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 まず、本編の前に、作者よりの注意
 この作品は、性的な場面があります。よって、そういったものに嫌悪感を覚える方はお読みにならないことをお勧めします。

 

 Chaputer 1 突撃か、それとも……?

 初夏の日差しが燦燦と降り注ぐ、ある日のこと。
「んー、相談って何だよ?」
 モグモグと採れたてのフルーツを食べながら、サザンドラのカポディストリアスが言う。カポディストリアスの勢力圏(というよりも縄張り)には果物が生る樹が多くあり、きちんと実ってくれさえすれば、食べ物に退屈することはない。
「カポディストリアス」と妙に名前が長ったらしいため、覚えてもらうまでに時間がかかるが、一度覚えてもらうと、意外と覚えてもらえるから、実は便利だと本人はいう。
 相談にやってきたのは、カイリューのルシード。カポディストリアスが考えるよりも、まずは行動というのに対し、ルシードはよく考えてから行動するタイプだ。つまり考え方は正反対といってもよい。にもかかわらず、相談にやってくるのは、属性が一緒で仲良しだからというのももちろんあるが、思考が違うがゆえに自分では思いもよらない解決策が出てくることがよくあるからであった。
「で? 相談とは何ぞや?」
 ルシードがもじもじしているので、言い方を変えて同じ内容の質問をする。まったく同じ言葉を繰り返すと、急かしているようにも聞こえて嫌な思いをするだろうからというカポディストリアスなりの気遣いであった。
「水を一杯飲んで、少し落ち着けよ。今、汲んできてやるから」
 カポディストリアスの縄張りには、果物が生る樹のほかに、井戸が掘ってあり、新鮮な水を手に入れることができる。水や果物が簡単に手に入れられるようになっているのは、体がだるくて動きたくないときに、どうしたら飢えずに済むか、ということを考えた結果なのだという。もちろん、果物と水だけで、必要なエネルギーすべてを賄うことはできないが、飲まず食わずよりはずっとましである。
「ほらよ」
「あ、ありがとう」
 カポディストリアスが井戸水を桶に汲んで持ってきた。ちゃんと咥えれば持ち運びができるように、麻の繊維で作った紐が通してある。
 ごくごくと水を飲み干すと、ルシードはもじもじの理由を話してくれた。
「実は……。かくかくしかじかで……」
「ふんふん、ふ~ん、なるほど……」
 カポディストリアスは相談を受けるとき、あまり自分から何かを言うことは少なく、まずは聞き手に徹することにしていた。何かしらの物資と引き換えという条件で、水や果物を分けているのだが、その時に雑談だったり、相談を受けたりで、話術というものが自然に身についていった。ちなみに大切な水や果物をかっぱらっていく作盗みに対しては、現行犯で見つけた場合には、容赦なく制裁を加えている。水や果物を得られるようになるまで多大な労力が必要だった。その成果をタダで持っていかれたのではたまったものではない。
 相談というものは答えは出ていなくても、どうすべきか、あるいは、どうしたいのか、ある程度は答えが絞られているものだ。詰まるところ、背中を押してほしいということなのである。下手に相談を受けている側が口出しをすると、余計に話が複雑になってしまいかねない。
 話をまとめると、取るべき選択肢は3つに絞られた。
