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魔女狐の館 の変更点


執筆者[[文書き初心者]]
&color(Red){獣姦描写がありますのでご注意下さい。また、ポケモンに胸の描写がありますので苦手な方はご注意ください。};
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 ハクタイの森にある洋館は廃墟の中でも有名だが、そんな廃墟は至るところに存在する。グレンのポケモン屋敷とか、ホウエンの108番水道にある捨てられ船とかが良い例である。
 そんな廃墟を回るのが僕は好きだった。周りからは危険だからやめろとか言われることもあるが、そうはできなかった。恐らくは幼少時に古びた館で遊んでた影響もあるだろう。
 そして再び訪れた思い出の館。子供の頃に引っ越してからは暫く来てなかったが、廃墟が好きになったから改めて来たくなったのだ。
 鬱蒼と木々が生い茂る森の中で崩れることなく建っている館は当時の記憶のままであった。だからこそ、余計に僕の胸は高鳴っていく。
 ただ眺めるだけではやはり物足りず、内装も当時のままかと気になって僕は、入り口の扉の前へと立つ。そして、躊躇うことなく錆びついたドアノブを回して扉を開く。
 その刹那、埃のようなカビ臭いような強烈な匂いが嗅覚を刺激するとともにいきなり目眩がしてきた。立ちくらみなのか、と考えている束の間、僕は石畳に崩れ落ちていく。意識が遠退く合間に、どこからともなく声が聞こえてきた気がした。

 ――おかえりなさい、あなた。




 今にも崩れ落ちてきそうなくらいに、至るところに亀裂が入った天井が視界に飛び込んでくる。
 見知らぬ天井であった。いや、厳密にはそうではない。
 小さい頃は見ていたのだろうが、あまり記憶になかった。それか、廃墟を回りすぎて似たような天井を見てきたから忘れてしまったのであらう。
 上体を起こそうとすれば軋んだ鈍い音が部屋に響く。背中は妙に柔らかかったので疑問に思うと、目を横に見やれば少し灰色に汚れたベッドのシーツが目に入る。よくこの館に来た際に、自分が昼寝で使っていたベッドのものだと直ぐに思い出した。
 どうやら僕は館内のベッドの上にいたようだ。昔は大きすぎたこのダブルベッドも、今となればそこまで大きさは感じられなかった。ただ、独りで寝る分には成熟した今でもやはり大きかった。
 自分の記憶が正しければここは確か寝室であった筈である。しかし、自分が倒れたのは玄関への出入り口だった。記憶が曖昧でも石畳に突っ伏したとこまでは覚えている。
 とにかく状況を整理するべく、僕は上体を起こすが、下半身には自分のものではない重みがあるのに今更ながらも気付く。それが、どんな命取りになる自体に結びつくのか廃墟を回っていれば分かっている筈なのに。
 痛覚はないといえども、下手をすれば下半身が不自由になっているのではないか。そう思うと不安で心臓の鼓動が忙しくなっていくのを感じざるを得なかった。
 そして僕は覚悟を決めて恐る恐る顔を上げていく。正面を見れば自分以外の誰かがいることが判明した。
 魔女のローブを彷彿とさせるようなふわっとした長い体毛に、手には魔女の杖を思い出させるかのような木の棒。細長くて整ったマズルに、燃え盛るような紅い瞳。胸元を見れば、体毛越しからでも分かるくらいに起伏があったため、恐らくは牝であろう。
 僕の記憶が正しければマフォクシーと呼ばれるポケモンであった。そんなマフォクシーが僕の身体の上に乗っかっていたのだ。状況から察するには倒れていた僕をベッドまで避難し、看ていてくれたのだろうか。
「君が助けてくれたの? ありがとう」
 そうお礼を言ってマフォクシーをそっと撫でてやる。すると、マフォクシーは持っていた木の棒をベッドの上に置くと、嬉しそうに目を細めて受け入れる。そんなマフォクシーの笑顔に、先程まで不安で揺らいでいた自分の心が温まる感じがした。
 変な人間ではなく、こんな親切なポケモンに助けられて良かった。そうほっと胸を撫で下ろした途端に、耳に不意に飛び込んでくる。
 くす、くすす。
 それが目の前にいるマフォクシーの笑い声であるのは、口の動きから直ぐに分かった。もしもゴーストタイプのポケモンの仕業であったら、今頃は恐怖に支配されていたであろう。しかし、急にマフォクシーが笑い出すなんて、何かおかしいとこでもあったのだろうか。
「ふふっ、私が助けたと思ってるの? そうだとしたらあなたはとってもお馬鹿さんね」
 笑みを浮かべていたのも束の間、次に発した言葉は僕を馬鹿にする言葉で、少しむっとした。しかし、マフォクシーの言葉を理解すると、怒る場合ではなかった。
「それは、どういう意味なんだい」
 ただ、ベッドの上に寝かせたのは間違いなく目の前にいるマフォクシーであろう。この部屋からは他の気配なんて全く感じられなかったのだから。
 僕がそう尋ねると、マフォクシーが再びくすくすっと声を上げて笑う。一体全体何がそんなに可笑しいのだろうか。いやこの場合は僕を嘲笑っていると言うべきか。
「久方ぶりの来訪に、丁重にお出迎えしてあげただけなのよ?」
 そうマフォクシーが呟いて、自分の理解が追いつくのは幾ばくか時間がかかった。だが、理解するや否や僕の心臓の鼓動はどくどくと早くなっていく。
 そう、立ちくらみなんかで倒れたのではなかったのだ。あの急な目眩の原因は、目の前にいるこの魔女狐の仕業であったのだ。僕の心中なんて知らずに、魔女狐は言葉を続けていく。
