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BCローテーションバトル奮闘記・第三十六話:ビリジオン・ダークライ感謝祭・練習編 の変更点


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9月14日

「はぁ……」
 夏休みの最中に行われたウチの子自慢大会。カズキ君が大変だったときにそんなイベントは非常に気まずく、そしてそのイベントで起こった出来事がまた気まずく、あの日から私はずっと気まずかったけれど、今はそれに加えて憂鬱と来たもんだ。
 私は、コシとヨマワルだった頃のクライン、そして自慢のコロモを引き連れて、主に女子達(一部女子に上手く溶け込んでいる男子も)の集まるウチの子自慢大会へ。予想出来ないわけじゃなかったんだ……むしろ、当然と言って良いだろう。その集まりにドレディアを連れてくる子がいることは。
 私は、ドレディアが嫌いだ。こんな風に歩けない体になったこと……今はもう、コロモやコシのおかげでそんな人生もありかなと思えるようにはなったけれど、こんな体になる原因となったドレディアとデンチュラだけはどうしても好きになれないのだ。
 あの、人気のない路地裏に私を誘ったドレディアも、路地裏で私を縛って動けなくしたデンチュラも、主人の命令どおりに動いていただけだから、罪はない……のだけれど。妹は言っていた……ポケモンを使ってカツアゲをすれば、トレーナーカードにはポケモンの種族や性別を登録させる義務がある関係上、足がつきやすいと。
 トレーナーカードが無いとボールも買えないはずだし(ブラックシティには免許無しでも買えるボールがあるにはあるが)、足がつかないと言うことは、あのカツアゲをしようとしたチンピラ風の男がカードに登録されない違法なボールを使っているか、もしくは被害者が泣き寝入りしているかのどちらかだと。そして、おそらくそれは後者で……現金を奪われた上にレイプなどをして、写真を撮影でもして口封じをしているんじゃないかと。
 まぁ……確証はないけれど、あの時。キズナが助けに来てくれなかったらそうなっていたかもしれないと。そう考えると、吐き気を催してしまう。そして、それを連想させるドレディアとデンチュラは、見ているだけで吐き気がした。
 だから、私はドレディアを見た時思いっきり嫌な顔をした。申し訳ないから見ない振りしたけれど、その時の挙動不審振りが、みんなにも伝わったらしい。ドレディアが嫌いなのかと尋ねられて、ちょっと苦手と言ってしまったのが悪かった。耐えられないくらいに嫌いだとか、それぐらいの表現をしておけばよかったのかもしれない。ドレディアを連れてきた女子、アヤカが私の言葉を聞いて悪ふざけして、ドレディアに抱きついてやれとけしかけてきた。
 なんだか私のコロモを見て、嫉妬のようななんか嫌な目つきをしているのも気持ち悪かったが、どうやら目の敵にされているような感じであった。
 私は喉がはちきれんばかりに叫んでドレディアを拒否したが、アヤカの悪ふざけはやまなかった。
「助けて!!」
 と、叫んだ頃にはすでにコロモが全力でドレディアを地に伏せさせていた。這い&ruby(つくば){蹲};るようにサイコキネシスを使ってくれたのだろう。それで終わるならだまだ良かったんだけれど、私はそのまま吐き気が限界に達して、胃の中のものを戻してしまった。頭からそれをかぶってしまったドレディアは泣いていた。
 私も、膝を盛大に汚してしまったから、泣きたい気分であった。結局、どうにも盛り上がらない雰囲気になったので、コロモには簡単に掃除を頼んで、その場を後にした。数名の男子達がかばってくれたけれど後には気まずさだけが残った。


 一応、電話でこの企画を開催した幹事や、アヤカには謝罪をした。それだけで終わっていれば、良かったんだけれど……
「またか……」
 車椅子生活になってから、面倒だと思われたのだろう。うわべだけの付き合いしかしていなかった友人達は、私と遊ぶことを避けるようになった。妹には、『そんな友人ならいらないだろ?』と言われ、頭では納得したのだけれど……やっぱり、うわべだけでも付き合いがないと寂しいもので。
 コシのおかげで行動範囲が広がれば、また遊べるとも思ったんだけれど……それどころじゃない状況に、今陥っている。ノートが落書きされていたり、墨汁をこぼされていたり、破かれていたり。話しかけても無視されるのも日常になってきた。コロモに下の世話を手伝ってもらっていることや、オムツをはいていることなども馬鹿にされた。下半身の感覚がないから今でもないと不安なんだよ、畜生め。