「じゃあ、まずは1つ目は?」
「決まっているだろ? 突撃して、思いを打ち明けるんだ。男だろ?」
「えぇ……」
「で、2つ目は?」
「簡単だな。言い出せないんだろ? だったら、諦める」
「えぇ……。それはそれで……」
「念のため、3つ目は?」
「相手が言い出してくれるのを待つ。まあ、片思いだったら、永遠に無理だわな」
「片思い……じゃないと思うけど。なんか、まどろっこしいな、それ」
「じゃあ、突撃でいいじゃん。ダメなら諦めがつくだろ」
「……」
 踏ん切りがつかないルシードを見たカポディストリアスは、手本を見せてやると言い出し、どこかへ行ってしまった。
 しばらくして、友達のスールを連れて戻ってきた。
「あ、スール……」
「バクフーンってあったかいだろ? だから、相手にはちょうどいいしね。ちょうど品種改良の研究続きで、いろいろアレだったから」
「え? それって、どういう……うわっ!」
 芝生の上にスールを押し倒すカポディストリアス。両脇の頭で、スールに口づけをし、そして、スールの下半身をもぞもぞ。両脇の頭はこういう時に便利だという。
「ん、ああ、火山はこの辺だったよね」
「あっ、や、やめろよ……!」
 とは言ったものの、体毛を押しのけて、男性器が出てしまっている。それを両脇の頭で丁寧に扱うカポディストリアス。
 別にスールは縛られていたり、麻痺させられているわけでも何でもないのだが、力が抜けてしまい、動くに動けない。加えて、そういう年頃なのか、早く出してしまいたいという気がしないでもない。勿論、屋外でそんな恥ずかしいことができるかという気持ちもある。できるものなら、何とか、耐え抜きたい。だが……。
「うぅ、で、出るっ……」
 スールの火山から白い噴出物が吐き出される。流れ出た白濁が芝生を染めていく。いじり始めてから、そんなに長い時間は経っていないのだが、カポディストリアスはこの辺りの技術が妙に長けている。
「くうぅ、うぅ……」
「気持ちよかっただろ?」
「……あぁ」
 気持ち良くなかったといえばウソになる。
「スールの噴火を見てたら、興奮しちゃったから、抜いてくれよ」
「え……。ちょっと休ませ……っ!」
 カポディストリアスは自らの「龍火山」をスールの口に押し込んだ。
「ああ、さすがは炎タイプだわ。あったかいし、舌とアレが擦れ合って、ああ、なんか最高っ……!」
 火山が噴火するまでそこまで時間はかからなかった。すりすりずりずりと擦れていた火山から、白い噴出物が口内に流し込まれる。スールは抵抗しようとするが、力は圧倒的に相手のほうが強いことに加え、さっきの噴火で体力を消耗していたこともあり、勝負にならなかった。流し込まれた噴出物を最初のうちは飲み下していたが、やがて息が続かなくなり、吐き出してしまった。
 げほげほと咳き込むスールに、カポディストリアスは言う。
「見てた、ルシード。で、やる前に『君と子づくりしたい』とか『君との子供が欲しい』とかって言えば分かってくれるだろ」
(うん、うまくいけばいいけど、うまくいかなかったら、嫌われるどころか、殺されるかも……)
「う、うん。それよりもさ、カポディストリアス」
「え?」
「君たちの行為を見てたら興奮しちゃったから……今度は……3人で……」
 そんなこんなで、体力を使い果たした3人は、その日はカポディストリアスの農場で、一晩体を休めることになってしまった。

