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幼き上様之巻・第二話・観音寺城攻略編 の変更点


[[呂蒙]]

<新たな登場キャラ>
足利義昭(あしかが よしあき)=キルリア・義輝の弟、1つ年下(1537年生まれ)
細川藤孝(ほそかわ ふじたか)=シャワーズ・細川家の一員。教養ある文化人(1534年生まれ)
伝令(でんれい)=ピジョット・夜は苦手。鳥だから(←あんまり役に立たないじゃん by晴元)
細川氏綱(ほそかわ うじつな)= サンダー・晴元の仇敵。夜は苦手
六角、蒲生一族(ろっかく・がもういちぞく)=近江南部(滋賀県南部)の大名と家来
etc


第1章・新しい部下
 
 ここは山城国、室町御所。
「はああぁ・・・・・・」
 1人のエルレイドがため息をついていた。彼こそが、13代将軍 足利義輝である。
「珍しくお元気がないようですが、如何なされました?」
 気づかうスイクン。こいつは、管領の細川晴元。また、日の本一の大勢力を誇る戦国大名でもある。細川家の協力なくして今の幕府は存在しえない、といっても過言ではない。
「今、思ったんだけどさぁ・・・・・・」
「何でございましょう?」
「我が足利家ってさぁ、すんごいビンボーだよなぁ・・・・・・」
「はっ、確かに裕福とはいえない状況ではございますが、今ならまだ幕府は立て直せると思います」
「本当か?」
「まぁ、その、上様の努力次第でしょうか」
「よーし、やってやろうではないか、もう一回天下を統一して見せるぞ。足利尊氏公見ていてくださいッ」
 急に元気になった義輝ではあったが、あることに気付いた。
「ん? ちょっと待て。こうなった直接の原因って応仁の乱だよな」
「まあ、それも一つの原因でございましょう」
「それを起こしたのって、お前の先祖だろ?」
「お待ちください。確かに勝元公は東軍の総大将でしたが、足利義政公がいい加減で酒びたり、しかも贅沢三昧の生活を送って、あちこちの不満を買っていたのが直接の原因ではないのでしょうか?」
「ほほう、つまり足利家のせいだと?」
「事実です。受け止めてください」
「ふん、まぁ、よいわ。また1からやり直せばいいだけのことだ」
「その通りです。で、実は私、今日は上様に紹介したい者がいます。おい、入ってまいれ」
 1人の若いシャワーズが入ってきた。そのシャワーズはお辞儀をすると、
「細川元常の養子で藤孝と申します。足利家に御奉公すべく参りました」
 と、自己紹介をした。
「まだ若輩ですが、頭は良い奴なので、きっと役に立ちましょう」
「そうか、よろしく頼む」
「ははっ」
 人不足が深刻な足利家に優秀な人材が1人増えた。晴元は優秀な人材を確保することこそが天下統一への第一歩であることを説いた。政治をするにも戦争をするにも人手がいる。とにかく、戦争は国力を蓄えてからにすることを勧めて、義輝も一応は分かったといったが、内心早く領土を広げたかった。
(上様が暴走しないか、正直不安だなぁ・・・・・・)
 周りは気が気ではなかった。