 ……まったく、反吐が出るわ。
「でも、まぁいいか」
 けれど、私もその状況に甘んじるつもりはなかった。先日、スバルさんにこの件を相談したら、小型のカメラを貸してもらい、その使い方も教えてもらった。それを仕掛けるための準備として私は教室の後ろにティッシュ箱を仕掛けた。このティッシュ自体には何の細工もしていないけれど、数日したらここに小型カメラを仕込むつもり。
 誰が持ってきたか分からないティッシュにはじめはみんないぶかしんだが、半日もしないうちに、みんな勝手に鼻をかむのに使っている。5箱買ってきたうちの一番上しか使われていないし、これなら一番下の箱に隠しカメラを仕込んでもそう簡単にはばれないだろう……
 キズナや母さんに心配される前に……大事になる前に、自分で何とかしなくっちゃね。

 ◇

9月15日

 ブラックシティとホワイトフォレストには、名物となる祭りが四つある。そのうちの二つがダークライ・ビリジオン感謝祭と、ビリジオン・ダークライ感謝祭。この二つ、なにが違うかと言うと、開催時期と、開催年の違いがもっとも大きな違いで、ほかにも祭りの内容には細かな違いがあり、それを語るにはこの街の歴史から語らなければならない。

 まず、この街、後にブラックシティとホワイトフォレストとなる土地は、夢との境界線が薄く、陰の気、陽の気が入り混じりながら溢れる不安定な土地であった。そういった陰陽の気が原因なのか、夢の世界、ハイリンクとの境界線が薄く、人間やポケモンの性格が一夜にして突然変わったり、酷い時は『俺は昨日まで違う場所に暮らしていたはずだ!』『私は昨日まで違う職業だった気がする』などと口走る者が後を絶たなかったのだ。
 原因は、夢の世界の自分と魂が入れ替わり、脳に刻まれた記憶と、魂に刻まれた記憶がごっちゃになってしまったせいなのだという。それを解消したのがダークライであった。ダークライはクリスマスシーズンにこの土地へ訪れると、その強大な力で夢との境界線を分厚くしたそうだ。
 それにより、この街では魂が入れ替わるような事が起こらなくなり、人々の生活には安寧がもたらされたのだ。この街の絵葉書やカレンダーなどで、ダークライがサンタクロースのコスプレをして描かれることになったのもこの出来事に起因している。
 そして、ダークライは次に、陰陽の気の流れを安定させることだ。このバランスが取れていないと、人間もポケモンも非常に体調を崩しやすく、また感情も山の天気のごとく不安定になってしまう。ダークライはこれを何とかしようとしたのだが、これが1人では到底力が足りなかった。
 そこに現れたのがビリジオンのヒスイである。ダークライ・ビリジオン感謝祭は、ビリジオンがこの土地にやってきて、陽の気の流れを安定させることに協力し始めた日を祈念したお祭りである。
 これは奇数年に行われる祭りであり、この日はまだダークライはビリジオンのことなんて『物好きがやってきたな』くらいにしか考えておらず、三日坊主に終わると思い込んでいたそうだ。

 ビリジオン・ダークライ感謝祭は偶数年に行われるお祭りで、入り乱れる陰と陽の力を整えることで、健康被害などからこの土地に住む人やポケモンを守るための作業を完了した日である。この日、ダークライは陽の気の流れを整えるビリジオンの元に赴き、これから共に街を支えることを誓ったと言う。
 本来ならば、この二つの祭り同じ年に行いたい祭りなのだが、街が落ち着きを取り戻した当時は年に二回も祭りを行う余裕があるわけもなく、そのためこうして隔年で別の祭りが行われるようになったのである。

 これらの出来事を経て、アブソルの顔と呼ばれるブラックシティは発展と欲望を象徴する陰の街に。アブソルの髪と呼ばれるホワイトフォレストは理性と秩序を象徴する白の街に。
 そしてアブソルの額、アブソルの牙と矢ばれる場所は、それぞれブラックモールやホワイトブッシュと呼ばれる場所となり、そこにはダークライとビリジオンが住んでいるのだ。

 前述した二つのお祭りでは、ダークライとビリジオンに感謝するべく、ホワイトフォレストのブラックモールにいるダークライにはブラックシティのお酒を。ブラックシティのホワイトブッシュに住むビリジオンにはホワイトフォレストのお酒もしくは食料を奉納するお祭りである。去年はお酒だったので、今年は食料を奉納することになる。
 また、その二柱の神へは、ダークライには悪タイプのポケモンが御神体を粉々にぶっ壊し、ビリジオンには格闘タイプのポケモンに御神体を粉々にぶっ壊しさせることで、力を送り届ける儀式も存在する。