「あなたが来るの、私はとっくの前に知ってたのよ。ずぅっと前からね」
 飛んで火に入る夏の虫になった自覚はない。なんで分かったのか、と考える間に魔女狐が手を蝋燭にかざすなり火を灯す。炎タイプであったら口から炎を吐いたりするものだが、そうせずにできたのは何故かと考えたら自ずと答えは出てくる。現に魔女狐は杖に値する木の棒を持っているのだから。
「……追いかえさなかったのは何故なんだい?」
 来るのが分かれば、拒むのも簡単である。あえて招き入れたというのが分からない。ましてや、こんなとこで人知れずに暮らしているなら尚更である。静寂なこの場に人間の来訪なんて、はた迷惑に決まっているのだから。
「だって、これから私がしたいこと、ひとりじゃできないもの」
 それはなんだと僕が訊く前に、魔女狐は自分の胸元に自ら手を突っ込んでは体毛を掻き分けていく。そして体毛で隠れていた乳房を僕に曝け出した。
 体毛越しからでも分かるくらいに大きいと分かっていた。しかしながら改めて体毛無しで見れば、大きな乳房が現れて僕の下腹部は反応する。ましてや、人間のものと大差なくて、親指と人差し指で輪を作るよりも大きな乳輪と、ぷっくりと隆起した桃色の乳首が目に入れば尚更であった。
「テールナーの頃は小さかったけど、今じゃ結構大きくなったのよ?」
 そう言って自分の乳房の大きさをアピールする魔女狐。僕は思わず目を背けてしまうが、魔女狐は恥じらいというものがないのか、以前として僕にそれを向ける。ほら、もっと見てもいいのよ、と言わんばかりに口元を綻ばせながら誘惑してくる。
 相手がポケモンとはいえ、異性ということもあって、僕は魔女狐の乳房が気になって仕方がなかった。特に、一思いに揉んでみれば、たちまち指先まで沈んでいきそうな程に大きくて柔らかそうであれば尚更であった。逸らしていた筈の僕の目線は、次第に彼女の胸元へと移っていき、終いには彼女の乳房を凝視していた。
 当たり前のように、平然としていられる訳がなかった。先程までは恐怖で心臓がばくばくと鳴っていたが、今となっては異性の身体を見た興奮で高鳴っている。異性と言っても相手は人間ではなくポケモンなのだが。
 相手はポケモン、そうやって頭では考えているにも拘らず、下腹部は次第に熱を帯び始めて肉棒は存在感を誇示し始める。そして、直立不動となるほどまでに肉棒は肥大化していった。
 そんな風になって漸く気づいたのが、自分の身包みがひとつもなかったことだ。魔女狐と対面してからずっと裸であったことに気付き、僕の頬には熱がこもっていく。
「あなたの服、邪魔だったから脱がしちゃった。どうせこれからすることに必要ないしね」
 魔女狐がそう言うと、豊満な身体を僕に寄せてきては口を押し付けてくる。あまりにも急であったが故に、僕は拒む余裕すらなかった。もっとも、余裕があったとしても拒めたかどうか怪しかった。
 自身のたわわな胸を僕に押し当ててきては、舌先を僕の口内へと捻じ込んでくる魔女狐。おかげでますます僕は拒めなくなる。対する彼女の方はといえば、にんまりと妖しげな笑みを浮かべていて僕の理性をぐらつかせるのを愉しんでいるように思えた。
 そして彼女の舌先が僕の舌に絡みついてくる。炎タイプとなれば灼熱のような熱さかと思いきや、それ程熱くはなかった。ただそこまで冷えている訳でもなく、触れ続けていたら低温火傷しそうなくらいであった。
 そう思っている最中にも魔女狐は、舌を懸命に絡めてくる。ポケモンの魔女狐がどこで覚えたのか分からない濃厚な接吻をしてくるとなると、最早人間の情事と何ら変わりなかった。
 自分の口の中を彼女の舌に掻き乱されても、僕は抵抗なんて出来ずにされるがままだった。そうされていくうちに自分の口に魔女狐の唾液を流し込まれていく。
 魔女狐の唾液を口移しで飲まされて、自分の中へと注ぎ込まれていく。自分の中に魔女狐の体液が入り込むことによって、まるで自分が彼女のものとなっていくような感覚だった。しかし、それを不思議と嫌とは思えなかった。彼女の妖艶な笑みを間近で眺めていれば尚更だった。
 そうして彼女が口を離せば、口と口との間で唾液が糸を引き、次第にぷつりと切れる。その光景を見て、僅かな合間であった筈なのに長いこと彼女に口内を弄ばれていたような気がした。
「んふ……ごちそうさま」
 ぺろり、と口元に垂れていたどちらのものか分からない唾液を舐めると、彼女がご満悦そうにそう言う。しかし、あくまでもそう見えるのであって、彼女の口からこれで満足したという言葉は出なかった。
 僕が呆然と彼女の顔を眺めているのを良いことに、彼女の手が僕の肉棒へと伸びてくる。男性の性器であるにも拘らず、特に躊躇をしなかったのは彼女がポケモンだからであるからか。そんな僕の考えなんかお構いなしに、彼女は肉棒をじっくりと手で確かめてきた。
 袋の部分を触れては中に入ってる玉まで転がし、根元の部分は指先で輪を作って太さを確かめ、柄の部分を指でなぞっていき、先端部は手の平で覆って溢れてくる我慢汁を拭っていく。
「あなたのすごいわぁ、とってもりっぱになってる」
 そして彼女は驚嘆しながら僕の肉棒をまじまじと見つめてくる。彼女の手に弄られ、僕の肉棒は既にがちがちに硬くなっていたのだ。その証拠に、彼女が指先で肉棒を倒そうとしても起き上がり小法師のごとく、すぐに直立となる。
 はぁ……ぁ……はぁっ。
 自分の荒げた息遣いが嫌でも耳に入ってくる。ポケモン相手に興奮している自分がおかしいとしか言えなかった。ましてや、初めて逢って何も知らない彼女のことを犯したくてやまないなんて、我ながら異常にも程がある。