  第2章 下克上
 
 早速、領土拡大のための会議が開かれることになった。といっても、参加しているのが将軍を除けば、晴元と藤孝だけなので、それは会議というほどのものでもなかった。
 そんな時、御所にいる晴元へ一通の手紙が届けられた。
「私に? 何だろう?」
「そーかい、余は無視か」
 不満そうな義輝。
「まぁ、晴元殿は役職柄、事務的な手紙を多く受け取りますので・・・・・・」
 と、なだめる藤孝。
「晴元殿?」
「晴元、いかがした?」
 手紙を読んでいる晴元の表情が次第に険しくなっていくので、2人は気になって声をかけた。が、晴元は手紙の方に集中しているらしく、返答はなかった。
 晴元が手紙を読み終えたようなので、義輝は再び声をかけた。何だが、晴元の顔色がよくないようにも見える。
「晴元。差し支えなければ、先ほどの手紙の内容を教えてもらえまいか」
「・・・・・・はっ」
 晴元は話を始めた。
「実は、先ほどの手紙は私の部下、三好長慶がしたためたものでございます」
「そうか、して内容は?」
「・・・・・・。長慶の部下、松永久秀が手勢十数名で、筒井城を占拠し、自立。つまり、細川家に対して謀反を起こした、とのことでした」
「何と! で、筒井の一族は?」
「・・・・・・降伏したそうです」
「松永久秀か、その名前覚えておこう。何か生かしておくとロクな事にならないような気がする」
「そして、久秀は信貴山城に拠点を移したそうにございます」
「よし、決めたぞ。各地の群雄に檄文を送りつけるのだ。久秀を包囲してくれる」
「・・・・・・開戦ですか?」
「そうだ。筒井を助けるという大義名分もある。これで、久秀に味方しようものなら逆賊の汚名を受けることだろう」
「上様、お待ちください」
 開戦に傾く義輝を藤孝が止める。
「藤孝。何か意議でもあるのか?」
「今、久秀を討つのは得策ではありませぬ」
「何!?」
「信貴山城は天下に誇る堅城でございます。仮に諸侯と連携できても大きな損害が出ることは確実です、我が足利家の大幅な国力低下は避けられませぬ」
「し、しかし筒井を見捨てることなど・・・・・・」
「今は時期尚早と申し上げているのです。確実に勝てる戦をしなければ、順調に領土を広げていくことは難しいでしょう」
「う、うう・・・・・・」
「一時の感情に動かされてはなりませぬ」
「晴元、お前はどう思うか」
「・・・・・・悔しいですが、現状では藤孝に賛成です」
 ああ、そうか。これが「下克上」ってやつなのか。「義理」はどこへ行ってしまったのだろう。
「ところで、上様。それがし、和歌を学んでおりまして」
「文化人だな、藤孝」
「この世界では、公家との交流の機会が多くございます。もしかすると、つてで官位がもらえるかもしれませんぞ」
「ああ、藤孝はその世界へ行くのか」
 誰もが、ジャンルは違えど、戦とは関係のない世界に行きたくなるということなのかな。
 誰もが、分野は違えど、戦とは関係のない世界に行きたくなるということなのかな。
「乱世、か」
 ひとつ、成長した義輝であった。

 第3章 怒れる晴元
 
 さて、落ち着いたところで会議が始まった。会議というよりも、少人数なので会議といえるものかどうかは微妙だった。
「で、何の話してたっけか? あ、そうだウチは貧乏だっていう話だったな」
「そうですね」
「で、だ。晴元。金がないということは、兵糧も買えぬ。ということは、戦が出来ぬ。これじゃ話にならん。裕福になるにはどうしたら?」
「おお、ちょっとは賢くなったではありませんか」
「ま、せーいだいしょーぐんだからな」
(今のって上様を小馬鹿にした発言じゃあ・・・・・・)
「噂によると、山口の大内家は貿易でウッハウハとか聞くぞ」
「ま、細川家にはかないませんがね」
(晴元殿、張り合ってどーする)
「ウチも貿易したいなぁ。よし、決めたぞ。朝倉家をぶっ潰して、敦賀港を奪取するぞ。越前に乱入だ」
「絶対ムリです」
「何で?」
「朝倉は浅井と同盟を結んでいますし、理由もないのに攻め込んでは周りの大名家を敵に回すだけですぞ」
「やっぱ、ダメか」
「いつ誰が敵になるかもしれぬ戦国乱世、周りの大名家の動向には気をつけるべきです」
「周りって、お前の領地と六角しかいないが・・・・・・」
「さっきみたいに家臣が反乱独立するっていうこともありますので」
「う~ん、それは大変だな。うっかり気を抜いていられないな」
 話を元に戻す。
「ま、とにかく金儲けをしたい。晴元、何か策はないか?」
「まずは、商売ですね。今はいつ敵が攻め込んできてもおかしくないので、商人たちを守る代わりにその分の手数料と、兵糧や武器を安く売ってもらうという契約を交わします。輸送時に兵に護衛をさせるという条件をつければさらに良い条件で、契約が交わせましょう」
「け、けいやく!? 余はめんどくさそうなことは嫌いだ」
「まぁ、子供のおつかいじゃないんで、私の部下に代わりに行ってもらいました」
「仕事早いね」
「これで、ちょっとは収入が増えるでしょう」
 それにしても貧乏は辛い。最低限の生活は保障されているからいいが、御所はボロボロで今年の台風で壊れた塀の修理もまだやっていない。それだけ、金がないということである。「将軍」という権威だけが頼りだ。これがなかったら、ただの剣士になってしまう。それに、クーデターで領国を追われることも十分に考えられた。名門だからといって安心は出来ない。2年前に、名門上杉家の20代当主 上杉憲政は新興の北条家に敗れて、勢力を失い越後に逃走したという。かつては事実上関東地方全域を支配するほどだったのに・・・・・・。
 それにしても貧乏は辛い。最低限の生活は保障されているからいいが、御所はボロボロで今年の台風で壊れた塀の修理もまだやっていない。それだけ、金がないということである。「将軍」という権威だけが頼りだ。これがなかったら、ただの剣士になってしまう。それに、政変で領国を追われることも十分に考えられた。名門だからといって安心は出来ない。2年前に、名門上杉家の20代当主 上杉憲政は新興の北条家に敗れて、勢力を失い越後に逃走したという。かつては事実上関東地方全域を支配するほどだったのに・・・・・・。
 今も昔と変わらない大勢力を保っているのは、山口の大内家と、晴元を中心とした細川家だけだ。でも、この先安泰であるという保証はない。これからどうなってしまうのだろう・・・・・・。
 