 その粉々にぶっ壊す役目を負うのは、今日から二日間の間に行われるバトル大会で優勝したポケモンである。
 格闘タイプのポケモンと、悪タイプのポケモンの頂点を決めるこの大会、去年行われたダークライ・ビリジオン感謝祭は、ビリジオンが街に来た当初は1人きりでの戦いであったことを考慮してか、トレーナーの手持ち1体で最後まで戦い抜くシングルバトル。格闘部門では元ポケモンレンジャーの手持ちである、コジョンドのジョンが優勝していた。この子は、ホワイトジムの第一線で活躍しているルカリオのクイナ君の師匠らしい。
 そして、悪タイプ部門ではスバルさんのトリニティが優勝している。四天王に一矢報いる程度の強さを持っていると自称するだけの実力はあると言うわけだ。そんなお祭り大会に、スバルさんは今年も出場するらしい。スバルさんいわくオリザさんとのデートも兼ねているらしく、彼のポケモンも一緒に出場して盛り上がるのだそうで。
 そして、今年はビリジオンとダークライが手を取り合うようになったことにちなみ、悪と格闘の2体で戦い抜くダブルバトルもしくはマルチバトルである。一昨年行われた大会では、レインスター財閥の御令嬢カトレアと、その執事コクランがヘルガーとエルレイドのマルチバトルで制している。
 その年を最後にカトレア嬢はイッシュ四天王を引退してしまったため、今後優勝を掻っ攫われることはないだろうが、またひょっこりと参戦して周囲を驚かすこともあるのかもしれない。

「とまぁ、大会について知っているのはこんなかんじ」
「お前詳しいな……カズキ」
「自由研究で調べたんだよ」
 去年の話だから、まだ内容は覚えているんだ。
「なるほど、俺達の自由研究は、ポケモンと手話をしたり、ロトムを車椅子に憑依させたりとかそんなんだったけれど、そういうのもありなんだな。
 しっかし、このお祭りは結構楽しいぜ。俺は去年のお祭りで師匠のシングルでの試合を観戦したけれど……クイナもシズルも優勝逃したけれど、優勝者との戦いはどっちも燃えたなぁ」
 俺は去年行っていないが、お祭りの内容については、大体のお話はスバルさんから聞いたのと変わりはなかった。ただ、スバルさんはバトル中心に話していたことに対して、キズナはバトル以外にも出店についての話も多く、まだ下半身がマヒしておらず、歩くことが出来た頃のアオイさんとの思い出をたくさん語ってくれた。
 その点俺は、祭りなんて行ってもお金がないからむなしさ以外の何にも感じないため、ずっと家に引きこもっていた思い出しかない。今年はスバルさんからお金をいくらかもらえるから、その時はバトルだけじゃなく出店の雰囲気も楽しもう。

「で、今年はマルチバトル、もしくはダブルバトルということだけれど……作戦を要約すると、つまりセイイチの正義の心を発動させるために、トリに悪の波導とかを撃って貰えばいいわけだよね?」
 今日は、そのための練習だ。ウンチクを垂れたり、思い出話を話すために育て屋の近くの空き地にたむろしているわけじゃない。
「うん、それだけじゃなく追い風とかも頼みたいかな……出来ることなら大会までにバルジーナに進化してくれると嬉しいけれど」
「無茶言わないでよ。バルチャイは進化するのに結構時間がかかるんだから……まぁ、今年中には進化させられると思うけれど、大会までにって言うのは難しいかも」
「そっかー……もったいない」
 まぁ、俺ももったいないとは思う。とりあえず、鍛えることで野生よりも遥かに早い期間で進化させることは不可能じゃないけれど、まだ無理だろう。
「でも、セイイチのサポートならば追い風と悪の波導の他にも挑発や吹き飛ばしなんかがあるから、不自由はしないと思う。セイイチが如何に上手くかばい、トリに攻撃を通さないかで勝負が決まりそうだね」
「そこらへんは、追い風でトリ自身逃げ回ったり、セイイチに神速でかばわせたり……そんで以って、トリに悪の波導を撃って貰うとか……」
「基本はそれだけれど、机上の空論になりそうだね……」
 まぁ、やってみないとわからないと言えばそうなんだけれどさ。
「取り合えず、考えるよりも先にやってみよう。カズキ、相手役になんか適当なポケモン出してくれよ、俺はセナを……」
「分かった……そうだな、サミダレ、お願い!!」
 と、そんな感じで出されたポケモンはエルフーンとガマゲロゲ。俺達の陣営からはルカリオとバルチャイだから……まぁ、そこまで悪い勝負にはならないと思うけれど。気付けば、相手も追い風を使えるし、サミダレは良く考えればすいすいの特性を持っている。こっちが一方的に追い風を使うのであればともかく、相手は天候や風を操れば目にも止まらない瞬発力を得ることになる。
 特に、雨と追い風が重なってしまえば、サミダレの前にはセイイチの神速も形無しになりそうだけれど……いや、案ずるより産むが易しだな。
「サミダレ……俺は指示出せないけれど、自分だけで何とか動いて欲しいんだ。セナと一緒に、トリとセイイチとの戦いを頼むよ」
 俺の言葉に、サミダレはうんと頷く。
「セナ。聞いてたな? サミダレと協力してトリとセイイチと戦って欲しいんだ。ちょっと、俺ら試したいことがあるからさ」
 キズナの言葉にセナは、ピィッと鳴き声を上げて答える。
「よし、それじゃあセイイチとトリを出そうぜ、カズキ!」
「了解。ついでにミロクとゴンゲンも出しておこうよ」