 そうは思っていても、やはり僕は欲望に忠実な下僕であった。ふくよかに実った乳房に、体毛で丁度うまく隠れて見えない肉付いたお腹、そして滴る愛液で今にも強烈な匂いがしそうな秘所へと、僕の視線は至る所に移し、そしてごくりと固唾を呑む。
 最早、我慢の限界であった。彼女は僕の肉棒を触ったのだから、僕にだって触る権利があるであろう。そう頭で勝手に決め付けては、先ずは一思いに彼女の乳房目掛けて両手を伸ばした。
 その刹那、もふっとして弾力のある感触が伝わってきた。単純に胸の柔らかさだけでなく、体毛でもふもふとしているからとても肌触りが良く、そして何より揉み心地が良かった。
「んふぅ」
 僕の手が揉む度に彼女が声を漏らしていく。拒む様子はなく、僕が胸を弄るのを愉しんでいるようであった。それも口元から涎を垂らしては善がるのだ。
「はぁ……あんっ……」
 彼女の乳房の大きさは、見た目通りを通り越してそれ以上であった。まず手の平には収まらず、指先まで使ってようやく受け止められるといった具合であった。そして揉めば今にも、むにゅ、むにゅと聴こえてきそうなくらいに柔らかく、それでいて彼女の体毛で肌触りも良いという二段構えだった。この肌触りに慣れてしまったら人間のものでは満足できなくなるであろう。
 そして、揉んでいけば無論、手の平で突っかかる感触が伝わってくる。それが何であるかを改めて確かめるべく、僕は一旦両手を離した。
 そこにはぷっくりと隆起した乳首があった。彼女が経産婦でないというのを露呈するかのように淡い桃色の乳首が、小さな毛の隙間から出ていた。無論、そのの周りには桃色の大きな乳輪もあり、僕をより一層興奮させる。
 なんてどすけべな身体なんだろうか。
 彼女に失礼ながらそう思った。そして僕は辛抱ならずに彼女の胸に目掛けて顔を沈めていった。顔に当てても分かる乳房の柔らかさともふっとした毛並みを感じながら、僕は真っ先に突き出た乳首を咥え込んだ。
「やぁっ……ああんっ……」
 彼女はわざとらしい甘い声を上げるが、それでも気持ち良いというのは身体の震え方から伝わってくる。それもあってか、僕は彼女をもっと気持ちよくさせようと舌で舐めていく。こりこりと硬くなったそこは、一舐めしただけでも分かるくらいに弾力があり、舌先で転がしてみてもすぐに跳ね返ってくる程に勃起していたのだ。
「そんなにいじっちゃやぁ……」
 そう言われたら尚更弄りたくなるのが性である。僕は舌で舐めるのを止めると、今度はちゅうちゅうと吸っていく。まるで乳飲み子のように。しかしながらどんなに吸っても母乳は出てこなかった。これだけの膨らみであれば、母乳の一滴や二滴出てもおかしくない筈なのにもかかわらず。
 僕があまりにもがっつくから彼女が僕の頭をよしよしと撫でてくれる。そうされると、今更ながら自分があたかも幼児退行しているように思えて恥ずかしくなる。
「もうっ……わたしの吸ってもミルクなんて出ないのよ?」
 彼女にそう言われ、僕は残念だなと思った。確かに、どれだけ彼女の乳首を吸っても母乳のような味はせず、ただ自分の唾液の味がするだけであった。
 仕方がないので、僕は彼女の乳首を咥えるのをやめては顔を離す。すっかり僕の唾液が纏わり付いた彼女の乳首が目に入るとともに、改めて乳頭から母乳が出ていないのを確認する。
「そんなに私のミルクが飲みたいの? だったら方法ならあるわ」
 それは何だ、と訊く前に彼女が僕に迫ってくる。最初は彼女の胸の谷間に目線が行っていたのだが、彼女が股を開くや否や、瞬時にそちらへ向く。
 陰毛で秘部は隠れてはいるものの、その周辺はすっかりぐしょぐしょに湿っていた。お漏らしでもしたといっても過言ではない程に。加えて、むわっとした強烈な匂いが漂い始めて僕の嗅覚を刺激していく。そんな中、彼女は自らの手で陰毛を掻き分けていく。
 そして彼女は僕に向けて愛液がとろりと滴る秘部を見せつけてくる。肉棒を呑み込む準備万端と言わんばかりに、秘部からは愛液が垂れてベッドのシーツまで垂れていた。
「ほら、ここにあなたの子種を注いでくれたら……ねぇ?」
 そう言って、僕に跨っている彼女は自身の秘部に肉棒を当ててくる。少しでも動けば今にも肉棒が蜜壷に容易く入っていきそうな程に、そこはすっかり熟れきっていた。
 彼女は蜜壷の入り口に肉棒を擦り付けては入るか入らないかの瀬戸際を愉しんでは、焦らされている僕の表情を肴にしている。まさに、性悪な魔女狐である。
 肉棒の先端部に、彼女の滑りを帯びた秘所を擦り付けられれば、きもちよくない訳がなかった。しかし、肉棒を彼女の蜜壷に沈めてやったらこれ以上の快感が味わえると思うと、それだけじゃ満足できないに決まっていた。
 それに僕は一匹の牡として、彼女のことを孕ませたくて仕方がなかった。彼女の身体を弄び、挙句の果ては自分のものにしたくて堪らなかったのだ。そんな僕の心中を悟ってか、彼女が僕にある決断を迫ってくる。
「私がほしいの? それならこれからはずうっと一緒に居てくれる?」
 今後を左右する質問にも拘らず、僕は迷わず一つ返事で首を縦に振っていた。性欲に忠実になって飛びついたからではない。今となっては純粋に彼女が愛おしいと思っており、これからふたりで寄り添って暮らしたいと考えたからだ。
 それも初めて逢ったにも拘らずだ。この時点で僕がその事を疑問に思うのが普通なのに、そうは思えなかった。それが今後の人生を占うだなんて、今の僕には考えられなかった。
「本当に? 嬉しいわ。もう二度と私のもとから離れちゃだめだからね、あなた」