 
 Chaputer 2 やっぱり突撃だ

 それから、何日か経ったある日のこと。ルシードは彼女と一緒にいた。場所は、農場からそれなりに離れたところにある(といっても、飛べばそこまで時間はかからないのだが)湿地帯である。ルシードの彼女、ヌメルゴンのソフィア。面倒見が良いうえに、優しくて、しかも、なかなか可愛いやつなのである。
「ルシード君。話って?」
「う、うん。この際だから……。ごめんっ! 嫌わないで!」
「えっ、んんっ……!」
 突然の口づけ。ルシードの体に伝わるぬめぬめと、口内に進入するソフィアの唾液。体の密着と沈黙がしばらく続く。ルシードにとって、誰に見られていたらといったまともなことは考えられなかった。
 密着していた体が離れ、お互いの間に唾液が橋を作り、やがて重力に負けて、地面に落ちた。沈黙は依然続いている。
「うう……。ごめん。ソフィアを見ていたら、気持ちが抑えられなくなって……」
 いきなりこんなことをして、完全に嫌われた。そう思うと、自らの行為を悔いた。どうにも感情が抑えられなくなり、涙がぼろぼろと溢れてきた。だが、その半ば錯乱している様子を見て、ソフィアは笑顔で言った。
「ちょっと落ち着いてよ。ルシード君の本当の思いが伝わってきて……私、すごく嬉しかったんだよ?」
「へ……?」
「だって、こんな事されて、嫌だったら、抵抗してるよ?」
「……」
「それに……気づかない?」
「え……」
 ルシードが視線を落とす。モノがスリットから飛び出しているではないか。
「あ……うぅ……僕……とんだヘンタイだよね……」
「だから、♂なら、これは自然なことなんだよ? でも、このままじゃ見た目が悪いから……私からご褒美。仰向けになって」
 ルシードが仰向けになると、立ってしまっているモノに腰を落とすソフィア。最初からぬめぬめなので、下拵えはいらない。
「ね? 下拵えがいらないから便利でしょ?」
「うん……。じゃなくて、も、もし、中に出しちゃったら、どうするのさ」
「ずっと……一緒にいてくれるんでしょ? だったら、問題ないよ。信じてるから」
 本当に中に出してしまうのはどうなのか、ルシードがそう思っていても、子供を後世に残すという生物的な本能のほうが強く働いてしまっている。こうなってしまうと、理性などあっても、何の役にも立たない。
「んっ……どう? 私の中」
「あったかくて、ぬめぬめで、締め付けがすごいんだけど……」
 まだ、モノがソフィアの中に入っているだけである。だが、それで終わりではなかった。モノが挿入されたまま、ソフィアの上下運動が始まる。強い締め付けと、上下運動で与えられる刺激。もう長く持たないことは確実だった。
「で、出そう……。引き抜くなら、今のうちだよ? も、もう、無理……」
「いいよっ……遠慮なく、来てっ」
 ルシードのモノから精が放たれる、が、締め付けが強いせいなのか、一気に放出される、というわけにはいかなかった。
(あー、出しちゃったよ、というか、まだ、出てる……。それにしても、中、あったかいなぁ……)
(まだっ、まだ、来てるっ、どのくらい、出るんだろう……?)
 どのくらいの間、性のやりとりが続いたのか分からない。ただ、ソフィアが腰を上げて、モノを引き抜いたとき、まだ白濁が先端から流れ出ていた。いつもよりも溜まっていて放出量が多かったのか、それとも、量は変わらないが、締め付けが強かったせいで、ちょっとずつしか出ていかなかったのか分からなかったし、行為で疲れ切っていたため、そこまで考える気にはならなかった。
「疲れたね……」
「うん、でも、これで、ずっと、一緒だね」
 2人はいつしか眠りに落ちていった。

 
 Chaputer 3 後日

 めでたく、一緒になったということで、カポディストリアスが果物の生る樹を丸々1つ、御祝儀として譲ってくれたが、ソフィアのいる湿地帯では、肝心の樹が育ちにくいため、ソフィアはルシードのもとで暮らすことになった。湿地帯を離れることに、躊躇いがないわけではなかったが、ルシードと一緒に暮らすことができ、今の生活は幸せそのものだった。
 だが、周りは疑問に思うのである。ソフィアなら、もっといい相手がいるのではないか? ルシードが伴侶として下等というわけではないが、勿体ないのでは? というのだ。ソフィアは最初は気にしていなかったが、沈黙を貫いたがために、邪推されたくもなかったので、こう答えている。
「そうかもね、確かにルシード君は、ちょっと頼りないところがあるし、口下手だし、傍にいてあげないと不安に思うところもあるよ? でも、優しくて、誠実で、長く付き合ううちに、何があっても一緒にいてくれるって確信が持てたから、それが決め手だった。中身が伴ってないというか、こう、口先だけ調子がいいやつとかそういうのはちょっとね……」
 それをカポディストリアスから伝え聞いた、ルシードはこう言ったという。
「あはは。嬉しいような、悲しくなるような……」
ともあれ、幸せな生活は続いており、周りの誰もが羨んでいるといっても、過言ではない。しかし、どうしてルシードなんかが、という声はいまだ、ちらほら聞かれた。
 それから、数日後のことである。ルシードはカポディストリアスを呼んできた。とにかく早く来てくれとしか言わないので、ばさばさと羽ばたいて、ついていってみると、
「あっ! 気をつけてよ!」
 と言う。何だよと思いつつ、足元を見ると、何かの新芽が顔を出していた。聞けば、食べた果物に種がいくつか入っており、植えたらどうなるか、試しにやってみたら、そのうちの1つが見事発芽したのだという。そして、大切に育てて、樹を2つにしたいから育て方を教えろと言い出す。
 そのやり取りを見ていたソフィアが言う。
「ルシード君のいいところって、こういうところなんだよね。皆、分かんないかな」

 

 おわり

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