 ◇

 快適なボールの仲から繰り出され、僕はまだ蒸し暑い空気の残る外気に晒される。
『セイイチ兄者、此度の闘技、相棒としてよろしくお願いいたす』
 やけに難しいトリの言葉遣いは、ママンとかいうハハコモリに似てしまったものらしい。
『分かってる。僕からも頼むよ、トリ』
 この子とは、近いうちに行われるダブルバトルという形式の大会でもパートナーを務めるらしい。いつもローテーションバトルばっかりやってきた僕には、二人で協力して戦うと言うのはあまり実感が沸かない。まぁ、でも……
<ちょっと怖いなぁ……>
 パートナーであるトリの気持ちは、心の声が聞こえるからある程度わかる。トリは相手も含めて1人だけ進化していないこともあって少々引け腰だが……まぁ、仕方がないか。その分、僕がしゃんとしないと……
『怖がる必要はないぞ、トリ』
『存じておる、セイイチ。兄者こそ、浮き足立つでないぞ?』
 どうやら、虚勢を張るぐらいの強さはあるようだ。安心安心。そして、ご主人二人のほうに意識をやれば……
<ふむ、ダブルバトルですか。将来のために、勉強させてもらいましょう>
 イーブイのミロク……? カズキがそう呼んでいた子の感情が流れ……
『おうおう、みんな仲良くやってるなー。どちらも頑張れよー』
 フカマルのゴンゲンの陽気な応援が届く。ここ数日でゴンゲンとは仲良くなれたけれど、ミロクのほうはどうなのかな? まぁ、カズキ君のところの子ならば、よっぽどじゃなければ居心地の悪い場所でもないだろうから、上手くやっているだろう。

『おうおう、ちっちゃい子が生意気な口を利くようになったなぁ。オイラ、手加減はしないが、きちんと酷くやりすぎないようには注意するからな』
 相手のほうを見れば、サミダレはきちんと勝つ気満々だ。
『ういーっす。それじゃあたしも、トリちゃんみたいに頑張っちゃおうかなー』
 と、セナ。まぁ、あっちもああいっていることだ。この前のローテーションバトルでもそうだったけれど、みんな必要以上に傷つけるのは嫌いだから、怖がる必要もないだろう。さて……僕はキズナのほうを見る。準備は万端だとアイコンタクトだ。続けてトリも同じようにカズキのほうを向く。
「おし、ポケモンたちも準備は出来たみたいだな。カズキ、もうはじめちまうか?」
「そうだね。準備が出来ているなら早めにやってみよう。よし……それじゃあ、はじめだ! まずトリは追い風!」
「セイイチは前に出るんだ」
『前衛は任せろ、援護を頼むよ』
『承知!! セイイチ殿』
 僕達2人に命令が下される。見ておれば、相手も追い風と……サミダレのやつ、雨乞いしているじゃないか!! どれだけ素早さに偏重するつもりだと言うんだ、あの2人? とにかく、神速の一撃で集中力を添いで……
『サミダレ殿のぬるぬるって触ると臭そう』
『お、お、おい!!』
 何を言っているんだ、トリは。
「あれ、トリのやつ……挑発してる?」
「みたいだな……良いんじゃねーの? 相手は追い風と雨乞いをしようとしているみたいだし」
『この糞餓鬼……オイラを舐めてんじゃねーぞ』
 そんな事を言いながら、サミダレは僕の裏拳をとっさに防ぐ。僕の手首を拳で打ち払い、それをいなした。
『はて、そんなぬるぬる舐めたら体を壊す。サミダレが舐めたいのはセナだけでは? ほら、ペロペロってかわいい子を舐めるのが好きな変態さんじゃろう、サミダレは?』
『こなくそ!!』
 トリの挑発にすっかり乗ってしまったサミダレは、雨乞いを中止してトリのほうへと走って向う。
『それでもって、セナもヤドリギの種でそのくっさいぬるぬるを体の一部にするのが趣味であらせられるのだろう? 変態同士お似合いのカップルじゃな、ほっほ』
『あぁん!? あたしの趣味が何だって』
 すっかり相手は集中力をそがれている。僕のことは見えているから、サミダレを追わずにセナへ向った僕の前蹴りは、綿に阻まれ防がれた。よし、追い風もすっかりやる気がそがれたらしい。やるじゃないか、トリ。
『小生にはその変態性、理解が及ばぬがのう、おっと』
 トリは走って接近してきたサミダレの熱湯をかわす。サミダレの熱湯は走ったまま撃たれた狙いもぶれぶれな物、弾けとんだ飛沫が当たってくれればいいやと適当に放たれた一撃で、本命はその先。