 僕の返答に彼女がにっこりと満面の笑みで笑う。その笑顔だけでも、僕の心を満たされるような気分であった。それに嘘偽りは微塵もなかった。でも、彼女は僕の胸に引っかかる言い方をしてきて、まるでささくれのように気になった。
 ――僕は彼女と、今日以外で出逢ったことなんてあったのだろうか。マフォクシーである彼女に逢ったのは今日が初めての筈なのに。
「じゃあ早速、初夜といきましょうか」
 でもそんな気がかりなんて掻き消すかのように、彼女は待ったをかけず、すとんっと一気に腰を落としていく。愛液が潤滑油の役割を果たして、肉棒が蜜壷に飲み込まれるのは他愛もなかった。
「んんぅっ!」
 彼女の嬌声が聞こえるや否や、肉が付いて柔らかな彼女のお尻が僕の下腹部に乗っかっていた。そして、その後で僕に待ち受けていたのは溶けそうなくらいに熱さであった。
 彼女が炎タイプということもあってか、蜜壷の中はとても熱かった。だが、不思議と火傷しそうなくらいに熱くはない。それでも、肉棒が熱に包まれてじわじわと溶けていきそうな感覚があった。
「あはっ……あなたのぜんぶ入っちゃった」
 そう言って、彼女がローブのような体毛をたくし上げては、改めて僕に下腹部を見せつけてくる。するとそこには僕の肉棒の姿がなく、秘口が自分の下半身と触れ合っていた。それによって、視覚的にも感覚的にも彼女と繋がっていることを露呈していた。
「それじゃあ、うごくね」
 彼女がそう言うと、まずはゆっくりと腰を動かしていく。その際に、肉壁と肉棒とが擦り合って、亀頭は膣奥を刺激する。その刺激が、自慰なんかよりも比べ物にならないくらいの快感であった。相手がポケモンにも拘らずだ。いや、もしかしたらポケモンだからが故に人間とは比べられないのかもしれない。
「はぁ……あっ……いっ……」
 彼女の喘ぎ声とともに、じゅぶ、ぬちゅり、と嫌らしい音がかつての夫婦の寝室と思われる部屋中に響き渡る。使い古されてろくに手入れもされていないこのベッドは、今にも脚が崩れそうなくらいにぎしりと鈍い音を立てる。
 そして彼女が腰を振るたびに、たぽついたお腹の肉や豊満な乳房がたぷんたぷんと揺れる。揉めば柔らかそうな部位が彼女の動きに連動するのである。その光景はまさに扇状的であり、ますます僕の興奮を煽ってくるのだ。
 それに釣られてなのか、僕は無意識のうちに彼女のお腹に手を伸ばしていた。野生とは思えないくらいに肉が付いたお腹は摘める程であり、触ってみれば段腹になっているのがよく分かる。乳房ほどではないが、指先を押し当てれば沈んでいき、むにむにと揉めば柔らかいので触り心地が良かった。
「や、やあ……おなかはだめだから……」
 そう言って、恥ずかしそうに彼女は僕の手を振り落とそうとするが、僕はしつこく何度も手をお腹に持っていく。そうすることで、やがて彼女は諦めたのか耳を恥ずかしそうに垂らして僕の手を受け入れる。くすぐったそうに耳をぴくぴくと震わせながら。
 恥ずかしいんだったら痩せなきゃ駄目だろ、と言おうとしたがやっぱり言わないでおいた。正直なところ、自分の趣向としては華奢よりかもある程度は肉が付いている方が好みで、その方が異性としても魅力的であったからだ。牡では体感できない牝特有の柔らかさに夢中になる。
 ましてや、ここになれば尚更だ。孕ませたら今触っている程の比にはならないくらいに膨れるのだから。
 そう思いながら、今度は彼女のお腹から胸へと手を移していく。彼女の腰の上下運動に伴い、乳房は激しく揺れるものだから手から溢さぬように受け止めるだけでも精一杯であった。
「もう、あなたったら、ほんと私のおっぱい好きなんだから……」
 手に余る程に大きい彼女の胸を嫌いになる訳がなかった。それに、鷲掴みをすればむにゅっと聞こえてきそうなくらいな柔らかさなのだから。これを好きにならない牡なんているのだろうか、いやいないであろう。
「あっ……はぁん……」
 僕が揉みしだけば、彼女はくぐもった吐息を出す。それに加えて、僕の上で腰を振り、淫らな身体の象徴とする乳房やお腹を乱れるように揺らす光景に、僕は居ても立っても居られなくなる。それ故に、僕の方からも腰を上げては肉棒を彼女の膣奥に突き刺していく。
「や、だっ……うごいちゃっ……」
 いきなり僕が動き始めたものだから、彼女が体勢を崩して前のめりになる。すると、僕に覆い被さる形となり、彼女の顔が真正面にくることとなる。僕は自分の両腕を彼女の背中に回しては、がっちりと抱き締めては捕まえてやる。そして逃げられなくなった彼女に向かって肉棒で何度も何度も突いていく。
「ぁあっ……そんなにはげしくしないでっ……!」
 まさか一気に攻守が逆転するとは思わなかった。それもこれも、こんなに卑猥な身体をしている彼女が悪いのだ。対する彼女の方はと言えば、逃げることもなく僕に任せるといった言わんばかりに手を僕の首に回していく。そして、彼女は空いている口を僕の口に重ねていく。
 むせ返りそうなくらいに熱かった。
 身体のありとあらゆるところで彼女と触れ合っており、自分の汗は止めどなく溢れていく。それども脱水症状になるような不快な熱さではなく、焚き火のように適度な熱さで、ずっとこのまま抱かれて燃え尽きてしまっていいほどであった。それだけではなく、嗅覚、聴覚、触覚の何から何まで全てが彼女に支配されていた。
 彼女の匂い、彼女の声、彼女の温もり。
 自分の中に彼女の存在を感じる。彼女が僕の心に入り込んでいるのがよく分かる。最早、彼女なしの人生なんてあり得ないと思ってしまう程に。
