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黒き軆と白き志第5話 の変更点


*黒き軆と白き志 第5話 [#i72ea068]
※現在修正中です

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**〜未来の真実〜 [#df4f6803]



──今から二週間程前、僕は夢を見たんだ。
 僕は普段から未来を見れるけど、いつ何が起きるのか知っている訳じゃないんだ。
でもその夢はいつ、何処で何が起きるのか、ハッキリしていたんだ。

とても残酷で、恐ろしい夢だった──

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そびえ立つ山々。

美しい森。

清らかな空気漂う川や湖。
朝には輝く太陽が、夜には美しい月が天から見守っている。

何時もと変わらない穢れなき世界。

その中で一際美しく、純白に輝くイッシュ地方。
 現在は紫色に染まった空に柔らかな光を放つ月が、千切れた雲の隙間から顔を覗かせている。

しかし、全ては漆黒に消えた。

天に輝く美しい月の光を、一瞬何かが遮った。
月光を遮った“それ”は、イッシュの中心に位置する大きな森へと一直線に向かっていく。

突如物凄い轟音と共に、森に大爆発が起きた。
森に住むポケモン達は慌てふためき、必死で逃げていく。しかし落下してきた“それ”は一つではなく、逃げ惑うポケモン達を次々と爆炎の中に飲み込んでいく。

(何!?一体何が起こったの!?)

それは夢を見ているティニ自身でさえ反応する程、鮮明に感じる事が出来た。

──焼かれた木々が倒れる音。

燃え盛る炎の色。

ポケモン達の悲鳴。

全てが今現実に起きているような感覚さえする。

薄暗くなった空から降り注ぐ“流星群”は、森中を火の色一色に染め上げていた。するとそんな惨劇の雰囲気に合わせるように、紫色の空が暗黒に閉ざされていく。
と、ほぼ真っ暗に染まった空が数回光った!

空が光るのとほぼ同時に、爆発とはまた違う乾いた轟音がイッシュ地方に響き渡る。

 これまでにない電気を纏った“雷”は、周りの山々を一瞬のうちに焼き尽くした。
 山には真っ黒に焼け焦げたポケモン達の死骸が散乱していた。宙を舞うポケモン達も雷に撃たれ、ボロ雑巾の様になって堕ちていく。

(酷い…誰がこんな事を)

普通では考えられない自然現象。
つまり、何者かが起こした可能性が高いのである。

 とその時、最初に破壊された森あった場所に、大きな黒い渦が現れた。
すると、渦の中から何かがゆっくりと這い出してきた。

時折蒼白く輝く漆黒の身体。

血を想わせる深紅の目。

見ているだけで吸い込まれてしまいそうな黄金の瞳。

一言で言うと、
闇に巣食う化け物だった。確か、“ゼクロム”というポケモンだ。
 ゼクロムは、その巨大な身体を渦の中から引き出す。そして、世界中に聞こえるような重く、恐ろしい声で叫んだ。

「遂に甦ったぞ!!!今こそこの下らん世界を抹消し、俺様、ゼロが天下となる新世界を築くのだぁ!」

「ウオォオォォオォオォォ!!!!」

ゼロと名乗ったゼクロムは、何やら気掛かりな事を言い放ち、地面が揺らぐ程の大音量で咆哮を上げた。

すると同時に漆黒の身体が真っ青に光り、膨大な電気を纏った太く鋭く蒼白い電撃が辺りに飛び散った。

それは、この世界に存在するあらゆる物を破壊し尽くしていった…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(うわあぁぁッ!
…ハァ…ハァ、ゆ、夢か…。)

ティニは余りに残酷な世界の破壊を見ていられなくなり悲鳴と共に目を覚ます。
(あれ?此処何処だろう?)
しかし、目覚めた場所は見覚えのない所だった。

いや、“場所”と言うよりは、“空間”と言うべきか。

見渡せば白。白。白。
も下も、左も右も。

 全方位、純白に包まれた、何もない空間。
そこにティニはいた。

(僕はまだ、夢の中にいる…?)

「目覚めたか…?いや、未来の真実は見えたか?」

理解し難い世界に居ることに戸惑っていると、先ほどのゼロの声とは違い少し高く静かな声が背後から聞こえてきた。

振り返ると、そこには──

まるで全ての始まりを表したかの様な純白の身体。

キラキラと虹色に輝く輪の様な体部。

どんな闇にも染まらないと物語る蒼き目と瞳。

ゼロとは正反対の波動を感じる、その化け物。

(貴方はレシラム様ッ!?)

ティニ曰く“レシラム”は時折ほのかに紅く光る首後ろの長い帯の様な部分を揺らし、瞬きを一つすると、更に戸惑っているティニに向かって話し始めた。

「主がティニだな?
突然の事で戸惑っているだろうが、聞いてほしい。
我の名はレシラ。
主を此処に呼んだのには訳がある。」

(レシラ様の様なお方が、僕などに何要ですか…?)
ティニの言葉から、レシラと名乗るレシラムは、ティニにとってとても尊敬すべきポケモンのようだ。

「とても重要な事だ。
しかし、我の力だけではもう止められんのだ。」

(止められない…とは?)

「時間が無い。手短に言う。主が先程まで見ていた惨劇。
…それが現実に起こることが解った。」


え…?


何…? どういうこと?



ティニの心境を理解したのか、レシラは深呼吸をすると、ゆっくり、しかしハッキリと言った…

「近い未来…世界は崩壊する。」

to be continued…


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[[黒き軆と白き志]]
IP:202.229.176.17 TIME:"2012-03-10 (土) 18:01:29" REFERER:"http://pokestory.rejec.net/main/index.php?cmd=edit&page=%E9%BB%92%E3%81%8D%E8%BB%86%E3%81%A8%E7%99%BD%E3%81%8D%E5%BF%97%E7%AC%AC5%E8%A9%B1" USER_AGENT:"DoCoMo/2.0 P02C(c500;TB;W24H16)"

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