『あの餓鬼は何なのよ!!』
 セナもいらだっていた。僕は足払い、バレットパンチ、とセナを攻め立てるが、セナはふわふわと飛んでやり過ごし、空中で綿を向けてそれをクッションに回避するばかり。ふわふわしているところにバレットパンチを叩き込んでしまったので、セナは弾き飛ばされ空中で飛んでいってしまった。
 この場合、追うよりは……

『喰らえ!!』
 接近してからのサミダレは、凍える風でトリを攻撃する。トリは翼を体の前面に出すことで風が体幹に当たらないように防御の構え。追うよりもトリの援護に回ったほうが良いと思ったのは正解だったようだ。僕はがら空きとなったサミダレの背後に、凍える風の音でかき消されるギリギリの足音でサミダレに接近。
 僕の存在に相手が気付いた頃にはすでに跳躍していた勢いそのままに、サミダレの肩を掴んで飛び膝蹴り。衝撃で僕も一緒に転がりサミダレが下に。
『喰らうのはそっちだ!!』
 マウントポジションを取った僕は、裏拳で相手の胴体を叩かんとする。
「トリ、セイイチに悪の波導」
 ここで、同士討ちの命令。だ、大丈夫なのか?
『承知!』
 トリは霜の降りた翼を広げ、クリアになった視界から僕に悪の波導を放つ。僕の腕は一回殴っただけでサミダレに右腕を掴まれてしまい、もう片方の腕も必死で防御された。だが、そうしてつばぜり合いになっているうちに、僕はトリの悪の波導を受ける。痛みに歯を食いしばった瞬間に体に力が入った気がする。後ろからセナが迫ってきているのは分かっていた。


「セイイチ後ろ!!」
 サミダレに腕を掴まれていたが、そんなのは関係ない。体を強引に持ち上げ、掴まれた腕を引き離す。流石に失敗してセナのヤドリギを受けてしまったが、幸いにもそれは数個放たれたうちの二だけ。
『この程度なら……』
 この程度なら大事ではない。一気に勝負を付ければ取り返しはいくらでもつくだろう。サミダレが、寝転んだ姿勢から上体を起こし、熱湯を放つ。僕は身を伏せて背中で受け止め、熱と水圧による痛みに歯を食いしばりながら、そのままサミダレに体当たり。
「トリ、今のうちに追い風だ」
 サミダレはひるんだが、まだ倒れるほどではないらしい。そうこうしているうちにトリの元にセナが向っていったが、トリは彼女の毒々を翼で受け止めると、ものすごい速度でこっちに向ってくる。僕のほうを注視していたサミダレにすれ違いざまにその毒をなすりつけ、死なばもろともと悪そうな顔をしていたトリは、そのまま走って僕の背中に隠れた。
『風を、献上いたそう!』
 トリはすでに追い風を纏っており、それが素早さの秘訣だったらしい。素早い動きで僕の背後に回ったトリは、器用に足爪と翼を駆使して僕の背中に上り、おんぶをさせている。トリの体にこびりついていた毒の液が僕にもついたが、今の僕は鋼タイプもあるしまあ大丈夫だろう。しかし、やっぱりこの風の効果はすごい。彼女の重さがまったく気にならないくらいには体が軽いじゃないか。
「ありゃ、ライド……チャリオットじゃないか……」
 ご主人がそう漏らす。何のことかはよくわからないけれど、褒められているのだろうか?
『ありがとう、トリ』
 と、僕が声を掛けている間ににらみ合っていたサミダレが一歩引き、コットンガードを纏ったセナが前に出る。
『ほらセイイチ、勝ち鬨を上げよ!!』
「セイイチ、セナに攻撃!!」
 トリの励ましの声と、ご主人の命令が届く。
 迫ってきたセナは、更にヤドリギの種をばら撒いたが、追い風をまとう僕の前にそんなものは効かない。神速のステップにも更に磨きがかかり、上半身をそらして避けると共に、地面をえぐるスタートダッシュ。コットンガードを貫通するように細めに形成したボーンラッシュを、綿の覆わないヘタに向けて突き降ろす。
 トリの悪の波導がおんぶした背中から流れ込み、攻撃による痛みと共に増強される膂力を伏せたセナに突き刺しにかかる。伏せながらも動くセナの急所であるヘタに当てることは叶わなかったが、綿をやすやす貫いたその衝撃は、背中に届いたらしい。一撃でセナは悲鳴を上げる。