 彼女の耳から飛び出ている大きな赤い毛を、僕は何となく触ってみる。すると、彼女はぴくんっと跳ねるように身体が反応する。その反応を見て、僕は両手でその毛をふさふさと弄っていく。すると、彼女は僕から口を離してら、懇願するように言ってくる。
「やぁっ、そこは、いじらないでっていってるでしょっ……」
 ――敏感なのは相変わらずなんだ。
 何故そう思ったのは分からない。僕は彼女のことを全然知らない筈なのだが。彼女が涙目なりながら反応するものだから、僕はもっと触ってしまいたくなる。故に僕は、彼女の耳から出ている毛に顔を沈めては息を吹きかける。
「だっ……あっ……」
 反応が薄い、というよりかは我慢しているのが伝わってくる。おかしくなっていいんだよ、と僕は彼女の耳元で囁くと、ぺろりと舐めていった。
「あっ、そんなとこなめないでっ……」
 そうすると、がくっと身体を不規則に揺らす彼女。どうやら、ここはやはり彼女の性感帯であるらしい。これだけ過敏に反応してるというのに、絶頂まで至らないのが心惜しい。それならば、残る方法はひとつしかなかった。
 欲望のままに僕は彼女に向かって、激しく腰を突きあげる。結合部から漏れ出る音は最早擬音では表現できないくらいに下品となっていた。ピストン運動に合わせて肉と肉とがぶつかり合って、汗やら愛液やらの体液が飛び散っていく。それによって、ベッドのシーツには大きな染みを作らせているに違いなかった。
 敏感なところを同時に責められて余裕がないのか、彼女の瞳はぼんやりと僕を映している。最初に唇を奪ってきたり、僕に性交を迫ってきたりと、これまで牡を何度も手玉に取ってきた風を見せていた彼女。しかし、それはどうやら見せかけだったようだ。
 でもそれならばそれでいい。まだ誰のものにもなっていない彼女の身体を自分だけのものにするべく、僕を膣内を肉棒で擦り付けては膣奥を刺激してやる。自分の肉棒の形を覚え込ませるように。無論、それだけでは物足りない。
 愛おしげに何度も彼女を呼びながら、腰を振っていく。呼びかけに彼女も反応して、僕の名前を呼ぶ。彼女に自分の名前を教えたかどうかだなんてこの際どうだって良かった。彼女の子宮を自分の精液で満たしてやるべく、僕はありったけの力でもって膣奥を肉棒で突いてやった。
「ぁっ……あっ……ぁああああっ!」
 その刹那、彼女は甲高い声を上げて、ぴくぴくと身体を狂ったように震わせる。そして彼女は下腹部から大量の愛液を噴水のように撒き散らす羽目になった。
 無論、自分もただでは済まされず、彼女の肉壁に肉棒が締め付けられていく。その直後、全身に快感が駆け巡るとともに精液をぶちまけていった。それも彼女の子宮を満たすと言わんばかりに肉棒は精液を大量に注ぎ込んでいくのである。
 そうなると下腹部は精液やら愛液でぐしょぐしょに湿って、最早何がどうなっているのか分からないような状態であった。それでも混ざり合った体液が結合部から漏れているのは下半身から伝わってきて、お互いに果てたという事だけは確かであった。
 絶頂を迎えた彼女はぜぇぜぇと荒げた息遣いをして、その吐息を僕にふりかけていく。蒸気を帯びたその吐息は、先程まで激しい行為をしていたというのを物語っていた。
「はぁっ……あなたのいっぱい……ふふっ……」
 自分に流し込まれていった精液を感じ取ったのか、彼女がそうぽつりと呟く。それも恍惚そうな表情でもって。自分の自慢な体毛がぐしょぐしょに湿るくらいに乱暴にされたというのにも拘らずだ。
 しかしながら僕の方も満たされていたというのが本音であった。彼女の豊満な身体を堪能することができて、最早言うことなしだった。
 でも、僕はまだ心の底から満足した訳ではなかった。これだけでは彼女を孕ませ気なんて微塵もしなかったのだから。そんな僕の心中を悟ったのか、彼女が妖艶な笑みを浮かべながらこう訊ねてくる。
「――ねえ、あなた。まだできるわよね?」
 何がとは明確に言わなかったが、何を指すのかは分かりきっていた。彼女が上体を動かして、騎乗位の体勢に整えれば尚更だった。
 それに、まだ彼女の膣内に入っている肉棒は萎縮してなかったのだ。普段であれば、射精を迎えれば萎えるのが自然だと言うのに。肉棒は彼女の情事を始める前と変わりなく、今すぐにでも再び彼女の子宮に精液を注いでやりたいと訴えているようだった。
 自分が異常なのにも程がある。彼女に自分の精液をあれだけ出したというのにまだ足りないと思っているのだから。それでも僕は何の躊躇いもなく、彼女の問いかけに即座に首を縦に振った。
「ふふっ、そうこなくっちゃ。今度は私がちゃんと動くから、あなたは休んでいいからね」
 そう言うと、彼女の目が怪しく光り始める。その光に魅了されて僕は眺め続けていたが、徐々に睡魔が襲いかかってくる。だが身体は依然として熱く、まだ冷めてなんかいない。それに疲れは多少あれど、まだまだ元気な筈であった。にも拘らず、瞼は唐突に重たくなっていく。彼女の瞳から発せられたあの光が催眠術だと気付くのに僕は遅過ぎた。
 そうして僕の意識は段々と現実から遠ざかっていき、堕ちていく際にも肉棒からの快感だけが身体に伝わり続けた。そして眠りにつく最中で、彼女の声が不意に耳へと入っていく。





 こんなとこにくるなんてものずきだなあ。え、ほんとにものずきなの? ふうん、あなたってかわってるのね。

 わたしね、すてられたの。だって、ここでずっとまってるのに、かいぬしむかえにこないもん。

 きょうもきたんだ。めいわくかって? ううん、べつにわたしはかまわないけど。

 いらっしゃい、きょうはさっきひろったモモンのみがあるんだよ。いっしょにたべましょ!