 ◇◇◇
 
 しばらくして、1人の文官が、義輝のもとへ書類を持ってやってきた。
「上様、今月の収支報告書です」
「え? ああ・・・・・・」
 何なんだろうこれ? 見方がよく分からない。こういう時は・・・・・・。
「晴元ー、はーるーもーと、いるかー?」
「はっ、ここに」
 種族柄だろうか、何と足の速いこと。疾きこと風の如し、か。やっぱりなんか人が違う気がするのだが。まぁ、いいか。
「さっき、部下がこんなものを持ってきた」
「ああ、これですか」
「で、そこに書かれているごちゃごちゃは何だ」
「ご、ごちゃごちゃ!? これは山城国の収支報告ですっ!」
「何だそれ」
「つ、つまり、どれだけ収入があったかということです」
「ふーん。金以外にも布とかあるが・・・・・・」
「まぁ、それらは副産物です。売って金を調達したり、貿易で珍しい品物と交換するなりしてください」
「やっぱ、港が欲しいなぁ」
「それは、もう少しご辛抱を」
「じゃあ、せめて御所の塀を修理したいな。ボロボロじゃかっこ悪い」
「それは、よきお考えで」
 とりあえず、給料(といっても、副産物の布だが)で、人を雇って、塀を修理させた。給料が出るとかで、予想以上に人が集まった。タダ働きさせてもいいのだが、領民たちに不満を持たれるのが嫌だった。今の民衆のパワーはすごい。あっちこっちで一揆が多発している。下手したら、山城にいられなくなって、幕府が滅亡してしまう。そんなの死んでもごめんだ。
 とりあえず、給料(といっても、副産物の布だが)で、人を雇って、塀を修理させた。給料が出るとかで、予想以上に人が集まった。タダ働きさせてもいいのだが、領民たちに不満を持たれるのが嫌だった。今の民衆の力はすごい。あっちこっちで一揆が多発している。下手したら、山城にいられなくなって、幕府が滅亡してしまう。そんなの死んでもごめんだ。
 そんな時、伝令がやってきた。さすが、ピジョット。何という速さだ。
「晴元様、一大事でございます」
 何だ、晴元の部下だったのか。細川家の陣容は厚い。人材が豊富なのはうらやましい。
「どうした」
「氏綱めが、晴元様打倒の兵を挙げました」
「何だと!?」
「あ、でも管領職を譲って隠居すれば仲直りしてやってもいいそうです」
「ふざけるなぁ!! それって降伏しろって事じゃないかああぁっ!!!」
「さらに、そそのかされた六角家が京を目指して進軍中だそうです」
「げげっ、挟み撃ちか」
「三好長慶殿と弟の安宅冬康殿が抗戦しているそうですが、京まで援軍を出す余裕はないそうです」
「おおっ、面白くなってきたぞ」
「何、呑気なこと言ってるんですか」
「どうします?」
「よし、すぐに援軍を向かわせるゆえ、持ちこたえるように伝えよ」
「ははっ」
「おのれ、氏綱まじ許さん! ついでに六角もいつか必ずひねり潰してくれる」
 とはいったものの、留守中にスキをつかれる可能性も高かったので、ためしに、部下に六角との停戦交渉をさせてみた。が、案の定断られた。
「潰す!!!!」
 晴元の怒りは尋常じゃなかった。さっきから右前足を床にたたきつけている。
「やめて、床に穴が開いちゃう」
 義輝の声は届いていなかった。
 とても領土拡大どころではなくなってしまった。晴元は藤孝を呼び寄せて、対六角軍の指揮を任せた。一か八かの選択だったが、ま、何とかなるだろう。少なくとも、義輝は領民に嫌われてはいないから、きっと味方になってくれるだろう。それに、腕が立つから襲われても平気だろう。それにしても、細川家は大変だな。
 


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