『覚悟しろよ……』
 セナにトドメを刺そうと思ったがしかし、気付けば雨が。しかもサミダレが使っている技は波乗り……鳥に擦り付けられた毒をぬぐうためとはいえ、ボコボコに殴られているセナを捨てたか、それとも頭に血が上ってパートナーのセナの存在を忘れているのか。しかしまずい……僕は体重が重いから泳げないし……そのまま波に飲まれてしまうのはどうにも具合が悪い。
<三十六計逃げるにしかず!>
 気付けば、トリは薄情なことを考えながら飛んで逃げた。追い風を纏っているから、あの小さな翼で頭骨を履いていてもまったく問題無しに飛べるようだ。どうやら覚悟を決めるしかないようだが、その前に少しだけ抵抗をさせてもらう。
 まずは、浮かんでいるセナ。空気を一杯に抱き込んでいるあの綿のおかげで、綿に水がしみこむ前ならば浮かんでくれるだろう。それを踏み台に……まだ意識があって、どうにか顔を上にしようとしていたセナだけれど、重さの関係かひっくり返ることはなく、更に僕に乗られたせいで、綿の隙間から泡が漏れ出しながら沈んでしまう。
「波に逆らうなセイイチ!!」
 キズナの声だ。そこからもう一度跳躍して、波をやり過ごそうと思ったが、無理だった。そのままセナの上で転んだ僕は波に巻き込まれる。たった今ご主人がアドバイスしたが、こういうときは抵抗しないで身を任せたほうが良いと教わっている。力を抜いて目を瞑り、呼吸を止めて波導で周囲を感知する。
 ようやく波乗りをやり過ごした時、まだ追い風の効果は残っていた。ここから先は、速さと速さのぶつかりあいだ。僕は神速、相手は熱湯で素早く切り返す。目を伏せたまま腕を突き出して突進した僕は、足場のよしあしを目視で見極めつつ、波導で周囲を感知する。
 目を開けていると周囲の感知はおろそかになりがちだが、一度熱湯をやり過ごし、火傷の痛みにうめきながらもそのまま突進。まずは手の甲の棘を相手の腹に押し込み、その勢いのまま頭突きを決める。サミダレが倒れたところを、まだ火傷していない足で蹴り飛ばそうとしたが、寸止めで許す。
『僕の勝ち、文句ないね?』
『……畜生。オイラを馬鹿にしたトリに一発くれてやりたかったのに!!』
 サミダレは悔しそうに歯噛みし、セナは水が喉の奥に入り込んでしまったのだろうか、咳き込みながら跪いて、こっちの様子を恨めしげに見守っていた。
 気付けば、小さな翼で羽ばたきながらトリが降り立ち、勝利宣言をするようにサミダレの腹の上に止まる。
『勝って兜の緒を締めよ』
 思いっきり馬鹿にしている様子のトリが言っていい台詞じゃない。
『この勝利にたゆまず、次の勝利を目指そうな……おっと』
 どうやら、きちんと緒は締めていたらしい。おそらく本気で放っていないだろうとは言え、トリはサミダレの水鉄砲をひらりとかわしていた。
『それよりも、トリ。毒は大丈夫なのか』
 そういう僕も、ヤドリギのせいで力が抜けるから、それを爪で抉り取っている最中なわけだが。
『ちょ、ちょっとダメ……苦しい』
『ならさっさと主人に治してもらって来い……僕も、ちょっと火傷が……』
 しかし、進化していないトリを抱えてこの強さとは……悪の波導を喰らった時の、あの温かく力がわきあがるような感覚もすごく気持ち良いし、そのために悪タイプを欲しがるご主人の気持ち……なかなか悪くない。取とりあえずは、しばらくチーゴの実を食べて大人しくしていよう……。
『おいおい、大丈夫かよー』
 ゴンゲンがセナに声をかけて心配していた。僕もかなりセナをいたぶっちゃったけれど……それをきちんとねぎらっているあたり、ゴンゲンはいい子だな。