 わたしね、さいみんじゅつがつかえるの。だから、きもちわるいってすてられたのよ。ほんとうにつかえるかって? それじゃあ、わたしのめをみてみて。あなたはだんだんわたしのことがすきになる。あなたはわたしのことがだいすきになる。どう? もともとだいすきだからわからない? そ、そういうのはさきにいってよっ!

 ねえ、わたしがおおきくなってもいっしょにいてくれる?
 え、いっしょにいるだけじゃなくて、このえほんみたいにけっこんしてくれるの? ほんとうに? それじゃあ、やくそくね。えへへ、おおきくなるのたのしみだなあ。

 どうしてひっこしちゃうの? わたしといっしょにいてくれるんじゃないの? じゃあひっこさないでわたしといっしょにくらしてよ! それもできない? わたしのこともかえない? うそつきっ、あなたのことなんかもうしらないっ! あっちいってよ!

 おわかれのあいさつにきた? わたしのことおいていくくせに? わたしのことぜったいにわすれない? おおきくなったらかならずもどってくる? ふうん、でもわたしのことわすれたら、もどってこないよね?  それじゃあ、かけをしましょ。わたしのことをわすれてももどってくるのかのね。わたしのめをずっとみてごらん、あなたはわたしをだんだんわすれていく。あなたはわたしをだんだんわすれていく。あなたはわたしをだんだん――。





「あなたったら、これじゃあほんとの赤ちゃんよ」
 彼女は呆れた様子ではあったが、嫌そうではなかった。寧ろ温かげな眼差しをしては僕の頭を撫でてくれるあたり、喜んでいると言っても過言ではなかった。
 気づいたら僕は、彼女の乳首を口いっぱいに含んではちゅうちゅうと吸いながら寝ていたらしい。なんだか懐かしい夢を見ていたような気がするも、目覚めるや否や、断片も残らぬくらいに忘れてしまった。
 初夜のときは出なかったが今となっては彼女の身体は母乳が出るようになっており、口に含めば仄かに甘い味が広がっていく。人肌程度に温かく、飲みやすくてついつい吸ってしまう。
 そうすると彼女はくすぐったそうに身体を震わせる。その仕草が可愛くて僕は乳首を吸うだけでは飽き足らず、ぺろぺろと舌先で転がしていく。すると、吸っているときでも分かっていたが、舌で転がせばより一層に堅くなっているのが分かる。
「やっ、やあ……」
 舐められて甘い声を漏らす彼女がいる。こんなので感じてしまうなんてえっちなおかあさんだ、と思いながら一旦は顔を離す。そうして、改めて彼女の身体をまじまじと見つめていく。
 乳房は妊娠前と比べて更に膨らんだのと同時に、今では重力に従うくらいに垂れてしまっている。妊娠したのと、僕が散々舐めたり触ったりして弄んだこともあってか、乳首と乳輪は綺麗な桃色から打って変わって体毛の色よりも濃い焦げ茶色へと変色していた。そして極め付けは縦にくっくりと線が入り、ぽっこりと浮き出たお腹であった。おまけにお尻は、安産型に磨きがかかったと言わんばかりに、肉が付いてより丸みがかっていた。
 単に太ってしまったということも考えられるが、それはなかった。乳房を揉めば滲み出てきて乳首を摘めば水鉄砲のように飛び出る母乳と、お腹にくっきりと浮かびあがった正中線と妊娠線が何よりの証拠であった。
 幾度となく身体を重ねたことにより、彼女は子供を身籠もったのだ。自分は人間で、彼女がポケモンの異種間であるにも拘らず。普通の人間が聞いたのであれば真っ先に可笑しいと言うであろう。
 いや、可笑しくはない。昔はポケモンと結婚した人間もいるくらいだから、ポケモンとの間に子を授かったのもいるであろう。それに、僕が現にそうであった。
「もう……あなたばっかりミルク飲んでずるいわ」
 僕だけがミルクを飲んでいるからか、彼女が少し頬を膨らませて文句を言ってくる。そうは言われても、彼女のおっぱいがおいしいのがいけないのである。ましてや、弄りがいのあるこりこりとした乳首であったら尚更であった。
 じゃあ搾って哺乳瓶にでも入れてあげようか、そう提案する前に、彼女がもじもじと恥ずかしそうにお願いをしてくる。
「ねえ、あなた……わたしにもミルク、ちょうだいな」
 彼女が言うミルクは母乳を指していないことなど分かりきっている。頼んでもいないのに股を拡げてくるのを見て、僕はいとも簡単に予想がついた。
 彼女の股で目に付いたのは秘所周辺のぐしょぐしょに湿っていた体毛である。僕が彼女のおっぱいを飲んでいただけでこんな風にしていたら、我が子に飲ませるときもなるのではないか。そう考えると、僕は子育ての時の彼女が心配になる。
 そんな僕の心配なんか知らずに、彼女は対面座位のまま肉棒を秘所へと当てがっていく。そして待ちきれないと言わんばかりに、僕の返事を待たずにそのままゆっくりと沈めていく。蜜壷はすっかり愛液で湿っていたということもあってか、すんなり肉棒を飲み込んでいった。
 いや、それだけではなかった。彼女の肉壁は僕の肉棒を幾度となく出し入れしたこともあって、形を覚えこんでいたのだ。いつでも僕の肉棒を入れることができるようにと、彼女の身体が順応していたのである。
「ふふっ、すごいわぁ……私の身体、前に比べたらみすぼったらしいのに、ちゃんとあなたのは奥まで当たってる」
 そして入るや否や、肉棒はきゅうきゅうと肉壁に締め付けられていく。孕んでいるというにも拘らず、未だに子種を貪ろうとしてくるのだ。母性的な性格になったかと思いきや、とんだ淫乱な身体は相変わらずなのである。
