは完全に気圧され、カクカクと震えている。
「そんなにビビってていいのかしら?」
・・・少しからかってみようかな・・・ウヒヒ
「そうやって怯えてたら・・・コンコン、とノックの音が鳴って・・・」
すると、ちょうどのタイミングでドアがノックされる。
「ひっ・・・」
「ドアが開くとそこには・・・」
キイイ・・・とドアが開き
「貴様の魂を寄越せぇぇ・・・」
と、ドア越し(?)にだれかが話す。
「ひぃやああああぁ・・・」
と、またフィアーは気絶してしまった・・・
「意外とノリがいいわね・・・で、あんた誰?」
部屋のドアが開き、エアームドが一匹入って来た。
「ドジを踏むのもいい加減にしてください・・・」
「ヘック!」
ヘックははがねのつばさで檻を切り裂き、シグ達を解放する。
「急に突っ込んでこの有様だとノワール司令はカンカンでしょうね。
・・・コリンさん達の二の舞にはならないで下さいよ?」
「ご・・・ごめん」
クリスが素直に謝るなんて・・・珍しいな。
「う・・・&size(8){うん・・・?};」
フィアーが覚めるっ!?どうしようか・・・
「GO TO HELL!」
とクリスの正拳突きがフィアーの顔面に吸い込まれていく。
「ぐへぇぁっ・・・&size(8){きゅう・・・};」
「よし、行くわよ」
「相変わらず手荒過ぎだろクリス・・・」
「相変わらず!?」
ヘックは戦慄した。クリスだけでなく、それについて行くシグに・・・
「んじゃ、何処に向かう?」
「何だ、決めてないのかよ」
と、クリスがドアノブに手を掛けた瞬間にドアが勢いよく開いた!
「やはりな・・・こんな事だろうと思ったぞ!」
そこには・・・
「あら、ソローじゃない」
カイオーガのソローが絶対零度の構えをとる。
「妙なマネすれば・・・解るな?」
辺りを見回すが脱出できるのはこのドアからだけの様だ。
「し・・・仕方ないわね・・・」
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ホウエン基地、地下牢
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『・・・』
牢の中にはシグ、クリス、ヘックが・・・
看守席にはフィアーとソローが座っていた。
「・・・で、バシャーモのお前」
「なんだ?ソロー」
「奴は何処だ」
「奴って誰だよ・・・」
「ルギアだ。アイツの始末が必要になった」
「どうして?」
「・・・」
ソローは黙ってため息をつく・・・
「お前の『設計図』・・・覚えてるか?」
「・・・設計図・・・ああ、大分昔だがな」
「その『設計図』の情報を何処かに・・・誰かにリークしているのだ」
「アイツが?」
「ああ」
「・・・」
しばらくの沈黙・・・
ヘックの顔が僅かに引き攣るのをソローは見逃さなかった。
「エアームドのお前、何か知ってるな」
「・・・!」
「確かに・・・今回の部隊にあんたは・・・入ってないわね」
「そ・・・それは・・・」
クリスが白い目でヘックを見つめる。
「手引きしたのは誰?」
「うっ・・・」
まったくもう・・・と言った顔でクリスは・・・
「&size(36){吐 け や コ ラ};」
最大限の殺意でヘックに『尋ねた』。にも関わらず、ヘックは全く動じていない・・・
・・・おかしいな・・・
&size(1){「殲滅シーケンス開始、脱出します」};
「ん?何か言ったか?」
と、ヘックから何か不吉な起動音が・・・
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ホウエン基地、緊急通路
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「さっきの爆音が気になります。トゥオさん、急ぎましょう!」
「はい!・・・ん?」
トゥオが通路の窓を覗くと・・・
「あ・・・メロディさん!アレ・・・!」
そこの地面は陥没し、黒い煙が揚がっている。
「あそこは・・・地下牢!嫌な予感がします・・・急ぎましょう!」
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とりあえずここまで!
ホウエン基地、地下牢跡
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「けほ・・・みんな、無事か?」
ソローが皆に呼び掛ける。
「絶対零度で爆風を抑えたのね・・・やるじゃない」
「ソロー先輩・・・ところで『設計図』って?」
シグがボロボロになりながらも起き上がり、土埃を払う。
「俺が昔、いろいろとメカを作ってたんだ。多分その設計図だろ?」
「ああ・・・正直、ネーミングセンスは最低と言えるが・・・モノは最高だった」
「はっきり言うか・・・そこ」
砂塵が風で晴れると、ヘックがボロボロに横たわっていた。
『あ、シグさん』
ヘックの横にはいつの間にか『次男』が沿っている・・・
「『次男』・・・ヘックは一体・・・?」
『ヘックさん・・・いえ、正確には「skarmory#227」・・・でしょうか』
「は?」
クリスが怪訝そうな顔で聞く。
『以前から彼からは何か違うものを感じていました。端的に言うと、彼は「機械」です』
「なっ・・・!」
こうも唐突で衝撃的な事をサラっと言うか普通・・・!?
よく見るとヘックの体からは所々ショートと思われるスパーク音が聞こえる・・・
「アンドロイド・・・」
『正解です。ソローさん・・・ノワールさんのデータベースには、「鋼タイプ」がすべてそれに該当するとされています。製作者は恐らく・・・ラシャさんでしょう・・・』
え・・・鋼・・・タイプ・・・?
「ちょっと待てよ!だったら・・・だったら・・・っ!」
クリスもそれに気付いた様だ。
「「ジャックとメロディはどうなるんだよ・・・っ!」」
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ノワールは何処まで事実を知っているのでしょうか・・・?
>>[[災難な通信士?のお話20]]
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