 ◇

「すげぇな……正義の心」
「そ、そうだね……」
 まさか、あそこまで上手くトリとセイイチが回ってくれるとは。取り合えず、頑張ったトリにモモンの実とオレンの実をあげなきゃ。サミダレにも、同じものを与えるだけじゃダメだな……こりゃ。
「トリ、サミダレ……こっちに来て」
 語りかけると、鳥は元気に駆け寄り、サミダレは少し辛そうにこちらへ歩み寄る。まだ雨は降り止んでいないけれど、すいすいがなかったら歩けなかった……って事は流石にないと信じたい。
「どっちもよく頑張ったな……それと、サミダレはいつもと違う感じで戸惑わなかったか?」
 俺の問いかけに、サミダレは大丈夫だよと首を振る。まぁ、野性の生活がナガイおかげもあってか支持なしでもある程度は戦えるようだ。
「そうか、良かった。トリは……はじめてキズナのポケモンとタッグを組んだが、どうだった?」
 尋ねると、どうやら楽しかったようである。微妙に恐怖心もあったようだけれど、キズナのポケモンはみんな優しいから、むやみに傷つけてくることもないし安心して戦わせられるしなぁ。
「トリも、充実した戦いが出来たみたいね。それは何よりだ……ねぇ、キズナ?」
 ポケモンとの対話を終えたところで、キズナのほうを見る。
「なんだ?」
「いやね、俺のポケモンは戦いを結構楽しめていたようだし、まずは上々な出来って感じなんだけれど……キズナはどんな感じ?」
「俺の子達は、セナはトリが嫌いだってさ……なんか酷い悪口でも言われたのかね?」
「あ、悪タイプは口が悪いってよくスバルさんが言っていたなぁ……スバルさんのトリニティとオリザさんのあのズルズキン……かなり口が悪いんだって」
「師匠のズルズキンって言ったらシズルか?」
「あぁうん、そいつそいつ。その二人もかなりの口げんかをしていたとか言っているしさ……そりゃもう、怒髪天を突くようなことを言っているんじゃないかな? ん、サミダレ……」
 そんな事を喋っているうちに、サミダレが俺の肩をつつく。
「あぁ、うん……サミダレもトリのこと嫌いなのね。で、でも本心で言っているわけじゃないだろうからあんまり気にしちゃダメだよ? あぁ、分かってるけれどって……まぁ、そこは割り切ろう……ね? 仲良くしないと俺が泣くよ」
 まるで子供をあやすように、俺は苦笑しながらサミダレに話しかける。
「カズキ、なんというか、ポケモンの言葉を理解する精度上がってねーか?」
「なんとなくだよ」
 キズナに褒められたけれど、本当になんとなくでしかないからこれ以上はなんとも言いようがない。謙遜でもなんでもないのだ。
「でも、ポケモンの言葉が分かるってすげーよ……っと。そうだ、ポケモンたち治療してあげなきゃ」
「あぁ、そうだ……ごめん、サミダレ。これ、モモンの実とオレンの実を二つ。トリにも、はい……」
 木の実を入れてきたバッグを漁り二人にそれぞれ必要な木の実を差し出す。トリは嬉々としてそれにかぶりつき、ゆっくりとついばむ。
 サミダレは腹に痛々しい傷が出来ているからか、傷口にオレンを塗る前に寝転んで、歩み寄ってきたミロクにその傷跡を舐めさせている。そうして寝転がったままモモンを一気に丸呑み。舐めてもらったセイイチの裏拳で付けられた傷には握りつぶして染み出したオレンの汁をすり込み、残りカスは口の中でゆっくり消化していた。モモンを最初に食べたのは、おそらく毒は一刻も早く治さなければまずいと思っていたからだろう。