 そんなことはないよ、と先程の彼女の言葉を否定する僕。寧ろ、初夜のときよりかも肉棒に熱が溜まっているような気がしなくもない。彼女の熟れた肉体に、ましてや、妊娠した姿に欲情するだなんて我ながら変態にも程がある。
「どんな姿でもあいしてくれてありがと……あなた」
 感謝のきもちを込めてか、彼女は僕にそっと口づけをしてくる。僕は快く受け取り、自分の方からもお返しをする。すると、彼女はにこっと微笑んでくれる。種族は違えども、睦まじい夫婦仲であるのは間違いなかった。
「それじゃあ、あなたのいただくね」
 そして彼女は、身体を前後に揺らして肉棒と肉壁とを擦りつけていく。その際に、下腹部から全身にかけて快感が走り渡る。最早両手を使っても数えきれない程に情事をしたとはいえ、この快感だけは格別であった。
「はあぁっ……んっ……あなたっ!」
 最初はゆっくりと動いていた彼女も、身体に行き渡る快楽をもっと貪ろうとして身体を前後に勢いよく動かしていく。妊娠して体重が増えたのもあって、対面座位とはいえ、ずっしりとした重量感が身体に伝わってくる。いきなりこんなに激しくしたらお腹の中にいる我が子に触ると思うが、彼女の方はそんなの御構い無しと言わんばかりに夢中となっていた。
 彼女が動くたびに乳房がたぷたぷと音を立てながら揺れていく。出逢ったときはあんなに張っていた乳房も、今となってはその面影もないくらいにだらしなく垂れている。
 だがそれはそれで良かった。こうして乳房を一思いに揉めば、じんわりと母乳が出てくるのだから乙である。茶色くくすんだ乳首から乳輪へと母乳が垂れていくのだが、母乳の白とのコントラストもまた扇状的であった。
「やぁ……そんなにおっぱいだしたら、赤ちゃんのなくなっちゃう……」
 口では拒むものの抵抗する素振りは全く見せない。故に僕は、乳首を摘んでは母乳の水鉄砲を愉しんでいく。母乳がぴゅっと飛び出るとシーツや彼女の体毛、そして僕の身体とあらゆるところに降りかけていった。生暖かな母乳がかかって、夫婦の寝室には微かに甘い匂いが漂い始めていく。
 赤子のように夢中になって乳首を摘みつつも、もう片方ではお腹をそっと優しく撫でていく。初夜のときは第二の乳房と言わんばかりにたるんだお腹であったが、今は風船を膨らませたかのごとくぽっこりとしている。ときどき、彼女の鼓動ではなく別の鼓動が手のひらから伝わってきて、この中に我が子がいると思うと感慨深くなる。
「ねえ、あなた。あなたの子種、この子にもちょうだいって」
 彼女が自分の手を、僕の手に乗せてはそう言ってくる。我が子にもお願いされてしまったらあげない訳にはいかない。全く、母子ともに淫乱とは世も末だ、と心の中で人知れず呟く。
 彼女は未来予知が使えるから今後どうなるかある程度は予測はついているのだ。彼女は先の事を僕に話そうとはしないが、きっとしあわせな家庭を築いているに違いない。
 ちゃんと、あげるからね。彼女のお腹にいる我が子に向かってそう言うと、今度は僕の方から身体を動かしていき、膣奥を幾度となく刺激してやる。でも、彼女のお腹に支障をきたすと良くないため、ある程度はゆとりを持ちながら肉棒を動かしていく。
「えへへっ……あなたっ……」
 母親の前に番いである彼女が満面の笑顔を僕に向けるとともに、毛でふさふさとした手で僕の手を握りしめてくる。指と指とを絡めてきてはぎゅっと掴んで離さなかった。そして彼女はゆっくりと顔を近づけては鼻を僕の鼻に擦り付ける。
 彼女の突き出た鼻先を当てられ、くすぐったいような思いをする。それで僕が油断していると今度は口を重ねてくる。してやったり、と言わんばかりににんまりと悪戯げな笑みをする彼女に、僕は盲目ながらも可愛いと思ってしまう。
 そうして遂には単純に重ねるだけの口づけでは満足できずに激しさを求めていく。舌と舌とをねっとりと絡めあってどちらの唾液か区別がつかなくなるくらいに混ざり合わせていく。無論、その間もゆったりと腰を前後に振るのを忘れない。
 燃えるような紅の瞳に、ふわっとして柔らかそうな頬。触ると敏感に反応するもふっとした毛があって特徴的な耳。そして僕を虜にする満面の笑顔。人間ではないとはいえ、僕自慢の妻はやっぱり可愛いくて、そして愛しかった。
 上半身でも下半身でも彼女とひとつに繋がっていてきもちがいい。それに加えて我が子とも一緒になっていると思うと、溺れるくらいにしあわせな気分であった。
 結合部からはぬちゅ、じゅぶりと水っぽい音を立てる。お互いの身体がきもちいい感覚に包まれて、彼女の愛液やら僕の我慢汁が溢れている何よりの証拠であった。そして我が子が父親の子種を欲しがっている合図でもある。
「あなた、こだね、ちょうだいなっ……」
 彼女は僕の精液を欲しがるとともに蠢く肉壁でもって肉棒を締め付けてきた。数えられぬ程に夫婦の営みをしたとはいえ、彼女の中は緩みきっているどころか、きゅうきゅうと締め付けてきて射精を促してくる。
 彼女にお願いをされたら叶えてあげるのが夫である僕の務めである。ちょっと激しくするよ、そう言って僕は一心不乱に肉棒を前後に動かす。無我夢中で狂ったように腰を打ち付けたい気もあったが、彼女が妊婦ということもあってある程度の自重はする。だけども、彼女の中を掻き乱すのは止められず、ベッドが鈍く軋む音を騒がしくしていく。それに加えて、ぱんぱんっと肉と肉とがぶつかり合う音が夫婦の寝室に響き渡っていた。
「あんっ……ぁあ……はあっ!」
