プロローグより前のSSを書きますpart2 「前日談」ってやつかな [[まとめページ>ナシュル]] 作者:[[カナヘビ]] #hr ほんの小さな音も大きな轟音に変えてしまう空間。 その空間は地底に穴を空け、ごついポケモンたちの住処となっていた。 地面タイプはもちろん、岩タイプも鋼タイプも住んでいる。 ただ、彼らは大抵体が重く、移動がそれほどスムーズにできない。 よって、時間が地上より長く感じることが多々である。 例外は、素早さがあるポケモンである。 「待てぇー!」 走行者と逃走者がいそうな叫びが聞こえる。 逃げるはルカリオ。碧色に輝く石を持って逃げている。 追いかけるはラムパルド。巨体を揺らして追っている。 …当然、追いつくはずはなく。 「捕まえられるもんなら捕まえてみろー!」地味に速い動きでどんどん距離をあける。 彼らの駆けっこは意外にすぐ終わりを告げた。 ルカリオの目前に1体のトリデプスが現れた。ゆったりとした動きで立ちはだかった。 ルカリオは足を止める。 「どけじじい!」ルカリオがインファイトの体勢に入る。 「その石をここに置くことだ。さもなければ、痛い目にあってもらわなければならない」トリデプスが言った。 「痛い目?あうのはそっちだろバァーカ!」 ルカリオはインファイトを発動し、最初の一撃を放った。が。 「………!!」 目の前のトリデプスは全く動じておらず、むしろ全く効いていない。 「そんな…!4倍なのに…!」ルカリオがうろたえる。 「トリデプスの特性を知らないのか?」目の前のトリデプスが聞く? 「はあ?特せ…」 ルカリオは派手に吹き飛んだ。天井が崩れそうな音とともに地面に着地した。気絶している。 ラムパルドが唖然としている。 「見事なカウンターだな、オーガスト」彼の背後から声が聞こえた。 「足音で分かるぞ、ユースタス」トリデプスが応えた。 彼の後ろから1体のノクタスがゆっくりと歩いてきていた。トリデプスは体をなんとか動かして後ろを向く。 「久方だな。五等爵任命式以来か」トリデプス―オーガストが言う。 「そうとも。ギルバートから伝達が来たのでな。行くついでに、ナシュルに身を落ち着けようと思ったのだが。ここには伝達は来ていまい?」ノクタス―ユースタスが聞いた。 「伝達?我輩のもとには来ていないな」 「まあ、来ていないのも無理はあるまい。まさかペラップが地底に下りてくることはないだろうからな。伝達を伝えに来てやったぞ」 「一応、礼を言っておこう。して、伝達とは?」 「男爵は逝去、子爵は解任したから、次を選ぶ補佐が欲しいそうだ」 「レユウ・ブレイビアリー男爵が亡くなったか。あの年だったしな、仕方あるまい。そして、ガゼルド・ハクソラス子爵が解任?あの品格と性格では当然だな」 「というわけで、お前も呼びに来たというわけだ」 「成程。ギルバートの召集とあらば行かねばなるまい。が、ユースタス。ここまで来るのに少々疲れたであろう?我輩の住処で休息をとるといい」 「ふむ、そうさせてもらうとしよう」 2体は会話を終え、やっと動き出した。ルカリオがまだ気絶していて、ラムパルドはぼーっと立ち尽くしている。 「おや?」オーガストがようやくラムパルドに気づいた。「君はヘバド・ランパードス君ではないか。お勤め、ご苦労」 オーガストは言うと、ユースタスととも去って行った。 「あの方はもしや…」ラムパルドは固まっている。「オーガスト・ディル・ガーディアンシールド侯爵!?」 #hr オーガストの住処は単純な横穴だった。さして無駄なものもない。 「まあ、くつろぐと良い」オーガストが勧めた。 [わしは立っている方が楽なのでな]ユースタスが返した。 「しかし、考えてみるとギルバートと会うのも久方ぶりなのだな」と、オーガスト。 「奴もわしらと同様、年をとってはいるだろうが、強さは衰えてはいまい」と、ユースタス。 「相変わらず、我輩ら2体がかりでもかなわないということか?」 「そうとも。あれほどにまで天性の戦闘センスをもっているのだ。そして内部の秘めたる力も未知数だ。おそらく、わしらと戦闘した時も、実力の半分も出してはいないだろう」 「たしか、あの時はレユウとガゼルドはいなかったな」 「ギルバートはわしらだけを呼んだからな」 「奴は今もあの木に住んでいるのかねえ?」 「わしもそこまでは知らん。そもそも、わしもこれから森へ帰るところだ」 「そういえばそうであったな」 オーガストは洞窟の奥にあった木の実の山から一つをとり、口にくわえてユースタスに投げてよこした。 「来たついでだ。食べると良い。ウタンだ」 「ありがたくいただこう。わしも今度シュカやヨプを用意しておこう」 「ギルバートは何が好みだったか覚えているか?ついでに持って行こうと思うのだが」 「ギルバートは単純にソクノやヨロギが好みではなかったはず。しかしヤチェでもなく…」 「ラムだったような気がするな」 「ふむ、確かにラムだろうな」 ………2体は非常に堅苦しい言葉で話している。 この世に生を受けて長い年月がたっているからだが、この2体は特別堅苦しいようだった。 しかし、堅苦しいと言っても、2体はしばらくぶりかの再会を喜んでいるようだった。 「ギルバートの用事が終わったら、また戦闘でもしようではないかユースタス」 「ふむ、確かに決着がついていなかったな。この際決めるのもいいだろう」 地面の下の、小休止。そして再会。 温かな会話が響く。 「さあ、もう充分に休んだ。地上に行くぞ」 「もう良いのか?お前のスタミナは相変わらず回復が早いな」 「当然だ。わしは砂漠にいたからな」 「我輩とて、地底にいたぞ?」 後には、山のような木の実が残った。 END #hr あとがき 前日談SS第2弾です。本編が始まる前のほんわかとした雑談です。 本編は、前日談SS第3弾を出してしばらくしてから出します。 ちなみに、前日談SSは第3弾で終わりです。 トリデプスもこのWIKIには少ないので、メインパーティにしました。 もちろん、異常に強くしてですね。 ユースタスと同じく、出番は後半以降ですがww ちなみにトリデプス、防御ランクを最大まで上げれば、頑丈抜きでもローブシンの気合いパンチを乱2にできます。さすが、防御上位! 次回の話は当然、子爵と男爵の話ですね。 みなさん待望のメジャーポケ(=伯爵・侯爵・公爵の引き立て役)がメインパでついに登場! 乞うご期待! ---- 批判などがあればどうぞ #pcomment(前日談コメントログ,10) IP:114.51.90.252 TIME:"2012-04-09 (月) 21:32:17" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=Before%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AB%EF%BC%92%E3%80%80Marquis" USER_AGENT:"Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 9.0; Windows NT 6.1; Trident/5.0; YTB730)"