 キズナのほうを見てみると、セイイチはチーゴの実の汁を幹部に塗りたくり、残りカスは口の放り込む。オレンの実はきっちり租借してよく味わっているようだ。セナのほうは、ボーンラッシュを喰らって腫れた部分をキズナがアイシングしている。きちんと冷やすための冷却パッドを持ってきているあたり、準備が良いな。
 俺のミロクにも言えることだけれど、観戦していただけのゴンゲンは4人が木の実を食べていることが少々不満な様子。後で適当に戦わせて、その時にでも木の実をあげれば大丈夫だろうか。
「取り合えず、重傷者が出なかったのは幸いだ……それに、やっぱり悪タイプと正義の心を持ったやつの組み合わせが強いと分かったのも収穫だな。カズキ、この調子で、今日は色々訓練しようぜ?」
「うん……いきなり対戦とか、無理があるかと思ったけれど、意外と相性も悪くないようだし……このまま、形にしていこう……というか」
 キズナは思わせぶりに、そこで言葉を切る。
「というか?」
「俺もトリが欲しいなぁ……やっぱり、悪タイプがセイイチには必要だし」
「いや、ダメ」
 やっぱり、格闘タイプが多いおかげかキズナは悪タイプへの執着を捨てきれないらしい……ガブリアスも、成長すれば十分強いと思うんだけれどなぁ。
「だよなぁ……仕方ない。追い風要因も悪タイプ要因も、セナに何とかしてもらうかなー」
 酷な様だけれど、あのバトルは正々堂々と戦ったのだから、いまさらイーブイを返せと言われても困るし……手持ちの問題ってのはどんな時でも付きまとうもんだな。
 俺も、正直誰も手放したくないけれど、虫タイプが多すぎて要らないんだよなー……弱点がかぶっちゃうから。昔は、こんなに本格的にバトルに乗り込むなんて考えもしなかったから、しょうがないと言えばそうなのかもしれないけれどさ。
「そうだよ、キズナ。俺だって手持ちの悩みは結構あるんだ。贅沢言っちゃいけないよ」
「まー、そうだよな……とりあえず、やれるだけやってみるよ……うん」
 まだ引っかかると言うか、吹っ切れていないところはあれど、納得するしかないのはキズナも分かっているはず。愚痴は聞いてあげられるけれど、それ以上のことは出来そうにないな。

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 今日のダブルバトルでは、指示をするべき立場の俺達が浮き足立っていて、あんまりいい指示も出せなかった。まぁ、それについてはポケモンたちが上手くフォローしてくれたからよしとして……うん、今日色々調べてみて驚いたことを書くことにする。
 トリがセイイチの方に捕まった際にキズナがつぶやいていた『ライド』という言葉についてだけれど……ダブルバトルには、『ライド』と言う技術があって、戦術の一つとしてよく扱われるものの一つらしい。

 ライドというのは、読んで字のごとくポケモンがポケモンに乗ること。それには大きく分けて三つの形式があり、地を掛けるポケモンに乗ることを『チャリオット』、鳥型のポケモンなどに足爪で掴まれて運ばれることを『ハングマン』、ドラゴンなど飛行するポケモンの背中に乗ることを『ジャッジメント』というらしく……なんで全部タロット用語かって疑問に思って調べたら、デザートリゾート出身のダブルバトルのチャンピオンマスター、ミモザという女性が、易者をやっていたからだそうだ。
 まぁ、早い話が、なにに驚いたかってこのうちのチャリオットをトリが自発的にやったと言うこと。ルカリオに乗るのはまだ体が小さいバルチャイだからできる芸当だとは思うけれど……ダブルバトルをやるのであれば、こういった技術もきちんと覚えておいて損はないだろう。
 ちなみに、味方を強化するために攻撃するのは『ラヴァーズ』というらしい。草食とか貰い火のポケモンに使う名称なんだって。
 トリはセイイチに追い風を纏わせるほか、おんぶされたまま悪の波導を直接流し込んでいた。似たような戦法として、ギャロップやゼブライカやメブキジカに炎やら電気やら草やらを当てる戦法はかなりスタンダードなんだとか。
 ホウエン地方における宗教戦争が盛んな時代や、ランセ地方のシンゲン軍やマサムネ軍などに用いられたような戦争においても由緒正しい戦法らしい。イッシュで歴史上最初に使われたのは……レンガがゼクロムを撃退した時のお話らしい。イッシュ無双における、開発者公認の公式チートキャラ、アオは、人間の軍に攻撃する際にメブキジカに草笛を吹かせて突撃したそうだ。
 あと、彼女の武器を変更すると、背中に乗せているポケモンが変化する(最強武器はゾロアーク)という仕様は仲間であるレンガがたまに使った戦法だとかで、なぜかそれがアオにも適用されているのだとか。ゲームシステム上、武器を変更すると見た目が変わる仕様のため、仕方がなかったらしい。他にも防具を変更すると冬毛になるあたり、人間の武将とは一味違う。
 トリがイッシュの歴史に残るポケモンと同じ発想をしたというのは、なんというかとてもすごい事だと思う。キズナはアオイさんの影響でイッシュ無双をプレイして、その戦法の歴史を知ったそうだが、戦法やその名称自体はポケモンレンジャーでも採用されているのですんなりと用語が出てきたのだろう。
 っと、どうでもいい事を書きすぎた。

 大会でも、チャリオットの戦術は機会があったら使ってみようと思う。取り合えず、キズナのほうもチャリオットという戦法に対してかなり興味を持っているようで、お互いダブルバトルの動画を見て、上手い使い方があったら報告するように約束しあった。

 明日もまた会う約束になっているし、報告会が楽しみだな



RIGHT:9月15日
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