 彼女の声色がどんどん甲高くなっていく。今にも気持ちよくて果てそうと言わんばかりに。対する僕の方も息を荒げては額から汗が伝う程に身体が火照ていた。そして、自分から溢れ出てくるこの熱を今にも彼女に流し込みたいと腰を振っていく。
「あなた……あなたっ……」
 僕を何度も呼ぶや否や、彼女がかぷっと僕の首筋に甘噛みをしてくる。彼女の歯は人間のとは違って鋭く尖っているため、いくら甘噛みとはいえど身体には突如痛みが走る。快感が駆け巡っている最中で、痛覚を刺激された反動なのかどうかは分からないが、射精感が急に込み上げてきた。
 首筋の痛みと溜まりに溜まった精液、どちらとしても一刻も早く楽になりたいと思った僕は、最後の一突きと言わんばかりに肉棒で彼女の最奥を突いてやる。
「あっ……ぁああああっ!」
 すると、彼女は僕の首筋から口を離して、甲高い声を上げる。そして不規則に身体をぴくぴくと揺らすとともに肉壁の締まりが急にきつくなる。締め付けることによって、肉壁が肉棒から精液を搾り取ろうとしてくるのに耐えられず、僕は彼女の中で果てた。
 びゅっ、びゅるるるっっ。
 そんな擬音が響いてきそうなくらいに、肉棒からは勢いよく精液が放たれていく。そして彼女の蜜壷を瞬く間に満たしていった。ほぼ毎日彼女と身体を重ねているにも拘らず。
 これで通算何度目の射精なのかも検討もつかないが、僕は身も心も晴れやかな気分であった。それだけ彼女の中が心地良かったということである。彼女に抱かれて果てるこの瞬間が、しあわせであったのだ。
 僕は、お腹の赤子に負荷が掛からないぐらいに彼女の方へと身体を傾けていく。そして顔を彼女の胸元へと沈めていく。その際に、彼女の匂いと甘い母乳の匂い、そして汗の匂いや、体液が入り混じったいかがわしい匂いやら色んな匂いがした。
「つかれちゃったの? うふふ、おつかれさま、あなた」
 重ねていた両手を解いては、彼女は僕の頭をよしよしと撫でてくれる。その姿はさながら子供をあやす母親であった。もっとも、彼女はもう心身ともに母親であるのだが、僕としては父親というよりかは大きくなった子供であった。
 彼女に寄り添ったまま、僕は蜜壷から肉棒を引き抜こうとはしなかった。否、このまま引き抜かなかった。このまま、ずっと彼女の温もりに溺れていたかったのと、彼女と我が子にせっかく注いだ精液が溢れないように栓をしたかった。それでも、大量に注いだこともあって少量は結合部から漏れていた。
 僕は顔を上げて、不意に彼女の口を奪う。すると、彼女は驚いた表情をするが、すぐにうっとりと目を細めていく。彼女の長くて太い尻尾が嬉しそうに揺れるのが、ベッドの振動から分かった。
 そして僕は愛の言葉を呟く。ずっと前から彼女に伝えたくて堪らなかったかのように。毎日顔を合わせている筈なのに、僕は面と向かって伝えたくて仕方がなかった。
 それを聞いた彼女は満面の笑顔でありがとうと言う。しかし、その直後に何故か曇った表情を浮かべた。その真意について訊こうと思ったが、彼女にお返しをされて口を塞がれる。それで僕は訊くタイミングを失ってしまったが、彼女の情熱さに負けてどうでも良くなってしまった。僕と彼女、そしてお腹の中にいる我が子がいれば良いのだ。それ以外はもう要らないのだから。
 彼女の燃えるような瞳を眺めながら、ねっとりと絡める口づけを堪能する。その際に、彼女の瞳は妖艶な光を放ち始める。漏れ出る吐息とは別に、彼女が何か口にしているのは感じ取れたが、舌足らずな言葉となっていてうまく聞き取れなかった。
 そういえば、どうしてここに来たんだっけか。
 ふとそんな事を何故か思い出したが、全く思い出せなかった。そもそも僕は何処から来たんだっけか。自分の実家すらも思い出せない――いや、でも帰る場所、住む場所なんて、もう此処以外はあり得ないからそんなのもう忘れてしまっていいか。
 彼女の温もりを感じながら、そんなどうでもいい事を忘れていく。この手に抱いている最愛の彼女だけは忘れないように、身と心に刻み込んでいくのであった。そして、口づけを終えた後で彼女はぽつりとこう言った。



 やくそくどおり、これからはずぅっといっしょだからね、あなた。

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原稿用紙(20×20)	50.65 枚
総文字数	17647 文字
行数	250 行
台詞:地の文	1170文字:16477文字
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あとがき
前作から気づいたら2年近く経っていました。月日が経つのは本当に早いですね。
月日が経つと趣向もどうやら変わってしまうようです。
[[魔狐に化かされる]]を書いた時点ではマフォクシーは貧乳華奢派のはずだったのですが、
いつの間にかムチムチな爆乳派になってしまいました。
まあ、そのおかげでこの作品が書けたと言っても過言ではないですが。
マフォクシーのにんっしんっまで書けたので個人的には満足です(
活動の場が渋に移り、ポケモンで書くこともあまりなくなってしまいましたが、
これからも執筆活動だけは細々とやっていきたいと思っております。
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作品に対する感想やコメントがありましたらお気軽にどうぞ
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